JP2018130751A - 連続鋳造における鋳片の2次冷却方法および鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造における鋳片の2次冷却方法および鋼の連続鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二流体スプレーノズルにより冷却水をミスト状に鋳片の表面に噴射して該鋳片を均一に冷却する連続鋳造における鋳片の2次冷却方法および鋼の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る連続鋳造における鋳片の2次冷却方法は、鋳片1の幅方向に所定の間隔で配置した複数の二流体スプレーノズル3から冷却水をミスト状にして鋳片1の表面に噴射して鋳片1を冷却するものにおいて、二流体スプレーノズル3として、二流体スプレーノズル3直下の水量密度に対する比率が50%となる位置が、鋳片1の幅方向における前記冷却水の噴射範囲の両端から距離Sであるものを用い、かつ隣り合う二流体スプレーノズル3から噴射される前記冷却水の噴射範囲のラップ代が1.6S以上2.4S以下の範囲となるようにすることを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二流体スプレーノズルにより冷却水を鋳片の表面にミスト状に噴射して2次冷却する連続鋳造における鋳片の2次冷却方法および鋼の連続鋳造方法に関する。
スラブなどの鋳片の連続鋳造では、鋳型を出た鋳片をこれの長手方向に送りながら、複数のスプレーノズルにより冷却水を前記鋳片の表面に噴射して2次冷却する。このとき、前記複数のスプレーノズルは、隣り合うスプレーノズル同士が鋳片の長手方向および幅方向に所定の間隔で配置されている。
各スプレーノズルから噴射された冷却水は、鋳片の表面に向かって広がって噴射され、該鋳片の表面上において鋳片幅方向に流れる間に鋳片を冷却する。前記噴射された冷却水の広がりかたは、スプレーノズルの寸法、形状および鋳片表面との距離によって変化する。また、連続鋳造される鋳片の形状不良を防止するためには、鋳片の幅方向に均一冷却することが要求され、そのため、前記複数のスプレーノズルの配置を適切に設定することが必要となる。
上記のような鋳片の2次冷却においては、隣り合うスプレーノズル同士の間隔を適切に設定するための技術として、例えば特許文献1には、あらかじめ求めたスプレーノズルと鋳片の表面との距離、および隣り合うスプレーノズルの間隔に基づいてスプレーノズルの配置を設定する方法が開示されており、当該方法により隣り合うスプレーノズルの間隔を設定することで、鋳片の表面に噴射された冷却水の水量密度が鋳片幅方向にわたってほぼ均一とすることができる。
また、鋳片の2次冷却においてはスプレーノズルの冷却能が重要であり、非特許文献1には、冷却水と空気を供給するミストノズルから噴霧された冷却水と鋳片との間の熱伝達率を、該噴霧された冷却水の水量密度および衝突圧と、鋳片の表面温度を用いて推定する方法(p.1284ページ右下の(1)式)が開示されている。
特開平7−136752号公報
手嶋俊雄ら、他5名、「高温、高品質スラブ製造のための連続鋳造二次冷却技術」、鉄と鋼、日本鉄鋼協会、1998年、第74年、第7号、p.1282
特許文献1に開示されている技術は、水量密度が鋳片幅方向にわたってほぼ均一となるように複数のスプレーノズルの位置を決定することができるものの、非特許文献1に記載されているような冷却水の衝突圧の影響が考慮されていない。そのため、衝突圧の高いスプレーノズル直下では、該スプレーノズル直下から離れて衝突圧が低くなる領域、特に、鋳片幅方向における冷却水の噴射範囲の両端近傍よりも冷却能が高くなる。そのため、複数のスプレーノズルを配置した場合においては、たとえ各スプレーノズルから噴射された冷却水の水量密度が鋳片の幅方向に均一となるように前記複数のスプレーノズルを配置したとしても、冷却水の噴射範囲の両端においては鋳片の冷却能が低くなってしまい、鋳片を均一に冷却することができなかった。鋳片が均一に冷却されない場合、鋳片の表面品質および内部品質が低下し、また形状不良が発生するといった問題があった。
さらに、非特許文献1で用いられているミストノズルのような二流体スプレーノズルは、冷却水のみを供給して噴射するスプレーノズルと比較すると微細液滴、広い噴霧領域および衝突圧の増大という特徴を有し、鋳片の均一冷却性や冷却能に優れているとされているため、鋳片の2次冷却においては、二流体スプレーノズルを用いることが望ましいと考えられる。
しかしながら、このような二流体スプレーノズルを鋳片の幅方向に複数配置して鋳片を2次冷却する場合においても、スプレーノズルを用いた場合と同様、鋳片表面における冷却水の噴射範囲の両端近傍での冷却能が低くなってしまい、鋳片を十分に均一に冷却することができなかった。そのため、複数の二流体スプレーノズルから冷却水を鋳片の表面に噴射して、鋳片を均一に冷却する技術が望まれていた。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、複数の二流体スプレーノズルから冷却水をミスト状にして鋳片の表面に噴射し、該鋳片の幅方向に均一に冷却する連続鋳造における鋳片の2次冷却方法および鋼の連続鋳造方法を提供するものである。
(1)本発明に係る連続鋳造における鋳片の2次冷却方法は、鋳片の幅方向に所定の間隔で配置した複数の二流体スプレーノズルから冷却水をミスト状に噴射して前記鋳片を冷却する連続鋳造における鋳片の2次冷却方法であって、前記二流体スプレーノズルとして、該二流体スプレーノズル直下の水量密度に対する比率が50%となる位置が、前記鋳片の幅方向における前記冷却水の噴射範囲の両端から距離Sであるものを用い、かつ隣り合う前記二流体スプレーノズルから噴射される前記冷却水の噴射範囲のラップ代が1.6S以上2.4S以下の範囲となるようにすることを特徴とするものである。
(2)本発明に係る鋼の連続鋳造方法は、上記(1)に記載の連続鋳造における鋳片の2次冷却方法を用いて鋼を連続鋳造することを特徴とするものである。
本発明に係る連続鋳造における鋳片の2次冷却方法および鋼の連続鋳造方法は、鋳片の幅方向に所定の間隔で配置した複数の二流体スプレーノズルから冷却水をミスト状に噴射して前記鋳片を冷却するものであって、前記二流体スプレーノズルとして、該二流体スプレーノズル直下の水量密度に対する比率が50%となる位置が、前記鋳片の幅方向における前記冷却水の噴射範囲の両端から距離Sであるものを用い、かつ隣り合う前記二流体スプレーノズルから噴射される前記冷却水の噴射範囲のラップ代が1.6S以上2.4S以下の範囲となるようにすることにより、鋳片の幅方向にわたって均一に冷却することができ、これにより、鋳片の表面品質および内部品質が向上し、また形状不良を防止することができる。
本発明の実施の形態1に係る連続鋳造における鋳片の2次冷却方法を説明する図であり、(a)は、二流体スプレーノズル単体で冷却水を噴射したときの前記冷却水の噴射範囲および水量密度分布を、(b)は、2つの二流体スプレーノズルから冷却水を噴射したときの前記冷却水の噴射範囲、水量密度分布および噴射範囲のラップ代を図示したものである。 本発明で対象とする鋳片を連続鋳造するスラブ連続鋳造機の一例を示す図である。 実施の形態1に係る連続鋳造における鋳片の2次冷却方法において、二流体スプレーノズルから噴射された冷却水の噴射範囲の変更方法を説明する図である。 実施の形態1に係る二流体スプレーノズル単体から噴射された冷却水の水量密度分布の測定結果の一例を示すグラフである。 実施の形態1に係る2つの二流体スプレーノズルから噴射された冷却水の水量密度分布の測定結果の一例を示すグラフである。 実施例において、冷却水の噴射範囲のラップ代を変更したときの鋳片表面温度の測定結果を示すグラフである(鋳片幅1600mm)。 実施例において、冷却水の噴射範囲のラップ代を変更したときの鋳片表面温度の測定結果を示すグラフである(鋳片幅1450mm)。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る連続鋳造における鋳片の2次冷却方法(以下、単に「2次冷却方法」という)を説明するに先立ち、まずは、本発明で対象とする鋳片について説明する。
<鋳片>
本発明で2次冷却の対象とする鋳片は、図2に一例として示すような、取鍋7と、タンディッシュ9と、モールド11と、ガイドロール帯13(2次冷却あり)と、ガイドロール帯15(2次冷却なし)と、サーモカメラ17とを備えたスラブ連続鋳造機5において連続鋳造されるものであり、モールド11の下部を出た鋳片は、ガイドロール帯13において2次冷却される。
2次冷却された鋳片は、鋳片の幅方向にわたって均一に冷却されていない場合、鋳片に欠陥などが生じてしまうため、鋳片の幅方向において均一に2次冷却することが要求される。
<2次冷却方法>
本実施の形態1に係る2次冷却方法は、図1に示すように、鋳片1の幅方向に所定の間隔で配置した複数の二流体スプレーノズル3(3aおよび3b)から冷却水をミスト状にして鋳片1の表面に噴射し、鋳片1をその長手方向に送りながら冷却するものであって、二流体スプレーノズル3として、二流体スプレーノズル3直下における水量密度に対する水量密度比率が50%となる位置が前記鋳片の幅方向における前記冷却水の噴射範囲の両端から距離S(mm)であるものを用い、かつ隣り合う二流体スプレーノズル3aおよび3bから噴射される前記冷却水の噴射範囲のラップ代(mm)が1.6S以上2.4S以下の範囲となるようにするものである。
図1は、二流体スプレーノズルから噴射された冷却水の噴射範囲および水量密度分布を模式的に図示したものであり、図1(a)には、二流体スプレーノズル3直下の水量密度に対する水量密度比率が50%となる前記噴射範囲の両端からの距離Sが示され、図1(b)には、2つの二流体スプレーノズル3aおよび3bから噴射される冷却水の噴射範囲のラップ代が示されている。
二流体スプレーノズル3から噴射された冷却水の噴射範囲の両端からの距離Sは、以下の方法により求めることができる。
まず、二流体スプレーノズル3から噴射された冷却水の鋳片の幅方向における水量密度分布を測定する。水量密度分布は、例えば特許文献1中の図4に示されているように、鋳片1の幅方向に多数分割された計量枡群の上方に二流体スプレーノズル3を配置し、二流体スプレーノズル3から噴射された冷却水を計量枡毎に計量することにより測定することができる。
図4に、冷却水の噴射範囲が1000mmの二流体スプレーノズル3単体から噴射された冷却水の水量密度分布の測定結果例を示す。
図4において、横軸は、二流体スプレーノズル3直下(ノズル直下)からの鋳片幅方向における距離、縦軸は、二流体スプレーノズル3直下における水量密度を基準とした水量密度比率である。
図4に示す測定結果から、前記冷却水の噴射範囲の両端からの距離S(mm)が70mmの位置において、二流体スプレーノズル3直下の水量密度に対する水量密度比率が50%であることが分かる。
本実施の形態1では、このようにして、前記冷却水の噴射範囲の両端からの距離Sが求められた二流体スプレーノズル3を用い、隣り合う二流体スプレーノズル3aおよび3bから噴射される前記冷却水の噴射範囲のラップ代(mm)が1.6S以上2.4S以下の範囲となるようにする。
図5に、二流体スプレーノズル3直下における水量密度に対する水量密度比率が50%となる位置が冷却水の噴射範囲の両端から70mmである二流体スプレーノズル3aおよび3bを用い、二流体スプレーノズル3aおよび3bから噴射される冷却水の噴射範囲のラップ代を140mm(=2S)としたときの、冷却水の水量密度の測定結果例を示す。
図2に示すスラブ連続鋳造機5で連続鋳造される鋳片を2次冷却するためには、ガイドロール帯13(図2参照)に設置した図3に示す2次冷却装置19を用いて行うことができる。
図3に示す2次冷却装置19は、モールド11(図2)の下部を出た鋳片1の幅方向に所定の間隔で配置した二流体スプレーノズル3aおよび3bと、鋳片1の幅に応じて二流体スプレーノズル3を移動させるスプレーノズル移動装置(図示なし)と、二流体スプレーノズル3aおよび3bそれぞれをあらかじめ求めた軌跡に沿って移動させるスプレーノズル案内手段21aおよび21bを備えたものであり、鋳片1の幅に応じて二流体スプレーノズル3aおよび3bを移動させることで、鋳片1の表面との間の距離(以下、「スプレー高さ」という場合あり)を変更し、二流体スプレーノズル3aおよび3bから鋳片1の表面に噴射される冷却水の噴射範囲を変化させるものである。
図3に示すように、鋳片1よりも鋳片幅が大きい鋳片23を2次冷却する場合、前記スプレーノズル移動装置により二流体スプレーノズル3aおよび3bをスプレーノズル案内手段21aおよび21bに沿って移動させてスプレー高さを高くすることで(図3中における二流体スプレーノズル25aおよび25bの位置)、冷却水の噴射範囲を広くすることができる。
さらに、二流体スプレーノズル3aと3bのスプレー高さを変更することにより、二流体スプレーノズル3aによる冷却水の噴射範囲と二流体スプレーノズル3bによる冷却水の噴射範囲とのラップ代が1.6S以上2.4S以下の範囲となるように調整する。
<ラップ代を1.6S以上2.4S以下とする理由>
次に、本実施の形態1に係る2次冷却方法において、ラップ代を1.6S以上2.4S以下の範囲となるようにした理由について説明する。
前述のとおり、複数の二流体スプレーノズルを配置して鋳片を2次冷却する場合において、たとえ各二流体スプレーノズルから噴射された冷却水の水量密度が鋳片の幅方向にわたって均一となるように配置したとしても、冷却水の噴射範囲の両端においては衝突圧が低いため鋳片の冷却能が低くなってしまい、鋳片を均一に冷却することができない。
そこで、発明者らは、2つの二流体スプレーノズルから噴射される冷却水の噴射範囲をラップさせたときの水量密度分布と衝突圧分布を考慮して伝熱解析を行い、鋳片の表面温度を均一とすることができる冷却水の噴射範囲のラップ代について検討した。
伝熱解析を行うに際し、まず、鋳片の幅方向における水量密度分布及び衝突圧分布について、二流体スプレーノズル3単体での測定(図4参照)、および2つの二流体スプレーノズル3aおよび3bから噴射される冷却水の噴射範囲をラップさせた状態での測定(図5参照)を予め行っておく。
水量密度分布は、前述のように、特許文献1に記載されている方法により測定した。
一方、衝突圧分布は、水量密度分布の測定に用いた計量枡群の個々の計量枡の開口面積と同等の受圧面積を持つ感圧センサ(半導体歪ゲージ式圧力センサなど)を設置して測定した。
次に、伝熱解析により、鋳片の長手方向(連続鋳造における引抜き方向)に直交する断面における2次元伝熱方程式を解いて、鋳片表面の温度分布を求める。
伝熱解析においては、例えば以下に示す公知の参考文献に記載の伝熱差分方程式の解法を用いて前記2次元伝熱方程式を解くことができる。
(参考文献)日本鉄鋼協会共同研究会熱経済技術部会加熱炉小委員会編:「連続鋼片加熱炉における伝熱実験と計算方法」、日本鉄鋼協会(1971)pp.68−74
さらに、伝熱解析においては鋳片表面における熱伝達係数(熱伝達率)を与える必要があり、例えば次式(非特許文献1中の(1)式)により与えることができる。
h=a1・P0.2673・W0.3738・10-0.0016・Ts
ここで、hは熱伝達係数(kcal/m2h℃)、a1は定数、Pは衝突圧(kgf/m2)、Wは水量密度(m3/m2s)、Tsは鋳片表面温度(℃)である。
そして、冷却水の水量密度ならびに鋳片幅方向の水量密度分布を衝突圧の分布を考慮して補正し、伝熱解析により求められる鋳片の表面温度を実際の鋳片の表面温度と合致させる。その後、鋳片表面温度が均一となる最適なラップ代を求めていくと、ラップ代が1.6S以上2.4S以下の範囲内であれば、鋳片表面温度を均一に冷却できることを見出した。
なお、ここでいう鋳片表面温度の均一とは、鋳片の幅方向における表面温度偏差が110℃以下の状態を指す。
ここで、内部品質に関しては、幅方向の温度偏差は、幅方向の凝固厚みの偏差があることを意味し、幅方向の最終凝固位置(クレーターエンド)のばらつきがあると考えられる。そこで、内部品質の中でも中心偏析については、表面温度偏差を110℃以下まで小さくすることで、最終凝固部付近での局部的な偏析元素(P、Mn等)の濃化抑制効果があり、偏析筋欠陥の発生を防止できる。
同様に、表面品質に関しては、表面温度の高い部分と低い部分が鋳込み方向に沿って縞状に分布することで、熱膨張量の差に応じた熱応力が鋳片表面にかかり、相対的に温度の低い部分は引っ張り場となる。このような環境で表面温度偏差が閾値(=110℃)を超えると上記に起因する鋳片の表面割れが生じだすため、鋳片表面幅方向の表面温度偏差をこのような閾値以下にすることで、表面割れの発生を防止できる。
このように、上記の伝熱解析に基づく検討結果から、本発明に係る2次冷却方法においては、隣り合う二流体スプレーノズル3aおよび3bから噴射される冷却水の噴射範囲のラップ代が1.6S以上2.4S以下の範囲となるように規定した。
以上、本実施の形態1に係る連続鋳造における鋳片の2次冷却方法によれば、二流体スプレーノズルから噴射された冷却水の水量密度と衝突圧を考慮して規定したラップ代に基づいて隣り合う二流体スプレーノズルを配置し、該二流体スプレーノズルから鋳片表面に冷却水を噴射することにより、それぞれの噴射範囲がラップする領域における冷却能を低下せずに鋳片は冷却されるので、鋳片の幅方向における表面温度偏差を小さくし、ほぼ均一に冷却することができる。
なお、上記の説明は、2つの二流体スプレーノズル3aおよび3aを用いた場合のものであったが、3つ以上の二流体スプレーノズル3を配置して鋳片を2次冷却する場合においても、3つ以上の二流体スプレーノズル3のうち隣り合うもの同士について、冷却水の噴射範囲のラップ代を上記のように設定すればよい。
また、本発明に係る二流体スプレーノズルとしては、例えば、冷却水と空気の供給管、混合配管およびノズルチップを備えたミストノズル(非特許文献1中のp.1283参照)を用いることができるが、これに限定されるものではない。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係る鋼の連続鋳造方法は、前述の本発明の実施の形態1に係る連続鋳造における鋳片の2次冷却方法を用いて鋼を連続鋳造するものである。
本実施の形態2に係る鋼の連続鋳造方法として、例えば、図2に示すスラブ連続鋳造機5により鋼を連続鋳造する場合、図3に示す2次冷却装置19をスラブ連続鋳造機5のガイドロール帯13に設置し、前述の実施の形態1に係る2次冷却方法に従って複数の二流体スプレーノズル3から噴射される冷却水の噴射範囲のラップ代を1.6S以上2.4以下となるように設置して鋳片1を2次冷却すればよい。
前述のとおり、本実施の形態1に係る2次冷却方法によれば、鋳片の幅方向における表面温度偏差が110℃以下となるように均一冷却することができる。
したがって、本実施の形態に係る鋼の連続鋳造方法においては、実施の形態1に係る鋳片の2次冷却方法を適用して鋼を連続鋳造することにより、鋼の表面品質および内部品質を向上し、また、形状不良を防止して鋼を連続鋳造することができる。
本発明の効果について確認するための実験を行ったので、以下、その結果について説明する。
本実施例では、図2に示すスラブ連続鋳造機5を用いて鋳造された鋳片を、図1(b)に示すように、鋳片1の幅方向に所定の間隔で配置した2つの二流体スプレーノズル(3aおよび3b)からミスト状に噴射される冷却水の噴射範囲のラップ代を変更して2次冷却したときの鋳片表面温度を測定する実験を行った。
スラブ連続鋳造機5は、図2に示すように、取鍋7(ヒートサイズ350ton)、タンディッシュ9(容量80ton)、モールド11(対応スラブサイズ250mm厚×700〜1700mm幅)、ガイドロール帯13(2次冷却あり。長さ25m)、ガイドロール帯15(2次冷却なし。長さ17m)、サーモカメラ17を備え、2次冷却ありのガイドロール帯13においては、図3に示す2次冷却装置が設置されているものとする。
2次冷却装置19は、鋳片1の幅方向に配置された二流体スプレーノズル3aおよび3bと、鋳片1の幅に応じて二流体スプレーノズル3を移動するスプレーノズル移動装置(図示なし)を有し、該スプレーノズル移動装置は、あらかじめ求めた軌跡に沿って二流体スプレーノズル3を移動するスプレーノズル案内手段21を備えている。
実験では、鋳造条件の変更がその前後で発生しないタイミングで、二流体スプレーノズル3aおよび3bから冷却水を噴射して2次冷却した鋳片の表面温度をサーモカメラ17(図2参照)により測定し、鋳片の幅方向における鋳片表面温度偏差により、鋳片幅方向における均一冷却度を評価した。
さらに、実験では、ラップ代を変更して2次冷却したとき鋳片の表面温度偏差を測定し、鋳片を均一に冷却することができるラップ代を調査した。
なお、上記調査の条件で噴霧した二次冷却帯の範囲は、メニスカスから4.3m〜25.7mの範囲であり、この区間の二流体スプレーノズル1個あたりの噴霧水量は5.5〜29.9L/minであった。また、サーモカメラ17はメニスカスから27.5mの位置にセットした。
表1に、本実施例におけるラップ代、距離Sおよび鋳片幅を示す。距離Sは、冷却水の水量密度分布の測定結果から求めた。
表1において、本発明例1〜6は、ラップ代が1.6S以上2.4以下であり、いずれも本発明の範囲内である。一方、比較例1〜4は、冷却水の噴射範囲のラップ代が1.6S未満(比較例1、2および4)または2.4S超(比較例3)であり、いずれも本発明の範囲外である。
前掲した表1に、各条件における鋳片表面温度偏差の測定結果を示す。
本発明例1〜6は、いずれも鋳片表面温度偏差が110℃以下であり、特に、本発明例4は、鋳片表面温度偏差が80℃以下であり、良好な結果となった。
これに対し、比較例1〜4は、いずれも鋳片表面温度偏差が115℃以上であった。
図6および図7に、同一鋳造条件(鋳片幅一定)においてラップ代を変更したときの鋳片の表面温度分布の測定結果を示す。
図6は、鋳片幅が1600mmの場合であり、(a)はラップ代を315mm(=1.97S)とした本発明例2、(b)はラップ代を140mm(=1.17S)とした比較例1の結果である。
図7は、鋳片幅が1450mmの場合であり、(a)はラップ代を277mm(=1.97S)とした本発明例3、(b)はラップ代を115mm(=1.22S)とした比較例2の結果である。
また、図6および図7ともに、横軸は、鋳片の幅方向中心からの位置、縦軸は、鋳片表面温度の測定値である。また、図中に記すノズル位置とは、鋳片幅方向位置における二流体スプレーノズル3aおよび3bの設置位置であり、ラップ範囲とは、鋳片幅方向位置において冷却水の噴射範囲がラップしている位置である。
図6および図7において、鋳片表面温度は、二流体スプレーノズル3直下において極小値であり、噴射範囲がラップしている領域において極大値となる傾向を示しているものの、二流体スプレーノズル3aおよび3bから噴射させる冷却水の噴射範囲のラップ代を本発明の範囲内(1.6S以上2.4S以下)とすることで、鋳片幅によらず、噴射範囲がラップする領域における鋳片表面温度が低下し、鋳片の幅方向における表面温度偏差が小さくなって均一に冷却されていることが分かる。
以上より、本発明に係る連続鋳造における鋳片の2次冷却方法によれば、鋳片幅方向の表面温度偏差が小さくなり、より均一に幅方向の冷却が達成されることが確認され、これにより、鋼の表面品質および内部品質を向上し、また、形状不良を防止して鋼を連続鋳造できることが示された。
1 鋳片
3、3a、3b 二流体スプレーノズル
5 スラブ連続鋳造機
7 取鍋
9 タンディッシュ
11 モールド
13 ガイドロール帯(2次冷却あり)
15 ガイドロール帯(2次冷却なし)
17 サーモカメラ
19 2次冷却装置
21 スプレーノズル案内手段
23 鋳片
25a、25b 二流体スプレーノズル

Claims (2)

  1. 鋳片の幅方向に所定の間隔で配置した複数の二流体スプレーノズルから冷却水をミスト状に噴射して前記鋳片を冷却する連続鋳造における鋳片の2次冷却方法であって、
    前記二流体スプレーノズルとして、該二流体スプレーノズル直下の水量密度に対する比率が50%となる位置が、前記鋳片の幅方向における前記冷却水の噴射範囲の両端から距離Sであるものを用い、かつ隣り合う前記二流体スプレーノズルから噴射される前記冷却水の噴射範囲のラップ代が1.6S以上2.4S以下の範囲となるようにすることを特徴とする連続鋳造における鋳片の2次冷却方法。
  2. 請求項1に記載の連続鋳造における鋳片の2次冷却方法を用いて鋼を連続鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
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