JP2018132371A - 尿中のバイオマーカーを検出するための方法及び該方法に用いるためのキット - Google Patents

尿中のバイオマーカーを検出するための方法及び該方法に用いるためのキット Download PDF

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Abstract

【課題】被験者へ苦痛を与えることなく、簡便かつ迅速に尿中のバイオマーカー検出する手段を提供する。【解決手段】尿を吸収している衛生用品へ、バイオマーカー検出用の液状試薬を更に吸収させて、前記衛生用品においてバイオマーカーを検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、尿中のバイオマーカーを検出するための方法及び該方法に用いるためのキットに関する。
尿に含まれている種々の物質や細胞は、感染症等の疾患を診断するためのバイオマーカーとして利用されている。
自立的な排尿が確立している者からの採尿は容易であるが、採尿が困難な者(例えば、乳幼児や高齢者)も存在している。
自立的な排尿が確立していない乳幼児に対しては、カテーテルを用いて膀胱から尿を直接採取する手技が開発されている。
また、通常のおむつには存在しない特殊な構造や形状を採用することで、尿中バイオマーカー検出手段を備えた特殊おむつが開発されている(特許文献1及び2)。
米国特許出願公開第2010/0290948号明細書 特表2002−542843号公報
しかしながら、前記の膀胱から尿を直接採取する手技は特別な技術を採取者に要求し、更に、乳幼児に苦痛もたらすものであった。また、排尿の困難な高齢者から尿を採取するのは、介護者の負担ともなり問題であった。
前記の特殊おむつは入手先が一部の医療機関等に限定されているため、入手後に乳幼児に着用させた後、乳幼児の排尿を待つ必要があり、バイオマーカーの検出までに時間を要していた。検出に要する時間の長期化は、疾患の重症化につながる懸念がある。
したがって、被験者へ苦痛を与えることなく、簡便かつ迅速に尿中のバイオマーカーを検出する手段は存在していなかった。
前記の課題を解決すべく本発明者は鋭意検討したところ、市販の一般的なおむつ中に吸収されている尿へバイオマーカー検出用の液状試薬を適用すると、当該おむつ上でバイオマーカーを容易に検出することができることを見いだした。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、下記〔1〕〜〔17〕に関するものである。
〔1〕尿を吸収している衛生用品において尿中のバイオマーカーを検出する方法に用いるためのキットであって、
バイオマーカー検出用の液状試薬を含むことを特徴とするキット。

〔2〕バイオマーカー検出用の液状試薬が呈色試薬である、前記〔1〕に記載のキット。

〔3〕バイオマーカーが、尿路感染症のバイオマーカーである、前記〔1〕又は〔2〕に記載のキット。

〔4〕尿路感染症のバイオマーカーが、白血球、亜硝酸塩及び尿赤血球からなる群より選ばれる1種以上である、前記〔3〕に記載のキット。

〔5〕白血球検出用の液状試薬が、N−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステルのメタノール溶液と、2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムの水溶液との混液である、前記〔4〕に記載のキット。

〔6〕バイオマーカーが、低栄養又は糖尿病のマーカーである、前記〔1〕又は〔2〕に記載のキット。

〔7〕低栄養又は糖尿病のマーカーがケトン体である、前記〔6〕に記載のキット。

〔8〕衛生用品が紙おむつ又は失禁用パッドである、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のキット。

〔9〕尿中のバイオマーカーを検出する方法であって、
尿を吸収している衛生用品へ、バイオマーカー検出用の液状試薬を更に吸収させて、前記衛生用品においてバイオマーカーを検出する工程を含むことを特徴とする、検出方法。

〔10〕バイオマーカー検出用の液状試薬が呈色試薬であり、
前記呈色試薬を吸収させた後の衛生用品の呈色に基づいて、バイオマーカーを検出する、前記〔9〕に記載の方法。

〔11〕バイオマーカーが、尿路感染症のバイオマーカーである、前記〔9〕又は〔10〕に記載の方法。

〔12〕尿路感染症のバイオマーカーが、白血球、亜硝酸塩及び尿赤血球からなる群より選ばれる1種以上である、前記〔11〕に記載の方法。

〔13〕白血球検出用の液状試薬が、N−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステルのメタノール溶液と、2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムの水溶液との混液である、前記〔12〕に記載の方法。

〔14〕バイオマーカーが、低栄養又は糖尿病のマーカーである、前記〔9〕又は〔10〕に記載の方法。

〔15〕低栄養又は糖尿病のマーカーがケトン体である、前記〔14〕に記載の方法。

〔16〕衛生用品が紙おむつ又は失禁用パッドである、前記〔9〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の方法。

〔17〕尿中のバイオマーカーを検出するための衛生用品であって、
尿の吸収体と、
前記尿の吸収体中に存在する、バイオマーカー検出用の試薬とを
含むことを特徴とする、衛生用品。
後述する実施例で示されるように、特殊な構造や形状を有しないごく一般的な衛生用品(おむつ等)を用いて実施可能な本発明は、特別な技術を必要とせず、対象者に苦痛を与えることなく、更に迅速に尿中のバイオマーカーを検出することができる。
例えば、本発明にしたがうと、家庭での排尿により尿を吸収した衛生用品を医療機関に持ち込んで直ちにバイオマーカーを検出できるので、本発明は疾患の早期診断、ひいては早期治療に貢献する。
図1は、本発明に従い、紙おむつ中で尿中バイオマーカーを検出できたことを示す図である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
〔キット〕
本発明の「尿を吸収している衛生用品において尿中のバイオマーカーを検出する方法に用いるためのキット」(以下、「本発明のキット」ともいう)は、バイオマーカー検出用の液状試薬を含むことを特徴とする。
「尿」は、衛生用品を着用可能な被験者に由来するものであれば特に制限されない。具体例としては、哺乳動物の尿が挙げられ、好ましくはヒトの尿である。本発明は、採尿が困難なヒト被験者、特に乳幼児や高齢者に対してより好適に用いることができる。
「衛生用品」は、被験者から排出された尿を吸収して保持する部材(以下、「尿の吸収体」ともいう)を備えている物品であれば特に制限されない。また、衛生用品は家庭用として市販されているものであれば十分であり、前記の特許文献1〜2に記載の特殊おむつが有する特殊な構造や形状は不要である。
尿の吸収体の材料は特に制限されないが、尿(水分)を吸収して膨潤することにより尿を保持する高分子吸収材(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム)(Super absorbent polymer (SAP)とも呼ばれている)が好ましい。
このような衛生用品は公知であり、具体例としては、紙おむつ、失禁用パッド、排泄物バッグや、女性衛生器具等が挙げられ、好ましくは紙おむつ及び失禁用パッドである。
「尿中のバイオマーカー」は、尿中に存在し、疾患の診断に使用できるものであれば特に制限されない。尿中のバイオマーカーは、化学物質であってもよく、細胞であってもよい。
尿中のバイオマーカーは公知である。具体例としては下記のものが挙げられる。
1) 尿路感染症の尿中バイオマーカー:白血球、亜硝酸塩、尿赤血球(血尿)
2) 経口摂取不良(低栄養)や糖尿病の尿中バイオマーカー:ケトン体
3) 糖尿病や腎障害(尿細管障害)の尿中バイオマーカー:尿糖、ケトン体
4) 腎臓病の尿中バイオマーカー:タンパク質(尿蛋白)、尿赤血球(血尿)
これらの疾患のなかでも、乳幼児における尿路感染症は、先天性腎尿路異常を合併することがあり、また、後遺症(腎瘢痕化(逆流性腎症))が残ることもある重大な疾患であるにもかかわらず、乳幼児では発熱等の症状による診断が困難な疾患であるので、尿中マーカーにより診断を行う意義が大きい。したがって、本発明は、尿路感染症の診断に好適に用いることができる。
また、小児では、胃腸炎などの際に、成人よりも容易に脱水、糖質不足(低栄養)に陥りやすい。具体的には、嘔吐などのために糖質を含む水分や食事がとれないと、脂肪酸が分解されてケトン体が産生される。ケトン体は尿中に排泄されるため、尿ケトン陽性は水分・糖質が経口摂取できていない事(すなわち、経口摂取不良(低栄養))を意味し、臨床的に経静脈的輸液を行う指標となる。しかし、採尿が困難な乳幼児では尿ケトンの評価が困難であるため、全身状態から低栄養の程度を評価する必要があるが、重症化するまで発見されないこともある。したがって、採尿が困難な乳幼児に本発明を適用して、おむつ上で尿中のケトンを検出することで、低栄養が重症化する前に診断・治療を開始することが可能になる。
「バイオマーカー検出用の液状試薬」(以下、「液状試薬」ともいう)は、前記のバイオマーカーを検出することができる試薬(以下、「バイオマーカー検出用の試薬」ともいう)を含む液体であれば特に制限されない。液状試薬において、バイオマーカー検出用の試薬は溶媒中に溶解していてもよく、分散媒中に懸濁していてもよい。
バイオマーカー検出用の試薬は公知である。具体例としては、尿路感染症のバイオマーカーである白血球を検出するためのN−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステルと、2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムとが挙げられる。N−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステルは、白血球エステラーゼと反応し、更に2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムと反応して紫色のアゾ色素(検出シグナル)を生成する(白血球エステラーゼ活性法)。
尿路感染症のバイオマーカーである亜硝酸塩検出用の試薬としては、スルファニルアミドと、N−(1−ナフチルアミノ)−3−プロパンスルホン酸とが挙げられる。スルファニルアミドは亜硝酸塩と反応してジアゾ化合物を生成し、これがN−(1−ナフチルアミノ)−3−プロパンスルホン酸と反応してピンク色のアゾ色素(検出シグナル)を生成する(グリース法)。
経口摂取不良(低栄養)や糖尿病のバイオマーカーであるケトン体検出用の試薬としては、グリシンとニトロプルシドナトリウムとが挙げられる。ケトン体とグリシンとニトロプルシドナトリウムとが反応すると、紫色(検出シグナル)を呈する(ニトロプルシドナトリウム法)。
その他、腎臓病や尿路感染症のバイオマーカーである尿赤血球(血尿)検出用の呈色試薬としては、テトラメチルベンチジンと2,5-ジメチル-2,5-ジヒドロパーオキシヘンサンが挙げられ、糖尿病や腎障害のバイオマーカーである尿糖検出用の呈色試薬としては、テトラメチルベンチジンとグルコースオキシダーゼとペルオキシダーゼが挙げられ、腎臓病のバイオマーカーである尿蛋白検出用の呈色試薬としては3’,3’’,5’,5’’-テトラクロロフェノール-3,4,5,6-テトラブロムスルホフタレインが挙げられる。
バイオマーカーの存在に応じて液状試薬が発する検出シグナルは特に制限されないが、発色によりバイオマーカーの存在を示す試薬(すなわち、呈色試薬)は、バイオマーカーの検出をより容易に行うことができるので好ましい。特に肉眼で呈色を判断できる呈色試薬(例えば、前記の白血球検出用の呈色試薬)が好ましい。
液状試薬を構成する溶媒及び分散媒は、バイオマーカー検出用の試薬の性質(例えば、親水性や親油性)に応じて適宜選択することができる。溶媒及び分散媒は水であってもよく、有機溶媒であってもよい。バイオマーカー検出用の試薬に適した溶媒及び分散媒は公知であり、例えば、前記のN−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステルの溶媒としてはメタノールが挙げられ、2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムの溶媒としては水が挙げられる。
液状試薬は、単一種類のバイオマーカー検出用の試薬を含むものであってもよく、複数種類のバイオマーカー検出用の試薬を含むものであってもよい。
液状試薬中の「バイオマーカー検出用の試薬」の濃度は、液状試薬と尿中のバイオマーカーとが反応して発するシグナルの検出を可能にするものであれば特に制限されず、使用する試薬の種類に応じて適宜設定することができる。
例えば、試薬がN−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステルである場合、液状試薬中の濃度は10 mg/mL以上、好ましくは30 mg/mL以上である。
試薬が2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムである場合、液状試薬中の濃度は1 mg/mL以上、好ましくは3 mg/mL以上である。
試薬がニトロプルシドナトリウムである場合、液状試薬中の濃度は20 mg/mL以上、好ましくは40 mg/mL以上である。
また、試薬がグリシンである場合、液状試薬中の濃度は100 mg/mL以上である。
本発明のキットは、単一種類の液状試薬を含むものであってもよく、複数種類の液状試薬(複数種類のバイオマーカーを検出するための液状試薬の組合せを含む)を含むものであってもよい。複数種類の液状試薬を含む場合、各液状試薬は分離した状態でキット中に含まれていてもよい。
本発明のキットは、前記の液状試薬の他、尿中のバイオマーカーを検出する方法の実施を補助する部材、例えば液状試薬を衛生用品へ適用するための部材(例えば、スポイト)等を含んでいてもよい。
別の態様として、液状試薬の構成成分(バイオマーカー検出用の試薬、及び、溶媒又は分散媒)を分離した状態で含むキットも考えられる。
本発明のキットは、後記の尿中のバイオマーカーを検出する方法において好適に使用することができる。
〔尿中のバイオマーカーを検出する方法〕
本発明の「尿中のバイオマーカーを検出する方法」(以下、「本発明の検出方法」ともいう)は、尿を吸収している衛生用品へ、バイオマーカー検出用の液状試薬を更に吸収させて、前記衛生用品においてバイオマーカーを検出する工程を含むことを特徴とする。
本発明の検出方法における「尿」、「衛生用品」、「尿中のバイオマーカー」及び「バイオマーカー検出用の液状試薬」の各構成要件の内容は、前記の本発明のキットについて説明したものと同じである。
「尿を吸収している衛生用品」とは、着用中の被験者から排出された尿を吸収している状態にある衛生用品をいう。例えば、おむつ交換により乳幼児から取り外された後の、尿を含んでいる紙おむつ(使用後おむつ)や、高齢者が着用し排出された尿を吸収している紙おむつが挙げられる。
バイオマーカー検出用の液状試薬は、前記「尿を吸収している衛生用品」中の尿が吸収されている部位(好ましくは、高分子吸収材から構成されている、尿の吸収体)へ適用することで、当該衛生用品へ吸収させる。液状試薬の適用手段は特に制限はなく、例えば、スポイト等を用いて容易に実施できる。
液状試薬が衛生用品へ吸収されると、液状試薬と尿中のバイオマーカーとが反応し、液状試薬の種類に応じた検出シグナルを当該衛生用品中で発する。
検出シグナルは液状試薬の種類に依存するが、液状試薬が呈色試薬であると、衛生用品への着色に基づいて尿中バイオマーカーの存在を容易に検出することができるので好ましい。
なお、検出シグナルの観察は、必要に応じて衛生用品の一部を切断して、尿の吸収体を露出させて行ってもよい。
本発明の検出方法では、単一種類のバイオマーカー検出用の液状試薬を用いてもよく、複数種類のバイオマーカー検出用の液状試薬(複数種類のバイオマーカーを検出するための液状試薬の組合せを含む)を用いてもよい。
〔尿中のバイオマーカーを検出するための衛生用品〕
本発明の「尿中のバイオマーカーを検出するための衛生用品」(以下、「本発明の衛生用品」ともいう)は、「尿の吸収体」と、「前記尿の吸収体中に存在する、バイオマーカー検出用の試薬」とを含むことを特徴とする。
本発明の衛生用品における「尿の吸収体」及び「バイオマーカー検出用の試薬」の各構成要件の内容は、前記の本発明のキットについて説明したものと同じである。
バイオマーカー検出用の試薬を尿の吸収体中に存在させる手段としては、例えば、バイオマーカー検出用の試薬を液体として調製し、これを尿の吸収体中へ適用して、吸収させることが挙げられる。
本発明の衛生用品を用いた尿中のバイオマーカーの検出は、例えば、尿意を感じている被験者(高齢者)に着用してもらい、排尿後に取り外し、当該衛生用品における検出シグナルの有無を観察することで実施することができる。
本発明のキット、検出方法及び衛生用品を用いて得られた検出結果は、使用したバイオマーカーに対応する疾患の診断に利用することができる。
例えば、前記の白血球検出試薬(N−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステル及び2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウム)を用いて本発明を実施して得られた尿中で白血球が検出されたという結果(情報)は、尿路感染症の診断に利用することができる。
次に、実施例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
「衛生用品」として、市販の紙おむつ(商品名:ムーニー(ユニチャーム)、パンパース(Procter & Gamble.)、メリーズ(花王)、グーン(大王製紙)、GENKI(王子ネピア))を使用した。使用した紙おむつは、高分子吸収材(ポリアクリル酸ナトリウム)から構成される尿の吸収体を有していた。図1に示すのは、その1例であるムーニー(ユニチャーム)を使用した結果である。
「尿中のバイオマーカー」として、尿路感染症のバイオマーカーである白血球を選択した。
「バイオマーカー検出用の液状試薬」(白血球の検出試薬)として、N−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステル(供給者:カルボシンス)のメタノール溶液(濃度:30mg/ml)と、2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウム(供給者:Sigma-Aldrich)の水溶液(濃度:3mg/ml)とを使用した。
尿サンプルとして、試験紙法により白血球が存在することを予め確認した尿(白血球「3+」の尿)と、白血球が存在しないことを予め確認した尿(白血球「−」の尿)とを用いた。
白血球「3+」の尿10 mlを紙おむつへ適用して、尿の吸収体中へ吸収させた。前記尿の吸収体へ、ピペットマンを用いてN−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステルのメタノール溶液100μlを吸収させ、更に、2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウム水溶液100μlを吸収させた。液状試薬添加から2分後に、液状試薬適用部位において、周辺部から容易に識別可能な呈色が観察された(図1右)。
一方、白血球「−」の尿を用い前記と同様の手順で液状試薬を吸収させた紙おむつでは、呈色が観察されなかった(図1左)。
これらの結果より、市販の一般的なおむつ中に吸収されている尿にバイオマーカー検出用の液状試薬を更に吸収させることで、当該おむつ上でバイオマーカーを容易に検出できることが理解される。
本発明は、尿中のバイオマーカーを検出することができるので、疾患の診断に利用することができる。

Claims (17)

  1. 尿を吸収している衛生用品において尿中のバイオマーカーを検出する方法に用いるためのキットであって、
    バイオマーカー検出用の液状試薬を含むことを特徴とするキット。
  2. バイオマーカー検出用の液状試薬が呈色試薬である、請求項1に記載のキット。
  3. バイオマーカーが、尿路感染症のバイオマーカーである、請求項1又は2に記載のキット。
  4. 尿路感染症のバイオマーカーが、白血球、亜硝酸塩及び尿赤血球からなる群より選ばれる1種以上である、請求項3に記載のキット。
  5. 白血球検出用の液状試薬が、N−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステルのメタノール溶液と、2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムの水溶液との混液である、請求項4に記載のキット。
  6. バイオマーカーが、低栄養又は糖尿病のマーカーである、請求項1又は2に記載のキット。
  7. 低栄養又は糖尿病のマーカーがケトン体である、請求項6に記載のキット。
  8. 衛生用品が紙おむつ又は失禁用パッドである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のキット。
  9. 尿中のバイオマーカーを検出する方法であって、
    尿を吸収している衛生用品へ、バイオマーカー検出用の液状試薬を更に吸収させて、前記衛生用品においてバイオマーカーを検出する工程を含むことを特徴とする、検出方法。
  10. バイオマーカー検出用の液状試薬が呈色試薬であり、
    前記呈色試薬を吸収させた後の衛生用品の呈色に基づいて、バイオマーカーを検出する、請求項9に記載の方法。
  11. バイオマーカーが、尿路感染症のバイオマーカーである、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 尿路感染症のバイオマーカーが、白血球、亜硝酸塩及び尿赤血球からなる群より選ばれる1種以上である、請求項11に記載の方法。
  13. 白血球検出用の液状試薬が、N−トシル−L−アラニン−3−インドキシル−エステルのメタノール溶液と、2−メトキシ−4−(N−モルホリノ)−ベンゼンジアゾニウムの水溶液との混液である、請求項12に記載の方法。
  14. バイオマーカーが、低栄養又は糖尿病のマーカーである、請求項9又は10に記載の方法。
  15. 低栄養又は糖尿病のマーカーがケトン体である、請求項14に記載の方法。
  16. 衛生用品が紙おむつ又は失禁用パッドである、請求項9〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 尿中のバイオマーカーを検出するための衛生用品であって、
    尿の吸収体と、
    前記尿の吸収体中に存在する、バイオマーカー検出用の試薬とを
    含むことを特徴とする、衛生用品。
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