JP2018123697A - 熱交換器及びエンジン暖機システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの冷間始動時にエンジンを早期暖機する。【解決手段】オイルクーラ40は、断熱ケース41とオイル流入孔46とオイル流出孔47とケース内オイル流路43と冷却水流入孔44と冷却水流出孔45とケース内冷却水流路42とを備える。オイルクーラ40の内部には、オイルポンプ33から圧送されてシリンダブロック2のメインギャラリ3へ向かうオイルとエンジン1の冷却水とが流通し、オイルと冷却水との間で熱交換が行われる。断熱ケース41は、金属製の内壁41aと板状の外壁41bとの間が真空層48となるように形成された真空断熱二重構造のケースであって、断熱ケース41の内部と外部との間の熱の移動を真空層48によって抑制する。エンジン1の停止時には、断熱ケース41内のケース内オイル流路43にオイルが貯留され、断熱ケース41内のケース内冷却水流路42に冷却水が貯留される。【選択図】図2

Description

本発明は、熱交換器及びエンジン暖機システムに関する。
特許文献1には、車両用のオイルクーラが記載されている。オイルクーラのカバー体は、アルミニウム鋳物製で、一側壁には冷却水の取入れ口が設けられ、下側開放端部には冷却水の流出口が設けられる。また、カバー体の上壁にはオイルの入口と出口とが設けられる。カバー体の内側には、冷却エレメントが収容され、冷却エレメントは、オイルの入口と出口とに接続されてカバー体に固定される。カバー体の下側開放端部が、エンジンブロック壁面上の所定の位置に配設され、オイルクーラはエンジンブロックに組付けられる。オイルパンから吸い上げられたオイルが、カバー体の入口から冷却エレメントの各単位部材中に流入する一方、ラジエータ側の冷却水が、取入れ口からカバー体内に導入されてオイルとの熱交換が行われる。オイルは、オイル出口からエンジンの摺動部や軸受部に送られ、冷却水は、流出口からエンジン周囲のウォータジャケットに流れていく。
特開平11−236811号公報
ところで、エンジンの冷間始動時には、オイルが低温であり、オイルの粘度が高いので、エンジンの摩擦抵抗が大きく、燃費の低下を招くおそれがある。これを回避するためには、冷間始動時にオイルの温度を所望の温度まで上昇させてエンジンを早期暖機することが望ましい。
そこで、本発明は、エンジンの冷間始動時にエンジンを早期暖機することが可能な熱交換器及びエンジン暖機システムの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、オイルポンプから圧送されてエンジンブロック内のブロック内オイル流路へ向かうオイルと、所定の冷却回路を循環してエンジンを冷却する冷却水との間で熱交換を行う熱交換器であって、断熱ケースとケース内冷却水流路とケース内オイル流路と冷却水流入孔と冷却水流出孔とオイル流入孔とオイル流出孔とを備える。断熱ケースは、断熱構造である。ケース内冷却水流路は、断熱ケースの内部に設けられる。ケース内オイル流路は、断熱ケースの内部に設けられる。冷却水流入孔は、ケース内冷却水流路と断熱ケースの外部とを連通し、冷却回路に接続され、冷却回路からケース内冷却水流路への冷却水の流入を許容する。冷却水流出孔は、ケース内冷却水流路と断熱ケースの外部とを連通し、ケース内冷却水流路から断熱ケースの外部への冷却水の流出を許容する。オイル流入孔は、ケース内オイル流路と断熱ケースの外部とを連通し、オイルポンプ側からケース内オイル流路へのオイルの流入を許容する。オイル流出孔は、ケース内オイル流路と断熱ケースの外部とを連通し、ケース内オイル流路からブロック内オイル流路側へのオイルの流出を許容する。ケース内冷却水流路とケース内オイル流路とは、ケース内冷却水流路の冷却水とケース内オイル流路のオイルとの間で熱交換可能に隣接して配置される。ケース内冷却水流路及びケース内オイル流路は、エンジンの停止時に冷却水及びオイルを貯留する。
上記構成では、ケース内冷却水流路及びケース内オイル流路が、エンジンの停止時に冷却水及びオイルを貯留するので、エンジンの運転時に高温になった冷却水は、エンジンの停止時に断熱ケース内に保温された状態で貯留される。このため、エンジンを停止してエンジンが冷えた後、冷えた状態のエンジンを始動(以下、冷間始動という。)する場合であっても、断熱ケース内の温かい冷却水によって温められているケース内オイル流路のオイルを、ブロック内オイル流路へ流入させることができるので、低温のオイルに比べてオイルの粘度が低く、エンジンの摩擦抵抗を抑えることができ、燃費を向上させることができる。
また、ケース内冷却水流路とケース内オイル流路とは、ケース内冷却水流路の冷却水とケース内オイル流路のオイルとの間で熱交換可能に隣接して配置される。すなわち、ケース内冷却水流路の冷却水とケース内オイル流路のオイルとが、熱交換可能であるので、オイルが高温になったときには、高温のオイルよりも低温の冷却水をケース内冷却水流路に流通させることによって、熱交換器を水冷のオイルクーラとして機能させることができる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の熱交換器を備えるエンジン暖機システムであって、開閉弁と弁制御手段とを備える。開閉弁は、冷却回路から熱交換器の冷却水流入孔への冷却水の流路を開閉する。弁制御手段は、少なくともエンジンの冷間始動時に、前記流路を閉止するように開閉弁を制御する。
上記構成では、弁制御手段は、少なくともエンジンの冷間始動時に、冷却回路から熱交換器の冷却水流入孔への冷却水の流路を閉止するように開閉弁を制御する。このため、エンジンの冷間始動時に、ケース内冷却水流路への低温の冷却水の流入を規制することができ、ケース内冷却水流路の冷却水の温度低下を防止することができる。これにより、ケース内オイル流路に貯留されているオイルの温度低下を防止することができるので、早期暖機が可能となる。
本発明の第3の態様は、上記第2の態様のエンジン暖機システムであって、水温検出手段を備える。水温検出手段は、冷却回路の冷却水の温度を検出する。弁制御手段は、エンジンの始動後、水温検出手段が検出した冷却水の温度が所定の温度よりも高くなったときに、冷却回路から熱交換器の冷却水流入孔への冷却水の流路を開放するように開閉弁を制御する。
上記構成では、弁制御手段は、エンジンの始動後、水温検出手段が検出した冷却水の温度が所定の温度よりも高くなったときに、流路を開放するように開閉弁を制御する。このため、上記所定の温度を適切に設定することにより、エンジンの始動後に温かくなった冷却水をケース内冷却水流路へ流入させることができるので、ケース内冷却水流路へ流入した冷却水によってケース内オイル流路のオイルを温めることができ、早期暖機が可能となる。
本発明の第4の態様は、上記第2の態様または上記第3の態様のエンジン暖機システムであって、オイル調節手段とオイル制御手段とを備える。オイル調節手段は、ブロック内オイル流路に流入するオイルの流量を増減可能である。オイル制御手段は、エンジンの冷間始動時に、ブロック内オイル流路に流入するオイルの流量を、調節可能な最大流量よりも少なくするようにオイル調節手段を制御する。
上記構成では、オイル制御手段は、エンジンの冷間始動時にブロック内オイル流路に流入するオイルの流量を、調節可能な最大流量よりも少なくするようにオイル調節手段を制御する。すなわち、エンジンの冷間始動時にブロック内オイル流路に流入するオイルが、最大流量よりも少ないので、その分だけケース内オイル流路からの温かいオイルが、長い時間をかけてエンジンブロック内を流通する。このように、温かいオイルをエンジンブロック内に長い時間滞在させることができるので、その分だけ早期暖機が可能となる。
本発明によれば、エンジンの冷間始動時にエンジンを早期暖機することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジン暖機システムの構成図である。 本発明の一実施形態に係るオイルクーラの説明図である。 図2のオイルクーラの断面図であり、(a)はIIIa−IIIa矢視断面を、(b)はIIIb−IIIb矢視断面をそれぞれ示す。 本発明の一実施形態に係るエンジン暖機システムのブロック図である。 本発明の一実施形態に係るエンジン暖機システムのフローチャートである。 暖機開始時等の冷却水の流れを説明する構成図である。 暖機中の冷却水の流れを説明する構成図である。 暖機完了後の冷却水の流れを説明する構成図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図中における冷却回路上の矢印は冷却水の流れ方向を、一点鎖線は冷却水の流れがないことをそれぞれ示している。また、弁記号における白抜きは開放状態を、黒塗りは閉止状態を、斜線入りは抑制状態をそれぞれ示す。
図1に示すように、エンジン暖機システム10は、例えば、車両のエンジン1に適用される。車両は、エンジン1を冷却するためのエンジン冷却装置20と、エンジン1を潤滑にするためのエンジン潤滑装置30とを有する。なお、図1、及び図6〜図8では、エンジン冷却装置20とエンジン潤滑装置30とを分かり易くするために、エンジン1を2つに分けて図示しているが、2つのエンジン1は、同一のエンジン1である。
エンジン冷却装置20は、エンジン1の冷却水が循環する所定の冷却回路21を有する。冷却回路21には、エンジン1の冷却水を冷却するためのラジエータ22が設けられる。なお、本発明における冷却水とは、水のみの冷却水に限定されず、エンジン1を冷却する液状の冷媒という意味で使用しており、例えば、水に不凍液や防腐剤等を混ぜたものを含む。
冷却水の冷却回路21は、第1流路23と第2流路24とバイパス流路25とを有する。第1流路23は、エンジン1の冷却水出口1aとラジエータ22の冷却水入口22aとを連結する。第1流路23には、バイパス流路25へ分岐する分岐部26が設けられ、分岐部26にはサーモスタット27が設けられる。第2流路24は、ラジエータ22の冷却水出口22bとエンジン1の冷却水入口1bとを連結する。第2流路24には、バイパス流路25からの合流部28が設けられる。バイパス流路25は、第1流路23の分岐部26のサーモスタット27と第2流路24の合流部28とを連結する。第2流路24のうちエンジン1の冷却水入口1bの近傍には、冷却水を圧送するポンプ(図示省略)が設けられる。
サーモスタット27は、予め設定されたサーモスタット開閉温度Tw1よりも冷却水の温度が低いときに、エンジン1の冷却水出口1a側からラジエータ22の冷却水入口22a側への冷却水の流路を閉止し、エンジン1の冷却水出口1a側からバイパス流路25側への冷却水の流路を開放する。冷却水の温度がサーモスタット開閉温度Tw1よりも低いときには、ポンプに圧送された冷却水は、エンジン1内を流通してエンジン1の冷却水出口1aから流出し、サーモスタット27からバイパス流路25へ流入することによりラジエータ22をバイパスし、エンジン1の冷却水入口1bの近傍のポンプ側へ循環する。一方、サーモスタット27は、冷却水の温度がサーモスタット開閉温度Tw1よりも高いときに、エンジン1の冷却水出口1a側からバイパス流路25側への冷却水の流路を閉止し、エンジン1の冷却水出口1a側からラジエータ22の冷却水入口22a側への冷却水の流路を開放する。冷却水の温度がサーモスタット開閉温度Tw1よりも高いときには、ポンプに圧送された冷却水は、エンジン1内を流通してエンジン1の冷却水出口1aから流出し、第1流路23を流通してラジエータ22へ流入してラジエータ22に冷却され、ラジエータ22から流出して第2流路24を流通してエンジン1の冷却水入口1bの近傍のポンプ側へ循環する。なお、サーモスタット開閉温度Tw1は、エンジン1が十分に暖まった暖機完了時にエンジン1の冷却水出口1aから流出する冷却水の温度と略同じ、または前記温度よりも高く設定される。
エンジン潤滑装置30は、エンジン1の下方に配置されるオイルパン31のオイルを吸い上げてエンジン1内へ圧送するオイルポンプ33を有する。オイルポンプ33は、オイルパン31のオイル内に配置されるオイルストレーナ32を介してオイルを吸い上げる。オイルポンプ33に吸い上げられて圧送されたオイルは、オイルフィルタ34でろ過された後、エンジン1のシリンダブロック(エンジンブロック)2内のオイルの流路であるメインギャラリ(ブロック内オイル流路)3へ流入し、さらにシリンダヘッド4内のオイルの流路であるヘッドギャラリ5へ流入し、エンジン1の被潤滑部6(ピストンやカムシャフト等)を潤滑にした後、オイルパン31へ流下する。
エンジン暖機システム10は、オイルクーラ(熱交換器)40と、冷却水バルブ(開閉弁)12と、水温センサ(水温検出手段)14と、オイルバルブ(オイル調節手段)13と、オイル温度センサ16と、コントローラ(弁制御手段、オイル制御手段)15(図4参照)とを備える。
図1に示すように、オイルクーラ40は、オイルポンプ33とシリンダブロック2のメインギャラリ3との間のオイル流路のうち、オイルポンプ33とオイルフィルタ34との間のオイル流路35に接続されるとともに、エンジン1の冷却回路21に接続される。オイルクーラ40の内部には、オイルポンプ33から圧送されてシリンダブロック2のメインギャラリ3へ向かうオイルとエンジン1の冷却水とが流通し、オイルと冷却水との間で熱交換が行われる。オイルクーラ40は、シリンダブロック2のメインギャラリ3への入口7の近傍に配置される。
図2、図3(a)及び図3(b)に示すように、オイルクーラ40は、断熱ケース41と、オイル流入孔46と、オイル流出孔47と、ケース内オイル流路43と、冷却水流入孔44と、冷却水流出孔45と、ケース内冷却水流路42とを備える。
断熱ケース41は、金属製(例えば、ステンレス製)の板状の内壁41aと板状の外壁41bとを有し、内壁41aと外壁41bとの間が真空層48となるように、内壁41aの外縁と外壁41bの外縁とを連結して形成された真空断熱二重構造の略直方体形状のケースであって、断熱ケース41の内壁41aの内側(以下、断熱ケース41の内部という。)と外壁41bの外側(以下、断熱ケース41の外部という。)との間の熱の移動を真空層48によって抑制する。なお、本発明における断熱構造とは、断熱ケース41の内部から外部への熱の移動を完全に遮断する構造のみならず、断熱ケース41の内部から外部への熱の移動を抑制して保温する構造を含む。また、内壁41aの内面に鏡面加工を施し、または真空層48に銅箔を設けるなどして、内部から外部への熱放射を抑えてもよい。
図2に示すように、オイル流入孔46は、断熱ケース41の所定方向(図2における左右方向。以下、第1方向という。)の一側(図2中の右側)の面部54(下面部を除く)に形成され、断熱ケース41の内部と外部とを連通する。オイル流入孔46は、オイルポンプ33(図1参照)からのオイル流路35aに接続され、オイルポンプ33側から断熱ケース41の内部へのオイルの流入を許容する。
オイル流出孔47は、断熱ケース41の第1方向の他側(図2中の左側)の面部55(下面部を除く)に形成され、断熱ケース41の内部と外部とを連通する。オイル流出孔47は、オイルフィルタ34(図1参照)へ連続するオイル流路35bに接続され、断熱ケース41の内部からオイルフィルタ34側へのオイルの流出を許容する。すなわち、オイル流出孔47は、断熱ケース41の内部からシリンダブロック2のメインギャラリ3側へのオイルの流出を許容する。
ケース内オイル流路43は、断熱ケース41内をオイル流入孔46とオイル流出孔47との間で連続して延びるオイル流路であって、断熱ケース41内の第1方向の一側の端部の空間である上流流路43aと、断熱ケース41内の第1方向の他側の端部の空間である下流流路43bと、上流流路43aと下流流路43bとの間に配置されて上流流路43aと下流流路43bとを連結する熱交換流路43cとによって構成される。上流流路43aは、オイル流入孔46を介してオイルポンプ33側のオイル流路35aと連通し、下流流路43bは、オイル流出孔47を介してオイルフィルタ34側のオイル流路35bと連通する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、熱交換流路43cは、熱伝導性が高い金属製(例えば、アルミ合金製)の薄板状の複数(本実施形態では、6枚)の板体51a〜51fによって、複数(本実施形態では、3つ)の層状に形成される。複数の板体51a〜51fは、互いに離間して対向するように配置され、板体51aと板体51bとの間、板体51cと板体51dとの間、及び板体51eと板体51fとの間に3つの熱交換流路43cを区画する。両端の板体51a,51fは、断熱ケース41の内壁41aから離間した位置に配置される。板体51aと板体51bとの間、板体51cと板体51dとの間、及び板体51eと板体51fとの間には、フィン52が設けられる。3つの熱交換流路43cの第1方向と交叉する方向(図2における上下方向。以下、第2方向という。)の両端面は、板体51a〜51fの第2方向の両端部に固定される閉止板53によってそれぞれ閉止される。すなわち、熱交換流路43cは、板体51a〜51f及び閉止板53によって区画される。閉止板53は、板体51a〜51fと同様に、熱伝導性が高い金属製の薄板状であり、断熱ケース41の内壁41aに対して固定される。
図2、図3(a)及び図3(b)に示すように、上流流路43aは、断熱ケース41の第1方向の一側の面部54の内壁41aから第1方向の他側へ離間した位置に配置される複数(本実施形態では、4枚)の仕切壁49と、断熱ケース41の内壁41aとによって区画され、オイル流入孔46を介してオイル流路35aと連通する。複数の仕切壁49は、後述するケース内冷却水流路42である断熱ケース41の内壁41aと板体51aとの間の空間42a、板体51bと板体51cとの間の空間42b、板体51dと板体51eとの間の空間42c、及び板体51fと断熱ケース41の内壁41aとの間の空間42dの第1方向の一側の端面を塞ぐ。これにより、上流流路43aは、ケース内冷却水流路42と連通することなく、熱交換流路43cのみと連通する。
下流流路43bは、断熱ケース41の第1方向の他側の面部55の内壁41aから一側へ離間した位置に配置される複数(本実施形態では、4枚)の仕切壁50と、断熱ケース41の内壁41aとによって区画され、オイル流出孔47を介してオイル流路35bと連通する。複数の仕切壁50は、後述するケース内冷却水流路42である断熱ケース41の内壁41aと板体51aとの間の空間42a、板体51bと板体51cとの間の空間42b、板体51dと板体51eとの間の空間42c、及び板体51fと断熱ケース41の内壁41aとの間の空間42dの第1方向の他側の端面を塞ぐ。これにより、下流流路43bは、ケース内冷却水流路42と連通することなく、熱交換流路43cのみと連通する。
エンジン1の運転時に、オイルポンプ33に圧送されたオイルは、オイル流路35aを流通してオイル流入孔46から断熱ケース41の上流流路43aへ流入し、熱交換流路43cを流通して下流流路43bへ流入し、オイル流出孔47からオイルフィルタ34側のオイル流路35bへ流出する。ケース内オイル流路43のオイルは、エンジン1の停止時に、断熱ケース41内のケース内オイル流路43に貯留される。
図2、図3(a)及び図3(b)に示すように、冷却水流入孔44は、断熱ケース41の第2方向の一側(図2中の下側)の面部56(下面部を除く)のうち、第1方向の一側の仕切壁49と他側の仕切壁50との間の領域の仕切壁50の近傍に形成され、断熱ケース41の内部と外部とを連通する。すなわち、冷却水流入孔44は、ケース内オイル流路43の熱交換流路43cの下流側に設けられる。冷却水流入孔44は、後述するケース内冷却水流路42である断熱ケース41の内壁41aと板体51aとの間の空間42a、板体51bと板体51cとの間の空間42b、板体51dと板体51eとの間の空間42c、及び板体51fと断熱ケース41の内壁41aとの間の空間42dと連通する大きさに形成される。冷却水流入孔44は、ケース内オイル流路43の熱交換流路43cと連通することなく、後述するケース内冷却水流路42のみと連通する。冷却水流入孔44は、エンジン1の冷却回路21に後述する冷却水バルブ12を介して接続され、冷却回路21から断熱ケース41の内部への冷却水の流入を許容する(図1参照)。
冷却水流出孔45は、断熱ケース41の第2方向の他側(図2中の上側)の面部57(下面部を除く)のうち、第1方向の一側の仕切壁49と他側の仕切壁50との間の領域の仕切壁49の近傍に形成され、断熱ケース41の内部と外部とを連通する。すなわち、冷却水流出孔45は、ケース内オイル流路43の熱交換流路43cの上流側に設けられる。冷却水流出孔45は、後述するケース内冷却水流路42である断熱ケース41の内壁41aと板体51aとの間の空間42a、板体51bと板体51cとの間の空間42b、板体51dと板体51eとの間の空間42c、及び板体51fと断熱ケース41の内壁41aとの間の空間42dと連通する大きさに形成される。冷却水流出孔45は、ケース内オイル流路43の熱交換流路43cと連通することなく、後述するケース内冷却水流路42のみと連通する。冷却水流出孔45は、エンジン1の冷却回路21の第2流路24のうち後述する冷却水バルブ12よりも下流側に接続され、断熱ケース41の内部から冷却回路21への冷却水の流出を許容する(図1参照)。
図2、図3(a)及び図3(b)に示すように、ケース内冷却水流路42は、断熱ケース41内を冷却水流入孔44と冷却水流出孔45との間で連続して延びる冷却水の流路であって、断熱ケース41の内壁41aと、ケース内オイル流路43の熱交換流路43cを区画する複数の板体51a〜51fとによって、複数(本実施形態では、4つ)の層状に形成される。すなわち、ケース内冷却水流路42は、断熱ケース41の内壁41aと板体51aとの間の空間42a、板体51bと板体51cとの間の空間42b、板体51dと板体51eとの間の空間42c、及び板体51fと断熱ケース41の内壁41aとの間の空間42dであって、ケース内オイル流路43の熱交換流路43cと交互に重なるように配置される。冷却水流入孔44からケース内冷却水流路42へ流入した冷却水は、ケース内冷却水流路42を流通して冷却水流出孔45から流出する。ケース内冷却水流路42とケース内オイル流路43の熱交換流路43cとは、熱伝導性が高い金属製の薄板状の板体51a〜51fによって仕切られて隣接し、ケース内冷却水流路42の冷却水とケース内オイル流路43の熱交換流路43cのオイルとの間で熱交換可能である。ケース内冷却水流路42内の冷却水は、エンジン1の停止時に、断熱ケース41内のケース内冷却水流路42に貯留される。
図1に示すように、冷却水バルブ12は、3つの流路29a,29b,29cに接続される三方弁であって、オイルクーラ40の冷却水流入孔44へ連続する流路29a、冷却回路21のバイパス流路25から分岐した流路29b、及び冷却回路21の第2流路24から分岐した流路29cに接続される。冷却水バルブ12は、冷却回路21からオイルクーラ40の冷却水流入孔44への冷却水の流路29a,29b,29cを開閉する。冷却水バルブ12は、第1状態、第2状態、及び第3状態の3つの状態にすることができる。
第1状態の冷却水バルブ12は、3つの流路29a,29b,29cを全て閉止した状態であり、冷却回路21の冷却水を、オイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させない(図6参照)。
第2状態の冷却水バルブ12は、オイルクーラ40の冷却水流入孔44へ連続する流路29a及び冷却回路21のバイパス流路25から分岐した流路29bを開放し、冷却回路21の第2流路24から分岐した流路29cを閉止した状態であり、冷却回路21のバイパス流路25の冷却水を、オイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させる(図7参照)。
第3状態の冷却水バルブ12は、オイルクーラ40の冷却水流入孔44へ連続する流路29a及び冷却回路21の第2流路24から分岐した流路29cを開放し、冷却回路21のバイパス流路25から分岐した流路29bを閉止した状態であり、冷却回路21の第2流路24の冷却水を、オイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させる(図8参照)。
水温センサ14は、エンジン1の冷却水出口1aの近傍に配置され、エンジン1に近い位置でエンジン1の冷却水の温度(以下、冷却水温という)を逐次検出し、検出した冷却水温をコントローラ15へ出力する。
オイルバルブ13は、オイルクーラ40のオイル流出孔47とオイルフィルタ34との間のオイル流路35bに設けられ、オイルクーラ40からオイルフィルタ34側へ流出するオイルの流量を増減可能である。すなわち、オイルバルブ13は、メインギャラリ3側に流入するオイルの流量を増減可能である。オイルバルブ13は、メインギャラリ3側へのオイルの流量が最大流量となる全開状態と、全開状態よりも絞られて全開状態よりもオイルの流量を抑えた抑制状態とに設定可能である。なお、抑制状態のオイルバルブ13の開度には、エンジン1の運転に最低限必要なオイルの流量を確保できる開度を実験やシミュレーション等によって求め、求めた開度が設定される。
オイル温度センサ16は、オイルフィルタ34とメインギャラリ3との間のオイルの温度(以下、オイル温度という。)を逐次検出し、検出したオイル温度をコントローラ15へ出力する。なお、オイル温度センサ16は、オイルフィルタ34とメインギャラリ3との間のオイルの温度を検出するものに限定されず、上記と異なる位置のオイルの温度を検出するオイル温度センサ16であってもよい。
図4に示すように、コントローラ15は、CPU(Central Processing Unit)58や記憶部59を有する。記憶部59は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記録媒体によって構成される。記憶部59には、CPU58によって読み出されるプログラムや種々のデータ(水温閾値(所定の温度)Tw2、オイルの目標温度下限値To1、及びオイルの目標温度上限値To2を含む)が予め記憶される。また、記憶部59には、水温センサ14が検出した冷却水温、オイル温度センサ16が検出したオイル温度、及び各種データなどが読み書き自在に記憶されるデータ記憶領域が予め設定されている。記憶部59は、上記データ記憶領域以外にも、CPU58の演算結果の一時記憶領域等として機能する。なお、水温閾値Tw2は、サーモスタット開閉温度Tw1よりも低い値であって、エンジン1の冷間始動後に冷却水温が上昇してオイル温度よりも高くなる時の値を実験やシミュレーション等によって求め、求めた値が設定される。また、オイルの目標温度下限値To1は、エンジン1のオイルが十分に温まって暖機が完了した時の値を実験やシミュレーション等によって求め、求めた値が設定される。また、オイルの目標温度上限値To2は、目標温度下限値To1よりも高い値であって、且つエンジン1のオイルが効果的にその機能を発揮できる値が設定される。
CPU58は、記憶部59に記憶されたプログラムを実行することによって、冷却水バルブ12とオイルバルブ13とを制御する弁制御手段及びオイル制御手段として機能する。具体的には、CPU58は、水温センサ14が検出した冷却水温、及びオイル温度センサ16が検出したオイル温度に基づいて、冷却水バルブ12を第1状態、第2状態及び第3状態の間で状態を切り替えると共に、オイルバルブ13を全開状態と抑制状態とに切り替える。
次に、コントローラ15のCPU58が実行する処理について、図5のフローチャートに基づいて説明し、冷却水及びオイルの流れについて図6〜図8に基づいて説明する。CPU58は、エンジン1の始動によって本処理を開始し、所定時間毎に繰り返して本処理を実行し、エンジン1の停止によって本処理を終了する。
本処理を開始すると、CPU58は、オイル温度センサ16が検出したオイル温度と目標温度下限値To1とを比較する(ステップS1)。オイル温度が目標温度下限値To1よりも低い場合(ステップS1:YES)、CPU58は、ステップS2へ移行する。一方、オイル温度が目標温度下限値To1よりも高い場合(ステップS1:NO)、CPU58は、ステップS5へ移行する。すなわち、CPU58は、オイル温度が目標温度下限値To1よりも低く、オイル温度を上昇させたい時(暖機開始時、及び暖機中)には、ステップS2へ移行し、一方、オイル温度が目標温度下限値To1よりも高い暖機完了後には、ステップS5へ移行する。
ステップS2では、CPU58は、水温センサ14が検出した冷却水温と水温閾値Tw2とを比較する。冷却水温が水温閾値Tw2よりも低い場合(ステップS2:YES)、CPU58は、冷却水バルブ12を第1状態にするとともに、オイルバルブ13を抑制状態にする(ステップS3、図6参照)。すなわち、オイル温度が目標温度下限値To1よりも低く、且つ冷却水温が水温閾値Tw2よりも低いときに、CPU58は、エンジン1の冷間始動時であると判定し、暖機を開始するために、または暖機を継続するために、冷却回路21の冷却水をオイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させず、且つ、メインギャラリ3側に流入するオイルの流量を最大流量に対して抑えた流量にする。
一方、冷却水温が水温閾値Tw2よりも高い場合(ステップS2:NO)、CPU58は、冷却水バルブ12を第2状態にするとともに、オイルバルブ13を全開状態にする(ステップS4、図7参照)。すなわち、暖機中に冷却水温が上昇してオイル温度よりも高くなったときには、冷却回路21のバイパス流路25の冷却水を、オイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させる。
ステップS5では、オイル温度センサ16が検出したオイル温度と目標温度上限値To2とを比較する。オイル温度が目標温度上限値To2よりも低い場合(ステップS5:YES)、CPU58は、冷却水バルブ12を第1状態にするとともに、オイルバルブ13を全開状態にする(ステップS6)。すなわち、暖機完了後にオイル温度が適温になっている場合には、冷却回路21の冷却水をオイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させない。
一方、オイル温度が目標温度上限値To2よりも高い場合(ステップS5:NO)、CPU58は、冷却水バルブ12を第3状態にするとともに、オイルバルブ13を全開状態にする(ステップS7、図8参照)。すなわち、暖機完了後にオイル温度が適温よりも高くなってきたときには、冷却回路21の第2流路24の冷却水をオイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させる。
上記のように構成されたエンジン暖機システム10では、オイルクーラ40の断熱ケース41内のケース内オイル流路43及びケース内冷却水流路42は、エンジン1の停止時に、オイル及び冷却水を貯留するので、エンジン1の運転時に高温になった冷却水は、エンジン1の停止時に断熱ケース41内に保温された状態で貯留される。このため、次にエンジン1を始動する際に、断熱ケース41内の温かい冷却水によって温められ、且つ断熱ケース41によって保温されているケース内オイル流路43の温かいオイルを、エンジン1のメインギャラリ3へ流入させることができる。このように、エンジン1の冷間始動時に、低温のオイルに比べてオイルの粘度が低い温かいオイルをメインギャラリ3へ流入させることができるので、エンジン1の摩擦抵抗を抑えることができ、燃費を向上させることができる。
また、コントローラ15は、オイル温度が目標温度下限値To1よりも低く、且つ冷却水温が水温閾値Tw2よりも低い冷間始動時に、冷却回路21の冷却水をオイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させない。このため、冷却回路21の低温の冷却水の流入によるケース内オイル流路43のオイルの温度低下を防止することができ、暖機を促進することができる。
また、コントローラ15は、オイル温度が目標温度下限値To1よりも低く、且つ冷却水温が水温閾値Tw2よりも低い冷間始動時に、メインギャラリ3側に流入するオイルの流量を最大流量に対して抑えた流量にする。このため、オイルの流量を最大流量に対して抑えた分だけケース内オイル流路43からの温かいオイルが、長い時間をかけてシリンダブロック2内のメインギャラリ3や、シリンダヘッド4内のヘッドギャラリ5を流通する。オイルクーラ40のケース内オイル流路43に貯留されているオイルの量は限られているので、限られた量の温かいオイルをメインギャラリ3やヘッドギャラリ5に長い時間滞在させることによって、オイルを最大流量でメインギャラリ3等に流通させてオイルパン31へ流下させる場合とは異なり、オイルの熱をエンジン1側へ十分に伝えることができ、早期暖機が可能となる。
また、コントローラ15は、暖機中に冷却水温が上昇してオイル温度よりも高くなったときには、冷却回路21のバイパス流路25の冷却水を、オイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させる。このため、ケース内冷却水流路42へ流入した冷却水によってケース内オイル流路43のオイルを温めることができ、早期暖機が可能となる。
また、オイルクーラ40は、シリンダブロック2のメインギャラリ3への入口7の近傍に配置されるので、オイルクーラ40のオイル流出孔47からシリンダブロック2のメインギャラリ3までの距離を短くすることができ、その分だけメインギャラリ3に流入するオイルの温度低下を防止することができる。このため、比較的高温のオイルをメインギャラリ3に流入させることができるので、さらに早期暖機が可能となる。
また、コントローラ15は、暖機完了後にオイル温度が適温よりも高くなってきたときには、冷却回路21の第2流路24の冷却水をオイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させる。すなわち、暖機完了後の通常走行時には、オイルクーラ40は、冷却水によってオイルを冷却するという水冷のオイルクーラ40として機能する。このように、通常走行時にオイルを冷却するオイルクーラ40のケースを断熱構造にするという簡単な構造で、オイルクーラ40を利用してエンジン1の冷間始動時にエンジン1を早期暖機することができる。
従って、本実施形態によれば、エンジン1の冷間始動時にエンジン1を早期暖機することができる。
なお、本実施形態では、通常走行時に冷却水によってオイルを冷却する熱交換器をオイルクーラ40と称したが、熱交換器の名称は、これに限定されるものではない。例えば、熱交換器は、暖機時にはオイルを保温・加熱するオイルウォーマーとしても機能するので、熱交換器をオイルウォーマーと称してもよいし、或いは他の名称であってもよい。
また、本実施形態では、断熱ケース41を略直方体形状としたが、断熱ケース41の形状は、これに限定されるものではない。
また、本実施形態では、オイルクーラ40のオイル流入孔46を断熱ケース41の第1方向の一側の面部54に形成し、オイル流出孔47を断熱ケース41の第1方向の他側の面部55に形成したが、これに限定されるものではなく、断熱ケース41の下面部以外のいずれの面部に形成してもよい。例えば、オイル流入孔46及びオイル流出孔47の双方を断熱ケース41の上面部に形成してもよい。この場合、エンジン1の停止時に、断熱ケース41内のケース内オイル流路43に好適にオイルを貯留することができる。
また、本実施形態では、オイルクーラ40の冷却水流入孔44を断熱ケース41の第2方向の一側の面部56に形成し、冷却水流出孔45を断熱ケース41の第2方向の他側の面部57に形成したが、これに限定されるものではなく、断熱ケース41の下面部以外のいずれの面部に形成してもよい。例えば、冷却水流入孔44及び冷却水流出孔45を断熱ケース41の双方を断熱ケース41の上面部に形成してもよい。この場合、エンジン1の停止時に、断熱ケース41内のケース内冷却水流路42に好適に冷却水を貯留することができる。
また、本実施形態では、オイルクーラ40の熱交換流路43cを、板体51a〜51f及び閉止板53によって区画し、熱交換流路43cにフィン52を設けたが、熱交換流路43cはこれに限定されるものではなく、例えば、チューブ内にフィンが一体的に設けられたインナーフィンチューブを断熱ケース41内に設け、インナーフィンチューブの内部の空間を熱交換流路43cとしてもよい。
また、本実施形態では、断熱ケース41の断熱構造を、金属製(例えば、ステンレス製)の板状の内壁41aと板状の外壁41bとの間が真空層48となる真空断熱二重構造としたが、断熱ケース41の断熱構造は、これに限定されるものではなく、断熱ケース41の内部の冷却水やオイルを保温可能な構造であれば、他の構造であってもよい。例えば、断熱ケース41の断熱構造を、内壁41aと外壁41bとの間にバキュームインシュレーションパネル(真空断熱パネル)等を介在させた断熱構造としてもよい。
また、本実施形態では、オイルクーラ40をシリンダブロック2のメインギャラリ3への入口7の近傍に配置したが、オイルクーラ40の配置はこれに限定されるものではなく、オイルクーラ40を他の場所に配置してもよい。
また、本実施形態では、冷却水バルブ12を3つの流路29a,29b,29cに接続される三方弁としたが、これに限定されるものではない。例えば、オイルクーラ40の冷却水流入孔44への流路29aと冷却回路21のバイパス流路25から分岐した流路29bとを接続する第1冷却水バルブ(開閉弁)、及びオイルクーラ40の冷却水流入孔44への流路29aと冷却回路21の第2流路24から分岐した流路29cとを接続する第2冷却水バルブ(開閉弁)の2つの2方弁であってもよい。この場合、上記第1状態〜第3状態は、第1冷却水バルブ及び第2冷却水バルブを閉止した第1状態と、第1冷却水バルブを開放して第2冷却水バルブを閉止した第2状態と、第1冷却水バルブを閉止して第2冷却水バルブを開放した第3状態とであってもよい。
また、本実施形態では、オイルクーラ40の冷却水流入孔44を、冷却回路21のうちのバイパス流路25や第2流路24に接続したが、これに限定されるものではなく、冷却回路21の第1流路23に接続してもよい。
また、本実施形態では、メインギャラリ3に流入するオイルの流量を増減させるオイル調節手段としてのオイルバルブ13を、オイルクーラ40とメインギャラリ3との間に設けたが、オイルバルブ13を設ける位置はこれに限定されるものではなく、例えば、オイルバルブ13をオイルポンプ33とオイルクーラ40との間に設けてもよい。
また、本実施形態では、メインギャラリ3に流入するオイルの流量を増減させるオイル調節手段としてオイルバルブ13を設けたが、オイル調節手段はこれに限定されるものではなく、例えば、オイルポンプ33に代えて流量可変式オイルポンプを設け、この流量可変式オイルポンプによってオイルパン31から吸い上げるオイルの流量を増減してメインギャラリ3に流入するオイルの流量を増減させてもよい。
また、本実施形態では、抑制状態のオイルバルブ13の開度を、エンジン1の運転に最低限必要なオイルの流量を確保できる開度としたが、これに限定されるものではなく、オイルの流量が最大流量よりも少ない所望の流量となるように、オイルバルブ13の開度を設定することができる。
また、本実施形態では、コントローラ15が、オイルバルブ13を全開状態と抑制状態との2つの状態の間で切り替えたが、これに限定されるものではなく、少なくとも冷間始動時に抑制状態となるようにオイルバルブ13を制御すればよい。
また、本実施形態では、1つのコントローラ15を、オイル制御手段及び弁制御手段として機能させたが、これに限定されるものではなく、例えば、2つのコントローラを設け、該2つのコントローラのうちの一方をオイル制御手段として機能させ、他方を弁制御手段として機能させてもよい。
また、本実施形態では、水温センサ14をエンジン1の冷却水出口1aの近傍に配置したが、水温センサ14の配置位置はこれに限定されるものではなく、ラジエータ22をバイパスして循環している冷却水の温度を検出可能な位置に水温センサ14を配置することができる。
また、冷却水の温度を検出する水温検出手段は、水温センサ14に限定されず、冷却水の温度を検出可能であれば、他の方法であってもよい。
また、本実施形態では、水温センサ14が検出した冷却水温、及びオイル温度センサ16が検出したオイル温度に基づいて、オイル温度が目標温度下限値To1よりも低く、且つ冷却水温が水温閾値Tw2よりも低い場合に、エンジン1が冷間始動したと判定したが、エンジン1の冷間始動を判定する方法は、これに限定されるものではない。例えば、水温センサ14が検出した冷却水温、及びオイル温度センサ16が検出したオイル温度のいずれか一方に基づいて、エンジン1の冷間始動を判定してもよい。或いは、冷却水温またはオイル温度と外気温との差が所定の温度よりも小さい時や、エンジン1を停止してから始動するまでの経過時間が所定の時間よりも長いときにエンジン1が冷間始動したと判定してもよい。
また、本実施形態では、ステップS2において、CPU58は、水温センサ14が検出した冷却水温と水温閾値Tw2とを比較したが、水温センサ14が検出した冷却水温とオイル温度センサ16が検出したオイル温度とを比較してもよい。この場合、CPU58は、冷却水温がオイル温度よりも低い場合に、ステップS3に移行し、冷却水温がオイル温度よりも高い場合に、ステップS4に移行してもよい。
また、コントローラ15のCPU58が実行する処理は、上記処理に限定されるものではなく、少なくとも、エンジン1の冷間始動時に冷却回路21の冷却水をオイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させないように冷却水バルブ12を制御し、暖機完了後にオイル温度が適温よりも高くなってきたときに、冷却回路21の冷却水をオイルクーラ40のケース内冷却水流路42へ流入させるように冷却水バルブ12を制御すればよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、エンジン1の冷間始動時にメインギャラリ3に流入するオイルの流量を増減可能なオイルバルブ13を設けたが、オイルバルブ13を設けなくてもよい。
また、上記実施形態では、本発明の一実施形態に係るエンジン暖機システム10を車両のエンジン1に適用したが、車両以外のエンジンに適用してもよい。
1:エンジン
2:シリンダブロック(エンジンブロック)
3:メインギャラリ(ブロック内オイル流路)
10:エンジン暖機システム
12:冷却水バルブ(開閉弁)
13:オイルバルブ(オイル調節手段)
14:水温センサ(水温検出手段)
15:コントローラ(弁制御手段、オイル制御手段)
21:所定の冷却回路
33:オイルポンプ
40:オイルクーラ(熱交換器)
41:断熱ケース
42:ケース内冷却水流路
43:ケース内オイル流路
44:冷却水流入孔
45:冷却水流出孔
46:オイル流入孔
47:オイル流出孔

Claims (4)

  1. オイルポンプから圧送されてエンジンブロック内のブロック内オイル流路へ向かうオイルと、所定の冷却回路を循環してエンジンを冷却する冷却水との間で熱交換を行う熱交換器であって、
    断熱構造の断熱ケースと、
    前記断熱ケースの内部に設けられたケース内冷却水流路と、
    前記断熱ケースの内部に設けられたケース内オイル流路と、
    前記ケース内冷却水流路と前記断熱ケースの外部とを連通し、前記冷却回路に接続され、前記冷却回路から前記ケース内冷却水流路への冷却水の流入を許容する冷却水流入孔と、
    前記ケース内冷却水流路と前記断熱ケースの外部とを連通し、前記ケース内冷却水流路から前記断熱ケースの外部への冷却水の流出を許容する冷却水流出孔と、
    前記ケース内オイル流路と前記断熱ケースの外部とを連通し、前記オイルポンプ側から前記ケース内オイル流路へのオイルの流入を許容するオイル流入孔と、
    前記ケース内オイル流路と前記断熱ケースの外部とを連通し、前記ケース内オイル流路から前記ブロック内オイル流路側へのオイルの流出を許容するオイル流出孔と、を備え、
    前記ケース内冷却水流路と前記ケース内オイル流路とは、前記ケース内冷却水流路の冷却水と前記ケース内オイル流路のオイルとの間で熱交換可能に隣接して配置され、
    前記ケース内冷却水流路及び前記ケース内オイル流路は、前記エンジンの停止時に冷却水及びオイルを貯留する
    ことを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器を備えるエンジン暖機システムであって、
    前記冷却回路から前記熱交換器の前記冷却水流入孔への冷却水の流路を開閉する開閉弁と、
    少なくとも前記エンジンの冷間始動時に、前記流路を閉止するように前記開閉弁を制御する弁制御手段と、を備えた
    ことを特徴とするエンジン暖機システム。
  3. 請求項2に記載のエンジン暖機システムであって、
    前記冷却回路の冷却水の温度を検出する水温検出手段を備え、
    前記弁制御手段は、前記エンジンの始動後、前記水温検出手段が検出した冷却水の温度が所定の温度よりも高くなったときに、前記流路を開放するように前記開閉弁を制御する
    ことを特徴とするエンジン暖機システム。
  4. 請求項2または請求項3に記載のエンジン暖機システムであって、
    前記ブロック内オイル流路に流入するオイルの流量を増減可能なオイル調節手段と、
    前記エンジンの冷間始動時に、前記ブロック内オイル流路に流入するオイルの流量を、調節可能な最大流量よりも少なくするように前記オイル調節手段を制御するオイル制御手段と、を備えた
    ことを特徴とするエンジン暖機システム。
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WO2023241081A1 (zh) * 2022-06-13 2023-12-21 潍柴动力股份有限公司 发动机预加热系统及方法

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