JP2018131007A - 居眠り防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のシートに着座している乗員の居眠りを防止する居眠り防止装置に関し、乗員の覚醒までに要する時間を短縮可能な居眠り防止装置を提供する。【解決手段】居眠り防止装置1は、シート30のヘッドレスト部33内に配置された刺激付与部10と、刺激付与部10のペルチェ素子17の作動を制御する制御装置50とを有している。刺激付与部10は、ヘッドレスト部33において、シート30に座った乗員Pに接触可能に配置された接触部11と、接触部11の温度を変更させる熱源としてのペルチェ素子17を有している。居眠り危険度判定処理で乗員Pの居眠りの危険性があると判定された場合、接触部11を乗員Pに接触させて温度刺激を付与する為に、ペルチェ素子17の作動を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両のシートに着座している乗員の居眠りを防止する居眠り防止装置に関する。
近年、電子技術や、情報処理技術、制御技術などの進歩を背景として、乗員が車両を運転する操作を助けるための様々な運転支援技術が開発されており、運転操作の実行主体をシステムとした自動運転も含めた技術開発も進行している。
これらの運転支援技術が進歩していくと、乗員による運転操作に係る実行負担のみならず、走行環境の監視負担が軽減されていくことが想定される。これらの負担軽減を鑑みると、乗員はシートをリクライニングさせたリラックスした状態で着座することが考えられる。この状況は、乗員の居眠りを誘発する蓋然性の高い状況であり、いくら運転支援技術が進歩したとしても、交通安全上の観点から好ましいものではない。
車両のシートに着座している乗員の居眠りを防止する為の発明として、例えば、特許文献1に記載された発明が知られている。特許文献1に記載された居眠り防止装置は、シートに着座した乗員の首部近傍に配置された吹出口から風を吹き出すことで、当該乗員に刺激を与え、居眠りからの覚醒を促すように構成されている。
特開2016−168933号公報
ここで、特許文献1に記載された居眠り防止装置では、吹出口から吹き出される風と乗員の人体との温度差により乗員の体温を奪うことで、乗員に刺激を与えて居眠りからの覚醒を促している。しかしながら、風を介して刺激を与える為、特許文献1においては、十分な強度の刺激を与えることができずに、乗員が覚醒するまでに時間を要してしまう場合があった。
車両における居眠り運転を防止する安全上の観点に鑑みれば、刺激の付与から覚醒に至るまでの所要時間がより短期間であることが望ましい。この所要時間が短ければ、危険を回避する為の措置(例えば、事故回避の為の操舵や制動操作等)を、迅速に講じることができる為である。
本発明は、この点に鑑みてなされており、乗員の覚醒までに要する時間を短縮可能な居眠り防止装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の居眠り防止装置は、
車両の車室内におけるシート(30)に配置され、前記シートに座った乗員に接触して温度刺激を付与可能な接触部(11)と、前記接触部の温度を変化させる為の熱源(17)と、を備える刺激付与部(10)と、
前記刺激付与部の作動を制御する制御部(50)と、を有し、
前記制御部は、
前記シートに座った乗員が居眠りする危険性があるかを判定する判定部(S3)と、
前記判定部が居眠りする危険性があると判定した場合に、前記刺激付与部を作動させる作動制御部(S5)と、を有する。
これにより、当該居眠り防止装置によれば、判定部によって、シートに座った乗員が居眠りする危険性があると判定された場合、刺激付与部の接触部を介して、当該乗員に対して温度刺激を付与することができる。接触部との接触によって乗員に付与される温度刺激は、風等を介して付与される刺激に比べて、より強い刺激となる。又、この場合の温度刺激は、乗員Pの温度感覚だけでなく、乗員Pの触覚にも作用する。即ち、居眠り防止装置によれば、強い刺激を速やかに与えることができる。
即ち、当該居眠り防止装置によれば、シートに座った乗員が居眠りする危険性がある場合に、刺激付与部の接触部を介して、強い温度刺激を速やかに与えることができるので、当該乗員の居眠りからの覚醒に要する時間を短縮することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本実施形態に係る居眠り防止装置の概略構成を示す側面図である。 居眠り防止装置における刺激付与部の構成を示す側面図である。 居眠り防止装置における刺激付与部の構成を示す平面図である。 本実施形態におけるヘッドレスト部の内部構成を示す側面断面図である。 図4におけるV−V断面を示す平面断面図である。 居眠り防止装置の制御系を示すブロック図である。 居眠り防止装置における制御処理のフローチャートである。 居眠り防止装置の制御処理の内、位置調整処理に関するサブルーチンのフローチャートである。 居眠り防止装置の制御処理の内、温度調整処理に関するサブルーチンのフローチャートである。 居眠り防止装置の制御処理の内、居眠り危険度判定処理に関するサブルーチンのフローチャートである。
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。又、各図における上下、左右、前後を示す矢印は、車両搭載状態を基準として示している。そして、各図における紙面手前側、奥側についても車両搭載状態を基準として決定される。例えば、図1における紙面手前側、奥側は左右方向に対応している。
本実施形態に係る居眠り防止装置1は、高度運転支援機能を有する車両に搭載されており、当該車両の乗員Pに直接接触した温度刺激を付与可能な刺激付与部10と、当該刺激付与部10の作動を制御する制御装置50とを有している。
ここで、高度運転支援機能とは、車両の加速・操舵・制動に係る操作をシステムによって支援する機能であり、本実施形態においては、図6に示す自動運転支援部51により、車両の各部を制御することで、運転支援機能として、以下の高度運転支援を実現することができる。
具体的には、本実施形態に係る運転支援機能によれば、車両における加速・操舵・制動の内、複数の操作をシステム(即ち、自動運転支援部51)が行う状態にすることができる。この状態は、日本政府や米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の定義では、「レベル 2」に相当し、例えば、ステアリングアシスト付きのアダプティブクルーズコントロール等を含んでいる。この高度運転支援機能が有効な場合、運転者は、常時、車両の運転状況を監視する必要があり、状況によっては、運転者自ら対応する必要がある。
そして、当該車両の車室C内には、シート30が、乗員Pが座る為に配設されており、座面部31と、背もたれ部32と、ヘッドレスト部33とを有している。座面部31は、乗員が着座する部分であり、その上面に多孔質製のクッション部を有している。当該座面部31は、本発明における座面部の一例である。
そして、背もたれ部32は、座面部31に座った乗員Pの上半身を背後から支持する部分を構成しており、その前面に多孔質製のクッション部を有している。当該背もたれ部32は、座面部31の後方側端部に沿って伸びる回動軸を介して、座面部31に対して取り付けられており、当該回動軸周りに回動可能に配置されている。即ち、本実施形態におけるシート30は、乗員Pの任意な状態にリクライニングさせることができる。この結果、乗員は、駐停車時における休憩中等に、リラックスした姿勢を採ることができる。
ヘッドレスト部33は、背もたれ部32の上部に配置されており、シート30に座った乗員Pの頭部を背後から支持可能に構成されている。図1、図4、図5に示すように、当該ヘッドレスト部33の内部には、居眠り防止装置1を構成する刺激付与部10が配置されている。当該刺激付与部10は、ヘッドレスト部33内部において、当該乗員Pの首筋近傍に位置する経穴に接触して温度刺激を付与可能に配置されている。ヘッドレスト部33の内部構成及び刺激付与部10の具体的構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
又、ヘッドレスト部33には、一対のスライドシャフト34が配置されている。当該スライドシャフト34は、車両の左右方向に間隔を隔てて配置されており、ヘッドレスト部33の下面から下方に向かって伸びている。スライドシャフト34は、背もたれ部32の上面から下方に伸びるように形成されたスライド穴(図示せず)に挿通される。
そして、当該スライドシャフト34は、背もたれ部32内に配置された駆動モータ46と共に、シート30におけるヘッドレスト部33の位置を調整する為の位置調整機構部45を構成する。具体的には、スライドシャフト34には、軸方向に沿って伸びるラックが形成されており、駆動モータ46の駆動軸に取り付けられたピニオンと噛み合うように配置されている。
従って、駆動モータ46による駆動軸の回転は、ラックアンドピニオンによって、スライドシャフト34のスライド移動に変換される、このスライドシャフト34のスライド移動に伴い、ヘッドレスト部33及びその内部に配置された刺激付与部10の位置が変化する。この為、ヘッドレスト部33のスライドシャフト34は、駆動モータ46と共に、位置調整機構部45を構成し、本発明における位置調整機構部として機能する。
図1に示すように、車室C前方の計器盤上には、居眠り検知部52が配置されている。この居眠り検知部52は、シート30に座った乗員Pの生体信号を取得して、これを解析することで、当該乗員Pの居眠りの危険性を検知している。従って、当該居眠り検知部52は、本発明における検知部として機能する。
具体的には、居眠り検知部52は、乗員Pの顔部分にあたる画像を撮像するデジタルカメラからなる撮像部を有しており、この撮像部で撮像された画像データに対して画像処理を行うことで、乗員Pが目を閉じている閉眼時間を計測する。そして、居眠り検知部52は、計測した閉眼時間の長さや頻度を解析することによって、居眠りの危険性が高い状態(即ち、覚醒度の低い状態)を検知する。例えば、乗員Pの閉眼時間が長い場合や、閉眼する頻度が高い場合には、乗員Pの居眠りの危険性が高いと判断する。
又、車室前方側の天井面には、体格測定部53が配置されており、非接触光学式の距離計を有して構成されている。この非接触光学式の距離計は、シート30における背もたれ部32の上方部分を測定範囲としている。従って、当該体格測定部53は、この距離計の測定結果を解析することによって、シート30における乗員Pの有無を検知したり、シート30に座った乗員Pの頭部の位置を測定したりすることができる。体格測定部53の測定結果は、後述する位置調整処理(S3)で刺激付与部10の位置を調整する際に用いられる。
次に、本実施形態に係る居眠り防止装置1の刺激付与部10の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示すように、刺激付与部10は、シート30に座った乗員Pに接触して温度刺激を付与する為に、シート30のヘッドレスト部33内部に配置されている。図2、図3に示すように、刺激付与部10は、シート30に座った乗員Pに接触する接触部11と、ケース14と、温度刺激に関する熱源であるペルチェ素子17と、フィン部材18と、送風機19とを有して構成される。
接触部11は、シート30に座った乗員Pに接触する部分であり、刺激付与部10の前側部分を構成している。当該接触部11は、伝熱性に優れる金属(具体的には、アルミニウム、銅等)によって構成されており、一対の接触子12と、板状に形成されたベースプレート13を有している。
一対の接触子12は、ベースプレート13の前面側において、前方に向かって伸びる円柱状に形成されており、ベースプレート13と一体に形成されている。一対の接触子12は、ベースプレート13の中央部分において、所定の間隔をあけて形成されている。各接触子12の先端は、曲面状に形成されており、乗員Pの首筋に接触した際の接触面積を大きく確保している。
ベースプレート13の後面側には、熱源としてのペルチェ素子17が接触した状態で配置されている。接触部11は、伝熱性に優れる金属により構成されている為、一対の接触子12は、ペルチェ素子17の温度制御に従った温度を示し、高温の温度刺激、低温の温度刺激を付与することができる。
ケース14は、刺激付与部10におけるフィン部材18の一部や送風機19を収容する略箱型の筐体として構成されている。図2、図3に示すように、当該ケース14の前面側には、接触部11のベースプレート13が、ペルチェ素子17を挟むようにして取り付けられている。
図3に示すように、ケース14の上面には、一対の上部開口16が配置されており、ケース14内部と外部を連通するように形成されている。図2に示すように、これらの上部開口16を介して、フィン部材18の一部がケース14の外部に露出している。
ケース14の前面側及び後面側には、挿通孔15がケース14の中央部分を前後方向に貫通するように形成されている。図4、図5に示すように、当該挿通孔15は、刺激付与部10をヘッドレスト部33の収容部36内に固定する際に用いられる。
接触部11におけるベースプレート13の後面側には、一対のペルチェ素子17が、ベースプレート13と面接触するように配置されている。当該ペルチェ素子17は、二種類の金属又は金属と半導体とを接続して構成された板状の半導体素子である。ペルチェ素子17は、二種類の金属の接合部に直流電流を流すと、ペルチェ効果を起こすように構成されている。ペルチェ効果とは、二種類の金属の接合部に直流電流を流した場合、一方の金属から他方へ熱が移動して、一方の面で吸熱を起こすと同時に、他方の面で発熱を起こす効果である。
従って、ペルチェ素子17の接合部に直流電流を流した場合に、ベースプレート13側の面が放熱又は吸熱する。この為、ペルチェ素子17の作動を制御し、ペルチェ素子17における放熱量や吸熱量を調整することで、当該接触部11の温度を変化させることができる。即ち、ペルチェ素子17は、本発明における熱源として機能する。
ペルチェ素子17の後面側には、フィン部材18が配置されている。当該フィン部材18は、伝熱性に優れる金属(具体的には、アルミニウム、銅等)で板状に形成された複数のフィンを有する伝熱部材である。当該フィン部材18は、ペルチェ素子17の後側面に接触した状態で固定されており、その一部が上部開口16を介してケース14外部に配置されている。
そして、当該フィン部材18は、ペルチェ素子17の後側面が放熱している場合には、その熱を周囲の空気に対して放熱する。又、当該フィン部材18は、ペルチェ素子17の後側面が吸熱している場合には、この吸熱により冷却され、その周囲の空気との間で熱交換を行う。
各フィン部材18の後方には、送風機19が配置されている。当該送風機19は、ケース14の内部において、ヘッドレスト部33内部の空気をフィン部材18に送風し、ヘッドレスト部33内に空気の流れを作り出す。これにより、各送風機19は、その前方に位置するフィン部材18における熱交換を促進させる機能を果たす。
図4、図5に示すように、当該刺激付与部10は、ヘッドレスト部33内部における収容部36内に、固定部材20を用いて配置されている。当該固定部材20は、略円柱状に形成されており、ケース14の挿通孔15を挿通した状態で、ヘッドレスト部33にネジ止めされる。従って、刺激付与部10は、挿通孔15と固定部材20との協働によって、ヘッドレスト部33の収容部36内を前後にスライド移動することができる。
そして、固定部材20の後端部に形成されたフランジ部と、ケース14における挿通孔15の後側端縁との間には、スプリング21が配置されている。スプリング21の前側端部は、挿通孔15の後側端縁と接触しており、スプリング21の後側端部は、固定部材20のフランジ部と接触している。従って、スプリング21は、収容部36内において、刺激付与部10を前側に付勢している。
又、スプリング21は、接触部11を介して、刺激付与部10が後側に押圧された場合には、その押圧力を吸収して弾性変形する。従って、当該刺激付与部10によれば、接触子12が乗員Pの首筋に接触した際に、乗員Pに作用する荷重を緩和することができる。
続いて、本実施形態におけるヘッドレスト部33の構成及び、ヘッドレスト部33内における刺激付与部10の配置について、図4、図5を参照しつつ説明する。図4は、ヘッドレスト部33の左右方向中央部分における側面断面図である。
上述したように、ヘッドレスト部33は、シート30の背もたれ部32上部において、位置調整機構部45によって位置調整可能に配置されている。ヘッドレスト部33の下面には、一対のスライドシャフト34が下方に向かって伸びるように配置されており、背もたれ部32内に配置された駆動モータ46と協働して、位置調整機構部45を構成している。
図4、図5に示すように、ヘッドレスト部33の前面側下部には、凹部35が左右方向中央部分に形成されている。当該凹部35は、後方側に向かって窪んだ曲面によって構成されており、シート30に座った乗員Pの首筋を支持するように形成されている。
ヘッドレスト部33の内部には、刺激付与部10を収容する為の収容部36が形成されている。当該収容部36は、ヘッドレスト部33の内部における前方下部に配置されており、左右方向中央部に位置している。図4、図5に示すように、この収容部36の前側部分には、各固定部材20の先端が、ケース14の挿通孔15に挿通した状態でネジ止めされる。これにより、刺激付与部10は、収容部36内の所定位置に配置される。
そして、収容部36における前側部分には、一対の貫通穴37が形成されている。一対の貫通穴37は、ヘッドレスト部33の凹部35と収容部36の内部とを連通しており、接触部11の各接触子12を挿入可能に形成されている。
従って、図4、図5に示すように、収容部36内に刺激付与部10を配置した場合、各接触子12の先端が、凹部35に形成された各貫通穴37から突出する。これにより、各接触子12の先端は、シート30に座った乗員Pの首筋に接触可能に配置される。又、乗員Pとの接触により押圧力が作用した場合には、各接触子12は、貫通穴37内をスライド移動する。
又、ヘッドレスト部33の下面には、吸気口38が形成されており、ヘッドレスト部33内部と外部とを連通している。刺激付与部10の送風機19を作動させると、ヘッドレスト部33外部の空気が、当該吸気口38を介して吸い込まれる。
そして、ヘッドレスト部33の内部には、通風路39が形成されている。当該通風路39は、吸気口38から、収容部36内に配置された刺激付与部10の後部を介して、上方に伸びるように形成されている。従って、吸気口38から吸い込まれた空気は、送風機19の作動によって通風路39を流れる過程で、フィン部材18との熱交換を行い、上方へ向かって流れていく。
図4に示すように、ヘッドレスト部33の後部には、通気開口40が形成されている。当該通気開口40は、収容部36よりもやや上方において、ヘッドレスト部33の内部とヘッドレスト部33後方の空間とを連通しており、通風路39に接続されている。これにより、吸気口38、通風路39を流れた空気は、通気開口40を介して、ヘッドレスト部33の後方に向かって吹き出される。又、当該通気開口40の開口縁には、網目状に形成されたカバー41が配置されている。
次に、本実施形態に係る居眠り防止装置1の制御系について、図6を参照しつつ説明する。上述したように、居眠り防止装置1は、刺激付与部10等の構成機器の作動を制御する為の制御装置50を有している。制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。
そして、制御装置50は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算処理を行い、各構成機器の作動を制御する。制御装置50のROMには、図7〜図10に示す制御処理を実現する為の制御プログラム及びサブルーチンが記憶されている。そして、当該制御装置50は、本発明における制御部として機能する。
図6に示すように、制御装置50の出力側には、刺激付与部10の各ペルチェ素子17が接続されている。具体的には、制御装置50は、各ペルチェ素子17の接合部に対する電流を制御して、当該ペルチェ素子17における放熱・吸熱の態様を制御する。各ペルチェ素子17の前面は、接触部11のベースプレート13に接触している為、制御装置50は、刺激付与部10によって付与される温度刺激を調整することができる。
又、制御装置50の出力側には、位置調整機構部45の駆動モータ46が接続されている。従って、制御装置50は、駆動モータ46の駆動を制御することによって、スライドシャフト34を介して、シート30におけるヘッドレスト部33の位置を調整することができる。図4、図5に示すように、ヘッドレスト部33には、刺激付与部10の接触部11が配置されている為、制御装置50は、シート30における接触部11の位置を調整することができる。
一方、制御装置50の入力側には、自動運転支援部51と、居眠り検知部52と、体格測定部53と、室温センサ54が接続されている。自動運転支援部51は、上述した高度運転支援機能を実行可能なシステムであり、後述する操作パネル55の運転支援スイッチの切替操作によって、高度運転支援機能の有効・無効が切り替えられる。自動運転支援部51に係るシステムの具体的構成に関する説明は省略する。高度運転支援機能が有効である場合、制御装置50には、自動運転支援部51から機能有効信号が入力される。
居眠り検知部52は、上述したように、車室C前方の計器盤上に配置された撮像部を有して構成されており、シート30に座った乗員Pの生体信号(例えば、閉眼時間や頻度)を取得して、これを解析することで、当該乗員Pの居眠りの危険性を検知している。
居眠り検知部52は、居眠りの危険性が高いと解析した場合には、居眠りの危険性が高いことを示す眠気検知信号のON信号を、制御装置50へ出力する。従って、居眠り検知部52は、本発明における検知部の一例である。
そして、体格測定部53は、車室前方側の天井面に配置された非接触光学式の距離計を有して構成されており、シート30における乗員Pの有無を検出したり、シート30に座った乗員Pの頭部の位置を測定したりする。
体格測定部53は、距離計の測定結果に基づいて、シート30に座った乗員Pの頭部の位置を示す乗員位置情報を、制御装置50に出力する。従って、体格測定部53は、本発明における乗員位置推定部として機能する。
室温センサ54は、車室C内の気温を検出し、検出結果を室内温度情報として制御装置50へ出力する。当該室温センサ54は、本発明における温度検出部として機能する。
更に、制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル55が接続されている。従って、制御装置50には、操作パネル55に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作パネル55に設けられた各種操作スイッチには、作動スイッチと、運転支援スイッチと、ヘッドレスト調整スイッチと、刺激内容設定スイッチ等が含まれている。作動スイッチは、居眠り防止装置1の作動を開始・終了する際に操作される。又、運転支援スイッチは、自動運転支援部51による自動運転支援機能の有効・無効を切り替える際に操作される。
そして、ヘッドレスト調整スイッチは、ヘッドレスト部33の位置を、位置調整機構部45によって任意の位置に調整する際に操作される。刺激内容設定スイッチは、居眠り防止装置1により乗員Pに付与される温度刺激の内容を、高温刺激と低温刺激の何れかに設定する際に操作される。高温刺激は、刺激付与部10によって付与される温度刺激の内、乗員Pの体温よりも高い温度のものを意味し、低温刺激は、刺激付与部10によって付与される温度刺激の内、乗員Pの体温よりも低い温度のものを意味する。
尚、当該制御装置50は、その他の空調用センサ群や、車両用空調装置と接続されていても良い。各種空調用センサ群には、車室外温度(外気温)を検出する外気温センサや、車室内へ照射される日射量を検出する日射センサ等が含まれる。これらは、乗員Pの体温に影響を与える要素である為、これらの検出結果や車両用空調装置の作動状況を考慮することで、効果的な温度刺激を付与することが可能となる為である。
又、制御装置50は、居眠り防止装置1が搭載される車両に配置されていれば、その配置場所は限定されるものではない。又、当該制御装置50は、必ずしも単一の制御装置によって構成されている必要はなく、複数の制御装置によって構成されていても良い。例えば、車両の走行に関連する構成機器を制御する車両用制御装置と、刺激付与部10及び車室内空調に関連する構成機器を制御する空調制御装置によって、制御装置50を構成することも可能である。
続いて、居眠り防止装置1の制御処理について、図7〜図10を参照しつつ説明する。上述したように、居眠り防止装置1は、制御装置50がROMに記憶されている制御プログラムを実行することによって作動制御される。
図7に示すフローチャートは、操作パネル55の作動スイッチの入力に伴い、居眠り防止装置1の作動を開始する際に、制御装置50によって実行される。そして、当該フローチャートの実行は、作動スイッチの入力によって居眠り防止装置1の作動を終了するまでの間、繰り返し実行される。
ステップS1では、位置調整処理が実行され、ヘッドレスト部33に配置された刺激付与部10がシート30に座っている乗員Pの首筋近傍に位置するように、ヘッドレスト部33の位置が調整される。具体的には、制御装置50は、ROMに記憶されている位置調整処理に関するサブルーチンを読み出して実行する。この位置調整処理を実行することで、制御装置50は、本発明における位置制御部として機能する。
ここで、ステップS1の位置調整処理における制御内容について、図8を参照しつつ説明する。ステップS1の位置調整処理に移行すると、先ず、ステップS11において、体格測定部53から乗員位置情報が取得される。
その後、ステップS12では、取得した乗員位置情報と、その直前の乗員位置情報とを比較することによって、体格測定部53による測定結果である乗員位置情報に変化があったか否かが判定される。
乗員位置情報に変化があった場合、ヘッドレスト部33の位置調整を行う為に、ステップS13に処理が移行される。この場合、居眠り防止装置1の接触部11が乗員Pに効果的に接触しない可能性がある為である。一方、乗員位置情報に変化がない場合には、接触部11が乗員Pに効果的に接触する位置にあると考えられる為、そのまま、位置調整処理は終了される。
ステップS13では、取得した乗員位置情報から乗員Pの骨格が推定され、シート30に座っている乗員Pの頭部及び首筋の位置が推定される。
その後、ステップS14では、位置調整機構部45を構成する駆動モータ46の作動履歴から、ヘッドレスト部33及び接触部11の現在位置が特定される。そして、ステップS13で推定された乗員Pの頭部及び首筋の位置と、ヘッドレスト部33における接触部11の現在位置に基づいて、ヘッドレスト部33の移動量が特定される。位置調整機構部45の駆動モータ46の作動は、特定されたヘッドレスト部33の移動量となるように、制御装置50によって制御される。
これにより、シート30に座っている乗員Pの首筋に、接触部11の接触子12が接触するように、ヘッドレスト部33の位置が調整される。そして、体格測定部53の測定結果を用いて調整することで、体格の異なる乗員Pがシート30に座った場合で、接触部11の接触子12を適切な位置に配置することができる。ヘッドレスト部33の位置調整を完了すると、位置調整処理を終了して、ステップS2に移行する。
ステップS2では、温度調整処理が実行され、居眠り防止装置1から付与される温度刺激の種類や内容が車室C内や乗員Pの状況に応じて調整される。具体的には、制御装置50は、ROMに記憶されている温度調整処理に関するサブルーチンを読み出して実行する。この温度調整処理を実行することで、制御装置50は、本発明における温度調整部として機能する。
ステップS2の温度調整処理における制御内容について、図9を参照しつつ説明する。ステップS2の温度調整処理に移行すると、先ず、ステップS21において、室温センサ54から室内温度情報が取得される。
ステップS22では、温度条件に変化があったか否かが判断される。ここで、温度条件には、室温センサ54により検出される車室C内の温度を示す室内温度情報が含まれている為、車室C内の温度が変化した場合は、温度条件に変化があったと判断される。
又、温度条件には、接触部11によって付与される温度刺激の種類(即ち、高温刺激と低温刺激の何れか)も含まれている。従って、操作パネル55における刺激内容設定スイッチの操作によって、高温刺激と低温刺激の一方から他方へ設定変更されて場合は、温度条件に変化があったと判断される。
温度条件に変化があった場合には、温度刺激を付与する際の接触子12の温度設定を変更する為に、ステップS23に処理が移行される。一方、温度条件に変化がない場合、接触子12の温度設定を変更する必要がない為、そのまま温度調整処理は終了される。
ステップS23では、取得した室内温度情報に基づいて、現時点における乗員Pの体温が推定される。ここで、制御装置50のROMには、標準室内温度(例えば、25℃程度)に対して標準乗員体温(例えば、34℃程度)が対応付けられて記憶されている。現時点における乗員Pの体温は、室内温度情報による室内温度と標準室内温度との関係性に応じて、標準乗員体温を基準として推定される。
例えば、室内温度情報に係る室内温度が標準室内温度よりも高ければ、乗員Pの推定体温は、標準推定体温よりも高く推定される。この時、室内温度情報の室内温度と標準室内温度の温度差が大きい程、乗員Pの推定体温は高く推定される。
同様に、室内温度情報に係る室内温度が標準室内温度よりも低ければ、乗員Pの推定体温は、標準推定体温よりも低く推定される。この時、標準室内温度と室内温度情報の室内温度の温度差が大きい程、乗員Pの推定体温は低く推定される。
ステップS24においては、ステップS23で推定された乗員Pの推定体温と、設定されている温度刺激の種類に基づいて、温度刺激を付与する際の接触子12の温度が決定される。即ち、ペルチェ素子17の接合部に対する電流の供給態様が決定されることで、ペルチェ素子17の温度及び接触子12の温度が決定される。
具体的には、温度刺激を付与する際の接触部11の温度は、ステップS23で推定された乗員Pの推定体温との間に所定以上の温度差を設けるように決定される。この時、温度刺激の種類が高温刺激であれば、接触子12の温度は、乗員Pの推定体温よりも高く調整される。
例えば、温度刺激として高温刺激が設定されている状態で、室内温度情報に係る室内温度及び乗員Pの推定体温が標準状態(例えば、室内温度が標準室内温度である状態等)よりも高い場合には、接触部11の温度は、標準状態で高温刺激を付与する場合の接触部11の温度よりも高い温度に決定される。
一方、温度刺激の種類が低温刺激であれば、接触子12の温度は、乗員Pの推定体温よりも低く調整される。例えば、温度刺激として低温刺激が設定されている状態で、室内温度情報に係る室内温度及び乗員Pの推定体温が標準状態よりも低い場合には、接触部11の温度は、標準状態で低温刺激を付与する場合の接触部11の温度よりも低い温度に決定される。
このように、温度刺激を付与する際の接触部11の温度を、現在の車室C内の環境に応じて調整して決定することによって、乗員Pの体温との間に十分な温度差を設けることができる。つまり、ステップS2の温度調整処理によって、温度刺激を付与する際の接触部11の温度を調整することで、居眠りの危険性が高い乗員Pに対して、効果的な温度刺激を付与することが可能な状態にすることができる。温度刺激を付与する際の接触部11の温度調整を完了すると、温度調整処理を終了して、ステップS3に移行する。
ステップS3では、居眠り危険度判定処理が実行され、シート30に座っている乗員Pの居眠り(即ち、覚醒度が低下した状態)の危険性を判定する。尚、本実施形態では、乗員Pの覚醒度が所定以下まで低下した状態のみならず、乗員Pの覚醒度が低下しやすい状態である場合も「居眠りの危険性がある」と判定するものとする。
具体的に、ステップS3においては、制御装置50は、ROMに記憶されている居眠り危険度判定処理に関するサブルーチンを読み出して実行する。この居眠り危険度判定処理を実行することで、制御装置50は、本発明における判定部として機能する。
ステップS3の居眠り危険度判定処理における制御内容について、図10を参照しつつ説明する。ステップS3の居眠り危険度判定処理に移行すると、先ず、ステップS31において、居眠り検知部52からの眠気検知信号がONであるか否かが判定される。
上述したように、当該居眠り検知部52は、シート30に座った乗員Pの生体信号(例えば、閉眼時間や頻度)を取得・解析することで、当該乗員Pの居眠りの危険性を検知しており、居眠りの危険性が高いと解析した場合には、眠気検知信号のON信号を制御装置50へ出力する。
従って、ステップS31では、乗員Pの生体信号に基づいて、当該乗員Pの居眠りの危険性の有無が判定される。眠気検知信号がONである場合には、ステップS34に処理が移行される。一方、眠気検知信号がONでない場合には、ステップS32に処理が移行される。
ステップS32に移行すると、自動運転支援部51の高度運転支援機能が有効であるか否かが判定される。ここで、自動運転支援部51の高度運転支援機能は、車両における加速・操舵・制動の内、複数の操作を、自動運転支援部51が行う機能である為、乗員Pの運転操作に関する負担を軽減することができる。この時、乗員Pは、当該車両の安全性を確保する為に、車両の走行環境を常時監視する必要がある。
しかしながら、この場合において、乗員Pは、運転操作等を行う必要がなくなる為、漫然と車両の走行状態等を監視するだけの状態となりやすい。即ち、高度運転支援機能が有効な状態は、乗員Pの居眠りを誘発する可能性の高い状況であるということができる。換言すると、ステップS32では、乗員Pの居眠りを誘発する可能性の高い状況であるかが判断されている。
具体的に、ステップS32の判断処理は、自動運転支援部51からの機能有効信号が制御装置50に入力されているか否かによって判断される。高度運転支援機能が有効である場合、乗員Pの居眠りの危険性が高い状況であると考えられる為、ステップS34に処理が移行される。一方、高度運転支援機能が有効でない場合、ステップS33に処理が移行される。
尚、このステップS32の判断処理は、必ずしも、自動運転支援部51からの機能有効信号の入力を基準として実行する必要はない。高度運転支援機能の有効・無効を判断することができれば、他の方式を採用しても良い。例えば、操作パネル55における運転支援スイッチの操作に基づいて、ステップS32の判断処理を行っても良い。
ステップS33においては、ステップS31、ステップS32の何れにおいても、乗員Pの居眠りの危険性が高くないと判定されている為、制御装置50のRAMに形成されている居眠りフラグがOFFに設定される。その後、居眠り危険度判定処理が終了される。
ステップS34では、ステップS31、ステップS32の何れかにおいて、乗員Pの居眠りの危険性が高いと判定されている為、居眠りフラグがONに設定される。その後、居眠り危険度判定処理が終了される。
このように、ステップS31において、乗員Pの生体信号を用いた居眠り検知部52によって、居眠りの危険性が判定される為、実際の状況に即した乗員Pの居眠りの危険性が高い精度をもって判定される。又、ステップS32において、自動運転支援部51による高度運転支援機能の有効・無効によって、車室C内の環境が乗員Pの居眠りを誘発しやすい環境であるかが判定され、近未来的な居眠りの危険性が判定される。
つまり、ステップS3の居眠り危険度判定処理によって、現在及び近未来的な乗員Pの居眠りの危険性を判定することができる。居眠り危険度判定処理を終了すると、図7に示すステップS4に処理が移行される。
図7に示すように、ステップS4では、居眠りフラグがONであるか否かが、制御装置50のRAMを参照して判断される。即ち、ステップS4では、ステップS3の居眠り危険度判定処理で、乗員Pの居眠りの危険性があると判定されたか否かが判断される。
居眠りフラグがONである場合、乗員Pの居眠りの危険性がある為、ステップS5に処理が移行される。一方、居眠りフラグがONでない場合、そのまま、この制御処理を終了する。この終了に際して、居眠り防止装置1が作動していれば、ステップS1に戻って、再び処理が実行される。
ステップS5においては、居眠りフラグがONであることに基づいて、刺激付与部10が作動され、接触部11による温度刺激が乗員Pに付与される。この場合における刺激付与部10の作動制御は、主に、ペルチェ素子17に対する電流制御により行われ、現在設定されている温度刺激の種類と、ステップS2で決定された接触部11の温度となるように制御される。一定の期間、接触部11から温度刺激を付与した後、この制御処理を終了する。ステップS5を実行することで、制御装置50は作動制御部として機能する。
尚、このステップS5における温度刺激の付与態様としては、種々の態様を採用することができる。例えば、一定の期間中、継続的に温度刺激を付与する態様としても良いし、一定期間の間で温度刺激を間欠的に付与するように構成してもよい。
又、眠気検知信号に由来する居眠りフラグのONと、自動運転支援部51の高度運転支援機能が有効であることに由来する居眠りフラグのONとで、温度刺激の付与態様を変更しても良い。この場合、眠気検知信号に由来する場合の方が、居眠りに起因する危険度が高く、迅速な覚醒が要求される為、強い温度刺激を付与する態様であることが望ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る居眠り防止装置1によれば、ステップS3の居眠り危険度判定処理によって、シート30に座った乗員Pが居眠りする危険性があると判定された場合、刺激付与部10の接触部11を介して、当該乗員Pに対して温度刺激を付与することができる。接触部11との接触によって乗員Pに付与される温度刺激は、風等を介して付与される刺激に比べて、より強い刺激となる。又、この場合の温度刺激は、乗員Pの温度感覚だけでなく、乗員Pの触覚にも作用する。即ち、当該居眠り防止装置1によれば、強い刺激を速やかに与えることができる。
この結果、当該居眠り防止装置1によれば、シート30に座った乗員Pが居眠りする危険性がある場合に、刺激付与部10の接触部11を介して、強い温度刺激を速やかに与えることができるので、当該乗員Pの居眠りからの覚醒に要する時間を短縮することができる。
又、当該居眠り防止装置1によれば、ステップS31において、乗員Pの生体信号を用いた居眠り検知部52によって、居眠りの危険性が判定される為、実際の状況に即した乗員Pの居眠りの危険性を、高い精度をもって判定することができる。これにより、当該居眠り防止装置1は、乗員Pの居眠りの危険性が顕在化した場合に、接触部11による温度刺激を付与することで、適切に乗員Pの覚醒を促すことができる。
そして、当該居眠り防止装置1によれば、ステップS32において、自動運転支援部51による高度運転支援機能が有効であることをもって、居眠りの危険性があると判定される為、乗員Pの居眠りを誘引する状況であることをもって、居眠りの危険性を判定している。即ち、当該防止装置1は、乗員Pの居眠りの危険性が顕在化する前の時点において、接触部11による温度刺激を付与することで、適切に乗員Pの覚醒を促し、居眠りの予防を図ることができる。
又、当該居眠り防止装置1によれば、ステップS2の温度調整処理によって、温度刺激を付与する際の接触部11の温度を、車室C内の室内温度、乗員Pの推定体温に応じて調整することができ、室内温度との間に所定以上の温度差を設けることができる。
当該居眠り防止装置1によれば、温度刺激を与える際に、乗員Pと接触部11との間に十分な温度差を設けることで、乗員Pに対する温度刺激を、効果的に付与することができる。又、室内温度と接触部11の温度との温度差を考慮することで、接触部11の温度調整に対する投入エネルギー効率を向上させることができる。
そして、当該居眠り防止装置1によれば、ステップS1の位置調整処理によって、体格測定部53によって推定されたシート30に座っている乗員Pの頭部近傍に合わせて、刺激付与部10が配置されているヘッドレスト部33の位置を調整することができる。
これにより、当該居眠り防止装置1によれば、シート30に座っている乗員Pの頭部近傍に対して、刺激付与部10の接触子12を接触させることができるので、効果的に温度刺激を付与することができる。又、体格の異なる乗員Pがシート30に座った場合でも、位置調整処理を実行させることができるので、様々な体格の乗員Pに対応できる。
又、当該居眠り防止装置1においては、シート30は、座面部31と、背もたれ部32と、ヘッドレスト部33とによって構成されている。図4、図5に示すように、刺激付与部10は、ヘッドレスト部33において、接触子12が乗員Pの首筋に接触可能な位置に配置されている。
ここで、人体における首筋部分は、衣服等によって被覆されていることが少ない部分である。又、この首筋部分には、血管や神経が集中しており経穴も存在している。従って、当該居眠り防止装置1は、この首筋部分に温度刺激を付与することで、乗員Pを効果的に覚醒させることができる。
(他の実施形態)
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した各実施形態を適宜組み合わせても良い。又、上述した実施形態を、例えば、以下のように種々変形することも可能である。
(1)上述した実施形態では、本発明に係る居眠り防止装置を、一般的な普通自動車に適用していたが、この態様に限定されるものではない。本発明に係る居眠り防止装置は、シートに座って運転操作を行う乗り物であれば、種々の乗り物に適用することができ、例えば、船舶や航空機等のシートに適用することも可能である。
(2)又、上述した実施形態においては、シート30に座った乗員Pの居眠りの危険性を、生体信号によって判定する居眠り検知部52を用いて判定していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、走行中における車両の挙動の履歴から、乗員Pの居眠りの危険性を判定しても良い。
具体的に説明すると、車外カメラ等により走行車線を認識できる場合には、走行車線内における車両のふらつきの頻度によって、乗員の居眠りを判定してもよい。又、ミリ波レーダ等により前方車間距離を測定可能である場合には、走行中における前方車間距離の変動頻度によって、乗員の居眠りを判定しても良い。
(3)そして、上述した実施形態においては、居眠り検知部52は、生体信号として乗員Pが眼を閉じている閉眼時間の長さや頻度を用いていたが、この態様に限定されるものではない。乗員の居眠りの危険性(即ち、覚醒度の低下)を判定できればよく、生体信号として、眼球運動、心拍、心電等の生体信号を用いてもよい。
(4)更に、上述した実施形態においては、位置調整機構部45を、スライドシャフト34のラックと、駆動モータ46の駆動軸に配置されたピニオンとを有するラックアンドピニオンによって構成していたが、この構成に限定されるものではない。
即ち、他の機械的構成で、位置調整機構部45を構成してもよい。例えば、ボールねじに取り付けられた可動式の台座部にヘッドレスト部33を固定して、電動モータによってボールねじを回転させることで、ヘッドレスト部33の位置を調整してもよい。
又、位置調整機構部は、接触部11の位置を調整することができればよく、機械的な構成である必要はない。例えば、位置調整機構部を、ポリマー等から構成される高分子アクチュエータによって構成し、電圧をかけた場合のポリマーの伸縮を利用して、ヘッドレスト部33の位置調整を行っても良い。
(5)又、上述した実施形態においては、刺激付与部10により付与される温度刺激の種類(即ち、高温刺激又は低温刺激)は、操作パネル55における刺激内容設定スイッチの操作によって設定されることとしていたが、この態様に限定されるものではない。
例えば、当該車両に搭載された車両用空調装置の冷房運転・暖房運転に応じて、温度刺激の種類を切り替えても良い。この場合、車両用空調装置が冷房運転をしている場合は、温度刺激の種類を高温刺激に設定し、車両用空調装置が暖房運転をしている場合には、温度刺激の種類を低温刺激に設定することが望ましい。このように設定することで、車室C内の室内温度と、接触部11の温度の間に所定の温度差を設けることができ、温度刺激を効果的に乗員Pに作用させることができる。
(6)そして、上述した実施形態においては、自動運転支援部51による高度運転支援機能として、車両における加速・操舵・制動の内、複数の操作を自動運転支援部51が行う状態(即ち、日本政府等の定義における「レベル 2」に相当)を行っていたが、この態様に限定されるものではない。
例えば、自動運転支援部51によって、日本政府等の定義における「レベル 3」に相当する高度運転支援機能を行う構成であっても良い。この「レベル 3」に相当する高度運転支援機能では、車両における加速・操舵・制動を全てシステムが行い、システムが要請したときはドライバーが対応する状態となる。
この場合、通常時は、乗員Pは運転操作から解放される。しかしながら、緊急時やシステムの限界時には、乗員Pは、システムからの運転操作切り替え要請に対して適切に応じる必要がある。従って、この「レベル 3」に相当する高度運転支援機能の場合でも、運転操作切り替え要請に対応する為に、乗員Pの居眠りを防止する必要があり、本発明に係る居眠り防止装置を有効に活用することができる。
1 居眠り防止装置
10 刺激付与部
11 接触部
17 ペルチェ素子
30 シート
45 位置調整機構部
50 制御装置
51 自動運転支援部
52 居眠り検知部
54 室温センサ

Claims (6)

  1. 車両の車室内におけるシート(30)に配置され、前記シートに座った乗員に接触して温度刺激を付与可能な接触部(11)と、前記接触部の温度を変化させる為の熱源(17)と、を備える刺激付与部(10)と、
    前記刺激付与部の作動を制御する制御部(50)と、を有し、
    前記制御部は、
    前記シートに座った乗員が居眠りする危険性があるかを判定する判定部(S3)と、
    前記判定部が居眠りする危険性があると判定した場合に、前記刺激付与部を作動させる作動制御部(S5)と、を有する居眠り防止装置。
  2. 前記判定部は、前記シートに座った乗員の生体信号を検知する検知部(52)からの検知信号を用いて、前記シートに座った乗員における居眠りの危険性の有無を判定する請求項1に記載の居眠り防止装置。
  3. 前記判定部は、前記乗員によって前記車両の環境が居眠りを誘発し易い環境に変更された場合に、前記乗員が居眠りする危険性があると判定する請求項1又は2に記載の居眠り防止装置。
  4. 前記車室内の温度を検出する温度検出部(54)と、
    前記温度検出部で検出した温度と前記接触部の温度との間に所定以上の温度差を設けるように、前記接触部の温度を調整する温度調整部(S2)と、を有する請求項1ないし3の何れか1つに記載の居眠り防止装置。
  5. 前記シートにおける前記接触部の位置を調整可能な位置調整機構部(45)と、
    前記シートに座っている乗員の位置を推定する乗員位置推定部(53)と、
    前記接触部の位置が前記乗員位置推定部によって推定された乗員の特定部位の位置となるように、前記位置調整機構部の作動を制御する位置制御部(S1)と、を有する請求項1ないし4の何れか1つに記載の居眠り防止装置。
  6. 前記シートは、前記乗員が着座する座面部(31)と、前記座面部に着座した乗員の上半身を背後から支持する背もたれ部(32)と、前記背もたれ部の上部に配置されたヘッドレスト部(33)と、を有しており、
    前記接触部は、前記ヘッドレスト部において、乗員の首筋に接触して温度刺激を付与可能に配置されている請求項1ないし5の何れか1つに記載の居眠り防止装置。
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