JP2018127009A - 倍力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シェルの周方向に対する位置決めを容易にした倍力装置を提供する。【解決手段】倍力装置1は、フロントシェル3、リヤシェル4、およびセンタシェル5により内部が前室Aと後室Bとに画成され、該前室Aおよび後室Bのそれぞれにパワーピストン6,7が配置されて定圧室A1,B1と変圧室A2,B2とに区画されるハウジング2と、ハウジング2を貫通し、一端側でマスタシリンダを固定し、他端側で車両に接続するロッド部材24と、センタシェル5に固定され、前室Aの変圧室A2と後室Bの変圧室B2とを連通し、ロッド部材24が挿通する筒状部材30とを備えている。センタシェル5には、その外周縁の一部に該センタシェル5の径方向外側に突出する突出片部5Dが形成され、リヤシェル4には、その外周縁の一部に軸方向前方に開口して突出片部5Dが嵌合する軸方向溝4Dが形成される。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用ブレーキ装置に用いられる倍力装置に関する。
一般に、車両のブレーキ系統には、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間に気圧式倍力装置が設けられている。この種の気圧式倍力装置は、ブレーキペダルから入力ロッドに加えられる踏力を、内部の定圧室と変圧室との圧力差に応じて倍力することにより、大きな出力を出力ロッドからマスタシリンダ側に取り出す構成としている(特許文献1参照)。
ところで、特許文献1による倍力装置は、外殻を構成するフロントシェルとリヤシェルとにそれぞれ設けられた係合穴に、ダイヤフラム(パワーピストン)の凸部を係合してダイヤフラムを保持している。しかし、ダイヤフラムは、ゴム等の弾性材により形成されているので、この構成を適用したとしてもシェルの周方向に対する位置決めを行うのは難しい。
そこで、本発明の目的は、シェルの周方向に対する位置決めを容易にした倍力装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明の倍力装置は、フロントシェル、リヤシェル、およびセンタシェルにより内部が前室と後室とに画成され、該前室および後室のそれぞれにパワーピストンが配置されて定圧室と変圧室とに区画されるハウジングと、前記ハウジングを貫通し、一端側でマスタシリンダを固定し、他端側で車両に接続するロッド部材と、前記センタシェルに固定され、前記前室の変圧室と前記後室の変圧室とを連通し、前記ロッド部材が挿通する筒状部材と、を備え、前記フロントシェルと前記リヤシェルとのいずれか一方のシェルと前記センタシェルとには、その外周縁の一部に該センタシェルの周方向に対する位置決めを行うための周方向規制部を形成してなる。
本発明によれば、シェルの周方向に対する位置決めを容易に行うことができる。
以下、車両用ブレーキ装置に適用されるタンデム型の気圧式倍力装置を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図6は、第1の実施形態を示している。図1において、気圧式倍力装置1は、その外殻を構成するハウジング2を有し、該ハウジング2は、車両(図示せず)の前側寄りに位置するフロントシェル3と、その後側に位置するリヤシェル4とにより構成されている。また、フロントシェル3とリヤシェル4との間には、ハウジング2内を前室Aと後室Bとの2室に画成するセンタシェル5が設けられている。これらシェル3,4,5は、その外周側で互いに気密状態に取付けられている。
フロントシェル3は、マスタシリンダ(図示せず)への取付面となる前壁3Aと、該前壁3Aの径方向外側端部から後方に向けて延びる外周筒部3Bとを含んで構成されている。前壁3Aの中央部には、マスタシリンダの一部を収納するための筒状凹部3A1が形成されている。筒状凹部3A1には、マスタシリンダとの間を気密にシールする環状のシール部材(図示せず)が設けられている。このシール部材は、ハウジング2内の定圧室A1を外部の大気に対して気密状態にシールする。また、前壁3Aには、筒状凹部3A1よりも径方向外側に位置して後述のロッド部材24が挿通されるフロント側挿通孔3A2と、後述の負圧導入管23に連通する負圧導入孔3A3とが形成されている。
外周筒部3Bの前,後方向(軸方向)の中間位置には、段差部3B1が形成されている。この段差部3B1には、センタシェル5との間で後述のパワーピストン6が圧入等の手段で固定されている。また、外周筒部3Bの後端側には、径方向外側に向けて折曲げられセンタシェル5のセンタシェル側折曲片部5Cに当接するフロントシェル側折曲片部3B2が形成されている。
リヤシェル4は、車体(図示せず)への取付面となる後壁4Aと、該後壁4Aの中央部から軸方向外向きに突出した後方筒部4Bと、後壁4Aの径方向外側端部から前方に向けて延びる外周筒部4Cとを含んで構成されている。
後壁4Aには、後方筒部4Bよりも径方向外側に位置して後述のロッド部材24が挿通されるリヤ側挿通孔4A1が形成されている。また、後方筒部4Bの軸方向(長さ方向)途中部位には、環状の段差部4B1が設けられている。この段差部4B1には、後述する入力ロッド10の押動操作解除時に後述のストップキー18が当接することにより、後述のバルブボディ8およびプランジャ16の戻り位置が規制される。
外周筒部4Cは、後壁4Aから前方に向けて延びる筒状部4C1と、該筒状部4C1の前端から径方向外側に向けて折曲げられた環状段差部4C2と、該環状段差部4C2の径方向外側端部から前方に向けて延びる延設筒部4C3とにより構成されている。環状段差部4C2には、センタシェル5との間で後述のパワーピストン7が固定される。
リヤシェル4の延設筒部4C3の内径寸法は、フロントシェル3(フロントシェル側折曲片部3B2)の外径寸法よりも大きく形成されている。そして、延設筒部4C3の前端側は、フロントシェル3のフロントシェル側折曲片部3B2よりも前方に向けて延びている。即ち、リヤシェル4の延設筒部4C3は、フロントシェル側折曲片部3B2を径方向外側から覆っている。この場合、延設筒部4C3の前端側で周方向に離間した複数箇所(例えば、15〜20箇所)を径方向内側に向けてかしめることにより、フロントシェル3、リヤシェル4、センタシェル5の軸方向の抜け止めがなされる。
次に、リヤシェル4に形成された軸方向溝4Dについて説明する。
図1ないし図4に示すように、リヤシェル4の延設筒部4C3の外周縁の一部(例えば、1箇所)には、軸方向前方に開口する軸方向溝4Dがコ字状またはU字状をなして形成されている。この軸方向溝4Dは、センタシェル5に形成された後述の突出片部5Dに対応する位置に形成されている。図2、図3に示すように、軸方向溝4Dの軸方向の寸法Lは、パワーピストン7を環状段差部4C2に圧入または嵌入させた状態で、延設筒部4C3の前端からパワーピストン7の前端よりも後方位置に達するまで延びている。また、軸方向溝4Dの周方向の寸法は、突出片部5Dの周方向の寸法よりも若干大きく形成されている。なお、軸方向溝4Dは、延設筒部4C3の外周縁の1箇所に限らず、リヤシェル4の外周縁の周方向に離間した複数箇所に形成してもよい。
センタシェル5は、フロントシェル3とリヤシェル4との間に位置して、ハウジング2内をフロントシェル3とセンタシェル5との間に形成された前室Aと、リヤシェル4とセンタシェル5との間に形成された後室Bとに画成している。そして、センタシェル5は、フロントシェル3の前壁3Aとリヤシェル4の後壁4Aとの間に位置する隔壁5Aと、該隔壁5Aの径方向外側端部からフロントシェル3の外周筒部3Bに沿って後方に向けて延びる外周筒部5Bと、該外周筒部5Bの後端から径方向外側に向けて折曲げられ、フロントシェル3のフロントシェル側折曲片部3B2とパワーピストン7との間に位置するセンタシェル側折曲片部5Cとを含んで構成されている。
隔壁5Aの中央部には、後述のバルブボディ8が挿通されるバルブボディ挿通孔5A1が形成され、バルブボディ挿通孔5A1の径方向外側となる位置には、後述の筒状部材30の一端側を保持する筒状部材取付孔5A2が形成されている。センタシェル側折曲片部5Cは、外周筒部5Bの後端から略U字状に湾曲して先端側が径方向外側に向けて折曲げられている。センタシェル側折曲片部5Cは、後面がパワーピストン7に当接することにより、定圧室B1の気密状態を保っている。そして、センタシェル側折曲片部5Cの先端側で周方向の一部には、突出片部5Dが形成されている。
次に、センタシェル5に形成された突出片部5Dについて説明する。
図1ないし図4、図6に示すように、突出片部5Dは、センタシェル5のセンタシェル側折曲片部5Cの外周縁の一部(例えば、1箇所)に径方向外側に突出して形成されている。この突出片部5Dは、リヤシェル4の軸方向溝4Dと共にセンタシェルの位置決めを行うために形成されている。即ち、突出片部5Dと軸方向溝4Dが、該センタシェル5の周方向に対する位置決めを行うための周方向規制部を構成している。突出片部5Dの周方向の長さ寸法は、リヤシェル4の軸方向溝4Dの周方向の長さ寸法よりも若干小さく形成されている。そして、突出片部5Dをリヤシェル4の軸方向溝4Dに嵌合させることにより、センタシェル5は、周方向に対する位置決め(回止め)がなされる。なお、突出片部5Dは、センタシェル側折曲片部5Cの外周縁の1箇所に限らず、センタシェル5の外周縁の周方向に離間した複数箇所(軸方向溝4Dに対応した個数)に形成してもよい。
ハウジング2内の前室Aには、ダイヤフラム等からなるパワーピストン6が設けられている。このパワーピストン6は、外周側がフロントシェル3とセンタシェル5との間に固定され、内周側が後述のバルブボディ8に固定されている。また、パワーピストン6には、後述のロッド部材24の軸部24Aが摺動可能に挿嵌されている。そして、前室Aは、フロントシェル3とパワーピストン6との間が定圧室A1となり、パワーピストン6とセンタシェル5との間が変圧室A2となっている。
一方、ハウジング2内の後室Bには、ダイヤフラム等からなるパワーピストン7が設けられている。このパワーピストン7は、外周側がリヤシェル4の環状段差部4C2とセンタシェル5のセンタシェル側折曲片部5Cとに当接して固定され、内周側が後述のバルブボディ8に固定されている。また、パワーピストン7には、後述の筒状部材30が摺動可能に挿嵌されている。そして、後室Bは、センタシェル5とパワーピストン7との間が定圧室B1となり、パワーピストン7とリヤシェル4との間が変圧室B2となっている。
リヤシェル4の後方筒部4B内に挿通されたバルブボディ8は、ハウジング2内で軸方向(図1の左,右方向)に変位可能に設けられている。バルブボディ8は、例えば高強度の樹脂材料を用いて、マスタシリンダ側に位置する本体部8Aと、車体取付側に位置する小径筒部8Bとにより段付き状に形成されている。
バルブボディ8の本体部8Aは、センタシェル5のバルブボディ挿通孔5A1にシール部材9を介して摺動可能に挿嵌され、パワーピストン6,7の内周側に連結(固定)されている。一方、バルブボディ8の小径筒部8Bは、車体取付側(図1の右側)がリヤシェル4の後方筒部4Bからハウジング2の外部に向けて延出している。そして、バルブボディ8は、パワーピストン6,7の変位に連動してハウジング2内を軸方向に変位する。
バルブボディ8には、定圧室A1と常時連通して本体部8Aから小径筒部8Bに向けて軸方向に延びる軸方向通路8Cと、該軸方向通路8Cと定圧室B1とを常時連通する径方向通路8Dとが形成されている。即ち、前室Aの定圧室A1と後室Bの定圧室B1とは、バルブボディ8の軸方向通路8Cと径方向通路8Dとにより常時連通している。
また、バルブボディ8の小径筒部8Bには、軸方向通路8Cと径方向通路8Dとは異なる位置に、他の径方向通路8Eが形成されている。この径方向通路8Eは、変圧室A2と変圧室B2とに常時連通している。そして、軸方向通路8C、径方向通路8D、および径方向通路8Eは、バルブボディ8の軸方向の変位に伴って、定圧室A1,B1と変圧室A2,B2とを後述のポペット弁体11、プランジャ16等を介して連通、遮断する。
さらに、バルブボディ8には、リヤシェル4の段差部4B1に対応する位置にキー挿入孔8Fが形成されている。このキー挿入孔8Fには、後述のストップキー18が挿入されている。また、バルブボディ8には、軸方向通路8Cの車体取付側の開口端に環状の弁座部8Gが形成されている。該弁座部8Gには、後述のポペット弁体11が離着座する構成となっている。また、バルブボディ8には、本体部8Aの内周側に位置して後述の出力ロッド19側へと軸方向に突出する筒状突出部8Hが一体形成されている。
バルブボディ8内を軸方向に延びる入力ロッド10は、車体取付側がリヤシェル4の後方筒部4Bから外部に突出し、マスタシリンダ側(図1の左側)がバルブボディ8の小径筒部8B内に挿入されている。この入力ロッド10は、突出端側が車両のブレーキペダル(図示せず)に連結され、ブレーキ操作時には図1中の矢示C方向に押動される。また、入力ロッド10の先端側には、球形部10Aが一体形成され、この球形部10Aは、後述のプランジャ16にカシメ等の手段を用いて連結されている。
入力ロッド10の外周側に位置してバルブボディ8の小径筒部8B内に設けられたポペット弁体11は、弾性材料によって略筒状に形成されている。ポペット弁体11の車体取付側は、後述の戻しばね13によりバルブボディ8の内周側に押付けられて固定されている。そして、ポペット弁体11のマスタシリンダ側は、弱ばね12によりバルブボディ8の弁座部8Gに向けて常時付勢されている。これにより、ポペット弁体11は、バルブボディ8の弁座部8Gと、後述するプランジャ16とに離着座する。
バルブボディ8の小径筒部8Bと入力ロッド10との間に配設された戻しばね13は、バルブボディ8に対して入力ロッド10を車体取付側に向けて常時付勢している。これにより、入力ロッド10に対する押動操作(ブレーキ操作)の解除時には、バルブボディ8がハウジング2内を矢示D方向に移動し、図1に示す初期位置(後述のストップキー18により規制された位置)に戻るまで、入力ロッド10が戻しばね13により押圧される。
バルブボディ8の車体取付側開口に装着されたフィルタ14は、ハウジング2の外部からバルブボディ8の小径筒部8B内に導入される作動気体としての空気を清浄化し、ハウジング2内にダスト等が侵入するのを抑制する。また、バルブボディ8の小径筒部8Bの外周側に装着された保護ブーツ15は、弾性材料により蛇腹状の筒体として形成され、バルブボディ8の突出端側を外部のダスト等から保護する。
入力ロッド10の球形部10Aに固着されたプランジャ16は、バルブボディ8の内周側で軸方向に変位可能に挿嵌されている。即ち、プランジャ16は、入力ロッド10と一体に軸方向に変位する構成となっている。プランジャ16は、車体取付側がポペット弁体11に離着座することによりフィルタ14を介してバルブボディ8の小径筒部8B内に導入された空気(大気圧)を径方向通路8E側に導入したり、大気導入を遮断したりする。
即ち、プランジャ16は、ポペット弁体11に離着座することにより、バルブボディ8の小径筒部8B内の大気圧に対する変圧室A2,B2の連通、遮断を行う。また、ポペット弁体11がバルブボディ8の弁座部8Gに離着座することにより、定圧室A1,B1に対する変圧室A2,B2の連通、遮断を行う。また、プランジャ16の外周側には、バルブボディ8のキー挿入孔8Fと対応する位置に環状溝が形成され、該環状溝には、後述のストップキー18が係合状態で取付けられている。
プランジャ16の一部を構成する移動体17は、バルブボディ8の筒状突出部8H内で軸方向に移動(変位)する。移動体17のマスタシリンダ側は、バルブボディ8の筒状突出部8Hの内周側に挿嵌され、後述のリアクションディスク22に当接する。
プランジャ16の戻り位置を規制するストップキー18は、略長方形の平板を用いて形成され、バルブボディ8のキー挿入孔8Fを介してプランジャ16に遊嵌状態で係合されている。そして、ストップキー18の端部は、バルブボディ8から径方向に一定寸法だけ突出し、リヤシェル4の環状段差部4C2に当接可能となっている。即ち、入力ロッド10に対する押動操作の解除時に、ストップキー18は、リヤシェル4の環状段差部4C2に当接することにより、バルブボディ8とプランジャ16の戻り位置を図1に示すように規制する。
入力ロッド10の押動操作力を倍力した状態でマスタシリンダに出力する出力ロッド19は、車体取付側に大径のフランジ部19Aが設けられ、該フランジ部19Aは、後述のリアクションディスク22を介してバルブボディ8の筒状突出部8Hを施蓋するように、バルブボディ8の筒状突出部8Hに嵌合されている。
そして、出力ロッド19は、入力ロッド10の押動操作時にバルブボディ8と一緒に図1中の矢示C方向に大きな出力をもって押動される。即ち、出力ロッド19のマスタシリンダ側は、フロントシェル3の筒状凹部3A1に向けて軸方向に突出し、入力ロッド10の押動操作力を倍力した力(出力)で前記マスタシリンダのピストン(図示せず)を軸方向に押圧する構成となっている。
バルブボディ8の本体部8Aの内周側に設けられたばね受20は、出力ロッド19のフランジ部19Aを介して筒状突出部8Hの外周側に取付けられ、筒状突出部8Hに対するフランジ部19Aの抜止めを戻しばね21と共に行う構成となっている。ここで、戻しばね21は、ばね受20とフロントシェル3の筒状凹部3A1との間に配設され、バルブボディ8を車体取付側に常時付勢する。
バルブボディ8の筒状突出部8Hと出力ロッド19のフランジ部19Aとの間に配設されたリアクションディスク22は、弾性変形可能なゴム材料等を用いて円板状に形成されている。そして、リアクションディスク22は、定圧室A1,B1と変圧室A2,B2との間に発生した圧力差により、バルブボディ8に生じた推力を出力ロッド19に伝達する。また、リアクションディスク22は、出力ロッド19からの反力を受承すると共に、反力の一部をプランジャ16を介して入力ロッド10側に伝達し、ブレーキペダル側の運転者に踏み応えを与える。
フロントシェル3の前壁3Aに設けられた負圧導入管23は、図1に示すようにフロントシェル3の前壁3Aに設けられた負圧導入孔3A3に連通するパイプ等からなり、エンジンの吸気マニホールドに逆止弁(いずれも図示せず)等を介して接続されている。そして、負圧導入管23は、前記エンジンの作動時に吸気マニホールド内で発生した負圧を定圧室A1,B1内へと導くことにより、定圧室A1,B1内を大気圧よりも低い圧力に保持する。
ロッド部材24は、ハウジング2を貫通し、一端側(前端側)でマスタシリンダを固定し、他端側(後端側)で車体に接続する。即ち、ロッド部材24は、フロントシェル3からセンタシェル5を介してリヤシェル4に貫通して設けられ、気圧式倍力装置1を車体(車両)およびマスタシリンダに取付けられる。このロッド部材24は、例えばバルブボディ8の小径筒部8Bの外周側で周方向に離間して2個(1個のみ図示)設けられている。そして、ロッド部材24は、軸部24A、車体取付ボルト24B、マスタシリンダ取付ボルト24C、リヤ側フランジ部26、フロント側フランジ部27を含んで構成されている。
ロッド部材24の軸部24Aは、ハウジング2内の前室Aと後室Bとの間を軸方向に延びる中実な円柱体として形成されている。具体的には、軸部24Aは、フロントシェル3のフロント側挿通孔3A2からパワーピストン6、センタシェル5、パワーピストン7を貫通してリヤシェル4のリヤ側挿通孔4A1まで延びている。軸部24Aのうち前室A側に位置する部分には、パワーピストン6が摺動可能に取付けられている。また、軸部24Aの中央部は、後述の筒状部材30を介してセンタシェル5の筒状部材取付孔5A2を挿通している。そして、軸部24Aのうち後室B側に位置する部分は、後述の筒状部材30の貫通孔30Bに挿通している。
車体取付ボルト24Bは、軸部24Aの車体取付側の端部に接続され、リヤシェル4のリヤ側挿通孔4A1から車体取付側に向けて突出している。一方、マスタシリンダ取付ボルト24Cは、軸部24Aのマスタシリンダ側の端部に接続され、フロントシェル3のフロント側挿通孔3A2からマスタシリンダ側に向けて突出している。即ち、車体取付ボルト24Bとマスタシリンダ取付ボルト24Cとは、軸部24Aを介して一体に形成されている。この場合、軸部24Aの外径寸法は、車体取付ボルト24Bの外径寸法とマスタシリンダ取付ボルト24Cの外径寸法とに近付けるように小さな寸法に形成されている。
なお、リヤシェル4には、バルブボディ8の小径筒部8Bの径方向外側に位置して車体取付ボルト24Bとは別に他の車体取付ボルト25(1個のみ図示)が設けられている。そして、気圧式倍力装置1は、車体取付ボルト24B,25(各1個のみ図示)により、図示しない車体に取付けられ、マスタシリンダ取付ボルト24C(1個のみ図示)により、図示しないマスタシリンダに取付けられる構成となっている。
リヤ側フランジ部26は、軸部24Aのうち車体取付ボルト24B側に設けられている。リヤ側フランジ部26は、外径寸法が後述の筒状部材30の外径寸法とほぼ同じまたは若干大きく形成された円板状となっている。リヤ側フランジ部26は、変圧室B2内に位置して軸部24Aに設けられ、リヤシェル4に当接している。そして、リヤ側フランジ部26(ロッド部材24)は、リヤ側フランジ部26をリヤシェル4に圧着することにより、リヤシェル4に対して固定される。
一方、フロント側フランジ部27は、軸部24Aのうちマスタシリンダ取付ボルト24C側に設けられている。フロント側フランジ部27は、後述する支持プレート28を軸方向で保持するもので、後述する筒状部材30の貫通孔30Bに挿通可能な円板状に形成されている。そして、フロント側フランジ部27は、定圧室A1内に位置して軸部24Aに設けられ、フロントシェル3に後述の支持プレート28を介して当接している。
ロッド部材24の軸部24Aに挿通された支持プレート28は、フロントシェル3とフロント側フランジ部27との間に設けられている。支持プレート28は、円板状の板材からなり、中央部に軸部24Aが挿通する挿通孔28Aが設けられている。支持プレート28とフロントシェル3との間には、ロッド部材24の軸部24Aと挿通孔28Aとの間に密着したシール部材29が設けられている。これにより、フロントシェル3とロッド部材24の軸部24Aとの間が密閉されて、定圧室A1内の気密性を確保している。
筒状部材30は、センタシェル5に固定され、前室Aの変圧室A2と後室Bの変圧室B2との間を連通する。筒状部材30には、センタシェル5の筒状部材取付孔5A2に対応する位置に鍔部30Aが設けられている。そして、筒状部材30の前端側をセンタシェル5の筒状部材取付孔5A2に圧入して、鍔部30Aをセンタシェル5に当接させることにより、筒状部材30をセンタシェル5に保持させることができる。即ち、筒状部材30は、センタシェル5に片持ち状態で支持するように取付けることができる。
この場合、筒状部材30の前端側に設けられたゴム等の弾性材料により形成されたOリング31が、筒状部材30とセンタシェル5との間で弾性変形することにより、定圧室B1内の気密状態を確保することができる。筒状部材30は、その後端側がパワーピストン7を摺動可能に支持している。即ち、パワーピストン7は、筒状部材30の外周面に沿って軸方向に摺動可能となっている。
また、筒状部材30の内周側には、軸方向に貫通して延びる貫通孔30Bとなっている。図1、図5に示すように、貫通孔30Bは、前端側が変圧室A2に開口し、後端側が変圧室B2に開口する円形孔として形成されている。貫通孔30Bの孔径は、ロッド部材24の軸部24Aの外径寸法よりも大きく、さらにはフロント側フランジ部27の外径寸法よりも大きく形成されている。この場合、ロッド部材24の軸部24Aと貫通孔30Bとの間の隙間Sは、変圧室A2と変圧室B2とを連通する連通路となる。従って、前室Aの変圧室A2は、連通路と変圧室B2とを介してバルブボディ8の径方向通路8Eに連通している。
次に、本実施形態による気圧式倍力装置1の作動について説明する。
まず、気圧式倍力装置1は、ハウジング2内をセンタシェル5により前室Aと後室Bとに画成し、前室A内をパワーピストン6により定圧室A1と変圧室A2とに画成すると共に、後室B内をパワーピストン7により定圧室B1と変圧室B2とに画成した、所謂タンデム型の気圧式倍力装置となっている。
そして、車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作すると、これにより入力ロッド10が矢示C方向に押動され、プランジャ16が移動体17と一緒に軸方向に変位する。この場合、ポペット弁体11は、バルブボディ8の弁座部8Gにより移動が規制されているので、プランジャ16は、ポペット弁体11から離座する。これにより、バルブボディ8の小径筒部8B内から大気圧が径方向通路8Eを介して変圧室B2内に導入されると共に、変圧室B2内に導入された大気圧が筒状部材30の貫通孔30Bを介して変圧室A2内に導入される。その結果、定圧室A1と変圧室A2との間および定圧室B1と変圧室B2との間に圧力差が発生する。
このため、バルブボディ8は、定圧室A1と変圧室A2との間の圧力差によってパワーピストン6に生じた推力と、定圧室B1と変圧室B2との間の圧力差によってパワーピストン7に生じた推力とでマスタシリンダ側(図1中の左側)に前進する。このときの推力は、バルブボディ8からリアクションディスク22を介して出力ロッド19に伝達され、出力ロッド19に接続されたマスタシリンダのピストンがシリンダ本体内で気圧式倍力装置1の出力ロッド19によって軸方向に押動される。
これにより、マスタシリンダのシリンダ本体内には、出力ロッド19のストロークに対応したブレーキ液圧が発生し、このブレーキ液圧が車両のブレーキ配管等を介して各車輪側のホイールシリンダ(いすれも図示せず)に分配、供給される。これにより、車両の車輪毎に制動力が付与される。
一方、ブレーキ操作を解除したときには、入力ロッド10が戻しばね13により矢示D方向に押戻され、これに伴ってプランジャ16が移動体17と一緒に同方向に引っ張られる。このとき、プランジャ16は、ポペット弁体11に着座し、変圧室A2,B2を外部の大気に対して遮断している。しかし、プランジャ16は、ポペット弁体11を弱ばね12に抗して矢示D方向に押圧しているため、バルブボディ8の弁座部8Gからポペット弁体11を離座させる。
その結果、定圧室A1,B1と変圧室A2,B2とが軸方向通路8C、径方向通路8D,8E等を介して互いに連通することになり、定圧室A1,B1内の負圧が変圧室A2,B2側に導入される。これにより、定圧室A1,B1と変圧室A2,B2とがブレーキ操作解除前の圧力差よりも低い圧力差になる。従って、出力ロッド19は、バルブボディ8と共に戻しばね21により矢示D方向に押戻され、最終的には図1に示す如く、ストップキー18の突出端側がリヤシェル4の段差部4B1に当接する。
そして、ストップキー18が段差部4B1に当接した状態で、プランジャ16の最終戻り位置が規制され、パワーピストン6,7、バルブボディ8、入力ロッド10、および出力ロッド19等が図1に示す初期位置に復帰する。また、ポペット弁体11は、バルブボディ8の弁座部8Gとプランジャ16とに着座し、変圧室A2,B2を定圧室A1,B1と同様の負圧状態に保ったまま次なるブレーキ操作に備えることになる。
このように作動する気圧式倍力装置1は、センタシェル5に形成された突出片部5Dがリヤシェル4に形成された軸方向溝4Dに嵌合することにより、センタシェル5の周方向に対する位置決め(回止め)がなされている。
即ち、図1ないし図4、図6に示すように、本実施形態による気圧式倍力装置1のセンタシェル5には、その外周縁の一部にセンタシェル5の径方向外側に突出する突出片部5Dが形成されている。また、リヤシェル4には、その外周縁の一部で突出片部5Dに対応する位置に軸方向前方に開口する軸方向溝4Dが形成されている。センタシェル5の突出片部5Dは、センタシェル5をリヤシェル4に組付けたときにリヤシェル4の軸方向溝4Dに嵌合する。これにより、センタシェル5は、周方向に対する位置決めがなされる構成となっている。
また、図2、図3に示すように、リヤシェル4の軸方向溝4Dの軸方向の長さ寸法Lは、パワーピストン7を環状段差部4C2に固定させた状態で、延設筒部4C3の前端からパワーピストン7の前端よりも若干後方まで延びている。これにより、センタシェル5の突出片部5Dを軸方向溝4Dに嵌合させたときに、センタシェル5のセンタシェル側折曲片部5Cをパワーピストン7に当接させることができるので、定圧室B1の気密状態を確保することができる。
かくして、第1の実施形態によれば、センタシェル5は、突出片部5Dをリヤシェル4の軸方向溝4Dに嵌合させることにより、容易に周方向に対する位置決めがなされる。また、図1に示すように、ロッド部材24の軸部24Aの外径寸法を、例えば車体取付ボルト24Bおよびマスタシリンダ取付ボルト24Cの外径寸法に近い寸法まで小径にすることができるので、ロッド部材24の軽量化を図ることができ、ひいては気圧式倍力装置1の軽量化を図ることができる。
また、センタシェル5の突出片部5Dがリヤシェル4の軸方向溝4Dに嵌合しているので、リヤシェル4の延設筒部4C3を径方向内側に向けてかしめてフロントシェル3、リヤシェル4、センタシェル5を一体的に組立てるときに、センタシェル5がずれることがない。従って、気圧式倍力装置1の組立作業の作業性を向上することができる。
また、図5に示すように、筒状部材30の貫通孔30Bには、ロッド部材24の軸部24Aに干渉するリブ状突起を設ける必要がない。即ち、筒状部材30の貫通孔30Bは、支持プレート28の外径寸法よりも大きな孔径で横断面円形状に形成することができる。これにより、貫通孔30Bとロッド部材24の軸部24Aとの間の隙間S、即ち変圧室A2と変圧室B2との間を連通する連通路をリブ状突起が形成されていた分だけ広くすることができるので、気圧式倍力装置1の応答性を向上することができる。さらに、筒状部材30は、貫通孔30Bを軸方向に一様な横断面円形状とすることができるので、筒状部材30を簡単に製造することができる。
図7ないし図10は、第2の実施形態を示している。第2の実施形態の特徴は、センタシェルの突出片部とフロントシェルの径方向溝とを嵌合させて、センタシェルの位置決めを行うことにある。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
気圧式倍力装置41は、第1の実施形態の気圧式倍力装置1と同様にタンデム型の気圧式倍力装置である。第1の実施形態による気圧式倍力装置1は、センタシェル5の突出片部5Dをリヤシェル4の軸方向溝4Dに嵌合させることにより、センタシェル5の周方向に対する位置決めをする構成とした。しかし、第2の実施形態による気圧式倍力装置41は、センタシェル45の突出片部45Cをフロントシェル43の径方向溝43Cに嵌合させることにより、センタシェル45の周方向に対する位置決めをする構成とし、それ以外は気圧式倍力装置1と同様の構成となっている。即ち、突出片部45Cと径方向溝43Cが、該センタシェル45の周方向に対する位置決めを行うための周方向規制部を構成している。
そして、気圧式倍力装置41の外殻を構成するハウジング42は、車両(図示せず)の前側寄りに位置するフロントシェル43と、その後側に位置するリヤシェル44とにより構成されている。また、フロントシェル43とリヤシェル44との間には、ハウジング42内を前室Aと後室Bとの2室に画成するセンタシェル45が設けられている。これらシェル43,44,45は、その外周側で互いに気密状態に固定されている。
図7ないし図9に示すように、フロントシェル43の外周筒部43Aの後端側には、径方向外側に向けて折曲げられたフロントシェル側折曲片部43Bが形成されている。このフロントシェル側折曲片部43Bは、センタシェル45のセンタシェル側折曲片部45Bと当接する。
次に、フロントシェル43に形成された径方向溝43Cについて説明する。
図7ないし図9に示すように、フロントシェル43のフロントシェル側折曲片部43Bの外周縁の一部(例えば、1箇所)には、径方向外方に開口する径方向溝43Cが形成されている。この径方向溝43Cは、センタシェル45に形成された後述の突出片部45Cに対応する位置に形成されている。図9に示すように、径方向溝43Cの周方向の寸法は、突出片部45Cの周方向の寸法よりも若干大きく形成されている。なお、径方向溝43Cは、フロントシェル43の外周縁の周方向に離間した複数箇所に形成してもよい。
リヤシェル44の外周筒部44Aは、筒状部44A1と、環状段差部44A2と、延設筒部44A3とにより構成されている。環状段差部44A2には、センタシェル45との間でパワーピストン7が圧入等の手段で固定されている。延設筒部44A3の内径寸法は、フロントシェル43(フロントシェル側折曲片部43B)の外径寸法よりも大きく形成されている。そして、延設筒部44A3の前端側は、フロントシェル43のフロントシェル側折曲片部43Bよりも前方に向けて延びている。即ち、リヤシェル44の延設筒部44A3は、フロントシェル側折曲片部43Bを径方向外周から覆っている。この場合、延設筒部44A3の前端側で周方向に離間した複数箇所(例えば、15〜20箇所)を径方向内側に向けてかしめることにより、フロントシェル43、リヤシェル44、センタシェル45の軸方向の抜け止めがなされる。
センタシェル45の外周筒部45Aの後端側には、径方向外側に向けて折曲げられ、フロントシェル3のフロントシェル側折曲片部43Bとパワーピストン7との間に位置するセンタシェル側折曲片部45Bが形成されている。センタシェル側折曲片部45Bは、外周筒部45Aの後端から略U字状に湾曲して先端側が径方向外側に向けて折曲げられている。センタシェル側折曲片部45Bの後面は、パワーピストン7に当接している。これにより、定圧室B1の気密状態を保っている。そして、センタシェル側折曲片部45Bの先端側で周方向の一部には、後述の突出片部45Cが形成されている。
次に、センタシェル45に形成された突出片部45Cについて説明する。
図7ないし図10に示すように、突出片部45Cは、センタシェル45のセンタシェル側折曲片部45Bの外周縁の一部(例えば、1箇所)に軸方向前方に突出して形成されている。即ち、センタシェル側折曲片部45Bには、突出片部45Cの両側位置に一対の切込みが入れられ、これらの間で突出片部45CをL字状に折曲げて形成している。突出片部45Cの周方向の寸法は、フロントシェル43の径方向溝43Cの周方向の寸法よりも若干小さく形成されている。この突出片部45Cは、フロントシェル43の径方向溝43Cと共にセンタシェル45の位置決めを行うために形成されている。具体的には、突出片部5Dをフロントシェル43の径方向溝43Cに嵌合させることにより、センタシェル45は、周方向に対する位置決め(回止め)がなされる。なお、突出片部45Cは、センタシェル45の外周縁の周方向に離間した複数箇所(径方向溝43Cに対応した個数)に形成してもよい。
かくして、第2の実施形態によれば、センタシェル45は、突出片部45Cをフロントシェル43の径方向溝43Cに嵌合させることにより、容易に周方向に対する位置決めがなされる。また、ロッド部材24の軸部24Aの外径寸法を、例えば車体取付ボルト24Bおよびマスタシリンダ取付ボルト24Cに近い寸法まで小径にすることができるので、ロッド部材24の軽量化を図ることができ、ひいては気圧式倍力装置41の軽量化を図ることができる。
また、センタシェル45の突出片部45Cがフロントシェル43の径方向溝43Cに嵌合しているので、リヤシェル44の延設筒部44A3を径方向内側に向けてかしめてフロントシェル43、リヤシェル44、センタシェル45を一体的に組立てるときに、センタシェル45がずれることがない。従って、気圧式倍力装置41の組立作業の作業性を向上することができる。
また、上述した第1の実施形態と同様に、筒状部材30の貫通孔30Bには、ロッド部材24の軸部24Aに干渉するリブ状突起を設ける必要がない。これにより、貫通孔30Bとロッド部材24の軸部24Aとの間の隙間S、即ち変圧室A2と変圧室B2との間を連通する連通路をリブ状突起が形成されていた分だけ広くすることができるので、気圧式倍力装置41の応答性を向上することができる。さらに、筒状部材30は、貫通孔30Bを軸方向に一様な横断面円形状とすることができるので、筒状部材30を簡単に製造することができる。
1,41 気圧式倍力装置
2,42 ハウジング
3,43 フロントシェル
43C 径方向溝
4,44 リヤシェル
4D 軸方向溝
5,45 センタシェル
5D,45C 突出片部
6,7 パワーピストン
24 ロッド部材
30 筒状部材
A 前室
B 後室
A1,B1 定圧室
A2,B2 変圧室
2,42 ハウジング
3,43 フロントシェル
43C 径方向溝
4,44 リヤシェル
4D 軸方向溝
5,45 センタシェル
5D,45C 突出片部
6,7 パワーピストン
24 ロッド部材
30 筒状部材
A 前室
B 後室
A1,B1 定圧室
A2,B2 変圧室
Claims (4)
- フロントシェル、リヤシェル、およびセンタシェルにより内部が前室と後室とに画成され、該前室および後室のそれぞれにパワーピストンが配置されて定圧室と変圧室とに区画されるハウジングと、
前記ハウジングを貫通し、一端側でマスタシリンダを固定し、他端側で車両に接続するロッド部材と、
前記センタシェルに固定され、前記前室の変圧室と前記後室の変圧室とを連通し、前記ロッド部材が挿通する筒状部材と、を備え、
前記フロントシェルと前記リヤシェルとのいずれか一方のシェルと前記センタシェルとには、その外周縁の一部に、該センタシェルの周方向に対する位置決めを行うための周方向規制部を形成してなる倍力装置。 - 前記周方向規制部は、前記センタシェルの径方向外側に突出する突出片部と、前記リヤシェルの外周縁の一部に軸方向前方に開口して前記突出片部が嵌合する軸方向溝とから構成される請求項1記載の倍力装置。
- 前記周方向規制部は、前記センタシェルの軸方向前方に突出する突出片部と、前記フロントシェルの外周縁の一部に径方向外方に開口して前記突出片部が嵌合する径方向溝とから構成される請求項1記載の倍力装置。
- 前記センタシェルは、前記突出片部に連なり、径方向外側に向けて折曲げられた折曲片部を備え、
前記リヤシェルは、前記折曲片部の軸方向に対向する位置に、径方向外側に向けて折曲げられた環状段差部を備え、
前記パワーピストンは、前記折曲片部と前記環状段差部に当接している請求項2または3に記載の倍力装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015122130A JP2018127009A (ja) | 2015-06-17 | 2015-06-17 | 倍力装置 |
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2015
- 2015-06-17 JP JP2015122130A patent/JP2018127009A/ja active Pending
-
2016
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Publication number | Publication date |
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