JP2018125586A - ノイズ検出装置、ノイズ検出方法、及びノイズ検出プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】受信部がアナログ放送波を受信して得られた受信信号に、スイッチング部におけるスイッチング動作に起因したノイズが重畳しているか否かを判定する。【解決手段】スイッチングアンプ22におけるスイッチング動作に起因して、アナログチューナ12が出力する音声信号にビートノイズが重畳する。当該ビートノイズは、所定期間に亘って一定周波数及び一定振幅を維持する。一方、音声信号には、所定期間に亘って一定周波数及び一定振幅を維持する成分を有さない。DSP16は、音声信号に対して、所定期間に亘る複数の時点においてFFT処理を行い、複数の周波数スペクトルを生成する。ノイズ検出部28は、複数の周波数スペクトルにおいて、一定周波数及び一定振幅を維持している波形成分が検出された場合に、音声信号にビートノイズが重畳していると判定する。【選択図】図1
Description
本発明は、ノイズ検出装置、ノイズ検出方法、及びノイズ検出プログラムに関し、特に、アナログ放送波を受信する受信部が受信して得られた受信信号に重畳するノイズを検出する技術に関する。
従来、アナログ放送波を受信して受信信号を得る受信部(例えばアナログチューナ)を備える装置が知られている。このような装置としては、例えばアナログチューナが搭載されたAVレシーバなどが知られている。
受信部がアナログ放送波を受信して得られた受信信号に、スイッチング部(例えばスイッチングアンプなど)のスイッチング動作に起因するノイズが重畳する場合がある。図9を参照して、そのメカニズムを説明する。図9(a)には、スイッチング部におけるスイッチング動作に起因して生じ、受信部のRF(Radio Frequency)部あるいはIF(Intermediate Frequency)部に回り込んだノイズ成分が示されている。なお、図9(a)においては、横軸が周波数を表し、縦軸が信号のレベル(振幅)を表している。図9(a)に示されるように、スイッチング動作のスイッチング周波数及びその高調波周波数(整数倍の周波数)においてノイズ成分が現れている。これは、例えば、受信部とスイッチング部が近くに配置されている場合にスイッチング動作により生じた放射ノイズが受信部へ飛びついたこと、あるいは、スイッチング動作によって受信部のグラウンドラインが揺れることなどに起因して生じるものである。
このように、スイッチング周波数あるいはその高調波周波数を有するノイズ成分が受信部に回り込んでいる状態において、受信部が、当該スイッチング周波数又は高調波周波数を含む受信周波数帯(図9(a)において一点鎖線で示す)の信号を受信する場合、受信部が得た受信信号に、スイッチング動作に起因したノイズが重畳することになる。
このようにして受信信号に重畳したノイズを解消する案として、スイッチング動作のスイッチング周波数を変更することが考えられる。例えば、図9(a)のように、スイッチング周波数の第2高調波の周波数が受信周波数帯に含まれている場合において、図9(b)に示されるようにスイッチング周波数を少しずらすと、それに伴って第2高調波の周波数もずれることになる。これにより、受信周波数帯からノイズ成分が外れ、受信信号に重畳するノイズを解消することができる。
従来、受信部が得た受信信号に、スイッチング動作に起因するノイズが重畳しないように、スイッチング動作のスイッチング周波数を設定する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、スイッチングアンプの動作周波数(スイッチング周波数)を2つの周波数から選択可能な放送波受信システムであって、チューナが受信する各AM放送帯毎に、2つの動作周波数が受信信号にノイズを重畳させるか否かを示すテーブルを予め用意しておき、ユーザによってAM放送帯が選択されたときに、制御部がテーブルを参照して、選択されたAM放送帯の受信信号にノイズを重畳させない動作周波数を選択し、選択された動作周波数においてスイッチングアンプを動作させる放送波受信システムが開示されている。
従来においては、受信信号を解析することで、スイッチング動作に起因するノイズが受信信号に重畳しているか否かを判定するのは困難であった。そのために、特許文献1においては、その判定を行わずに、受信周波数帯と、当該受信周波数帯における受信信号にノイズを重畳させないスイッチング周波数とを固定的に関連付けて、受信周波数帯に応じてスイッチング周波数を選択している。しかしながら、スイッチング部におけるスイッチング動作のスイッチング周波数は、個体ばらつき、あるいは温度によるドリフトなどによって一定でない場合がある。温度ドリフトについては、比較的長い(数十分〜数時間程度)期間でみると、スイッチング周波数が変動する場合がある。したがって、例えば特許文献1のように、予め受信周波数とスイッチング周波数を関連付けておく方法では、スイッチング周波数の個体ばらつきあるいは温度ドリフトなどの影響を受けて、受信信号に重畳したノイズを解消できない場合が生じ得る。
上記のように、スイッチング動作に起因したノイズが受信信号に重畳していることを判定できないために、当該ノイズに対する好適な処置を取ることができない場合がある。したがって、スイッチング動作に起因したノイズが受信信号に重畳していることを判定可能とすることが望まれている。
本発明の目的は、受信部がアナログ放送波を受信して得られた受信信号に、スイッチング部におけるスイッチング動作に起因したノイズが重畳しているか否かを判定することにある。
本発明は、スイッチング動作を行うスイッチング部と、前記スイッチング動作のスイッチング周波数又は前記スイッチング周波数の高調波周波数のいずれかを含む周波数帯のアナログ放送波を受信する受信部が受信して得られた受信信号に重畳する前記スイッチング動作に起因するノイズの特徴と、前記受信信号の特徴との違いに基づいて、前記受信信号に重畳した前記ノイズの有無を判定するノイズ検出部と、を備えることを特徴とするノイズ検出装置である。
望ましくは、前記ノイズの特徴は、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持するという特徴であり、前記受信信号の特徴は、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持する信号成分を有さないという特徴であり、前記ノイズ検出部は、前記受信信号において、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持している成分を検出した場合に、前記受信信号に前記ノイズが重畳していると判定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記ノイズ検出部は、前記受信信号において、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持している成分を検出した場合であっても、当該成分の周波数の高調波周波数において、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持している成分を検出した場合は、前記受信信号に前記ノイズが重畳していないと判定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記ノイズ検出部が前記ノイズを検出した場合に、前記スイッチング周波数又は前記高調波周波数のいずれかが前記受信部が受信している周波数帯から外れるように、前記スイッチング動作のスイッチング周波数を変更するスイッチング周波数制御部、をさらに備えることを特徴とする。
望ましくは、前記ノイズ検出部は、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持している成分を検出し、且つ、検出された成分の先鋭度が所定値以上である場合に、前記受信信号に前記ノイズが重畳していると判定する、ことを特徴とする。
また、本発明は、スイッチング部によるスイッチング動作のスイッチング周波数又は前記スイッチング周波数の高調波周波数のいずれかを含む周波数帯のアナログ放送波を受信する受信部が受信して得られた受信信号に重畳する前記スイッチング動作に起因するノイズの特徴と、前記受信信号の特徴との違いに基づいて、コンピュータが前記受信信号に重畳した前記ノイズの有無を判定するステップ、を備えることを特徴とするノイズ検出方法である。
また、本発明は、コンピュータを、スイッチング部によるスイッチング動作のスイッチング周波数又は前記スイッチング周波数の高調波周波数のいずれかを含む周波数帯のアナログ放送波を受信する受信部が受信して得られた受信信号に重畳する前記スイッチング動作に起因するノイズの特徴と、前記受信信号の特徴との違いに基づいて、前記受信信号に重畳した前記ノイズの有無を判定するノイズ検出部、として機能させることを特徴とするノイズ検出プログラムである。
本発明によれば、受信部がアナログ放送波を受信して得られた受信信号に、スイッチング部におけるスイッチング動作に起因したノイズが重畳しているか否かを判定することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るノイズ検出装置としてのAVレシーバ10の構成概略図である。
受信部としてのアナログチューナ12は、アナログ放送波を受信して受信信号を得るものである。具体的には、アナログチューナ12は、接続されたアンテナ12aを用いてアナログ放送波を受信し、ユーザにより選択された周波数帯(受信周波数帯)における信号を取り出すものである。具体的には、アナログチューナ12は、アンテナ12aからRF信号を受信し、当該RF信号のうちユーザ指定の受信周波数帯について復調処理を行ってベースバンド信号を出力するものである。また、RF信号からベースバンド信号に変換するにあたり、RF信号から一旦中間周波数を有するIF信号に変換した上でベースバンド信号に変換するようにしてもよい。なお、本明細書における「受信信号」とは、RF信号、IF信号、及び、ベースバンド信号を含む概念である。
本実施形態におけるアナログチューナ12は、アナログ放送波としてAM放送波を受信してベースバンド音声信号を出力するAMチューナである。したがって、本実施形態におけるアナログチューナ12が受信可能な周波数範囲は、約500kHz〜約1600kHzである。しかし、アナログチューナ12としては、アナログ放送波としてFM放送波を受信するFMチューナ、あるいはテレビ放送や衛星放送を受信するものであってもよい。
ADコンバータ14は、アナログチューナ12が出力したベースバンド音声信号(以下単に「音声信号」と記載する)をアナログ信号からデジタル信号に変換する処理を行う。
DSP16は、ADコンバータ14がデジタル信号に変換した音声信号に対して種々のデジタル処理を実行する。DSP16が実行するデジタル処理には、音声信号に対する高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)処理が含まれる。音声信号に対して高速フーリエ変換を施すことにより、当該音声信号の周波数スペクトルが生成される。高速フーリエ変換処理は、所定期間(例えば数秒程度)に亘って実施される。それにより、所定期間に亘る複数の時点における複数の周波数スペクトルが生成される。複数の周波数スペクトルは、後述のように、音声信号に重畳した、スイッチングアンプ22(後述)におけるスイッチング動作に起因するノイズの有無を判定するために用いられるものである。また、DSP16が実行するデジタル処理としては、音声信号に対する音質補正処理などが含まれていてもよい。
DAコンバータ18は、DSP16によりデジタル処理された音声信号をデジタル信号から再度アナログ信号へ変換する処理を行う。
ボリューム20はDAコンバータ18によりアナログ信号へ変換された音声信号の振幅を調整するものである。ボリューム20としては、例えば、ユーザにより操作可能な可変抵抗を含むアッテネート回路(減衰回路)により構成される。
スイッチング部としてのスイッチングアンプ22は、ボリューム20で振幅調整された音声信号を増幅するものである。本実施形態におけるスイッチングアンプ22は、PWM変換部22aと、出力部22bと、ローパスフィルタ22cとを含んで構成される。
PWM変換部22aは、ボリューム20からのアナログ音声信号をPWM信号に変換するものである。PWM信号への変換処理としては、例えば、アナログ音声信号と、規定の三角波信号とのレベルの大小に応じて、パルス信号が生成される。PWM変換部22aからは2つのPWM信号が出力され、そのうち一方のPWM信号に対してレベルシフト処理が施される。
出力部22bは、極性の異なる電源(プラス電源及びマイナス電源)の間に、例えばトランジスタなどの2つの半導体スイッチが直列に配置されたものである。PWM変換部22aから出力される2つのPWM信号が、2つの半導体スイッチのベースあるいはゲートに入力される。この構成により、2つの半導体スイッチがオンオフ(スイッチング動作)することで、出力部22bから振幅が増幅されたPWM信号が出力される。ここで、出力部22bにおけるスイッチング動作の周波数、すなわちスイッチング周波数は、PWM変換部22aから出力されるPWM信号の周波数(これは例えば三角波信号の周波数により決定される)に相当する。
ローパスフィルタ22cは、出力部22bからのPWM信号に対してローパスフィルタ処理を実行する。当該ローパスフィルタ処理により、PWM信号からアナログ音声信号が生成される。
以上のように処理された音声信号は、スイッチングアンプ22からAVレシーバ10のスピーカ出力端子へ出力される。
スイッチングアンプ22におけるスイッチング動作に起因したノイズ(以下「ビートノイズ」と記載する)が、アナログチューナ12が受信した受信信号に重畳し得る。そのメカニズムは上述した通りである。本実施形態におけるスイッチングアンプ22におけるスイッチング周波数は、後述のスイッチング周波数制御部30により、3百数十kHzと4百数十kHzとの間で切り替え可能となっている。例えば、スイッチング周波数として350kHzが選択されている場合、その高調波周波数(整数倍の周波数)は、700kHz、1050kHz、1400kHz・・・となる。上述のように、本実施形態におけるアナログチューナ12が受信可能な周波数範囲は、約500kHz〜約1600kHzであるから、スイッチングアンプ22のスイッチング周波数の高調波周波数が、アナログチューナ12の受信可能な周波数範囲に含まれる。したがって、ユーザにより選択されたアナログチューナ12の受信周波数帯に、スイッチング周波数の高調波周波数が含まれている場合、アナログチューナ12が受信した受信信号(本実施形態では音声信号)にビートノイズが重畳する。もちろんビートノイズの要因としては高調波周波数に限られず、スイッチング周波数(基本周波数)であってもよい。
記憶部24は、例えばROM(Read Only Memory)あるいはRAM(Random Access Memory)などから構成される。記憶部24には、AVレシーバ10の各部を動作させるためのプログラム(ノイズ検出プログラム含む)が記憶される。また、記憶部24には、後述のノイズ検出部28の処理において生成されるデータが一時記憶される。
CPU26は、AVレシーバ10の各部を制御する制御部である。CPU26は、記憶部24に記憶されたプログラムに従って、AVレシーバ10の各部を制御する。また、CPU26は、図1に示される通り、ノイズ検出部28及びスイッチング周波数制御部30としても機能する。
ノイズ検出部28は、DSP16が生成した音声信号の複数の周波数スペクトル(つまり所定期間に亘る複数の時点において生成された周波数スペクトル)を解析することにより、アナログチューナ12が出力した音声信号に重畳したビートノイズの有無を判定する。
詳しくは、ノイズ検出部28は、ビートノイズの特徴と、アナログチューナ12が受信した受信信号(本実施形態では音声信号)の特徴との違いに基づいて、受信信号に重畳したビートノイズの有無を判定する。ビートノイズの特徴とは、具体的には、周波数スペクトルにおけるビートノイズの波形の特徴であり、音声信号の特徴とは、周波数スペクトルにおける音声信号の波形の特徴である。
ビートノイズの特徴として、数秒間程度の比較的短い期間に亘って、一定の周波数及び一定の振幅(レベル)を維持する、という特徴がある。数秒程度であれば、スイッチングアンプ22におけるスイッチング周波数にそれほど変動なく、また、アナログチューナ12に回り込むノイズのレベルもそれほど変動ない。したがって、ビートノイズとしては、数秒間程度、一定の周波数及び一定の振幅が維持され得る。なお、ここでの「一定の周波数及び一定の振幅を維持する」とは、周波数あるいは振幅が全く変わらない場合のみならず、周波数あるいは振幅がある所定範囲内に維持されることを含む概念である。
一方において、アナログチューナ12が出力する音声信号は、一般的に、数秒程度に亘って、一定の周波数及び一定の振幅を維持する信号成分を有さないという特徴を有する。あるAM放送局を受信した場合、音声信号としては、一般的に曲や会話などを表すものとなり、このような音声信号は、通常、数秒程度に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持する信号成分を有さない。
したがって、ノイズ検出部28は、DSP16が生成した音声信号の複数の周波数スペクトルを解析し、受信信号において、数秒程度に亘って、一定の周波数及び一定の振幅を維持する波形成分が検出されたならば、当該音声信号にビートノイズが重畳していると判定する。
また、ビートノイズの特徴として、周波数スペクトルにおける先鋭度(Q値)が比較的を大きい、すなわちビートノイズの波形としては、数秒程度に亘って鋭いピークが維持されるという特徴がある。一方において、音声信号には、先鋭度が比較的高い信号成分(ピーク)が数秒程度維持されることは、通常無い。なお、先鋭度とは以下の式で算出される。
したがって、ノイズ検出部28は、音声信号の周波数スペクトルにおいて、所定期間に亘って、一定の周波数及び一定の振幅を維持する波形成分を検出し、且つ、検出された波形成分の先鋭度が所定値以上である場合に、当該音声信号にビートノイズが重畳していると判定するようにしてもよい。これにより、本来はビートノイズが重畳されていないのにビートノイズが重畳されている、と判定されてしまう誤判定を低減させることができる。
さらに、ビートノイズの特徴として、高調波成分が無い場合が多いという特徴を有する。これは、ビートノイズは、アナログチューナ12の受信周波数帯に含まれる、スイッチング周波数あるいはその高調波周波数単体のノイズ成分に起因するものであるところ、スイッチング周波数及びその高調波成分間の周波数間隔に対し、所望のチャンネルの周波数帯がかなり狭い場合が多いためである。一方において、音声信号には、通常、ある基本周波数を有する信号成分は、基本周波数の整数倍の周波数を有する高調波成分(倍音成分)を有している。
したがって、ノイズ検出部28は、音声信号の周波数スペクトルにおいて、所定期間に亘って、一定の周波数及び一定の振幅を維持する波形成分(基本成分)を検出した場合に、さらに、当該基本成分の高調波周波数(整数倍の周波数)において、所定期間の間、一定の周波数及び一定の振幅を維持する波形成分(高調波成分)があるか否かを判定するようにしてもよい。もし、当該高調波成分が検出されたのであれば、検出された基本成分は、偶然にも、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持していた音声信号であると判定できる。つまり、この場合は、ノイズ検出部28は、当該音声信号にビートノイズが重畳されていないと判定する。これにより、本来はビートノイズが重畳されていないのにビートノイズが重畳されている、と判定されてしまう誤判定をさらに低減させることができる。
一般に、音声信号においては、比較的低い周波数(所定周波数以下の周波数)の信号成分の方が、より高調波成分を多く含むという特徴がある。この特徴を活かし、ノイズ検出部28は、音声信号の周波数スペクトルにおいて検出された基本成分の周波数が所定周波数以下である場合に、さらに、当該基本成分の高調波成分が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
上述の処理によって、ノイズ検出部28は、音声信号にビートノイズが重畳しているか否かを判定する。なお、ノイズ検出部28の処理の詳細については、図2に示すフローチャートに沿って後述する。
スイッチング周波数制御部30は、ノイズ検出部28によって、音声信号にビートノイズが重畳していると判定された場合に、スイッチングアンプ22におけるスイッチング動作のスイッチング周波数を変更する処理を行う。具体的には、音声信号にビートノイズが重畳しないように、つまり、アナログチューナ12の受信周波数帯から、スイッチング周波数又はその高調波周波数のいずれかが外れるように、スイッチング周波数を変更する。上述の通り、本実施形態におけるスイッチング周波数制御部30は、2つの周波数の間においてスイッチング周波数を切り替えることが可能となっている。したがって、例えば、スイッチング周波数が3百数十kHzである場合にビートノイズが検出された場合、スイッチング周波数を4百数十kHzに変更し、スイッチング周波数が4百数十kHzである場合にビートノイズが検出された場合、スイッチング周波数を3百数十kHzに変更する。もちろん、スイッチング周波数制御部30は、3以上の周波数においてスイッチング周波数を切り替えるようにしてもよい。
なお、スイッチング周波数の変更の具体的な方法としては、例えば、スイッチングアンプ22のPWM変換部22aで用いられる三角波信号の周波数を変更することによって行われる。
スイッチング周波数制御部30によるスイッチング周波数の変更により、音声信号に重畳されたビートノイズが解消する。本実施形態では、上述のように、ノイズ検出部28が音声信号を解析することにより、当該音声信号にビートノイズが重畳しているか否かを判定している。そして、その判定結果に基づいて、音声信号にビートノイズが重畳している場合に、スイッチング周波数が自動的に変更される。つまり、音声信号に重畳したビートノイズを確認した上でビートノイズ解消の処置を取ることになる。これにより、従来に比してより適切に音声信号に重畳したビートノイズを解消する処置を実行することができる。
本実施形態に係るAVレシーバ10の構成については以上の通りである。なお、上記実施形態においては、ビートノイズ源となるスイッチング部としてスイッチングアンプ22が用いられていたが、スイッチング部としてはそれに限られず、アナログチューナ12の受信信号にノイズを重畳させるスイッチング動作を行う回路あるいはモジュールであればよい。例えば、スイッチング電源、DC−DCコンバータ、あるいは発振回路(クロック)を備える回路又はモジュールであってもよい。
また、上記実施形態においては、DSP16及びノイズ検出部28の解析対象が、アナログチューナ12により復調処理されたベースバンドの音声信号であったが、DSP16及びノイズ検出部28の解析対象としては、アナログチューナ12が受信したRF信号、あるいはIF信号であってもよい。
また、上記実施形態においては、ビートノイズの特徴として、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を有するという特徴であったが、ビートノイズの特徴と受信信号の特徴との間に違いがあるのであれば、ノイズの特徴としてはその他の特徴であってもよい。例えば、音声信号に重畳したノイズの周波数及び振幅の少なくとも一方が、一定周期において変動している場合、その変動幅と変動周期が予め分かっていることを前提とすれば、音声信号から当該ノイズを検出することが可能である。
また、上記実施形態においては、音声信号においてビートノイズが検出された場合に、スイッチング周波数制御部30がスイッチングアンプ22のスイッチング周波数を変更していたが、ビートノイズが検出された場合の処置としては、その他の態様を採用することもできる。例えば、CPU26がアナログチューナ12における当該受信周波数帯の信号の受信を停止させる処理を実行する、あるいは、DSP16などにおいて、ビートノイズを除去又は低減する処理を実行するなどの処置を取るようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ノイズ検出装置が、受信部としてのアナログチューナ12、スイッチング部としてのスイッチングアンプ22、及びCPU26を備えるAVレシーバ10であったが、アナログチューナ12と、スイッチングアンプ22及びCPU26がそれぞれ異なる装置に備えられていてもよい。例えば、コンポーネント型のオーディオシステムにおいて、チューナ装置にアナログチューナ12が設けられ、当該チューナ装置とは別体であって、チューナ装置からの音声信号を受けるアンプ装置にスイッチングアンプ22及びCPU26が設けられる態様であってもよい。
以下、図2に示すフローチャートに従って、AVレシーバ10の動作の流れを説明する。本実施形態においては、図2に示すフローチャートは、アナログチューナ12がある周波数帯の信号を受信しているとき(例えば受信し始めたとき)に開始される。
ステップS10において、ノイズ検出部28は、変数nを0にリセットし、ステップS12においてノイズ検出部28は変数mを0にリセットする。なお、m及びnは、処理の繰り返し回数を示す変数である。具体的には、mは、1回の解析処理内における周波数スペクトルに対するデータセット(後述)の抽出処理の回数を示す変数であり、nは、解析処理の実行回数を示す変数である。
ステップS14において、DSP16は、あるタイミングにおけるアナログチューナ12からの音声信号の周波数スペクトルを生成する。ここでは、図3に示す周波数スペクトルが生成されたとする。図3(後述の図4〜図6も同様)において、横軸は周波数[Hz]を表し、縦軸はレベル[dB]を示すものである。なお、図3〜図6において、横軸は
対数スケールとなっている。
対数スケールとなっている。
ステップS16において、ノイズ検出部28は、生成された周波数スペクトルのうち、予め定められた所定レベル以上の波形成分を抽出する。具体的には、所定レベル以上の波形成分の周波数及びレベルを抽出する。本実施形態では、所定レベルとして、−60[dB]が定められているとする。当該所定レベルは適宜ユーザによって設定されてよい。図3を参照すると、レベルが−60[dB]以上の波形成分として、以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(50,−48)、(100,−40)、(105,−48)、(300,−35)、(600,−45)、(1.2k,−52)
(周波数[Hz],レベル[dB])=(50,−48)、(100,−40)、(105,−48)、(300,−35)、(600,−45)、(1.2k,−52)
ステップS18において、ノイズ検出部28は、ステップS16で抽出された波形成分の中から、所定値以上の先鋭度を有する波形成分を抽出する。ここでは、上記複数のデータセットのうち、(周波数[Hz],レベル[dB])=(300,−35)、(600,−45)、(1.2k,−52)の3つのデータセットが抽出されたとする。
ステップS20において、ノイズ検出部28は、記憶部24に上記3つのデータセットを一時記憶させる。
ステップS22において、ノイズ検出部28は、mをインクリメントさせる。
ステップS24において、ノイズ検出部28は、mが予め定められたm0と等しくなったか否かを判定する。ここで、m0は、1回の解析処理においてノイズ検出部28が周波数スペクトルに対する抽出処理を行う繰り返し上限回数、つまりノイズ検出部28が抽出処理の対象とすべき周波数スペクトルの数を表す。m0は、予めユーザにより設定されてよい。ここでは、簡単のためm0=3に設定されているとするが、m0の値は、それよりも大きな数が設定されてよい。mがm0に達していない場合、再度ステップS14に戻り、mがm0に達した場合、ステップS26に進む。つまり、ここでは、ステップS14〜ステップS24までの処理が4回繰り返される。
2回目(m=1)のステップS14においては、1回目のステップS14とは異なるタイミングで周波数スペクトルが生成される。ここでは、図4に示す周波数スペクトルが生成されたとする。そして、図4を参照して、2回目のステップS16において、以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(60,−50)、(130,−45)、(190,−44)、(250,−55)、(380,−52)、(500,−57)、(750,−59)、(1.2k,−52)
さらに、2回目のステップS18において、上記複数のデータセットから以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(380,−52)、(500,−57)、(750,−59)、(1.2k,−52)
(周波数[Hz],レベル[dB])=(60,−50)、(130,−45)、(190,−44)、(250,−55)、(380,−52)、(500,−57)、(750,−59)、(1.2k,−52)
さらに、2回目のステップS18において、上記複数のデータセットから以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(380,−52)、(500,−57)、(750,−59)、(1.2k,−52)
3回目(m=2)のステップS14においては、1回目及び2回目のステップS14とは異なるタイミングで周波数スペクトルが生成される。ここでは、図5に示す周波数スペクトルが生成されたとする。そして、図5を参照して、3回目のステップS16において、以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(55,−50)、(110,−42)、(170,−45)、(200,−38)、(400,−50)、(620,−58)、(1.2k,−52)
さらに、3回目のステップS18において、上記複数のデータセットから以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(400,−50)、(620,−58)、(1.2k,−52)
(周波数[Hz],レベル[dB])=(55,−50)、(110,−42)、(170,−45)、(200,−38)、(400,−50)、(620,−58)、(1.2k,−52)
さらに、3回目のステップS18において、上記複数のデータセットから以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(400,−50)、(620,−58)、(1.2k,−52)
4回目(m=3)のステップS14においては、1〜3回目のステップS14とは異なるタイミングで周波数スペクトルが生成される。ここでは、図6に示す周波数スペクトルが生成されたとする。そして、図6を参照して、4回目のステップS16において、以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(75,−47)、(155,−52)、(250,−50)、(1.2k,−52)
さらに、4回目のステップS18において、上記複数のデータセットから以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(250,−50)、(1.2k,−52)
(周波数[Hz],レベル[dB])=(75,−47)、(155,−52)、(250,−50)、(1.2k,−52)
さらに、4回目のステップS18において、上記複数のデータセットから以下の複数のデータセットが抽出される。
(周波数[Hz],レベル[dB])=(250,−50)、(1.2k,−52)
以上のようにして、互いに異なるタイミングで生成された複数の周波数スペクトルに対する複数の抽出処理により、周波数とレベルからなる複数のデータセットが得られる。図7に、各回の抽出処理(m=0、1、2、3)で抽出された複数のデータセットが示されている。4回目の抽出処理の後、ステップS24においてm=m0を満たすため、ステップS26に進む。
ステップS26において、ノイズ検出部28は、複数回の抽出処理(複数回のステップS14〜S24)により得られた複数のデータセットの中に、m1回以上抽出された周波数及びレベルのデータセットが存在するか否かを判定する。ここで、m1とは、予め定められた閾値である。m1は、適宜設定されてよいが、m0の値に基づいて(例えばm0の何割というように)設定されてもよい。本実施形態では、m1=3に設定されたものとする。
ノイズ検出部28は、記憶部24に記憶された複数のデータセット(図7)を参照して、同じ周波数及び同じレベルを有するデータセットが3回以上抽出されているか否かを判定する。図7を参照すると、(周波数[Hz],レベル[dB])=(1.2k,−52)のデータセットがm=0、1、2、3のいずれにおいても抽出されている、つまり4回抽出されている。したがって、ここでは、ノイズ検出部28は、m1回(3回)以上抽出された周波数及びレベルのデータセットが存在すると判定し、ステップS28に進む。なお、ここでの「同じ」周波数及び「同じ」レベルを有するデータセットとは、必ずしも周波数あるいはレベルが完全同一である必要はなく、ある程度の幅を持たせて同じと判定するようにしてもよい。例えば、(周波数[Hz],レベル[dB])=(1.2k,−52)のデータセットと、(1.15k,−51.5)のデータセットは、同じ周波数及び同じレベルを有するデータセットとして判定するようにしてもよい。
ステップS28において、ノイズ検出部28は、ステップS26で検出された周波数及びレベルのデータセットを、今回の解析処理(n=0における解析処理)におけるノイズ候補のデータセット(ノイズ候補データセット)として記憶部24に一時保持させる。上述のように、各抽出処理で用いた各周波数スペクトルは、それぞれ異なるタイミングで生成されたものである。そのような複数の周波数スペクトルにおいて、同じ周波数及び同じレベルが複数回(m1回以上)検出されたということは、所定期間の間、音声信号に一定の周波数及び一定の振幅を維持する波形成分が存在し続けていることを意味している。したがって、ノイズ検出部28は、今回の解析処理(n=0)において、当該データセットをノイズ候補データセットとして特定する。そして、今回の解析処理を示す変数n(n=0)と、当該ノイズ候補データセットとを関連付けて記憶部24に一時記憶させる。なお、ノイズ候補データセットの抽出において、周波数及びレベルにある程度の幅を持たせた場合、ノイズ候補データセットとして特定される周波数及びレベルは、同じ周波数及び同じレベルを有するとして抽出された複数の周波数あるいはレベルの代表値(平均値、最頻値、中央値など)であってよい。
また、ビートノイズは、一定の周波数及び一定の振幅を有しているものの、音声信号にビートノイズ成分が埋もれてしまったり、あるいは音声信号と強めあってレベルが上がってしまったり、あるいは音声信号との間で打ち消し合いが生じてレベルが下がる場合が考えられる。つまり、音声信号にビートノイズが重畳していたとしても、毎回の抽出処理において一定の周波数及び一定の振幅の波形成分が抽出されない場合がある。したがって、本実施形態では、毎回(つまりm1=m0)の抽出処理において同じ周波数及び同じレベルを有するデータセットが検出された場合でなく、上記のような場合を考慮して、m1としてはm0(抽出回数)よりも少し低い値が設定されるのが好ましい。
仮に、ステップS26において、複数回の抽出処理により得られた複数のデータセットの中に、m1回以上抽出された周波数及びレベルのデータセットが存在しない場合、ステップS30に進む。この場合は、所定期間に亘って、音声信号に一定の周波数及び一定の振幅を維持する波形成分が存在しないと判定でき、つまりビートノイズが音声信号に重畳していないと判定できるため、ステップS30において、ノイズ検出部28は、今回の解析処理(n=0)においては、ノイズ候補のデータセットは無いと判定する。この場合、ノイズ検出部28は、n=0とノイズ候補なしを示す情報とを関連付けて記憶部24に一時記憶させる。
上述した1回の解析処理によって、1つのノイズ候補データセットが検出される。ノイズ検出部28は、1回の解析処理によってノイズ候補データセットが検出されたことをもって、音声信号にビートノイズが重畳されている、と判定するようにしてもよいが、本実施形態では、さらに誤判定の可能性を低減すべく、ステップS32以下の処理を加えている。ステップS32以下の処理は、上述した解析処理を複数回行って、音声信号へのビートノイズの重畳を判定するものである。
ステップS32において、ノイズ検出部28は、nをインクリメントさせる。
ステップS34において、ノイズ検出部28は、nが予め定められたn0と等しくなったか否かを判定する。ここで、n0は、ノイズ検出部28が解析処理を実行する上限回数、つまりノイズ検出部28が実行すべき解析処理の回数を表す。n0は、予めユーザにより設定されてよい。ここでは、簡単のためn0=4に設定されているとするが、n0の値は、複数回の解析処理が数秒程度に亘る程度、つまり、複数回の解析処理において、数秒程度の期間に亘る複数の周波数スペクトルが解析される程度に設定される。nがn0に達していない場合、再度ステップS12に戻り、以下、ステップS12以降、2回目(n=1)の解析処理が実行される。ここではn0=4であるから、解析処理が5回繰り返される。nがn0に達した場合、ステップS36に進む。
複数回の解析処理を実行することで、各回の解析処理に対応した複数のノイズ候補データセットが検出される。図8に、各回の解析処理(n=0、1、2、3、4)で抽出された複数のノイズ候補データセットが示されている。
ステップS36において、ノイズ検出部28は、複数回の解析処理により検出された複数のノイズ候補データセットの中に、n1回以上抽出された周波数及びレベルのデータセットが存在するか否かを判定する。ここで、n1とは、予め定められた閾値である。m1同様、n1は、適宜設定されてよいが、n0の値に基づいて(例えばn0の何割というように)設定されてもよい。本実施形態では、n1=4に設定されたものとする。
ノイズ検出部28は、記憶部24に記憶された複数のノイズ候補データセット(図8)を参照して、同じ周波数及び同じレベルを有するデータセットが4回以上検出されているか否かを判定する。図8を参照すると、(周波数[Hz],レベル[dB])=(1.2k,−52)のデータセットがn=0、1、2、3、4のいずれにおいても検出されている、つまり5回検出されているから、ここでは、ノイズ検出部28は、n1回(4回)以上検出されたノイズ候補データセットが存在すると判定し、ステップS38に進む。なお、ここでも、「同じ」周波数及び「同じ」レベルを有するデータセットとは、必ずしも周波数あるいはレベルが完全同一である必要はなく、ある程度の幅を持たせて同じと判定するようにしてもよい。
複数のノイズ候補データセットの中から、同じ周波数及び同じレベルを有するデータセットがn1回以上検出された場合、ステップS38において、ノイズ検出部28は、音声信号にビートノイズが重畳していると判定する。1回の解析処理により、所定期間に亘って一定の周波数及び一定のレベルが維持された波形成分(ノイズ候補データセット)が検出された上で、複数回の解析処理を行っても当該ノイズ候補データセットが複数回検出されたのであれば、当該波形成分がビートノイズである可能性は非常に高いと言える。特に、m1及びn1の値を適宜設定し、複数の解析処理が数秒間あるいはそれ以上の所定期間に亘って行われるようにすれば、音声信号の中から、所定期間に亘って一定の周波数及び一定のレベルが維持された波形成分が高精度に抽出される。このような波形成分は、ビートノイズである可能性が非常に高いと言える。
なお、解析処理を複数回行わず、1回の解析処理における抽出処理の繰り返し回数(m1)を大きくすることでも、解析処理の時間を延ばすことができ、ビートノイズの検出精度を向上させることができる。実際にそのような態様も採用し得る。しかし、そのようにした場合、膨大な数の周波数スペクトルからデータセットが抽出されることになり、抽出されたデータセットの数が膨大になってしまい、記憶部24の容量を大きく消費してしまうことになる。したがって、本実施形態では、1回の解析処理としては、抽出処理を比較的少ない回数(比較的短い時間)に抑え、各解析処理に対して1つのノイズ候補データセットを特定している。その上で、解析処理を繰り返し行って、各回の解析処理に対応する複数のノイズ候補データセットを特定し、複数のノイズ候補データセットに基づいて音声信号に重畳したビートノイズの有無を判定している。これにより、音声信号に重畳したビートノイズの検出をより的確に行うと共に、ビートノイズ検出のために記憶部24に記憶されるデータ量を低減している。
音声信号にビートノイズが重畳していると判定されると、ステップS42において、スイッチング周波数制御部30は、スイッチングアンプ22のスイッチング周波数を変更する。これにより、アナログチューナ12の受信周波数帯からスイッチングアンプ22のスイッチング動作に起因するノイズ成分が外れ、音声信号に重畳したビートノイズが解消される。
仮に、ステップS36において、複数のノイズ候補データセットの中に、同じ周波数及び同じレベルを有するデータセットがn1個以上存在しない場合、ステップS40に進む。この場合は、所定期間に亘って、音声信号に一定の周波数及び一定の振幅を維持する波形成分が存在しないと判定できる。したがって、ノイズ検出部28は、音声信号にビートノイズが重畳していないと判定する。この場合は、スイッチングアンプ22のスイッチング周波数の変更などの処置を行わず、処理を終了する。
なお、図2に示したフローチャートは、AVレシーバ10がアナログ放送波を受信している限りにおいて繰り返し実行されてよい。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10 AVレシーバ、12 アナログチューナ、14 ADコンバータ、16 DSP、18 DAコンバータ、20 ボリューム、22 スイッチングアンプ、24 記憶部、26 CPU、28 ノイズ検出部、30 スイッチング周波数制御部。
Claims (7)
- スイッチング動作を行うスイッチング部と、
前記スイッチング動作のスイッチング周波数又は前記スイッチング周波数の高調波周波数のいずれかを含む周波数帯のアナログ放送波を受信する受信部が受信して得られた受信信号に重畳する前記スイッチング動作に起因するノイズの特徴と、前記受信信号の特徴との違いに基づいて、前記受信信号に重畳した前記ノイズの有無を判定するノイズ検出部と、
を備えることを特徴とするノイズ検出装置。 - 前記ノイズの特徴は、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持するという特徴であり、
前記受信信号の特徴は、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持する信号成分を有さないという特徴であり、
前記ノイズ検出部は、前記受信信号において、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持している成分を検出した場合に、前記受信信号に前記ノイズが重畳していると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のノイズ検出装置。 - 前記ノイズ検出部は、前記受信信号において、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持している成分を検出した場合であっても、当該成分の周波数の高調波周波数において、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持している成分を検出した場合は、前記受信信号に前記ノイズが重畳していないと判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のノイズ検出装置。 - 前記ノイズ検出部が前記ノイズを検出した場合に、前記スイッチング周波数又は前記高調波周波数のいずれかが前記受信部が受信している周波数帯から外れるように、前記スイッチング動作のスイッチング周波数を変更するスイッチング周波数制御部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のノイズ検出装置。 - 前記ノイズ検出部は、所定期間に亘って一定の周波数及び一定の振幅を維持している成分を検出し、且つ、検出された成分の先鋭度が所定値以上である場合に、前記受信信号に前記ノイズが重畳していると判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のノイズ検出装置。 - スイッチング部によるスイッチング動作のスイッチング周波数又は前記スイッチング周波数の高調波周波数のいずれかを含む周波数帯のアナログ放送波を受信する受信部が受信して得られた受信信号に重畳する前記スイッチング動作に起因するノイズの特徴と、前記受信信号の特徴との違いに基づいて、コンピュータが前記受信信号に重畳した前記ノイズの有無を判定するステップ、
を備えることを特徴とするノイズ検出方法。 - コンピュータを、
スイッチング部によるスイッチング動作のスイッチング周波数又は前記スイッチング周波数の高調波周波数のいずれかを含む周波数帯のアナログ放送波を受信する受信部が受信して得られた受信信号に重畳する前記スイッチング動作に起因するノイズの特徴と、前記受信信号の特徴との違いに基づいて、前記受信信号に重畳した前記ノイズの有無を判定するノイズ検出部、
として機能させることを特徴とするノイズ検出プログラム。
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Applications Claiming Priority (1)
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- 2017-01-30 JP JP2017014057A patent/JP2018125586A/ja active Pending
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