JP2018127452A - 炎症を伴う肝疾患の治療または予防剤 - Google Patents

炎症を伴う肝疾患の治療または予防剤 Download PDF

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Abstract

【課題】肝障害を軽減または予防することができ、安全性の高い、炎症を伴う肝疾患の治療または予防手段の提供。【解決手段】炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する、炎症を伴う肝疾患の治療または予防剤。【選択図】なし

Description

本発明は、炎症を伴う肝疾患の治療または予防剤に関する。
近年、肥満や糖尿病など生活習慣病患者の増加に比例して、飲酒習慣のない脂肪肝による疾患群である非アルコール性脂肪性疾患(NAFLD)の患者が増加している。国内では1500〜2000万人程度のNAFLD患者がいると考えられている(非特許文献1)。NAFLDのうち、良性の単純性脂肪肝をNAFL(non-alcoholic fatty liver)と呼ぶが、一部は慢性の肝炎である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に進行する。
NASHの患者数は、国内で200万人を超えると言われている。一部の患者では、NASHは肝硬変、さらには肝がんにまで進行することが明らかにされている。NASH患者の10〜29%で肝硬変へと進行し、そのうち4〜27%が肝がんへと進行すると考えられている(非特許文献2)。
ウイルス性肝炎の治療の進歩により肝炎ウイルス起因の肝がんが減少している現在、NASHは肝疾患の中で最も重要な治療対象となってきている。NASHの治療は、インスリン抵抗性改善剤、抗酸化剤、肝移植等によって行われている。しかしながら、未だ確立された治療方法は存在しないのが現状である。したがって、副作用を発現せず、安全でかつ十分な治療効果を挙げ得るNASH治療薬が切望されている。
従来のNASHモデル動物系としては、メチオニン・コリン欠乏食、コリン欠乏・L-アミノ酸制限食、メチオニン欠乏・L-アミノ酸制限食、コリン欠乏・L-アミノ酸制限・高脂肪食などの飼料の成分組成を改変してNASHを誘導する系、および遺伝子改変動物であるob/obマウス、db/dbマウス、PtenKOマウスなどを用いた系が報告されている。また最近、STAMマウスと呼ばれるNASHモデルマウスが報告された(非特許文献3)。このマウスは、生後2日後にストレプトゾトシン(STZ)を注射し、膵臓のβ細胞を障害して糖尿病を誘導し、生後4−5週目から高脂肪食を与えて飼育すると6週齢で脂肪肝、8週齢でNASHを発症、10週齢で線維化、16週齢で肝がんを発症し、20週齢でほぼ100%の動物が肝がんに至るモデルとして、市販され注目されているマウスである。それぞれの系に一長一短があるが、STAMマウスの系では、比較的早期にNASHを誘導することが可能であり、ヒトの臨床症状と近い病態を示す。また、16〜20週間という短期間で肝がんまで発症することもSTAMマウスの特徴である。
これまでに、サンマ油やスケトウダラ油に多く含まれる長鎖モノ不飽和脂肪酸(LC-MUFA)であるC20:1やC22:1の生理作用について、肥満モデルや糖尿病モデル動物を用いて検討されており、血液中総コレステロール低下作用、およびインスリン抵抗性改善、血糖値改善等のメタボリックシンドローム改善作用が見出されている(特許文献1および非特許文献4〜7)。
WO2012/121080
実験医学, Vol. 32, No.5(増刊), 142-148, 2014 Science, 332, 1519, 2011 Med. Mol. Morphol., 46, 3, 141-152, 2013 Lipids, 46, 5, 425, 2011 J Agric Food Chem., 59, 13, 7482, 2011 Lipids Health Dis., 10, 189, 2011 Nutr Metab., 10, 16, 2013
NASH、アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肝がん、B型肝炎、C型肝炎などの炎症を伴う肝疾患では、共通して、肝臓を構成する肝細胞の破壊などの肝障害が生じる。したがって、肝障害を軽減または予防することが肝疾患の治療または予防において重要であると考えられる。
本発明は、肝障害を軽減または予防することができる、安全性の高い、炎症を伴う肝疾患の治療または予防手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、サンマ魚油、LC-MUFA濃縮油、C20:1分画油およびC22:1分画油が、STAMマウスにおける血清中の肝障害マーカー(AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)およびALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ))の値の上昇を抑える作用を有することを見出した。またそれらは、炎症細胞の一つであるマクロファージのマーカーであるCD14、単球およびマクロファージに対する遊走作用を有するケモカインであるMCP-1、および炎症性サイトカインであるTNF-αの血清中の値の上昇を抑える傾向を示した。これらの結果から、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する組成物により、肝障害を軽減または予防し、炎症を伴う肝疾患を治療または予防し得ることが示された。
本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する、炎症を伴う肝疾患の治療または予防剤。
[2]炎症を伴う肝疾患が、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、または肝がんである、[1]に記載の剤。
[3]有効成分が、炭素数20のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分、炭素数22のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分、またはそれらの組み合わせである、[1]または[2]に記載の剤。
[4]有効成分が、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸のエチルエステルである、[1]〜[3]のいずれかに記載の剤。
[5]有効成分が、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含むグリセリドである、[1]〜[3]のいずれかに記載の剤。
[6]有効成分が魚油由来である、[1]〜[5]のいずれかに記載の剤。
[7]魚油がサンマ油である、[6]に記載の剤。
[8]剤中の総脂肪酸に対する炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸の割合が、25重量%以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の剤。
[9]剤中の総脂肪酸に対する炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸の割合が、50重量%以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の剤。
[10]剤中の総脂肪酸に対するエイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸の合計の割合が、1重量%以下である、[1]〜[9]のいずれかに記載の剤。
[11]炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する、炎症を伴う肝疾患の治療または予防のための食品組成物。
[12]炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する、炎症を伴う肝疾患の治療または予防のための医薬組成物。
本発明により、炎症を伴う肝疾患の治療または予防手段を提供される。特に、本発明により、安全性が高く、継続的に摂取することが可能な、炎症を伴う肝疾患の治療または予防のための医薬組成物および食品組成物が提供される。
実施例3の各試験群の血清中ALTおよびAST値を示す図である。★は、p<0.05を示す。 実施例3の各試験群の肝臓における炎症関連遺伝子の発現量を示す図である。★は、p<0.05を示す。 実施例4の各試験群の血清中ALTおよびAST値を示す図である。 実施例4の各試験群の肝臓における炎症および線維化マーカー遺伝子の発現量を示す図である。★★は、p<0.01を示す。 実施例4の各試験群の肝臓におけるシリウスレッド陽性部位(面積%)を示す図である。 実施例5の各試験群の血清中ALTおよびAST値を示す図である。 実施例5の各試験群の肝臓における炎症関連遺伝子の発現量を示す図である。 実施例5の各試験群の肝臓におけるシリウスレッド陽性部位(面積%)を示す図である。
以下、本発明をより具体的に説明する。
なお本明細書中、以下の略号を使用する場合がある。
MUFA:モノ不飽和脂肪酸
LC-MUFA:長鎖モノ不飽和脂肪酸のうちC20:1およびC22:1の異性体の総称
本発明は、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する、炎症を伴う肝疾患の治療または予防剤(以下、本発明の治療または予防剤という場合がある)を提供する。
本発明で使用される炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩、またはそのエステルは、特に限定されず、医薬品用または食品用として許容されるものであればよい。炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含有するグリセリドは、公知の方法により製造することができ、例えばWO1996/26647などに記載された煮取法により、天然物由来の油脂として製造することもできる。天然物由来の油脂としては、海産物油(例えば、サンマ油などの魚油、アザラシ、クジラなどの哺乳動物の油脂など)、微生物油などが挙げられる。後述の通り、魚油は炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸の含有量が高い。したがって本発明の治療または予防剤の有効成分は、魚油(例えばサンマ油)由来であることが好ましい。また、遊離の炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびグリセリド以外のエステルは、例えば上記グリセリドを原料として公知の方法により調製することができる。
例えばサンマ原油は、通常、その他の魚油と同様に以下のような方法で採取される。サンマ全体または水産加工から発生する魚の頭、皮、中骨、内臓等の加工残滓を粉砕して蒸煮した後、圧搾して煮汁(スティックウォーター、SW)と圧搾ミールに分離する。煮汁とともに得られる油脂を煮汁から遠心分離により分離する。
五訂日本食品標準成分表には、サンマ(生)の脂肪酸中に含まれるドコセン酸(C22:1)は19.3重量%、イコセン酸(C20:1)は17.2重量%、モノ不飽和脂肪酸の総量は50.1重量%であると記載されている。サンマ油は魚油の中でもモノ不飽和脂肪酸の含有量が多いのが特徴である。
魚油の原油は、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭工程などの精製工程を経て精製魚油とされる。MUFA供給源として、この精製魚油を用いることもできる。
また、さらにモノ不飽和脂肪酸の濃度を高めた油を使用する場合には、リパーゼ反応を用いて濃縮する方法や、エチルエステル化してからモノ不飽和脂肪酸エチルエステルを濃縮し、その後グリセリンとエステル交換してトリグリセリドに再構成する方法などにより、MUFAが濃縮されたトリグリセリドを得ることができる。
本発明の治療または予防剤においては、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸以外の脂肪酸(例えば、n-3系多価不飽和脂肪酸)の含有量は低くてもよい。一態様において、本発明の治療または予防剤中の総脂肪酸に対するエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、およびドコサヘキサエン酸(DHA)の合計の割合は、1重量%以下であってもよい。
炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸としては、炭素数20のモノ不飽和脂肪酸(C20:1)(例えばC20:1 n-11、C20:1 n-9、C20:1 n-7)、炭素数22のモノ不飽和脂肪酸(C22:1)(例えばC22:1 n-11、C22:1 n-9、C22:1 n-7)、炭素数24のモノ不飽和脂肪酸(C24:1)(例えばC24:1 n-9)などが挙げられる。好ましい態様において、本発明の治療または予防剤の有効成分は、C20:1、その塩およびそのエステルから選択される成分、C22:1、その塩およびそのエステルから選択される成分、またはそれらの組み合わせである。
C22:1およびC20:1は、魚種により含有量が異なるが、含有量が多い魚種としては、サンマなどサンマ科に属する魚、マダラ、スケトウダラ、タイセイヨウダラ、ギンダラなどのタラ科に属する魚、シロザケ、ギンザケ、ベニザケ、カラフトマス、タイヘイヨウサケ、ニジマスなどのサケ科の魚、カラフトシシャモ、シシャモなどのキュウリウオ科の魚、ニシンなどのニシン科の魚などが例示される。このほか、イカナゴ、マグロ、サバ、キンメダイなどの魚にも比較的多く含まれている。また、アブラツノザメ、ウバザメ、ギンザメなどのサメ類の肝油にも多く含まれる。本発明においては、これらの魚から調製された魚油をそのまま、精製して、または濃縮して使用することができる。
なお本明細書中、剤(または組成物)中の総脂肪酸に対する当該脂肪酸の割合(重量%)は、特に明記しない限り、「五訂増補日本食品標準成分表分析マニュアル」(文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会食品成分委員会資料(平成16年))に従い、剤(または組成物)中の成分をエステル化した後、ガスクロマトグラフィーにより測定した値に基づいて算出される。脂肪酸の含有量という場合も、上記の総脂肪酸に対する当該脂肪酸の割合(重量%)を意味する。
本発明における炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸の塩としては、カリウム塩およびナトリウム塩などが例示される。また、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸のエステルとしては、炭素数5以下の低級アルコールのエステル(例えばメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、i−プロピルエステル、n−ブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、n−ペンチルエステルなど)、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドなどのグリセリンとのエステル(すなわちグリセリド)、並びにリン脂質などが例示され、好ましくは、グリセリドまたはエチルエステルである。
本発明における炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸として、遊離の炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸を含有する天然物由来の油脂をそのまま、精製して、または濃縮して使用してもよい。また炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸のエステルとして、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリドを含有する天然物由来の油脂をそのまま、精製して、または濃縮して使用してもよい。
また炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸のエステルとして、天然物由来の油脂をエステル化した後、高速液体クロマトグラフィーなどにより分画して得られる分画油を使用することもできる。分画油としては、C20:1が濃縮された分画油、C22:1が濃縮された分画油、C24:1が濃縮された分画油などが挙げられる。
本発明における炎症を伴う肝疾患としては、ウイルス性肝炎、アルコール性脂肪肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、薬剤性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変などの一般的に肝炎と呼ばれる疾患、ならびにそれらの疾患から進行した肝硬変および肝がんが挙げられるが、これらに限定されない。一態様において、本発明の治療または予防剤は、特に、非アルコール性脂肪肝炎ならびに当該疾患から進行した肝硬変および肝がんの治療または予防に使用することができる。
炎症を伴う肝疾患に対する治療または予防効果は、例えば肝障害マーカーとして知られているAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)およびALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の血清中の濃度、炎症細胞の一つであるマクロファージのマーカーであるCD14の肝臓組織中の発現量、単球およびマクロファージに対する遊走作用を有するケモカインであるMCP-1の肝臓組織中の発現量、ならびに炎症性サイトカインであるTNF-αの肝臓組織中の発現量を指標として評価することができる。本発明の治療または予防剤は、STAMマウス(Med. Mol. Morphol., 46, 3, 141-152, 2013)に投与された場合、対照群(非投与群)と比較してこれらのマーカーの値の上昇を抑えることができる。
本発明の治療または予防剤は、必要に応じ、公知の他の肝臓機能改善作用を有する成分を含有していてもよい。例えば、抗酸化剤、ビタミン類、アミノ酸などを併用することができる。抗酸化剤の例としては、トコフェロール、乾燥酵母、グルタチオン、リポ酸、ケルセチン、カテキン、コエンザイムQ10、エンゾジノール、プロアントシアニジン類、アントシアニジン、アントシアニン、カロチン類、リコピン、フラボノイド、リザベラトロール、イソフラボン類、亜鉛、メラトニン、イチョウ葉、月桃葉、ハイビスカス、又はそれらの抽出物が挙げられる。
本発明の治療または予防剤は、医薬組成物、食品組成物(例えば機能性食品、健康食品、サプリメントなど)などに適した形態、例えば顆粒剤(ドライシロップを含む)、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、錠剤(チュアブル剤などを含む)、散剤(粉末剤)、丸剤などの各種の固形製剤、又は内服用液剤(液剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)などの液状製剤などの形態で調製してもよい。例えば本発明の治療または予防剤は、精製した魚油をゼラチン皮膜に充填したソフトカプセルとして製剤化することができる。
製剤化のための添加物としては、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、分散剤、湿潤剤、防腐剤、粘稠剤、pH調整剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、溶解補助剤が挙げられる。また、液剤の形態にする場合は、ペクチン、キサンタンガム、グアガムなどの増粘剤を配合することができる。また、コーティング剤を用いてコーティング錠剤にしたり、ペースト状の膠剤とすることもできる。さらに、他の形態に調製する場合であっても、従来の方法に従えばよい。
本発明の治療または予防剤は、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する食品組成物の形態をとることができる。本発明において、食品組成物は、飲料を含む食品全般を意味し、サプリメントなどの健康食品を含む一般食品の他、消費者庁の保健機能食品制度に規定される特定保健用食品や栄養機能食品をも含む。たとえば、炎症を伴う肝疾患の治療または予防効果を有する旨の表示を付した機能性食品が提供される。たとえば、魚油を含有する食品をそのまま提供することができる。また、本発明の食品組成物は、他の食品に添加し、混合し、または塗布することなどにより炎症を伴う肝疾患の治療または予防効果を付与するための、食品素材も含む。食品の他に、動物用の餌料などとして提供することもできる。
本発明の治療効果または予防効果を、包装容器、製品の説明書、パンフレットに表示して本発明の係る製品を販売することは本発明の範囲に含まれる。またテレビ、インターネットのウェブサイト、パンフレット、新聞、雑誌などに本発明の効果を表示して、本発明に係る製品を宣伝・販売することも本発明の範囲に含まれる。
本発明の治療または予防剤は、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を、炎症を伴う肝疾患の治療または予防効果を奏するのに必要な量で含有することができる。好ましい態様として、本発明の治療または予防剤中の総脂肪酸に対する炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸の割合は、25重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、または90重量%以上である。
一態様として、本発明の治療または予防剤の有効成分が炭素数20のモノ不飽和脂肪酸(例えばC20:1 n-11、C20:1 n-9、C20:1 n-7)、その塩およびそのエステルから選択される成分である場合、本発明の治療または予防剤中の総脂肪酸に対する炭素数20のモノ不飽和脂肪酸の割合は、25重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、または90重量%以上である。
一態様として、本発明の治療または予防剤の有効成分が炭素数22のモノ不飽和脂肪酸(例えばC22:1 n-11、C22:1 n-9、C22:1 n-7)、その塩およびそのエステルから選択される成分である場合、本発明の治療または予防剤中の総脂肪酸に対する炭素数22のモノ不飽和脂肪酸の割合は、25重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、または90重量%以上である。
本発明において対象が摂取する炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分の量は特に限定されず、例えば、所望の効果を得るための有効量以上の量で摂取される。ここで所望の効果を得るための有効量とは、炎症を伴う肝疾患の治療または予防のために必要な量をいう。例えば、症状の程度、対象の年齢、体重および健康状態などの条件に応じて、成人であれば100 mg〜10 g/kg/日、好ましくは300 mg〜3000 mg/kg/日の炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を、1日1回または2〜4回以上に分割して、適宜間隔をあけて摂取させることができる。また、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分は、強い副作用を有するものではないので、1日の摂取量に制限はない。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
なお実施例中、%表示されているものは、特記なければ、重量%である。
[実施例1]
LC-MUFA含有サンマ濃縮油の調製
C22:1およびC20:1を含むサンマ油としては、サンマ原油をシリカゲルおよび活性白土によって脱色し、さらに水蒸気蒸留によって脱臭した精製サンマ油を使用した。LC-MUFA濃縮サンマ油の調製は、以下のとおりに行った。サンマ油をエチルエステル化してオクタデシル化シリカゲル(ODS)カラムに付し、モノ不飽和脂肪酸エチルエステルの画分を分取して濃縮した。
ガスクロマトグラフィーにて測定したLC-MUFA濃縮油の脂肪酸組成を表1に示す。表1の値は、総脂肪酸量を100%とした時の各脂肪酸の割合(%)を示す。
Figure 2018127452
このサンマLC-MUFA濃縮油は、トリグリセリド100%の脂質組成を有し、C20:1およびC22:1の合計の含有量が約59%まで濃縮されていた。またこの操作の過程でn-3系PUFAであるEPA、DPA、およびDHAを1%以下に除去した。
[実施例2]
C20:1またはC22:1分画油の調製
実施例1に記載したエチルエステル化したサンマ油を、ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにて分画し、C20:1分画油、C22:1分画油を得た。分画油の脂肪酸組成は、上記と同様にガスクロマトグラフィーにて測定した。
C20:1 C22:1分画油の脂肪酸組成を表2に示す。表2の値は、総脂肪酸量を100%とした時の各脂肪酸の割合(%)を示す。
Figure 2018127452
[実施例3]
NASHモデルマウスに対するサンマLC-MUFA濃縮油の効果
STAMマウスを用いて、サンマLC-MUFA濃縮油の抗炎症作用を調べた。
[試験方法]
(株)ステリック再生医科学研究所からSTAMマウス5週齢雄32匹を購入し、徳島大学医学部栄養学科棟にある動物実験施設に搬入した。STAMマウスは、4週齢時の離乳からCE-2粉末飼料(日本クレア)を与えて飼育した。5週齢から、以下の2群に分けて飼育を開始した。
・粉末状の高脂肪食HFD32(日本クレア)を負荷したHFD32群(対照群)(飼料中の脂肪分:紅花油20%、牛脂12.7%)
・HFD32中の紅花油の3.7%をサンマLC-MUFA濃縮油に置換した飼料を負荷したMUFA群(飼料中の脂肪分:紅花油16.3%、LC-MUFA濃縮油3.7%、牛脂12.7%、)
10週齢で各群8匹をサンプリングした。
各試験試料中の脂肪酸組成を表3に示す。
Figure 2018127452
[剖検]
10 mg/mlのペントバルビタールナトリウム(ソムノペンチル)で麻酔(50 mg/kg BW)後、心臓から全採血し、肝臓を摘出した。採取した血液から調製した血清をオリエンタル酵母工業株式会社に送付し、生化学項目を測定した。
[シリウスレッド染色]
肝臓を、中性ホルマリン(マイルドホルム)で固定し、常法にしたがってパラフィン切片を作成した。パラフィン切片をシリウスレッド染色液(ワンギーソン液P160mLにDirectRed 0.16gを溶解)に90分浸漬し、0.1%塩酸エタノールで余分なシリウスレッド染色液を切片から除去し、水洗後、常法に従って、脱水、透徹、封入した。
[リアルタイムPCR]
摘出した肝臓のtotalRNAをRNeasy mini kit(キアゲン)を用いてキット添付のプロトコールにしたがって抽出した。抽出したtotalRNAをcDNA合成キット(PrimeScript II 1st strand cDNA synthesis kit、タカラバイオ)でcDNA合成し、SYBR Green 1(FastSYBR Green Master Mix、Applied Biosystems)を用いてリアルタイムPCR(StepOnePlus real-time PCR system、Applied Biosystems)に供した。リファレンス遺伝子としてGAPDHを用いて、ΔΔCt法で相対値を算出した。用いたプライマーは、Primer Bankから入手、またはPrimer BLASTにて設計した。プライマーの配列リストを表4に示す。
Figure 2018127452
[統計学的解析]
データは、平均値±標準誤差で示し、各群間の有意差検定には統計ソフト(GraphPad Prism 6)を用いてWelch’s t-testを行った。有意水準は0.05%及び0.01%とした。
[結果]
STAMマウスでは、肝障害マーカーであるALTおよびASTがNASH様症状の発症にしたがって上昇することが報告されている(非特許文献3)。ヒトのNASHにおいてもALTおよびASTの上昇は病態を反映する有力なマーカーとなっている。血清中のALTは、MUFA群で有意に低く、ASTも同様に低値を示した(図1)。
STAMマウスの肝臓では、8〜9週齢時までに炎症細胞の浸潤、炎症、および線維化が生じるが、各症状の鍵遺伝子である、炎症細胞の一つであるマクロファージのマーカーであるCD14、単球およびマクロファージへの遊走作用を有するケモカインであるMCP-1、ならびに炎症性サイトカインであるTNF-αの遺伝子発現量は、対照群と比較してMUFA群で低値傾向を示した(図2)。
また肝臓の線維化を調べるためにシリウスレッド染色を行った結果、対照群と比較してMUFA群で、シリウスレッド陽性の面積の割合が低い傾向が見られ、肝臓の繊維化が抑制されていることが示唆された。
以上の結果から、サンマLC-MUFA濃縮油に肝障害マーカーであるALTおよびASTの値を低下させる作用があり、また肝臓の炎症細胞浸潤、炎症細胞遊走、および線維化を抑制する作用を有することが示唆された。
[実施例4]
NASHモデルマウスにおけるサンマLC-MUFA濃縮油の濃度依存性試験
STAMマウスを用いて、サンマLC-MUFA濃縮油のNASHに対する効果の濃度依存性を調べた。
[試験方法]
STAMマウスは、4週齢時の離乳からCE-2粉末飼料を与えて飼育した。5週齢から4群に分け、固形状の高脂肪食HFD32(日本クレア)を与えて飼育した。
1. Vehicle群
2. MUFA (1 g/kg) 群
3. MUFA (3 g/kg) 群
4. MUFA (10 g/kg) 群
MUFA群(第2〜4群)には、サンマLC-MUFA濃縮油を超音波処理によって1.5%ポリグリエステル(M-10D、三菱化学フーズ)に懸濁したものを、10 ml/kgの投与容量にて1、3、または10 g/kgの用量になるように経口ゾンデを用いて1日1回、4週間投与した。Vehicle群には、溶媒である1.5%ポリグリエステル溶液を同様に投与した。
また、正常マウス群として、STZ処置をしていない同腹の子を通常食(CE-2)で飼育したNormal群を設定した。
5. Normal群
[剖検]
実施例3と同様に、10 mg/mlのペントバルビタールナトリウム(ソムノペンチル)で麻酔(50 mg/kg BW)後、心臓から全採血し、肝臓を摘出した。採取した血液から調製した血清をオリエンタル酵母工業株式会社に送付し、生化学項目を測定した。シリウスレッド染色およびリアルタイムPCRは実施例3と同様に行った。
[統計学的解析]
データは、平均値±標準誤差で示し、各群間の有意差検定には統計ソフト(GraphPad Prism 6)を用いてKruskal-Wallis testおよびDunn’s multiple comparison testを行った。有意水準は0.05%及び0.01%とした。
[結果]
血清中のALTおよびASTは、対照群であるVehicle群と比較してMUFA群で低い値を示す傾向が見られ、特にMUFA (3 g/kg) 群でその傾向が顕著であった(図3)。
炎症性サイトカインであるTNF-αの発現量についてリアルタイムPCRにより調べた結果、ALTおよびASTと同様に、Vehicle群と比較してMUFA群で低い値を示した(図4上パネル)。
また、線維化のマーカーであるコラーゲンタイプ1α1の発現量は、MUFA (3 g/kg)群およびMUFA (10 g/kg) 群で低い値を示した(図4下パネル)。
肝臓のシリウスレッド染色の結果から、有意差はないものの、Vehicle群と比較してMUFA群でシリウスレッド陽性の面積の割合が低い傾向が見られた(図5)。
[実施例5]
NASHモデルマウスに対するC20:1分画油およびC22:1分画油の効果
STAMマウスを用いて、C20:1分画油およびC22:1分画油のNASHに対する効果を調べた。
[試験方法]
STAMマウスは、4週齢時の離乳からCE-2粉末飼料を与えて飼育した。5週齢から3群に分け、固形状の高脂肪食(HFD32)を与えて飼育した。
1. Vehicle群
2. C20:1 (3 g/kg) 群
3. C22:1 (3 g/kg) 群
第2および3群には、C20:1分画油またはC22:1分画油を超音波処理によって1.5%ポリグリエステル(M-10D、三菱化学フーズ)に懸濁したものを、10 ml/kgの投与容量にて3 g/kgの用量になるように経口ゾンデを用いて1日1回、4週間投与した。Vehicle群には、溶媒である1.5%ポリグリエステル溶液を同様に投与した。
[剖検]
実施例3と同様に、10 mg/mlのペントバルビタールナトリウム(ソムノペンチル)で麻酔(50 mg/kg BW)後、心臓から全採血し、肝臓を摘出した。採取した血液から調製した血清をオリエンタル酵母工業株式会社に送付し、生化学項目を測定した。シリウスレッド染色およびリアルタイムPCRは実施例3と同様に行った。
[統計学的解析]
データは、平均値±標準誤差で示し、各群間の有意差検定には統計ソフト(GraphPad Prism 6)を用いてKruskal-Wallis testおよびDunn’s multiple comparison testを行った。有意水準は0.05%及び0.01%とした。
[結果]
血清中のALTおよびASTは、Vehicle群と比較してC20:1 (3 g/kg) 群およびC22:1 (3 g/kg) 群で低い値を示した(図6)。
TNF-αおよびコラーゲンタイプ1α1遺伝子の発現量もVehicle群と比較してC20:1 (3 g/kg) 群およびC22:1 (3 g/kg) 群で低い値を示した(図7)。
また、シリウスレッド染色の結果でも、Vehicle群と比較してC20:1 (3 g/kg) 群およびC22:1 (3 g/kg) 群でシリウスレッド陽性の面積の割合が低い傾向が見られ、分画油によって肝臓の繊維化が抑制されていることが示唆された(図8)。
以上の結果から、C20:1分画油およびC22:1分画油ともに肝障害、肝臓の炎症、および肝臓の線維化を抑制する作用を有することが示唆された。
[実施例6]
サンマ油含有カプセルの製造
精製サンマ油は、原料であるサンマから粉砕、加熱、固液分離、および油水分離によりサンマ原油を調製した後、脱ガム・脱酸・脱色工程を経て分子蒸留を行い精製することにより製造した。一般的に用いられている打ち抜き法により精製サンマ油をゼラチン皮膜で成形・充填したソフトカプセルを作製した。具体的には、精製サンマ油とグリセリン及びゼラチンを調合したゼラチン皮膜とをそれぞれろ過し、これを成形・充填してソフトカプセルとした。さらに、乾燥、仕上げ、外観検査、包装の順に行い、サンマ油含有カプセルを製造した。1粒あたり350 mgの精製サンマ魚油を含む。
精製サンマ油の脂肪酸組成を表5に示す。
Figure 2018127452
また、サンマ油含有カプセルの一般成分を表6に示す。
Figure 2018127452
[実施例7]
LC-MUFA含有サンマ濃縮油の調製
C22:1およびC20:1を含むサンマ油としては、サンマ原油をアルカリにより脱酸を行った後、活性白土により脱色した精製サンマ油を使用した。LC-MUFA濃縮サンマ油の調製は、以下のとおりに行った。精製サンマ油をエチルエステル化してオクタデシル化シリカゲル(ODS)カラムに付し、モノ不飽和脂肪酸エチルエステルの画分を分取して濃縮した。
LC-MUFA濃縮油の脂肪酸組成を、AOCS official method Celb-89に従い、組成物中の成分をエステル化した後、ガスクロマトグラフィーにて測定した。AOCS official method Ce1b-89に従うガスクロマトグラフィーの分析条件は以下の通りである。
装置:Agilent6890N GC system(Agilent社)
カラム:DB-WAX(Agilent Technologies, 30m x 0.25mm ID, 0.25μm film thickness)
キャリアガス:ヘリウム(1.0mL/min, コンスタントフロー)
注入口温度:250℃
注入量:1μL
注入法:スプリット
スプリット比:20:1
カラムオーブン:180℃ - 3℃/min - 230℃
検出器:FID
検出器温度:250℃
本実施例のLC-MUFA濃縮油の脂肪酸組成は、表1に記載の実施例1のLC-MUFA濃縮油の脂肪酸組成と同様であった。また本実施例のLC-MUFA濃縮油を使用して実施例2〜5と同様の試験を行ったところ、実施例2〜5と同様の結果が得られた。
本発明により、炎症を伴う肝疾患に対する治療および予防効果を有し、かつ長期摂取しても安全な医薬組成物および食品組成物を提供することができる。
配列番号1:MCP−1 Fプライマー
配列番号2:MCP−1 Rプライマー
配列番号3:TNF−α Fプライマー
配列番号4:TNF−α Rプライマー
配列番号5:CD14 Fプライマー
配列番号6:CD14 Rプライマー
配列番号7:コラーゲンタイプ1α1 Fプライマー
配列番号8:コラーゲンタイプ1α1 Rプライマー
配列番号9:GAPDH Fプライマー
配列番号10:GAPDH Rプライマー

Claims (12)

  1. 炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する、炎症を伴う肝疾患の治療または予防剤。
  2. 炎症を伴う肝疾患が、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、または肝がんである、請求項1に記載の剤。
  3. 有効成分が、炭素数20のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分、炭素数22のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分、またはそれらの組み合わせである、請求項1または2に記載の剤。
  4. 有効成分が、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸のエチルエステルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の剤。
  5. 有効成分が、炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含むグリセリドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の剤。
  6. 有効成分が魚油由来である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の剤。
  7. 魚油がサンマ油である、請求項6に記載の剤。
  8. 剤中の総脂肪酸に対する炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸の割合が、25重量%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の剤。
  9. 剤中の総脂肪酸に対する炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸の割合が、50重量%以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の剤。
  10. 剤中の総脂肪酸に対するエイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸の合計の割合が、1重量%以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の剤。
  11. 炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する、炎症を伴う肝疾患の治療または予防のための食品組成物。
  12. 炭素数20以上のモノ不飽和脂肪酸、その塩およびそのエステルから選択される成分を有効成分として含有する、炎症を伴う肝疾患の治療または予防のための医薬組成物。
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