以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、電子チケットシステムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.第1実施形態]
[1−1.電子チケットシステムの構成及び機能概要]
先ず、本実施形態に係る電子チケットシステムSの構成及び機能概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る電子チケットシステムSの概要構成の一例を示す図である。
図1に示すように、電子チケットシステムSは、電子チケットサーバ1と、少なくとも1つのビーコン発信機2と、複数の携帯端末3と、少なくとも1つの入口端末4と、を含んで構成されている。電子チケットサーバ1は、本発明の情報処理装置の一例である。ビーコン発信機2は、本発明の通信機の一例である。電子チケットサーバ1と入口端末4と各携帯端末3とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
電子チケットサーバ1は、イベントなどで使用される電子チケットを発行するサーバ装置である。電子チケットデータの発行とは、電子チケットの内容などを示す電子チケットデータを携帯端末3にダウンロードさせ、ユーザが携帯端末3を用いて電子チケットデータの利用を可能とすることである。イベントが開催される会場にユーザが入場する際に電子チケットデータが利用される。
ビーコン発信機2は、イベントが開催される会場の所定の出口に設置される。ビーコン発信機2は、所定の出口から携帯端末3を所持したユーザが正規に退場した場合にのみ会場への再入場を可能とするために設置される。所定の出口は、ユーザがそこを通って退場することによって、会場への再入場が可能であると定められた出口である。例えば、ユーザは入口から会場への再入場が可能である。或いは、入口とは独立した再入場口が会場に設けられてもよい。所定の出口は、入口及び再入場口とは独立している。会場の出口が1つのみ存在する場合、その出口が所定の出口である。会場の出口が複数存在する場合、複数の出口のうち少なくとも1つの出口が、所定の出口である。この場合、所定の出口ごとにビーコン発信機2が設置される。
ビーコン発信機2は、近距離無線通信によりビーコン信号を発信する。この近距離無線通信で通信可能な距離の上限は、例えば数十センチメートル〜数メートル程度である。近距離無線通の規格は、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、ZigBee(登録商標)、 NFC(Near field radio communication)等であってもよい。ビーコン信号は、所定の識別情報を含む無線信号である。この識別情報に基づいて、ビーコン発信機2が如何なるイベントの会場に設置されているかを特定することが可能である。ビーコン信号は、本発明の無線信号の一例である。
ビーコン発信機2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるシステム制御部、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部、近距離無線通信を行うための近距離無線通信部を備える。
図2(a)は、会場の一例を示す図である。図2(a)に示すように、或る会場V1には、入口E1と、出口E2と、窓E3とが少なくとも設けられている。出口E2は所定の出口である。ユーザは窓E3を通って会場へ入場することも会場から退場することもできない。しかしながら、窓E3を介して、会場にいるユーザが会場の外にいる人へ携帯端末3を渡すことは可能である。
図2(b)は、会場の所定の出口の一例を示す図である。図2(b)に示すように、出口E2は、例えば会場の中と外を繋ぐ通路であってもよい。ビーコン発信機2は、出口E2内に設置される。出口E2から退場するユーザが所持する携帯端末3との間でのみ無線通信できるように、ビーコン発信機2の通信範囲ARが設定されている。ビーコン発信機2の通信範囲ARは、出口E2内に収まっている。従って、出口E2を通ったユーザが所持する携帯端末3のみが、ビーコン発信機2からの無線通信を受信可能である。例えばイベントのスタッフが出口E2を監視してもよい。スタッフは、例えば会場の外から出口E2に誰かが入ってこないように、且つ会場の中から出口E2に一旦入ったユーザが会場の中に戻ってこないように監視する。或いは、会場の外から出口E2に誰かが入ってこないように、且つ会場の中から出口E2に一旦入ったユーザが会場の中に戻ってこないように、出口E2にゲートが設けられてもよい。
入口端末4は、イベントのスタッフが使用する端末装置である。入口端末4は、会場への入場制限の実施及び解除を行うために用いられる。入場制限を設けない場合、入口端末4は不要である。入口端末4として、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット等が用いられる。入口端末4は、入口付近に設置され、又は入口付近にいるスタッフにより所持される。会場に再入場口がある場合、再入場口付近でも入口端末4が用いられる。入口端末4は、会場への入場を許可するか否かを示す情報を表示する。1つの会場について複数の入口端末4が用いられてもよい。また、会場ごとに別々の入口端末4が用いられる。入口端末4は、CPU、ROM、RAM等を備えるシステム制御部、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部、キーボードやマウス等の入力部、液晶ディスプレイ等の表示部を備える。
携帯端末3は、電子チケットシステムSに会員として登録されたユーザが利用する携帯端末である。携帯端末3として、例えばスマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機等が用いられる。携帯端末3には電子チケットアプリが記憶される。電子チケットアプリは、携帯端末3に電子チケットに関する各種処理を行わせるためのアプリケーションプログラムである。ユーザは、携帯端末3を操作して電子チケットを購入する。その後、携帯端末3は、購入した電子チケットに対応する電子チケットデータを電子チケットサーバ1からダウンロードする。ユーザが会場の入口などに移動すると、携帯端末3は、入場処理に利用される。入場処理は、ユーザの入場を許可してよいか否かを電子チケットに基づいて判定する処理である。例えば、イベントのスタッフが携帯端末3を使用して電子チケットをもぎる操作を行ったりしてもよい。例えば、携帯端末3のタッチパネルに表示された電子チケット上をスタッフが指などでスワイプ操作等することにより、もぎりが行われる。或いは、入口に設置された改札機が、携帯端末3と近距離無線通信することにより電子チケットを認証してもよい。この場合の近距離無線通信で通信可能な距離の上限は、例えば数ミリメートル〜数メートル程度である。
[1−2.電子チケットサーバの構成]
次に、電子チケットサーバの構成について、図3及び図4を用いて説明する。
図3(a)は、本実施形態に係る電子チケットサーバの概要構成の一例を示すブロック図である。図3(a)に示すように、電子チケットサーバは、通信部11と、記憶部12と、入出力インターフェース13と、システム制御部14と、を備えている。そして、システム制御部14と入出力インターフェース13とは、システムバス15を介して接続されている。
通信部11は、ネットワークNWに接続して携帯端末3、入口端末4等との通信状態を制御するようになっている。
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部12には、会員DB12a、チケットDB12b、グループDB12c等のデータベースが記憶される。「DB」は、データベースの略語である。
図4は、データベースに記憶される内容の一例を示す図である。会員DB12aには、電子チケットシステムSに会員登録しているユーザに関する会員情報が記憶される。具体的に、会員DB12aには、ユーザID、パスワード、メールアドレス等がユーザごとに対応付けて記憶される。ユーザIDは、ユーザを識別するための情報である。パスワードは、電子チケットシステムSにログインするための認証情報である。
チケットDB12bには、電子チケットに関する電子チケット管理情報が記憶される。具体的に、チケットDB12bには、チケット番号、イベント番号、ユーザID、入場フラグ、退場フラグ、再入場フラグ等が、電子チケットごとに対応付けて記憶される。チケット番号は、電子チケットを識別するための情報である。イベント番号は、電子チケットを利用可能なイベント、そのイベントの開催日時及び開催場所を一意に識別するための情報である。ユーザIDは、電子チケットの発行先のユーザを示す。入場フラグは、電子チケットが発行されたユーザが携帯端末3を所持して会場に入場したか否かを示す。ユーザが入場していない場合、入場フラグはFALSEであり、ユーザが入場した場合、入場フラグはTRUEである。TRUEに設定された入場フラグは、本発明の入場済を示す入場情報の一例である。退場フラグは、電子チケットが発行されたユーザが携帯端末3を所持して会場から退場したか否かを示す。ユーザが退場していない場合、退場フラグはFALSEであり、ユーザが退場した場合、退場フラグはTRUEである。TRUEに設定された退場フラグは、本発明の退場を示す退場情報の一例である。再入場フラグは、電子チケットが発行されたユーザが携帯端末3を所持して会場に再入場したか否かを示す。ユーザが再入場していない場合、再入場フラグはFALSEであり、ユーザが再入場した場合、再入場フラグはTRUEである。入場フラグ、退場フラグ及び再入場フラグの初期値は全てFALSEである。
記憶部12は、更にOS、サーバプログラム等のプログラムが記憶される。サーバプログラムは、例えば電子チケットデータの生成、配信、イベントの会場への入場制限の制御等の処理を行うためのプログラムである。サーバプログラムは所定のサーバ装置からネットワークNWを介してダウンロードされてもよい。或いは、サーバ装置は、メモリカード、光ディスク等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。また、サーバプログラムは、プログラム製品であってもよい。
入出力インターフェース13は、通信部11及び記憶部12とシステム制御部14との間のインターフェース処理を行うようになっている。
システム制御部14は、CPU14a、ROM14b、RAM14c等により構成されている。システム制御部14は、記憶部12に記憶された各種プログラムを実行する。例えば、電子チケットの購入に応じて、システム制御部14は、電子チケットデータを生成する。電子チケットデータは、例えばチケット番号、イベント番号、イベントの名称、イベントの開催日、イベントの会場の会場ID、会場の名称、会場の開場時刻、閉場時刻等を含む。会場IDは、会場の識別情報である。電子チケットデータは更にイベントの開始時刻及び終了時刻等を含んでもよい。システム制御部14は、生成した電子チケットデータを携帯端末3へ送信する。システム制御部14は、電子チケットデータを暗号化してもよい。
[1−3.携帯端末の構成]
次に、携帯端末3の構成について、図5を用いて説明する。
図5(a)は、本実施形態に係る携帯端末3の概要構成の一例を示すブロック図である。
図5(a)に示すように、携帯端末3は、移動体無線通信部31と、近距離無線通信部32と、入力部33と、表示部34と、記憶部35と、入出力インターフェース36と、システム制御部37と、を備えている。そして、システム制御部37と入出力インターフェース36とは、システムバス38を介して接続されている。記憶部35は、本発明の記憶手段の一例である。なお、携帯端末3はスピーカを備えてもよい。
移動体無線通信部31は、移動体通信ネットワークに利用するための無線通信機能を有する。移動体通信ネットワークは、例えば、電話用回線交換ネットワーク、及びインターネットに接続するためのデータ通信用パケット交換ネットワークを含む。移動体無線通信部31は、アンテナを介して、最寄りの基地局との間で無線通信を行い、基地局及び移動体通信ネットワークを介してネットワークNWに接続する。携帯端末3は、移動体無線通信部31を利用して電子チケットサーバ1との通信を行う。
近距離無線通信部32は、数メートル〜数十メートル程度の通信距離を有する近距離無線通信機能を有する。近距離無線通の規格は、例えば例えばBLE等であってもよい。近距離無線通信部32は、アンテナを介して、近距離無線通信機能を有する他の無線通信機器との間で無線通信を行う。携帯端末3は、近距離無線通信部32を利用してビーコン発信機4からビーコン信号を受信する。近距離無線通信の規格は、例えばBLE、ZigBee、 又はNFC等であってもよい。
入力部33は、ユーザによる操作を受け付け、操作内容に対応する信号をシステム制御部37に出力する。入力部33の例として、キー、ボタン、スイッチ、タッチパネル等が挙げられる。
表示部34は、システム制御部37の制御により、画像、文字等の情報を表示する。表示部34の例として、液晶ディスプレイ、有機EL(Light Emitting)ディスプレイ等が挙げられる。
記憶部35は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリにより構成されている。記憶部35には、OS、電子チケットアプリ等のプログラムが記憶される。電子チケットアプリは、例えば電子チケットサーバ1からネットワークNWを介してダウンロードされてもよい。或いは、電子チケットアプリは、メモリカード、光ディスク等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。また、電子チケットアプリは、プログラム製品であってもよい。また、記憶部35には、ダウンロードされた電子チケットデータが記憶される。更に記憶部35には、記憶された電子チケットデータに対応付けて、入場フラグ、退場フラグ、及び再入場フラグが対応付けて記憶される。これらのフラグの意義は、チケットDB12bに記憶される入場フラグ、退場フラグ、及び再入場フラグの意義と同一である。電子チケットデータのダウンロード時の入場フラグ、退場フラグ、及び再入場フラグは全てFALSEに設定される。なお、携帯端末3は、耐タンパ性を有するセキュアエレメントを備えてもよい。このセキュアエレメントに、電子チケットデータ、入場フラグ、退場フラグ、及び再入場フラグが記憶されてもよい。
入出力インターフェース36は、通信部31〜記憶部35とシステム制御部37との間のインターフェース処理を行うようになっている。
システム制御部37は、CPU37a、ROM37b、RAM37c等により構成されている。
[1−4.携帯端末のシステム制御部の機能概要]
次に、図5乃至図10を用いて、携帯端末3のシステム制御部37の機能概要について説明する。図5(b)は、本実施形態に係る携帯端末3のシステム制御部37の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部37は、CPU37aが、電子チケットアプリに含まれる各種コードを読み出し実行することにより、図5(b)に示すように、入場情報記憶制御部371、退場情報記憶制御部372、表示制御部373、アラーム出力部374等として機能する。入場情報記憶制御部371は、本発明の第1記憶制御手段の一例である。退場情報記憶制御部372は、本発明の第2記憶制御手段の一例である。表示制御部373は、本発明の表示制御手段の一例である。アラーム出力部374は、本発明のアラーム出力手段の一例である。
入場情報記憶制御部371は、会場で携帯端末3の入場処理が行われたときに、TRUEに設定された入場フラグを記憶部35に記憶させる。入場処理では、記憶部35に記憶された電子チケットデータが利用される。例えばユーザが携帯端末3を操作して記憶部35から何れかの電子チケットを選択すると、選択された電子チケットデータに基づいて電子チケットの画面が表示部34に表示される。会場の入口にいるイベントのスタッフは、携帯端末3の表示部34に電子チケットの画面が表示されている状態で携帯端末3を操作することにより、電子チケットをもぎる操作を行う。或いは、入口に設置された改札機にユーザ又はスタッフが携帯端末3を近付けると、改札機は、会場で開催されるイベントのイベント番号を携帯端末3に送信する。携帯端末3は、記憶部35に記憶されている電子チケットデータのうち改札機から受信したイベント番号に対応する電子チケットデータに含まれる情報を改札機に送信する。改札機は、携帯端末3から受信した情報に基づいて、電子チケットデータの認証を行う。入場情報記憶制御部371は、利用された電子チケットデータに対応付けて記憶部35に記憶されている入場フラグを、FALSEからTRUEに変更する。
入場フラグを変更した場合、入場情報記憶制御部371は、その入場フラグを、対応する電子ケットデータのチケット番号とともに電子チケットサーバ1へ送信してもよい。入場フラグが変更されたときに圏外である場合、すなわち携帯端末3が移動体通信ネットワークに接続されていない場合がある。その場合、入場情報記憶制御部371は、携帯端末3が移動体通信ネットワークに接続された後に入場フラグ及びチケット番号を送信すればよい。
退場情報記憶制御部372は、ビーコン発信機4から発信されたビーコン信号を受信したときに、TRUEに設定された退場フラグを記憶部35に記憶させる。会場の所定の出口から退場するユーザが所持する携帯端末3との間でのみ無線通信できるように、ビーコン発信機2の通信範囲が設定されている。従って、ユーザが会場の所定の出口から退場したときに、TRUEに設定された退場フラグが記憶部35に記憶される。退場情報記憶制御部372は、受信したビーコン信号に基づいて、記憶部35に記憶された電子チケットデータのうち、TRUEに設定された退場フラグを記憶させる電子チケットデータを特定する。例えば、ビーコン信号は、ビーコン発信機4が設置された会場で現在開催中のイベントのイベント番号を含んでもよい。この場合、退場情報記憶制御部372は、このイベント番号を含む電子チケットデータを記憶部35から特定してもよい。或いは、ビーコン信号は、ビーコン発信機4が設置された会場の会場IDを含んでもよい。この場合、退場情報記憶制御部372は、ビーコン信号に含まれる会場IDと同一の会場IDを含む電子チケットデータを記憶部35から抽出してもよい。退場情報記憶制御部372は、抽出された電子チケットデータのうち、イベントの開催日が今日であり、且つ会場の開場時刻から閉場時刻までの期間が現在時刻を含む電子チケットデータを特定してもよい。退場情報記憶制御部372は、特定された電子チケットデータに対応付けて記憶部35に記憶された退場フラグをFALSEからTRUEに変更する。退場情報記憶制御部372は、対応する入場フラグがTRUEである場合にのみ、TRUEに設定された退場フラグを記憶部35に記憶させてもよい。この場合、正規の入場処理を通してユーザが会場に入場した場合にのみ、退場フラグが変更されることになる。本実施形態では、ビーコン発信機4から発信されたビーコン信号を受信したとき、入場フラグは変化しない。しかしながら、退場情報記憶制御部372は入場フラグをTRUEからFALSEに変更してもよい。
退場フラグを変更した場合、退場情報記憶制御部371は、その退場フラグを、対応する電子チケットデータのチケット番号とともに電子チケットサーバ1へ送信してもよい。退場フラグが変更されたときに圏外である場合、退場情報記憶制御部372は、携帯端末3が移動体通信ネットワークに接続された後に退場フラグ及びチケット番号を送信すればよい。
表示制御部373は、ユーザの操作に応じて、電子チケットデータに基づき電子チケットの画面を表示部35に表示させる。電子チケットの画面は、イベントの名称、イベントの開催日、開始時刻、終了時刻、イベントの会場の名称等を含んでもよい。ここで表示制御部373は、電子チケットに対応する入場フラグ及び退場フラグに応じて、電子チケットの画面を変える。
TRUEに設定された入場フラグ及びTRUEに設定された退場フラグの何れも記憶部35に記憶されていない場合、表示制御部373は、電子チケットの画面として、電子チケットデータが利用可能なイベントの会場への入場可能を表す画面を表示させる。すなわち、電子チケットデータを記憶する携帯端末3を所持したユーザが会場への入場及び会場からの退場の何れも行っていない場合、入場可能を表す画面が表示される。またTRUEに設定された入場フラグ及びTRUEに設定された退場フラグの何れも記憶部35に記憶されていない場合、システム制御部37は、会場の入口での入場処理を可能にさせる。
TRUEに設定された入場フラグ及びTRUEに設定された退場フラグのうちTRUEに設定された入場フラグのみが記憶部35に記憶されている場合、表示制御部373は、電子チケットの画面として、会場への入場済を表す画面を表示部34に表示させる。すなわち、電子チケットデータを記憶する携帯端末3を所持したユーザが会場に入場し、且つ所定の出口から退場していない場合、入場済を表す画面が表示される。またTRUEに設定された入場フラグのみが記憶部35に記憶されている場合、システム制御部37は、会場の入口での入場処理を不可能にさせる。
TRUEに設定された退場フラグが記憶部35に記憶されている場合、表示制御部373は、電子チケットの画面として、会場への再入場可能を表す画面を表示させる。すなわち、電子チケットデータを記憶する携帯端末3を所持したユーザが会場の所定の出口から退場した場合、再入場可能を表す画面が表示される。またTRUEに設定された退場フラグが記憶部35に記憶されている場合、システム制御部37は、会場の入口での入場処理を可能にさせる。なお、表示制御部373は、TRUEに設定された入場フラグ及びTRUEに設定された退場フラグの両方が記憶部35に記憶されている場合にのみ、再入場可能を表す画面を表示させてもよい。この場合、正規の入場処理を通してユーザが会場に入場し、且つ正規の出口からユーザが退場した場合にのみ、再入場可能を表す画面が表示されることになる。
再入場可能を表す画面は入場可能を表す画面と同一であってもよいし異なってもよい。入場可能を表す画面及び再入場可能を表す画面と、入場済を表す画面との相違をユーザが認識可能である限り、各画面は如何様であってもよい。例えば画面内の少なくとも一部の画像、色、文字又は文字の形状等が、画面間で異なればよい。
以下に具体例を示す。図6(a)、図7(a)、図8(a)、図9(a)及び図10(a)は、それぞれ携帯端末が位置する場所とフラグの内容との関係の一例を示す図である。図6(b)、図7(b)、図8(b)、図9(b)及び図10(b)は、それぞれ電子チケットの画面の一例を示す図である。図6(a)に示すように、電子チケットデータを記憶した携帯端末3−1を所持したユーザU1が、イベントに参加するために会場V1の付近まで来ている。このときの入場フラグ、退場フラグ、及び再入場フラグの何れもがFALSE(バツ印)である。この状態で電子チケットの画面を表示させる場合、図6(b)に示すように、携帯端末3−1の表示制御部373は入場可能を表す画面を表示させる。例えば、「入場時のこの画面をスタッフに見せてください。」等の文字情報を含む画面が表示される。
携帯端末3−1に入場可能を表す画面を表示させた状態で、図7(a)に示すように、ユーザU1が会場V1の入口E1に行く。入場フラグ及び退場フラグの何れもがFALSEであるので入場処理が可能である。ユーザU1は、入口E1で入場処理を済ませて会場V1に入場する。このとき入場情報記憶制御部371は、入場フラグをTRUE(丸印)に変更する。これに応じて表示制御部373は、図7(b)に示すように、入場済を表す画面を表示させる。例えば、「THANK YOU!」等の文字情報を含む画面が表示される。
その後、図8(a)に示すように、ユーザU1が会場V1の出口E2から退場する。このとき、携帯端末3−1はビーコン発信機4からビーコン信号を受信する。これに応じて退場情報記憶制御部372は、退場フラグをTRUEに変更する。出口E2から退場するとき、ユーザU1は、帯端末3−1に電子チケットの画面を表示させておいても表示させなくてもよい。ユーザU1が出口E2から退場したとき、又は退場後にユーザU1が電子チケットの画面を表示させる操作を行ったとき、表示制御部373は、図8(b)に示すように、再入場可能を表す画面を表示させる。例えば、「再入場可能です」等の文字情報を含む画面が表示される。
携帯端末3−1に再入可能を表す画面を表示させた状態で、図9(a)に示すように、ユーザU1が会場V1の入口E1に行く。退場フラグがTRUEであるので入場処理が可能である。ユーザU1は、入口E1で入場処理を済ませて会場V1に入場する。このとき入場情報記憶制御部371は、退場フラグをFALSEに変更し、再入場フラグをTRUEに変更する。入場フラグはTRUEのままである。この場合、図9(b)に示すように、携帯端末3−1の表示制御部373は、入場済を表す画面を表示させる。
図7(a)に示すようにユーザU1が会場V1に入場した後、図10(a)に示すようにユーザU1は会場V1の中から窓E3を介して携帯端末3−1を、会場V1の外にいる友人U2に渡したとする。この場合フラグの変化はなく、携帯端末3−1には図10(b)に示す入場済を表す画面が表示される。友人U2は携帯端末3−1を持って入口E1に行く。入口E1にいるスタッフは、入場済を表す画面が表示されているので、友人U2が会場V1から正規に退場していないことを知る。またこの状態では入場処理が不可能である。従って、友人U2は会場V1に入ることができない。このように、携帯端末3のユーザやスタッフ等の負担を低減しつつ、正規に退場した場合のみ再入場を許可することが可能となる。また、1つの電子チケットを記憶した1つの携帯端末3で、2人以上が同時に会場に滞在することが防止される。
表示制御部373は、TRUEに設定された退場フラグが記憶部35に記憶されている場合であって、且つビーコン発信機4から発信されたビーコン信号を受信してから所定の再入場可能時間内に限り、再入場可能を表す画面を表示させてもよい。ビーコン信号を受信してから所定の再入場可能時間が経過した場合、表示制御部373は、再入場不可能を表す画面を表示させる。これにより、無制限な再入場を防止することができる。例えば、「再入場はできません。」等の文字情報を含む画面が表示されてもよい。或いは、再入場不可能を表す画面は入場済を表す画面と同一であってもよい。再入場可能時間は例えば全イベントで同一であってもよいし、イベントごとに設定可能であってもよい。例えば、電子チケットデータに再入場可能時間が含まれてもよい。
ビーコン発信機4は、再入場終了時刻を含むビーコン信号を発信してもよい。表示制御部373は、TRUEに設定された退場フラグが記憶部35に記憶されている場合であって、且つビーコン発信機4から発信されたビーコン信号に示される再入場終了時刻までに限り、再入場可能を表す画面を表示させてもよい。再入場終了時刻が経過した場合、表示制御部373は、再入場不可能を表す画面を表示させる。これにより、無制限な再入場を防止することができる。再入場終了時刻はイベントごとに設定可能であってもよい。例えば再入場終了時刻は、イベントの開始時刻、イベントの終了時刻、又は終了時刻から所定時間前の時刻等であってもよい。
アラーム出力部374は、所定のタイミングでアラームを出力させる。このアラームは、会場への再入場可能な時間が残り少なくなっていることを通知する。このアラームは、表示部34に表示される画像や文字等の情報、スピーカから出力される音、及び携帯端末3−1の振動の少なくとも何れかであってもよい。例えばビーコン発信機4から発信されたビーコン信号を受信してから所定の再入場可能時間内に限り再入場可能を表す画面が表示される場合、アラーム出力部374は、再入場可能時間内にアラームを出力させる。また、ビーコン発信機4から発信されたビーコン信号に示される再入場終了時刻までに限り再入場可能を表す画面が表示される場合、アラーム出力部374は、再入場終了時刻が経過する前にアラームを出力させる。
[1−5.電子チケットサーバのシステム制御部の機能概要]
次に、図3及び図11を用いて、電子チケットサーバ1のシステム制御部14の機能概要について説明する。図3(b)は、本実施形態に係る電子チケットサーバ1のシステム制御部14の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部14は、CPU14aが、サーバプログラムに含まれる各種コードを読み出し実行することにより、図3(b)に示すように、入場数集計部141、退場数集計部142、入場可不可情報出力部143等として機能する。入場数集計部141は、本発明の第1集計手段の一例である。退場数集計部142は、本発明の第2集計手段の一例である。入場可不可情報出力部143は、本発明の情報出力手段の一例である。
入場数集計部141は、TRUEに設定された入場フラグを記憶している各携帯端末3からその入場フラグを受信して入場数を集計する。入場数は、会場に入場したユーザの人数である。
上述したように、入場フラグを変更した携帯端末3から電子チケットサーバ1へその入場フラグ及びチケット番号を送信する。入場数集計部141は、携帯端末3から受信したチケット番号に対応付けてチケットDB12bに記憶されている入場フラグを、携帯端末3から受信した入場フラグで更新する。
入場数集計部141は、現在開催中の一のイベントのイベント番号に対応付けてチケットDB12bに記憶された全電子チケットデータの入場フラグのうち、TRUEに設定された退場フラグの数を、入場数としてカウントする。
退場数集計部142は、TRUEに設定された退場フラグを記憶している各携帯端末3からその入場フラグを受信して退場数を集計する。退場数は、会場から退場したユーザの人数である。
上述したように、退場フラグを変更した携帯端末3から電子チケットサーバ1へその退場フラグ及びチケット番号を送信する。退場数集計部141は、携帯端末3から受信したチケット番号に対応付けてチケットDB12bに記憶されている退場フラグを、携帯端末3から受信した退場フラグで更新する。
退場数集計部142は、現在開催中の一のイベントのイベント番号に対応付けてチケットDB12bに記憶された全電子チケットデータの退場フラグのうち、TRUEに設定された退場フラグの数を、退場数としてカウントする。
入場可不可情報出力部143は、入場数と退場数との差に基づいて、会場への入場が可能であるか否かを示す入場可不可情報を出力する。入場可不可情報出力部143は、入場数から退場数を減算して、現時点の滞在数を計算する。滞在数は、会場に滞在しているユーザの人数である。図11は、チケットDB12bに記憶されたフラグの例、及び会場への入場の許否の制御の例を示す図である。例えばチケットDB12bには、図11に示すように、或るイベントについて10人のユーザに発行された電子チケットデータに対応するフラグが記憶されているとする。10人分の入場フラグのうちTRUEに設定された入場フラグの数は8である。従って、入場数は8人である。10人分の入場フラグのうちTRUEに設定された退場フラグの数は3である。従って、退場数は3人である。そのため、滞在数は5人である。
入場可不可情報出力部143は、現在開催中のイベントの会場の許容滞在数を取得する。許容滞在数は、会場に滞在することが可能なユーザの最大人数である。許容滞在数は、イベントごと又は会場ごとに予め設定されてもよい。許容滞在数は、イベントが開催される会場の最大収容人数と同一であってもよいし、最大収容人数よりも少なくてもよい。
入場可不可情報出力部143は、例えば現在の滞在数が許容滞在数未満である場合、入場可不可情報として入場許可通知を入口端末4へ送信してもよい。入場許可通知を受信した入口端末4は、例えば図11に示すように、入場が可能であることを示す情報を画面に表示する。入場可不可情報出力部143は、許容滞在数から現在の滞在数を減算して入場可能数を計算してもよい。入場可能数は、現時点で会場に入場可能なユーザの人数である。入場可不可情報出力部143は、入場可能数を含む入場許可通知を入口端末4へ送信してもよい。入口端末4は、入場が可能であることを示す情報とともに入場可能数を画面に表示する。入場可不可情報出力部143は、現在の滞在数が許容滞在数以上である場合、入場可不可情報として入場拒否通知を入口端末4へ送信してもよい。入場拒否通知を受信した入口端末4は、例えば図11に示すように、入場が不可能であることを示す情報を画面に表示する。
入場可不可情報出力部143は、入場可不可情報として入場可能数を送信してもよい。入口端末4は入場可能数を表示する。入場可能数が1以上である場合は入場が可能であることが示され、入場可能数が0以下である場合は入場が不可能であることが示される。或いは、入口端末4は、入場可能数に応じて、入場が可能であるか否かを示す情報を表示してもよい。
入場可不可情報出力部143は、会場の入口に設置された改札機へ入場可不可情報を送信してもよい。例えば入場許可通知を受信した場合、改札機は入場処理を実行し、入場拒否通知を受信した場合、改札機は入場処理を停止する。
入場可不可情報出力部143は、チケットDB12bにおいて退場フラグがTRUEであるユーザの携帯端末3へ入場可不可情報を送信してもよい。例えば入場許可通知を受信した場合、携帯端末3は入場処理を可能とする。入場拒否通知を受信した場合、携帯端末3は現在入場制限が行われていることを示す情報を表示部34に表示し、且つ入場処理を不可能とする。
以上により、滞在数が許容滞在数に達した場合の入場制限と、滞在数が減少することによる入場制限の解除を行うことができる。そのため、入場制限によって会場に入場することができなかったユーザに対してその後に会場に入場する機会を与えることができる。
[1−6.電子チケットシステムの動作]
次に、電子チケットシステムSの動作について、図12乃至図14を用いて説明する。図12乃至図13は、携帯端末3において実行される処理である。携帯端末3のシステム制御部37は、電子チケットアプリに含まれる各種コードに従って、これらの図に示される処理を実行する。図14は、電子チケットサーバ1において実行される処理である。電子チケットサーバ1のシステム制御部14は、サーバプログラムに含まれる各種コードに従って、図14に示される処理を実行する。
図12(a)及び図12(b)は、それぞれ本実施形態に係る携帯端末3のシステム制御部37による退場処理の一例を示す図である。会場に滞在しているユーザが携帯端末3を持って所定の出口から退場するとき、携帯端末3はその出口に設置されたビーコン発信機4から発信されたビーコン信号を受信する。携帯端末3のシステム制御部37は、ビーコン信号に基づいて、その会場で開催されるイベントのイベント番号を特定する。システム制御部37は、特定したイベント番号を含む電子チケットデータが記憶部35に記憶されている場合に、図12(a)又は図12(b)に示される退場処理を実行する。
図12(a)は、携帯端末3がビーコン信号を受信してから再入場可能時間内に限り再入場可能を表す画面を表示させる場合の退場処理を示す。図12(a)に示すように、退場情報記憶制御部372は、特定したイベント番号を含む電子チケットデータに対応する退場フラグをTRUEに変更する(ステップS1)。退場情報記憶制御部372は、変更した退場フラグと特定したイベント番号を含む電子チケットデータのチケット番号を電子チケットサーバ1へ送信する。次いで、退場情報記憶制御部372は、現在時刻に所定の再入場可能時間を加算して再入場終了時刻を計算する(ステップS2)。次いで、アラーム出力部374は、再入場終了時刻から所定時間を減算することによりアラーム時刻を計算して(ステップS3)、退場処理を終了させる。アラーム時刻は、アラームが出力される時刻である。
図12(b)は、ビーコン信号に示される時刻までに限り再入場可能を表す画面を表示させる場合の退場処理を示す。図12(b)に示すように、退場情報記憶制御部372は、特定したイベント番号を含む電子チケットデータに対応する退場フラグをTRUEに変更する(ステップS11)。退場情報記憶制御部372は、変更した退場フラグと特定したイベント番号を含む電子チケットデータのチケット番号を電子チケットサーバ1へ送信する。次いで、退場情報記憶制御部372は、再入場終了時刻を、ビーコン信号に指定された時刻に設定する(ステップS12)。次いで、アラーム出力部374は、再入場終了時刻から所定時間を減算することによりアラーム時刻を計算して(ステップS13)、退場処理を終了させる。
図12(c)は、本実施形態に係る携帯端末3のシステム制御部37によるアラーム制御処理の一例を示す図である。退場処理が終了したときにシステム制御部37はアラーム制御処理を実行する。図12(c)に示すように、アラーム出力部374は、アラーム時刻が経過したか否かを判定する(ステップS21)。このとき、アラーム出力部374は、アラーム時刻が経過していないと判定した場合には(ステップS21:NO)、所定時間待機してステップS21の判定を再度実行する。一方、アラーム出力部374は、アラーム時刻が経過したと判定した場合には(ステップS21:YES)、処理をステップS22に進める。ステップS22において、アラーム出力部374は、アラームを出力させて、アラーム制御処理を終了させる。
図13は、本実施形態に係る携帯端末3のシステム制御部37による電子チケット表示処理の一例を示す図である。ユーザが携帯端末3を操作することにより電子チケットアプリを起動する。次いで、電子チケットアプリのメニューにおいて、ユーザは電子チケットの表示を選択する。システム制御部37は、記憶部35に記憶されている電子チケットデータに対応するイベントの一覧を表示する。ユーザは、一覧の中から所望のイベントを選択する。イベントが選択されると、システム制御部37は電子チケット表示処理を実行する。
図13に示すように、表示制御部373は、選択されたイベントの電子チケットデータに対応する入場フラグがTRUEであるか否かを判定する(ステップS31)。このとき、表示制御部373は、入場フラグがTRUEであると判定した場合には(ステップS31:YES)、処理をステップS36に進める。一方、表示制御部373は、入場フラグがTRUEではないと判定した場合には(ステップS31:NO)、処理をステップS32に進める。
ステップS32において、表示制御部373は、選択されたイベントの電子チケットデータに基づいて、入場可能を示す画面を表示部34に表示させる。次いで、入場情報記憶制御部371は、入場処理が行われたか否かを判定する(ステップS33)。例えば、入場処理を表す画面が表示されている携帯端末3に対してスタッフが電子チケットをもぎる操作を、入力部33を介して検出した場合、入場情報記憶制御部371は、入場処理が行われたと判定してもよい。入場情報記憶制御部371は、入場処理が行われたと判定した場合には(ステップS33:YES)、処理をステップS35に進める。ステップS35において、入場情報記憶制御部371は、選択されたイベントの電子チケットデータに対応する入場フラグをTRUEに変更する。入場情報記憶制御部371は、変更した入場フラグと選択されたイベントの電子チケットデータのチケット番号を電子チケットサーバ1へ送信して、処理をステップS37に進める。一方、入場情報記憶制御部371は、入場処理が行われなかったと判定した場合には(ステップS33:NO)、処理をステップS34に進める。
ステップS34において、表示制御部373は、ユーザにより電子チケットの表示を終了させる操作が行われたか否かを判定する。このとき、表示制御部373は、電子チケットの表示を終了させる操作が行われなかったと判定した場合には(ステップS34:NO)、処理をステップS33に進める。一方、表示制御部373は、電子チケットの表示を終了させる操作が行われたと判定した場合には(ステップS34:YES)、電子チケット表示処理を終了させる。
ステップS36において、退場情報記憶制御部372は、選択されたイベントの電子チケットデータに対応する退場フラグがTRUEであるか否かを判定する。このとき、退場情報記憶制御部372は、退場フラグがTRUEであると判定した場合には(ステップS36:YES)、処理をステップS39へ進める。一方、退場情報記憶制御部372は、退場フラグがTRUEではないと判定した場合には(ステップS36:NO)、処理をステップS37へ進める。
ステップS37において、表示制御部373は、入場済を表す画面を表示部34に表示させる。次いで、表示制御部373は、ユーザにより電子チケットの表示を終了させる操作が行われたか否かを判定する(ステップS38)。このとき、表示制御部373は、電子チケットの表示を終了させる操作が行われなかったと判定した場合には(ステップS38:NO)、処理をステップS36に進める。一方、表示制御部373は、電子チケットの表示を終了させる操作が行われたと判定した場合には(ステップS38:YES)、電子チケット表示処理を終了させる。
ステップS39において、表示制御部373は、現在時刻が再入場終了時刻よりも前であるか否かを判定する。このとき、表示制御部373は、現在時刻が再入場終了時刻よりも前であると判定した場合には(ステップS39:YES)、処理をステップS41に進める。一方、表示制御部373は、現在時刻が再入場終了時刻よりも前ではないと判定した場合には(ステップS39:NO)、処理をステップS40に進める。ステップS40において、表示制御部373は、再入場不可を表す画面を表示部34に表示させて、電子チケット表示処理を終了させる。
ステップS41において、表示制御部373は、再入場可能を表す画面を表示部34に表示させる。次いで、入場情報記憶制御部371は、入場処理が行われたか否かを判定する(ステップS42)。このとき、入場情報記憶制御部371は、入場処理が行われたと判定した場合には(ステップS42:YES)、処理をステップS43に進める。ステップS43において、入場情報記憶制御部371は、選択されたイベントの電子チケットに対応する退場フラグをFALSEに変更し、選択されたイベントの電子チケットに対応する再入場フラグをTRUEに変更する。入場情報記憶制御部371は、変更した退場フラグ及び再入場フラグと選択されたイベントの電子チケットデータのチケット番号を電子チケットサーバ1へ送信する。次いで、入場情報記憶制御部371は、処理をステップS37に進める。一方、入場情報記憶制御部371は、入場処理が行われなかったと判定した場合には(ステップS42:NO)、処理をステップS44に進める。
ステップS44において、表示制御部373は、ユーザにより電子チケットの表示を終了させる操作が行われたか否かを判定する。このとき、表示制御部373は、電子チケットの表示を終了させる操作が行われなかったと判定した場合には(ステップS44:NO)、処理をステップS39に進める。一方、表示制御部373は、電子チケットの表示を終了させる操作が行われたと判定した場合には(ステップS44:YES)、電子チケット表示処理を終了させる。
図14(a)は、本実施形態に係る電子チケットサーバ1のシステム制御部14によるフラグ更新処理の一例を示す図である。入場フラグ又は退場フラグを変更した携帯端末3から変更されたフラグ及びチケット番号を受信したとき、システム制御部14はフラグ更新処理を実行する。図14(a)に示すように、入場数集計部141又は退場数集計部142は、受信したチケット番号に対応付けてチケットDB12bに記憶されている入場フラグ又は退場フラグを、受信した入場フラグ又は退場フラグで更新する(ステップS51)。携帯端末3から再入場フラグをも受信した場合、退場数集計部142はチケットDB12bに記憶されている再入場フラグをも更新する。フラグが更新されるとフラグ更新処理が終了する。
図14(b)は、本実施形態に係る電子チケットサーバ1のシステム制御部14による入場制限制御処理の一例を示す図である。例えば、現在時刻が、イベントが開催される会場の開場時刻になったとき、システム制御部14は、そのイベントのイベント番号を特定して、入場制限制御処理を実行する。
図14(a)に示すように、入場数集計部141は、特定したイベント番号に対応付けてチケットDB12bに記憶された全電子チケットデータの入場フラグのうち、TRUEに設定された退場フラグの数を、入場数としてカウントする(ステップS61)。
次いで、退場数集計部142は、特定したイベント番号に対応付けてチケットDB12bに記憶された全電子チケットデータの退場フラグのうち、TRUEに設定された退場フラグの数を、退場数としてカウントする(ステップS62)。
次いで、入場可不可情報出力部143は、入場数から退場数を減算して滞在数を計算する(ステップS63)。次いで、入場可不可情報出力部143は、特定したイベント番号に対応する許容滞在数を記憶部12から取得する。入場可不可情報出力部143は、滞在数が許容滞在数未満であるか否かを判定する(ステップS64)。このとき、入場可不可情報出力部143は、滞在数が許容滞在数未満であると判定した場合には(ステップS64:YES)、処理をステップS65に進める。ステップS65において、入場可不可情報出力部143は、特定したイベント番号に対応するイベントで使用される入口端末4へ、入場可能通知を送信する。一方、入場可不可情報出力部143は、滞在数が許容滞在数未満ではないと判定した場合には(ステップS64:NO)、処理をステップS66に進める。ステップS66において、入場可不可情報出力部143は、特定したイベント番号に対応するイベントで使用される入口端末4へ、入場不可能通知を送信する。
ステップS65又はS66を終えると、入場可不可情報出力部143は、特定したイベント番号に対応するイベントが開催される会場の閉場時刻が経過したか否かを判定する(ステップS67)。このとき、入場可不可情報出力部143は、閉場時刻が経過していないと判定した場合には(ステップS67:NO)、処理をステップS61に進める。一方、入場可不可情報出力部143は、閉場時刻が経過したと判定した場合には(ステップS67:YES)、入場制限制御処理を終了させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯端末3のシステム制御部37が、会場で携帯端末3の入場処理が行われたときに、入場済を示すTRUEに設定された入場フラグを記憶部35に記憶させる。またシステム制御部37が、会場の所定の出口から退場する携帯端末3との間でのみ無線通信できるように通信範囲が設定されたビーコン発信機2から発信されたビーコン信号を受信したときに、TRUEに設定された退場フラグを記憶部35に記憶させる。またシステム制御部37が、TRUEに設定された入場フラグ及びTRUEに設定された退場フラグのうちTRUEに設定された入場フラグのみが記憶部35に記憶されている場合、電子チケットデータに基づいて、入場済を表す画面を表示させる。またシステム制御部37が、TRUEに設定された退場フラグが記憶部35に記憶されている場合、電子チケットデータに基づいて、再入場可能を表す画面を表示させる。従って、イベントのスタッフは、携帯端末3の画面を見ることにより、携帯端末3の所持者が正規な出口から退場したか否かを容易に判断することができる。従って、携帯端末3のユーザやスタッフ等の負担を低減しつつ、正規に退場した場合にのみ再入場を許可することができる。
また、システム制御部37が、TRUEに設定された退場フラグが記憶部35に記憶されている場合で、且つビーコン発信機2から発信されたビーコン信号を受信してから所定時間内に限り、再入場可能を表す画面を表示させてもよい。この場合、正規な出口から退場したユーザによる会場への無制限な再入場を防止することができる。
ここで、システム制御部37が、ビーコン発信機2から発信されたビーコン信号を受信してから所定時間内に、アラームを出力させてもよい。この場合、会場への再入場ができなくなる時刻が近付いていることをユーザが知ることができる。
また、システム制御部37が、TRUEに設定された退場フラグが記憶部35に記憶されている場合で、且つビーコン発信機2から発信されたビーコン信号により指定された時刻までに限り、再入場可能を表す画面を表示させてもよい。この場合、正規な出口から退場したユーザによる会場への無制限な再入場を防止することができる。
ここで、システム制御部37が、ビーコン信号により指定された時刻が経過する前に、アラームを出力させてもよい。この場合、会場への再入場ができなくなる時刻が近付いていることをユーザが知ることができる。
また、電子チケットサーバ1のシステム制御部14が、記憶部35にTRUEに設定された入場フラグを記憶している各携帯端末3からTRUEに設定された入場フラグを受信して入場数を集計してもよい。また、システム制御部14が、記憶部35にTRUEに設定された退場フラグを記憶している各携帯端末3からTRUEに設定された退場フラグを受信して退場数を集計してもよい。また、システム制御部14が入場数と退場数との差に基づいて入場可不可情報を出力してもよい。この場合、入場可不可情報に基づいて、会場に滞在するユーザの人数の増加による入場制限の実施、及び会場に滞在するユーザの人数の減少による入場制限の解除を行うことができる。
[2.第2実施形態]
[2−1.電子チケットシステムの構成及び機能概要]
本実施形態に係る電子チケットシステムSの構成及び機能概要について、図15及び図16を用いて説明する。図15は、本実施形態に係る電子チケットシステムSの概要構成の一例を示す図である。図15において図1と同様の要素につては同様の符号が付されている。
図15に示すように、電子チケットシステムSは、電子チケットサーバ1と、少なくとも1つのビーコン発信機2と、複数の携帯端末3と、少なくとも1つの入口端末4と、ビーコン発信機5−1−1〜5−n−1と、ビーコン発信機5−1−2〜5−n−2と、を含んで構成されている。nは2以上の整数である。電子チケットサーバ1と入口端末4と各携帯端末3とは、ネットワークNWを介して相互にデータの送受信が可能になっている。電子チケットシステムSは入口端末4を含んでもよいし含まなくてもよい。
本実施形態においては、イベントが開催される会場のうち少なくとも1つの会場について、その会場の内部又は周辺に施設F1〜Fnが存在する。このような施設の例として、ブース、展示室、遊戯施設、売店、飲食店、映画館等が挙げられる。会場内に施設F1〜Fnがある場合、会場に入場したユーザは、自由に又は別途料金を支払うことにより施設F1〜Fnに入場することができる。会場の周辺に施設F1〜Fnがある場合、ユーザは、自由に、会場に入場するための電子チケットの画面を施設のスタッフに見せることにより、又は別途料金を支払うことにより施設F1〜Fnに入場することができる。或いは、会場の周辺にある施設F1〜Fnには誰でも入場することができるものの、少なくとも1つの施設においては電子チケットの画面をスタッフに見せたユーザに対してのみその施設から特典が与えられてもよい。
ビーコン発信機5−1−1〜5−n−1における各ビーコン発信機5−i−1と、ビーコン発信機5−1−2〜5−n−2における各ビーコン発信機5−i−2との組は、それぞれ施設Fiに設置される。iは、1〜nの何れかの整数である。ビーコン発信機5−i−1及び5−i−2の各組は、施設Fiへの入場及び退場のログを記録するために設置される。ビーコン発信機5−i−1は施設iの入口に設置され、ビーコン発信機5−i−2は施設iの出口に設置される。ビーコン発信機5−i−1及び5−i−2のハードウェア構成は、ビーコン発信機4のハードウェア構成と同様であってもよい。
ビーコン発信機5−i−1及び5−i−2のそれぞれは、近距離無線通信によりビーコン信号を発信する。各ビーコン発信機5−i−1は、対応する施設iに入場する携帯端末3との間で無線通信できるように設置され、通信範囲ARi−1が設定されている。各ビーコン発信機5−i−1の近距離無線通信の通信範囲ARi−1は、対応する施設Fiの入口を含む。通信範囲ARi−1は、対応する施設Fiの出口を含まない。また通信範囲ARi−1は、対応する施設Fi以外の他の施設を含まない。各ビーコン発信機5−i−2は、対応する施設iから退場する携帯端末3との間で無線通信できるように設置され、通信範囲ARi−1が設定されている。各ビーコン発信機5−i−2の近距離無線通信の通信範囲ARi−2は、対応する施設Fiの出口を含む。通信範囲ARi−2は、対応する施設Fiの入口を含まない。また通信範囲ARi−2は、対応する施設Fi以外の他の施設を含まない。通信範囲ARi−1と通信範囲ARi−2とは重複しないことが望ましい。
携帯端末3は、ビーコン発信機5−i−1又は5−i−2からビーコン信号を受信することにより施設Fiに対する入退場のログを記録する。電子チケットサーバ1は、各携帯端末3から入退場のログを受信して集計を行う。
なお、入口と出口の区別がない1又は複数の出入口が設けられた施設においては、出入口ごとにビーコン発信機が設けられてもよい。
本実施形態においては、第1実施形態の場合と同様にユーザが正規に退場した場合にのみ会場への再入場が可能となるように電子チケットシステムSが動作してもよいし、そのような動作はしなくてもよい。また、第1実施形態の場合と同様に会場への入場制限及びその解除が可能なように電子チケットシステムSが動作してもよいし、そのような動作はしなくてもよい。
図16は、チケットDB12bに記憶される内容の一例を示す図である。チケットDB12bには、チケット番号、イベント番号、ユーザID、入場フラグ、退場フラグ、再入場フラグ、複数の施設ログ情報等が、電子チケットごとに対応付けて記憶される。施設ログ情報は、イベント番号に対応するイベントが開催される会場の内部又はその周辺にある施設に対する入退場のログを示す情報である。施設ログ情報は、施設ID、入場フラグ、入場時刻、退場フラグ、及び退場時刻を含む。施設IDは、施設の識別情報である。入場フラグは、電子チケットが発行されたユーザが携帯端末3を所持して施設に入場したか否かを示す。ユーザが入場していない場合、入場フラグはFALSEであり、ユーザが入場した場合、入場フラグはTRUEである。入場時刻は、ユーザが施設に入場した時刻である。退場フラグは、電子チケットが発行されたユーザが携帯端末3を所持して施設から退場したか否かを示す。ユーザが退場していない場合、退場フラグはFALSEであり、ユーザが退場した場合、退場フラグはTRUEである。退場フラグはTRUEである。入場時刻は、ユーザが施設から退場した時刻である。入場フラグ、及び退場フラグの初期値は全てFALSEである。入場時刻及び退場時刻の初期値はNULLである。
[2−2.携帯端末のシステム制御部の機能概要]
次に、図17(a)を用いて、携帯端末3のシステム制御部37の機能概要について説明する。図17(a)は、本実施形態に係る携帯端末3のシステム制御部37の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部37は、CPU37aが、電子チケットアプリに含まれる各種コードを読み出し実行することにより、図17(a)に示すように、入場情報記憶制御部371、退場情報記憶制御部372、表示制御部373、アラーム出力部374、入場時刻送信部375、退場時刻送信部376等として機能する。入場時刻送信部375は、本発明の第1送信手段の一例である。退場時刻送信部376は、本発明の第2送信手段の一例である。
入場時刻送信部375は、ビーコン発信機5−i−1から発信されたビーコン信号を受信した後、そのビーコン発信機5−i−1が設置された施設Fiへの入場時刻と、その施設Fiの施設IDとを電子チケットサーバ1へ送信する。ビーコン発信機5−i−1から発信されるビーコン信号は、入口を示す識別情報と、ビーコン発信機5−i−1が設置された施設Fiの施設IDと、その施設Fiに対応する会場で現在開催中のイベントのイベント番号とを含んでもよい。入場時刻送信部375は、記憶部35に記憶された電子チケットデータのうち、ビーコン信号に含まれるイベント番号を含む電子チケットデータを特定する。入場時刻送信部375は、特定したチケット番号及びビーコン信号に含まれる施設IDに対応付けて、入場時刻を記憶部35に記憶させてもよい。入場時刻送信部375は、ビーコン信号を受信したときに、入場時刻、チケット番号及び施設IDを電子チケットサーバ1へ送信してもよい。ビーコン信号が受信されたときに圏外である場合、入場時刻送信部375は、携帯端末3が移動体通信ネットワークに接続された後に入場時刻、チケット番号及び施設IDを送信すればよい。或いは、入場時刻送信部375は、所定時間ごとに、これまで未送信である入場時刻、チケット番号及び施設IDの全ての組を電子チケットサーバ1へ送信してもよい。或いは、入場時刻送信部375は、記憶部35に記憶しておいた入場時刻、チケット番号及び施設IDの全ての組を、イベントが開催された会場の閉場後にまとめて電子チケットサーバ1へ送信してもよい。
退場時刻送信部376は、ビーコン発信機5−i−2から発信されたビーコン信号を受信した後、そのビーコン発信機5−i−2が設置された施設Fiへの退場時刻と、その施設Fiの施設IDとを電子チケットサーバ1へ送信する。ビーコン発信機5−i−2から発信されるビーコン信号は、出口を示す識別情報と、ビーコン発信機5−i−2が設置された施設Fiの施設IDと、その施設Fiに対応する会場で現在開催中のイベントのイベント番号とを含んでもよい。退場時刻送信部376は、記憶部35に記憶された電子チケットデータのうち、ビーコン信号に含まれるイベント番号を含む電子チケットデータを特定する。退場時刻送信部376は、特定したチケット番号及びビーコン信号に含まれる施設IDに対応付けて、退場時刻を記憶部35に記憶させてもよい。退場時刻送信部376は、ビーコン信号を受信したときに、退場時刻、チケット番号及び施設IDを電子チケットサーバ1へ送信してもよい。ビーコン信号が受信されたときに圏外である場合、退場時刻送信部376は、携帯端末3が移動体通信ネットワークに接続された後に退場時刻、チケット番号及び施設IDを送信すればよい。或いは、退場時刻送信部376は、所定時間ごとに、これまで未送信である退場時刻、チケット番号及び施設IDの全ての組を電子チケットサーバ1へ送信してもよい。或いは、退場時刻送信部376は、記憶部35に記憶しておいた退場時刻、チケット番号及び施設IDの全ての組を、イベントが開催された会場の閉場後にまとめて電子チケットサーバ1へ送信してもよい。
なお、入口と出口の区別がない1又は複数の出入口が設けられた施設においては、出入口に設けられたビーコン発信機から初めてビーコン信号を受信したとき、入場時刻送信部375は、ビーコン信号を受信した時刻を入場時刻として記憶部35に記憶させる。その後、携帯端末3がそのビーコン発信機の無線通信圏外に出てからその施設のビーコン発信機の無線通信圏内に入ることによりビーコン信号を再度受信したとき、退場時刻送信部376は、ビーコン信号を再度受信した時刻を退場時刻として記憶部35に記憶させる。
[2−3.電子チケットサーバのシステム制御部の機能概要]
次に、図17(b)及び図18を用いて、電子チケットサーバ1のシステム制御部14の機能概要について説明する。図17(b)は、本実施形態に係る電子チケットサーバ1のシステム制御部14の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部14は、CPU14aが、サーバプログラムに含まれる各種コードを読み出し実行することにより、図17(b)に示すように、入場数集計部141、退場数集計部142、入場可不可情報出力部143、施設入場数集計部144、施設退場数集計部145、生成部146等として機能する。施設入場数集計部144は、本発明の第3集計手段の一例である。施設退場数集計部145は、本発明の第4集計手段の一例である。生成部146は、本発明の生成手段の一例である。
施設入場数集計部144は、施設Fiに入場することによりビーコン発信機5−i−1からビーコン信号を受信した各携帯端末3から入場時刻及び施設IDを受信して所定時間ごと及び施設ごとに施設入場数を集計する。施設入場数は、施設に入場したユーザの人数である。
上述したように、ビーコン発信機5−i−1からビーコン信号を受信した携帯端末3は電子チケットサーバ1へ入場時刻、施設番号及びチケット番号を送信する。施設入場数集計部144は、携帯端末3から受信したチケット番号に対応付けてチケットDB12bに記憶されている施設ログ情報のうち、携帯端末3から受信した施設IDに対応する施設ログ情報に、入場時刻を追加する。また、施設入場数集計部144は、この施設ログ情報の入場フラグをTRUEに変更する。
施設入場数集計部144は、施設ごとに、電子チケットシステムSの管理者により指定されたイベントのイベント番号に対応付けてチケットDB12bに記憶された全電子チケットデータの対応する施設ログ情報を取得する。施設入場数集計部144は、基準時刻を所定時間ずつ増加させながら、取得された施設ログ情報のうち入場時刻が基準時刻と同時刻であるか基準時刻よりも前である施設ログ情報の数を、その基準時刻の時点の施設入場数としてカウントする。
施設退場数集計部145は、施設Fiから退場することによりビーコン発信機5−i−2からビーコン信号を受信した各携帯端末3から退場時刻及び施設IDを受信して所定時間ごと及び施設ごとに施設退場数を集計する。施設退場数は、施設から退場したユーザの人数である。
上述したように、ビーコン発信機5−i−2からビーコン信号を受信した携帯端末3は電子チケットサーバ1へ退場時刻、施設番号及びチケット番号を送信する。施設退場数集計部145は、携帯端末3から受信したチケット番号に対応付けてチケットDB12bに記憶されている施設ログ情報のうち、携帯端末3から受信した施設IDに対応する施設ログ情報に、退場時刻を追加する。また、施設退場数集計部145は、この施設ログ情報の退場フラグをTRUEに変更する。
施設退場数集計部145は、施設ごとに、電子チケットシステムSの管理者により指定されたイベントのイベント番号に対応付けてチケットDB12bに記憶された全電子チケットデータの対応する施設ログ情報を取得する。施設退場数集計部145は、基準時刻を所定時間ずつ増加させながら、取得された施設ログ情報のうち退場時刻が基準時刻と同時刻であるか基準時刻よりも前である施設ログ情報の数を、その基準時刻の時点の施設退場数としてカウントする。
生成部146は、所定時間ごと且つ施設ごとの施設入場数と施設退場数との差に基づいて、施設ごとの施設滞在数の時系列的な変化を示す滞在数情報を生成する。施設滞在数は、或る時点で施設に滞在しているユーザの人数である。複数の施設のそれぞれについて、基準時刻ごとに、その基準時刻についてカウントされた入場時刻からその基準時刻についてカウントされた退場時刻を減算して、基準時刻の時点での施設滞在数を計算する。生成部146は、施設ごとに、その施設の施設ID、基準時刻ごとの施設滞在数を含む滞在数情報を生成する。
電子チケットサーバ1は、滞在数情報を、例えば電子チケットシステムSの運営者、イベントの運営者又は会場の運営者等が利用する図示しない端末装置へ送信する。運営者の操作に基づいて端末装置は滞在数情報を画面に表示する。
チケットDB12bに記憶された施設ログ情報から、各ユーザが何れの1又は複数の施設を利用したか、及び各ユーザが如何なる順番で施設を利用したかを把握することができる。また、滞在数情報から、時間の経過に伴う各施設の稼働状況の変化を把握することができる。
図18(a)は、チケットDB12bに記憶された入場時刻及び退場時刻の例を示す図である。図18(a)は、或るイベントの電子チケットを購入したユーザU1〜U8について、そのイベントの会場にある施設F1及びF2への入退場のログを示す。基準時刻の初期値を12時とし、所定時間を10分とする。
施設F1について、ユーザU1は12時00分に入場し12時30分に退場している。ユーザU2は14時00分に入場し14時10分に退場している。ユーザU4は、13時00分に入場し13時20分に退場している。ユーザU6は12時30分に入場し12時50分に退場している。ユーザU7は13時00分に入場し13時40分に退場している。ユーザU3、U5及びU8は入場も退場もしていない。
図18(b)は、所定時間ごとの施設入場数、施設退場数及び施設滞在数の例である。施設F1について、12時30分よりも前に入場したユーザはユーザU1のみであるので、12時00分〜12時20分における10分ごとの施設入場数は1人である。13時00分よりも前に入場したユーザはユーザU1及びU6であるので、12時30分〜12時50分における10分ごとの施設入場数は2人である。以下同様に、13時00分〜13時50分における10分ごとの施設入場数は4人である。14時00分以降における10分ごとの施設入場数は5人である。
施設F1について、12時30分よりも前に退場したユーザは存在しないので、12時00分〜12時20分における10分ごとの施設退場数は0人である。12時50分よりも前に退場したユーザはユーザU1のみであるので、12時30分と12時40分における施設退場数は1人である。13時20分よりも前に退場したユーザはユーザU1及びU6であるので、12時50分〜13時10分における10分ごとの施設退場数は2人である。以下同様に、13時20分と13時30分における施設退場数は3人である。13時40分〜14時00分における10分ごとの施設退場数は4人である。14時10分以降の10分ごとの施設退場数は5人である。
以上のことから、12時00分〜12時40分における10分ごとの施設滞在数は1人である。12時50分における施設滞在数は0人である。13時00分と13時10分における施設滞在数は2人である。13時20分と13時30分における施設滞在数は1人である。13時40分と13時50分における施設滞在数は0人である。14時00分における施設滞在数は1人である。14時10分以降における10分ごとの施設滞在数は0人である。施設F2についても同様の方法で施設入場数、施設退場数及び施設滞在数が決定される。
[2−4.電子チケットシステムの動作]
次に、電子チケットシステムSの動作について、図19及び図20を用いて説明する。図19(a)及び図19(b)は、携帯端末3において実行される処理である。携帯端末3のシステム制御部37は、電子チケットアプリに含まれる各種コードに従って、これらの図に示される処理を実行する。図19(c)及び図20は、電子チケットサーバ1において実行される処理である。電子チケットサーバ1のシステム制御部14は、サーバプログラムに含まれる各種コードに従って、これらの図に示される処理を実行する。
図19(a)は、本実施形態に係る携帯端末3のシステム制御部37による施設入場処理の一例を示す図である。ユーザが携帯端末3を持って何れかの施設Fiに入場するとき、携帯端末3はその施設Fiの出口に設置されたビーコン発信機5−i−1から発信されたビーコン信号を受信する。携帯端末3のシステム制御部37は、ビーコン信号に基づいて、ビーコン発信機5−i−1が設置された施設の施設ID、及びその施設に対応するイベントのイベント番号を特定する。システム制御部37は、特定したイベント番号を含む電子チケットデータが記憶部35に記憶されている場合に、施設入場処理を実行する。
図19(a)に示すように、入場時刻送信部375は、現在時刻を入場時刻として取得する(ステップS71)。次いで、入場時刻送信部375は、入場時刻と、特定された施設IDと、特定されたイベント番号を含む電子チケットデータのチケット番号とを電子チケットサーバ1へ送信して(ステップS72)、施設入場処理を終了させる。
図19(b)は、本実施形態に係る携帯端末3のシステム制御部37による施設退場処理の一例を示す図である。何れかの移設Fiに滞在しているユーザが携帯端末3を持って施設Fiから退場するとき、携帯端末3はその施設Fiの出口に設置されたビーコン発信機5−i−2から発信されたビーコン信号を受信する。携帯端末3のシステム制御部37は、ビーコン信号に基づいて、ビーコン発信機5−i−2が設置された施設の施設ID、及びその施設に対応するイベントのイベント番号を特定する。システム制御部37は、特定したイベント番号を含む電子チケットデータが記憶部35に記憶されている場合に、施設退場処理を実行する。
図19(b)に示すように、退場時刻送信部375は、現在時刻を退場時刻として取得する(ステップS81)。次いで、退場時刻送信部375は、退場時刻と、特定された施設IDと、特定されたイベント番号を含む電子チケットデータのチケット番号を電子チケットサーバ1へ送信して(ステップS82)、施設入場処理を終了させる。
図19(c)は、本実施形態に係る電子チケットサーバ1のシステム制御部14による施設ログ情報更新処理の一例を示す図である。携帯端末3から入場時刻又は退場時刻と、施設ID及びイベントIDとを受信したとき、システム制御部14は施設ログ情報更新処理を実行する。図19(c)に示すように、施設入場数集計部144又は施設退場数集計部145は、受信したチケット番号に対応付けてチケットDB12bに記憶されている施設ログ情報のうち、受信した施設IDに対応する施設ログ情報に、受信した入場時刻又は退場時刻を追加する(ステップS91)。入場時刻が追加された場合、施設入場数集計部144は、施設ログ情報の入場フラグをTRUEに変更する。退場時刻が追加された場合、施設退場数集計部145は、施設ログ情報の退場フラグをTRUEに変更する(ステップS92)。フラグが変更されると施設ログ情報更新処理が終了する。
図20は、本実施形態に係る電子チケットサーバ1のシステム制御部14による滞在数情報生成処理の一例を示す図である。例えば、電子チケットシステムSの運営者が、運営者が利用する図示しない端末装置を操作して、滞在数情報を生成したいイベントを指定する。端末装置は、指定されたイベントのイベント番号を含む生成要求を電子チケットサーバ1へ送信する。生成要求を受信したとき、システム制御部14は滞在数情報生成処理を実行する。
図20に示すように、生成部146は、施設番号iを1に設定する(ステップS101)。次いで、生成部146は、生成要求に含まれるイベント番号に対応付けてチケットDB12bに記憶されている各電子チケットデータの施設ログ情報のうちi番目の施設ログ情報を取得する(ステップS102)。次いで、生成部146は、基準時刻を集計開始時刻に設定する(ステップS103)。集計開始時刻は、例えばイベントが開催される会場の開場時刻であってもよいし、開場時刻よりも予め設定された時間前の時刻であってもよい。或いは集計開始時刻は、電子チケットシステムSの運営者により指定されてもよい。
次いで、施設入場数集計部144は、ステップS102で取得された施設ログ情報のうち、入場時刻が基準時刻と同時刻であるか基準時刻よりも前である施設ログ情報の数を、基準時刻における施設入場数としてカウントする(ステップS104)。次いで、施設退場数集計部145、ステップS102で取得された施設ログ情報のうち、退場時刻が基準時刻と同時刻であるか基準時刻よりも前である施設ログ情報の数を、基準時刻における施設退場数としてカウントする(ステップS105)。次いで、生成部146は、基準時刻における施設入場数から施設退場数を減算して、基準時刻における施設滞在数を計算する(ステップS106)。
次いで、生成部146は、基準時刻に所定時間を加算して基準時刻を更新する(ステップS107)。次いで、生成部146は、基準時刻が集計終了時刻よりも後の時刻であるか否かを判定する(ステップS108)。集計終了時刻は、例えばイベントが開催される会場の閉場時刻であってもよいし、閉場時刻から予め設定された時間後の時刻であってもよい。或いは集計終了時刻は、電子チケットシステムSの運営者により指定されてもよい。生成部146は、基準時刻が集計終了時刻よりも後の時刻ではないと判定した場合には(ステップS108:NO)、処理をステップS104に進める。一方、生成部146は、基準時刻が集計終了時刻よりも後の時刻であると判定した場合には(ステップS108:YES)、処理をステップS109に進める。
ステップS109において、生成部146は、集計開始時刻から集計終了時刻までの所定時間ごとの施設滞在数を含む滞在数情報を、ステップS102で取得された施設ログ情報に対応する施設ID及び指定されたイベントのイベント番号に対応付けて記憶部12に記憶させる。
次いで、生成部146は、施設番号iが、指定されたイベントが開催される会場の施設の総数n未満であるか否かを判定する(ステップS110)。このとき、生成部146は、施設番号iが施設の総数n未満であると判定した場合には(ステップS110:YES)、処理をステップS111に進める。ステップS111において、生成部146は施設番号iを1増加させて、処理をステップS102に進める。一方、生成部146は、施設番号iが施設の総数n未満ではないと判定した場合には(ステップS110:NO)、処滞在数情報生成処理を終了させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯端末3のシステム制御部37が、施設Fiに入場する携帯端末3と無線通信可能なビーコン発信機5−i−1から発信されたビーコン信号を受信した後、入場時刻と、入場された施設を示す施設IDと、を電子チケットサーバ1へ送信する。また、システム制御部37が、施設Fiに入場する携帯端末3と無線通信可能なビーコン発信機5−i−2から発信されたビーコン信号を受信した後、退場時刻と、退場された施設を示す施設IDと、を電子チケットサーバ1へ送信する。また、電子チケットサーバ1のシステム制御部14が、複数の施設Fiの何れかに入場した各携帯端末3から入場時刻及び施設IDを受信して所定時間ごと且つ施設ごとに施設入場数を集計する。また、システム制御部14が、複数の施設の何れかから退場した各携帯端末3から退場時刻及び施設IDを受信して所定時間ごと且つ施設ごとに施設退場数を集計する。また、システム制御部14が、所定時間ごと且つ施設ごとの施設入場数と施設退場数との差に基づいて、施設ごとの施設滞在数の時系列的な変化を示す滞在数情報を生成する。従って滞在数情報から、時間の経過に伴う各施設の稼働状況の変化を把握することができるので、この滞在数情報をマーケティングに活用することができる。