JP2018127091A - スリップ検出システム、スリップ検出方法及びスリップ検出プログラム - Google Patents

スリップ検出システム、スリップ検出方法及びスリップ検出プログラム Download PDF

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Yasumichi Wakao
泰通 若尾
知幸 羽根田
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Abstract

【課題】直進時におけるタイヤのスリップを高精度かつ効率的に検出できるスリップ検出システム、スリップ検出方法及びスリップ検出プログラムを提供する。【解決手段】スリップ検出システム100は、タイヤ周方向における加速度を検出する加速度検出部111と、第1周波数領域の第1加速度データに基づいて、タイヤの接地領域を検出する接地領域検出部123と、第1周波数領域よりも高周波数である第2周波数領域の第2加速度データに基づいて、タイヤの周方向における振動発生位置を検出する振動発生位置検出部125と、検出された接地領域と振動発生位置とに基づいて、タイヤのスリップ度を算出するスリップ度算出部127とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤのスリップを検出するスリップ検出システム、スリップ検出方法及びスリップ検出プログラムに関する。
空気入りタイヤ(以下、タイヤ)のスリップ検出方法として、タイヤの径方向(ラジアル方向)の加速度を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
具体的には、特許文献1に開示されている方法では、タイヤが一回転する間における径方向の加速度のデータ、つまり、タイヤ全周分の加速度データに基づいて、タイヤの径方向におけるタイヤの変形量を算出し、当該変形量からタイヤの接地領域を特定している。
さらに、同方法では、当該加速度データの高周波成分の振幅に基づいて、接地領域内における滑り領域を特定している。
特許第4604677号公報
上述した従来のスリップ検出方法では、タイヤの接地領域を特定するために、タイヤ一周分における径方向の加速度データが必要となる。
しかしながら、路面とのスリップが発生するのは、当然ながらタイヤの接地領域内に限られており、スリップを検出するには必ずしも必要ない加速度データについても取得しているとも言える。このような必ずしも必要ない加速度データの取得は、タイヤの内面に設けられ、小型のバッテリなど、電力源が制限される加速度センサーにおいては実用的ではない。
また、上述した従来のスリップ検出方法では、タイヤの横滑りを検出すること、つまり、タイヤのスリップ角が発生している場合におけるスリップの検出に主眼がおかれているため、スリップ角が発生していない場合、つまり、直進時における高精度なスリップの検出については困難である。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、直進時におけるタイヤのスリップを高精度かつ効率的に検出できるスリップ検出システム、スリップ検出方法及びスリップ検出プログラムの提供を目的とする。
本発明の一態様に係るスリップ検出システム(スリップ検出システム100)は、タイヤ(空気入りタイヤ10)の内面に設けられ、タイヤ周方向における加速度を検出する加速度検出部(加速度検出部111)と、前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれる第1周波数領域(低周波数領域)の第1加速度データに基づいて、前記タイヤの接地領域を検出する接地領域検出部(接地領域検出部123)と、前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれ、前記第1周波数領域よりも高周波数である第2周波数領域(高周波数領域)の第2加速度データに基づいて、前記タイヤの周方向における振動発生位置(振動発生位置P)を検出する振動発生位置検出部(振動発生位置検出部125)と、前記接地領域検出部によって検出された前記接地領域と、前記振動発生位置検出部によって検出された前記振動発生位置とに基づいて、前記タイヤのスリップ度を算出するスリップ度算出部(スリップ度算出部127)とを備える。
本発明の一態様に係るスリップ検出方法は、タイヤの内面に設けられ、タイヤ周方向における加速度を検出する加速度検出部を用い、前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれる第1周波数領域の第1加速度データに基づいて、前記タイヤの接地領域を検出するステップと、前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれ、前記第1周波数領域よりも高周波数である第2周波数領域の第2加速度データに基づいて、前記タイヤの周方向における振動発生位置を検出するステップと、前記接地領域と、前記振動発生位置とに基づいて、前記タイヤのスリップ度を算出するステップとを含む。
本発明の一態様に係るスリップ検出プログラムは、タイヤの内面に設けられ、タイヤ周方向における加速度を検出する加速度検出部を用い、コンピュータに、前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれる第1周波数領域の第1加速度データに基づいて、前記タイヤの接地領域を検出する処理と、前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれ、前記第1周波数領域よりも高周波数である第2周波数領域の第2加速度データに基づいて、前記タイヤの周方向における振動発生位置を検出する処理と、前記接地領域と、前記振動発生位置とに基づいて、前記タイヤのスリップ度を算出する処理とを実行させる。
本発明に係るスリップ検出システム、スリップ検出方法及びスリップ検出プログラムによれば、直進時におけるタイヤのスリップを高精度かつ効率的に検出できる。
図1は、スリップ検出システム100の全体概略構成図である。 図2は、スリップ検出システム100の機能ブロック構成図である。 図3は、スリップ検出システム100の動作フローである。 図4は、加速度データ(波形)の一例を示す図である。 図5は、図4に示した加速度データから抽出された低周波成分と、高周波振動成分とを示す図ある。 図6(a)は、空気入りタイヤ10の踏み込み側接地端及び蹴り出し側接地端の位置関係を示し、図6(b)は、加速度データから抽出された低周波成分と、高周波振動成分(カットオフ周波数適用後)とを示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
(1)スリップ検出システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係るスリップ検出システム100の全体概略構成図である。図1に示すように、スリップ検出システム100は、センサーユニット110及び処理装置120によって構成される。
センサーユニット110は、後述するように、タイヤ周方向など、所定方向の加速度を検出する各種センサー及びバッテリなどによって構成される。センサーユニット110は、空気入りタイヤ10のトレッド20内側に設けられる。なお、図1では、リムホイールに組み付けられた空気入りタイヤ10のタイヤ幅方向に沿った断面形状が示されている。
具体的には、センサーユニット110は、トレッド20のタイヤ幅方向の内側面に設けられる。センサーユニット110は、タイヤ周方向において一つ設けられていればよい。な、車両が左右に旋回する際にトレッド20の接地面が変形することを考慮すると、センサーユニット110の位置は、トレッド20のタイヤ幅方向の中央に設けることが好ましい。
処理装置120は、センサーユニット110との無線による通信を実現し、センサーユニット110が検出したデータを取得する。処理装置120は、プロセッサ、メモリ、及びアンテナなどを含む通信モジュールなどのハードウェアによって実現される。
なお、処理装置120は、通常、空気入りタイヤ10が装着される車両に設けられる。また、この場合、処理装置120は、車両に搭載されている電子制御ユニット(ECU)によって実現されてもよい。或いは、処理装置120は、車両ではなく、無線通信ネットワークを介して接続されるサーバコンピュータ上において実現されてもよい。
(2)スリップ検出システムの機能ブロック構成
図2は、スリップ検出システム100の機能ブロック構成図である。図2に示すように、センサーユニット110は、加速度検出部111及び通信部113を備える。また、処理装置120は、通信部121、接地領域検出部123、振動発生位置検出部125、スリップ度算出部127及び報知部129を備える。
加速度検出部111は、空気入りタイヤ10の所定方向の加速度を検出する。具体的には、加速度検出部111は、空気入りタイヤ10のタイヤ周方向における加速度を検出する。
加速度検出部111は、空気入りタイヤ10の内面、具体的には、トレッド20のタイヤ幅方向における中央部に設けられる。加速度検出部111としては、3軸加速度センサーなど、汎用的な加速度センサーを用い得る。また、加速度検出部111は、加速度以外に、温度や圧力(タイヤ内圧)を検出するセンサーを含んでもよい。
加速度検出部111は、タイヤ周方向における加速度を直接検出してもよいし、タイヤ幅方向またはタイヤ径方向の加速度を検出し、タイヤ周方向の加速度を演算によって求めてもよい。これにより、加速度検出部111は、空気入りタイヤ10の転動に伴うタイヤ周方向の加速度と同等の情報を検出し得る。
通信部113及び通信部121は、センサーユニット110と処理装置120との無線通信を実行する。通信部113による無線通信方式は、特に限定されない。例えば、通信方式としては、TPMS(tire pressure monitoring system)などに用いられているLF波(低周波)を利用する方式や、近距離無線通信の規格に沿った方式が挙げられる。
また、通信部121は、空気入りタイヤ10が装着されている車両のECUなどの制御装置、或いは無線通信ネットワークを介した当該車両外との通信を実行できる。
接地領域検出部123は、空気入りタイヤ10の路面RS(図2において不図示、図6(a)参照)との接地領域を検出する。具体的には、接地領域検出部123は、加速度検出部111によって検出された加速度データに含まれる低周波数領域(第1周波数領域)の加速度データ(第1加速度データ)に基づいて、空気入りタイヤ10の接地領域を検出する。
より具体的には、接地領域検出部123は、タイヤ周方向の加速度データに含まれる低周波数領域の加速度データに基づいて、空気入りタイヤ10の踏み込み側接地端及び蹴り出し側接地端を検出し、両方の接地端の位置から空気入りタイヤ10の接地領域、具体的には、接地時間Tc(図2において不図示、図6(b)参照)を検出する。
つまり、タイヤ周方向の加速度には、踏み込み側接地端(前端)と蹴り出し側接地端(後端)でピークが発生するため、当該ピーク位置から接地領域を検出できる。なお、空気入りタイヤ10の接地位置を中心として前後(タイヤ周方向)に接地長程度の加速度データ(波形データ)があれば、接地領域を検出できる。
また、空気入りタイヤ10の変形の検出を容易にするため、低周波数領域(第1周波数領域)の値は、車両の走行速度に比例して変化させることが好ましい。例えば、30km/hであれば250Hz、60km/hであれば500Hz程度とすることが好ましい。
つまり、接地領域検出部123は、空気入りタイヤ10の回転速度の上昇に連れて、第1周波数領域のカットオフ周波数を高くすることができる。但し、厳密には上述したような値である必要は必ずしもなく、空気入りタイヤ10のサイズまたは構造などに応じて適当な値を用いればよい。
振動発生位置検出部125は、空気入りタイヤ10の周方向における振動発生位置Pを検出する。具体的には、振動発生位置検出部125は、加速度検出部111によって検出された加速度データに含まれる高周波数領域(第2周波数領域)の加速度データ(第2加速度データ)に基づいて、空気入りタイヤ10のスリップによる振動発生位置P(図2において不図示、図6(b)参照)を検出する。高周波数領域(第2周波数領域)は、当然ながら、低周波数領域(第1周波数領域)よりも周波数が高い。
高周波数領域の値は、特に限定されないが、例えば、高周波数領域のカットオフ周波数としては、2kHzを適用し得る。つまり、2kHz以上の加速度データの周波数成分を帯域通過(BP)させたデータを用い得る。
空気入りタイヤ10は、スリップ率(車両速度と車輪速度との比)の上昇に伴い、接地端(蹴り出し側接地端)から滑り(スリップ)が発生することが知られている。この滑りに伴う振動は、タイヤ周方向における加速度に、ノイズ様の高周波波形として現れる。よって、当該高周波成分を滑りの兆候として抽出し、滑りが開始する位置を決定することができる。
なお、空気入りタイヤ10のスリップによる振動に強い速度依存性はないため、速度に関係なく高周波数領域のカットオフ周波数として、2kHzを用いてもよい。また、当該カットオフ周波数も空気入りタイヤ10のサイズまたは構造などに応じて適当な値を用いてもよい。
また、本実施形態では、滑り開始の検出閾値は、空気入りタイヤ10の踏み込み側のピーク高さの1/5としている。つまり、車両の速度上昇に伴って振動成分が大きくなるため、踏込踏み込み側接地端のピークを基準とする。なお、当該ピーク高さに対する比(閾値)は、検出のロバスト性で決めればよい。低い閾値にすると、滑りを原因としない路面RSの凹凸による振動を滑りと誤判定する可能性がある。また、高い閾値とすると、滑りが少ない場合に正確に検出できない。
スリップ度算出部127は、空気入りタイヤ10のスリップ度を算出する。具体的には、スリップ度算出部127は、接地領域検出部123によって検出された接地領域(接地時間Tc)と、振動発生位置検出部125によって検出された振動発生位置Pとに基づいて、空気入りタイヤ10のスリップ度を算出する。
より具体的には、スリップ度算出部127は、低周波数領域の加速度データ(第1加速度データ)に基づいて、踏み込み側接地端と、蹴り出し側接地端との時間差に基づいて接地時間Tcを算出する。
また、スリップ度算出部127は、蹴り出し側接地端から振動発生位置Pまでの時間であるスリップ区間Tsを算出する。
スリップ度算出部127は、スリップ指数SE=Ts/Tcをスリップ度として算出する。空気入りタイヤ10のスリップ率の上昇に伴って、滑り領域は、蹴り出し側接地端から広がる(車両前進時)ため、スリップ指数SEは大きくなる。最終的には、接地面内全域が滑り、滑りに伴う振動は、踏み込み側接地端よりも前にまで広がるため、スリップ指数SE>1となる。
なお、上述したように、車両の制動時などは、踏み込み側接地端から滑り領域が広がることになるため、逆方向(踏み込み側接地端)から振動発生位置P、つまり、滑りの終了位置を検出すればよい。
報知部129は、スリップ度算出部127によって算出されたスリップ指数SEなどを、車両のECUなどに報知する。また、報知部129は、ディスプレイなどの表示装置を用いてスリップ指数SE、或いは単にスリップが発生していることを表示、警告するようにしてもよい。
(3)スリップ検出システムの動作
図3は、スリップ検出システム100の動作フローである。具体的には、図3は、スリップ検出システム100によるスリップ指数SEの算出フローを示す。
図3に示すように、スリップ検出システム100は、タイヤ周方向の加速度を取得する(S10)。
ここで、図4は、加速度データ(波形)の一例を示す。図4に示すグラフの縦軸は、タイヤ周方向の加速度(正負)を示し、横軸は、経過時間を示す。なお、上述したように、空気入りタイヤ10の接地位置を中心として前後(タイヤ周方向)に接地長程度の加速度データ(波形データ)があれば、接地領域を検出できるが、図4では、分かり易くするため空気入りタイヤ10一周分の波形を示している、以下同)。
上述したように、空気入りタイヤ10のスリップ率が上昇すると、蹴り出し側接地端(図中の接地端E2)から滑り(スリップ)が発生することが知られている。図4に示すように、この滑りに伴う振動は、タイヤ周方向における加速度に、ノイズ様の高周波波形として現れる。
スリップ検出システム100は、取得したタイヤ周方向の加速度データ(波形)から、低周波成分と、高周波振動成分とを抽出する(S20及びS21)。
ここで、図5は、図4に示した加速度データから抽出された低周波成分と、高周波振動成分とを示す。図5も図4と同様に、縦軸は、タイヤ周方向の加速度を示し、横軸は、経過時間を示す。図5に示すように、低周波成分は、250Hz未満の低周波数領域の加速度である。また、高周波振動成分は、低周波数領域よりも周波数が高い高周波数領域(2kHz以上)の加速度である。
スリップ検出システム100は、低周波成分に基づいて、空気入りタイヤ10の接地端位置を検出する(S30)。具体的には、スリップ検出システム100は、踏み込み側接地端及び蹴り出し側接地端を検出する。
ここで、図6(a)は、空気入りタイヤ10の踏み込み側接地端及び蹴り出し側接地端の位置関係を示す。また、図6(b)は、加速度データから抽出された低周波成分と、高周波振動成分(カットオフ周波数適用後)の強度(高周波振動成分のパワー値)とを示す。
図6(a)に示すように、空気入りタイヤ10が回転方向Rに沿って路面RSを転動すると、接地端E1が空気入りタイヤ10の踏み込み側接地端となる。また、接地端E2が空気入りタイヤ10の蹴り出し側接地端となる。
スリップ検出システム100は、低周波成分(図6(b)の点線で示す加速度データ)に基づいて、踏み込み側接地端(接地端E1)及び蹴り出し側接地端(接地端E2)を検出する。
上述したように、低周波成分は大きな変形を反映しているため、空気入りタイヤ10の形状についての情報が得られる。つまり、低周波成分の正負のピークから接地領域を決定できる。スリップ検出システム100は、接地時間Tc(図6(b)参照)を接地領域として算出する(S40)。
また、高周波振動成分(図6(b)の実線で示す加速度データ)は、空気入りタイヤ10の路面RSとの滑りに伴う振動と対応する。スリップ検出システム100は、高周波振動成分の帯域値(BP)、例えば、カットオフ周波数2kHz以上であり、低周波数領域(250Hz)よりも高い周波数の加速度データを算出(S31)する。さらに、スリップ検出システム100は、低周波成分の強度が閾値(例えば、踏み込み側のピーク高さ(図6(b)のE1の位置)の1/5)より大きくなる点を振動発生位置Pとして特定し、蹴り出し側接地端(または踏み込み側接地端)から振動発生位置Pまでの時間であるスリップ区間Tsを算出する(S41)。
スリップ検出システム100は、接地時間Tc及びスリップ区間Tsに基づいてスリップ指数SEを算出する(S50)。具体的には、スリップ検出システム100は、上述したように、スリップ指数SE=Ts/Tcをスリップ度として算出する。
スリップ検出システム100は、算出したスリップ指数SEを車両側に報知したり、スリップが発生していることを表示、警告する(S60)。
(4)作用・効果
次に、スリップ検出システム100の作用及び効果について説明する。スリップ検出システム100によるスリップ検出の精度について、表1に示す試験条件を適用して検証した。
Figure 2018127091
表1に示すように、安定した空気入りタイヤ10の滑り状態を実現するため、ドラム試験機を用いた。ドラム試験機を用いてスリップ検出システム100(センサーユニット110)が設けられた空気入りタイヤ10を30km/hの一定速度で回転させ、設定スリップ率になるように制御した。
なお、低周波成分(低周波数領域)のカットオフ周波数は、250Hzとし、高周波振動成分(高周波数領域)のカットオフ周波数は2kHzとした。
表1に示した試験条件に基づいて検証した結果、スリップ率が1%以上であれば、スリップ検出システム100によって正確に検出できることを確認した。スリップ率が上昇すると、スリップ指数SEも上昇しており、滑り状態の度合いを検出可能であることも確認できている。
上述したように、スリップ検出システム100によれば、空気入りタイヤ10の接地領域(具体的には、接地時間Tc)と、空気入りタイヤ10の周方向における振動発生位置Pとに基づいて、空気入りタイヤ10のスリップ度(スリップ指数SE)が算出される。接地時間Tcの検出には、空気入りタイヤ10の接地位置を中心として前後(タイヤ周方向)に接地長程度の加速度データ(波形データ)があればよい。つまり、空気入りタイヤ10一周分の加速度データは不要であり、消費電力の抑制に貢献し得る。
また、スリップ検出システム100のよるスリップ指数SEの算出では、空気入りタイヤ10のスリップ角の発生を前提としていない。このため、車両の直進時でも滑り領域の検出が可能である。つまり、雪路や凍結路といった路面での直進走行時において、車輪速度が大きく変化する前に滑りの発生を検出できる。
すなわち、スリップ検出システム100によれば、直進時におけるタイヤのスリップを高精度かつ効率的に検出できる。
本実施形態では、スリップ指数SEは、スリップ区間Ts/接地時間Tcの時間比によって算出される。このため、比較的単純な演算によって迅速かつ正確にタイヤのスリップを検出できる。
本実施形態では、低周波数領域(第1周波数領域)の値は、車両の走行速度に比例して変化させることができる。これにより、走行速度によらず、空気入りタイヤ10の変形の検出が容易となり、空気入りタイヤ10の接地領域を精度よく検出できる。
本実施形態では、スリップ指数SEなどを、車両のECUなどに報知したり、ディスプレイなどの表示装置を用いてスリップ指数SE、或いは単にスリップが発生していることを表示、警告したりすることができる。このため、スリップ検出システム100による検出結果を、車両制御などに有効活用し得るとともに、ドライバーなどへの注意喚起も可能となる。
(5)その他の実施形態
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
例えば、上述した実施形態では、センサーユニット110がトレッド20のタイヤ幅方向の内側面に設けられていたが、センサーユニット110は、トレッド20のゴム層部分に組み入れるような形態で設けられても構わない。
上述した実施形態では、処理装置120は車両側など、空気入りタイヤ10外に設けられることを前提としていたが、処理装置120によって実現される各機能ブロックの一部または全部は、バッテリ容量などの問題が解決されるのであれば、空気入りタイヤ10内に設けても構わない。
また、処理装置120の機能ブロックによって実現される機能は、コンピュータプログラムによって提供でき、当該コンピュータプログラムとして流通させることができる。
さらに、上述した実施形態では、空気入りタイヤ10の接地端を基準とした接地時間Tcに基づいて、空気入りタイヤ10の接地領域を検出していたが、接地領域は、必ずしも接地端基準でなくてもよく、例えば、踏み込み側接地端と蹴り出し側接地端とを含むタイヤ周方向における所定の範囲を接地領域としてもよい。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
10 空気入りタイヤ
20 トレッド
100 スリップ検出システム
110 センサーユニット
111 加速度検出部
113 通信部
120 処理装置
121 通信部
123 接地領域検出部
125 振動発生位置検出部
127 スリップ度算出部
129 報知部

Claims (6)

  1. タイヤの内面に設けられ、タイヤ周方向における加速度を検出する加速度検出部と、
    前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれる第1周波数領域の第1加速度データに基づいて、前記タイヤの接地領域を検出する接地領域検出部と、
    前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれ、前記第1周波数領域よりも高周波数である第2周波数領域の第2加速度データに基づいて、前記タイヤの周方向における振動発生位置を検出する振動発生位置検出部と、
    前記接地領域検出部によって検出された前記接地領域と、前記振動発生位置検出部によって検出された前記振動発生位置とに基づいて、前記タイヤのスリップ度を算出するスリップ度算出部と
    を備えるスリップ検出システム。
  2. 前記スリップ度算出部は、
    前記第1加速度データに基づいて、前記タイヤの踏み込み側接地端と、前記タイヤの蹴り出し側接地端との時間差に基づいて接地時間Tcを算出し、
    前記蹴り出し側接地端または前記踏み込み側接地端から前記振動発生位置までの時間であるスリップ区間Tsを算出し、
    スリップ指数SE=Ts/Tcを前記スリップ度として算出する請求項1に記載のスリップ検出システム。
  3. 前記接地領域検出部は、前記タイヤの回転速度の上昇に連れて、前記第1周波数領域のカットオフ周波数を高くする請求項1または2に記載のスリップ検出システム。
  4. 前記スリップ度を報知する報知部を備える請求項1乃至3の何れか一項に記載のスリップ検出システム。
  5. タイヤの内面に設けられ、タイヤ周方向における加速度を検出する加速度検出部を用いたスリップ検出方法であって、
    前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれる第1周波数領域の第1加速度データに基づいて、前記タイヤの接地領域を検出するステップと、
    前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれ、前記第1周波数領域よりも高周波数である第2周波数領域の第2加速度データに基づいて、前記タイヤの周方向における振動発生位置を検出するステップと、
    前記接地領域と、前記振動発生位置とに基づいて、前記タイヤのスリップ度を算出するステップと
    を含むスリップ検出方法。
  6. タイヤの内面に設けられ、タイヤ周方向における加速度を検出する加速度検出部を用いたスリップ検出プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれる第1周波数領域の第1加速度データに基づいて、前記タイヤの接地領域を検出する処理と、
    前記加速度検出部によって検出された加速度データに含まれ、前記第1周波数領域よりも高周波数である第2周波数領域の第2加速度データに基づいて、前記タイヤの周方向における振動発生位置を検出する処理と、
    前記接地領域と、前記振動発生位置とに基づいて、前記タイヤのスリップ度を算出する処理と
    を実行させるスリップ検出プログラム。
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