JP2018125910A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、回転トルクに悪影響を与えることなく、任意の半径方向力を発生できるモータ制御装置を提供する。【解決手段】m相n組の巻線を備えた永久磁石モータにおいて、トルク発生用電流に半径方向力発生用電流を重畳させて同相n組の巻線電流を異ならせることにより半径方向力を発生させる。重畳させる半径方向力発生用電流は、トルク発生用電流と同周波数で、相間の位相がトルク発生用電流とは逆方向にずれた交番電流を基本電流とし、発生させる半径方向力に応じてこの基本電流の振幅と位相を変調したものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石を備えたモータの制御装置に関し、特に回転トルクとともにモータの半径方向の力を制御して振動や騒音を抑制する機能を有したモータ制御装置に関する。
永久磁石モータは小型化や高効率化等の点で優れており、プリンタや複写機などの情報機器分野をはじめ、様々な分野でその駆動部分に使用されている。一般に高速回転するモータにおいては、モータ自体の偏心やモータに接続される従動側負荷のアンバランスなどに起因して、自励振動が発生する。このような振動は、騒音発生の要因となったり、モータを搭載する機器の性能を低下させたり、更にはモータ自体の破損につながることもある。
このような振動への対策のため、制振力としてモータの半径方向の力を発生させるモータが提案されている。中でも、回転トルクを発生させるために備えられた巻線を共用して半径方向力を発生させる構成のモータは、新たな巻線を備える必要がなく、小型化や低コスト化の点で有利である。
特許文献1では、モータに備える各巻線に流す電流を全て独立に制御できる構成とし、各巻線毎に供給する電流の大きさと位相を順次変化させることで半径方向力を発生させ、振動を抑制する方法が提案されている。また、特許文献2では、各相巻線を複数に分割し、流す電流を不平衡にすることによって半径方向力を発生するモータが提案されている。特許文献2で提案されたモータは、特許文献1の提案に対して、巻線電流を流すための駆動回路の数を削減できるという利点を有している。
特許第2608619号公報 特許第4420172号公報
しかしながら、これら先行技術文献では、巻線に流す電流と発生する半径方向力との関係について具体的に記載されておらず、所望の半径方向力を発生させるためにどのような巻線電流を流すべきかが不明であった。永久磁石モータは、巻線電流により発生する磁束と永久磁石の磁束との相互作用によって力を発生するものである。したがって、各巻線に流す電流のバランスを崩すことで半径方向の力を発生させられることは容易に発想し得ることであり、上記参考技術文献のような種々の提案がされている。
しかし、当然のことながら、そもそもモータは回転駆動するものであるから、巻線と永久磁石とは相対的に回転している。その状態で所望の半径方向力を発生させることは容易ではない。例えば、ある一つの巻線の電流を他の一つの巻線の電流よりも常に一定値大きくなるようにしたとしても一定の半径方向力が発生するわけではなく、永久磁石の回転の影響を受け、発生する力は脈動する力となる。
また、半径方向力を発生させるために巻線電流にアンバランスを生じさせると、回転トルクに影響を及ぼす可能性がある。もし不適切な巻線電流のアンバランスによって回転トルクリップルを増大させるようなことになれば、回転精度の低下や振動の増大につながり、モータ制御装置としての性能を低下させてしまう。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、巻線電流と発生する半径方向力との関係を明確化し、回転トルクに影響を与えずに任意の半径方向力を発生できるモータ制御装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明のモータ制御装置は、m相の巻線群をn組(n≧2)有する固定子と、x極対の永久磁石を有する回転子と、を備えた永久磁石モータに対して、回転トルクを発生させるためのトルク用電流に半径方向の力を発生させるための半径方向力用電流を重畳して、同相のn組の巻線を流れる電流値を異ならせることによって、半径方向の力を発生させるモータ制御装置であって、前記トルク用電流は、モータ回転数のx倍の周波数で、第1相から第m相まで電気角で360/m°ずつ位相がずれた交番電流を主成分としたものであり、実質一定方向かつ実質一定の大きさの半径方向力を発生させる電流を半径方向力用基本電流とし、前記半径方向力用基本電流は、前記トルク用電流の主成分と同じ周波数で、かつ第1相から第m相までの位相が前記トルク用電流とは逆向きに電気角で360/m°ずつずれた交番電流であり、前記半径力用電流は、前記半径方向力用基本電流の位相および振幅を、発生させたい半径方向力の向きおよび大きさに応じて変調させたものであることを特徴とする。
本発明によれば、新たな巻線を備える必要のない簡易な構成の永久磁石モータで、回転トルクに悪影響を及ぼすことなく、任意の半径方向力を発生させることが可能となる。この半径方向力をモータの自励振動等の制振力として利用することにより、モータの振動・騒音を低減することができる。
実施例1のモータ制御装置の概略構成を示した図である。 画像形成装置の概略構成を示した図である。 光走査装置の概略構成を示した図である。 実施例1のポリゴンモータの回転軸に垂直な面の断面図である。 実施例1のポリゴンモータの巻線の接続を示した図である。 実施例1のトルク電圧指令生成部の構成を示した図である。 回転トルクを発生させるための電流指令値を示した図である。 発生する半径方向力の方向を示した図である。 巻線電流波形を示した図である。 発生する半径方向力を示した図である。 発生する半径方向力を示した図である。 巻線電流波形を示した図である。 巻線電流波形を示した図である。 巻線電流波形を示した図である。 発生する半径方向力を示した図である。 巻線電流波形を示した図である。 発生する半径方向力を示した図である。 実施例1の半径方向力電圧指令生成部の構成を示した図である。 実施例1のモータ制御装置の動作フローを示した図である。 実施例2のモータ制御装置の概略構成を示した図である。 実施例2のトルク電圧指令生成部の構成を示した図である。 実施例3のモータ制御装置の概略構成を示した図である。 実施例3の半径方向力電圧指令生成部の構成を示した図である。 実施例3の半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅および位相を決定する動作フローを示した図である。 実施例3の半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅および位相と発生振動振幅との関係を示した図である。 実施例4のモータ制御装置の概略構成を示した図である。 実施例4の半径方向力電圧指令生成部の構成を示した図である。 実施例4の半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅および位相を決定する動作フローを示した図である。 実施例4の半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅および位相と発生音振幅との関係を示した図である。 実施例5のポリゴンモータの回転軸に垂直な面の断面図である。 実施例5のポリゴンモータの巻線の接続を示した図である。 発生する半径方向力の方向を示した図である。 実施例6のドラムモータからの駆動伝達を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明で用いる部材、数値、材料等は、理解を助ける目的の例示に過ぎず、本発明を限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
第1の実施例では、本発明のモータ制御装置を、光走査装置のポリゴンミラーを回転駆動するポリゴンモータに適用した場合を例示する。光走査装置は、複写機やレーザビームプリンタなどの画像形成装置におけるレーザ光走査に用いられる。はじめに、図2、図3を参照して画像形成装置および光走査装置の概要を説明する。図2は画像形成装置の概略構成を示した図である。図2に示すように、画像形成装置100は、画像形成ユニット20を一つ具備したモノクロの画像形成装置である。
画像形成ユニット20では、感光ドラム9を回転させながら、帯電、露光、現像のプロセスが行われ、感光ドラム9の表面にトナー像が形成される。まず帯電ローラ16によって感光ドラム21の表面が一様に帯電される。次に光走査装置10が画像データに従ってON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査し、感光ドラム9表面に画像データに対応した静電潜像が形成される。続いて現像器17内で静電潜像と逆極性に帯電されたトナーによって静電潜像がトナー像として現像される。クリーニングブレード15は、感光ドラム9を摺擦し、転写部を通過して感光ドラム9の表面に残留した転写残トナーを除去する。
給紙カセット11内の記録材Pは、給紙ローラ12によって1枚ずつ引き出され、画像形成ユニット20でのトナー像形成とタイミングを合わせて、レジストローラ13と対向ローラとで狭持搬送される。搬送された記録材Pは、感光ドラム9と転写ローラ14とで形成される転写部へ送られ、感光ドラム9上のトナー像が記録材P上に転写される。トナー像を転写された記録材Pは、定着器18へ受け渡されて加熱加圧を受けることにより表面に画像が定着され、排紙ローラ19と対向ローラとで狭持搬送されて排紙される。
続いて、光走査装置10について図3を参照して説明する。図3は光走査装置10の概略構成を示した図である。光走査装置10は、半導体レーザ3やポリゴンミラー2、fθレンズ5等を含み、レーザ光LBを走査する。半導体レーザ3から出射したレーザ光LBはシリンドリカルレンズ4を通ってポリゴンミラー2に到達する。ポリゴンミラー2は、ポリゴンモータ1によって回転駆動されている。ポリゴンミラー2に到達したレーザ光LBはポリゴンミラー2によって偏向され、さらにfθレンズ5によって平面に投影された光の線速度が等速度となるように変換される。
また、fθレンズ5を通ったレーザ光LBは、走査開始端部においてBD反射ミラー6で反射されてBDセンサ7により受光される。BDセンサ7はレーザ光LBの走査タイミングを検出するために設けられている。レーザ光LBはfθレンズ5を通った後に折返しミラー8により反射され、感光ドラム9上を照射する。
以上説明した光走査装置10では、レーザ光LBの走査速度を上げるため、ポリゴンモータ1は例えば20000rpm以上の高回転速度で駆動される。このような高速回転をする場合、ポリゴンモータ1のロータやポリゴンミラー2に製造誤差等に起因する重心ずれがわずかでも存在すると、遠心力が作用して大きな振動が発生する。本実施例では、ポリゴンモータ1で半径方向力を発生させて制振力として用いることにより、この振動を抑圧し、低振動・低騒音な光走査装置を構成している。
ここで、本実施例に用いるポリゴンモータ1の構成について、図4、図5を参照して説明する。図4は、ポリゴンモータ1の回転軸に垂直な面の断面図である。図4に示すように、本実施例のポリゴンモータ1は、ロータ21に4極対の永久磁石を備えている。ステータコア22は60°ごとに6個の歯部が形成され、それぞれに巻線Ua、Va、Wa、Ub、Vb、Wbが巻回されている。巻線UaとUb、巻線VaとVb、巻線WaとWbは互いに対向する位置に配置されている。また、巻線Uaと巻線Va、巻線Waはそれぞれ120°ずつ、ずれた位置に配置されている。同様に巻線Ubと巻線Vb、巻線Wbはそれぞれ120°ずつ、ずれた位置に配置されている。
これら巻線Ua、Va、Wa、Ub、Vb、Wbは図5に示すように接続されている。すなわち、巻線Ua、Va、Waはそれぞれ一端が外部から電圧を印加できるように端子に接続され、他端同士が中性点で接続されている。同様に、巻線Ub、Vb、Wbはそれぞれ一端を外部から電圧を印加できるように端子に接続され、他端同士が中性点で接続されている。更に、これらの中性点同士が接続されている。このように、本実施例のポリゴンモータ1は、3相の巻線を2組備え、この2組の中性点が接続された構成となっている。ここから、上述した構成のポリゴンモータ1を用いて半径方向力を発生させるモータ制御装置について説明する。
図1は、本実施例のモータ制御装置の概略構成を示した図である。速度制御部30は、位相検出部39から入力されるロータ位相θからポリゴンモータ1の回転速度を算出し、不図示のCPUから入力される速度指令値との差分である速度偏差を算出する。そして、算出された速度偏差にPI制御の制御演算を施し、ポリゴンモータ1に供給する回転トルクを発生させるための電流の振幅指令値Iampを出力する。なお、図4に示したモータ断面図において、反時計回りの回転を正方向とし、この場合に速度指令値および電流振幅指令値は正の値となる。逆方向の回転時には、速度指令値および電流振幅指令値は負の値となる。
位相検出部39は、ポリゴンモータ1の軸上に備えられた光学式エンコーダとカウンタ回路とで構成され、ロータ位相θを出力する。あるいは、光学式エンコーダの代わりに、前述したBDセンサの出力をPLL回路を用いて周波数逓倍した信号を用いて位相検出部39を構成してもよい。
トルク電圧指令生成部31は、速度制御部30から入力される電流振幅指令値Iampと、位相検出部39から入力されるロータ位相θとから、回転トルクを発生させるための3相分の電流指令値Itu、Itv、Itwを生成する。さらに、モータの電圧方程式に基づいて、生成した電流指令値を流すための電圧指令値Vtu、Vtv、Vtwを算出して出力する。トルク電圧指令生成部31の詳細については後述する。
半径方向力電圧指令生成部32は、位相検出部39から入力されるロータ位相θに基づいて、半径方向力を発生させるための3相分の電流指令値Iru、Irv、Irwを生成する。さらに、巻線の抵抗とインダクタンスを用いて、生成した電流指令値を流すための電圧指令値Vru、Vrv、Vrwを算出して出力する。半径方向力電圧指令生成部32の詳細については後述する。
トルク電圧指令値Vtu、Vtv、Vtwと、半径方向力電圧指令値Vru、Vrv、Vrwとは、演算器33でそれぞれ加算され、巻線Ua、Va、Waに印加する駆動電圧指令値Vua、Vva、Vwaが算出される。一方、演算器34では、トルク電圧指令値Vtu、Vtv、Vtwから半径方向力電圧指令値Vru、Vrv、Vrwがそれぞれ減算され、巻線Ub、Vb、Wbに印加する駆動電圧指令値Vub、Vvb、Vwbが算出される。
PWM信号生成部35、36は、それぞれ入力される駆動電圧指令値Vua、Vva、VwaおよびVub、Vvb、Vwbに応じてパルス幅変調されたPWM信号を出力する。インバータ37、38は、入力されるPWM信号によって駆動され、駆動電圧指令値Vua、Vva、VwaおよびVub、Vvb、Vwbに対応した交流電圧が巻線Ua、Va,WaおよびUb、Vb、Wbに印加される。
以上のように、本実施例のモータ制御装置では、回転トルクを発生させるための駆動電圧に半径方向力を発生させるための電圧を重畳し、巻線UaとUb、VaとVb、WaとWbに供給する電流のバランスを崩している。この巻線電流のアンバランスによって半径方向力が発生する。巻線電流と半径方向力の関係についての詳細は後述する。
また、前述したように、半径方向力を発生させるための電圧を、巻線Ua、Va、Waにおいては加算し、巻線Ub、Vb、Wbにおいては減算している。このため、重畳した電圧によって巻線Ua、Va、Waで生じる回転トルクの増減分が、巻線Ub、Vb、Wbでは逆に生じて相殺されることになり、回転トルクは変動しない。このように、本実施例のモータ制御装置では、回転トルクに変動を与えることなく、半径方向力を発生させることができる。
ここで、トルク電圧指令生成部31の詳細について、図6を参照して説明する。図6は、トルク電圧指令生成部31の構成を示した図である。
電流指令生成部40は、入力される電流振幅指令Iampおよびロータ位相θから、下記数式1を用いて回転トルクを発生させるための3相分の電流指令値Itu、Itv、Itwを算出する。
数式1で、θeは電気角であり、本実施例のポリゴンモータ1は4極対の磁極を備えているので、ロータ位相θとは下記数式2の関係にある。
ここで、回転方向を正方向(図4に示したモータ断面図において反時計回り)とすると、算出される電流指令値は図7に示したようになる。すなわち、Itu、Itv、Itwはロータ1回転で4周期分繰り返す正弦波電流であり、Ituに対して、Itvは電気角で120°、Itwは電気角で240°それぞれ遅れた波形となる。
3相−2相変換部41は、入力される3相分の電流指令値Itu、Itv、Itwを、下記数式3を用いてdq軸上の電流指令値Itd、Itqに変換する。
電圧指令演算部42は、入力される電流指令値Itd、Itqから、3相モータの電圧方程式である下記数式4を用いてdq軸上の電圧指令値Vtd、Vtqを算出する。
数式4で、rは巻線抵抗、Ldはインダクタンスのd軸成分、Lqはインダクタンスのq軸成分、φaは逆起電圧定数である。ωはロータ角速度であり、角速度算出部44において、ロータ位相θを微分演算して算出され、電圧指令演算部42に入力される。
2相−3相変換部43では、入力されるdq軸上の電圧指令値Vtd、Vtqを、下記数式5を用いて3相分の電圧指令値Vtu、Vtv、Vtwに変換する。
このように、トルク電圧指令生成部31では、3相1組分のモータの電圧方程式を用いて、回転トルクを発生させるための電圧指令値を生成している。
続いて、半径方向力電圧指令生成部32の詳細について説明する前に、巻線電流と半径方向力の関係について説明する。
前述したように、本実施例のモータ制御装置では、互いに対向する位置に配置された巻線UaとUb、VaとVb、WaとWbに流す電流を異ならせることによって半径方向力を発生させる。このとき、発生する半径方向力の方向を図8に示す。巻線UaとUbに流す電流を異ならせたときには、図8に示した矢印Fuの方向の力が発生する。(矢印Fuの向きを正方向とし、発生力が負のときには向きは矢印Fuと逆向きになる。)同様に、巻線VaとVbに流す電流を異ならせたときには矢印Fvの方向の力が、巻線WaとWbに流す電流を異ならせたときには矢印Fwの方向の力が発生する。
ここで、まずは最も単純な例として、モータを正方向に回転させながら、巻線UaとUbに流す電流を常に一定値異ならせたとき(すなわち前述したIruが一定値のとき)に発生する半径方向力について説明する。
この場合、Iru>0とすると、巻線UaとUbに流れる電流は図9に示したようになる。巻線Uaに流れる電流Iuaは回転トルクを発生させるための電流指令値Ituよりも常に一定値大きな電流となり、巻線Ubに流れる電流IubはItuよりも常に一定値小さな電流となる。
このような電流を流したときに発生する半径方向力Fu0を図10(a)に示す。図10は、電磁力計算によって算出された半径方向力を示したものである。図10(a)に示すように、巻線Uaと巻線Ubに流す電流を常に一定値異ならせたときに発生する半径方向力Fu0は、ロータ1回転で4周期分繰り返す周期的に変動する力になる。
同様に、巻線VaとVbに流す電流を常に一定値異ならせたときに発生する半径方向力Fv0を図10(b)に、巻線WaとWbに流す電流を常に一定値異ならせたときに発生する半径方向力Fw0を図10(c)に示す。図10(b)、(c)からわかるように、Fv0、Fw0はFu0と同様にロータ1回転で4周期分繰り返す周期的に変動する力となる。また、Fv0はFu0に対して電気角で120°、Fw0はFu0に対して電気角で240°遅れた力となっている。
更に、これらFu0、Fv0、Fw0を同時に発生させた場合に、全体として発生する半径方向力を図11に示す。これは、前述のFu0、Fv0、Fw0の合成力に相当する。図11(a)は発生する半径方向力の振幅、図11(b)は発生する半径方向力の位相を示している。図11からわかるように、巻線UaとUb、VaとVb、WaとWbの電流を一定値異ならせた場合、大きさがほぼ一定、向きがモータの回転とは逆方向にモータ回転周波数の4倍の周波数で回転する半径方向力が発生する。
上述したように、巻線間の電流を常に一定値異ならせた場合に発生する半径方向力は、単純に一定振幅・一定方向の力とはなっておらず、その向きが回転する力となっている。このように巻線電流と発生する半径方向力とは複雑な関係になっているため、所望の半径方向力を発生させるには、その関係を明確にした上で、巻線電流を変調することが必要となる。
ここで、半径方向力を発生するために重畳する電流を変調した場合に発生する半径方向力について数式を用いて説明する。なお、以下の説明では、モータの回転方向を正方向とする。
まず、発生する半径方向力を図8に示したX軸方向とY軸方向の成分に分解して考えると、下記数式6のように表せる。
数式6で、Fuは巻線UaとUbに流す電流を異ならせることによって発生する半径方向力である。同様に、Fvは巻線VaとVbに流す電流を、Fwは巻線WaとWbに流す電流を異ならせることによって発生する半径方向力である。θuはX軸とFuとの成す角であり、90°である。同様にθvは330°、θwは210°である。
ここで、半径方向力を発生させるために重畳する3相分の電流指令値を下記数式7に示すように変調する。
数式7に示した電流を重畳したときに発生する半径方向力は、図10に示した半径方向力Fu0、Fv0、Fw0が、電流Iru、Irv、Irwの変調に比例して変化する力となるため。したがって、比例定数をkとすると下記数式8で表せる。
また、図10に示したFu0、Fv0、Fw0は若干の高次成分を含んでいるが、主成分であるモータ回転の4倍の周波数成分が支配的であるとすれば、下記数式9で近似することができる。
以上の数式7、8、9を数式6に代入して整理すると、下記数式10が得られる。
数式10で、n=4のときには、FxおよびFyはロータ位相θに依らず、数式7で示した重畳する電流の振幅a、位相φによって決まる力となることがわかる。すなわち、重畳する電流を、数式7においてn=4とし、振幅a、位相φを制御することで、任意の半径方向力を発生させることが可能になる。
ここで、数式7においてn=4、φ=0としたときの巻線電流を図12、図13、図14に、発生する半径方向力を図15に示す。
図12は巻線Ua、Ubに流れる電流を示しており、図12(a)には、回転トルクを発生させるための電流指令値Ituを実線で、半径方向力を発生させるための電流指令値Iruを破線で示している。図12(b)には、このとき巻線Uaに流れる電流Iuaを実線で、巻線Ubに流れる電流Iubを破線で示している。
同様に図13は巻線Va、Vbに流れる電流を、図14は巻線Wa、Wbに流れる電流を示している。
図15は、電磁力計算によって算出された半径方向力を示したものであり、図15(a)は発生する半径方向力の振幅、図15(b)は発生する半径方向力の位相を示している。
図12(a)、図13(a)、図14(a)に示すように、半径方向力を発生させるための電流指令値Iru、Irv、Irwは、回転トルクを発生させる電流指令値Itu、Itv、Itwと同じ周波数の正弦波電流である。但し、Iru、Irv、Irwの位相関係は、Itu、Itv,Itwの位相関係とは逆になっている。このような巻線電流を流したときに、ほぼ一定振幅、一定の向きの半径方向力を発生できていることが図15からわかり、前述した数式を用いた説明と一致している。
以上説明してきたように、本実施例のモータ制御装置では、半径方向力を発生させるための電流として数式7に示した電流を重畳することにより、数式10に示した半径方向力を発生させることができる。特に、数式7においてn=4とした場合に、一定の大きさかつ一定の向きの半径方向力を発生させることができる。したがって、これをベースとして数式7に示した電流の振幅aと位相φを変調することで任意の半径方向力を発生させることができる。
さて、ここから、ポリゴンモータ1の自励振動を抑圧する制振力としての半径方向力の発生について説明する。
前述したように、本実施例では、ポリゴンミラー2およびポリゴンモータ1の重心ずれに起因して発生する遠心力を打ち消す半径方向力を発生させて、振動を抑圧する。遠心力を打ち消すには、大きさが一定で、向きがポリゴンモータ1の回転と同じ角速度および回転方向で回転する半径方向力を発生させることが必要となる。
このような半径方向力を発生させるには、数式10において、n=4、φ=−θ+φoffsetとすればよい。これらを数式7に代入すると、半径方向力を発生させるための電流指令値Iru、Irv、Irwが求められる(下記数式11)。また、数式10に代入すると、発生する半径方向力が求められる(下記数式12)。
ここで、φoffset=0としたときの巻線電流を図16に、半径方向力を図17に示す。
図16(a)には、巻線Uaに流れる電流Iuaを実線で、巻線Ubに流れる電流Iubを破線で示している。同様に、図16(b)には巻線Va、Vbに流れる電流を、図16(c)には巻線Wa、Wbに流れる電流を示している。
図17は電磁力計算によって算出された半径方向力であり、図17(a)は発生する半径方向力の振幅、図17(b)は発生する半径方向力の位相を示している。図17に示したように、大きさがほぼ一定で、モータの回転と同じ角速度および回転方向で回転する半径方向力を発生させることができている。
また、数式11、数式12からわかるように、半径方向力を発生させるための電流指令値Iru、Irv、Irwの振幅aを変更することで、発生する半径方向力の大きさを変化させることができる。さらに、Iru、Irv、Irwの位相φoffsetを変更することで、ロータの位相と、発生する半径方向力の向きが回転する位相の関係を変化させることができる。つまり、ポリゴンモータ1の重心ずれ状態および回転速度に応じて、数式11に示したIru、Irv、Irwの振幅a・位相φoffsetを調整することで、遠心力を打ち消す半径方向力を発生させることが可能となる。巻線電流と半径方向力の関係についての説明は以上とし、ここで図1中の半径方向力電圧指令生成部32の詳細について図18を参照して説明する。
図18は、半径方向力電圧指令生成部32の構成を示した図である。電流指令生成部45は、入力されるロータ位相θと、振幅aおよび位相φoffsetから、数式11を用いて半径方向力を発生させるための電流指令値Iru、Irv、Irwを生成する。振幅aおよび位相φoffsetは、重心ずれに起因して発生する遠心力を打ち消して振動を低減できるように、光走査装置の製造時にあらかじめ測定された値が振幅・位相記憶部47に記憶されている。記憶された振幅aおよび位相φoffsetは、振幅・位相記憶部47から電流指令生成部45に入力されている。電圧指令算出部46は、入力される電流指令値Iru、Irv、Irwから、下記数式13を用いて、指令値通りの電流を巻線に流すための電圧指令値Vru、Vrv、Vrwを算出して出力する。
出力された電圧指令値Vru、Vrv、Vrwは、既に説明したように、回転トルクを発生させるための電圧指令値Vtu、Vtv、Vtwと加減算され、各巻線に印加される駆動電圧指令値が算出される。こうして算出された駆動電圧指令値に応じた電圧を各巻線に印加することによって、所望の半径方向力を発生することができる。
続いて、モータ制御装置の動作フローについて、図19を参照して説明する。モータ制御装置は、CPUからモータ回転開始が指令されると図19に示した処理を開始する。なお、モータ回転開始が指令される前には、トルク電圧指令生成部31および半径方向力電圧指令生成部32から、それぞれの電圧指令値は出力されておらず、いずれも‘0’として扱われる。
モータ回転開始が指令されると、トルク電圧指令生成部31からトルク電圧指令の出力が開始され(S101)、モータが回転駆動される。トルク電圧指令生成の詳細については、既に説明した通りである。その後、目標とする定常速度に到達したか否かが判断され(S102)、到達したと判断すると、半径方向力電圧指令生成部32から半径方向力電圧指令の出力が開始される(S103)。半径方向力電圧指令生成の詳細については、既に説明した通りである。
こうして所望の半径方向力を発生させて振動を低減させながら、目標とする定常速度での回転動作が行われる。その後、CPUからモータ停止が指令されると(S104)、半径方向力電圧指令生成部32から半径方向力電圧指令の出力が停止される(S105)。更にトルク電圧指令生成部31からトルク電圧指令の出力が停止され(S106)、各巻線への電流の供給が行われなくなってモータが停止する。
以上説明してきたように、本実施例のモータ制御装置では、回転トルクを発生させるための電流に、数式11に示した半径方向力を発生させるための電流を重畳した電流を各巻線に供給する。これにより、重心ずれに起因して発生する遠心力を打ち消す半径方向力を発生させ、ポリゴンモータ1の振動を低減することができる。
なお、本実施例においては、ポリゴンモータ1が定常速度で回転しているときに半径方向力を発生するようにしていたが、モータの加減速時にも半径方向力を発生するようにしてもよい。その場合には、モータの回転速度によって打ち消すべき遠心力の大きさが変わるため、発生させる半径方向力も回転速度に応じて変更する。具体的には、数式11で示した半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅aを、モータの回転速度に応じて変更するようにすればよい。
[実施例2]
本発明の第2の実施例について説明する。本実施例では、実施例1と同様に、本発明のモータ制御装置を光走査装置のポリゴンミラーを回転駆動するポリゴンモータに適用した場合を例示する。
本実施例では、ポリゴンモータ1の構成、半径方向力を発生させるための電流自体やその生成方法等は実施例1と同様であり、回転トルクを発生させるための電圧指令を生成する方法のみが実施例1との相違点である。したがって、ここでは、トルク電圧指令生成部の詳細についてのみ説明し、その他の説明は省略する。
図20および図21を参照して説明する。図20は、本実施例のモータ制御装置の概略構成を示した図である。トルク電圧指令生成部50には、電流振幅指令Iamp、ロータ位相θとともに、電流検出値Iua_det、Iva_det、Iub_det、Ivb_detが入力されている。
トルク電圧指令生成部50では、入力される電流振幅指令値Iampと、ロータ位相θとから、回転トルクを発生させるための3相分の電流指令値を生成する。また、入力される電流検出値Iua_det、Iva_det、Iub_det、Ivb_detから、3相分の電流検出値を算出する。これら3相分の電流指令値と電流検出値の差分をそれぞれ算出し、さらにそれぞれにPI制御の制御演算を施して電圧指令Vtu、Vtv、Vtwを出力する。トルク電圧指令生成部50の詳細については後述する。
図20中の51および52は電流検出部であり、巻線Ua、Va、Ub、Vbとインバータ37、38との間にそれぞれ直列に挿入された抵抗の両端電圧を測定し、抵抗値で除することで各巻線に流れる電流値を検出している。図20に示したその他の部分については実施例1と同様のため、ここでは説明を省略する。続いて、図21を参照してトルク電圧指令生成部50の詳細について説明する。図21は、トルク電圧指令生成部50の構成を示した図である。
電流指令生成部40は、実施例1と同様に構成され、入力される電流振幅指令Iampおよびロータ位相θから、数式1を用いて回転トルクを発生させるための3相分の電流指令値Itu、Itv、Itwを算出する。
各相電流算出部55は、入力される電流検出値Iua_det、Iva_det、Iub_det、Ivb_detから、下記数式14を用いて、各相電流Iu_det、Iv_det、Iw_detを算出する。
演算部56では、3相分の電流指令値Itu、Itv、Itwと、上述したように算出した各相電流Iu_det、Iv_det、Iw_detとの差分をそれぞれ演算し、電流偏差ΔIu、ΔIv、ΔIwを算出する。
制御演算部57では、入力される電流偏差ΔIu、ΔIv、ΔIwそれぞれにPI制御の制御演算を施して、回転トルクを発生させるための電圧指令値Vtu、Vtv、Vtwを算出する。
このように、本実施例では、回転トルクを発生させるための電流を、フィードバックループを形成して制御している。本実施例では、実施例1同様に各巻線電流には半径方向力を発生させるための電流が重畳されているが、上述したように巻線UaとUb、VaとVb、WaとWbの電流の平均をとることでその影響をなくしている。これにより、回転トルクを発生させるための電流のみをフィードバック制御することが可能となる。
以上説明したようにトルク電圧指令生成部50を構成することにより、回転トルクを発生させるための電流に、半径方向力を発生させるための電流を重畳した電流を各巻線に供給することができる。したがって、実施例1と同様に、重心ずれに起因して発生する遠心力を打ち消す半径方向力を発生させ、ポリゴンモータ1の振動を低減することができる。
なお、本実施例においては、3相分の電流をそれぞれフィードバック制御していたが、これに限定するものではない。前述した3相分の電流指令値および3相分の電流検出値をそれぞれ3相−2相変換して2相分の電圧指令値を算出した後に、2相−3相変換して3相分の電圧指令値を求めるように構成してもよい。
[実施例3]
本発明の第3の実施例について説明する。本実施例では、実施例1と同様に、本発明のモータ制御装置を光走査装置のポリゴンミラーを回転駆動するポリゴンモータに適用した場合を例示する。
本実施例は、ポリゴンモータ1の振動を検出する振動検出手段を備え、検出される振動が小さくなるように、半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅aと位相φoffsetを決定することが特徴である。振幅aと位相φoffsetが決定された後に、光走査を行うためにポリゴンモータ1を回転駆動する際(以下では通常駆動時と記述)の動作は実施例1と同様である。したがって、ここでは主に振幅aと位相φoffsetの決定について説明し、その他の説明は省略する。
図22は、本実施例のモータ制御装置の概略構成を示した図である。図22中の61は加速度センサであり、ポリゴンモータ1のステータ外周に、ポリゴンモータ1の半径方向の振動を検出するように設置されている。加速度センサ61から出力される振動検出値vb_detは、半径方向力電圧指令生成部60に入力される。
図23は、半径方向力電圧指令生成部60の構成を示した図である。電流指令生成部45は、入力されるロータ位相θと、振幅aおよび位相φoffsetから、実施例1で説明した数式11を用いて、半径方向力を発生させるための電流指令値Iru、Irv、Irwを生成する。
電圧指令算出部46は、入力される電流指令値Iru、Irv、Irwから、数式13を用いて、指令値通りの電流を巻線に流すための電圧指令値Vru、Vrv、Vrwを算出する。振動抽出部63には、振動検出値vb_detが入力されている。振動抽出部63では、入力される振動検出値vb_detにFFT処理を施し、モータ回転周波数の成分の振動振幅vb_ampを抽出して出力する。なお、この処理は、振幅aと位相φoffsetを決定する際にのみ行われ、通常駆動時には行われない。
振幅・位相指令部64は、半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅aと位相φoffsetを、電流指令生成部45に対して出力する。通常駆動時には、既に決定されている振幅aと位相φoffsetが出力され、電流指令生成部45において、これらを用いて所望の半径方向力を発生させるための電流指令値が生成される。
また、振幅・位相指令部64には、モータ回転周波数の振動振幅vb_ampが入力される。振幅aと位相φoffsetを決定する際には、後述するように、電流指令値の振幅aと位相φoffsetを変更しながら振動振幅vb_ampを観測し、振動振幅vb_ampが最小となるように振幅aと位相φoffsetを決定する。
図24に、振幅aと位相φoffsetを決定する動作フローを示す。CPUから、振幅aと位相φoffsetの決定動作指令が出されると、ポリゴンモータ1を一定速度で回転させた状態で、図24に示した処理が開始される。なお、振幅aと位相φoffsetの決定動作は、光走査装置の電源投入時等の決められたタイミングで行われる。
最初に、振幅aを一定値a0に固定して(S201)、位相φoffsetの決定動作を行う。まず、位相φoffsetを0°とし(S202)、このときのモータ回転周波数の振動振幅vb_ampを抽出し、記憶する(S203)。続いて、位相φoffsetを30°進めて(S204)、同様にvb_ampの抽出・記憶を行う。これをφoffsetが360°回転するまで繰り返す。
繰り返しが終了すると、測定された振動振幅vb_ampが最も小さくなっていたときの位相φoffset_min1を位相φoffsetの候補として仮決定する(S206)。続いて、S207〜S210では、候補として仮決定された位相φoffset_min1を中心にして、位相φoffsetを1°ずつ変更しながら、振動振幅vb_ampの測定を繰り返す。そして、vb_ampが最も小さくなった時の位相を、最終的な位相φoffsetとして決定する(S211)。
振幅aを一定値に固定した場合、位相φoffsetと発生する振動振幅vb_ampとの関係は図25(a)に示したようになっている。上述したようにして決定されたφoffsetは、図25(a)の一点鎖線で示した振動振幅vb_ampが最も小さくなる位相になる。
こうして位相φoffsetが決定されると、以降は位相を固定し、振幅aの決定動作を行う。まず、S212〜S216で、あらかじめ定められた振幅aの変更範囲を16分割したΔaを刻み幅とし、振幅aをΔaずつ変更しながら振動振幅vb_ampの測定を繰り返す。そして、測定された振動振幅vb_ampが最も小さくなっていたときの振幅a_min1を振幅aの候補として仮決定する(S217)。更に、S218〜S222で、候補として仮決定された振幅a_min1を中心に、Δaをより細かくして測定を繰り返し、vb_ampが最も小さくなったときの振幅を、最終的な振幅aとして決定する(S223)。
位相φoffsetが、発生する振動振幅が小さくなる最適な値になっていると、振幅aと発生する振動振幅vb_ampとの関係は図25(b)に示したようになっている。上述したようにして決定された振幅aは、図25(b)の一点鎖線で示した振動振幅vb_ampが最も小さくなる振幅になる。このようにして、モータ回転周波数の振動振幅vb_ampが最も小さくなるように、電流指令値の振幅aと位相φoffsetが決定される。
以上説明したように、本実施例では、ポリゴンモータ1の振動が小さくなるように、半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅aと位相φoffsetを決定する。したがって、光走査装置の製造時にあらかじめ測定して電流指令値の振幅aと位相φoffsetを決定しておく必要がなくなる。また、何らかの理由によって、ポリゴンモータ1の振動状態に変化が生じた場合にも対応することができ、ポリゴンモータ1の振動・騒音低減を良好に実施できる。
なお、上述した説明では、半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅と位相を変更しながら振動を測定し、振動が小さくなるように調整を行うとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。電流指令値の振幅・位相と、発生する振動の振幅・位相との関係をあらかじめ求めておき、振動検出値をFFT処理して算出した振動の振幅・位相に基づいて、電流指令値の振幅・位相を決定することもできる。
[実施例4]
本発明の第4の実施例について説明する。本実施例では、実施例1と同様に、本発明のモータ制御装置を光走査装置のポリゴンミラーを回転駆動するポリゴンモータに適用した場合を例示する。
本実施例は、ポリゴンモータ1の発生する音を検出する音検出手段を備え、検出される音が小さくなるように、半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅aと位相φoffsetを決定することが特徴である。振幅aと位相φoffsetが決定された後に、光走査を行うためにポリゴンモータ1を回転駆動する際(以下では通常駆動時と記述)の動作は実施例1と同様である。したがって、ここでは主に振幅aと位相φoffsetの決定について説明し、その他の説明は省略する。
図26は、本実施例のモータ制御装置の概略構成を示した図である。図26中の71は小型マイクロフォンであり、ポリゴンモータ1の近傍に設置されている。小型マイクロフォン71から出力される音検出値snd_detは、半径方向力電圧指令生成部70に入力される。
図27は、半径方向力電圧指令生成部70の構成を示した図である。電流指令生成部62は、入力されるロータ位相θと、振幅aおよび位相φoffsetから、実施例1で説明した数式11を用いて、半径方向力を発生させるための電流指令値Iru、Irv、Irwを生成する。
電圧指令算出部65は、入力される電流指令値Iru、Irv、Irwから、数式13を用いて電圧指令値Vru、Vrv、Vrwを算出する。音抽出部73には、音検出値snd_detが入力されている。音抽出部73では、入力される音検出値snd_detにFFT処理を施し、モータ回転周波数の成分の音振幅snd_ampを抽出して出力する。なお、この処理は、振幅aと位相φoffsetを決定する際にのみ行われ、通常駆動時には行われない。
振幅・位相指令部74は、半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅aと位相φoffsetを、電流指令生成部62に対して出力する。通常駆動時には、既に決定されている振幅aと位相φoffsetが出力され、電流指令生成部62において、これらを用いて所望の半径方向力を発生させるための電流指令値が生成される。
また、振幅・位相指令部74には、モータ回転周波数の音振幅snd_ampが入力される。振幅aと位相φoffsetを決定する際には、電流指令値の振幅aと位相φoffsetを変更しながらこの音振幅snd_ampを観測し、音振幅snd_ampが最小となるように振幅aと位相φoffsetを決定する。
図28に、振幅aと位相φoffsetを決定する動作フローを示す。CPUから、振幅aと位相φoffsetの決定動作指令が出されると、ポリゴンモータ1を一定速度で回転させた状態で、図28に示した処理が開始される。なお、振幅aと位相φoffsetの決定動作は、光走査装置の電源投入時等の決められたタイミングで行われる。
最初に、振幅aを一定値a0に固定して(S301)、位相φoffsetの決定動作を行う。まず、位相φoffsetを0°とし(S302)、このときのモータ回転周波数の音振幅snd_ampを抽出し、記憶する(S303)。続いて、位相φoffsetを30°進めて(S304)、同様にsnd_ampの抽出・記憶を行う。これをφoffsetが360°回転するまで繰り返す。繰り返しが終了すると、測定された音振幅snd_ampが最も小さくなっていたときの位相φoffset_min1を位相φoffsetの候補として仮決定する(S306)。
続いて、S307〜S310では、候補として仮決定された位相φoffset_min1を中心にして、位相φoffsetを1°ずつ変更しながら、音振幅snd_ampの測定を繰り返す。そして、snd_ampが最も小さくなった時の位相を、最終的な位相φoffsetとして決定する(S311)。振幅aを一定値に固定した場合、位相φoffsetと発生する音振幅snd_ampとの関係は図29(a)に示したようになっている。上述したようにして決定されたφoffsetは、図29(a)の一点鎖線で示した音振幅snd_ampが最も小さくなる位相になる。
こうして位相φoffsetが決定されると、以降は位相を固定し、振幅aの決定動作を行う。まず、S312〜S316で、あらかじめ定められた振幅aの変更範囲を16分割したΔaを刻み幅とし、振幅aをΔaずつ変更しながら音振幅snd_ampの測定を繰り返す。そして、測定された音振幅snd_ampが最も小さくなっていたときの振幅a_min1を振幅aの候補として仮決定する(S317)。
更に、S318〜S322で、候補として仮決定された振幅a_min1を中心に、Δaをより細かくして測定を繰り返し、snd_ampが最も小さくなったときの振幅を、最終的な振幅aとして決定する(S323)。位相φoffsetが、発生する音振幅が小さくなる最適な値になっていると、振幅aと発生する音振幅snd_ampとの関係は図29(b)に示したようになっている。上述したようにして決定された振幅aは、図29(b)の一点鎖線で示した音振幅snd_ampが最も小さくなる振幅になる。
このようにして、モータ回転周波数の音振幅snd_ampが最も小さくなるように、電流指令値の振幅aと位相φoffsetが決定される。
以上説明したように、本実施例では、ポリゴンモータ1の発生する音が小さくなるように、半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅aと位相φoffsetを決定する。したがって、光走査装置の製造時にあらかじめ測定して電流指令値の振幅aと位相φoffsetを決定しておく必要がなくなる。また、何らかの理由によって、ポリゴンモータ1の振動状態に変化が生じた場合にも対応することができ、ポリゴンモータ1の振動・騒音低減を良好に実施できる。
なお、上述した説明では、半径方向力を発生させるための電流指令値の振幅と位相を変更しながら音を測定し、音が小さくなるように調整を行うとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。電流指令値の振幅・位相と、発生する音の振幅・位相との関係をあらかじめ求めておき、音検出値をFFT処理して算出した音の振幅・位相に基づいて、電流指令値の振幅・位相を決定することもできる。
[実施例5]
本発明の第5の実施例について説明する。本実施例では、実施例1と同様に、本発明のモータ制御装置を光走査装置のポリゴンミラーを回転駆動するポリゴンモータに適用した場合を例示する。
本実施例は、実施例1と同様に、重心ずれに起因する遠心力を打ち消す半径方向力を発生させて、ポリゴンモータの振動を低減する。但し、本実施例で用いられるポリゴンモータは、実施例1で用いられるポリゴンモータとは巻線の構成が異なっている。これに伴って、巻線電流と発生する半径方向力の関係が実施例1とは異なり、したがって、実施例1と同様の半径方向力を発生させているが、巻線電流が異なっている。
以下で詳細に説明する。まず、本実施例に用いるポリゴンモータの構成について、図30、図31を参照して説明する。図30は、ポリゴンモータの回転軸に垂直な面の断面図である。図30に示すように、本実施例のポリゴンモータは、ロータ25に4極対の永久磁石を備えている。ステータコア26は30°ごとに12個の歯部が形成され、それぞれに巻線Ua1、Ua2、Va1、Va2、Wa1、Wa2、Ub1、Ub2、Vb1、Vb2、Wb1、Wb2が巻回されている。巻線Ua1とUb1、Ua2とUb2、Va1とVb1、Va2とVb2、Wa1とWb1、Wa2とWb2は互いに対向する位置に配置されている。また、巻線Ua1とVa1、Wa1はそれぞれ120°ずつ、ずれた位置に配置されている。同様に巻線Ua2、Va2、Wa2および巻線Ub1、Vb1、Wb1および巻線Ub2、Vb2、Wb2はそれぞれ120°ずつ、ずれた位置に配置されている。
これら巻線Ua1、Ua2、Va1、Va2、Wa1、Wa2、Ub1、Ub2、Vb1、Vb2、Wb1、Wb2は図31に示すように接続されている。すなわち、巻線Ua1とUa2は直列に接続されてUa相を形成している。同様に巻線Va1とVa2、Wa1とWa2、Ub1とUb2、Vb1とVb2、Wb1とWb2はそれぞれ直列に接続されて、Va相、Wa相、Ub相、Vb相、Wb相を形成している。Ua相、Va相、Wa相は、それぞれ一端が外部から電圧を印加できるように端子に接続され、他端同士が中性点で接続されている。同様に、Ub相、Vb相、Wb相は、それぞれ一端が外部から電圧を印加できるように端子に接続され、他端同士が中性点で接続されている。更に、これらの中性点同士が接続されている。このように、本実施例のポリゴンモータは、3相の巻線を2組備え、この2組の中性点が接続された構成となっている。
ここから、上記構成のポリゴンモータにおける巻線電流と発生する半径方向力の関係について説明する。
本実施例では、実施例1と同様に、互いに対向する位置に配置された各相巻線UaとUb、VaとVb、WaとWbに流す電流を異ならせることによって、半径方向力を発生させる。このとき、発生する半径方向力の方向を図32に示す。巻線UaとUbに流す電流を異ならせたときには、図32に示した矢印Fuの方向の力が発生する。(矢印Fuの向きを正方向とし、発生力が負のときには向きは矢印Fuと逆向きになる。)同様に、巻線VaとVbに流す電流を異ならせたときには矢印Fvの方向の力が、巻線WaとWbに流す電流を異ならせたときには矢印Fwの方向の力が発生する。
実施例1で説明したのと同様に、発生する半径方向力を図32に示したX軸方向とY軸方向の成分に分解して考えると、下記数式15のように表せる。
図32からわかるように、θuは135°、θvは255°、θwは15°である。
更に、実施例1で説明したのと同様に、数式7、8、9を数式15に代入して整理すると、下記数式16が得られる。
数式16で、n=4のときには、FxおよびFyはロータ位相θに依らず、数式7で示した重畳する電流の振幅a、位相φによって決まる力となることがわかる。すなわち、重畳する電流を、数式7においてn=4とし、振幅a、位相φを制御することで、任意の半径方向力を発生させることが可能になる。
なお、数式16と実施例1で説明した数式10を比較すると、同じ巻線電流を流した場合でも、発生する半径方向力が異なることがわかる。これは、図32と図8を比較するとわかるように、巻線の構成が異なることが原因で、本実施例と実施例1とではFu、Fv、Fwの発生方向が異なるためである。
さて、ここから、ポリゴンモータの自励振動を抑圧する制振力としての半径方向力の発生について説明する。
本実施例において、実施例1と同様な、遠心力を打ち消す半径方向力を発生させるためには、数式16で、n=4、φ=θ+φoffsetとすればよい。これらを数式7に代入すると、半径方向力を発生させるための電流指令値Iru、Irv、Irwが求められる(下記数式17)。また、数式16に代入すると、発生する半径方向力が求められる(下記数式18)。
実施例1では、半径方向力を発生させるための電流指令値の生成に、数式11を用いていたが、本実施例では、代わりに数式17を用いることで、必要な半径方向力を発生させることができる。これ以外の、モータ制御装置の構成や動作フローについては、実施例1と同様でよいため、ここでは説明を省略する。
以上説明したように、本実施例のモータ制御装置では、回転トルクを発生させるための電流に、数式17に示した半径方向力を発生させるための電流を重畳した電流を各巻線に供給する。これにより、重心ずれに起因して発生する遠心力を打ち消す半径方向力を発生させ、ポリゴンモータの振動を低減することができる。
[実施例6]
本発明の第6の実施例について説明する。本実施例では、本発明のモータ制御装置を、画像形成装置の感光ドラム9を回転駆動するドラムモータに適用した場合を例示する。画像形成装置に関する説明は、実施例1と同様のため、ここでは省略する。
図33に、ドラムモータ80から感光ドラム9への駆動伝達構成を示す。図33(a)に示すように、ドラムモータ80の回転駆動力は、駆動プーリ81、タイミングベルト83、従動プーリ82を介して感光ドラム9へと伝達される。 図33(b)は図33(a)のZ−Z断面図である。
このようなタイミングベルト83を用いた駆動伝達系においては、駆動プーリ81および従動プーリ82とタイミングベルト83との歯飛びを防ぐため、タイミングベルト83に張力Tが付与されている。更に、ドラムモータ80を回転駆動すると、駆動プーリ81の回転駆動力によってプーリに掛かる前後のベルト張力に差が生じ、この張力差によって従動プーリ82へ駆動力が伝達される。
したがって、一定負荷である感光ドラム9を一定速度で回転させているときには、図33(b)中の矢印で示したような張力が働いている。すなわち、駆動プーリ81に掛かる前ではT+ΔTの張力が、また駆動プーリ81に掛かった後ではT−ΔTの張力が働いている。ここで、ΔTは、感光ドラム9の負荷トルクの1/2に相当する力となる。
このような張力が働いているため、ドラムモータ80の回転軸には、これら張力の合成力であるFtが働くことになる。Ftは、一定の大きさ・向きの力である。
ドラムモータ80の回転軸はロータに接続されているため、上述したような力が回転軸に働くと、ドラムモータ80のロータとステータとの間にミスアライメントが生じる恐れがある。ロータとステータとの間にミスアライメントが生じた状態でドラムモータ80を回転駆動すると、磁力の不平衡に伴う振動が発生する。
更に、上述したような一定の大きさ・向きの力が回転軸に働いていると、軸受部において常に一方向に押しつけられた状態となるため、摩耗を増大させるなどして軸受部の寿命を低下させてしまう。
本実施例では、ドラムモータ80で半径方向力を発生させ、前述した張力に起因する力を打ち消すことによって、これらの課題を解消する。ここから、ドラムモータ80で発生させる半径方向力と、半径方向力を発生させるために巻線に流す電流について説明する。ここで、ドラムモータ80の巻線の構成は実施例1のポリゴンモータ1と同様である。したがって、巻線電流と発生する半径方向力の関係についても実施例1で説明したのと同様となり、数式7で示した電流を重畳したときに、数式10で示した半径方向力が発生する。
前述した張力に起因する力を打ち消すためには、一定の大きさ・方向の半径方向力を発生させればよく、そのためには、数式10でn=4、φ=φoffsetとすればよい。これらを数式7に代入すると、半径方向力を発生させるための電流指令値Iru,Irv,Irwが求められる(下記数式19)。また、数式10に代入すると、発生する半径方向力が求められる(下記数式20)。
数式19および数式20からわかるように、重畳する電流の振幅aおよび位相φoffsetを変更することで、発生する半径方向力の大きさと向きを調整することができる。本実施例では、タイミングベルト83に付与する張力Tと感光ドラム9の負荷トルクとから、重畳する電流の振幅aおよび位相φoffsetをあらかじめ算出して記憶している。
このように、本実施例では、数式19を用いて半径方向力を発生させるための電流指令値を生成する。これ以外の、モータ制御装置の構成や動作フローについては、実施例1と同様にして実施できるため、ここでは説明を省略する。
以上説明したように、本実施例のモータ制御装置では、回転トルクを発生させるための電流に、数式19に示した半径方向力を発生させるための電流を重畳した電流を各巻線に供給する。これにより、タイミングベルト83の張力に起因してモータ回転軸に働く力を打ち消し、ロータとステータのミスアライメント発生、軸受部の摩耗といった問題を解消することができる。
1・・・ポリゴンモータ
2・・・ポリゴンミラー
9・・・感光ドラム
10・・・光走査装置
21、25・・・ロータ
22、26・・・ステータコア
31、50・・・トルク電圧指令生成部
32、60、70・・・半径方向力電圧指令生成部
33、34・・・演算部
51、52・・・電流検出部
61・・・加速度センサ
71・・・マイクロフォン
80・・・ドラムモータ
Ua、Ub、Va、Vb、Wa、Wb、Ua1、Ua2、Ub1、Ub2、Va1、Va2、Vb1、Vb2、Wa1、Wa2、Wb1、Wb2・・・巻線

Claims (12)

  1. m相の巻線群をn組(n≧2)有する固定子と、
    x極対の永久磁石を有する回転子と、を備えた永久磁石モータに対して
    回転トルクを発生させるためのトルク用電流に半径方向の力を発生させるための半径方向力用電流を重畳して、同相のn組の巻線を流れる電流値を異ならせることによって、半径方向力を発生させるモータ制御装置であって、
    前記トルク用電流は、モータ回転数のx倍の周波数で、第1相から第m相まで電気角で360/m°ずつ位相がずれた交番電流を主成分としたものであり、
    実質一定方向かつ実質一定の大きさの半径方向力を発生させる電流を半径方向力用基本電流とし、
    前記半径方向力用基本電流は、前記トルク用電流の主成分と同じ周波数で、かつ第1相から第m相までの位相が前記トルク用電流とは逆向きに電気角で360/m°ずつずれた交番電流であり、
    前記半径力用電流は、前記半径方向力用基本電流の位相および振幅を、発生させたい半径方向力の向きおよび大きさに応じて変調させたものであることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記永久磁石モータは3相の巻線群を2組有する固定子を備え、
    回転トルクを発生させるためのトルク用電流に、半径方向の力を発生させるための半径方向力用電流を、第1組の巻線群には加算し、第2組の巻線群には減算して、同相の第1組の巻線と第2組の巻線を流れる電流値を異ならせることによって半径方向力を発生させるものであり、
    前記トルク用電流は、モータ回転数のx倍の周波数で、第1相から第3相まで電気角で120°ずつ位相がずれた交番電流を主成分としたものであり、
    実質一定方向かつ実質一定の大きさの半径方向力を発生させる電流を半径方向力用基本電流とし、
    前記半径方向力用基本電流は、前記トルク用電流の主成分と同じ周波数で、かつ第1相から第3相までの位相が前記トルク用電流とは逆向きに電気角で120°ずつずれた交番電流であり、
    前記半径力用電流は、前記半径方向力用基本電流の位相および振幅を、発生させたい半径方向力の向きおよび大きさに応じて変調させたものであることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記永久磁石モータに備えられたm相n組の巻線群は、各組ごとにm相の巻線夫々の一端同士が短絡されて中性点を形成しており、かつ、n組の中性点同士が短絡されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記トルク用電流を前記巻線群に流すために前記巻線群に印加するトルク用電圧指令値を算出するトルク用電圧指令算出手段を更に備え、
    前記トルク用電圧指令算出手段は、m相の巻線群1組分の電圧方程式に基づいて、前記トルク用電流の指令値からトルク用電圧指令値を算出することを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記トルク用電流を前記巻線群に流すために前記巻線群に印加するトルク用電圧指令値を算出するトルク用電圧指令算出手段と、
    前記複数の巻線群の各巻線を流れる電流値を検出する電流検出手段とを更に備え、
    前記トルク用電圧指令算出手段は、m相の巻線群1組分のトルク用電流指令値と、第1相から第m相夫々のn組分の電流値を平均化した電流平均値との差分に基づいて、トルク用電圧指令値を算出することを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  6. 前記発生させる半径方向力は、実質一定方向かつ実質一定の大きさの半径方向力であり、
    前記半径方向力用電流は、モータ回転数のx倍の周波数で、かつ第1相から第m相までの位相が前記トルク用電流とは逆向きに電気角で360/m°ずつ、ずれた交番電流であることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  7. 前記発生させる半径方向力は、実質一定の大きさで、その向きがモータ回転速度と同じ回転速度で回転する半径方向力であり、
    前記半径方向力用電流は、モータ回転数のx+1倍もしくはx−1倍の周波数で、かつ第1相から第m相までの位相が前記トルク用電流とは逆向きに電気角で360/m°ずつ、ずれた交番電流であることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  8. 前記永久磁石モータは光走査装置の回転多面鏡を回転駆動するものであり、
    前記発生させる実質一定の大きさで、その向きがモータ回転速度と同じ回転速度で回転する半径方向力によって前記回転多面鏡の重心ずれに起因して生じる遠心力を打ち消すように、前記半径方向力用電流の振幅および位相を決定することを特徴とする請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記半径方向力用電流の位相および振幅を記憶する位相・振幅記憶手段を更に備え、
    前記位相・振幅記憶手段にあらかじめ記憶されている位相および振幅を用いて前記半径方向力用電流指令値を生成することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  10. 前記永久磁石モータの近傍に配置された振動検出手段を更に備え、
    前記振動検出手段で検出した振動検出値に基づいて、前記半径方向力用電流の位相および振幅を決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  11. 前記永久磁石モータの近傍に配置された音検出手段を更に備え、
    前記音検出手段で検出した音検出値に基づいて、前記半径方向力用電流の位相および振幅を決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のモータ制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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