JP2018120052A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易にジャム処理を行うための画像形成装置を提供する。
【解決手段】
本発明のカラープリンター1は、内部を開放可能に形成されている装置本体2と、装置本体2の内部に設けられ、シート上のトナー像を加熱しながら加圧してシートに定着させる定着装置7と、を備え、定着装置7は、装置本体2を開放した状態で、装置本体2の外部に配置されるように回動可能に装置本体2に支持されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、各々回転する定着部材と加圧部材とで形成したニップを通過する媒体にトナー像を熱定着させる定着装置を備えている。定着装置では、媒体がニップに詰まることがあった。
ニップで詰まった媒体(用紙)の除去(ジャム処理)を円滑に行うための画像形成装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、定着装置を収容した装置本体に取り付けたカバーの開放に連動してニップに働く圧力(ニップ圧)を低下させるニップ圧切り替え機構を備えている。この構成によって、作業者がニップに詰まった用紙を容易に引き抜くことができるようになっている。
特開2014−191134号公報
しかしながら、定着装置は装置本体内に収容されているため、作業者は狭い装置本体内でジャム処理を行わなければならなかった。狭い装置本体内において詰まった用紙を破けないように引き出すことは容易ではなかった。
本発明は、上記課題を解決するために、容易にジャム処理を行うための画像形成装置を提供する。
上記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、内部を開放可能に形成されている装置本体と、前記装置本体の内部に設けられ、媒体上のトナー像を加熱しながら加圧して前記媒体に定着させる定着装置と、を備え、前記定着装置は、前記装置本体を開放した状態で、前記装置本体の外部に配置されるように回動可能に前記装置本体に支持されている。
この場合、前記定着装置は、水平方向一端部で鉛直方向に延びた軸周りに回動可能に前記装置本体に支持されていることが好ましい。
この場合、前記定着装置は、回転しながら前記媒体上の前記トナー像を加熱する定着部材と、回転しながら前記定着部材に接触してニップを形成し、前記ニップを通過する前記媒体を加圧する加圧部材と、前記ニップの圧力を変更する圧力変更部と、を含み、前記定着装置は、前記装置本体の内部に設定された定着処理位置と、前記装置本体の外部に設定されたジャム処理位置と、の間で回動可能に設けられ、前記圧力変更部は、前記定着装置を前記定着処理位置に配置した状態で前記ニップの圧力を第1の圧力に設定し、前記定着装置を前記ジャム処理位置に配置した状態で前記ニップの圧力を前記第1の圧力よりも減圧された第2の圧力に設定することが好ましい。
この場合、前記装置本体の側面の一部を開閉可能に設けられているカバーを更に備え、前記カバーは、前記装置本体の側面を閉じた状態で、前記媒体を通過させる搬送路の一部を形成していることが好ましい。
この場合、前記搬送路は、鉛直方向に沿って形成され、前記カバーは、水平方向一端部で鉛直方向に延びた軸周りに回動可能に前記装置本体に支持されていることが好ましい。
本発明によれば、容易にジャム処理を行うことができる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンターを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターの内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターの定着装置を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターの定着装置を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターの定着装置を模式的に示す背面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターのジャム処理構造を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターのジャム処理構造を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターのジャム処理構造であって、定着装置をジャム処理位置に配置した状態を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターの定着装置(加圧状態)を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターの定着装置(減圧状態)を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るカラープリンターのジャム処理構造を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係るカラープリンターの定着装置を模式的に示す側面図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、各図に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。また、「上流」および「下流」並びにこれらに類する用語は、シートSの搬送方向の「上流」および「下流」並びにこれらに類する概念を指す。
<カラープリンターの概要>
図1および図2を参照して、本実施形態に係るカラープリンター1について説明する。図1はカラープリンター1を示す斜視図である。図2はカラープリンター1の内部構造を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンター1は、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の下部には、紙製のシートS(の束)を収容する給紙カセット3が着脱可能に設けられている。装置本体2の上面には、排紙トレイ4が設けられている。なお、媒体の一例としてのシートSは、紙製に限らず、樹脂製のシート等であってもよい。
図2に示すように、カラープリンター1は、給紙装置5と、作像装置6と、定着装置7と、を装置本体2の内部に備えている。給紙装置5は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延びた搬送路20の上流端部に設けられている。定着装置7は搬送路20の下流側に設けられ、作像装置6は搬送路20において給紙装置5と定着装置7との間に設けられている。
作像装置6は、4つのトナーコンテナ10と、中間転写ベルト11と、4つのドラムユニット12と、光走査装置13と、を含んでいる。4つのトナーコンテナ10は、4色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)のトナー(現像剤)を収容する。中間転写ベルト11は、図2に矢印で示す方向に回転する。各ドラムユニット12は、感光体ドラム14と、帯電装置15と、現像装置16と、一次転写ローラー17と、クリーニング装置18と、を含んでいる。各一次転写ローラー17は、感光体ドラム14との間に中間転写ベルト11を挟むように設けられている。中間転写ベルト11の後側には、二次転写ローラー19が接触して転写ニップN1を形成している。
搬送路20は、側面から見て、装置本体2の後側で上下方向(鉛直方向)に沿って略S字状に形成されている。搬送路20よりも後方には、シートSを反転させて作像装置6に再搬送するための反転搬送路21が設けられている。反転搬送路21は、搬送路20の下流側で分岐して下方に延びている。反転搬送路21の下流端は、搬送路20の上流側に合流している。
搬送路20には、レジストローラー対22が設けられている。レジストローラー対22は、搬送路20を搬送されるシートSを一時的に塞き止めて、シートSの傾きを補正(スキュー補正)する。反転搬送路21には、複数の搬送ローラー対23が設けられている。レジストローラー対22および各搬送ローラー対23は、それぞれ、シートSを挟んで回転することで、シートSを下流側に送り出す。
カラープリンター1は以下の手順で画像形成動作を行う。各帯電装置15は、感光体ドラム14の表面を帯電させる。各感光体ドラム14は、光走査装置13から出射された走査光を受け、静電潜像を担持する。各現像装置16は、トナーコンテナ10から供給されたトナーを用いて感光体ドラム14上の静電潜像をトナー像に現像する。各一次転写ローラー17は、感光体ドラム14上のトナー像を回転する中間転写ベルト11に一次転写する。中間転写ベルト11は、回転しながら4色のトナー像を重ねたフルカラーのトナー像を担持する。シートSは、給紙装置5によって給紙カセット3から搬送路20に送り出される。二次転写ローラー19は、転写ニップN1を通過するシートSの表面に中間転写ベルト11上のトナー像を二次転写する。定着装置7は、シートS上のトナー像を加熱しながら加圧してトナー像をシートSに定着させる。その後、シートSは排紙トレイ4に排出される。各クリーニング装置18は感光体ドラム14上に残ったトナーを除去する。
シートSの両面に印刷を行う場合、定着装置7を通過したシートSは、搬送路20の下流端部でスイッチバックして反転搬送路21に送られる。シートSは、反転搬送路21から再び搬送路20に進入し、作像装置6に向けて再搬送される。そして、シートSの裏面にも画像が形成される。
<定着装置>
図3および図4を参照して、定着装置7について説明する。図3は定着装置7を模式的に示す断面図である。図4は定着装置7を模式的に示す平面図である。
定着装置7は、定着ケース30と、定着ローラー31と、加圧ローラー32と、発熱ユニット33と、を含んでいる。定着ケース30は、左右方向に長い略直方体状に形成されている。定着ローラー31および加圧ローラー32は、左右方向に長い略円筒状に形成されている。発熱ユニット33は、定着ローラー31を加熱するための装置である。
図3に示すように、定着部材の一例としての定着ローラー31は、金属製の定着芯金31Aの外周面に積層された定着弾性層31Bと、定着弾性層31Bを覆う定着ベルト31Cと、を含んでいる。加圧部材の一例としての加圧ローラー32は、加圧芯金32Aの外周面に積層された加圧弾性層32Bと、加圧弾性層32Bを覆う加圧離型層32Cと、を含んでいる。
図4に示すように、定着ローラー31および加圧ローラー32は、定着ケース30の内部に収容されている。定着芯金31Aの左右両端部は、定着ケース30内に固定された一対の板金34に回転可能に支持されている。加圧芯金32Aの左右両端部は、定着ケース30内に設けられた一対の可動板金53に回転可能に支持されている。加圧ローラー32は、定着ローラー31に接触して定着ニップN2を形成している(図3参照)。なお、定着ケース30の上下両面には、シートSを定着ニップN2に通過させるための開口が形成されている(図2参照)。
図3に示すように、発熱ユニット33は、定着ローラー31を挟んで定着ニップN2の反対側に設けられている。発熱ユニット33は、略半円筒状のホルダー33Aに支持された複数のIHコイル33Bを含んでいる。複数のIHコイル33Bは、フェライト等の強磁性体で形成されたアーチコア33Cで覆われている。
ここで、定着装置7の作用について説明する。加圧ローラー32は、ギア列等を介してモーター等(図示せず)に接続され、モーターの駆動力を受けて軸周りに回転する。定着ローラー31は、加圧ローラー32に従動して軸周りに回転する。各IHコイル33Bは、電源(図示せず)から電力の供給を受けて高周波磁界を発生させて定着ベルト31Cを加熱する。定着ローラー31は、回転しながら定着ニップN2を通過するシートS上のトナー像を加熱する。加圧ローラー32は、回転しながら定着ニップN2を通過するシートSを加圧する。すると、トナー像がシートSに定着する。なお、本実施形態では、加圧ローラー32を回転駆動させていたが、これに限らず、定着ローラー31を回転駆動させ、加圧ローラー32を従動回転させてもよい。
カラープリンター1では、搬送路20や反転搬送路21等でシートSが詰まることがある。詳細は後述するが、装置本体2は、詰まったシートSを除去するために、その内部を開放可能に形成されている。カラープリンター1の制御装置(図示せず)は、搬送路20や反転搬送路21に配置されたセンサー(図示せず)からの出力を受信してシートSの詰り(ジャム)を検知する。制御装置は、ジャムの発生を検知すると画像形成動作を停止させ、ジャムの発生を示すメッセージ等を液晶画面等(図示せず)に表示する。ユーザーは、メッセージに従って装置本体2の内部を開放して所定のジャム処理を実行する。本実施形態に係るカラープリンター1には、ユーザーがジャム処理を容易に行うためのジャム処理構造8が設けられている。
<ジャム処理構造>
図2、図4ないし図10を参照して、ジャム処理構造8について説明する。図5は定着装置7を模式的に示す背面図である。図6はジャム処理構造8を模式的に示す側面図である。図7はジャム処理構造8を模式的に示す平面図である。図8はジャム処理構造8であって、定着装置7をジャム処理位置P21に配置した状態を模式的に示す平面図である。図9は定着装置7(加圧状態)を模式的に示す側面図である。図10は定着装置7(減圧状態)を模式的に示す側面図である。
図2および図4に示すように、ジャム処理構造8は、カバー40と、定着ジャム処理部50と、を含んでいる。カバー40は、装置本体2の後面に開閉可能に設けられている。定着ジャム処理部50は、定着装置7に設けられている。なお、定着ジャム処理部50は、定着装置7の構成要素でもある。
図2に示すように、カバー40は、外装板41と、搬送ユニット42と、を含んでいる。外装板41は、装置本体2の後面を形成している(図1も参照)。搬送ユニット42は、外装板41の内面側に保持されている。
図2、図6および図7に示すように、外装板41は、例えば、合成樹脂材料によって略矩形板状に形成されている。外装板41は、左端部に設けられた上下一対のヒンジ43を介して装置本体2に取り付けられている。すなわち、カバー40は、左端部で上下方向に延びた軸周り(各ヒンジ43のヒンジ回動軸43Aを中心)に回動可能に装置本体2に支持されている。詳細には、カバー40は、装置本体2の後面を形成するように設定された閉塞位置P10(図1および図2参照)と、装置本体2の後面を開放するように設定された開放位置P11(図6および図7参照)と、の間で回動可能に設けられている。カバー40は、通常の画像形成動作を行う場合に閉塞位置P10に配置され、ジャム処理を行う場合に開放位置P11に配置される。なお、開放位置P11にあるカバー40は、平面から見て、装置本体2の左側面の延長線上に配置されている(図7参照)。つまり、カバー40は、略90度回動するようになっている。
図2に示すように、外装板41の内面(前面)には、搬送ローラー対23の一方のローラーが回転可能に支持されている。外装板41の外面(後面)には、装置本体2との係合(ロック)を解除するための解除レバー44が設けられている(図1参照)。ユーザーが解除レバー44を引くことで、外装板41(カバー40)が開くようになっている。
図2および図6に示すように、搬送ユニット42は、例えば、主に合成樹脂材料によって略直方体状に形成されている。搬送ユニット42の外面(後面)には、搬送ローラー対23の他方のローラーが回転可能に支持されている。搬送ユニット42の内面(前面)には、レジストローラー対22の一方のローラーおよび二次転写ローラー19が回転可能に支持されている。なお、レジストローラー対22の他方のローラーは、装置本体2に回転可能に支持されている。また、図示は省略するが、搬送ユニット42は、左端部を支点にして回動可能に外装板41に支持されている。
図2に示すように、搬送ユニット42を閉じた状態で、搬送ユニット42の外面(後面)は外装板41の内面(前面)に対向している。すなわち、装置本体2の後面を閉じた状態(カバー40を閉塞位置P10に回動させた状態)で、外装板41の内面と搬送ユニット42の外面とが反転搬送路21を形成している。また、この状態で、搬送ユニット42の内面は、搬送路20の一部を形成している。
図4および図5に示すように、定着ジャム処理部50は、定着支持軸51と、圧力変更部52と、を含んでいる。定着支持軸51は、定着ケース30を回動可能に支持している。圧力変更部52は、定着ローラー31と加圧ローラー32との接触面(定着ニップN2)に働く圧力(ニップ圧)を変更する。
定着支持軸51は、例えば、金属材料で上下方向に長い略円柱状に形成されている。定着支持軸51の上下方向中間部には、第1ギアG1が定着支持軸51と同一軸心上に固定されている。第1ギアG1は、所謂かさ歯車である。
定着支持軸51は、定着ケース30を上下方向に貫通し、定着ケース30を回動可能に支持している。定着支持軸51は、平面から見て定着ケース30の左端部の前側に配置されている(図4参照)。定着支持軸51の上下両端部は、装置本体2の左端部に固定されている(図5参照)。したがって、定着装置7は、装置本体2を開放した状態(カバー40を開放位置P11に回動させた状態)で、装置本体2の外部に配置されるように回動可能に装置本体2に支持されている。詳細には、定着装置7は、左端部で上下方向に延びた軸周りに回動可能に設けられている。更に詳細には、定着装置7は、装置本体2の内部に設定された定着処理位置P20(図7参照)と、装置本体2の外部に設定されたジャム処理位置P21(図8参照)と、の間で回動可能に設けられている。定着装置7は、通常の画像形成動作(定着動作)を行う場合に定着処理位置P20に配置され、ジャム処理を行う場合にジャム処理位置P21に配置される。
なお、装置本体2および定着ケース30には、定着装置7を定着処理位置P20に保持するロック機構(図示せず)が設けられている。ロック機構のロックを解除することで、定着装置7を定着処理位置P20からジャム処理位置P21に回動させることができる。また、図8に示すように、ジャム処理位置P21にある定着装置7は、平面から見て開放位置P11にあるカバー40の内面に沿うように配置されている。つまり、定着装置7は、略90度回動するようになっている。
図4、図5および図9に示すように、圧力変更部52は、一対の可動板金53と、カム機構54と、を含んでいる。既に説明したように、一対の可動板金53は、加圧ローラー32(加圧芯金32A)を回転可能に支持している。カム機構54は、定着ローラー31に対して加圧ローラー32を押し付けるための装置である。
一対の可動板金53は、それぞれ、保持アーム60と、押圧アーム61と、押圧バネ62と、を含んでいる。なお、一対の可動板金53は同一形状であるため、以下1つの可動板金53について説明する。
保持アーム60は、後方(定着ニップN2の反対側)から加圧芯金32Aの端部に嵌合し、加圧ローラー32を回転可能に支持している。保持アーム60の下部には、アーム回動軸60Aが設けられている(図9参照)。保持アーム60は、アーム回動軸60Aを中心にして回動可能に設けられている。押圧アーム61は、保持アーム60の後側に配置されている。押圧アーム61は、保持アーム60のアーム回動軸60Aに回動可能に支持されている。押圧バネ62は、所謂コイルスプリングであって、保持アーム60と押圧アーム61との間に架け渡されている(図9参照)。押圧バネ62は、各アーム60,61の上部に配置されている。押圧バネ62は、保持アーム60に対して押圧アーム61を引き離す方向に付勢している(図9の二点鎖線の矢印参照)。
カム機構54は、カム回動軸63と、一対の偏心カム64と、一対のカムフォロア部65と、を含んでいる。
カム回動軸63は、例えば、金属材料で左右方向に長い略円柱状に形成されている。カム回動軸63は、加圧ローラー32の後方で、且つ加圧ローラー32と略平行に配置されている。カム回動軸63は、定着ケース30に回転可能に支持されている。カム回動軸63の左端部には、定着支持軸51の第1ギアG1に噛み合う第2ギアG2が固定されている。第2ギアG2は、所謂かさ歯車であって、カム回動軸63と同軸回転する。
一対の偏心カム64は、一対の可動板金53(押圧アーム61)に対応するようにカム回動軸63に固定されている。各偏心カム64は、例えば、金属製で略円板状に形成されている。各偏心カム64は、回転中心(カム回動軸63)から周面までの距離(偏心半径)を不定とした所謂円板カムである。一対のカムフォロア部65は、それぞれ、例えば、金属製で略円板状に形成されている(図9参照)。一対のカムフォロア部65は、一対の押圧アーム61に形成されている。各カムフォロア部65は、押圧アーム61を介して押圧バネ62の付勢力を受けて偏心カム64の周面(カム面)に押し付けられている。各偏心カム64は、そのカム面をカムフォロア部65に接触させつつ回転することでニップ圧を変更する。なお、一対の偏心カム64は同一形状であるため、以下1つの偏心カム64について説明する。
図9および図10に示すように、偏心カム64の周面には、加圧カム面F1と減圧カム面F2とが連続するように形成されている。加圧カム面F1は、回転中心を挟んで減圧カム面F2の反対側に形成されている。加圧カム面F1の偏心半径は、減圧カム面F2の偏心半径よりも大きく形成されている。
図9に示すように、加圧カム面F1をカムフォロア部65に接触させた状態では、加圧ローラー32は、可動板金53を介して定着ローラー31に食い込むように強く押し付けられている。この状態におけるニップ圧は、通常の画像形成動作(定着処理)を行うことを可能にする第1の圧力になる。
一方、図10に示すように、減圧カム面F2をカムフォロア部65に接触させた状態では、加圧ローラー32は、定着ローラー31に対する押し付けを略解除され、定着ローラー31に軽く接触(または定着ローラー31から離間)している。この状態におけるニップ圧は、第1の圧力よりも減圧された第2の圧力になる。ニップ圧を第2の圧力にした状態で、ジャム処理が行われる。
以上のように、圧力変更部52は、各偏心カム64を回転させることで、第1の圧力と、第2の圧力と、の間でニップ圧を変更可能に構成されている。つまり、偏心カム64の回転角度を制御することで、ニップ圧を切り替えることができる。
次に、ジャム処理(ジャム処理構造8の作用)について説明する。なお、ジャム処理を行う前には、カバー40は閉塞位置P10に配置され、定着装置7は定着処理位置P20に配置されていることとする(図2参照)。また、定着装置7を定着処理位置P20に配置した状態で、各偏心カム64の加圧カム面F1はカムフォロア部65に接触し、ニップ圧は第1の圧力に設定されている(図9参照)。
既に説明したように、搬送路20または反転搬送路21でシートSの搬送不良(ジャム)が発生すると、制御装置は、液晶画面等にメッセージを表示する。ユーザーは、液晶画面等のメッセージに従ってジャム処理を行う。
まず、ユーザーは、外装板41の解除レバー44(図1参照)を引いてロックを解除し、カバー40を閉塞位置P10から開放位置P11に回動させる(図6および図7参照)。これにより、搬送路20が開放されるため、搬送路20(レジストローラー対22や転写ニップN1等)に詰まったシートSを除去することができる。
また、ユーザーがカバー40を開放位置P11に回動させた後に搬送ユニット42を開く(外装板41から離れるように回動させる)と、反転搬送路21が開放される。これにより、反転搬送路21(搬送ローラー対23等)に詰まったシートSを除去することができる。
続いて、定着装置7の定着ニップN2にシートSが詰まった場合について説明する。まず、ユーザーは、ロック機構のロックを解除し、定着装置7を定着処理位置P20からジャム処理位置P21に回動させる(図8参照)。すると、第2ギアG2が第1ギアG1に噛み合いながら定着支持軸51を中心に回動する(図4および図5参照)。
定着装置7が定着処理位置P20からジャム処理位置P21まで(略90度)回転すると、第2ギアG2(カム回動軸63)は略180度回転する。したがって、各偏心カム64も略180度回転するため、カムフォロア部65は相対的に加圧カム面F1から減圧カム面F2に移動する(図10参照)。すなわち、各偏心カム64の減圧カム面F2がカムフォロア部65に接触し、ニップ圧が第2の圧力に設定された状態になる(図10参照)。これにより、定着ニップN2に詰まったシートSを除去する(引き抜く)ことができる。
なお、シートSの除去(ジャム処理)が完了した後、上記とは反対の手順を実行することで、定着装置7を定着処理位置P20に戻し、カバー40を閉塞位置P10に戻す。
以上説明した本実施形態に係るカラープリンター1では、定着装置7が水平方向片側(左端部)を中心に回動して装置本体2の外部に露出する構成とした。この構成によれば、定着装置7の大部分を装置本体2の外部に配置した状態で定着ニップN2に詰まったシートSを除去することができる。これにより、装置本体2の外部において、容易に且つ効率良くジャム処理を行うことができる。
また、本実施形態に係るカラープリンター1では、圧力変更部52は、定着装置7を定着処理位置P20に配置した状態で定着ニップN2の圧力を第1の圧力に設定し、定着装置7をジャム処理位置P21に配置した状態で定着ニップN2の圧力を第2の圧力に設定する。つまり、圧力変更部52が定着装置7の開放に連動して定着ニップN2に働く圧力を低下させる構成とした。この構成によれば、定着ニップN2に詰まったシートSを破くことなく小さな力で引き抜くことができる。これにより、更に容易にジャム処理を行うことができる。
また、本実施形態に係るカラープリンター1では、カバー40は、装置本体2の後面を閉じた状態で、シートSを通過させる搬送路20(反転搬送路21)の一部を形成している。つまり、カバー40が装置本体2の外装と搬送路20等とを兼ねる構成とした。これにより、搬送路20等を形成する専用部品を省略することができ、カラープリンター1の製造コストを低減することができる。
また、本実施形態に係るカラープリンター1によれば、カバー40が水平方向片側(左端部)を中心に回動する構成とした。この構成によれば、ジャム処理位置P21に回動した定着装置7の上下両側に大きな空間を確保することができるため、定着ニップN2の上流側および下流側を容易に確認(目視)することができる。これにより、ジャム処理を円滑に行うことができる。
なお、本実施形態に係るカラープリンター1では、カバー40および定着装置7が左端部を中心に回動する構成であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、カバー40および定着装置7は、右端部を中心に回動してもよい。また、例えば、カバー40は、下端部を支点として回動可能に装置本体に支持されていてもよい。また、カバー40および定着装置7の回転角度が略90度に設定されていたが、これに限らず、当該回転角度が略90度以上(または90度以下)に設定されていてもよい。
また、本実施形態に係るカラープリンター1では、搬送路20等や定着装置7が装置本体2の後方に設けられていたため、カバー40が装置本体2の後面を形成していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、搬送路20等や定着装置7が装置本体2の側方に設けられている場合には、カバー40が装置本体2の側面(または側面の一部)を構成し、カバー40や定着装置7が側方に向けて回動してもよい。
また、本実施形態に係るカラープリンター1では、定着装置7の圧力変更部52がギアG1,G2や偏心カム64を用いてニップ圧を変更していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図11および図12に示すように、他の圧力変更部70は、装置本体2と一対の保持アーム60の間に架け渡された架設部材71とに接続されたワイヤー72を含んでいる。ワイヤー72は、複数のピン73によって向きを変えられて架設部材71に接続されている。この場合、各押圧アーム61は省略されている。各保持アーム60は、押圧バネ62に代えて設けられた引張りバネ74に付勢されることで加圧ローラー32を定着ローラー31に押し付けている。この圧力変更部70では、定着装置7が定着処理位置P20からジャム処理位置P21に回動する過程において、ワイヤー72が引っ張られる。そして、各保持アーム60がワイヤー72を介して後方に引っ張られ、加圧ローラー32は定着ローラー31に対する押し付けを略解除された状態になる(図12の二点鎖線参照)。これにより、ニップ圧を第1の圧力から第2の圧力に変更することができる。なお、ピン73の数は任意であり、ピン73は1つ以上設けられていればよい。
なお、本実施形態(変形例を含む。以下同じ。)に係るカラープリンター1では、圧力変更部52,70が加圧ローラー32を移動させてニップ圧を変更していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、圧力変更部52,70が定着ローラー31を移動させてニップ圧を変更してもよい。
また、本実施形態に係るカラープリンター1のジャム処理構造8から圧力変更部52,70を省略してもよい。この構成であっても、定着装置7をジャム処理位置P21に配置することで、ユーザーは、定着ニップN2に詰まったシートSをしっかりと把持して引き出す(除去)ことができる。これにより、ジャム処理の容易化を担保することができる。
また、本実施形態に係るカラープリンター1の定着装置7では、定着部材の一例として定着ローラー31を備えていたが、これに限らず、複数のローラーに架け渡されたベルトを定着部材として備えていてもよい。また、これと同様に、加圧ローラー32に代えて、複数のローラーに架け渡されたベルトを加圧部材として備えていてもよい。
また、本実施形態の説明では、一例として、本発明をカラープリンター1に適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、モノクロプリンター、複写機、ファクシミリまたは複合機等に本発明を適用してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。
1 カラープリンター(画像形成装置)
2 装置本体
7 定着装置
20 搬送路
21 反転搬送路
31 定着ローラー(定着部材)
32 加圧ローラー(加圧部材)
40 カバー
52,70 圧力変更部
N2 定着ニップ(ニップ)
P20 定着処理位置
P21 ジャム処理位置
S シート(媒体)

Claims (5)

  1. 内部を開放可能に形成されている装置本体と、
    前記装置本体の内部に設けられ、媒体上のトナー像を加熱しながら加圧して前記媒体に定着させる定着装置と、を備え、
    前記定着装置は、前記装置本体を開放した状態で、前記装置本体の外部に配置されるように回動可能に前記装置本体に支持されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記定着装置は、水平方向一端部で鉛直方向に延びた軸周りに回動可能に前記装置本体に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記定着装置は、
    回転しながら前記媒体上の前記トナー像を加熱する定着部材と、
    回転しながら前記定着部材に接触してニップを形成し、前記ニップを通過する前記媒体を加圧する加圧部材と、
    前記ニップの圧力を変更する圧力変更部と、を含み、
    前記定着装置は、前記装置本体の内部に設定された定着処理位置と、前記装置本体の外部に設定されたジャム処理位置と、の間で回動可能に設けられ、
    前記圧力変更部は、前記定着装置を前記定着処理位置に配置した状態で前記ニップの圧力を第1の圧力に設定し、前記定着装置を前記ジャム処理位置に配置した状態で前記ニップの圧力を前記第1の圧力よりも減圧された第2の圧力に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記装置本体の側面の一部を開閉可能に設けられているカバーを更に備え、
    前記カバーは、前記装置本体の側面を閉じた状態で、前記媒体を通過させる搬送路の一部を形成していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記搬送路は、鉛直方向に沿って形成され、
    前記カバーは、水平方向一端部で鉛直方向に延びた軸周りに回動可能に前記装置本体に支持されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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