JP2018123953A - シャットダウンシール - Google Patents

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Abstract

【課題】システム異常時に電源を要せず自動的に作動し、高温にさらされた場合でもシール機能を維持できるシャットダウンシールを提供する。【解決手段】ハウジング3の軸孔に挿入される回転軸5に設けられるシャットダウンシールであって、前記回転軸の外周面に設けられた環状溝に配置される第1環状部材26と、前記第1環状部材の外周面に設けられ、軸方向に重ねて配置される金属製の複数の第2環状部材25と、を有し、前記第2環状部材は、各々周方向の1箇所で切断され、隣り合う2つの第2環状部材の切断部の周方向の位置が異なり、通常運転時には、前記第2環状部材の外周面と前記ハウジングの内周面28とは離間しており、前記第1環状部材及び前記第2環状部材は、前記第1環状部材が熱膨張により拡径した場合に前記第2環状部材の外周面と前記ハウジングの内周面とが接触するよう設計されていることを特徴とするシャットダウンシール。【選択図】図4

Description

本発明は、回転軸のシールであって、回転軸の回転停止後に作動するシャットダウンシールに関する。
高圧流体を圧送するポンプや流通させる配管等を有するシステムでは、流体が機外へ漏洩するのを抑制するために、メカニカルシール等のシール装置が用いられる。シール装置は、例えば、回転する軸が挿通されるハウジングと軸との間の環状隙間を密封するよう構成される。このようなシール装置は、例えばシステムに何らかの異常が発生し軸の回転が停止し、流体の温度が過度に高温になった場合、シール装置が十分に機能しなくなり、流体が機外へ漏洩してしまう可能性がある。そこで、システム異常時においても流体が機外へ漏洩するのを抑制できるように、システムにはバックアップ用のシール装置(シャットダウンシールと呼ぶ)を備えることが求められる。
シャットダウンシールとして、システムの外部からオペレータが操作することによって作動させる構成のものが考えられる。しかしながら、システム異常時にはオペレータが現場で作業することが困難な事態になることを想定する必要がある。シャットダウンシールとして、例えばアクチュエータを備え、電気信号により遠隔から起動させる構成のものも考えられる。しかしながら、システム異常時には電源が確保できなくなる事態になることを想定する必要がある。電源喪失時にはアクチュエータを用いた緊急遮断シール装置は作動しない。
そこで、システム異常時に電源を要せず自動的に作動するシャットダウンシールが求められている。特許文献1には温度に応じてシール機能を発現するシール装置が開示されている。具体的には、特許文献1には、軸とハウジングとの環状隙間をシールする軸封装置において、軸に設けられた環状溝に、低温域(組み付け時の温度域)と高温域(通常運転時の温度域)とで異なる形状をとるよう設定された形状記憶合金を介して環状シール部材を装着したシール装置が開示されている。形状記憶合金は、径方向の厚みが高温域において低温域より大きくなるように設定されており、低温域で行われる組み付け時には環状シール部材の外周面とハウジングの内周面とが離間するため組み立て性が良く、高温域で行われる通常運転時には樹脂やゴム等の弾性材である環状シール部材がハウジングの内周面に押しつけられ良好なシール性能を発揮する。
特許文献2には、システム異常時に電源を要せず自動的に作動するシャットダウンシールとして、熱膨張係数の異なる2部材を組み合わせた構成のものが開示されている。具体的には、図7に示すように、熱膨張係数が比較的大きな金属で形成された保持部250の内周に、熱膨張係数が比較的小さな金属で形成されたシール環260が圧入により嵌合され固定されており、シール環260をフランジ230の側へ付勢するコイルスプリング320が設けられる。シール環260の外径は保持部250の内径より一定のしめ代分だけ大きく設定されており、通常運転時の温度ではシール環260の面290に設けられた突起310がフランジ230の面300から離間する位置でシール環260が固定される。一方、システム故障等によりシャットダウンシールが異常高温にさらされると、熱膨張係数が大きい保持部250は膨張して内径が大きくなり、シール環260との嵌合部に隙間が形成され、コイルスプリング320の付勢力によりシール環260が機内側に押し出される。これにより、図7に示すように、突起310により面290と面300との隙間がシールされる。
その他の関連する技術として特許文献3,4に開示された技術がある。
特開2002−081542号公報 特開2012−241724号公報 特開平2−26369号公報 国際公開第2010/068615号
特許文献1に記載の技術では、環状シール部材として樹脂やゴム等の弾性材が用いられている。そのためシステム異常時に過度な高温にさらされた場合の耐性を確保することが難しい。また、シール面間の隙間が大きい場合、高圧によるはみ出しによってシール部材のシール性能を維持できなくなる可能性がある。
本発明は、システム異常時に電源を要せず自動的に作動し、高温にさらされた場合でもシール機能を維持できるシャットダウンシールを提供することを目的とする。
本発明は、ハウジングの軸孔に挿入される回転軸に設けられるシャットダウンシールであって、
前記回転軸の外周面に設けられた環状溝に配置される第1環状部材と、
前記第1環状部材の外周面に設けられ、軸方向に重ねて配置される金属製の複数の第2環状部材と、
を有し、
前記第2環状部材は、各々周方向の1箇所で切断され、隣り合う2つの第2環状部材の切断部の周方向の位置が異なり、
通常運転時には、前記第2環状部材の外周面と前記ハウジングの内周面とは離間しており、
前記第1環状部材及び前記第2環状部材は、前記第1環状部材が熱膨張により拡径した場合に前記第2環状部材の外周面と前記ハウジングの内周面とが接触するよう設計されていることを特徴とするシャットダウンシールである。
このシャットダウンシールは、第1環状部材が熱膨張により少なくとも径方向の大きさが大きくなる。第2環状部材は、第1環状部材の外周面に配置されており、かつ周方向の1箇所で切断されている。そのため、第1環状部材が径方向に膨張すると、第2環状部材の切断部は周方向に押し広げられるとともに、第2環状部材の外周面の位置が径方向外側へ移動する。第1環状部材及び第2環状部材の大きさ及び熱膨張の特性は、第1環状部材が熱膨張により拡径した場合に第2環状部材の外周面とハウジングの内周面とが接触するよう設計されている。このとき、第2環状部材の切断部は押し広げられるが、隣り合う第2環状部材の切断部の周方向の位置が異なるため、押し広げられた切断部を介した流体の流通は、隣り合う第2環状部材の端面(軸方向に垂直の面)によって遮断される。
従って、シャットダウンシールは、通常運転時にはハウジングと軸との間の環状隙間をシールしないが、熱膨張によりハウジングと回転軸との間の環状隙間をシールし得るように設計されている。よって、システムの故障等に起因して異常高温になった場合に、ハウジングと軸との間の環状隙間がシールされる。第1環状部材及び第2環状部材の動作は、熱膨張を駆動力とするものであり、オペレータによる操作や電源を要しない。また、駆動力が熱膨張であり、形状記憶合金を駆動力とした場合と比較して変形の均一性が高く、制
御容易である。また、金属製の第2環状部材によってハウジングとの間の環状隙間がシールされるため、樹脂や弾性材を用いた場合と比較して、高温時においてもシール材料の劣化や耐久性の低下が抑制され、また、高圧によるシール材料のはみ出しのような事態が生じることもなく、良好なシール性能を確保できる。
前記第1環状部材は、前記熱膨張特性を有する樹脂又は金属により形成されるとよい。
第1環状部材は第2環状部材をハウジングの内周面に押し当てる駆動力を提供するための部材であり、シール機能を提供するのは第2環状部材である。よって、第1環状部材として樹脂を用いたとしても、高温時のシャットダウンシールの良好なシール性能を確保できる。
前記第2環状部材はN(Nは2以上の整数)個設けられ、隣り合う第2環状部材の切断部の周方向の位置は略360/N度ずれている構成としてもよい。
この構成では、第2環状部材の各々の切断部は、(N−1)個の他の第2環状部材によって遮断されるので、遮断部を介した流体の漏洩をより確実に抑制できる。
前記シャットダウンシールは、前記ハウジングと前記回転軸との間の環状隙間をシールするメカニカルシール装置よりも機外側又は機内側に設けられる構成としてもよい。
異常高温時にメカニカルシール装置が十分なシール性能を有しなくなったり、システムの故障により回転軸が回転停止したりした場合でも、メカニカルシール装置に対し機外側にシャットダウンシールが設けられていれば、メカニカルシール装置から漏洩した流体をシャットダウンシールで密封することができる。また、メカニカルシール装置に対し機内側にシャットダウンシールが設けられていれば、シール性能を有しなくなったメカニカルシール装置に流体が流入することを抑制できる。よって、高温時においてもハウジングと軸との間のシールを維持することが可能である。
前記回転軸の環状溝の側面のうち、前記回転軸を鉛直縦向きにした場合に下側になる側面に設けられ、前記第1環状部材及び前記第2環状部材を支持する環状の第1支持部材をさらに有する構成としてもよい。
また、前記回転軸の溝底に設けられ、前記第1環状部材の内周面を支持する筒状の第2支持部材をさらに有する構成としてもよい。
第2環状部材は第1環状部材の外周面に固定されてはいない。また第2環状部材同士も互いに固定されていない。このように、本発明のシャットダウンシールは互いに固定されない複数の部材から構成されるため、これらの部材を支持する第1支持部材や第2支持部材があれば、回転軸や回転軸の外周面に設けられるスリーブ等にシャットダウンシールを組み付けたり分解して取り外したりする作業がし易くなる。
前記第2環状部材の外周面と前記ハウジングの内周面とは、通常運転時の温度である第1温度以下で所定距離、離間しており、
前記第1環状部材の径方向の大きさは、前記第1温度より高い第2温度以上で、前記第1温度以下の場合の前記第1環状部材の径方向の大きさより、前記所定距離以上大きくなる熱膨張特性を有する構成としてもよい。
このシャットダウンシールは、第2温度以上の高温にさらされた場合、熱膨張により少なくとも径方向の大きさが第1温度以下の場合よりも所定距離以上大きくなる。第1温度以下では第2環状部材の外周面とハウジングの内周面とは所定距離、離間しているが、第2温度以上では、この熱膨張により、第2環状部材の外周面とハウジングの内周面は接触する。従って、第2温度以上で、シャットダウンシールは、ハウジングと軸との間の環状隙間をシールすることができる。
本発明のシャットダウンシールが設けられる回転軸と、前記回転軸が挿入されるハウジングと、前記回転軸と前記ハウジングとの間の環状隙間を封止するメカニカルシール装置と、を有し、機内に作動流体を密封するシステムであって、
前記第1温度は、前記システムの通常運転時の作動流体の温度に基づいて定められ、
前記第2温度は、前記システムに異常が発生して前記回転軸が停止した場合の温度に基づいて定められてもよい。
このシステムでは、シャットダウンシールがシステム内部に組み見込まれているため、シャットダウンシールを有するシステムでも組み立て時の工数の増加を抑制でき、また、システム外部にシャットダウンシールの設置スペースが不要である。
システムの通常運転時は、シャットダウンシールの第2環状部材の外周面とハウジングの内周面とは所定距離、離間しており、シャットダウンシールはシール機能を有しない。一方、システムに故障や電源喪失等の異常が発生して回転軸が停止し、作動流体が第2温度以上の高温になった場合、システムが有するメカニカルシール装置が機能しなくなる可能性があるが、シャットダウンシールの第2環状部材が第1環状部材の膨張によりハウジングに押しつけられて、シール機能を発揮する。よって、異常発生時においても作動流体が機外に漏洩することを抑制できる。
加圧水型原子力発電所の一次冷却材ポンプ用軸シールにおいては、通常運転時の系統水(密封流体)の温度は70〜88℃であるが、電源喪失等の異常発生時に冷却機能が失われた場合、系統水の温度は300℃まで上昇する。そこで、第1温度を70〜88℃、第2温度を300℃とすれば、異常発生時に回転軸の回転が停止し通常の軸封装置がシール機能を失い、さらに冷却機能の喪失により系統水の温度が上昇した場合でも、シャットダウンシールにより系統水の外部漏洩を抑制できる。
なお、本発明のシャットダウンシールは、種々の軸封装置を有するシステムに適用可能である。適用するシステムの通常運転時の密封流体の温度に基づき第1温度を設定し、異常発生時に想定される密封流体の温度に基づき第2温度を設定すればよい。
本発明によれば、システム異常時に電源を要せず自動的に作動し、高温にさらされた場合でもシール機能を維持できるシャットダウンシールを提供することができる。
実施例1のシャットダウンシールが組み込まれるシステムの軸シール部分を示す縦断面図 実施例1のシャットダウンシールの通常運転時の構成を示す図 実施例1及び2の緊急遮断リングの構成を示す図 実施例1のシャットダウンシールの高温時の作動を示す図 実施例2のシャットダウンシールの通常運転時の構成を示す図 実施例2のシャットダウンシールの高温時の作動を示す図 従来技術にかかるシャットダウンシールを説明する図
(実施例1)
本発明の実施例1を説明する。
図1は、本発明の実施例1のシャットダウンシールが組み込まれるシステムの軸シール部分を示す縦断面図である。このシステムは、例えば、加圧水型原子力発電所の一次冷却
材ポンプ用軸シールを例示できるが、本発明が適用できるシステムはこれに限定されない。
図1において、回転軸5がハウジング3の中心を鉛直方向に挿入されている。回転軸5はハウジング3内で密封される。ハウジング3の機内側6と機外側1との間に一定の圧力差を維持しながら、回転軸5がハウジング3内で回転し得るように、下部の第1シール装置7及び上部の第2シール装置8が、直列に、ハウジング3内の回転軸5の周りに設けられている。各シール装置の形式は種々のものが採用可能であるが、実施例1では、シール機能の大部分を担う第1シール装置7を非接触式とし、第2シール装置8を接触式とした。
各シール装置7,8は、回転軸5と共に回転するように取り付けられた回転側密封要素であるメイティングリング10,11と、ハウジング3側に装着された静止側密封要素であるシールリング13,14をそれぞれ有する。対をなすメイティングリング10,11とシールリング13,14とは、それぞれ、互いに対向する上向きの端面16,17と、下向きの端面19,20とを有する。また、各シール装置7,8には、ニトリルゴムやEPDM等のゴム又は樹脂等から作製され複数のOリング40が装着されている。
第1シール装置7は、機内側6に最も近い位置に設けられ、メイティングリング10は、回転軸5に装着されたカラー22により機内側6から支持される。第2シール装置8は、機外側1に最も近い位置に設けられる。第2シール装置8よりさらに機外側1の位置Aにおいて、回転軸5にシャットダウンシール30が設けられる。
シャットダウンシール30は、通常の冷却系統の作動温度以下では作動せず、通常の冷却系統の作動温度より高温の状態、特に、冷却系統の故障や電源喪失等に起因する異常高温状態で作動し、回転軸5に対するシールとして機能する緊急用遮断シールである。シャットダウンシール30が第2シール装置8よりさらに機外側1の位置Aに設けられる場合、異常高温時に各シール装置のシール機能が失われ、最も機外側の第2シール装置8を介して機内の流体が漏洩した場合でも、シャットダウンシール30によって流体が機外へ漏洩することを抑制できる。
なお、シャットダウンシールの位置は、システムに備わるシール装置の機外側又は機内側のいずれでもよい。例えば、第1シール装置7よりさらに機内側6にシャットダウンシールを設けた場合、異常高温時にシャットダウンシールが作動することで、機内の流体がシャットダウンシールにおいて密封されるので、各シール装置7,8流体が流入することを抑制できる。従って、たとえ各シール装置7,8シール機能が失われたとしても、機外に流体が漏洩することを抑制できる。
以下、実施例1では、本発明のシャットダウンシールを加圧水型原子力発電所の一次冷却材ポンプ用軸シールに適用した場合の温度条件を例に説明する。加圧水型原子力発電所の一次冷却材ポンプ用軸シールにおいては、通常運転時の系統水(密封流体)の温度は70〜88℃であるが、電源喪失等の異常発生時に冷却機能が失われた場合、系統水の温度は約300℃まで上昇する。そこで、以下の説明で「通常運転時」とは、システムが通常動作している場合の作動流体(密封流体)の温度に基づき、88℃(第1温度)以下であるとする。また、「高温時」とは、システムに異常が発生して回転軸5が停止した場合の機内の作動流体(密封流体)の温度に基づき、300℃(第2温度)以上であるとする。これらの温度条件の具体的な数値は一例であって、本発明のシャットダウンシールを適用するシステムの通常運転時の温度及び何らかの異常が発生した場合に到達し得る温度の条件に応じて、通常運転時と高温時の定義は適宜定められる。
図2は、実施例1のシャットダウンシール30の通常運転時の構成を示す図である。図2(A)は図1のA部の拡大図であり、図2(B)は図2(A)のシャットダウンシール30の部分の拡大図である。
シャットダウンシール30は、回転軸5の外周面に設けられたスリーブ23に設けられた環状溝32に配置される。シャットダウンシール30は、環状溝32の側面321,322のうち、回転軸5を鉛直縦向きにした場合に下側になる側面321に設けられる第1支持部材271と、環状溝32の溝底323に設けられる筒状の第2支持部材272と、から構成される組み込み土台27を用いて組み立てられる。第1支持部材271及び第2支持部材272の材料としては、ステンレスを例示できる。
シャットダウンシール30は、環状溝に配置される第1環状部材26(熱膨張リング)と、第1環状部材26の外周面に設けられ、軸方向に重ねて配置される金属製の複数の第2環状部材25(緊急遮断リング)と、を有する。第1環状部材26は、第2環状部材25より熱膨張係数の大きい樹脂、エンジニアリング・プラスチック、又は金属である。
実施例1では、第2環状部材25は4個設けられ、下から上へ第2環状部材251,252,253,254が軸方向に重ね合わせられている。第1環状部材26と4個の第2環状部材251,252,253,254は、組み込み土台27を用いて一体に組み立てられる。すなわち、組み込み土台27を構成する第1支持部材271は、第1環状部材26及び第2環状部材25を支持する環状の部材であり、第2支持部材272は、第1環状部材26の内周面261を支持する筒状の部材である。
組み込み土台27を用いた一体の組み立て体を回転軸5のスリーブ23に対し組み付け、又は取り外すことができる。第1環状部材26及び4個の第2環状部材251,252,253,254は、互いに固定されていないため、このような組み込み土台27を用いることで、組み付けや分解取り外しの作業が容易になる。
図2(B)に示すように、通常運転時には、第2環状部材25(251,252,253,254)の外周面29(291,292,293,294)とハウジング3の内周面28とは離間している。通常運転時における第2環状部材25の外周面29とハウジング3の内周面28とは所定距離Sだけ離間している。
図3に第2環状部材25の構成を示す。図3(A)は、1つの第2環状部材251の外観を示す斜視図である。なお、図3(A)で示す外観は他の第2環状部材252,253,254も同様である。図3(B)は、4つの第2環状部材251,252,253,254の重ね合わせの様子を示す図である。
図3(A)に示すように、第2環状部材251は、周方向の1箇所31で切断されている。第2環状部材251は、切断部31により円周の一部を切除する態様で切断された構成でも良いし、切断部31の両端面を接触させた場合に円となる態様で切断された構成でも良い。
図3(B)に示すように、4つの第2環状部材251,252,253,254は、隣り合う第2環状部材の切断部の周方向の位置が異なるように重ね合わされている。実施例1では、4つの第2環状部材251,252,253,254の切断部311,312,313,314は、隣り合う第2環状部材の切断部の周方向の位置が360/4=90度ずれるように重ね合わされている。なお、第2環状部材の個数は複数であれば4個に限らない。第2環状部材の個数がN個(Nは2以上の整数)の場合、隣り合う第2環状部材の切断部の周方向の位置は略360/N度ずれるように配置するとよい。
図4は、実施例1のシャットダウンシール30の高温時の構成を示す図である。図4(A)は図1のA部の拡大図であり、図4(B)は図4(A)のシャットダウンシール30の部分の拡大図である。
第1環状部材26は、径方向の大きさが、高温時において、通常運転時の場合の径方向の大きさより所定距離S以上大きくなる熱膨張特性を有する材料(樹脂又は金属)で構成されている。従って、高温時には、第1環状部材26が熱膨張することにより、第1環状部材26の外周面に設けられた第2環状部材25が押し広げられ、図4(B)に示すように、第2環状部材25の外周面29とハウジング3の内周面28とが接触する。ここで、隣り合う第2環状部材25の切断部31の周方向の位置は図3(B)に示すように異なっているため、例えば第2環状部材251の切断部311に機内側6から流入した流体は、第2環状部材252の機内側6の面によって遮断される。このような遮断機構が複数箇所あるため、流体が第2環状部材25を通過して機外側1へ漏洩することを抑制することができる。
(実施例1のシャットダウンシールの優れた点)
実施例1のシャットダウンシール30は、第1環状部材26が熱膨張により径方向の大きさが大きくなる。第2環状部材25は、第1環状部材26の外周面に配置されており、かつ周方向の1箇所で切断されている。そのため、第1環状部材26が径方向に膨張すると、第2環状部材25の切断部31は周方向に押し広げられるとともに、第2環状部材25の外周面29の位置が径方向外側へ移動する。第1環状部材26及び第2環状部材25の大きさ及び熱膨張の特性は、第1環状部材26が熱膨張により拡径した場合に第2環状部材25の外周面29とハウジング3の内周面28とが接触するよう設計されている。このとき、第2環状部材25の切断部31は押し広げられるが、隣り合う第2環状部材25の切断部31の周方向の位置が異なるため、押し広げられた切断部31を介した流体の流通は、隣り合う第2環状部材25の端面(軸方向に垂直の面)によって遮断される。
従って、シャットダウンシール30は、通常運転時にはハウジング3と回転軸5との間の環状隙間をシールしないが、熱膨張によりハウジング3と回転軸5との間の環状隙間をシールし得るように設計されている。よって、システムの故障等に起因して異常高温になった場合に、ハウジング3と回転軸5との間の環状隙間がシールされる。シャットダウンシール30は、シール装置7,8うち最も機外側にあるシール装置8よりさらに機外側に設けられている。よって、システムに故障や電源喪失等の異常が発生した場合に、各シール装置7,8通常運転時より過度に高温の作動流体にさらされ、また回転軸5の回転停止により各シール装置7,8シール機能が失われたとしても、シャットダウンシール30のシール機能により、シール装置7,8漏洩した流体がシールされる。よって、回転軸5のシールは維持される。
シャットダウンシール30は、シャットダウンシール30は異常発生に伴う高温時にのみシール機能を有し、通常運転時には第2環状部材25の外周面29とハウジング3の内周面28とが離間しているためシール機能を有しない。そのため、従って、シャットダウンシール30をシール装置7,8対し機外側及び機内側のいずれの位置に設けたとしても、通常運転時におけるシール装置7,8動作に影響することはない。
シャットダウンシール30の第1環状部材26及び第2環状部材25の高温時の動作は、第1環状部材26の熱膨張を駆動力とするものであり、オペレータによる操作や電源を要しない。また、駆動力が熱膨張であり、形状記憶合金を駆動力とした場合と比較して変形の均一性が高く、制御容易である。また、金属製の第2環状部材25によってハウジング3との間の環状隙間がシールされるため、樹脂や弾性材を用いた場合と比較して、高温
時においてもシール材料の劣化や耐久性の低下が抑制され、また、高圧によるシール材料のはみ出しのような事態が生じることもなく、良好なシール性能を確保できる。
また、第2環状部材25は第1環状部材26の外周面に固定されておらず、第2環状部材同士も互いに固定されていないが、組み込み土台27を用いて第1環状部材26及び第2環状部材25を支持する構造としたため、シャットダウンシール30をスリーブ23に組み付けたり取り外したりする作業がし易い。
また、シャットダウンシール30は、回転軸5の軸封装置の内部に組み込まれているため、システムの組み立て工数の増加を抑制でき、また、シャットダウンシール30の設置するための大きなスペースを要しない。
(実施例2)
本発明の実施例2を説明する。実施例2と実施例1の差異は、組み込み土台27の構成にある。その他の構成は実施例1と同様である。実施例1と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図5は、実施例2のシャットダウンシールの通常運転時の構成を示す図である。図6は、実施例2のシャットダウンシールの高温時の作動を示す図である。
図5、図6に示すように、実施例2では、組み込み土台27は、環状溝32の側面321,322のうち、回転軸5を鉛直縦向きにした場合に下側になる側面321に設けられる第1支持部材271のみを有する。この構成によれば、第1支持部材271により、第1環状部材26及び第2環状部材25が支持されるので、互いに固定されないこれらの部材をスリーブ23に組み付けたり取り外したりする作業がし易い。また、実施例1の組み込み土台27と比較して構造が簡素であり、製造が容易である。
実施例2のシャットダウンシール30は、通常運転時は、図5に示すように、第2環状部材25の外周面29とハウジング3の内周面28とが離間しているため、シール機能を有しない。高温時は、図6に示すように、第1環状部材26が熱膨張し、少なくとも径方向の大きさが大きくなる。実施例1,2では、第1支持部材271と第1環状部材26を合わせた軸方向の厚みが環状溝32の軸方向の大きさと略等しい構成としているため、熱膨張による第1環状部材26の拡大は実質的に径方向のみである。しかしながら、実際には、図6に示すように、第1環状部材26は全方向に熱膨張しようとする。
第1環状部材26の熱膨張により、第2環状部材25の各々は切断部31が押し広げられるとともに、外周面29の位置が径方向外側へ移動し、図6に示すように、第2環状部材25の外周面29とハウジング3の内周面28が接触する。隣り合う第2環状部材25の切断部31の周方向位置が異なることにより、押し広げられた切断部31に機内側から流入する流体の軸方向の流れは遮断される。よって、実施例1で説明したのと同様の作用により、シャットダウンシール30は、高温時において回転軸5とハウジング3との間の環状隙間をシールする。
1:機外側
3:ハウジング
5:回転軸
6:機内側
7:第1シール装置
8:第2シール装置
10,11:メイティングリング
13,14:シールリング
16,17:上向きの端面
19,20:下向きの端面
22:カラー
23:スリーブ
25:第2環状部材
251,252,253,254:第2環状部材
26:第1環状部材
27:組み込み土台
271:第1支持部材
272:第2支持部材
28:ハウジングの内周面
29:第2環状部材の外周面
30:シャットダウンシール
31:切断部
311,312,313,314:切断部
32:環状溝
321,322:環状溝の側面
323:環状溝の溝底

Claims (8)

  1. ハウジングの軸孔に挿入される回転軸に設けられるシャットダウンシールであって、
    前記回転軸の外周面に設けられた環状溝に配置される第1環状部材と、
    前記第1環状部材の外周面に設けられ、軸方向に重ねて配置される金属製の複数の第2環状部材と、
    を有し、
    前記第2環状部材は、各々周方向の1箇所で切断され、隣り合う2つの第2環状部材の切断部の周方向の位置が異なり、
    通常運転時には、前記第2環状部材の外周面と前記ハウジングの内周面とは離間しており、
    前記第1環状部材及び前記第2環状部材は、前記第1環状部材が熱膨張により拡径した場合に前記第2環状部材の外周面と前記ハウジングの内周面とが接触するよう設計されていることを特徴とするシャットダウンシール。
  2. 前記第1環状部材は、前記熱膨張の特性を有する樹脂又は金属である請求項1に記載のシャットダウンシール。
  3. 前記第2環状部材はN(Nは2以上の整数)個設けられ、隣り合う第2環状部材の切断部の周方向の位置は略360/N度ずれている請求項1又は2に記載のシャットダウンシール。
  4. 前記シャットダウンシールは、前記ハウジングと前記回転軸との間の環状隙間をシールするメカニカルシール装置よりも機外側又は機内側に設けられる請求項1〜3のいずれか1項に記載のシャットダウンシール。
  5. 前記回転軸の環状溝の側面のうち、前記回転軸を鉛直縦向きにした場合に下側になる側面に設けられ、前記第1環状部材及び前記第2環状部材を支持する環状の第1支持部材をさらに有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のシャットダウンシール。
  6. 前記回転軸の環状溝の溝底に設けられ、前記第1環状部材の内周面を支持する筒状の第2支持部材をさらに有する請求項5に記載のシャットダウンシール。
  7. 前記第2環状部材の外周面と前記ハウジングの内周面とは、通常運転時の温度である第1温度以下で所定距離、離間しており、
    前記第1環状部材の径方向の大きさは、前記第1温度より高い第2温度以上で、前記第1温度以下の場合の前記第1環状部材の径方向の大きさより、前記所定距離以上大きくなる熱膨張の特性を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のシャットダウンシール。
  8. 請求項7に記載のシャットダウンシールが設けられる回転軸と、前記回転軸が挿入されるハウジングと、前記回転軸と前記ハウジングとの間の環状隙間を封止するメカニカルシールと、を有し、機内に作動流体を密封するシステムであって、
    前記第1温度は、前記システムの通常運転時の作動流体の温度に基づいて定められ、
    前記第2温度は、前記システムに異常が発生して前記回転軸が停止した場合の機内の作動流体の温度に基づいて定められることを特徴とするシステム。
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