JP6928794B2 - サイクロン分離装置 - Google Patents
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Description
本発明は、建屋において屋外の空気を屋内に取り込む際、建屋の屋外外壁の空気取入口部分に取り付け、屋外の空気に含まれる異物を分離し、屋外へ戻すサイクロン分離装置に関するものである。
従来、この種のサイクロン分離装置は、例えば特許文献1のものが知られている。
以下、そのサイクロン分離装置について図6、図7を参照しながら説明する。
図6、図7に示すように、軸方向の一端面に複数の羽根101を等間隔に隙間を開けて放射状に配置した円形状の流入口102と、他端面に円形状の流出口103を備え、流入口102と流出口103の間の空間は円筒状の旋回室104となっており、流入口102から入った空気は羽根101によって旋回気流となり、その後気流は流出口103から流出する。旋回室104の下方には、旋回気流によって空気中の異物を分離したものを収容する分離室105を備えている。そして、旋回室104と分離室105とを連通させる貫通孔106を備えており、旋回室104で外周側へ移動した異物は貫通孔106を通り、分離室105へ移動する。
このような従来のサイクロン分離装置においては、分離室内は旋回室で発生している旋回気流により、その気流の一部が貫通孔を通って分離室内へ流入する。流入した空気は再び旋回室へ戻っており、分離室内の気流は乱れている。そのため、一旦分離室へ移動した異物は、分離室内を浮遊して再度旋回室へ移動することがあり、旋回室へ再流入した異物はそのまま流出口へ流れ出る、いわゆる再飛散現象が発生する。これにより、分離性能の低下を招くという課題を生じていた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、再飛散現象を抑制することで、分離性能の低下を抑制することのできるサイクロン分離装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係るサイクロン分離装置は、ケースの一端側の側面を周回して設けられ、ケースに空気を流入させ、ケース内に旋回気流を生じさせる第一吸気口と、ケースの他端側の側面に設けられ、ケースの中心軸を水平に配置した状態で、重力方向の最下部に位置する第二吸気口と、ケースの一端側の一端面に設けられ、第一吸気口から流入した空気をケース外に流出させる円筒状の流出口と、ケース内において、第一吸気口と連通する第一旋回室と、第一旋回室よりも外周側に位置して第二吸気口と連通する第二旋回室とに分割する空間分割板と、空間分割板に設けられ、第一旋回室と第二旋回室とを貫通する貫通孔と、第一旋回室内のケースの他端側に設けられた円筒部材と、を備える。そして、流出口と円筒部材とは、それぞれの中心軸をケースの中心軸と同一に配置されており、円筒部材を側面視した場合、円筒部材の流出口側の端面は、貫通孔の中心軸方向において貫通孔と重なる範囲に位置しているものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、流入口から空気とともに流入した異物は、第一旋回室内の旋回気流によって遠心力を受け、貫通孔より第二旋回室へ移動するため、第二旋回室は第一旋回室の分離室となっている。流出口の下流に配置した送風機により、第二吸気口からも空気が流入し、第二旋回室内の空気は第一旋回室へ流入しようとするため、第二旋回室から第一旋回室内へ中心軸方向へ移動するが、その移動してきた異物は慣性力により円筒部材の側面に衝突し、衝突した異物は再度第一旋回室内の旋回気流によって旋回し、再び貫通孔から第二旋回室へ流入するため、第二旋回室内の異物が流出口より下流へ飛散することを抑制することができ、分離性能の低下を抑制することができる。
本発明に係るサイクロン分離装置は、気流が流入する円筒状のケースと、前記ケースの一端側で側面を周回して開口した開口部と前記開口部に沿って複数配置した固定羽根とを備え形成した第一吸気口と、前記固定羽根と同じ側の前記ケースの一端面に流出口を備え、前記第一吸気口を通過する気流は固定羽根によって旋回成分を持った気流となって前記ケース内に流入し、前記流出口から前記ケース外へ気流が流出し、前記ケースの他端側は、前記ケースの側面において、前記円筒状のケースの中心軸を水平に配置した状態で最下部に位置させることができる第二吸気口と、前記ケースの内部において、内周側の第一旋回室と外周側の第二旋回室とに分割する空間分割板とを備え、前記空間分割板には、前記第一旋回室と第二旋回室とを連通する貫通孔を備えたサイクロン分離装置において、前記ケースの他端側で第一旋回室内に、中心軸を前記ケースと同一にした円筒部材を備え、前記中心軸の方向において、前記円筒部材の前記流出口側の端面は、前記貫通孔の範囲内に位置させた構成を有する。
これにより、円筒状ケース内は空間分割板によって第一旋回室と第二旋回室に分割され、空間分割板に第一旋回室と第二旋回室を連通する貫通孔を備えることで、第一吸気口から入った屋外の空気は、旋回気流となって第一旋回室へ流入し、ここで旋回気流中に含まれる異物は遠心力を受け、空間分割板近傍を周回し、貫通孔より第二旋回室へ移動する。つまり第二旋回室が分離した異物を受け入れる分離室となっており、第二旋回室に分離した異物は重力により下部付近つまり第二吸気口付近に堆積する。さらに、装置外で自然風が吹き、第二旋回室付近でも横風が吹くと、ベルヌーイの定理より静圧が低下し、第二旋回室側よりも装置外の静圧が低くなると、異物が装置外へ排出される。この作用により、第二旋回室に分離した異物を屋外へ戻すことができる。
また、本装置の下流側に配置する送風機によって、本装置内は負圧となっており、第二吸気口においても本装置外から第二旋回室へ向かって空気が流入する。第一旋回室の旋回気流の一部は指向性を持って貫通孔より第二旋回室に流入するため、第二旋回室内の気流は第一旋回室の気流と同じ旋回方向となり、第二吸気口から流入した気流はその旋回気流に乗って旋回する。
第二旋回室内の異物はその中で発生している旋回気流によって、第二旋回室内を旋回するが、その一部が貫通孔から第一旋回室へ移動する。この時、貫通孔では第一旋回室から第二旋回室へ流入する気流と第二旋回室から第一旋回室へ流入する気流とが入り混じった状態であるが、中心軸方向において貫通孔のケースの他端側となる領域では、第二旋回室から第一旋回室へ向かう気流が多い。この気流の流れに乗って、異物が第一旋回室内へ中心軸方向へ向かって移動し、その慣性力で円筒部材の側面に衝突する。これにより異物は勢いを失い、第一旋回室内の旋回気流によって再び旋回し、貫通孔より再度第二旋回室へ移動する。このような作用により、第二旋回室内の異物が流出口から流れ出る再飛散現象を抑制することができ、分離性能の低下を抑制することができる。
本発明に係るサイクロン分離装置は、前記円筒部材の前記流出口側の端面で、前記円筒部材の中心軸上に支持部材を備え、支持部材から前記円筒部材の外周端に向かって円弧状に曲げた円弧羽根を備え、前記曲げ方向は、前記外周端から前記支持部材に向かって、前記固定羽根によって発生する旋回気流の回転方向と同じ向きであって、前記円弧羽根は、前記円筒部材と前記流出口の間にあって、前記支持部材の周りに2枚以上円形配置した構成を有する。
これにより、円筒部材の作用による再飛散現象の抑制をしながら、第一旋回室の旋回気流を中心軸付近に集めることで、その旋回気流を中心軸方向において流出口へ向かう流れに変換することができる。そのため、本装置における圧力損失を低減することができる。
本発明に係るサイクロン分離装置は、前記支持部材は、円錐部材であって、前記円錐部材の底面は前記円筒部材の端面と同一の底面を有する円錐形であり、前記円錐部材の頂点が前記流出口側になるように配置した構成を有する。
これにより、円筒部材の作用による再飛散現象の抑制をしながら、第一旋回室の旋回気流を中心軸付近に集め、その旋回気流は中心軸方向において流出口へ向かう流れに変換されるが、円錐部材によってさらに流出口へ向かう流れにスムーズに変換することができる。そのため、本装置における圧力損失をさらに低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるサイクロン分離装置の外観図であり、円筒状のケース1の一端側で側面を周回して開口した開口部2に固定羽根3を複数配置した第一吸気口4を備え、ケース1側面の第一吸気口4とは反対側の他端側に、円筒状のケース1の中心軸20を水平に配置した状態で重力方向の最下部に位置させることができる第二吸気口5を備えている。
図1は、本実施の形態におけるサイクロン分離装置の外観図であり、円筒状のケース1の一端側で側面を周回して開口した開口部2に固定羽根3を複数配置した第一吸気口4を備え、ケース1側面の第一吸気口4とは反対側の他端側に、円筒状のケース1の中心軸20を水平に配置した状態で重力方向の最下部に位置させることができる第二吸気口5を備えている。
固定羽根3は開口部2に360度に渡って一定の隙間を開けて配置しており、本実施の形態では18枚設け、中心に対して全て同じ角度を向いている。これにより固定羽根3を通過した気流は旋回気流となる。なお、本実施の形態において開口部2は360度開口しているが、一部がふさがっていてもよい。
第二吸気口5の開口面積は、第一吸気口4となっている開口部2の開口面積に対して0.5〜3%程度とするのが望ましく、本実施の形態では、第二吸気口5の開口面積は開口部2の面積に対して約1.2%となっている。このように第二吸気口5は第一吸気口4となっている開口部2の開口面積に対して非常に小さくなっている。このようにしているのは、第一吸気口4から流入する気流が本装置で処理を行う主の空気とするためである。3%より大きくなると、第二吸気口5からの流入が増加し、図2に示す貫通孔10で第二旋回室9から第一旋回室8へ向かう気流が増加し、第一旋回室8で分離した異物を第二旋回室9へ移動しづらくなる(詳細な気流の流れと異物の動きについては後述)。また、第二吸気口5の開口面積は小さすぎてもよくなく、分離した異物は第二吸気口5付近に堆積し、第二吸気口5は異物を排出するための開口であるため、異物が詰まらない程度の大きさが必要だからである。
図2は、円筒状のケース1の中心軸20に沿ってカットした断面図である。ケース1の第一吸気口4側をふさいで端面1Aとし、その中央に装置外と装置内を連通する円筒状の流出口6を備えている。なお、端面1Aに対して反対側の端面1Bは開口がなくふさがれている。
前記ケース1内の端面1B側には、空間分割板7を備え、この空間分割板7の内周側空間を第一旋回室8、外周側空間を第二旋回室9とし、空間分割板7は、ケース1の円筒状の中心軸20を横断する第一旋回室8の断面積が流出口6から遠ざかるにつれて、徐々に小さくなるように傾斜している。空間分割板7の一端はケース1の側面と接触しており、ここの空間分割板7の端部を端部7Aとし、他端はケース1の端面1Bと接触しており、この空間分割板7の端部を端部7Bとする。
つまり、円筒状のケース1の中に空間分割板7を介して、第一旋回室8と第二旋回室9を構成し、ケース1の端面1Bは、第一旋回室8と第二旋回室9の空間と接している。また、第一旋回室8の最大径と第二旋回室9の最大径は同じである。なお、本実施の形態では、空間分割板7は傾斜しているが、傾斜がなく円筒状であってもよい。
また、本実施の形態では、本体のケース1の開口部2に固定羽根3の内周側端部が接するように配置しているため、固定羽根3部分が本体のケース1より突出した構成となっている。また、開口部2に固定羽根3の外周側端部が接するように配置すると、固定羽根3部分は本体のケース1内に納まる。
流出口6は円筒状で、端面1Aを貫通するようにケース1と同じ中心軸20上に配置され、流出口6の一端は空間分割板7の端部7Aを超えて第一旋回室8内へ突出している。なお、流出口6の一端は端部7Aを超えなくても良い。そして反対側は装置外へ突出しており、ダクトが接続できるようになっている。
本実施の形態における特徴は、第一旋回室8内にケース1の中心軸20と軸を同じにし、端面1B上に円筒部材11を設けたことである。円筒部材11の流出側端面11Aは、図2の側面視において、貫通孔10と重なる位置であればよく、本実施の形態では、貫通孔10の中心軸20方向において真ん中よりも端面1B側に流出側端面11Aを配置している。また、本実施の形態では、円筒部材11の直径は流出口6の直径よりも小さいが、同等または大きくてもよい。
貫通孔10での気流について、第一旋回室8の旋回気流の一部が貫通孔10を通り第二旋回室9へ流入する。また後述するとおり、第二旋回室9から第一旋回室8への気流の流れも存在する。これらの流れは、図2において貫通孔10の第一吸気口4に近い領域では、第一旋回室8から第二旋回室9への流れが多く、貫通孔10の端面1Bに近い領域では、第二旋回室9から第一旋回室8への流れが多いことが実験による目視で確認できている。
円筒部材11は、第二旋回室9から第一旋回室8へ流入する空気とともに移動してくる異物を流出口6より下流に飛散させることを抑制するためのもので、端面1Bに近い側の貫通孔10の領域と重なる位置に配置している。そして、第二旋回室9から第一旋回室8へ移動してきた異物は、円筒部材11がない場合、中心軸付近まで飛翔し、中心軸付近は流出口6へ向かう流れが支配的であるため、その流れにのって流出口6より下流へ流れ出るため、分離性能が低下する。しかし、円筒部材11があると、異物は慣性力により円筒部材11の側面に衝突し、勢いを失うが、円筒部材11周囲を流れる旋回気流によって旋回をはじめ、遠心力により空間分割板7側へ移動し、再び貫通孔10より第二旋回室9へ移動する。この作用により、第二旋回室9に分離した異物が再び第一旋回室8へ流入し、装置の下流へ飛散する再飛散現象を抑制することができる。
上記構成においてサイクロン分離装置における気流の流れを説明する。
流出口6と送風機(図示せず)をダクトで接続し、送風機を運転すると、ケース1内が負圧になるため、外気と連通している第一吸気口4と第二吸気口5から空気が流入する。ただし、前述したように第二吸気口5の開口面積は、第一吸気口4のある開口部2の開口面積に対して0.5〜3%であるので、大部分は第一吸気口4から流入する。
図2に示すように、第一吸気口4から流入した空気は、固定羽根3によって旋回気流となり、第一旋回室8内を旋回しながらケース1の端面1B方向へ進行する。この時、第一旋回室8の断面積は徐々に小さくなっているので、旋回気流に含まれる異物へ作用する遠心力は強くなっていく。円筒部材11付近で旋回気流の中心軸20に対する進行方向が反転し、第一旋回室8内の中心付近を通って流出口6へ向かい、装置外へ流出する。
また、第一旋回室8の旋回気流の一部は貫通孔10から第二旋回室9へ指向性を持って流入するため、第二旋回室9内においても第一旋回室8の旋回気流と同方向の旋回気流が発生する。
第二吸気口5から流入した空気は前述した旋回気流によって同方向へ向かう流れとなる。第二吸気口5から流入した空気は第二旋回室9内を周回して貫通孔10より第一旋回室8へ入り、第一旋回室8内の気流と合流して流出口6より装置外へ流出する。
次に本装置に流入した異物を分離する作用について説明する。
第一吸気口4から空気とともに流入した異物(例えば、蚊やショウジョウバエ、キノコバエ、蛾などの小昆虫)は、第一旋回室8内の旋回気流によって遠心力を受け、外周側の空間分割板7付近を周回する。周回している間に、異物が貫通孔10付近を通過するとより外側へ移動しようとするため、この貫通孔10を通って第一旋回室8から第二旋回室9へ移動、つまり分離する。第二旋回室9は分離した異物を受け入れる空間、つまり分離室となっている。
異物は空気に比べて質量が大きいため重力の作用によって、第二旋回室9内の下部である第二吸気口5付近に堆積する。異物が小昆虫などの場合、第二旋回室9に分離した直後は、まだ生きているため、第二旋回室9内を浮遊することができる。しかし、第二旋回室9内にも旋回気流が発生しているため、遠心力を受け第二旋回室9の外周側へ移動することとなり、貫通孔10から第一旋回室8へ戻ることは抑制されるが、その一部は貫通孔10を通り第一旋回室8へ移動する。
その移動した異物は中心軸20方向へ向かっており、第一旋回室8内は旋回気流が発生しているが、異物は慣性力によって中心軸20へ向かい、円筒部材11の側面に衝突し、勢いを失う。円筒部材11付近では旋回気流が存在するため、勢いを失った異物はこの旋回気流によって旋回し、遠心力を受け、空間分割板7側へ移動し、再び貫通孔10を通り第二旋回室9へ移動・分離される。つまり、円筒部材11により第二旋回室へ分離した異物の再飛散現象を抑制することができる。
また、第二吸気口5は第二旋回室9内に一旦貯留された異物を装置外へ排出するための開口でもある。装置外の自然風が無風の場合は、前述したように、第二吸気口5から空気が流入するため、異物は出て行かない。しかし、装置外で自然風が吹き、第二吸気口5の外側で自然風が流れると、ベルヌーイの定理により静圧が低下し、装置内よりも静圧が低下すると、異物は装置外へ引き寄せられ、排出される。本装置では、このように自然風を利用して、第二旋回室9内に一旦貯留した異物を屋外へ排出している。これにより、サイクロン分離装置のメンテナンスが不要となる。
以上のように、ケース1の一端側の周回状の開口部2に複数の固定羽根3を設けた第一吸気口4、ケース1側面で第一吸気口4と反対側の重力方向の最下部に第二吸気口5を設け、ケース1内を空間分割板7で第一旋回室8と第二旋回室9に分割し、空間分割板7に第一旋回室8と第二旋回室9を連通する貫通孔10を設け、主流は第一吸気口4から流入し第一旋回室8を通り流出口6へ流れ、一部の空気は第二吸気口5から流入し第二旋回室9を通り、貫通孔10より第一旋回室8へ抜け流出口6へ流れる構成にすることで、第一吸気口4から空気と共に流入した異物は第一旋回室8で分離され貫通孔10より第二旋回室9へ移動する。第二旋回室9は第一旋回室8で分離した異物を受け入れる分離室の役割を持っている。つまり、本実施の形態のサイクロン分離装置は第一旋回室8の周囲に分離室を設けた構成になっており、さらに分離室である第二旋回室9内の空気は旋回気流となっていることで、分離した異物や、第二吸気口5から流入した異物が貫通孔10より第一旋回室8へ流入することを抑制し、万が一、第二旋回室9から貫通孔10を通って第一旋回室8へ異物が移動しても円筒部材11の作用により、再度異物を分離し第二旋回室9へ戻すことができるので分離性能の低下を抑制、つまり分離性能が向上している。
また、本装置は、建屋の外壁の吸気口部分に風雨を防ぐためのフードとしての利用を想定している。つまり異物を分離する機能の付いたフードである。
屋外外壁に設置された際、雨が降った場合は、第一吸気口4から雨水が流入するが、第一吸気口4は360度開口しているため、そのまま下方へ落下していく。流出口6の端部は第一吸気口4より第一旋回室8側へ突出しているため、雨水が流出口6に直接入ることはない。万が一装置内へ流入しても流出口6はケース1端面の中央部に存在しているため、雨水が流出口6より下流へ浸入する恐れはない。ケース1内へ水しぶきが流入しても、旋回気流によって空間分割板7へ付着させることができる。本実施の形態では、空間分割板7は第一吸気口4へ向かって傾斜しているため、空間分割板7に付着した雨水は第一吸気口4へ流れ出ることとなる。
また、強風が吹いたとしても、第一吸気口4は360度開口しているため、風が抜ける構造である。また前述した構造により風が直接、流出口6へ流入することはない。
つまり、本装置はコンパクトに異物を分離する機能を備えながら、風雨を防ぐフードとしての本来の機能を確実に押さえている。
(実施の形態2)
実施の形態1と同構成の部分は説明を省略する。
実施の形態1と同構成の部分は説明を省略する。
本実施の形態2における特徴的な構成は、図3に示すように、円筒部材11の流出口6側に、円筒部材の中心に円柱状の支持部材12を備え、支持部材12と円筒部材11の外周面とを円弧状に結んだ円弧羽根13を支持部材12の周囲に4枚均等間隔で円形配置している。
図4は、円筒部材11と支持部材12、円弧羽根13を流出口6側から見た図である。黒矢印は第一旋回室8内での旋回気流の向きを表している。円弧羽根13の円弧の湾曲方向は、図4で示すように、第一旋回室8内で発生する旋回気流と同じ向き、つまり円弧羽根13が旋回気流の風を受けるように湾曲している。
本実施の形態では、1枚の円弧羽根13の形状は、180度開いた半円形状をしているが、180度より小さい、つまり湾曲度合いが小さくてもよい。
また、円弧羽根13の中心軸20方向の長さは、円筒部材11よりも長く、流出口6の端部との間に隙間ができる長さとしている。なお、円弧羽根13の長さは、流出口6の端部と重なる位置まで伸ばしてもよい。
このような構成により、旋回気流は、円弧羽根13によって支持部材12側つまり中心軸20付近へ集められ、集まった空気は流出口6側が開口しているため、流出口6側へ向かう流れへと変換される。これにより、再飛散現象を抑制しながら、速やかに流出口6へ気流が流れ出るため、本装置の圧力損失を低減することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1、実施の形態2と同構成の部分は説明を省略する。
実施の形態1、実施の形態2と同構成の部分は説明を省略する。
本実施の形態における特徴的な構成は、図5に示すように、支持部材12の形状が、円錐形状であり、円錐の底面は円筒部材11の径と同等で、円錐の頂点側は流出口6側を向いている。この円錐形状の支持部材12の周囲に円弧羽根13が4枚均等に円形配置されている。流出口6側から見た図としては、図4と同様となり、円弧羽根13の湾曲方向も、実施の形態2で説明したものと同じとなる。
支持部材12が円錐形状になることで、円弧羽根13によって中心軸20側へ集めた旋回気流をよりスムーズに流出口6側へ向きを変換させることが可能となり、本装置の圧力損失をさらに低減させることができる。つまり、再飛散現象を抑制しながら、圧力損失の低いサイクロン分離装置とすることができる。
本発明に係るサイクロン分離装置は、再飛散現象を抑制することで、分離性能の低下を抑制し、圧力損失を低く抑えながら、異物を分離し屋外へ戻すとともに、風雨の進入の防止を可能とするものであるので、建屋の換気口(給気側)に取り付ける屋外フード等として有用である。
1 ケース
1A 端面
1B 端面
2 開口部
3 固定羽根
4 第一吸気口
5 第二吸気口
6 流出口
7 空間分割板
7A 端部
7B 端部
8 第一旋回室
9 第二旋回室
10 貫通孔
11 円筒部材
11A 流出側端面
12 支持部材
13 円弧羽根
20 中心軸
1A 端面
1B 端面
2 開口部
3 固定羽根
4 第一吸気口
5 第二吸気口
6 流出口
7 空間分割板
7A 端部
7B 端部
8 第一旋回室
9 第二旋回室
10 貫通孔
11 円筒部材
11A 流出側端面
12 支持部材
13 円弧羽根
20 中心軸
Claims (4)
- ケースの一端側の側面を周回して設けられ、前記ケースに空気を流入させ、前記ケース内に旋回気流を生じさせる第一吸気口と、
前記ケースの他端側の側面に設けられ、前記ケースの中心軸を水平に配置した状態で、重力方向の最下部に位置する第二吸気口と、
前記ケースの一端側の一端面に設けられ、前記第一吸気口から流入した空気を前記ケース外に流出させる円筒状の流出口と、
前記ケース内において、前記第一吸気口と連通する第一旋回室と、前記第一旋回室よりも外周側に位置して前記第二吸気口と連通する第二旋回室とに分割する空間分割板と、
前記空間分割板に設けられ、前記第一旋回室と前記第二旋回室とを貫通する貫通孔と、
前記第一旋回室内の前記ケースの他端側に設けられた円筒部材と、
を備え、
前記流出口と前記円筒部材とは、それぞれの中心軸を前記ケースの前記中心軸と同一に配置されており、
前記円筒部材を側面視した場合、前記円筒部材の前記流出口側の端面は、前記貫通孔の前記中心軸方向において前記貫通孔と重なる範囲に位置していることを特徴とするサイクロン分離装置。 - 前記第一旋回室は、前記ケースの一端側から前記ケースの他端側に向かって、前記ケースの前記中心軸と垂直な断面積が徐々に小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサイクロン分離装置。
- 前記円筒部材の端面に設けられ、前記ケースの前記中心軸と同一に配置された支持部材をさらに備え、
前記支持部材は、前記ケースの前記中心軸から外周側に向かって円弧状に湾曲した複数の円弧羽根を有し、
前記円弧羽根の湾曲方向は、前記第一吸気口によって発生する旋回気流の回転方向と同じ方向であることを特徴とする請求項1または2に記載のサイクロン分離装置。 - 前記支持部材は、前記円筒部材の端面と同じ径となる底面を有する円錐形状であり、前記支持部材を側面視した場合、頂点が前記流出口側となるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載のサイクロン分離装置。
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