JP2018122265A - 濃縮システム及び濃縮方法 - Google Patents
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Abstract
Description
濃縮処理部Q1は、蒸発器3と、蒸発器3の外部に設けられた熱交換器5(外部熱交換器)と、循環ポンプ7と、圧縮手段9と、を備えている。蒸発器3には被処理物Aが収容される。蒸発器3の底部近傍には被処理物Aをその液面下から外部に抜き出すための抜出口3bが設けられている。抜出口3bは、蒸発器3の底部よりもやや高い位置に位置している。蒸発器3の上部には外部に抜き出された被処理物Aをその液面上方の位置で返送するための返送口3aが設けられている。また、蒸発器3の上部には、蒸発器3内の蒸気を外部に抜き出すための蒸気出口3cが設けられている。
乾燥処理部Q3は、濃縮処理部Q1で濃縮された蒸発器3内の被処理物Aの溶媒成分を更に蒸発させて被処理物Aの濃縮度を高める。乾燥処理部Q3は、蒸発器3の下部周囲に設けられた蒸気ジャケット4と、凝縮器15(凝縮部)と、減圧手段17と、冷却塔19とを備えている。
乾燥処理部Q3による乾燥処理工程を更に効率的にすべく、蒸発器3内には当該蒸発器3内の被処理物Aを撹拌する撹拌装置が設けられてもよい。図2は、撹拌装置20を含む蒸発器3の一例を示す断面図である。この例の蒸発器3は、図2の紙面に直交する方向に延びる円筒形をなしている。蒸発器3の内部には、蒸発器3の円筒軸線Cを中心として回転する撹拌装置20が設けられている。撹拌装置20は、円筒軸線C上に延在するシャフト21と、シャフト21に直交する姿勢で当該シャフト21に取付けられ略八角形をなす仕切板23と、を有している。
続いて、図1を参照しながら濃縮システム1による被処理物Aの濃縮方法について説明する。本実施形態の濃縮方法は、被処理物Aの溶質成分が析出する濃縮度よりも低濃縮度まで、濃縮処理部Q1によって蒸発器3内の被処理物Aを濃縮する初期濃縮工程と、初期濃縮工程の後、蒸発器3内の被処理物Aを乾燥処理部Q3によって乾燥する乾燥工程と、を備える。
初期濃縮工程の開始時は、濃縮処理部Q1全体の温度を100℃近傍まで上げる必要がある。このため、例えば、蒸気ボイラ14からの蒸気が蒸気ジャケット4に送り込まれ蒸発器3が加熱される。蒸発器3内が一定の温度に達したときに、蒸気ジャケット4への蒸気供給は停止されてもよい。
濃縮処理部Q1によって実行される被処理物Aの初期濃縮工程は、被処理物Aが収容される蒸発器3内の溶媒成分の蒸気を圧縮手段9によって外部に引き出し圧縮する圧縮工程と、圧縮工程で圧縮された蒸気を熱交換器5に加熱媒体として導入する工程と、蒸発器3内の被処理物Aを外部に抜出し熱交換器5で加熱媒体と熱交換させた後、再び蒸発器3内に返送するように循環経路11を循環させる工程と、を備える。
その後、被処理物Aが所定の濃縮度に到達したときに、循環ポンプ7が停止され初期濃縮工程から乾燥工程に移行する。乾燥工程では、切替バルブV4によってラインL4がラインL14に連通される。乾燥処理部Q3において、蒸気ジャケット4と、減圧手段17と、冷却塔19が駆動され、蒸発器3内の被処理物Aは、蒸気ジャケット4により加熱されるとともに、減圧手段17によって減圧される。更に、撹拌装置20(図2参照)が駆動され、被処理物Aが蒸発器3内で撹拌されてもよい。被処理物Aの加熱・減圧によって、被処理物Aの溶媒成分の蒸発が促進され、蒸発器3内の被処理物Aから蒸発した溶媒成分の蒸気は、ラインL4、ラインL14、凝縮器15及びラインL15で構成される移動経路で減圧手段17に向けて移動する。このとき、上記移動経路上にある凝縮器15では、溶媒成分の蒸気が冷却水管15aに接触して冷却される。この冷却によって当該蒸気が凝縮し、液体となった溶媒成分が凝縮器15内で貯留される。凝縮器15内に貯留された液体の溶媒成分は、凝縮器15の底部から濃縮システム1の系外に排出される。以上の動作により、蒸発器3内の被処理物Aから溶媒成分が除去されていき、被処理物Aの濃縮が進行する。
濃縮処理部Q1による初期濃縮工程は、被処理物Aを蒸発器3の外部の熱交換器5内に流通させて加熱するものである。従って、被処理物Aは液体であり被処理物A中の溶質成分は完全に溶解していることが必要である。また、被処理物Aの濃縮度が高すぎると、被処理物Aの溶質成分が循環経路11内(例えば、熱交換器5の流路内)で析出し、経路を閉塞させるおそれがある。従って、濃縮処理部Q1による初期濃縮工程では、被処理物Aの濃縮度をモニタし、被処理物Aが規定の濃縮度に到達したときに停止する必要がある。そして、少なくとも、上記の規定の濃縮度は、被処理物Aの溶質成分が析出する濃縮度よりも低濃縮度である必要がある。上記の規定の濃縮度は、安全率を勘案して事前に設定される。濃縮システム1においては、被処理物Aの濃縮度が規定濃縮度に到達するまで、濃縮処理部Q1による初期濃縮工程を実行し、その後、初期濃縮工程を停止して乾燥処理部Q3による乾燥工程を実行することとしている。
また、循環経路11内での溶質成分の析出を防止する観点からは、初期濃縮工程が停止された後に循環経路11の流路内に被処理物Aが残留していることも好ましくない。すなわち、循環経路11の各管路内に充填された被処理物Aが温度低下すると、溶質成分の溶解度が低下して管路内で析出することも考えられる。従って、循環経路11上には、当該循環経路11から被処理物Aを抜取るための抜取り機構が設けられている。具体的には、循環ポンプ7を迂回してラインL1とラインL2とを接続するバイパスが設けられており、当該バイパス上に開閉バルブV1が設けられている。また、ラインL1上に開閉バルブV2が設けられている。
Claims (5)
- 液体である被処理物の溶媒成分を蒸発させて前記被処理物を濃縮する濃縮システムであって、
前記被処理物が収容される蒸発器と、
前記蒸発器内の前記被処理物を所定の濃縮度まで濃縮可能な濃縮処理部と、
前記濃縮処理部で濃縮された前記蒸発器内の前記被処理物の前記溶媒成分を更に蒸発させて前記被処理物の濃縮度を高める乾燥処理部と、を備え、
前記濃縮処理部は、
前記蒸発器内の前記溶媒成分の蒸気を外部に引き出し圧縮する圧縮手段と、
前記蒸発器の外部に設けられ前記圧縮手段で圧縮された前記蒸気が加熱媒体として導入される外部熱交換器と、
前記蒸発器内の前記被処理物を外部に抜出し前記外部熱交換器で前記加熱媒体と熱交換させた後、再び前記蒸発器内に返送するように循環させる循環経路と、を有し、
前記乾燥処理部は、
前記蒸発器を加熱する加熱部と、
前記圧縮手段とは別に設けられ前記蒸発器内を減圧する減圧手段と、
前記蒸発器内の前記被処理物から蒸発し前記減圧手段に向かう前記溶媒成分の蒸気の移動経路上で当該蒸気を冷却し凝縮させる凝縮部と、を有する、濃縮システム。 - 前記圧縮手段はルーツブロアを有し、
前記減圧手段は真空ポンプを有する、請求項1に記載の濃縮システム。 - 請求項1又は2に記載の濃縮システムを用いて前記被処理物を濃縮する濃縮方法であって、
前記被処理物の溶質成分が析出する濃縮度よりも低濃縮度まで、前記濃縮処理部によって前記蒸発器内の前記被処理物を濃縮する初期濃縮工程と、
前記初期濃縮工程の後、前記蒸発器内の前記被処理物を前記乾燥処理部によって乾燥する乾燥工程と、を備える濃縮方法。 - 前記初期濃縮工程の少なくとも一部の時間帯では、
前記濃縮処理部によって前記被処理物を濃縮する処理に並行して、前記乾燥処理部によって前記被処理物を乾燥する処理が実行される、請求項3に記載の濃縮方法。 - 前記初期濃縮工程と並行して実行され前記被処理物の濃縮度を検知する濃縮度検知工程を更に備え、
前記濃縮度検知工程で検知された前記濃縮度が所定の濃縮度に到達したときに、前記初期濃縮工程が停止され前記初期濃縮工程から前記乾燥工程に切り替えられる、請求項3又は4に記載の濃縮方法。
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