JP2018121175A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】低域の音響特性を改善すること。【解決手段】本体筐体10の内部にスピーカ50を備えた電子機器において、本体筐体10の内部に収容された内蔵バッテリ40と本体筐体10の周壁17とによって囲まれるデッドスペースCにスピーカ50を配設するとともに、デッドスペースCをスピーカ50のバックチャンバとして機能させるようにしている。【選択図】図3
Description
本発明は、電子機器に関するものである。
電子機器には、筐体の内部にスピーカボックスを設けることにより、最低共振周波数の改善を図るようにしたものが提供されている。こうした電子機器によれば、口径の小さいスピーカを適用した場合にも、スピーカボックス内の空間がバックチャンバとなって低域の音響特性が向上され、人の声や楽器の演奏が聞き取りやすくなる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、携帯性が考慮されるノート型パーソナルコンピュータやタブレット等の電子機器においては、より小型化、薄型化の傾向にあり、筐体の内部にスピーカボックスを収容することが難しい。さらに、スピーカの口径そのものも小型化される傾向にあり、例えば人の声が聞きにくい、特定の楽器の音が再現できない等の問題を招来するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、低域の音響特性を改善することのできる電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る電子機器は、筐体の内部にスピーカを備えた電子機器において、前記筐体の内部に収容された電子部品と前記筐体の周壁とによって囲まれるデッドスペースに前記スピーカを配設するとともに、前記デッドスペースを前記スピーカのバックチャンバとして機能させることを特徴とする。
また、本発明は、上述した電子機器において、前記筐体は、前方部上面にパームレストが確保され、かつ前記パームレストよりも後方側となる上面にキーボードを備えたものであり、前記筐体の内部には、前記パームレストと前記キーボードとの間に対応する部位に壁部が設けられ、前記壁部よりも前方となる前方空間に内蔵バッテリが収容されており、前記筐体の前方及び側方に位置する周壁と前記内蔵バッテリとの間に前記デッドスペースが構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、上述した電子機器において、前記筐体は、下方筐体部分と上方筐体部分とを備えて構成され、前記下方筐体部分に放音孔を有する一方、前記上方筐体部分にスピーカ支持部を有し、前記スピーカは、振動板の外周がハウジングによって支持されたものであり、前記振動板が前記放音孔に対向し、かつ前記スピーカ支持部との間に防振部材を介在させた状態で前記ハウジングを介して前記スピーカ支持部に支持されており、前記防振部材及び前記スピーカ支持部には、前記ハウジングを取り囲む空間と前記デッドスペースとの間を連通する連通部が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る電子機器によれば、筐体の内部に収容された電子部品と筐体の周壁とによって囲まれるデッドスペースをバックチャンバとして機能させるようにしているため、スピーカボックスを設けることなく低域の音響特性を改善することができるようになる。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る電子機器の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態である電子機器を示したものである。ここで例示する電子機器は、本体筐体10と、表示装置20との間を左右2つのヒンジ装置30により互いに開閉可能に接続することによって構成されたものである。本実施の形態では特に、表示装置20が本体筐体10の上面を覆った状態から360°回転できるように構成されたコンバーチブル型と称されるパーソナルコンピュータ(以下、PCという)を例示している。すなわち、このPCでは、図示するように、本体筐体10に対して表示装置20を90°程度開くことによりノート型PCとして使用することができる。さらに、図には示していないが、360°まで開いて表示装置20を本体筐体10の下面に重ね合わせれば、タブレット型PCとしても使用することが可能である。なお、本実施の形態の説明においては便宜上、図1に示した使用状態において電子機器の上下左右及び前後の方向を特定することとする。
本体筐体10は、上方筐体部分10Aと下方筐体部分10Bとを備えて構成された厚さ寸法の小さい矩形状を成すもので、上方筐体部分10Aの上面に入力部としてキーボード11及びタッチパッド12を備えている。図からも明らかなように、上方筐体部分10Aの上面には、前方側にパームレスト13となる領域が確保してあり、その後方側となる部分に設けた凹部14にキーボード11が配設してある。タッチパッド12は、パームレスト13の中央となる部分に設けてある。
この本体筐体10の内部には、キーボード11とパームレスト13との間に対応する部位に左右方向に沿って延在する壁部15が設けられている。壁部15は、上方筐体部分10Aの上面にキーボード11を収容するための凹部14を設けることにより、本体筐体10の内部に突出するように延在する部分であり、本体筐体10の内部において前方部となる部位に後方部よりも上下寸法の大きな前方空間16を構成している。すなわち、前方空間16は、本体筐体10の前方及び両側方に位置する周壁17と壁部15との間に構成された直方体状の空間である。上方筐体部分10Aにおいて前方空間16の両隅となる部分には、それぞれボス部18が設けてある。ボス部18は、上方筐体部分10Aと下方筐体部分10Bとを接合した状態に維持するネジSが螺合される円柱状部分であり、上方筐体部分10Aの内表面から下方に向けて突出している。
この前方空間16には、内蔵バッテリ40が配設してある。内蔵バッテリ40は、PCを動作させる場合に電源となる電子部品であり、中央部分に比べて両側部分の前後に沿った寸法が小さく、中央部分が前方に向けて矩形状に突出したような異形の外形形状を有している。この内蔵バッテリ40の左右に沿った寸法d1は、ボス部18に干渉することなくボス部18の相互間に配置することができるように設定してある。内蔵バッテリ40の両側部分についても、ボス部18に干渉することなくボス部18と壁部15との間に配置することができるようにそれぞれの前後に沿った寸法d2が設定してある。すなわち、本実施の形態においては、前方空間16に内蔵バッテリ40を配置した場合、図3に示すように、内蔵バッテリ40の両側部分と本体筐体10の前方及び側方に位置する周壁17との間に、それぞれ屈曲状のデッドスペースCが2つ構成されることになる。
さらに、前方空間16には、上述のデッドスペースCにおいて内蔵バッテリ40の両側部分よりも前方となる部位にそれぞれスピーカ50が配設してある。スピーカ50は、振動板51の外周がハウジング52によって支持されたもので、振動板51が下方筐体部分10Bの放音孔19に対向した状態で防振部材60を介して上方筐体部分10Aのスピーカ支持部70に保持させてある。本実施の形態では、長辺が16mm、短辺が8mm程度の楕円形状を成す小口径の振動板51を適用し、最低共振周波数f0=800Hzのスピーカ50を適用している。
スピーカ50のハウジング52は、図示せぬボイスコイルやマグネット等の駆動部を収容するハウジング本体52aと、ハウジング本体52aの一端から周方向に突出し、振動板51の外周を支持するフランジ部52bとを有したものである。フランジ部52bの裏面からは、スピーカケーブル53が延出している。
防振部材60は、図4及び図5に示すように、ゴム等の弾性を有した部材によって成形したものである。本実施の形態では、フランジ部52bの全周を覆うフランジカバー部60aと、ハウジング本体52aを覆う本体カバー部60bとを一体に成形した防振部材60を適用している。フランジカバー部60aについては、ハウジング52のフランジ部52bに接触した状態でこれを覆うように構成してある。これに対して本体カバー部60bは、ハウジング本体52aの周囲に接触する一方、ハウジング本体52aの端面との間に隙間Dを確保した状態でハウジング本体52aを覆うように構成したものである。この本体カバー部60bには、両端部に開口部(連通部)60cが設けてある。この開口部60cは、ハウジング本体52aの端面と、本体カバー部60bとの間に確保した隙間Dを外部に連通させる通路となる。
スピーカ支持部70は、防振部材60とともにスピーカ50のフランジ部52bを挿入した状態で収容するもので、上方筐体部分10Aの内表面から突出した略矩形の筒状に構成してある。図からも明らかなように、このスピーカ支持部70には、防振部材60の開口部60cに対応する部位にそれぞれ切欠71が設けてある。
なお、図には明示していないが、本体筐体10の内部には、回路基板、演算装置及びメモリといった、PCにおいて必須となる各種主要電子部品が収容されている。
上記のように構成した電子機器では、スピーカ50のハウジング52と防振部材60との間に確保した隙間Dが防振部材60の開口部60c及びスピーカ支持部70の切欠71を通じて本体筐体10のデッドスペースCに連通した状態となる。従って、スピーカ50を駆動した場合には、デッドスペースCがバックチャンバとして機能することになり、低域の音響特性が改善されることになる。これにより、f0=800Hz程度の小口径のスピーカ50を適用した場合にも、4cc程度のデッドスペースCがあれば、500Hz前後の音が再現できるようになり、例えば人の声が聞き易くなったり、すべての楽器の音が再現できる等々の作用効果を期待することが可能となる。
なお、上述した実施の形態では、表示装置20が本体筐体10に対して360°回転することのできるコンバーチブル型のPCを例示しているが、本発明はこれに限定されず、表示装置が本体筐体に対して180°程度までしか回転しない一般的なノート型PCや携帯電話、あるいは表示装置のみを備えて構成されたスマートフォンや電子手帳等々、筐体の内部にスピーカを備えたものであれば、その他のものにも適用可能である。
また、上述した実施の形態では、内蔵バッテリ40と本体筐体10の周壁17との間のデッドスペースCにスピーカ50を配設するようにしているが、必ずしも内蔵バッテリとの間のデッドスペースに限らない。さらに、スピーカ50の数についても2つに限らない。また、スピーカ50の取付態様についても上方筐体部分10Aに保持させる必要はなく、振動板51が下向きである必要もない。なお、実施の形態においては、スピーカ50の具体的な寸法や形状について記載しているが、これらの記載はあくまでも例示のためであって、本発明がこれらの記載に限定されることはない。
10 本体筐体
10A 上方筐体部分
10B 下方筐体部分
11 キーボード
13 パームレスト
15 壁部
16 前方空間
17 周壁
19 放音孔
40 内蔵バッテリ
50 スピーカ
51 振動板
52 ハウジング
60 防振部材
60c 開口部
70 スピーカ支持部
71 切欠
C デッドスペース
D 隙間
10A 上方筐体部分
10B 下方筐体部分
11 キーボード
13 パームレスト
15 壁部
16 前方空間
17 周壁
19 放音孔
40 内蔵バッテリ
50 スピーカ
51 振動板
52 ハウジング
60 防振部材
60c 開口部
70 スピーカ支持部
71 切欠
C デッドスペース
D 隙間
Claims (3)
- 筐体の内部にスピーカを備えた電子機器において、
前記筐体の内部に収容された電子部品と前記筐体の周壁とによって囲まれるデッドスペースに前記スピーカを配設するとともに、前記デッドスペースを前記スピーカのバックチャンバとして機能させることを特徴とする電子機器。 - 前記筐体は、前方部上面にパームレストが確保され、かつ前記パームレストよりも後方側となる上面にキーボードを備えたものであり、
前記筐体の内部には、前記パームレストと前記キーボードとの間に対応する部位に壁部が設けられ、前記壁部よりも前方となる前方空間に内蔵バッテリが収容されており、
前記筐体の前方及び側方に位置する周壁と前記内蔵バッテリとの間に前記デッドスペースが構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 前記筐体は、下方筐体部分と上方筐体部分とを備えて構成され、前記下方筐体部分に放音孔を有する一方、前記上方筐体部分にスピーカ支持部を有し、
前記スピーカは、振動板の外周がハウジングによって支持されたものであり、前記振動板が前記放音孔に対向し、かつ前記スピーカ支持部との間に防振部材を介在させた状態で前記ハウジングを介して前記スピーカ支持部に支持されており、
前記防振部材及び前記スピーカ支持部には、前記ハウジングを取り囲む空間と前記デッドスペースとの間を連通する連通部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017010583A JP2018121175A (ja) | 2017-01-24 | 2017-01-24 | 電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017010583A JP2018121175A (ja) | 2017-01-24 | 2017-01-24 | 電子機器 |
Publications (1)
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JP2018121175A true JP2018121175A (ja) | 2018-08-02 |
Family
ID=63044441
Family Applications (1)
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JP2017010583A Pending JP2018121175A (ja) | 2017-01-24 | 2017-01-24 | 電子機器 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001155703A (ja) * | 1994-10-31 | 2001-06-08 | Toshiba Corp | 電子機器 |
JP2009043106A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Fujitsu Ltd | 電子機器 |
JP2012227854A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Sony Corp | 電子機器 |
JP2013055431A (ja) * | 2011-09-01 | 2013-03-21 | Toshiba Corp | テレビ、電子機器 |
-
2017
- 2017-01-24 JP JP2017010583A patent/JP2018121175A/ja active Pending
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
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