以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態における時計システム1の構成を示した概略図である。図示する例では、時計システム1は、電子時計100と、電子時計100と通信可能な携帯電子機器200(通信機器)とを備える。
電子時計100は、現在時刻を表示するデジタル時計である。図示する例では、電子時計100は、制御部101と、発振回路102と、分周回路103と、入力部104と、記憶部105と、太陽電池106と、充放電制御回路107と、二次電池108と、電池電圧検出部109と、スイッチ110と、無線通信制御部111と、表示部112とを備える。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)であり、電子時計100が備える各部の制御を行う。制御部101は、電源制御部1011と、時刻カウント部1012と、通信制御部1013と、情報生成部1014と、情報送信部1015と、表示制御部1016とを備える。
電源制御部1011は、無線通信制御部111の電源のオンまたはオフを制御する。具体的には、電源制御部1011は、無線通信制御部111が携帯電子機器200と通信するときにのみスイッチ110をオンにして二次電池108から無線通信制御部111に電力を供給する。また、電源制御部1011は、無線通信制御部111が携帯電子機器200と通信しないときにはスイッチ110をオフにして二次電池108から無線通信制御部111に電力を供給しない。
時刻カウント部1012は、内部カウンタを備え、分周回路103から入力された計測信号に基づいて現在日時(日時分秒等)を計時し、計時した日時を示す針位置情報を内部カウンタに保持する。通信制御部1013は、無線通信制御部111における通信を制御する。
情報生成部1014は、携帯電子機器200に送信するデータを生成する。情報送信部1015は、情報生成部1014が生成したデータを無線通信制御部111から携帯電子機器200に送信する。
表示制御部1016は、表示部112の表示を制御する。例えば、表示制御部1016は、時刻カウント部1012が計時する現在時刻を表示部112に表示する。
発振回路102は、所定周波数(例えば、32768Hz)の発振信号を生成して分周回路103に出力する。分周回路103は、発振回路102から入力された発振信号の周波数を分周して計測の基準となる計測信号を生成し、生成した計測信号を制御部101に出力する。
入力部104は、スイッチを備え、操作入力を受け付ける。なお、入力部104は、複数のスイッチから構成されていてもよいし、1つのスイッチから構成されていてもよい。
記憶部105は、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)やROM(Read Only Memory、読み出し専用メモリ)等から構成され、種々の情報を記憶する。また、記憶部105は、制御部101が実行する動作用プログラムを予め記憶している。この動作用プログラムは、制御部101の起動時に読み出される。
太陽電池106は、光(太陽、照明など)を受光して電気エネルギーに変換する発電部である。太陽電池106は、二次電池108を充電する。充放電制御回路107は、二次電池108における充放電を制御する。例えば、充放電制御回路107は、太陽電池106が発電した電気エネルギーを二次電池108に充電する。また、充放電制御回路107は、二次電池108の電圧が所定の電圧以上となった場合には、放電させる、もしくは充電を止める。二次電池108は、電子時計100が備える各部に、動作するための電力を供給する。
電池電圧検出部109は、二次電池108の電圧を検出し、検出した電圧値を制御部101に出力する。スイッチ110は、二次電池108から無線通信制御部111への電力の供給をオンオフするためのスイッチである。
無線通信制御部111は、アンテナ1111と、近距離無線通信部1112とを備える。アンテナ1111は、近距離無線通信部1112が通信するためのアンテナである。近距離無線通信部1112は、ブルートゥース(登録商標)等の規格による近距離無線通信により他の通信機器(例えば、携帯電子機器200)と通信する。当該通信は、ブルートゥース(登録商標)に限定されず、種々の通信方式を採用可能であり、また、省電力に対応する通信方式であれば尚好ましい。
表示部112は、液晶ディスプレイまたはセグメントディスプレイ等であり、情報を表示する。
また、携帯電子機器200は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機や、タブレット端末等の携帯可能な電子機器である。携帯電子機器200は、制御部201と、入力部202と、表示部203と、記憶部204と、アンテナ205と、近距離無線通信部206と、位置情報取得部207とを備える。
制御部201は、CPUから構成され、携帯電子機器200が備える各部の制御を行う。入力部202は、各種スイッチや表示部203の表示画面に設置されたタッチパネル等であり、入力を受け付ける。表示部203は、液晶ディスプレイ等であり、情報を表示する。記憶部204は、RAMやROM等から構成され、種々の情報を記憶する。
アンテナ205は、近距離無線通信部206が通信するためのアンテナである。近距離無線通信部206は、ブルートゥース等の規格による近距離無線通信により他の通信機器(例えば、電子時計100)と通信する。位置情報取得部207は、GPS(Global Positioning System)等により、現在位置の時差情報を取得し、現在位置における時差情報を算出する。なお、現在位置の時差情報を取得する方法は、これらの衛星から得られる情報に限定されない。
次に、電子時計100における表示について説明する。電子時計100は、各都市の現在時刻を表示するワールドタイム機能を備える。電子時計100は、入力部104が所定の操作入力を受け付けると、所定の都市の現在時刻を表示する。また、電子時計100は、所定の操作入力を受け付ける毎に、現在時刻を表示する都市を切り替える。
図2は、本実施形態における電子時計100が表示する各都市の時刻の表示例を示す模式図である。図示するように、電子時計100は、現在時刻を表示している都市の都市名と、当該都市の現在時刻と、標準時としてのUTC(Coordinated Universal Time;協定世界時)からの時差とを表示する。なお、標準時はUTCに限らずグリニッジ標準時(GMT)等の標準となる時刻であればよい。
図2(A)は、都市「東京」の現在時刻の表示例である。図示する例では、電子時計100は、東京を示す「TYO」A11と、東京の現在時刻「10:08」A12と、東京のUTCからの時差「9:00」A13とを表示している。
図2(B)は、現在位置の現在時刻の表示例である。図示する例では、電子時計100は、現在位置を示す「LOCAL」A21と、現在位置の現在時刻「10:08」A22と、現在位置のUTCからの時差「9:00」A23とを表示している。
図2(C)は、都市「アデレード」の現在時刻の表示例である。図示する例では、電子時計100は、アデレードを示す「ADL」A31と、アデレードの現在時刻「10:38」A32と、アデレードのUTCからの時差「9:30」A33とを表示している。
電子時計100は、記憶部105の記憶領域に記憶されている情報に基づいて、各都市の現在時刻を表示する。図3は、本実施形態における電子時計100が記憶する情報の一例を示す概略図である。図示するように、記憶部105の記憶領域には、使用するリストメモリ番号を記憶する領域と、ヘッダ情報を記憶する領域と、都市(タイムゾーン)リスト情報を記憶するためのメモリ番号1の領域と、都市(タイムゾーン)リスト情報を記憶するためのメモリ番号2の領域とがある。
使用するリストメモリ番号は、表示に使用する都市(タイムゾーン)リスト情報を記憶しているメモリ番号を示し、メモリ番号1又はメモリ番号2のうちいずれかを示す。
ヘッダ情報は、都市(タイムゾーン)リスト情報に関するヘッダ情報である。図4は、本実施形態におけるヘッダ情報の一例を示す概略図である。図示するように、ヘッダ情報は、UTC都市Noと、登録都市数と、リストバージョンとを含む。UTC都市Noは、都市を一意に特定する番号である。登録都市数は、都市(タイムゾーン)リスト情報にある都市の数である。リストバージョンは、都市(タイムゾーン)リスト情報のバージョン情報である。
都市(タイムゾーン)リスト情報は、都市の表示情報と、当該都市のUTCからの時差(地方時情報)とを互いに対応付けるリスト情報である。図5は、本実施形態における都市(タイムゾーン)リスト情報の一例を示す概略図である。図示するように、都市(タイムゾーン)リスト情報は、Noと、表示情報と、UTCからの時差との各項目を有する。Noは、世界の都市を一意に特定する番号である。表示情報は、世界の都市名を示す文字列である。UTCからの時差は、UTCからの時差を秒単位で示したものである。
図示する例では、No1に対応する表示情報はHNLであり、UTCからの時差は−600分である。また、No2に対応する表示情報は$01であり、UTCからの時差は−540分である。また、No3に対応する表示情報はANCであり、UTCからの時差は−540分である。また、No47に対応する表示情報は$09であり、UTCからの時差は+600分である。また、No48に対応する表示情報はGUMであり、UTCからの時差は+600分である。また、No49に対応する表示情報はSYDであり、UTCからの時差は+600分である。また、No50に対応する表示情報はNOUであり、UTCからの時差は+660分である。
No2やNo47に示されるように、表示情報は、携帯電子機器200との通信に許容される通信フォーマットに含まれる特殊記号により構成される特殊表記であってもよい。都市名が携帯電子機器200との通信フォーマットで許容されていない場合や電子時計100により表示できない場合などに、表示情報に特殊表記が設定される。
図6は、本実施形態における特殊表記対応リストの一例を示す概略図である。図示するように、特殊表記対応リストは、特殊記号を含む特殊表記と、当該特殊表記が示す都市とを互いに対応付ける。図示する例では、$01に対応する都市はMt.Den(デナリ山)であり、$09に対応する都市はMt.Kos(コジオスコ山)である。なお、特殊表記対応リストでは、特殊表記と、文字列の代わりに表示する画像とを対応付けてもよい。
次に、本実施形態における時計システム1の動作について説明する。世界各都市のUTCからの時差は、政治情勢などにより、度々変更される事がある。また、電子時計100に表示する都市を選択したい(例えば、ある都市の表示をなくしたい、或いは、ある都市の表示を追加したい等)という要望がある。
そこで、本実施形態における時計システム1では、電子時計100に表示する都市のみを含む最新の都市(タイムゾーン)リスト情報を携帯電子機器200から電子時計100に送信して、電子時計100が記憶する都市(タイムゾーン)リスト情報を更新する。
ここで、図7に、更新前の都市(タイムゾーン)リスト情報を例示する。図7に示す過去のリスト情報から図5に示すリスト情報に更新される場合には、次の内容が変更されることになる。
まず、No1のリスト情報は、都市「CityA」時差「−610」から都市「HNL」時差「−600」に更新される。No3のリスト情報は、表示情報は「ANC」と変わらないが、時差情報は、時差「−530」から時差「−540」に更新される。No48のリスト情報は、時差情報は「+600」と変わらないが、表示情報は、都市「CityB」から都市「GUM」に更新される。これらは、リスト情報における地方地域と地方時情報とが変更された場合である。すなわち、図5に示すリスト情報のNo1,No3,No48の情報は、図7に示す過去のリスト情報と比較して、地方地域又は地方時情報を変更する情報である。
また、No49のリスト情報は、都市「NOU」時差「+660」から都市「SYD」時差「+600」に更新される。この場合、都市「SYD」の表示情報と時差情報とが一緒に追加されたことになり、リスト情報において地方情報が対応する地方時情報とともに追加された場合となる。すなわち、図5に示すリスト情報のNo49の情報は、図7に示す過去のリスト情報と比較して、地方地域を対応する地方時情報とともに追加する情報である。なお、この場合、No49のリスト番号は同一なことから、この場合をリスト情報における地方地域と地方時情報とが変更された場合に含めても構わない。なお、図示しないが、新たな地方地域と地方時情報とが、新たなリスト番号No52として追加されても構わない。
また、No50のリスト情報は、都市「CityC」時差「+670」から都市「NOU」時差「+660」に更新される。No51のリスト情報は、都市「CityD」時差「+670」からデータが無い状態に更新される。これらは、地方地域を対応する地方時情報とともに削除する場合である。すなわち、図5に示すリスト情報のNo50,No51の情報は、図7に示す過去のリスト情報と比較して、地方地域を対応する地方時情報とともに削除する情報である。なお、No50のリスト番号の場合、リスト番号が同じ状態で地方地域及び地方時情報が入れ替わっていることから、リスト情報における地方地域と地方時情報とが変更された場合に含めても構わない。
また、No2のリスト情報は、都市「$01」時差「―540」から都市「$01」時差「―540」に更新される。この場合は、ひとつの地方地域において当該地方地域に対応する地方時情報の値が同一値に変更される場合である。すなわち、図5に示すリスト情報のNo2の情報は、図7に示す過去のリスト情報と比較して、ひとつの地方地域において当該地方地域に対応する地方時情報の値が同一値に変更される情報である。
例えば、携帯電子機器200の制御部201は、近距離無線通信部206を介して、地方地域(都市)を示す表示情報と、当該地方地域の地方時情報(UTCからの時差)とを互いに対応させたリスト情報であって、過去のリスト情報と比較して、地方地域を対応する地方時情報とともに削除する情報、地方地域を対応する地方時情報とともに追加する情報、または、地方地域が同一の場合に対応する地方時情報を変更する情報、のうち少なくとも1つを含む、都市(タイムゾーン)リスト情報を送信する。都市(タイムゾーン)リスト情報は、ひとつの地方地域において当該地方地域に対応する地方時情報の値が同一値に変更される情報を含む。ただし、制御部201は、当該都市(タイムゾーン)リスト情報のヘッダ情報のリストバージョン(バージョン情報)が、電子時計100が記憶するヘッダ情報のリストバージョンと異なる場合に、都市(タイムゾーン)リスト情報を送信する。
電子時計100の制御部101は、無線通信制御部111が都市(タイムゾーン)リスト情報を受信すると、受信した都市(タイムゾーン)リスト情報を記憶部105に書き込む。ここで、制御部101は、使用するリストメモリ番号(現在表示に使用しているメモリ番号)と異なるメモリ番号の記憶領域に、受信した都市(タイムゾーン)リスト情報を書き込む。その後、制御部101は、当該書き込みの完了後に、使用するリストメモリ番号を書き込みの完了したメモリ番号に書き換え、表示に使用する都市(タイムゾーン)リスト情報を切り替える。つまり、制御部101は、使用するリストメモリ番号が示すメモリ番号に記憶された都市(タイムゾーン)リスト情報に基づいて、各都市の現在時刻を表示部112に表示する。すなわち、制御部101は、表示部112の表示を、携帯電子機器200から受信した最新の都市(タイムゾーン)リスト情報に基づく表示に切り替える。
例えば、制御部101は、所定の都市の表示情報と、当該都市の現在時刻と、当該都市のUTCからの時差とを表示部112に表示する。このとき、制御部101は、UTCからの時差に基づいて、当該都市の現在時刻を算出する。このように、携帯電子機器200から電子時計100に最新の都市(タイムゾーン)リスト情報を送信して更新することにより、各都市のUTCからの時差が変更された場合であっても、電子時計100の処理を煩雑化することなく、各都市の現在時刻を適切に表示することができる。
また、制御部101は、入力部104が受け付けた所定の操作入力に応じて、都市(タイムゾーン)リスト情報に基づいて現在時刻を表示する都市を切り替える。すなわち、制御部101は、都市(タイムゾーン)リスト情報にある都市のみの現在時刻を表示する。つまり、制御部101は、都市(タイムゾーン)リスト情報にない都市の現在時刻は表示しない。よって、携帯電子機器200において、表示したい都市のみを含む都市(タイムゾーン)リスト情報を生成することによって、電子時計100に現在時刻を表示する都市の削除や追加をすることができる。
なお、制御部101は、都市(タイムゾーン)リスト情報の表示情報が特殊表記である場合には、特殊表記対応リストにおいて特殊表記に対応する文字列或いは画像を、都市名として表示部112に表示する。
また、制御部101は、都市(タイムゾーン)リスト情報において、現在位置の時差を表示する場合には、時差順に並んでいるリストの中で現在位置の時差が該当する場所に表示する。例えば、時差リストにTYO:UTC+540、ADL:UTC+570と並んでおり、現在位置の時差がLOCAL:UTC+540の場合、ワールドタイムの表示切替を行うと、TYOとADLの間にLOCALの表示を行う。
図8は、本実施形態における電子時計100が実行する通信開始処理の処理手順を示したフローチャートである。電子時計100は、携帯電子機器200との通信を開始する際に、本図に示す処理を実行する。
(ステップS101)制御部101は、無線通信制御部111による通信を開始するための所定のボタン操作を入力部104が受け付けたか否かを判定する。操作を受け付けたと制御部101が判定した場合には、ステップS102の処理に進む。また、操作を受け付けていないと制御部101が判定した場合には、ステップS101の処理を再度実行する。
(ステップS102)制御部101は、スイッチ110をオンにして無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)制御部101は、無線通信制御部111の起動が完了したか否かを判定する。起動が完了したと制御部101が判定した場合には、ステップS104の処理に進む。また、起動が完了していないと制御部101が判定した場合には、ステップS103の処理を再度実行する。
(ステップS104)制御部101は、無線通信制御部111へ通信開始を設定する。その後、ステップS105の処理に進む。
(ステップS105)制御部101は、携帯電子機器200との接続が確立されたか否かを判定する。接続が確立されたと制御部101が判定した場合には、ステップS106の処理に進む。また、接続が確立されていないと制御部101が判定した場合には、ステップS105の処理を再度実行する。
(ステップS106)制御部101は、無線通信制御部111を介して、通常の通信開始準備完了を携帯電子機器200に送信する。その後、処理を終了する。
図9は、本実施形態における電子時計100が実行する都市(タイムゾーン)リスト更新処理の処理手順を示したフローチャートである。電子時計100は、通信開始処理の終了後に、本図に示す処理を実行する。
(ステップS201)制御部101は、携帯電子機器200からリストバージョン読み出しコマンドを受信したか否かを判定する。リストバージョン読み出しコマンドを受信したと制御部101が判定した場合には、ステップS202の処理に進む。また、リストバージョン読み出しコマンドを受信していないと制御部101が判定した場合には、ステップS201の処理を再度実行する。
(ステップS202)制御部101は、記憶部105が記憶するヘッダ情報のリストバージョンを読み出し、読み出したリストバージョンを携帯電子機器200に送信する。その後、ステップS203の処理に進む。
(ステップS203)制御部101は、携帯電子機器200からリスト更新コマンドを受信したか否かを判定する。リスト更新コマンドを受信したと制御部101が判定した場合には、ステップS204の処理に進む。また、リスト更新コマンドを受信していないと制御部101が判定した場合には、ステップS203の処理を再度実行する。
(ステップS204)制御部101は、都市(タイムゾーン)リスト情報を受信する。その後、ステップS205の処理に進む。
(ステップS205)制御部101は、現在使用しているリストメモリ番号を記憶部105から読み出す。その後、ステップS206の処理に進む。
(ステップS206)制御部101は、現在使用していないメモリ番号の記憶領域に、受信した都市(タイムゾーン)リスト情報を書き込む。その後、ステップS207の処理に進む。
(ステップS207)制御部101は、ステップS206の書き込みを終了する。その後、ステップS208の処理に進む。
(ステップS208)制御部101は、使用するリストメモリ番号を、ステップS206において都市(タイムゾーン)リスト情報を書き込んだ記憶領域のメモリ番号に書き換えて、使用するリストメモリ番号を切り替える。その後、処理を終了する。
図10は、本実施形態における電子時計100が実行する通信終了処理の処理手順を示したフローチャートである。電子時計100は、携帯電子機器200との通信を終了する際に、本図に示す処理を実行する。
(ステップS301)制御部101は、携帯電子機器200から切断要求を受信したか否かを判定する。切断要求を受信したと制御部101が判定した場合には、ステップS302の処理に進む。また、切断要求を受信していないと制御部101が判定した場合には、ステップS301の処理を再度実行する。
(ステップS302)制御部101は、スイッチ110をオフにして、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、処理を終了する。
上述したとおり、本実施形態における時計システム1は、電子時計100と、電子時計100と通信する携帯電子機器200とを備える。携帯電子機器200は、地方地域を示す表示情報と、当該地方地域の地方時情報とを互いに対応させたリスト情報であって、過去のリスト情報と比較して、地方地域を対応する地方時情報とともに削除する情報、地方地域を対応する地方時情報とともに追加する情報、または、地方地域が同一の場合に対応する地方時情報を変更する情報、のうち少なくとも1つを含む、リスト情報を送信する制御部201を備える。電子時計100は、表示部112と、リスト情報を受信する無線通信制御部111と、受信したリスト情報を記憶する記憶部105と、記憶部105が記憶するリスト情報に基づき、地方地域の時刻を表示部112に表示する制御部101と、を備える。
これにより、処理を煩雑化することなく、各地方地域の時刻を適切に表示し、かつ、時刻を表示する地方地域を簡便に変更することができる。
また、リスト情報は、ひとつの地方地域において当該地方地域に対応する地方時情報の値が同一値に変更される情報を含む。すなわち、リスト情報は、全ての情報がそのまま全部書き換わる。よって、電子時計100における処理が煩雑になることを防ぐことができる。
また、地方地域の表示情報は、世界の都市名を含む情報により構成される。これにより、電子時計100は、どの都市の現在時刻を表示しているかを示すことができる。
また、地方地域の表示情報は、携帯電子機器200との通信に許容される通信フォーマットに含まれる特殊記号により構成されていてもよい。これにより、都市名が通信フォーマットで許容されていない場合や、文字列で表せないデータを示す場合であっても、対応する文字列や画像に置き換えることで、現在時刻を表示している地方地域を示すことができる。
また、リスト情報には、地方地域の数が含まれる。これにより、電子時計100は、リスト情報にある地方地域の数を知ることができる。
また、リスト情報には、バージョン情報が含まれる。これにより、リスト情報をバージョン情報により管理することができる。
また、携帯電子機器200の制御部201は、リスト情報のバージョン情報が、電子時計100が記憶するリスト情報のバージョン情報と異なる場合に、リスト情報を送信する。これにより、リスト情報が更新されたときにのみ、電子時計100が記憶するリスト情報を書き換えることができる。
電子時計100の記憶部105は、表示に使用するリスト情報を記憶する第1記憶部と第2記憶部とを含み、制御部101は、受信したリスト情報を第2記憶部に書き込み、当該書き込みの完了後に、表示部112の表示を第2記憶部に記憶されたリスト情報に基づく表示に切り替える。これにより、リスト情報を更新する際に、古いリスト情報が破壊されることを防ぐことができるため、新しいリスト情報の書き込みが完了する前に通信が途切れて書き込みが失敗した場合であっても、復旧することができる。
また、電子時計100の制御部101は、リスト情報において電子時計100の現在位置に最も近い地方地域の地方時情報に基づいて、現在位置の時刻を表示する。これにより、電子時計100は、時差順に並んだリスト情報の中で、現在位置の時差表示を、時差順を守ったまま表示することができる。よって、都市選択する際に違和感のない都市選択が可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、電子時計がデジタル時計である場合について説明したが、本実施形態における電子時計はアナログ時計である。
図11は、本実施形態における時計システム1aの構成を示した概略図である。図示する例では、時計システム1aは、電子時計100aと、電子時計100aと通信可能な携帯電子機器200(通信機器)とを備える。
電子時計100aは、秒針120A、分針120B、及び時針120Cにより、現在時刻を示すアナログ時計である。また、電子時計100aは、時分を示す小時計120Dを備える。また、電子時計100aは、現在の動作モードを示す動作モード指定部120Fを備える。なお、電子時計100aは、各都市の現在時刻を示すワールドタイムモード(TIME1、TIME2、TIME3)と、タイマーモード(TMR)と、アラームモード(ALM)と、クロノグラフモード(CHR)との4つの動作モードを有する。
図示する例では、電子時計100aは、制御部101aと、発振回路102と、分周回路103と、入力部104と、記憶部105と、太陽電池106と、充放電制御回路107と、二次電池108と、電池電圧検出部109と、スイッチ110と、無線通信制御部111と、秒針120Aと、分針120Bと、時針120Cと、小時計120Dと、動作モード指定部120Fと、輪列機構121Aと、輪列機構121Bと、輪列機構121Cと、輪列機構121Dと、輪列機構121Fと、ステッピングモータ122Aと、ステッピングモータ122Bと、ステッピングモータ122Cと、ステッピングモータ122Dと、ステッピングモータ122Fとを備える。
以下、秒針120Aと、分針120Bと、時針120Cと、小時計120Dの指針と、動作モード指定部120Fの指針とを区別しない場合には、指針120と称する。また、輪列機構121Aと、輪列機構121Bと、輪列機構121Cと、輪列機構121Dと、輪列機構121Fとを区別しない場合には、輪列機構121と称する。また、ステッピングモータ122Aと、ステッピングモータ122Bと、ステッピングモータ122Cと、ステッピングモータ122Dと、ステッピングモータ122Fとを区別しない場合には、ステッピングモータ122と称する。
また、第1の実施形態における電子時計100と同一の構成には、同一符号を付し、その説明を省略する。
制御部101aは、第1の実施形態における制御部101の表示制御部1016に代えて、指針制御部1017を備える。指針制御部1017は、指針120の位置を制御する。例えば、指針制御部1017は、ステッピングモータ122に駆動パルスを出力してステッピングモータ122を駆動し、指針120を移動させる。制御部101aの他の構成は、第1の実施形態における制御部101の構成と同一であるため、説明を省略する。
ステッピングモータ122Aは、輪列機構121Aを回転させることにより秒針120Aを移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Bは、輪列機構121Bを回転させることにより分針120Bを移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Cは、輪列機構121Cを回転させることにより時針120Cを移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Dは、輪列機構121Dを回転させることにより小時計120Dの指針を移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Fは、輪列機構121Fを回転させることにより動作モード指定部120Fの指針を移動させるステッピングモータである。
輪列機構121Aは、秒針120Aを回す輪列機構である。輪列機構121Bは、分針120Bを回す輪列機構である。輪列機構121Cは、時針120Cを回す輪列機構である。輪列機構121Dは、小時計120Dの指針を回す輪列機構である。輪列機構121Fは、動作モード指定部120Fの指針を回す輪列機構である。
本実施形態における携帯電子機器200の構成は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
次に、電子時計100aにおける表示について説明する。電子時計100aは、各都市(地方地域)の現在時刻を表示するワールドタイム機能を備える。電子時計100aは、入力部104が所定の操作入力を受け付けると、所定の都市の現在時刻を表示する。また、電子時計100aは、所定の操作入力を受け付ける毎に、現在時刻を表示する都市を切り替える。
図12は、本実施形態における電子時計100aが表示する各都市の時刻の表示例を示すイメージ図である。図示するように、電子時計100aのベゼル130には、各都市の都市名が印刷されている。電子時計100aは、秒針120Aにより都市を指示し、分針120B及び時針120Cにより当該都市の現在時刻を示す。
図示する例では、秒針120Aはベゼル130にNYC(ニューヨーク)が印刷された50の位置を指示しており、分針120B及び時針120Cは8:19を示している。よって、本例では、ニューヨークの現在時刻8:19を示している。また、動作モード指定部120Fは、ワールドタイムモードであることを表すTIME1を示している。
次に、電子時計100が表示に用いる都市(タイムゾーン)リスト情報について説明する。図13は、本実施形態における都市(タイムゾーン)リスト情報の一例を示す概略図である。図示するように、都市(タイムゾーン)リスト情報は、Noと、表示情報と、UTCからの時差との各項目を有する。Noは、世界の都市を一意に特定する番号である。表示情報は、秒針120Aの指示位置である。UTCからの時差は、UTCからの時差を秒単位で示したものである。
図示する例では、No1に対応する表示情報は40であり、UTCからの時差は−600である。また、No2に対応する表示情報は42であり、UTCからの時差は−540である。また、No49に対応する表示情報は20であり、UTCからの時差は+600である。また、No50に対応する表示情報は22であり、UTCからの時差は+660である。
電子時計100の制御部101は、動作モードがワールドタイムモードになると、都市(タイムゾーン)リスト情報の表示情報に基づいて、秒針120Aを指示位置まで移動させて、都市を示す。また、制御部101は、UTCからの時差に基づいて、当該都市の現在時刻を算出し、算出した現在時刻を指示するように分針120B及び時針120Cを移動させる。
時計システム1aにおける他の動作は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
上述したとおり、本実施形態における時計システム1aは、電子時計100aと、電子時計100aと通信する携帯電子機器200とを備える。携帯電子機器200は、地方地域を示す表示情報と、当該地方地域の地方時情報とを互いに対応させたリスト情報であって、過去のリスト情報と比較して、地方地域を対応する地方時情報とともに削除する情報、地方地域を対応する地方時情報とともに追加する情報、または、地方地域が同一の場合に対応する地方時情報を変更する情報、のうち少なくとも1つを含む、リスト情報を送信する制御部201を備える。電子時計100aは、リスト情報を受信する無線通信制御部111と、受信したリスト情報を記憶する記憶部105と、記憶部105が記憶するリスト情報に基づき、地方地域の時刻を指針120により示す制御部101aと、を備える。また、地方地域の表示情報は、指針120の指示位置を含む情報により構成される。これにより、アナログ時計においても、処理を煩雑化することなく、各地方地域の時刻を適切に表示し、かつ、時刻を表示する地方地域を簡便に変更することができる。
なお、上述した実施形態における電子時計100,100aまたは携帯電子機器200が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、各指針120がそれぞれ対応する個々のステッピングモータ122の駆動により独立して移動する場合について説明したが、これに限らず、複数の指針120が1つのステッピングモータ122により連動して動くものであってもよい。例えば、秒針120Aは独立して移動し、分針120B及び時針120Cは連動して移動するものであってもよい。或いは、時針120Cは独立して移動し、分針120B及び秒針120Aは連動して移動するものであってもよい。