以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第一の実施形態]
<システム構成>
まず、本実施形態に係る支援システム1のシステム構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る支援システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る支援システム1は、支援装置10と、1台以上のカメラ20と、1台以上のPOS(Point Of Sales)レジスタ30とを有し、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNには、無線LAN等の無線通信が含まれていても良い。
支援装置10は、小売店舗に設置されたカメラ20が店舗内を撮影することにより生成した動画データと、POSレジスタ30から取得したPOSデータとに基づいて、売上増加を支援するための情報(以下、「レポート情報」と表す。)を作成する。そして、支援装置10は、当該レポート情報を表示する売上支援レポートを出力することで、小売店舗の責任者や管理者等のユーザに提供する。
ここで、小売店舗とは、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の食料品店、百貨店、ドラッグストア、衣料品店、家電量販店、書店、ホームセンター、アウトドア用品店、カー用品店等が挙げられる。また、レポート情報には、店舗内における顧客の通行量を示す通行量マップと、1日の営業時間内に来店した顧客数を示す来店人数情報と、1日の営業時間内に商品を購入した顧客数を示す購買人数情報とが含まれる。更に、レポート情報には、1日の営業時間内に来店した顧客のうち商品を購入した顧客の割合を示す購買率情報と、店舗内における顧客の行動(例えば、ある商品棚で立ち止まった顧客の人数)を示す購買行動情報とが含まれる。
ユーザは、売上支援レポートを参考にして、売上増加に繋がる商品の配置(すなわち、どのような商品をどの商品棚に置けば売上増加に繋がるか)を検討することができるようになる。
カメラ20は、小売店舗内を撮影する撮像装置である。カメラ20は、小売店舗内を撮影することにより生成した動画データ(画像データ)を支援装置10に送信する。
ここで、小売店舗内には、当該店舗内の売り場全体が撮影可能なように、1台以上のカメラ20が設置される。したがって、例えば1台のカメラ20で小売店舗内の売り場全体が撮影可能であれば、小売店舗内には、1台のカメラ20が設置されていれば良い。一方で、複数台のカメラ20で小売店舗内の売り場全体が撮影可能なように、小売店舗内には、複数台のカメラ20が設置されていても良い。
なお、1台以上のカメラ20は、必ずしも売り場全体が撮影可能なように設置されている必要はなく、小売店舗の責任者や管理者等のユーザが所望の撮影範囲を決めた上で、当該撮影範囲を撮影可能なように設置されていても良い。
POSレジスタ30は、POS機能を有するキャッシュレジスタ装置である。POSレジスタ30は、商品の精算処理を行うと共に、当該精算処理に応じて作成されるPOSデータを支援装置10に送信する。
なお、図1に示す支援システム1は、一例であって、他の構成であっても良い。例えば、支援システム1は、POSレジスタ30を有していなくても良い。この場合、支援装置10は、例えば、後述する記録媒体13a等に記録されたPOSデータを読み取ることで、POSデータを取得すれば良い。
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る支援装置10のハードウェア構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る支援装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る支援装置10は、入力装置11と、表示装置12と、外部I/F13と、RAM(Random Access Memory)14と、ROM(Read Only Memory)15と、CPU(Central Processing Unit)16と、通信I/F17と、記憶装置18と有する。これら各ハードウェアは、バスBにより相互に通信可能に接続されている。
入力装置11は、キーボードやマウス、タッチパネル等を含み、ユーザが各種の操作を行うのに用いられる。表示装置12は、ディスプレイ等を含み、支援装置10の処理結果(例えば、売上支援レポート等)を表示する。
外部I/F13は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体13a等がある。これにより、支援装置10は、外部I/F13を介して記録媒体13aの読み取りや書き込みを行うことができる。
記録媒体13aには、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(Secure Digital memory card)、USB(Universal Serial Bus)メモリカード等がある。
RAM14は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。ROM15は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM15には、例えば、支援装置10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS(Operating System)設定、及びネットワーク設定等のプログラムやデータが格納されている。
CPU16は、ROM15や記憶装置18等からプログラムやデータをRAM14上に読み出し、処理を実行することで、支援装置10全体の制御や機能を実現する演算装置である。
通信I/F17は、支援装置10をネットワークNに接続するためのインタフェースである。これにより、支援装置10は、通信I/F17を介して、カメラ20から動画データを受信することができる。また、支援装置10は、通信I/F17を介して、POSレジスタ30からPOSデータを受信することができる。
記憶装置18は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等であり、プログラムやデータを格納している不揮発性のメモリである。記憶装置18に格納されるプログラムやデータには、支援装置10の基本ソフトウェアであるOS、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア、本実施形態を実現するプログラム等がある。
なお、支援装置10は、記憶装置18として、例えば、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(ソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであっても良い。
本実施形態に係る支援装置10は、図2に示すハードウェア構成を有することにより、後述する各種処理を実現することができる。
<機能構成>
次に、本実施形態に係る支援装置10の機能構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る支援装置10の機能構成の一例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る支援装置10は、入力受付部101と、レポート出力部102と、レポート情報作成処理部103とを有する。これら各機能部は、支援装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU16に実行させる処理により実現される。
また、本実施形態に係る支援装置10は、動画データ記憶部104と、POSデータ記憶部105と、レポート情報記憶部106とを有する。これら各記憶部は、例えば記憶装置18を用いて実現可能である。なお、これら各記憶部のうち少なくとも一の記憶部が、支援装置10とネットワークNを介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
入力受付部101は、ユーザによる各種入力を受け付ける。例えば、入力受付部101は、売上支援レポートを出力するための操作(売上支援レポートの出力操作)を受け付ける。
レポート出力部102は、入力受付部101が売上支援レポートの出力操作を受け付けると、レポート情報記憶部106からレポート情報を取得する。そして、レポート出力部102は、当該レポート情報を表示する売上支援レポート画面を、例えば表示装置12に出力する。これにより、例えば表示装置12の画面上に、売上支援レポートが表示される。
レポート情報作成処理部103は、レポート情報(通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報及び購買行動情報)を作成するための処理を行う。ここで、レポート情報作成処理部103は、通行量マップ作成部111と、来店人数情報作成部112と、購買人数情報作成部113と、購買率情報作成部114と、購買行動情報作成部115と、情報保存部116とを有する。
通行量マップ作成部111は、動画データ記憶部104に記憶されている動画データから、所定の時間(例えば1時間)毎における小売店舗内の顧客の通行量を示す通行量マップを作成する。通行量マップ作成部111は、例えば、小売店舗内における所定の範囲(例えば、通路と通路とが交差する範囲や曲がり角となっている範囲等)を示す領域に入った顧客の数と、当該領域から出た顧客の数とをカウントすることで、通行量マップを作成する。
来店人数情報作成部112は、通行量マップ作成部111が作成した通行量マップから、1日の営業時間内に来店した顧客数を示す来店人数情報を作成する。
購買人数情報作成部113は、POSデータ記憶部105に記憶されているPOSデータから、1日の営業時間内に商品を購入した顧客数を示す購買人数情報を作成する。
購買率情報作成部114は、来店人数情報作成部112が作成した来店人数情報と、購買人数情報作成部113が作成した購買人数情報とから、1日の営業時間内に来店した顧客のうち商品を購入した顧客の割合を示す購買率情報を作成する。
購買行動情報作成部115は、動画データ記憶部104に記憶されている動画データと、POSデータ記憶部105に記憶されているPOSデータとから、小売店舗内の顧客の行動を示す購買行動情報を作成する。購買行動情報作成部115は、例えば、小売店舗内の商品棚の前で立ち止まった顧客の数や商品棚の商品に興味を示した顧客の数、当該商品棚の商品を実際に購入した顧客の数等をカウントすることで、購買行動情報を作成する。
情報保存部116は、通行量マップと、来店人数情報と、購買人数情報と、購買率情報と、購買行動情報とを、レポート情報記憶部106に保存する。
動画データ記憶部104は、カメラ20の撮影により生成された動画データを記憶する。なお、動画データ記憶部104に記憶されている動画データには、カメラ20により撮影された日付(撮影日等)が含まれる。
POSデータ記憶部105は、POSレジスタ30の精算処理に応じて作成されたPOSデータを記憶する。なお、POSデータには、例えば、1回の精算処理で購入された商品の商品コードや購入日時、商品の金額等の情報が含まれる。
レポート情報記憶部106は、レポート情報作成処理部103により作成されたレポート情報(通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報及び購買行動情報)を記憶する。なお、レポート情報記憶部106に記憶されているレポート情報には、当該レポート情報の作成に用いられた動画データの日付(撮影日)と関連付けられている。
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る支援システム1の処理の詳細について説明する。
≪レポート情報の作成処理≫
まず、レポート情報を作成するための処理について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係るレポート情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。以降では、動画データ記憶部104には、所定の時間(例えば1営業日)の間における動画データが記憶されているものとする。また、同様に、POSデータ記憶部105には、所定の期間(例えば1営業日)におけるPOSデータが記憶されているものとする。
まず、レポート情報作成処理部103の通行量マップ作成部111は、動画データ記憶部104に記憶されている動画データから、所定の時間毎における通行量マップを作成する(ステップS401)。
例えば、小売店舗の営業時間が9:00〜22:00であるとする。この場合、通行量マップ作成部111は、例えば1時間毎における通行量マップを作成する。すなわち、通行量マップ作成部111は、9:00〜10:00の時間帯における通行量マップ、10:00〜11:00の時間帯における通行量マップ、・・・、及び21:00〜22:00の時間帯における通行量マップを作成する。
なお、通行量マップ作成部111は、例えば30分毎における通行量マップを作成しても良いし、2時間毎における通行量マップを作成しても良い。また、通行量マップ作成部111は、営業時間全体における通行量マップ(すなわち、9:00〜22:00の時間帯における通行量マップ)を作成しても良い。
ここで、小売店舗の5月28日(日)の9:00〜10:00の時間帯における通行量マップの一例について、図5を参照しながら説明する。図5は、通行量マップの一例を示す図である。
図5に示す通行量マップは、小売店舗内の地図(マップ)上に、所定の時間の間(すなわち、5月28日(日)の9:00〜10;00の1時間の時間帯)における当該店舗内の各領域の通行量と、所定の時間の間に当該領域に顧客が出入した回数(出入回数)とが対応付けられた情報である。
図5に示す通行量マップの各領域には、2以上の通路が交差する範囲又は曲り角となっている範囲を示す領域R101〜R109と、1つの通路上の範囲を示す領域R201〜R213とがある。なお、以降では、2以上の通路が交差する範囲又は曲り角となっている範囲を示す領域を「交差領域」、1つの通路上の範囲を示す領域を「直線領域」とも表す。
例えば、図5に示す通行量マップの交差領域R101には、5月28日(日)9:00〜10:00の時間帯における通行量「412」が対応付けられている。当該通行量は、交差領域R101に顧客が入ってきた回数の合計である。
また、交差領域R101には、当該1時間の間に小売店舗の出入口から顧客が入ってきた回数「145」と、当該時間帯に直線領域R201から顧客が入ってきた回数「75」及び顧客が直線領域R201に出た回数「57」とが対応付けられている。更に、交差領域R101には、当該時間帯に直線領域R202から顧客が入ってきた回数「104」及び顧客が直線領域R202に出た回数「123」と、当該時間帯に直線領域R204から顧客が入ってきた回数「88」及び顧客が直線領域R204に出た回数「113」とが対応付けられている。
交差領域R102〜R109及び直線領域R201〜R213についても同様に、所定の時間の間(すなわち、5月28日(日)の9:00〜10:00の1時間の時間帯)における通行量と、所定の時間の間に当該領域に顧客が出入した回数とが対応付けられている。なお、直線領域R201〜R213の通行量は、当該直線領域に隣接する交差領域から顧客が入ってきた回数から算出される。
このように、通行量マップでは、所定の時間の間における小売店舗内の各領域の通行量と、当該領域に隣接する他の領域(又は小売店舗の出入口等)との間における所定の時間の間の顧客の出入回数とが対応付けられている。なお、図5では、9:00〜10:00の時間帯における通行量マップを示したが、他の時間帯における通行量マップも上記と同様に、当該他の時間帯における各領域の通行量と、当該領域における顧客の出入り回数とが対応付けられている。
ここで、一例として、図5に示す通行量マップの交差領域R101に出入した回数を動画データから計測する場合について、図6を参照しながら説明する。図6は、交差領域R101に出入した回数の計測の一例を説明するための図である。
図6に示すように、通行量マップ作成部111は、動画データに基づく動画において、2以上の通路が交差する範囲又は曲り角となっている範囲に、辺E1〜E4を有する交差領域R101を設定する。そして、通行量マップ作成部111は、顧客C1が交差領域R101に入った場合や顧客C2が交差領域R101から出た場合、当該顧客C1が出入した辺と対応付けて回数をカウントすることで、出入回数を算出する。
例えば、辺E3から顧客C1が領域R101に入った場合、通行量マップ作成部111は、当該領域R101に入った回数のうち、辺E3に対応付けられている回数に「1」を加算する。同様に、例えば、辺E4から顧客C1が領域R101から出た場合、通行量マップ作成部111は、当該領域R101から出た回数のうち、辺E4に対応付けられている回数に「1」を加算する。
このように、通行量マップ作成部111は、所定の時間の間の動画において、交差領域の各辺から顧客が出入りした回数をカウントすることで、当該交差領域の出入回数を算出する。なお、上述したように、通行量マップ作成部111は、各辺における出入回数のうち、当該交差領域に顧客が入った回数の合計を算出することで、当該交差領域の通行量を算出することができる。
図4の説明に戻る。ステップS401に続いて、レポート情報作成処理部103の来店人数情報作成部112は、通行量マップ作成部111が作成した通行量マップから来店人数情報を作成する(ステップS402)。
すなわち、例えば営業時間の間における通行量マップが作成された場合、来店人数情報作成部112は、当該通行量マップに含まれる領域のうち、出入口と隣接する領域を特定する。そして、来店人数情報作成部112は、特定した領域に当該出入口から顧客が入った回数を、来店人数として、来店人数情報を作成する。
同様に、例えば営業時間内の1時間毎の通行量マップが作成された場合、来店人数情報作成部112は、これら通行量マップに含まれる領域のうち、出入口と隣接する領域を特定する。そして、来店人数情報作成部112は、これら特定した領域に当該出入口から顧客が入った回数の合計を、来店人数として、来店人数情報を作成する。なお、図5に示す通行量マップでは、交差領域R101が、出入口と隣接する領域である。
次に、レポート情報作成処理部103の購買人数情報作成部113は、POSデータ記憶部105に記憶されているPOSデータから購買人数情報を作成する(ステップS403)。すなわち、購買人数情報作成部113は、例えば、1回の精算処理毎にPOSデータが作成されている場合、該当の営業日のPOSデータのデータ数を購買人数として、購買人数情報を作成する。また、購買人数情報作成部113は、例えば、商品毎にPOSデータが作成される場合であっても、同時に精算された商品を1つのPOSデータと見做すことで、上記と同様に、POSデータのデータ数を購買人数として、購買人数情報を作成することができる。
次に、レポート情報作成処理部103の購買率情報作成部114は、上記のステップS402で作成された来店人数情報と、上記のステップS403で作成された購買人数情報とから購買率情報を作成する(ステップS404)。
すなわち、購買率情報作成部114は、上記のステップS402で作成された来店人数情報と、上記のステップS403で作成された購買人数情報とに基づいて、来店人数に対する購買人数の割合を算出して、算出した割合を示す購買率情報を作成する。
次に、レポート情報作成処理部103の購買行動情報作成部115は、動画データ記憶部104に記憶されている動画データと、POSデータ記憶部105に記憶されているPOSデータとから購買行動情報を作成する(ステップS405)。
ここで、小売店舗の5月28日(日)における購買行動情報の一例について、図7を参照しながら説明する。図7は、購買行動情報の一例を示す図である。
図7に示す購買行動情報は、小売店舗の営業時間(9:00〜22:00)内における30分毎の顧客の購買行動(小売店舗内の各商品棚に対する顧客の行動)を示す情報である。図7に示す購買行動情報には、顧客の購買行動として、「立止まり」、「アプローチ」、「視認」、及び「購入」が含まれる。
「立止まり」とは、例えば、顧客が商品棚の前で1秒立ち止まった回数である。「アプローチ」とは、例えば、顧客が商品棚の前で4秒以上立ち止まった回数である。「視認」とは、例えば、アプローチした顧客が商品棚に目を向けた回数である。
「購入」とは、商品棚の商品が購入された数(商品数)である。「購入」は、商品棚の商品を購入した顧客数であっても良い。商品棚の商品が購入された商品数(又は商品棚の商品を購入した顧客数)は、POSデータから算出される。
例えば、時間帯「9:00〜9:30」における「商品棚A」の「立止り」は、「102」である。これは、9:00〜9:30の間に、商品棚Aの前で顧客が1秒立ち止まった回数が「102」であることを示している。
また、例えば、時間帯「9:00〜9:30」における「商品棚A」の「アプローチ」は、「149」である。これは、9:00〜9:30の間に、商品棚Aの前で顧客が4秒以上立ち止まった回数が「149」であることを示している。
また、例えば、時間帯「9:00〜9:30」における「商品棚A」の「視認」は、「211」である。これは、9:00〜9:30の間に、商品棚Aの前で4秒以上立ち止まった顧客が当該商品棚Aに目を向けた回数が「211」であることを示している。
更に、例えば、時間帯「9:00〜9:30」における「商品棚A」の「購入」は、「20」である。これは、9:00〜9:30の間に、商品棚Aの商品が購入された回数が「20」であることを示している。
このように、購買行動情報には、所定の時間毎(例えば30分毎)に、各商品棚への顧客の購買行動が対応付けられている。
ここで、一例として、小売店舗内に設置されている商品棚Aへの顧客の購買行動(立止り、アプローチ及び視認)の回数を動画データから計測する場合について、図8を参照しながら説明する。図8は、購買行動(立止り、アプローチ及び視認)の回数の計測の一例を説明するための図である。なお、購買行動「購入」は、例えば、商品棚Aに置かれている商品の商品コードを含むPOSデータのデータ数から算出される。
図8に示すように、購買行動情報作成部115は、動画データに基づく動画において、商品棚Aの前の通路上の範囲に領域R208を設定する。そして、購買行動情報作成部115は、顧客C1が領域R208に1秒間立止った場合、該当の時間帯における「商品棚A」の「立止り」の回数に「1」を加算する。なお、このとき、購買行動情報作成部115は、「商品棚A」と通路を挟んで向かい合って設置されている「商品棚L」の「立止り」の回数にも「1」を加算する。
同様に、購買行動情報作成部115は、顧客C1が領域R208に4秒以上立ち止まった場合、該当の時間帯における「商品棚A」の「アプローチ」の回数に「1」を加算する。なお、このとき、購買行動情報作成部115は、同様に、「商品棚L」の「アプローチ」の回数にも「1」を加算する。
また、購買行動情報作成部115は、領域R208に4秒以上立ち止まっている顧客C1が商品棚Aの方向に目を向けた場合、該当の時刻における「商品棚A」の「視認」の回数に「1」を加算する。
ここで、顧客C1が商品棚Aの方向に目を向けたか否かは、動画データに基づく動画を解析することにより判定することができる。例えば、購買行動情報作成部115は、領域R208における顧客の頭部の大きさ(頭部の大きさを示す直径等)を予め登録した上で、顧客C1の頭部の位置を検出する。そして、購買行動情報作成部115は、動画データに基づく動画から検出した顧客C1の頭部の位置において顔の肌色が商品棚Aの方向にある場合、顧客C1が商品棚Aの方向に目を向けていると判定することができる。商品棚の方向とは、商品棚の各面(正面、側面、及び背面)のうち、商品が陳列されている面の方向である。なお、商品棚の各面のうち、1つの面にのみ商品が陳列されている場合もあり得るし、2以上の面に商品が陳列されている場合もあり得る。
なお、顧客C1が商品棚Aの方向に目を向けたか否かの判定は、上記に限られない。例えば、購買行動情報作成部115は、顧客の目の位置を検出した上で、目の方向が商品棚の方向であるか否かを判定することで、顧客が商品棚の方向に目を向けたか否かを判定しても良い。また、例えば、購買行動情報作成部115は、身体の向きが商品棚の方向であるか否かを判定することで、顧客が商品棚の方向に目を向けたか否かを判定しても良い。更に、例えば、購買行動情報作成部115は、顧客が商品棚に手を伸ばした、指を指した等の種々の行動を検出することで、顧客が商品棚の方向に目を向けたか否かを判定しても良い。
このように、購買行動情報作成部115は、商品棚の前の領域(直線領域又は交差領域)における顧客の購買行動(立止り、アプローチ及び視認)の回数をカウントすることで、購買行動情報の「立止り」、「アプローチ」及び「視認」を算出することができる。
図4の説明に戻る。ステップS405に続いて、レポート情報作成処理部103の情報保存部116は、通行量マップと、来店人数情報と、購買行動情報とをレポート情報記憶部106に保存する(ステップS406)。ここで、情報保存部116は、レポート情報の作成に用いられた動画データの日付(撮影日)と関連付けて、レポート情報(通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報及び購買行動情報)をレポート情報記憶部106に保存する。これにより、小売店舗の営業日毎にレポート情報がレポート情報記憶部106に保存される。
以上のように、本実施形態に係る支援装置10は、動画データ及びPOSデータからレポート情報(通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報及び購買行動情報)を作成して、レポート情報記憶部106に保存する。
なお、図4に示すレポート情報の作成処理は、予め設定された日時(例えば、1日の営業終了後における所定の時刻や予めスケジュールされた日時等)に実行が開始されても良いし、ユーザにより手動で実行が開始されても良い。すなわち、レポート情報(通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報及び購買行動情報)は、例えば、日次で作成されても良いし、週次や月次等で作成されても良い。
≪売上支援レポートの出力処理≫
次に、売上支援レポートを出力するための処理について、図9を参照しながら説明する。図9は、本実施形態に係る売上支援レポートの出力処理の一例を示すフローチャートである。
まず、入力受付部101は、売上支援レポートの出力操作を受け付ける(ステップS901)。
次に、レポート出力部102は、入力受付部101が売上支援レポートの出力操作を受け付けると、レポート情報記憶部106からレポート情報を取得する(ステップS902)。レポート出力部102は、例えば、最も新しい日付と関連付けられているレポート情報をレポート情報記憶部106から取得すれば良い。以降では、日付「5月28日(日)」に関連付けられているレポート情報がレポート情報記憶部106から取得されたものとして説明する。
なお、レポート出力部102は、上記のステップS901において、ユーザにより日付が指定された場合には、当該指定された日付と関連付けられているレポート情報を取得しても良い。
次に、レポート出力部102は、レポート情報を取得すると、図10に示す売上支援レポート画面1000を表示装置12に出力する(ステップS903)。
ここで、売上支援レポート画面1000について、図10を参照しながら説明する。図10は、本実施形態に係る売上支援レポート画面1000の一例を示す図である。
図10に示すように、売上支援レポート画面1000には、日付欄1001と、来店人数欄1002と、購買人数欄1003と、購買率欄1004と、通行量マップ表示ボタン1005と、購買行動情報表示ボタン1006と、購買率推移グラフ表示ボタン1007とが含まれる。
日付欄1001には、上記のステップS902で取得されたレポート情報に関連付けられている日付が表示される。来店人数欄1002には、上記のステップS902で取得されたレポート情報のうち、来店人数情報が表示される。購買人数欄1003には、上記のステップS902で取得されたレポート情報のうち、購買人数情報が表示される。購買率欄1004には、上記のステップS902で取得されたレポート情報のうち、購買率情報が表示される。これにより、例えば小売店舗の責任者や管理者等のユーザは、日付欄1001に表示された日付における来店人数と、購買人数と、購買率とを知ることができる。
ユーザが通行量マップ表示ボタン1005の押下操作を行った場合、入力受付部101は、当該操作を受け付ける。そして、レポート出力部102は、図11に示す通行量マップの表示画面1100を表示装置12に出力する。
ここで、通行量マップの表示画面1100について、図11を参照しながら説明する。図11は、通行量マップの表示画面1100の一例を示す図である。
図11に示すように、通行量マップの表示画面1100には、時間帯選択欄1101と、通行量マップ表示欄1102と、戻るボタン1103とが含まれる。
時間帯選択欄1101は、通行量マップ表示欄1102に表示される通行量マップの時間帯を選択するための選択欄である。図11に示す例では、時間帯「9:00〜10:00」が選択されている。したがって、通行量マップ表示欄1102には、時間帯「9:00〜10:00」における通行量マップが通行量マップ表示欄1102に表示されている。
ユーザは、時間帯選択欄1101から所望の時間帯を選択することで、選択した時間帯における通行量マップを通行量マップ表示欄1102に表示することができる。
通行量マップ表示欄1102には、上述したように、時間帯選択欄1101で選択された時間帯における通行量マップが表示される。戻るボタン1103は、図10に示す売上支援レポート画面1000に戻るための表示部品である。ユーザは、戻るボタン1103の押下操作を行うことで、図10に示す売上支援レポート画面1000を表示させることができる。
このように、ユーザは、所望の時間帯における通行量マップを知ることができる。このため、ユーザは、どの時間帯に、小売店舗内のどの領域(どの場所)に多くの顧客が通行するかを知ることができる。通行量マップを参考にすることで、ユーザは、例えば、多くの顧客が通行する場所付近の商品棚に目玉商品を配置する、通行量が少ない場所にも顧客を誘導するような店舗レイアウトにする等、売上増加に繋がる種々の改善策を行うことができるようになる。
図10の説明に戻る。ユーザが購買行動情報表示ボタン1006の押下操作を行った場合、入力受付部101は、当該操作を受け付ける。そして、レポート出力部102は、図12に示す購買行動情報の表示画面1200を表示装置12に出力する。
ここで、購買行動情報の表示画面1200について、図12を参照しながら説明する。図12は、購買行動情報の表示画面1200の一例を示す図である。
図12に示すように、購買行動情報の表示画面1200には、日付選択欄1201と、購買行動情報欄1202と、戻るボタン1203とが含まれる。
日付選択欄1201は、購買行動情報欄1202に表示される購買行動情報の日付を選択するための選択欄である。図12に示す例では、日付「5月28日(日)」が選択されている。したがって、購買行動情報欄1202には、日付「5月28日(日)」に関連付けられている購買行動情報が表示されている。
ユーザは、日付選択欄1201から所望の日付を選択することで、選択した日付に関連付けられている購買行動情報を購買行動情報欄1202に表示することができる。例えば、日付選択欄1201から日付「5月27日(土)」が選択された場合、レポート出力部102は、選択された日付「5月27日(土)」に関連付けられている購買行動情報をレポート情報記憶部106から取得して、購買行動情報欄1202に表示する。
このように、購買行動情報欄1202に表示されている購買行動情報の日付と異なる日付が日付選択欄1201から選択された場合、レポート出力部102は、選択された日付に関連付けられている購買行動情報を取得した上で、購買行動情報欄1202に表示する。
購買行動情報欄1202には、上述したように、日付選択欄1201で選択された日付の購買行動情報が表示される。戻るボタン1203は、図10に示す売上支援レポート画面1000に戻るための表示部品である。ユーザは、戻るボタン1203の押下操作を行うことで、図10に示す売上支援レポート画面1000を表示させることができる。
このように、ユーザは、所望の日付における購買行動情報(すなわち、時間帯毎及び商品棚毎の顧客の購買行動(立止り、アプローチ、視認及び購入))を知ることができる。このため、ユーザは、商品棚毎に、どの時間帯に多くの顧客が商品に興味を示しているか、どの時間帯に多くの商品が購入されているか等を知ることができる。購買行動情報を参考にすることで、ユーザは、例えば、多くの顧客が興味を示しているにも関わらず購入数が少ない商品棚や顧客の興味が少ない商品棚等を特定することができるようになる。したがって、ユーザは、例えば、購入数を上げるための商品の販売価格を見直す、顧客の興味を惹くための商品棚のレイアウトの変更等、売上増加に繋がる種々の改善策を行うことができるようになる。
図10の説明に戻る。ユーザが購買率推移グラフ表示ボタン1007の押下操作を行った場合、入力受付部101は、当該操作を受け付ける。レポート出力部102は、入力受付部101が当該操作を受け付けると、過去の所定の期間(例えば過去7週間分)の来店人数情報、購買人数情報及び購買率情報をレポート情報記憶部106から取得する。そして、レポート出力部102は、図13に示す購買率推移グラフの表示画面1300を表示装置12に出力する。
ここで、購買率推移グラフの表示画面1300について、図13を参照しながら説明する。図13は、購買率推移グラフの表示画面1300の一例を示す図である。
図13に示すように、購買率推移グラフの表示画面1300には、購買率推移グラフ表示欄1301と、戻るボタン1302とが含まれる。
購買率推移グラフ表示欄1301には、過去の所定の期間における日付毎の来店人数及び購買人数のグラフと、過去の所定の期間における購買率の推移グラフとが表示されている。戻るボタン1302は、図10に示す売上支援レポート画面1000に戻るための表示部品である。
このように、ユーザは、過去の所定の期間における日付毎の来店人数及び購買人数と、過去の所定の期間における購買率の推移とを知ることができる。このため、ユーザは、例えば売上増加に繋がる改善策を施した結果、来店者数や購買率が上昇しているか否か(すなわち、売上増加に繋がっているか否か)を知ることができる。したがって、ユーザは、例えば、売上増加に繋がっていない場合には、別の改善策を行うこと等を検討することができる。
以上のように、本実施形態に係る支援システム1では、小売店舗内を撮影した動画データやPOSデータ等からレポート情報(通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報及び購買行動情報)を作成する。そして、本実施形態に係る支援システム1では、作成したレポート情報を、売上支援レポートとして、小売店舗の責任者や管理者等のユーザに提供する。これにより、ユーザは、小売店舗の売上を増加させるための種々の改善策を検討することができる。
なお、本実施形態に係る支援システム1では、売上支援レポートの出力先を、支援装置10の表示装置12であるものしたが、これに限られない。売上支援レポートは、例えば、支援装置10とネットワークNを介して通信可能な他の装置に出力しても良い。具体的には、支援装置10は、売上支援レポートをメールやFAX等により他の装置に送信しても良いし、売上支援レポートの電子ファイルを他の装置にアップロード等しても良い。また、支援装置10は、売上支援レポートを印刷装置で印刷した上で、紙媒体によりユーザに提供しても良い。
[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、小売店舗の所定の範囲から所定の地点に顧客が移動した回数を示すトラッキング情報と、レジ(すなわち、POSレジスタ30)の稼働状況を示すレジ状況情報とがレポート情報に含まれる場合について説明する。これらのトラッキング情報及びレジ稼働情報を含む売上支援レポートをユーザに提供することにより、当該ユーザは、例えば、重ね売り率(2点以上の商品を顧客が購入した割合)を上げるための改善策や販売機会の損失を防止するための改善策等を検討することができるようになる。なお、重ね売り率を上げることや販売機会の損失を防止することは、一般に、売上増加に繋がる場合が多い。
なお、第二の実施形態では、第一の実施形態と実質的に同一の機能を有する箇所及び同一の処理を行う箇所については、第一の実施形態と同一の符号を用いて、その説明を省略する。また、第二の実施形態では、小売店舗に設置されている1以上のPOSレジスタ30をそれぞれ区別するときは、「POSレジスタ301」、「POSレジスタ302」等と添え字を用いて表す。
<機能構成>
まず、本実施形態に係る支援装置10の機能構成について、図14を参照しながら説明する。図14は、本実施形態に係る支援装置10の機能構成の一例を示す図である。
図14に示すように、本実施形態に係る支援装置10のレポート情報作成処理部103は、更に、トラッキング情報作成部117と、レジ状況情報作成部118とを有する。
トラッキング情報作成部117は、動画データ記憶部104に記憶されている動画データから、小売店舗の所定の範囲(スタート範囲)から所定の地点(ゴール地点)に顧客が移動した回数(ゴール地点への到達回数)を示すトラッキング情報を作成する。トラッキング情報作成部117は、例えば、スタート範囲及びゴール地点を予め設定した上で、当該スタート範囲から当該ゴール地点に顧客が移動した回数をカウントすることで、トラッキング情報を作成する。
レジ状況情報作成部118は、動画データ記憶部104に記憶されている動画データから、POSレジスタ30毎に、当該POSレジスタ30の稼働状況を示すレジ状況情報を作成する。レジ状況情報作成部118は、例えば、レジカウンタの内側の所定の範囲内を示す領域に店員がいる時間やレジカウンタの外側の所定の範囲内を示す領域に顧客がいる時間等を計測することで、レジ状況情報を作成する。
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る支援システム1の処理の詳細について説明する。
≪レポート情報の作成処理≫
まず、レポート情報を作成するための処理について、図15を参照しながら説明する。図15は、本実施形態に係るレポート情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS401〜ステップS405の処理は、図4と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS405に続いて、レポート情報作成処理部103のトラッキング情報作成部117は、動画データ記憶部104に記憶されている動画データからトラッキング情報を作成する(ステップS1501)。
ここで、小売店舗の5月28日(日)におけるトラッキング情報の一例について、図16を参照しながら説明する。図16は、トラッキング情報の一例を示す図である。
図16に示すトラッキング情報は、小売店舗の営業時間(9:00〜22:00)内における30分間毎の、予め設定したスタート範囲から第1のゴール地点〜第5のゴール地点に顧客が移動した回数(各ゴール地点への到達回数)を示す情報である。
例えば、時間帯「9:00〜9:30」における「第1のゴール地点への到達回数」は「2」である。これは、当該時間帯において、スタート範囲から第1のゴール地点に顧客が移動した回数は「2」であることを示している。
また、時間帯「9:00〜9:30」における「第2のゴール地点への到達回数」は「1」である。これは、当該時間帯において、スタート範囲から第2のゴール地点に顧客が移動した回数は「1」であることを示している。同様に、時間帯「9:00〜9:30」における「第3のゴール地点への到達回数」は「33」である。これは、当該時間帯において、スタート範囲から第3のゴール地点に顧客が移動した回数は「33」であることを示している。
また、同様に、時間帯「9:00〜9:30」における「第4のゴール地点への到達回数」は「28」、「第5のゴール地点への到達回数」は「34」である。これは、当該時間帯において、スタート範囲から第4のゴール地点に顧客が移動した回数は「28」、スタート範囲から第5のゴール地点に顧客が移動した回数は「34」であることを示している。
このように、トラッキング情報には、所定の時間毎(例えば30分毎)に、予め設定したスタート範囲からゴール地点までに顧客が移動した回数が対応付けられている。
ここで、一例として、予め設定したスタート範囲から各ゴール地点に顧客が移動した回数(各ゴール地点への到達回数)を計測する場合について、図17を参照しながら説明する。図17は、スタート領域から各ゴール地点への到達回数の計測の一例を説明するための図である。
図17に示すように、小売店舗内を撮影した動画データに基づく動画において、スタート領域S1と、第1のゴール地点G1と、第2のゴール地点G2と、第3のゴール地点G3と、第4のゴール地点G4と、第5のゴール地点G5とが予め設定されているものとする。これらのスタート領域S1及び第1のゴール地点G1〜第5のゴール地点G5は、例えばユーザにより予め設定される。なお、図17に示す例では、第1のゴール地点G1〜第5のゴール地点G5の5つのゴール地点が設定されている場合を示しているが、ユーザは、任意の数のゴール地点を設定することができる。
このとき、動画データに基づく動画において、スタート領域S1内にいる顧客C1が第1のゴール地点G1に移動した場合、トラッキング情報作成部117は、該当の時間帯における「第1のゴール地点への到達回数」に「1」を加算する。同様に、動画データに基づく動画において、スタート領域S1内にいる顧客C1が第2のゴール地点G2に移動した場合、トラッキング情報作成部117は、該当の時間帯における「第2のゴール地点への到達回数」に「1」を加算する。
第3のゴール地点G3〜第5のゴール地点G5についても同様に、スタート領域S1内にいる顧客C1が第3のゴール地点G3〜第5のゴール地点G5に移動した場合、トラッキング情報作成部117は、該当の時間帯における「第3のゴール地点への到達回数」〜「第5のゴール地点への到達回数」に「1」を加算する。
このように、トラッキング情報作成部117は、予め設定したスタート領域から各ゴール地点まで顧客が移動した回数をカウントすることで、トラッキング情報の各ゴール地点への到達回数を算出することができる。
図15の説明に戻る。ステップS1501に続いて、レポート情報作成処理部103のレジ状況情報作成部118は、動画データ記憶部104に記憶されている動画データから、POSレジスタ30毎のレジ状況情報を作成する(ステップS1502)。
例えば、POSレジスタ301〜POSレジスタ303の3台のレジが小売店舗内に設置されており、それぞれのレジ名が「レジ1」〜「レジ3」であるものとする。この場合、レジ状況情報作成部118は、レジ名「レジ1」〜「レジ3」それぞれのレジ状況情報を作成する。
ここで、レジ1〜レジ3のうち、レジ1の5月28日(日)のレジ状況情報の一例について、図18を参照しながら説明する。図18は、レジ状況情報の一例を示す図である。
図18に示すレジ状況情報は、小売店舗の5月28日(日)の営業時間(9:00〜22:00)内における1時間毎のレジ1(POSレジスタ301)のレジ状況を示す情報である。レジ状況には、「接客時間」と、「店員待機時間」と、「客待機時間」と、「不在時間」とが含まれる。
「接客時間」とは、小売店舗の店員がPOSレジスタ30を用いて、顧客が購入を所望する商品の精算を行っている時間(すなわち、例えば、店員がレジカウンタの内側におけるレジ前にいて、かつ、顧客がレジカウンタの外側におけるレジ前にいる時間)である。「店員待機時間」とは、小売店舗の店員がレジカウンタの内側のレジ前にいるものの、接客を行っていない時間(すなわち、店員がレジカウンタの内側のレジ前いるが、顧客がレジカウンタの外側のレジ前にいない時間)である。
「客待機時間」とは、顧客が商品の精算を待っている時間(すなわち、店員がレジカウンタの内側のレジ前にいないが、顧客がレジカウンタの外側のレジ前にいる時間)である。「不在時間」とは、店員及び顧客がいない時間(すなわち、店員がレジカウンタの内側のレジ前にいない、かつ、顧客もレジカウンタの外側のレジ前にいない時間)である。
例えば、時間帯「9:00〜10:00」における「接客時間」は、「10」及び「16.7%」である。これは、当該時間帯における「接客時間」は10分であり、割合が16.7%であることを示している。
また、例えば、時間帯「9:00〜10:00」における「店員待機時間」は、「20」及び「33.3%」である。これは、当該時間帯における「店員待機時間」は20分であり、割合が33.3%であることを示している。
同様に、時間帯「9:00〜10:00」における「客員待機時間」は、「5」及び「8.3%」である。これは、当該時間帯における「客待機時間」は5分であり、割合が8.3%であることを示している。また、同様に、時間帯「9:00〜10:00」における「不在時間」は、「25」及び「41.7%」である。これは、当該時間帯における「不在時間」は25分であり、割合が41.7%であることを示している。
このように、レジ状況情報は、所定の時間毎(例えば1時間毎)に、レジ状況(接客時間、店員待機時間、客待機時間及び不在時間)が対応付けられている。
ここで、一例として、レジ1のレジ状況(接客時間、店員待機時間、客待機時間及び不在時間)を計測する場合について、図19を参照しながら説明する。図19は、レジ状況の計測の一例を説明するための図である。
図19に示すように、小売店舗内を撮影した動画において、店員がレジ1を利用するための領域(すなわち、レジカウンタの内側におけるレジ1前の領域)V1を設定する。また、小売店舗内を撮影した動画において、顧客がレジ1で精算を行うための領域(すなわち、レジカウンタの外側におけるレジ1前の領域)W1を設定する。これらの領域V1及び領域W1は、例えばユーザにより予め設定される。
このとき、レジ状況情報作成部118は、動画データに基づく動画において、小売店舗の店員が領域V1内にいて、かつ、顧客が領域W1内にいる時間を計測して、「接客時間」とする。また、レジ状況情報作成部118は、動画データに基づく動画において、小売店舗の店員が領域V1内にいて、かつ、顧客が領域W1内にいない時間を計測して、「店員待機時間」とする。
同様に、レジ状況情報作成部118は、動画データに基づく動画において、小売店舗の店員が領域V1内におらず、かつ、顧客が領域W1内にいる時間を計測して、「客待機時間」とする。また、同様に、レジ状況情報作成部118は、動画データに基づく動画において、小売店舗の店員が領域V1内におらず、かつ、顧客が領域W1内にいない時間を計測して、「不在時間」とする。
このように、レジ状況情報作成部118は、POSレジスタ30を店員が利用するための領域と、当該POSレジスタ30で顧客が精算を行うための領域とを設定して、これらの領域に店員や顧客がいる時間を計測することで、レジ状況を算出することができる。
図15の説明に戻る。ステップS1502に続いて、レポート情報作成処理部103の情報保存部116は、通行量マップと、来店人数情報と、購買行動情報とに加えて、トラッキング情報と、レジ状況情報とをレポート情報記憶部106に保存する(ステップS1503)。ここで、情報保存部116は、レポート情報の作成に用いられた動画データの日付(撮影日)と関連付けて、レポート情報(通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報、購買行動情報、トラッキング情報及びレジ状況情報)をレポート情報記憶部106に保存する。これにより、小売店舗の営業日毎にレポート情報がレポート情報記憶部106に保存される。
以上のように、本実施形態に係る支援装置10は、動画データ及びPOSデータからレポート情報(通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報、購買行動情報、トラッキング情報及びレジ状況情報)を作成して、レポート情報記憶部106に保存する。
≪売上支援レポートの出力処理≫
次に、売上支援レポートを出力するための処理について、図20を参照しながら説明する。図20は、本実施形態に係る売上支援レポートの出力処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS901の処理は、図9と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS901に続いて、レポート出力部102は、入力受付部101が売上支援レポートの出力操作を受け付けると、レポート情報記憶部106からレポート情報を取得する(ステップS2001)。ここで、レポート出力部102は、通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報及び購買行動情報に加えて、トラッキング情報及びレジ状況情報もレポート情報記憶部106から取得する。なお、第一の実施形態と同様に、レポート出力部102は、例えば、最も新しい日付と関連付けられているレポート情報(通行量マップ、来店人数情報、購買人数情報、購買率情報、購買行動情報、トラッキング情報及びレジ状況情報)を取得すれば良い。
なお、第一の実施形態と同様に、レポート出力部102は、ステップS901において、ユーザにより日付が指定された場合には、当該指定された日付と関連付けられているレポート情報を取得しても良い。
次に、レポート出力部102は、レポート情報を取得すると、図21に示す売上支援レポート画面1000Aを表示装置12に出力する(ステップS2002)。
ここで、売上支援レポート画面1000Aについて、図21を参照しながら説明する。図21は、本実施形態に係る売上支援レポート画面1000Aの一例を示す図である。
図21に示すように、売上支援レポート画面1000Aには、更に、トラッキング情報表示ボタン1008と、レジ状況情報表示ボタン1009とが含まれる。
ユーザがトラッキング情報表示ボタン1008の押下操作を行った場合、入力受付部101は、当該操作を受け付ける。そして、レポート出力部102は、図22に示すトラッキング情報の表示画面1400を表示装置12に出力する。
ここで、トラッキング情報の表示画面1400について、図22を参照しながら説明する。図22は、トラッキング情報の表示画面1400の一例を示す図である。
図22に示すように、トラッキング情報の表示画面1400には、日付選択欄1401と、トラッキング情報表示欄1402と、戻るボタン1403とが含まれる。
日付選択欄1401は、トラッキング情報表示欄1402に表示されるトラッキング情報の日付を選択するための選択欄である。図22に示す例では、日付「5月28日(日)」が選択されている。したがって、トラッキング情報表示欄1402には、日付「5月28日(日)」に関連付けられているトラッキング情報が表示されている。
ユーザは、日付選択欄1401から所望の日付を選択することで、選択した日付に関連付けられているトラッキング情報をトラッキング情報表示欄1402に表示することができる。例えば、日付選択欄1401から日付「5月27日(土)」が選択された場合、レポート出力部102は、選択された日付「5月27日(土)」に関連付けられているトラッキング情報をレポート情報記憶部106から取得して、トラッキング情報表示欄1402に表示する。
このように、トラッキング情報表示欄1402に表示されているトラッキング情報の日付と異なる日付が日付選択欄1401から選択された場合、レポート出力部102は、選択された日付に関連付けられているトラッキング情報を取得した上で、トラッキング情報表示欄1402に表示する。
トラッキング情報表示欄1402は、上述したように、日付選択欄1401で選択された日付のトラッキング情報が表示される。戻るボタン1403は、図21に示す売上支援レポート画面1000Aに戻るための表示部品である。ユーザは、戻るボタン1403の押下操作を行うことで、図21に示す売上支援レポート画面1000Aを表示させることができる。
このように、ユーザは、所望の日付におけるトラッキング情報を知ることができる。このため、ユーザは、例えば、小売店舗内の特定の売場からどの売場の方向に向かう顧客が多いのか等を知ることができる。トラッキング情報を参考にすることで、ユーザは、例えば、多くの顧客が向かう方向にある売場に、当該特定の売場で売られている商品と関連性の高い商品や同時に使用される商品等を配置すること等を検討することができる。すなわち、ユーザは、商品の重ね売り率(商品の同時購入率)を上げるための種々の改善策等を検討することができるようになる。
図21の説明に戻る。ユーザがレジ状況情報表示ボタン1009の押下操作を行った場合、入力受付部101は、当該操作を受け付ける。そして、レポート出力部102は、図23に示すレジ状況情報の表示画面1500を表示装置12に出力する。
ここで、レジ状況情報の表示画面1500について、図23を参照しながら説明する。図23は、レジ状況情報の表示画面1500の一例を示す図である。
図23に示すように、レジ状況情報の表示画面1500には、日付選択欄1501と、レジ選択欄1502と、レジ状況情報表示欄1503と、戻るボタン1504とが含まれる。
日付選択欄1501は、レジ状況情報表示欄1503に表示されるレジ状況情報の日付を選択するための選択欄である。図23に示す例では、日付「5月28日(日)」が選択されている。
また、レジ選択欄1502は、レジ状況情報表示欄1503に表示されるレジ状況情報のレジ名を選択するための選択欄である。図23に示す例では、レジ名「レジ1」が選択されている。
したがって、レジ状況情報表示欄1503には、日付「5月28日(日)」に関連付けられているレジ名「レジ1」のレジ状況情報が表示されている。
ユーザは、日付選択欄1501から所望の日付を選択すると共にレジ選択欄1502から所望のレジ名を選択することで、選択した日付に関連付けられているレジ状況情報のうち、選択したレジ名のレジ状況情報をレジ状況情報表示欄1503に表示することができる。例えば、日付選択欄1501から日付「5月27日(土)」が選択されると共にレジ選択欄1502からレジ名「レジ2」が選択された場合、レポート出力部102は、選択された日付「5月27日(土)」に関連付けられているレジ状況情報のうち、レジ名「レジ2」のレジ状況情報をレポート情報記憶部106から取得して、レジ状況情報表示欄1503に表示する。
このように、レジ状況情報表示欄1503に表示されているレジ状況情報の日付と異なる日付が日付選択欄1501から選択された場合、レポート出力部102は、選択された日付に関連付けられているレジ状況情報のうち、レジ選択欄1502から選択されたレジ名のレジ状況情報を取得した上で、レジ状況情報表示欄1503に表示する。
レジ状況情報表示欄1503には、上述したように、日付選択欄1501から選択された日付のレジ状況情報のうち、レジ選択欄1502から選択されたレジ名のレジ状況情報が表示される。戻るボタン1504は、図21に示す売上支援レポート画面1000Aに戻るための表示部品である。ユーザは、戻るボタン1504の押下操作を行うことで、図21に示す売上支援レポート画面1000Aを表示させることができる。
このように、ユーザは、所望の日付、かつ、所望のレジ名のレジ状況情報(すなわち、時間帯毎の接客時間、店員待機時間、客待機時間及び不在時間)を知ることができる。レジ状況情報を参考にすることで、ユーザは、例えば、ある時間帯においてレジを担当する店員を増やすか否か等を検討することができる。これにより、ユーザは、例えば、客待機時間が多いことによる販売機会の損失(すなわち、客待機時間が多いことにより顧客が商品を買わずに帰ってしまうような事態)を削減することができる。また、ユーザは、例えば、店員待機時間が多いことによる無駄な人件費の発生を抑制することもできる。
以上のように、本実施形態に係る支援システム1では、更に、レポート情報として、トラッキング情報及びレジ状況情報を作成する。そして、本実施形態に係る支援システム1では、これらトラッキング情報及びレジ状況情報を含むレポート情報を、売上支援レポートとして、小売店舗の責任者や管理者等のユーザに提供する。これにより、ユーザは、重ね売り率を上げるための改善策や販売機会の損失率の低下させるための改善策等を含む、小売店舗の売上を増加させるための種々の改善策を検討することができる。
なお、本実施形態に係る支援システム1では、売上支援レポートの出力先を、支援装置10の表示装置12であるものしたが、第一の実施形態と同様に、例えば、メールやFAX等により他の装置に送信しても良い。また、同様に、売上支援レポートの電子ファイルを他の装置にアップロード等しても良いし、売上支援レポートを印刷装置で印刷した上で、紙媒体によりユーザに提供しても良い。
なお、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。