JP2018123008A - セラミック焼成体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】台座とセラミックグリーン体との間に無機粉を効率よく介在させることが可能なセラミック焼成体の焼成方法を提供する。【解決手段】このセラミック焼成体の製造方法は、台座、及び、軸方向に延びる複数の流路を有する柱状のセラミックグリーン体を用意する工程、前記台座の一端面、及び、前記セラミックグリーン体の軸方向の一端面の少なくとも一方に無機粉を含むスラリーを塗布する工程、前記スラリーを塗布する工程の後に、前記台座の前記一端面と前記セラミックグリーン体の前記一端面とが向き合うように、前記セラミックグリーン体を前記台座の上に載置する工程、及び、台座上に載置された前記セラミックグリーン体を焼成する工程、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、セラミック焼成体の製造方法に関するものである。
従来、ハニカム構造体、即ち、軸方向に延びる複数の流路を有する柱状体であるセラミック焼成体の製造方法として、ハニカム構造のセラミックグリーン(未焼成)体を、焼成用の台座(トチとも呼ばれる)に載置した状態で焼成する方法が知られている。この際、セラミック焼成体と台座とが固着し、焼成後にこれらを分離するのが困難な場合があった。
この課題の解決を図るために、特許文献1及び2に開示されるようにセラミックグリーン体と台座との間に無機粉を介在させる方法が提案されている。
しかしながら、従来の方法では、いずれも無機粉を介在させるための工程が複雑であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、台座とセラミックグリーン体との間に無機粉を効率よく介在させることが可能なセラミック焼成体の焼成方法を提供することを目的とする。
本発明に係るセラミック焼成体の焼成方法は、
台座、及び、軸方向に延びる複数の流路を有する柱状のセラミックグリーン体を用意する工程、
前記台座の一端面、及び、前記セラミックグリーン体の軸方向の一端面の少なくとも一方に無機粉を含むスラリーを塗布する工程、
前記スラリーを塗布する工程の後に、前記台座の前記一端面と前記セラミックグリーン体の前記一端面とが向き合うように、前記セラミックグリーン体を前記台座の上に載置する工程、及び、
台座上に載置された前記セラミックグリーン体を焼成する工程を備える。
台座、及び、軸方向に延びる複数の流路を有する柱状のセラミックグリーン体を用意する工程、
前記台座の一端面、及び、前記セラミックグリーン体の軸方向の一端面の少なくとも一方に無機粉を含むスラリーを塗布する工程、
前記スラリーを塗布する工程の後に、前記台座の前記一端面と前記セラミックグリーン体の前記一端面とが向き合うように、前記セラミックグリーン体を前記台座の上に載置する工程、及び、
台座上に載置された前記セラミックグリーン体を焼成する工程を備える。
ここで、無機粉の中心粒径D50は5〜100μmであってもよい。このような粒度分布の無機粉を用いると、無機粉を端面に付着させやすく、かつ、端面同士の固着も抑制しやすいという効果がある。
スラリーの塗布は、前記少なくとも一方の一端面に対して前記無機粉を含むスラリーを含浸したスラリー含浸体を接触させることによって行ってもよい。これによって、適切な量の無機粉を均一に、且つ、特に簡便に端面に塗布することができる。また、この方法であれば、台座及びセラミックグリーン体への過剰の液体供給を防ぎ、台座やセラミックグリーン体のヨレといった変形を特に抑制することができる。
スラリーはさらに有機バインダを含んでいてもよい。有機バインダによって、無機粉の端面への付着性が高まり、また、スラリー中での無機粉の沈殿を抑えることができる。
スラリーはさらに着色剤を含んでいてもよい。着色剤によってスラリーを着色することで、スラリーが塗布された端面が着色されるため、スラリー塗布の有無を容易に見分けることができる。これによって、スラリー塗布のし忘れを抑制する効果がある。
また、前記スラリーを塗布する工程の後、前記載置する工程の前に、前記スラリーを乾燥させる工程を更に有することもできる。
また、前記台座は、軸方向に延びる複数の流路を有する柱状の構造を有し、前記台座の一端面は軸方向の端面であってもよい。
また、前記台座は、セラミック原料から構成されていてもよい。
また、前記台座及び前記セラミックグリーン体が、互いに同一の組成物から構成されてもよい。
また、前記セラミックグリーン体の前記流路の一端又は他端が閉鎖されていてもよい。
本発明によれば、台座とセラミックグリーン体との間に無機粉を効率よく介在させることができ、台座とセラミック焼成体との固着を効率よく抑制できる。
図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態に係る方法は、台座及びセラミックグリーン体を用意する工程、これらの少なくとも一方の端面にスラリーを塗布する工程、スラリーを乾燥させる工程、台座上にセラミックグリーン体を載置する工程、及び、台座上に載置されたセラミックグリーン体を焼成する工程を含む。
(台座及びセラミックグリーン体の用意)
セラミックグリーン体1及び台座4は、図1に示すように、それぞれ、ハニカム構造体、すなわち、軸方向に延びる多数の流路3を形成する隔壁2を有した円柱体である。隔壁2の断面形状は、セラミックグリーン体1と台座4とで互いに同一である。流路3の断面形状は、略正方形である。これらの複数の流路3は、台座4及びセラミックグリーン体1において、端面側(Z方向)から見て、正方形配置、すなわち、流路3の中心軸が、正方形の頂点にそれぞれ位置するように配置されている。流路3の断面の正方形のサイズは、例えば、一辺0.8〜2.5mmとすることができる。隔壁の厚みは、例えば、0.15〜0.76mmとすることができる。
セラミックグリーン体1及び台座4は、図1に示すように、それぞれ、ハニカム構造体、すなわち、軸方向に延びる多数の流路3を形成する隔壁2を有した円柱体である。隔壁2の断面形状は、セラミックグリーン体1と台座4とで互いに同一である。流路3の断面形状は、略正方形である。これらの複数の流路3は、台座4及びセラミックグリーン体1において、端面側(Z方向)から見て、正方形配置、すなわち、流路3の中心軸が、正方形の頂点にそれぞれ位置するように配置されている。流路3の断面の正方形のサイズは、例えば、一辺0.8〜2.5mmとすることができる。隔壁の厚みは、例えば、0.15〜0.76mmとすることができる。
また、セラミックグリーン体1及び台座4の流路3が延びる軸方向の長さは特に限定されないが、例えば、それぞれ、40〜350mm、5〜50mmとすることができる。また、セラミックグリーン体1及び台座4の外径も特に限定されないが、例えば、100〜320mmとすることできる。
セラミックグリーン体1及び台座4は、後で焼成することにより多孔性セラミックとなるグリーン体(未焼成体)から構成され、セラミック原料を含む。セラミックは特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コージェライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、更に、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。
セラミックグリーン体1及び台座4は、好ましくは、セラミック原料である無機化合物源粉末、及び、メチルセルロース等の有機バインダ、及び、必要に応じて添加される添加剤を含む。
例えば、セラミックがチタン酸アルミニウムの場合、無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末、及び/又は、チタン酸アルミニウム粉末を含み、必要に応じて、更に、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩が挙げられる。
添加剤としては、例えば、造孔剤、潤滑剤及び可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;及びドライアイス等が挙げられる。
潤滑剤及び可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどの高級脂肪酸金属塩などが挙げられる。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどの界面活性剤などが挙げられる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;及び水などを用いることができる。
セラミックグリーン体1の複数の流路3のうちの一部の一端がプラグ状の封口材又は隔壁2の変形により封口され、セラミックグリーン体1の複数の流路3のうちの残部の他端がプラグ状の封口材又は隔壁2の変形により封口されていてもよい。封口材としては、セラミックグリーン体1と同様の、焼成することによりセラミックとなる材料を用いることができる。上述の「複数の流路3のうちの一部」とは、好ましくは、端面側から見て行列状に配列された複数の流路の内の、縦方向及び横方向それぞれ1つおきに選択された流路の組合せである。
セラミックグリーン体1及び台座4は例えば以下のような押出工程、乾燥工程及び切断工程を経て製造することができる。まず、無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加剤とを用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁の断面形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、乾燥をし、所望の長さに切ることにより、セラミックグリーン体1及び台座4を得ることができる。同じ押出機から製造することにより、セラミックグリーン体1及び台座4は、同じ断面構造の隔壁2を有することができ、同一の組成とすることができる。その後、必要に応じて、セラミックグリーン体1の流路3の端部を封口することができる。
(スラリーの塗布)
続いて、台座4の軸方向の一端面4a、及び、セラミックグリーン体1の軸方向の一端面1aの少なくとも一方に無機粉を含むスラリーを塗布する。
続いて、台座4の軸方向の一端面4a、及び、セラミックグリーン体1の軸方向の一端面1aの少なくとも一方に無機粉を含むスラリーを塗布する。
台座4の一端面4a、及び、セラミックグリーン体1の一端面1aの両方にスラリーを塗布すること、及び、セラミックグリーン体1の一端面1aのみにスラリーを塗布することも可能であるが、セラミックグリーン体1の組成に与える影響を少なくする観点から、台座4の一端面4aのみにスラリーを塗布することが好ましい。
スラリーは、各一端面の全面に亘って塗布することが好ましい。
スラリーは、液体及び無機粉を含む。無機粉の例は、金属粉、セラミック粉である。中でもセラミック粉が好ましい。特に、セラミックグリーン体を構成する金属元素又は半金属元素を含有するセラミック粉であることが好ましい。例えば、セラミックグリーン体がチタン酸アルミニウムの原料から構成される場合には、無機粉としてアルミナ粉、チタニア粉、チタン酸アルミニウム粉が好適である。例えば、セラミックグリーン体が炭化ケイ素の原料から構成される場合には、シリカ粉、炭化ケイ素粉が好適である。例えば、セラミックグリーン体がコージェライトの原料から構成される場合には、シリカ粉、マグネシア粉、アルミナ粉、カオリン粉、タルク粉、コージェライト粉が好適である。
無機粉の中心粒径D50は、5〜100μmであることができる。なお、中心粒径D50は、レーザー回折式粒度分布測定法により得られた体積基準の粒度分布のメジアン値から得ることができる。無機粉の中心粒径D50は、好ましくは20〜80μmであり、より好ましくは30〜70μmであり、特に好ましくは40〜60μmである。
スラリーの液体の例は、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;及び水である。
スラリー中の無機粉含有量は5〜60質量%であってもよく、好ましくは20〜40質量%である。
スラリーは、液体及び無機粉の他に、無機粉の付着性向上及び無機粉の分散性向上の観点からさらに有機バインダを含むことができる。
有機バインダの例は、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩である。
スラリーは、さらに、スラリー塗布の有無、スラリーの塗布ムラ等を視覚化する観点から、着色剤を含むことができる。着色剤としては、シアニン染料、アゾ染料、アニリン染料等の有機染料、カーボンブラックなどの炭素粉など、燃焼可能な材料が好ましい。
スラリーの塗布方法は、特に限定されない。例えば、ハケ塗り法、噴霧法、ダイコータ法、ディップ法など、種々の方法を採用することができる。
また、スポンジなどのスラリー含浸体を用いてスラリーを塗布することも可能である。例えば、台座4の一端面4aにスラリーを塗布する場合、図2に示すように、台座4の一端面4aを、無機粉を含むスラリーを含浸させた板状のスラリー含浸体5の塗布面5aに接触させればよい。スラリー含浸体5が凹むように台座4の一端面4aをスラリー含浸体5の塗布面5aに押しつけることも好ましい。スラリー含浸体5の塗布面5aは、台座4の一端面4aなどの塗布対象物の面積よりも大きな面積を有することが好ましい。スラリー含浸体5の厚みは特に限定されないが5〜30mmとすることができる。スポンジなどのスラリー含浸体を用いて塗布すると、台座4及びセラミックグリーン体の端面に均一に適切な量のスラリーを塗布しやすいと言うメリットがある。また、台座やセラミックグリーン体1への過剰の液体供給を防ぎ、台座やセラミックグリーン体のハニカム構造の変形を抑制しやすくなる場合がある。もちろん、手で台座4等をスラリー含浸体5に接触させるのではなく、ロボットハンドなどの搬送手段で台座4等をスラリー含浸体5に接触させてもよい。
スラリー含浸体は、スラリーを含浸可能な多孔質構造を有し、弾性変形可能であることが好ましい。スラリー含浸体の例は、スポンジ、織布(ガーゼを含む)、不織布、わたなどの繊維塊である。
スラリー含浸体は、スラリーを含浸可能な多孔質構造を有し、弾性変形可能であることが好ましい。スラリー含浸体の例は、スポンジ、織布(ガーゼを含む)、不織布、わたなどの繊維塊である。
(スラリーの乾燥)
続いて、台座4及び/又はセラミックグリーン体1の一端面に塗布されたスラリーを乾燥させる。乾燥には任意の方法を採用できる。例えば、大気中で自然乾燥する、熱風を当てて乾燥する、真空雰囲気で乾燥させる、高温炉に投入して乾燥させる方法等を採用できる。スラリーを乾燥させることにより、台座4の一端面4a及び/又はセラミックグリーン体1の一端面1a上に、無機粉の層が形成される。無機粉の層の厚さは、例えば、無機粉の粒径程度とすることができる。
続いて、台座4及び/又はセラミックグリーン体1の一端面に塗布されたスラリーを乾燥させる。乾燥には任意の方法を採用できる。例えば、大気中で自然乾燥する、熱風を当てて乾燥する、真空雰囲気で乾燥させる、高温炉に投入して乾燥させる方法等を採用できる。スラリーを乾燥させることにより、台座4の一端面4a及び/又はセラミックグリーン体1の一端面1a上に、無機粉の層が形成される。無機粉の層の厚さは、例えば、無機粉の粒径程度とすることができる。
(台座上へのセラミックグリーン体の載置)
続いて、図3に示すように、台座4を一端面4aが上を向くように棚板等の焼成炉用の支持板F上に載置し、台座4の一端面4aの上に、一端面1aが下向きになるようにセラミックグリーン体1を載置する。したがって、台座4の一端面4aとセラミックグリーン体1の一端面1aとが向き合う。上述のように、一端面1a及び/又は一端面4aには無機粉層6が形成されているので、台座4の一端面4aとセラミックグリーン体1の一端面1aとの間に無機粉層6が介在することになる。
続いて、図3に示すように、台座4を一端面4aが上を向くように棚板等の焼成炉用の支持板F上に載置し、台座4の一端面4aの上に、一端面1aが下向きになるようにセラミックグリーン体1を載置する。したがって、台座4の一端面4aとセラミックグリーン体1の一端面1aとが向き合う。上述のように、一端面1a及び/又は一端面4aには無機粉層6が形成されているので、台座4の一端面4aとセラミックグリーン体1の一端面1aとの間に無機粉層6が介在することになる。
焼成後における両者の固着強度をより低減する観点から、台座4の隔壁2とセラミックグリーン体1の隔壁2とが完全に重ならないように、台座4及びセラミックグリーン体1の両者の軸を水平方向にずらして配置したり、軸まわりの回転角度を互いに変えて載置したりてもよい。
(焼成)
続いて、支持板F上の台座4及びセラミックグリーン体1を焼成する。これにより、多孔質のハニカム構造を有するセラミック焼成体を得ることができる。
続いて、支持板F上の台座4及びセラミックグリーン体1を焼成する。これにより、多孔質のハニカム構造を有するセラミック焼成体を得ることができる。
セラミックグリーン体1及び台座4の焼成温度は、通常、1300℃以上、好ましくは1400℃以上である。また、焼成温度は、通常、1650℃以下、好ましくは1550℃以下である。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、1℃/時間〜500℃/時間である。
焼成は通常、大気中で行なわれるが、用いる原料粉末の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成を行なってもよい。
焼成は通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行なわれる。焼成は回分式で行なってもよいし、連続式で行なってもよい。また、静置式で行なってもよいし、流動式で行なってもよい。
焼成に要する時間は、セラミックが生成するのに十分な時間であればよく、セラミックグリーン体の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分〜24時間である。
本実施形態によれば、台座4とセラミックグリーン体1との間に無機粉層6が介在するため、焼成時にセラミックグリーン体1と台座4の燒結反応等による固着を抑制できる。従って、焼成体の歩留まりが向上する。さらに、スラリーを塗布することにより台座4及び/又はセラミックグリーン体1の一端面に無機粉の層を形成するので、従来に比して、台座4とセラミックグリーン体1との間に無機粉を介在させることが容易であり、さらに、無機粉を端面全体に亘って均一に分布させることも容易である。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。例えば、セラミックグリーン体1及び台座4の形状は特に限定されず、用途に応じて任意の形状を取ることができる。例えば、外形も、円柱に限られず、例えば、正三角柱、正方形柱、正六角柱、正八角柱等の正多角柱や、正多角柱以外の、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等の柱状体とすることができる。また、各流路の断面形状も、正方形には限定されず、矩形、円形、楕円形、三角形、六角形、八角形等にすることができ、流路には、径の異なるもの、断面形状の異なるものが混在してもよい。更に、流路の配置も、正方形配置に限定されず、断面において流路の中心が正三角形の頂点に配置される正三角形配置、千鳥配置等にすることができる。
更に、セラミックグリーン体1及び台座4は同一の押出機から成形されているが、異なる押出機から成形されて、隔壁の断面形状が互いに異なっていてもよい。また、セラミックグリーン体1と台座4の組成は同じであることが好ましいが、異なる組成であっても実施は可能である。また、上記実施形態では、焼成時の収縮挙動をセラミックグリーン体と同様とすべく、台座4がセラミックグリーン体と同じハニカム構造を有し、組成も互いに同一であるがこれに限定されない。例えば、台座がセラミックグリーン体と異なるハニカム構造を有している、例えば、流路の断面形状や流路の配置等が台座とセラミックグリーン体とで互いに異なっていてもよいし、台座がハニカム構造を有しない、すなわち台座が流路を有しない単なる板であっても実施は可能である。また、台座は、セラミックグリーン体と異なるセラミック原料から構成されることもでき、また、台座が、焼成されたセラミックから構成されていてもよく、セラミック以外の材料、例えば、金属等から構成されていても実施は可能である。
さらに、上記実施形態では、スラリーの塗布工程の後、載置工程の前に、スラリーを乾燥させているが、スラリーの乾燥工程を行うことなく載置工程を行っても実施は可能である。例えば、台座やセラミックグリーン体が十分乾燥している場合には、液体はこれらに十分に吸収される場合があり、また、吸収されない場合でも、焼成の初期までには熱によりスラリーの乾燥が起こり、台座とセラミックグリーン体との間に無機粉の層が形成される。
また、セラミックグリーン体の端面に塗布されたスラリー中の液体がセラミックグリーン体の内部に移動すると、セラミックグリーン体の端部にヨレが発生することがあるため、スラリー塗布後載置前にスラリーの乾燥を行った方がよい。スポンジ等のスラリー含浸体にセラミックグリーン体の端面を押しつけてスラリーを塗布する場合には、セラミックグリーン体への過剰なスラリーの供給が抑制されるため、例えば、数分間(3〜10分間)程度の自然乾燥でも端面を十分に乾燥させることができて好適である。
また、セラミックグリーン体の端面に塗布されたスラリー中の液体がセラミックグリーン体の内部に移動すると、セラミックグリーン体の端部にヨレが発生することがあるため、スラリー塗布後載置前にスラリーの乾燥を行った方がよい。スポンジ等のスラリー含浸体にセラミックグリーン体の端面を押しつけてスラリーを塗布する場合には、セラミックグリーン体への過剰なスラリーの供給が抑制されるため、例えば、数分間(3〜10分間)程度の自然乾燥でも端面を十分に乾燥させることができて好適である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
純度99.9%以上かつ中心粒径D50が47μmのアルミナ粉33.3gを水100.0gと混合してスラリーを調整し、このスラリーを厚さ約10mmのスポンジに含ませた。焼成後にチタン酸アルミニウムとなる同一組成及び同一のハニカム構造を有するセラミックグリーン体及び台座を用意した。台座の一端面がスポンジに接触するように台座をスポンジの上に置き、質量1000±50gの重しを台座の上に5秒間載せた。スポンジから台座を離し、5〜10分、室温(20℃)、湿度50%でスラリーを自然乾燥させて台座の一端面に無機粉層を形成した。焼成炉の棚板上に、無機粉層が形成された面が上を向くように台座を載置した。台座上に、セラミックグリーン体を、セラミックグリーン体の一端面が台座の無機粉の層が形成された端面と向き合うように載置し、最高温度1490℃で5時間焼成させた。
(比較例)
台座の一端面にスラリーを塗布し乾燥させる工程を実施しない以外は上記実施例と同様にした。
(評価)
実施例では、セラミック焼成体の台座への固着は全くなかったのに対し、比較例ではセラミック焼成体の台座への固着が認められた。
純度99.9%以上かつ中心粒径D50が47μmのアルミナ粉33.3gを水100.0gと混合してスラリーを調整し、このスラリーを厚さ約10mmのスポンジに含ませた。焼成後にチタン酸アルミニウムとなる同一組成及び同一のハニカム構造を有するセラミックグリーン体及び台座を用意した。台座の一端面がスポンジに接触するように台座をスポンジの上に置き、質量1000±50gの重しを台座の上に5秒間載せた。スポンジから台座を離し、5〜10分、室温(20℃)、湿度50%でスラリーを自然乾燥させて台座の一端面に無機粉層を形成した。焼成炉の棚板上に、無機粉層が形成された面が上を向くように台座を載置した。台座上に、セラミックグリーン体を、セラミックグリーン体の一端面が台座の無機粉の層が形成された端面と向き合うように載置し、最高温度1490℃で5時間焼成させた。
(比較例)
台座の一端面にスラリーを塗布し乾燥させる工程を実施しない以外は上記実施例と同様にした。
(評価)
実施例では、セラミック焼成体の台座への固着は全くなかったのに対し、比較例ではセラミック焼成体の台座への固着が認められた。
1…セラミックグリーン体、2…隔壁、3…流路、4…台座、5…スラリー含浸体、6…無機粉層。
Claims (10)
- 台座、及び、軸方向に延びる複数の流路を有する柱状のセラミックグリーン体を用意する工程、
前記台座の一端面、及び、前記セラミックグリーン体の軸方向の一端面の少なくとも一方に無機粉を含むスラリーを塗布する工程、
前記塗布する工程の後に、前記台座の前記一端面と前記セラミックグリーン体の前記一端面とが向き合うように、前記セラミックグリーン体を前記台座の上に載置する工程、及び、
前記台座上に載置された前記セラミックグリーン体を焼成する工程、
を備えるセラミック焼成体の製造方法。 - 前記無機粉の中心粒径D50が5〜100μmである、請求項1記載の方法。
- 前記スラリーの塗布が、前記少なくとも一方の一端面に対して前記無機粉を含むスラリーを含浸したスラリー含浸体を接触させることによって行われる、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記スラリーがさらに有機バインダを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記スラリーがさらに着色剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記スラリーを塗布する工程の後、前記載置する工程の前に、前記スラリーを乾燥させる工程を更に有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記台座は、軸方向に延びる複数の流路を有する柱状の構造を有し、前記台座の一端面は軸方向の端面である、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
- 前記台座は、セラミック原料から構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記台座及び前記セラミックグリーン体が、互いに同一の組成物から構成される、請求項8に記載の方法。
- 前記セラミックグリーン体の前記流路の一端又は他端が閉鎖されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
Priority Applications (2)
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