JP2018128145A - 換気口フード - Google Patents

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Abstract

【課題】屋外の空気を取り込む建屋外壁の空気取入口に取り付ける換気口フードにおいて、異物を分離する機能を備え、メンテナンス作業が不要となることを目的とする。【解決手段】カバー2の側面部7において、第一給気口8と第二給気口10を備え、第一給気口8は、カバー2の側面を周回するように複数の固定羽根11を配置して形成した複数の開口であって、第二給気口10は、中心軸を水平に配置した状態において、カバー2の側面部7の最下部に位置し、カバー2内側の空間分割板13は、第一旋回室15と第二旋回室19とを連通する貫通孔21を有し、貫通孔21の位置は、中心軸周りで第二給気口10を基点としたときに第一旋回室15を旋回する気流の流れ方向の距離が反流れ方向の距離に比べて長くなるように構成したことにより、異物を分離することができ、メンテナンス作業が不要になるという効果を得ることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、室内の換気を行うために、送風機を気流の下流側に配置して屋外の空気を室内に取り込む建屋外壁の空気取入口に取り付ける換気口フードに関するものである。
従来、この種の換気口フードとして、例えば特許文献1のものが知られている。
換気口フードは建屋外壁の空気取入口である換気口から、雨や風の流入を防ぐ目的で設置され、雨や風を防ぐためのカバーと空気を取り入れるための流入口、換気ダクトに接続するため換気口フード背面側に突出した円筒状の流出口、小動物や大きめの飛散物の流入を防ぐためのガラリから構成されている。
特開2011−242081号公報
このような従来の換気口フードにおいては、ガラリでは隙間が広く、蛾や蚊、ハエ類などの小昆虫が流入するので、それら小昆虫の流入を防ぐため、換気口フード内にろ過装置として網を設置し、ろ過方式で捕集していた。
しかし、網にそれら小昆虫が堆積していき、目詰まりを起こし、空気の取り入れが出来なくなり、所定の換気量を確保できなくなるため、目詰まりを除去するメンテナンス作業が発生するという課題を有していた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、小昆虫や水滴等(以下、異物)を分離することが可能で、メンテナンス作業の不要な換気口フードを提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る換気口フードは、気流が側面部から流入し、底面部から流出する回転体形状を有したカバーと、前記回転体形状の中心軸を含み前記カバーの内側から前記底面部を貫通して前記カバーの内側を負圧にできるように備えた円筒管と、前記円筒管の外周側と前記カバーの内周側にそれぞれ第一旋回室と第二旋回室となる空間を形成する空間分割板と、前記第一旋回室内において前記円筒管の端面に対向させて設けた円柱部材とを備えた換気口フードであって、前記カバーは、前記底面に対向する頂面を有し、側面部において、前記底面側に設けた第一給気口と前記頂面側に設けた第二給気口を備え、前記第一給気口は、前記カバーの側面を周回するように複数の固定羽根を配置して形成した複数の開口であって、前記第二給気口は、前記中心軸を水平に配置した状態において、前記中心軸方向に縦長であり、前記カバーの側面部の最下部に位置させることができる開口であって、前記空間分割板は、前記第一旋回室と第二旋回室とを連通する貫通孔を有し、前記貫通孔の位置は、前記中心軸周りで前記第二給気口を基点としたときに前記第一旋回室を旋回する気流の流れ方向の距離が反流れ方向の距離に比べて長くなるようにしたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、気流が側面部から流入し、底面部から流出する回転体形状を有したカバーと、前記回転体形状の中心軸を含み前記カバーの内側から前記底面部を貫通して前記カバーの内側を負圧にできるように備えた円筒管と、前記円筒管の外周側と前記カバーの内周側にそれぞれ第一旋回室と第二旋回室となる空間を形成する空間分割板と、前記第一旋回室内において前記円筒管の端面に対向させて設けた円柱部材とを備えた換気口フードであって、前記カバーは、前記底面に対向する頂面を有し、側面部において、前記底面側に設けた第一給気口と前記頂面側に設けた第二給気口を備え、前記第一給気口は、前記カバーの側面を周回するように複数の固定羽根を配置して形成した複数の開口であって、前記第二給気口は、前記中心軸を水平に配置した状態において、前記中心軸方向に縦長であり、前記カバーの側面部の最下部に位置させることができる開口であって、前記空間分割板は、前記第一旋回室と第二旋回室とを連通する貫通孔を有し、前記貫通孔の位置は、前記中心軸周りで前記第二給気口を基点としたときに前記第一旋回室を旋回する気流の流れ方向の距離が反流れ方向の距離に比べて長くなるようにしたものであり、第一吸気口から入った屋外の空気は、旋回気流となって第一旋回室へ流入し、旋回気流中に含まれる異物が遠心力を受け、空間分割板近傍を周回し、空間分割板に設けた貫通孔より第二旋回室へ移動する。換気口フード周囲には自然風が流れており、第二吸気口の外側で静圧が低下し、屋外へ向かう流れが発生し、分離室である第二吸気口に貯留されていた異物は、第二吸気口から屋外へ排出されることになる。つまり、ろ過装置を設けなくても異物を分離することができるという効果が得られ、目詰まりの発生がなくなり、分離した異物は溜まり続けないので、メンテナンス作業が不要になるという効果も得ることができる。
本発明の実施の形態における換気口フード上方からの外観斜視図 同換気口フード下方からの外観斜視図 同換気口フードの内部構造を示す図(中心軸上を縦に切断した断面図) 同換気口フードのベースを除いた状態での背面図 同換気口フードのカバーを除いた状態での正面図 同実施の形態2の遮水部材の形状を示す図 同実施の形態3の遮水部材に設けた切り欠きを示す図
本発明の請求項1に係わる換気口フードは、気流が側面部から流入し、底面部から流出する回転体形状を有したカバーと、前記回転体形状の中心軸を含み前記カバーの内側から前記底面部を貫通して前記カバーの内側を負圧にできるように備えた円筒管と、前記円筒管の外周側と前記カバーの内周側にそれぞれ第一旋回室と第二旋回室となる空間を形成する空間分割板と、前記第一旋回室内において前記円筒管の端面に対向させて設けた円柱部材とを備えた換気口フードであって、前記カバーは、前記底面に対向する頂面を有し、側面部において、前記底面側に設けた第一給気口と前記頂面側に設けた第二給気口を備え、前記第一給気口は、前記カバーの側面を周回するように複数の固定羽根を配置して形成した複数の開口であって、前記第二給気口は、前記中心軸を水平に配置した状態において、前記中心軸方向に縦長であり、前記カバーの側面部の最下部に位置させることができる開口であって、前記空間分割板は、前記第一旋回室と第二旋回室とを連通する貫通孔を有し、前記貫通孔の位置は、前記中心軸周りで前記第二給気口を基点としたときに前記第一旋回室を旋回する気流の流れ方向の距離が反流れ方向の距離に比べて長くなるようにした構成を有する。
これにより、例えば円筒管と連通する送風機により、カバーの内側は負圧とすることができるため、第一吸気口から入った屋外の空気は、旋回気流となって第一旋回室へ流入し、ここで旋回気流中に含まれる異物が遠心力を受け、空間分割板近傍を周回し、空間分割板に設けた貫通孔より第二旋回室へ移動する。つまり第二旋回室が分離した異物を受け入れる分離室となっている。異物は重力により分離室となった第二旋回室の下方、第二吸気口付近へ移動する。第二給気口へ移動した異物は屋外の自然風の影響を受けて第二吸気口から屋外へ排出される。
また、カバーの内側は負圧となっているため、通常は第二吸気口からも空気は流入している。
第一旋回室の旋回気流の一部は指向性を持って貫通孔より第二旋回室に流入するため、
第二旋回室内の気流は第一旋回室の気流と同じ旋回方向となり、第二吸気口から流入した気流はその旋回気流に乗って旋回する。これにより、第一旋回室から第二旋回室に移動してきた異物や、第二吸気口から第二旋回室へ流入した異物を第二旋回室の外周側へ移動させることができ、異物が貫通孔から第一旋回室へ移動することを抑制できるため、分離性能の低下を抑えることができる。
また、本発明の請求項2に係わる換気口フードは、前記空間分割板は、前記軸方向において、前記第一給気口よりも前記頂面側に配置した円筒形状もしくは円錐台形状を成し、前記中心軸方向において前記空間分離板の内周側に前記円筒管の端面が延設された構成を有する。
これにより、第一給気口より流入した空気と異物は旋回しながら、その進行方向は一旦カバーの頂面側方向となり、頂面側で旋回流の進行方向が反転し、円筒管内へ向かう流れとなる。これにより旋回流の進行方向の距離を稼ぐことができるため、異物を遠心力により十分に外周側へ移動させることが可能となり、分離性能を向上させることができる。
また、本発明の請求項3に係わる換気口フードは、前記第二旋回室内において、前記空間分割板上に、第二旋回室内の気流の流路の一部を遮るように立設した第一遮蔽部材を設け、前記第一遮蔽部材は、前記中心軸と第二給気口を結んだ線より前記貫通孔側で中心軸側から外周側へ延設した構成を有する。
これにより、異物の分離性能の低下を抑制できる。つまり、第二旋回室に分離された異物は、重力により第二給気口付近に移動するが、第二給気口から流入する空気により舞い上がる。しかし、舞い上がった異物は、第一遮蔽部材に衝突し、勢いを失うため、異物が貫通孔側へ移動して貫通孔から第一旋回室に流入し、下流へ飛散することを防いでいる。また、第一遮蔽部材を設けることで、第二給気口から流入した空気を、第一遮蔽部材とは反対の方向に向かわせることが出来るので、第二旋回室の旋回流を強めることができ、第二旋回室内の異物が貫通孔から第一旋回室へ流入することを防ぎ、分離性能の低下を抑制することができる。
また、本発明の請求項4に係わる換気口フードは、前記第二旋回室内において、前記空間分割板上に、第二旋回室内の気流の流路の一部を遮るように立設した第二遮蔽部材を設け、前記第二遮蔽部材は、前記第二給気口を最下部に位置させたときに、前記中心軸より上方で中心軸側から外周側へ延設した構成を有する。
これにより、異物の分離性能の低下を抑制できる。
第二旋回室内上部は第一旋回室を旋回する気流の流れ方向と同方向の流れが生じており、第二遮蔽部材がない場合には、第二旋回室内の流れに乗って移動する異物のうち、空間分割板の表面を伝わって移動する異物が、そのまま貫通孔から第一旋回室へ流入して、下流側へ飛散してしまい、分離性能の低下を引き起こしていた。そこで、第二遮蔽部材により、空間分割板の表面での異物の移動を阻止でき、貫通孔から第一旋回室へ流入することを防ぎ、分離性能の低下を抑制できる。
また、本発明の請求項5に係わる換気口フードは、前記第二給気口を前記カバーの側面部の最下部に位置させた状態において、前記カバーの上部と下部において前記第一給気口の1つの開口と他の開口との間にめくら板を配置した構成を有する。
これにより、カバー上部のめくら板は、換気口フード真上から落下する異物や水滴の流入を抑制することができる。また、カバー下部のめくら板は、第二給気口から屋外へ排出された異物が再び第一給気口から流入するのを抑制することができ、分離性能の低下を抑制できる。
また、本発明の請求項6に係わる換気口フードは、前記第一旋回室内において、前記円柱は前記頂面側の壁面から立設し、該壁面に前記円柱の外周を囲むリング形状の遮水部材を設けた構成を有する。
これにより、第一給気口より流入した水滴が換気口フード下流へ飛散することを抑制することができる。水滴は異物と同様に第一旋回室内の旋回流に乗って旋回し遠心力を受ける。外周側に移動した水滴は空間分割板に衝突するとその表面に付着する。付着した水滴は重力により下方向へ移動し、その一部は円柱部材に衝突し、円柱部材表面を伝って円筒管内へ飛散するものがある。そこで、円柱部材の周囲を囲むようにリング形状の遮水部材を設けることで、水滴が円柱部材に伝わるのを抑制することができ、水滴の分離性能の低下を抑制することができる。
また、本発明の請求項7に係わる換気口フードは、前記遮水部材は、前記遮水部材の内側から外側に水が流れ出るように前記円柱部材側の側面に傾斜を設けた構成を有する。
これにより、遮水部材の内側に入った水滴が重力により下方向へ移動した後、遮水部材の内側側面に設けた傾斜により、外側へ移動しやすくなり、水滴が円柱部材に伝わるのを抑制することができ、水滴の分離性能の低下を抑制することができる。
また、本発明の請求項8に係わる換気口フードは、前記遮水部材は、前記中心軸を水平に配置した状態で最下部の位置に切り欠きを設けた構成を有する。
これにより、遮水部材の内側に入った水滴が重力により下方向へ移動した後、切り欠きから水滴が遮水部材の外側へ移動しやすくなり、水滴が円柱部材に伝わるのを抑制することができ、水滴の分離性能の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1、図2は本実施の形態における換気口フードの外観斜視図で、図1は斜め上から、図2は斜め下からの斜視図である。
図1、2に示すように換気口フード1は、回転体形状を有したカバー2と、カバー2の底面部を成すベース板3と、カバー2の中心軸4を含みベース板3を貫通して固定した円筒管5とを備えている。ここで、回転体形状とは、中心軸4を中心として回転させてできる形状である。
換気口フード1の正面側、つまり、ベース板3とは反対側の底面部は、カバー2を外側に突出したドーム型の頂面6を有している。カバー2は、頂面6の最も突出した所と中心軸4を一致させている。頂面部6は、平らなものでも良い。
カバー2の側面部7には、第一給気口8と、第一給気口8の一部を塞いだめくら板9と第二給気口10とを備えている。
第一給気口8は、複数の固定羽根11を所定の間隔を開けて側面部7に周回して配置した複数の開口である。固定羽根11は、本実施の形態では20枚設け、中心軸4に対して全て同じ角度を向いている。これにより固定羽根11を通過した気流を旋回気流させることができる。第一給気口8は、側面部7にあって、特にベース板3側に寄せた位置に備えている。
なお、固定羽根11の上流側端部12は、図3において、カバー2の側面部7と同一面に配置しているが、側面部7より内周側に配置しても、外周側へ飛び出して配置してもよい。
めくら板9は、第一給気口8の上部と下部で気流の流入を抑止するものである。カバー2は、めくら板9部分に固定羽根11を設けていないが、めくら板9の内側にも固定羽根11を設けても良い。めくら板9は、第一給気口8の1つの開口と他の開口との間に配置した外観となる。
めくら板9は、さらにベース板3とカバー2を接続する役割も持っている。これにより、ベース板3、円筒管5、カバー2が一体となるので、円筒管5を建物外壁の換気口に差し込むことで換気口フード1を固定することができる。
円筒管5は、換気口フード1の外部においてカバー2の内側を負圧にできるように備えたものである。例えば、円筒管5に送風機(図示せず)を接続することで、換気口フード1の内側を負圧にすることができる。このようにカバー2の内側を負圧にすることで、気流はカバー2の側面部7から流入し、円筒管5から流出するものである。
第二給気口10は、図2に示すようにカバー2の側面部7で最下部に備え、中心軸4の方向に縦長の形状となっている。また、第二給気口10は、側面部7において、下部側のめくら板9に対して中心軸4の方向で隣接した位置に備えている。なお、めくら板9と完全に隣接せず隙間があってもよい。本実施の形態では、第一給気口8の開口面積(ここでの開口面積は、側面部2の円周長さと中心軸4方向の開口幅から計算)に対して、第二給気口10の開口面積は約0.6%と、第一給気口8に対して、非常に小さい。
次に、本実施の形態における換気口フードの内部構造を説明する。
図3に示すようにカバー2の内側には、空間分割板13と円柱部材14とを備えている。
空間分割板13は、円筒管5の外周側とカバー2の内周側にそれぞれ第一旋回室15と第二旋回室19となる空間を形成するものである。
円柱部材14は、第一旋回室15内においてカバー2の中心軸4と軸を同じにした円柱体であって、固定板16を用いて円筒管5の端面と対向した位置に備えている。なお、本実施の形態では、円柱部材14は固定板16を用いて支持しているが、固定板16を使用せず円柱部材14を直接、カバー2の内壁に固定しても良い。
円柱部材14の円筒管5側には、図4に示すように、中心軸4に垂直な断面において円弧状にカーブした円柱羽根17が4枚、均等かつ放射状に配置されている。
円筒管5はカバー2の内側に位置する端面である円筒管端面18は、図3に示す通り、空間分割板13内にまで延設されている。
空間分割板13は、図3に示すように、中心軸4の方向においてベース板3に対して固定羽根11を挟む位置からさらに中心軸4の方向に延設した円筒であって、延設した終端に位置する底面に固定板16を配置している。カバー2の内側において中心軸4の方向の断面が台形状となる、すなわち円錐台形状の筒体である。円錐台形状により、第一旋回室15を旋回する旋回流の旋回径は第一給気口8側から中心軸4方向に遠ざかるにつれて小さくなっている。なお、空間分割板13は円筒形状であってもよい。この場合、第一旋回室15を旋回する旋回流の旋回径はいずれの場所においても同一径となる。
空間分割板13は、図5に示すように、第一旋回室15と第二旋回室19とを連通する貫通孔21と、第二旋回室19側に配置した第一遮蔽部材22と第二遮蔽部材23とを備えている。
貫通孔21は、図4に示すように、中心軸4の周りで第二給気口10を基点としたときに第一旋回室15を旋回する気流の流れ方向(図4の矢印)の距離が反流れ方向の距離に比べて長くなる位置で、中心軸4よりも上側で、固定板16側に寄せて開口している。図3の断面図において、貫通孔21は円筒管5と重なっていないが、重なる位置まで貫通孔21を中心軸4方向に広げても良い。また、空間分割板13の中心軸4方向全域に渡って開口させてもよい。
第一遮蔽部材22は、第二旋回室19内の第二給気口10近傍で、中心軸4と第二給気口10を結んだ線より貫通孔21側で中心側から外周側へ延設した板状体である。図3に示すように、第一遮蔽部材22とカバー2との間には隙間を設けており、第二旋回室19内の流路の一部を遮蔽した構造となっている。
第二遮蔽部材23は、図3に示すように、第二旋回室19内の最上部で、中心側から外周側へ延設した板状体である。第一遮蔽部材22と同様に、第二旋回室19の一部を遮蔽した構造となっており、カバー2側に隙間を設けている。なお、第二遮蔽部材23は、第二旋回室19内で、中心軸よりも上方であれば最上部でなくてもよい。
また、固定板16には、遮水部材25を備えている。
遮水部材25は、円柱部材14の側面と間隔をあけて、円柱部材14を取り囲むリブ状のものである。本実施の形態における遮水部材25は、円周状に切れ目がないリング状で、その側面は円柱部材14と平行である。なお、円柱部材14側面と遮水部材25との間隔は開けすぎると、遮水効果が小さくなるため、カバー2の頂面側の空間分割板13端部の直径と円柱部材14の直径の平均直径よりも小さくなる位置に配置した方が良い。
次に気流の流れを説明する。
上記構成において、本換気口フードは送風機を用いて住宅等室内へ屋外空気を供給する際に、屋外外壁の給気口部分に取り付けるものであり、下流の送風機により気流が流れる。屋外空気は第一給気口8と第二給気口10から換気口フード内に流入する。なお、前述したように第一給気口8の方がはるかに大きいため、流入空気の大半は第一給気口8から流入する。第一給気口8から流入した空気は、斜めに配置した複数の固定羽根によって、中心軸周りを旋回する旋回流となって、第一旋回室15を通り、円筒管5から換気口フード外へ流出する。
第二給気口10から流入した空気は、第二旋回室19に流入するが、図5に示す第一遮蔽部材22により気流の流れを抑制するため、第二給気口10から流入した空気の大半は第一遮蔽部材22とは反対側に向かって気流が流れ、環状となった第二旋回室19内を通り、貫通孔21より第一旋回室に流入し、その後、円筒管5より換気口フード外へ流出する。また、第一旋回室15の旋回流の一部は貫通孔21より第二旋回室19へ流入する。この第一旋回室15から第二旋回室19への指向性を持った流入と、前述した第一遮蔽部材22による第二給気口10から流入した気流の指向付けにより、第二旋回室19内の空気は、第一旋回室15内の旋回流と同方向に旋回する。
次に空気と共に換気口フード内に流入する異物(例えば、蚊やショウジョウバエ、キノコバエ、蛾などの小昆虫)や水滴の動きについて説明する。
第一給気口8から空気と共に流入する異物や水滴は第一旋回室15内の旋回流によって、遠心力を受け、外周側へ移動する。異物は貫通孔21から第二旋回室19へ移動し、一旦、第二旋回室19内に貯留される。水滴は、第一旋回室15内で外周側へ移動すると、空間分割板13の壁面に衝突し、壁面に付着する。付着した水滴は水滴同士が集まって大きくなり、重力によって垂れ落ちる。
第二給気口10から流入した異物や水滴は、第二旋回室19内の旋回流により旋回し、遠心力を受け、外周側へ移動する。第二旋回室19内の空気は貫通孔21より第一旋回室15へ流れるが、異物は外周側を旋回しているため、貫通孔21から第一旋回室15へ流入しづらくなっている。水滴は、第二旋回室19内面に付着し、重力により下方へ垂れ落ち、第二給気口10から排出される。
以上のように異物は、第二旋回室19内に貯留されることになるが、換気口フード外を流れる自然風により、第二給気口10から排出されるようになっている。つまり、第二給気口10の外側を自然風が流れると、ベルヌーイの定理により静圧が低下する。この時、第二給気口10近傍の換気口フード内の静圧より低下すると、外に引っ張られるようになり、異物が第二給気口10から換気口フード外へ排出される。
次に本実施の形態における効果・作用を説明する。
本換気口フードの特徴的な構造は、換気口フード内が空間分割板13によって、二重構造となって、第一旋回室15と第二旋回室19を配置していることである。前述したように、第二旋回室19は第一旋回室15で遠心力による分離した異物を一旦貯留する分離室の役割を果たしている。一般的なサイクロン構造は、旋回室の下方に分離室(集塵室)を備えているため、上下に長くなってしまうが、本換気口フードは旋回室の周囲に分離室を備えることで、コンパクトな構造となる。
本換気口フードの分離室は、第二旋回室19という名前の通り、貫通孔21からの旋回流の流入や第一遮蔽板により、気流を旋回させる構造となっている。これにより、第二旋回室19内の異物は外周側に移動するため、貫通孔21から第一旋回室15に戻ることが少ない。外周側へ移動できない大きな異物の場合は、空間分割板に沿って旋回流に押されて移動するが、この場合、第二旋回室19上部で、第二遮蔽部材23に衝突するため、それ以上先に進むことができず、貫通孔21側へ流れていかない。つまり、遠心力の働きにくい大きな異物も第一旋回室へ流入するのを防ぐことが出来る。
貫通孔21の位置は、異物の分離性能を高めることと、第二旋回室19から第一旋回室15への流入を防ぐために、本実施の形態では適した位置に配置されている。異物は第一旋回室15内で旋回し遠心力を受けて外周側へ移動する力を受けているが、異物が第一旋回室15の上部から下方向へ旋回する間に第二旋回室19へ移動させると、重力による力も合わさり、異物が第二旋回室19へ移動後も旋回による慣性力と重力により、第二旋回室19の下部へ素早く移動させることができる。この効果が最も表れるのが、本実施の形態における位置である。さらに第二旋回室19内で多くの異物を貯留できるようにするため、貫通孔21の位置を上部側にした方が良いということもあるため、中心軸4よりも上側に配置している。
第二遮蔽部材23は、図5に示すように、第二旋回室19の最上部に配置するのが望ましい。最上部であれば、円形の空間分割板の最上部となるので、第二遮蔽部材23のどちらの面においても、空間分割板が下方向へ傾斜がついており、異物が堆積しずらくなる。
もし異物が、第二旋回室19から貫通孔21を通って第一旋回室15へ入ってきた場合、異物が貫通孔21から中心軸方面へ移動する際に、円柱部材14の側面に衝突することで、直接、円筒管5へ流れ込みにくくなっている。第一旋回室15内の中心軸付近は円筒管5へ向かう旋回流となっているが、円柱部材14が障壁となって、貫通孔21から流入してきた異物が直接中心軸付近の旋回流へ入り込むことを防いで、異物が下流へ飛散するのを抑制している。
また、第二旋回室19内の異物は、重力により第二給気口10付近に存在することが多い。しかし、第二給気口10から空気が流入するため、異物は舞い上がるが、その際、貫通孔21側(図5で左側)に異物が移動して、貫通孔21から第一旋回室15へ流入しないよう、第一遮蔽部材22によって、異物に移動を制限している。これにより、第二給気口10から流入する空気によって舞い上がった異物が、貫通孔21から第一旋回室15へ流入するのを防いでいる。
本換気口フードは分離した異物を再び屋外へ排出することができるので、メンテナンスが不要となる。これは、前述した通り、第二旋回室19に一旦分離・貯留された異物は、自然風により第二給気口10から屋外へ排出されるため、換気口フード内に異物が溜まり続けることがない。
円筒管5は、図3に示すように、カバー2内の端部は空間分割板13内にまで延設している。つまり、流出口である円筒管5と旋回室である第一旋回室15と分離室(集塵室)である第二旋回室19とが同時に重なっている。このことで、コンパクトな構成することができている。
また、異物や水滴が第一給気口8から一直線で円筒管5内へ流入することができないので、異物や水滴を換気口フード下流に飛散させにくい、つまりコンパクトで分離性能が良いものとなる。
円柱部材14は、第二旋回室19から貫通孔21を通って第一旋回室15へ流入する異物が円筒管5内へ流入するのを防ぎ、分離性能の低下を抑制している。貫通孔21での気流の流れは、第一旋回室15から第二旋回室19へ向かう流れとその逆向きの流れの両方が混在するが、第一旋回室15側へ流入する流れは主に、固定板16側寄りで発生している。そこで、異物が第一旋回室15側へ流入してきたとしても、円柱部材14に衝突することにより跳ね返り、第一旋回室15内の旋回流に流され、旋回することで遠心力を受け、再び貫通孔21から第二旋回室19へ移動させることができるので、分離性能の低下を抑制することができる。
さらに本実施の形態では、円柱部材14の上面側(円筒管5側)には、円弧状の4枚の円柱羽根17を備えており、換気口フードの圧力損失低減効果がある。円柱羽根17は図4の矢印で示した第一旋回室15内の旋回流を受け止めるように膨らんでいる。これにより、旋回流は円柱羽根17によって、下流方向への流れに変換され、下流へスムーズに空気が流れるようになるので、圧力損失が低下する。なお、流体解析による流れの可視化によって、下流(円筒管5方向)へ向かう旋回流の流れを把握し、その直径とほぼ同じになるように円柱部材の直径を決定した。この直径は円筒管5の内径と相関があり、7〜8割程度である。
めくら板9は、第一給気口8の上部と下部にあり、上部のめくら板9は、上方から降ってくる雨や落下してくる異物に対して流入を抑止する効果がある。下部のめくら板9は、近傍の第二給気口10から排出された異物が再び第一給気口8から流入するのを防ぐ効果がある。本実施の形態では、どちらのめくら板9もベース板3とカバー2を接続する支持板の役割も持っている。
カバー2は、換気口フード正面側がドーム型の形状となっている。これにより、第二旋回室19の内部に傾斜ができ、分離された異物が傾斜に沿って移動し、第二給気口10付近に集まりやすくなる。また、第二給気口10の形状が中心軸方向に長い縦長形状のため、第二旋回室19の中心軸方向に渡って開口することとなる。これらの作用により、第二給気口10から異物の排出が効率よく行える。
換気口フードは、雨が降った際に、室内側への浸水を抑える役割が必要である。本実施の形態における換気口フードは、前述したように室内へつながる円筒管5の端部と第一給気口8から一直線で結ばれないため流入が抑制される。さらに、第一旋回室15内では、旋回流により水滴が外周側へ移動し、空間分割板13の壁面に付着する。これらの作用により、雨が侵入しづらい構成の換気口フードとなっている。
さらに、水の浸入を防ぐために、円柱部材14の周囲に遮水部材25を備えている。空間分割板13の壁面に付着した水滴は、重力により固定板16を伝って下方へ移動する。この時、遮水部材25に衝突した水滴は、遮水部材25に沿って下方へ移動するため、垂れてきた水滴が円柱部材14に到達することはない。円柱部材14付近では円筒管5へ向かう流れが発生しているため、円柱部材14に付着した水滴は円筒管5内へ飛散しやすい。遮水部材25は、そのような水滴の飛散を防ぐことで、水滴の分離性能の低下を抑制できる。
また、換気口フード正面はカバー2で覆われており、正面側に開口がないため、直接風が室内へ流入することがない。
以上の構成により、本換気口フードは、遠心力を用いた異物分離機能を備え、コンパクトな構成で圧力損失も低く、さらに分離した異物は自然風の力で屋外へ排出され、目詰まりを生じさせる狭小隙間がないため、異物を除去するというメンテナンス作業が不要となる。
(実施の形態2)
実施の形態1と構成・作用が同じ部分については説明を省略する。
図6は、本実施の形態における遮水部材25部分の拡大断面図である。本実施の形態における遮水部材25は、中心軸側側面が円筒管5側に向かって広がるように傾斜面となっている。これにより、遮水部材25の内周側に入り込んだ水滴が重力によって下方へ移動した際に、遮水部材25内部に水滴を溜めずに、傾斜面に沿って遮水部材25の外側へ排出される。そのため、水滴が下流へ飛散することを防ぐことができるため、分離性能の低下を抑制できる。
(実施の形態3)
実施の形態1と構成・作用が同じ部分については説明を省略する。
図7は、本実施の形態における遮水部材25の形状を表す正面図である。本実施の形態における遮水部材25は、重力方向の最下部に位置する箇所に切り欠き26を備えた構造である。これにより、遮水部材25の内周側に入り込んだ水滴が重力によって下方へ移動した際に、遮水部材25内部に水滴を溜めずに、切り欠き26から遮水部材25の外側へ排出される。そのため、水滴が下流へ飛散することを防ぐことができるため、分離性能の低下を抑制できる。
本発明に係るサイクロン分離装置は、装置をコンパクトに構成し小型化することと、意匠性を高めることを可能としながら、異物を分離し屋外へ戻すとともに、風雨の進入の防止を可能とするものであるので、建屋の換気口(給気側)に取り付ける屋外フード等として有用である。
1 換気口フード
2 カバー
3 ベース板
4 中心軸
5 円筒管
6 頂面
7 側面部
8 第一給気口
9 めくら板
10 第二給気口
11 固定羽根
12 上流側端部
13 空間分割板
14 円柱部材
15 第一旋回室
16 固定板
17 円柱羽根
18 円筒管端面
19 第二旋回室
21 貫通孔
22 第一遮蔽部材
23 第二遮蔽部材
25 遮水部材
26 切り欠き

Claims (8)

  1. 気流が側面部から流入し、底面部から流出する回転体形状を有したカバーと、前記回転体形状の中心軸を含み前記カバーの内側から前記底面部を貫通して前記カバーの内側を負圧にできるように備えた円筒管と、前記円筒管の外周側と前記カバーの内周側にそれぞれ第一旋回室と第二旋回室となる空間を形成する空間分割板と、前記第一旋回室内において前記円筒管の端面に対向させて設けた円柱部材とを備えた換気口フードであって、
    前記カバーは、前記底面に対向する頂面を有し、側面部において、前記底面側に設けた第一給気口と前記頂面側に設けた第二給気口を備え、前記第一給気口は、前記カバーの側面を周回するように複数の固定羽根を配置して形成した複数の開口であって、
    前記第二給気口は、前記中心軸を水平に配置した状態において、前記中心軸方向に縦長であり、前記カバーの側面部の最下部に位置させることができる開口であって、
    前記空間分割板は、前記第一旋回室と第二旋回室とを連通する貫通孔を有し、前記貫通孔の位置は、前記中心軸周りで前記第二給気口を基点としたときに前記第一旋回室を旋回する気流の流れ方向の距離が反流れ方向の距離に比べて長くなるようにした換気口フード。
  2. 前記空間分割板は、前記軸方向において、前記第一給気口よりも前記頂面側に配置した円筒形状もしくは円錐台形状を成し、前記中心軸方向において前記空間分離板の内周側に前記円筒管の端面が延設されている請求項1記載の換気口フード。
  3. 前記第二旋回室内において、前記空間分割板上に、第二旋回室内の気流の流路の一部を遮るように立設した第一遮蔽部材を設け、
    前記第一ガイド部材は、前記中心軸と第二給気口を結んだ線より前記貫通孔側で中心軸側から外周側へ延設した請求項2記載の換気口フード。
  4. 前記第二旋回室内において、前記空間分割板上に、第二旋回室内の気流の流路の一部を遮るように立設した第二遮蔽部材を設け、前記第二ガイド部材は、前記第二給気口を最下部に位置させたときに、前記中心軸より上方で中心軸側から外周側へ延設した請求項2または3いずれか記載の換気口フード。
  5. 前記第二給気口を前記カバーの側面部の最下部に位置させた状態において、
    前記カバーの上部と下部において前記第一給気口の1つの開口と他の開口との間にめくら板を配置している請求項1記載の換気口フード。
  6. 前記第一旋回室内において、前記円柱は前記頂面側の壁面から立設し、該壁面に前記円柱の外周を囲むリング形状の遮水部材を設けた請求項1記載の換気口フード。
  7. 前記遮水部材は、前記遮水部材の内側から外側に水が流れ出るように前記円柱部材側の側面に傾斜を設けた請求項5記載の換気口フード。
  8. 前記遮水部材は、前記中心軸を水平に配置した状態で最下部の位置に切り欠きを設けた請求項6または7に記載の換気口フード。
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