JP2018124917A - 電気装置、その温度制御方法及び温度制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】電気装置が着脱可能なカバーを有する場合にも、電気装置の筐体の内部における温度を過度に抑制することなく、電気装置から利用者へ伝導される熱量を抑制する。【解決手段】筐体内に存在する発熱手段と、筐体に着脱可能なカバーが装着されているか否かを検出するカバーセンサーと、筐体又はカバーに対する利用者による接触の有無を検出するタッチセンサーと、発熱手段の周辺における温度を検出する温度センサーと、発熱手段の周辺における温度を低下させる冷却手段と、タッチセンサーにより接触が検出された場合に、温度センサーにより検出された温度を表す温度データ、及びカバーセンサーにより検出されたカバーが装着されているか否かを表すカバーデータに基づいて、発熱手段から利用者へ伝導された面積あたりの熱量を表す熱量データを計算する熱量計算手段と、熱量データに基づいて冷却手段を制御する制御手段とを備える。【選択図】 図1
Description
本発明は、電気装置からの放熱が利用者へ及ぼす影響を低減する技術に関する。
携帯端末等の電子機器における、小型化、処理の高速化等の進展に伴い、電子機器における発熱が増大している。利用者が電子機器の筐体に接触する場合には、低温熱傷(低温火傷)を予防する必要がある。
電子機器の筐体の表面温度を制御して、利用者の低温熱傷を防止する技術の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1の技術では、利用者が電子機器に接触しており、且つ電子機器の筐体の内部における温度が所定の温度以上である場合に、電子機器の筐体の内部における温度が抑制される。
電子機器の筐体の表面温度を制御して、利用者の低温熱傷を防止する技術の別の一例が、特許文献2に開示されている。特許文献2の技術では、利用者が電子機器に接触しており、且つ電子機器の筐体の表面における温度が所定の温度を超える場合に、電子機器の発熱が抑制される。
電子機器の筐体の表面温度を制御して、利用者の低温熱傷を防止する技術の更に別の一例が、特許文献3に開示されている。特許文献3の技術では、電子機器の筐体の表面における利用者によって接触されていない箇所から、電子機器の筐体の内部における発熱が放熱される。
図6は、熱傷の発生条件を模式的に示すグラフである。図6において、縦軸は、皮膚が接触する熱源の温度を表す。横軸は、皮膚が熱源に接触する時間を表す。グラフの上側の領域310においては、熱傷が発生する可能性がある。グラフの中間の領域320においては、回復可能な熱傷が発生する可能性がある。グラフの下側の領域330においては、熱傷は発生しない。ライン350は、領域310と領域320との境界線である。ライン360は、領域320と領域330との境界線である。何れの領域においても、皮膚が熱源に接触する時間が十分に長ければ、熱傷が発生する。但し、領域330のうち、所定の温度(ライン370)以下の領域340では、熱源から皮膚に熱がほとんど流入しないので、皮膚が熱源に接触する時間によらず、熱傷は発生しない。所定の温度(ライン370)は、体温より若干高い温度である。
つまり、熱傷は、熱源から皮膚への面積あたりの熱量に基づいて発生するとみなすことができる。そして、面積あたりの熱量は、時間当たりの面積あたりの熱量(熱流束)の時間に関する積分である。
しかしながら、特許文献1乃至3の技術では、電子機器から利用者へ伝導される熱量に基づいて電子機器による放熱が制御されない。そのため、特許文献1乃至3の技術では、電子機器から利用者へ伝導される熱量の抑制が不十分であるか、又は電子機器からの放熱が過度に抑制されるという問題点がある。
電子機器から利用者へ伝導される熱量に基づいて、電子機器による放熱が制御される技術の一例が、特許文献4に開示されている。特許文献4の電子機器は、温度検出手段と、人体接触検出手段と、動作制御手段とを含む。温度検出手段は、電子機器が有する筐体の表面温度の変化を検出する。人体接触検出手段は、筐体の表面に人体が接触したことを検出する。動作制御手段は、筐体の表面温度の変化に基づき、人体が受けた熱量を受容熱量として計算する。そして、動作制御手段は、受容熱量が所定の限界熱量を超える場合に、電子機器の動作を制限する。上記構成の結果、特許文献4の電子機器は、電子機器の情報処理能力を過度に低下させることなく、電子機器から利用者へ伝導される熱量を抑制する。
電気装置は、着脱可能なカバーを有することがある。例えば、電気装置の筐体が金属製であり、且つカバーがプラスチック製である場合には、電気装置と利用者との接触時に電気装置から利用者へ伝導される熱量は、カバーの有無に大幅に依存する。
しかしながら、特許文献4の電子機器は、着脱可能なカバーが装着されているか否かを検出しない。つまり、特許文献4の技術には、電子機器が着脱可能なカバーを有する場合に、電子機器の筐体の内部における温度を過度に抑制することなく、電子機器から利用者へ伝導される熱量を抑制できないという問題点がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、電気装置が着脱可能なカバーを有する場合にも、電気装置の筐体の内部における温度を過度に抑制することなく、電気装置から利用者へ伝導される面積あたりの熱量を抑制することを主たる目的とする。
本発明の一態様において、電気装置は、筐体内に存在する発熱手段と、筐体に着脱可能なカバーが装着されているか否かを検出するカバーセンサーと、筐体又はカバーに対する利用者による接触の有無を検出するタッチセンサーと、発熱手段の周辺における温度を検出する温度センサーと、発熱手段の周辺における温度を低下させる冷却手段と、タッチセンサーにより接触が検出された場合に、温度センサーにより検出された温度を表す温度データ、及びカバーセンサーにより検出されたカバーが装着されているか否かを表すカバーデータに基づいて、発熱手段から利用者へ伝導された面積あたりの熱量を表す熱量データを計算する熱量計算手段と、熱量データに基づいて冷却手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の一態様において、温度制御方法は、筐体内に存在する発熱手段と、筐体に着脱可能なカバーが装着されているか否かを検出するカバーセンサーと、筐体又はカバーに対する利用者による接触の有無を検出するタッチセンサーと、発熱手段の周辺における温度を検出する温度センサーと、発熱手段の周辺における温度を低下させる冷却手段とを備えた電気装置の温度制御方法であって、タッチセンサーにより接触が検出された場合に、温度センサーにより検出された温度を表す温度データ、及びカバーセンサーにより検出されたカバーが装着されているか否かを表すカバーデータに基づいて、発熱手段から利用者へ伝導された面積あたりの熱量を表す熱量データを計算し、熱量データに基づいて冷却手段を制御する。
本発明の一態様において、温度制御プログラム又は、係る温度制御プログラムが格納された記録媒体は、電気装置が備えるコンピュータに、筐体内に存在する発熱手段と、筐体に着脱可能なカバーが装着されているか否かを検出するカバーセンサーと、筐体又はカバーに対する利用者による接触の有無を検出するタッチセンサーと、発熱手段の周辺における温度を検出する温度センサーと、発熱手段の周辺における温度を低下させる冷却手段とを備えた電気装置が備えるコンピュータに、タッチセンサーにより接触が検出された場合に、温度センサーにより検出された温度を表す温度データ、及びカバーセンサーにより検出されたカバーが装着されているか否かを表すカバーデータに基づいて、発熱手段から利用者へ伝導された面積あたりの熱量を表す熱量データを計算する熱量計算処理と、熱量データに基づいて冷却手段を制御する制御処理を実行させる。
本発明によれば、電気装置が着脱可能なカバーを有する場合にも、電気装置の筐体の内部における温度を過度に抑制することなく、電気装置から利用者へ伝導される面積あたりの熱量を抑制できるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、すべての図面において、同等な構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態における構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態における電気装置の構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態における電気装置100は、筐体(不図示)と、筐体を被覆する着脱可能なカバー(不図示)とを有する。電気装置100は、例えば、電子機器、情報処理装置、暖房装置、給湯装置、動力装置等である。電気装置100は、発熱部110と、タッチセンサー120と、温度センサー130と、冷却部150と、カバーセンサー170と、熱量計算部140と、制御部160とを含む。
筐体は、電気装置100に適した任意の素材により製造されてよい。筐体は、例えば、金属製、又はプラスチック製である。
カバーは、筐体に着脱可能で、装着時には筐体の表面を被覆する。カバーが筐体に装着された際には、カバーは、筐体の表面の高温部と利用者の皮膚との接触を妨げる。カバーと筐体との間には、間隙(空気層等)が存在してもよい。又、カバーは、多数の孔が形成されたメッシュ状の構造を有してもよい。又、カバーは、熱伝導率が低い素材により製造されることが望ましい。カバーは、例えば、プラスチック製のケース、又はプラスチック製の粘着フィルムである。
発熱部110は、筐体内に存在し、筐体を加熱する。例えば、電気装置100が電子機器である場合、発熱部110は、電子機器を制御するCPU(Central Processing Unit)である。
タッチセンサー120は、筐体又はカバーに対する利用者の皮膚による接触の有無を検出する。タッチセンサー120は、例えば、静電容量型センサー、又は赤外線センサーである。ここで、タッチセンサー120は、筐体又はカバーに対する皮膚による接触のみを高精度に検出可能であることが望ましい。そこで、タッチセンサー120は、前述のセンサーや他の各種センサー(傾きセンサー、振動センサー等)を組み合わせたセンサーであってもよい。例えば、電気装置100が携帯端末である場合、電気装置100は、前述の他の各種センサーにより、利用者が電気装置100を手で保持しているか否かを検出する。そして、電気装置100は、利用者が電気装置100を手で保持している場合にのみ、前述のセンサーにより、筐体又はカバーに対する接触を検出する。これにより、電気装置100が、皮膚以外による筐体又はカバーに対する接触を、皮膚による接触として誤検出することを抑制することができる。
温度センサー130は、発熱部110の周辺における温度を検出する。温度センサー130は、例えば、熱電対、白金測温抵抗体、又はサーミスタ測温体である。ここで、温度センサー130は、筐体の内表面において最も高温になる部分における温度を検出することが望ましい。但し、筐体の内表面において最も高温になる部分における温度を推定可能であれば、温度センサー130は、その最も高温になる部分における温度を測定する必要がない。この場合には、温度センサー130は、筐体の内表面において最も高温になる部分以外の部分(回路基板上等)において温度を検出してもよい。
冷却部150は、発熱部110の周辺における温度を低下させる。冷却部150は、発熱部110によって発生した熱を除去してもよいし、発熱部110における熱の発生を抑制してもよい。冷却部150は、例えば、送風ファンである。又は、発熱部110がCPUである場合には、冷却部150は、例えば、CPUのクロック周波数を低下させることによりCPUを冷却する機能(CPU自体の機能)である。
カバーセンサー170は、筐体にカバーが装着されているか否かを検出する。カバーセンサー170は、例えば、カバーが有する突起によりオン又はオフが切り替えられる機械式スイッチである。又は、カバーセンサー170は、例えば、カバーの一部により遮光又は反射された光により、カバーの着脱状態を検出する光センサーである。カバーセンサー170は、筐体にカバーが装着されているか否かを検出することに加えて、カバーの種類や、カバーの筐体への装着状態の詳細等も検出可能であってもよい。例えば、カバーセンサー170は、機械式スイッチ又は光センサーにより、カバーの種類に固有な形状を判別することにより、カバーの種類を検出する。又は、例えば、カバーセンサー170は、機械式スイッチ又は光センサーにより、カバーの可動部分の状態(カバーが有する蓋の開閉等)を判別することにより、カバーの筐体への装着状態の詳細を検出する。
熱量計算部140は、温度データ及びカバーデータに基づいて、熱量データを計算する。ここで、温度データは、温度センサー130により検出された温度を表すデータである。又、カバーデータは、カバーセンサー170により検出された、カバーが装着されているか否かを表すデータである。又、熱量データは、発熱部110から利用者へ伝導された面積あたりの熱量を表すデータである。
制御部160は、タッチセンサー120により、筐体又はカバーに対する利用者による接触が検出された場合に、熱量計算部140により熱量データを計算し、計算した熱量データに基づいて、冷却部150を制御する。
本実施形態における動作について説明する。
図2は、本発明の実施形態における電気装置の動作を示すフローチャートである。尚、図2に示すフローチャート及び以下の説明は一例であり、適宜求める処理に応じて、処理順等を入れ替えたり、処理を戻したり、又は処理を繰り返したりしてもよい。
まず、制御部160は、タッチセンサー120により、筐体又はカバーに対する利用者による接触を検出する(ステップS110)。
次に、制御部160は、タッチセンサー120による検出結果に基づいて、筐体又はカバーに対する利用者による接触の有無を判定する(ステップS120)。
筐体又はカバーに対する利用者による接触がなければ(ステップS120におけるNo)、制御部160は、熱量の計算(後述)を終了し(ステップS170)、温度を低下させる制御(後述)を終了し(ステップS180)、ステップS110の処理へ戻る。
筐体又はカバーに対する利用者による接触があれば(ステップS120におけるYes)、熱量計算部140は、筐体にカバーが装着されているか否かを検出し(ステップS130)、ステップS140の処理へ進む。ここで、熱量計算部140は、検出したカバーデータ保持することとする。
続いて、熱量計算部140は、温度センサー130により検出された温度データ、及び保持しているカバーデータに基づいて、発熱部110から利用者へ伝導された面積あたりの熱量Q(単位はJ/m2)を計算する(ステップS140)。面積あたりの熱量Qは、発熱部110から利用者へ伝導された熱流量q(単位はW/m2)を時間に関して積分することにより計算される。但し、積分は、積和(積の総和)により近似的に計算されてもよい。一旦開始された熱量の計算において、ステップS170において熱量の計算が終了されるまで、積分又は積和が継続される。ここで、熱量計算部140は、例えば、カバーが筐体に装着されていない状態における筐体単体の熱貫流率Kn(単位はW/(m2・K))、及びカバーが筐体に装着されている状態における熱貫流率Kc(単位はW/(m2・K))を予め保持することとする。ここで、熱貫流率Kcは熱貫流率Knより小さい。そして、熱量計算部140は、熱量の計算において、カバーが筐体に装着されていない場合には熱貫流率Knを使用し、カバーが筐体に装着されている場合には熱貫流率Kcを使用する。尚、熱貫流率Kn及び熱貫流率Kcは、利用者により設定可能であってもよい。又、熱量計算部140は、カバーセンサー170により検出された、カバーの種類や、カバーの筐体への装着状態の詳細等に応じて、熱貫流率Kcとして複数の値を保持してもよい。
熱量計算部140は、例えば、発熱部110から利用者へ伝導された面積あたりの熱量Qを、熱流量q=K(TH−TL)を時間に関して積分又は積和することにより計算する。ここで、Kは、Kn又はKcである。又、THは温度データが表す温度(単位はK)であり、TLは接触時間に依らず熱傷が発生しない上限温度(単位はK)である。利用者の皮膚から流入した所定の上限値以下の熱流量は、循環器等の働きにより利用者の皮膚の外へ排出される。その結果、所定の上限値以下の熱流量は利用者の皮膚内に蓄積されないので、接触時間に依らず熱傷を発生させない。一方、所定の上限値を超える熱流量は、接触時間が長いと熱傷を発生させる。つまり、温度TLは利用者の体温よりも高い。温度TLは、皮下深部における体温に依存するので、個体によらず一定(定数)であるとみなすことができる。
続いて、制御部160は、ステップS140において計算された面積あたりの熱量Qが、低温熱傷の発生する面積あたりの熱量の下限値(閾値)QT(単位はJ/m2)以上であるか否かを判定する(ステップS150)。但し、発熱部110の周辺における温度は直ちには低下しないことが多いので、閾値QTはマージンを含むことが望ましい。以下では、閾値QTはマージンを含むこととする。特に、マージンの有無を区別する場合には、マージンを含まない閾値をQTで表し、マージンを含む閾値をQT’で表す。ここで、閾値QTは閾値QT’より大きく、(QT−QT’)がマージンの大きさである。面積あたりの熱量Qが閾値QT未満ならば(ステップS150におけるNo)、制御部160は、ステップS180の処理へ進む。面積あたりの熱量Qが閾値QT以上ならば(ステップS150におけるYes)、制御部160は、冷却部150により発熱部110の周辺における温度を低下させる制御を開始又は継続し、ステップS110の処理へ戻る。
本実施形態における動作の具体例について説明する。
図3は、本発明の実施形態における電気装置の動作例を模式的に示すグラフである。より具体的には、図3は、カバーが筐体に装着されていない場合における、温度センサー130により検出された温度TH、及び熱量計算部140により計算された発熱部110から利用者へ伝導された面積あたりの熱量Qの時間変化を模式的に示すグラフである。図3において、横軸は時刻tを示し、左側の縦軸は温度THを示し、右側の縦軸は面積あたりの熱量Qを示す。又、実線のグラフは温度THの時間変化を示し、破線のグラフは面積あたりの熱量Qの時間変化を示す。ここで、利用者は、時刻tsにおいて筐体又はカバーに対する接触を開始し、時刻teにおいて筐体又はカバーに対する接触を終了することとする。
時刻tsより前において、制御部160は、タッチセンサー120により、筐体に対して利用者の皮膚が接触していないことを検出する(ステップS110、S120におけるNo)。そして、熱量計算部140は面積あたりの熱量Qの計算を行わず(ステップS170)、制御部160は温度を低下させる制御を行わない(ステップS180)。その結果、発熱部110の周辺における温度THは、温度TLに比べて十分に高温な温度TDで推移する。
時刻tsにおいて、制御部160は、タッチセンサー120により、筐体に対して利用者の皮膚が接触していることを検出する(ステップS110、S120におけるYes)。そして、熱量計算部140は、筐体にカバーが装着されていないことを検出し(ステップS130)、筐体にカバーが装着されていないことを表すカバーデータを保持する。
続いて、熱量計算部140は、q=K(TH−TL)を時間に関して積分することにより、面積あたりの熱量Qの計算を開始する(ステップS140)。ここで、熱量計算部140は、カバーデータに基づいて、熱貫流率Kとして熱貫流率Knを使用する。
時刻ts以降且つ時刻tnより前において、面積あたりの熱量Qは閾値QT’未満(ステップS150におけるNo)なので、制御部160は温度を低下させる制御を行なわず(ステップS180)、制御部160及び熱量計算部140は熱量の計算を継続する(ステップS110〜S150におけるNo)。その結果、温度THは、温度TLに比べて十分に高温な温度TDにおいて推移する。一方、面積あたりの熱量Qは、時間の経過と共に増加する。
時刻tnにおいて、面積あたりの熱量Qは閾値QT’に達するので(ステップS150におけるYes)、制御部160は、冷却部150により発熱部110の周辺における温度を低下させる制御を開始する(ステップS160)。
時刻tnの後且つ時刻teより前において、制御部160は、タッチセンサー120により、筐体に対して利用者の皮膚が接触していることを検出する(ステップS110、S120におけるYes)。そして、熱量計算部140は、面積あたりの熱量Qの計算を継続する(ステップS130、S140)。そして、面積あたりの熱量Qは閾値QT’以上なので(S150におけるYes)、制御部160は温度を低下させる制御を継続する(ステップS160)。その結果、発熱部110の周辺における温度THは、温度TLに向けて低下する。
時刻te以降において、制御部160は、タッチセンサー120により、筐体に対して利用者の皮膚が接触していないことを検出する(ステップS110、S120におけるNo)。そして、熱量計算部140は面積あたりの熱量Qの計算を終了し(ステップS170)、制御部160は温度を低下させる制御を終了する(ステップS180)。その結果、発熱部110の周辺における温度THは、温度TLに比べて十分に高温な温度TDに向けて上昇する。
図4は、本発明の実施形態における電気装置の別の動作例を模式的に示すグラフである。より具体的には、図4は、カバーが筐体に装着されている場合における、温度センサー130により検出された温度TH、及び熱量計算部140により計算された発熱部110から利用者へ伝導された面積あたりの熱量Qの時間変化を模式的に示すグラフである。図4における記載方法は、図3における記載方法と同じである。
時刻tsより前において、電気装置100の動作は、図3において説明した電気装置100の時刻tsより前における動作と同じである。
時刻tsにおいて、制御部160は、タッチセンサー120により、筐体に対して利用者の皮膚が接触していることを検出する(ステップS110、S120におけるYes)。そして、熱量計算部140は、筐体にカバーが装着されていることを検出し(ステップS130)、筐体にカバーが装着されていることを表すカバーデータを保持する。
続いて、熱量計算部140は、q=K(TH−TL)を時間に関して積分することにより、面積あたりの熱量Qの計算を開始する(ステップS140)。ここで、熱量計算部140は、カバーデータに基づいて、熱貫流率Kとして熱貫流率Kcを使用する。
時刻ts以降且つ時刻tcより前において、電気装置100の動作は、図3において説明した電気装置100の動作と同じである。但し、熱量計算部140は、カバーデータに基づいて、熱貫流率Kとして熱貫流率Kcを使用する。その結果、温度THは、温度TLに比べて十分に高温な温度TDにおいて推移する。一方、面積あたりの熱量Qは、時間の経過と共に増加する。但し、熱貫流率Kcは熱貫流率Knより小さいので、温度THは筐体にカバーが装着されていない場合に比べてゆっくりと増加する。即ち、時刻tcは時刻tnより遅い。
時刻tcにおいて、面積あたりの熱量Qは閾値QT’に達するので(ステップS150におけるYes)、制御部160は、冷却部150により発熱部110の周辺における温度を低下させる制御を開始する(ステップS160)。
時刻tcの後において、電気装置100の動作は、図3において説明した電気装置100の時刻tnの後における動作と同じである。
以上説明したように、本実施形態の電気装置100では、熱量計算部140は、カバーセンサー170により、筐体に着脱可能なカバーが装着されているか否かを検出する。そして、制御部160は、タッチセンサー120により、筐体又はカバーに対する利用者による接触を検出する。そして、温度センサー130は、発熱部110の周辺における温度を検出する。そして、熱量計算部140は、筐体にカバーが装着されているか否かに応じて選択した熱貫流率と、温度センサー130により検出された温度とに基づいて、筐体又はカバーに利用者が接触している時間における、発熱部110から利用者へ伝導された面積あたりの熱量を計算する。そして、制御部160は、冷却部150により、発熱部110から利用者へ伝導された面積あたりの熱量が所定の閾値を超えないように、発熱部110の周辺における温度を低下させる。従って、本実施形態の電気装置100には、電気装置が着脱可能なカバーを有する場合にも、電気装置の筐体の内部における温度を過度に抑制することなく、電気装置から利用者へ伝導される面積あたりの熱量を抑制できるという効果がある。
図5は、本発明の実施形態における電気装置を実現可能なハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
電気装置907は、記憶装置902と、CPU(Central Processing Unit)903と、キーボード904と、モニタ905と、I/O(Input/Output)装置908とを備え、これらが内部バス906によって接続されている。記憶装置902は、熱量計算部140、制御部160等のCPU903の動作プログラムを格納する。CPU903は、電気装置907全体を制御し、記憶装置902に格納された動作プログラムを実行し、I/O装置908を介して熱量計算部140、制御部160等のプログラムの実行やデータの送受信を行なう。なお、上記の電気装置907の内部構成は一例である。電気装置907は、必要に応じて、キーボード904、モニタ905を接続する装置構成であってもよい。
上述した本発明の実施形態における電気装置は、専用の装置によって実現してもよいが、I/O装置908が外部との通信を実行するハードウェアの動作以外は、コンピュータ(情報処理装置)によっても実現可能である。この場合、係るコンピュータは、記憶装置902に格納されたソフトウェア・プログラムをCPU903に読み出し、読み出したソフトウェア・プログラムをCPU903において実行する。上述した実施形態の場合、係るソフトウェア・プログラムには、上述したところの、図1に示した電気装置の各部の機能を実現可能な記述がなされていればよい。ただし、これらの各部には、適宜ハードウェアを含むことも想定される。そして、このような場合、係るソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)は、本発明を構成すると捉えることができる。更に、係るソフトウェア・プログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体も、本発明を構成すると捉えることができる。
以上、本発明を、上述した実施形態によって例示的に説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載した範囲に限定されない。当業者には、係る実施形態に対して多様な変更又は改良を加えることが可能であることは明らかである。そのような場合、係る変更又は改良を加えた新たな実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。そしてこのことは、特許請求の範囲に記載した事項により明らかである。
本発明は、電子機器、情報処理装置、暖房装置、給湯装置、動力装置等の、筐体内に熱源を有する電気装置において、電気装置が着脱可能なカバーを有する場合に、筐体又はカバーからの放熱が利用者へ及ぼす影響を低減する用途において利用できる。
100 電気装置
110 発熱部
120 タッチセンサー
130 温度センサー
140 熱量計算部
150 冷却部
160 制御部
170 カバーセンサー
310、320、330、340 領域
350、360、370 ライン
902 記憶装置
903 CPU
904 キーボード
905 モニタ
906 内部バス
907 電気装置
908 I/O装置
110 発熱部
120 タッチセンサー
130 温度センサー
140 熱量計算部
150 冷却部
160 制御部
170 カバーセンサー
310、320、330、340 領域
350、360、370 ライン
902 記憶装置
903 CPU
904 キーボード
905 モニタ
906 内部バス
907 電気装置
908 I/O装置
Claims (10)
- 筐体内に存在する発熱手段と、
前記筐体に着脱可能なカバーが装着されているか否かを検出するカバーセンサーと、
前記筐体又は前記カバーに対する利用者による接触の有無を検出するタッチセンサーと、
前記発熱手段の周辺における温度を検出する温度センサーと、
前記発熱手段の周辺における温度を低下させる冷却手段と、
前記タッチセンサーにより前記接触が検出された場合に、前記温度センサーにより検出された温度を表す温度データ、及び前記カバーセンサーにより検出された前記カバーが装着されているか否かを表すカバーデータに基づいて、前記発熱手段から前記利用者へ伝導された面積あたりの熱量を表す熱量データを計算する熱量計算手段と、
前記熱量データに基づいて前記冷却手段を制御する制御手段と
を備えた電気装置。 - 前記制御手段は、前記熱量データの表す値が低温熱傷の発生する下限値以下である所定の閾値以上である場合に、前記冷却手段により前記発熱手段の周辺における温度を低下させる
請求項1に記載の電気装置。 - 前記熱量データは、前記タッチセンサーにより前記接触が検出された期間における、前記温度データが表す温度から、前記接触時間に依らず熱傷が発生しない上限温度を減算した値の、時間に関する積分である
請求項1又は2に記載の電気装置。 - 前記熱量データは、前記タッチセンサーにより前記接触が検出された期間における、前記温度データが表す温度から、前記接触時間に依らず熱傷が発生しない上限温度を減算した値と、該温度データが検出された時間の長さとの積の総和である
請求項1又は2に記載の電気装置。 - 前記熱量計算手段は、
前記タッチセンサーにより前記接触が検出された場合に、前記温度センサーにより検出された前記温度データに基づいて、前記熱量データの計算を開始又は継続し、
前記タッチセンサーにより前記接触が検出されていない場合に、前記熱量データの計算を終了し、
前記制御手段は、
前記熱量データの表す値が前記所定の閾値を以上である場合に、前記冷却手段により前記発熱手段の周辺における温度を低下させる制御を開始又は継続し、
前記熱量データの表す値が前記所定の閾値未満である場合に、前記冷却手段により前記発熱手段の周辺における温度を低下させる制御を終了する
請求項1乃至4の何れか1項に記載の電気装置。 - 前記所定の閾値は、前記低温熱傷の発生する下限値から所定のマージンを減算した値である
請求項5に記載の電気装置。 - 筐体内に存在する発熱手段と、
前記筐体に着脱可能なカバーが装着されているか否かを検出するカバーセンサーと、
前記筐体又は前記カバーに対する利用者による接触の有無を検出するタッチセンサーと、
前記発熱手段の周辺における温度を検出する温度センサーと、
前記発熱手段の周辺における温度を低下させる冷却手段と
を備えた電気装置の温度制御方法であって、
前記タッチセンサーにより前記接触が検出された場合に、前記温度センサーにより検出された温度を表す温度データ、及び前記カバーセンサーにより検出された前記カバーが装着されているか否かを表すカバーデータに基づいて、前記発熱手段から前記利用者へ伝導された面積あたりの熱量を表す熱量データを計算し、
前記熱量データに基づいて前記冷却手段を制御する
温度制御方法。 - 前記熱量データの表す値が低温熱傷の発生する下限値未満である所定の閾値以上である場合に、前記冷却手段により前記発熱手段の周辺における温度を低下させる
請求項6に記載の温度制御方法。 - 筐体内に存在する発熱手段と、
前記筐体に着脱可能なカバーが装着されているか否かを検出するカバーセンサーと、
前記筐体又は前記カバーに対する利用者による接触の有無を検出するタッチセンサーと、
前記発熱手段の周辺における温度を検出する温度センサーと、
前記発熱手段の周辺における温度を低下させる冷却手段と
を備えた電気装置が備えるコンピュータに、
前記タッチセンサーにより前記接触が検出された場合に、前記温度センサーにより検出された温度を表す温度データ、及び前記カバーセンサーにより検出された前記カバーが装着されているか否かを表すカバーデータに基づいて、前記発熱手段から前記利用者へ伝導された面積あたりの熱量を表す熱量データを計算する熱量計算処理と、
前記熱量データに基づいて前記冷却手段を制御する制御処理と
を実行させる電気装置の温度制御プログラム。 - 前記制御処理は、前記熱量データの表す値が低温熱傷の発生する下限値未満である所定の閾値以上である場合に、前記冷却手段により前記発熱手段の周辺における温度を低下させる
請求項8に記載の電気装置の温度制御プログラム。
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