JP2018120035A - 電子写真用転写シートおよびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己接着または他の部材と熱接着可能で、且つ電子写真記録装置で画像形成できる電子写真用転写シートおよび可変情報が直接記録でき、また小ロット製造にも対応できる包装体を提供する。【解決手段】紙基材と、前記紙基材の少なくとも一方の面の最表面に設けられ、有機材料を50質量%以上含有する熱接着層とを備え、前記熱接着層は、前記有機材料の少なくとも一部としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスおよびロジンエマルションを含有し、前記熱接着層が設けられた熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度が50秒以上であり、且つJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度が5000秒以下である電子写真用転写シート。【選択図】なし

Description

本発明は自己接着または他の部材と熱接着可能で、且つ電子写真記録装置で画像形成できる電子写真用転写シートに関する。
ヒートシール方式を利用した包装体は、一般の工業製品の包装の他、食品、医薬、医療器具、乾燥剤や鮮度保持剤等の各種薬剤の包装など広く利用されている。
なかでも医療器具を保存する包装体は、医療器具の使用前に包装体ごと高圧蒸気による滅菌処理が行われる。医療器具が十分に滅菌されるためには、包装体が適度な通気性および透湿性を有することが必要であり、包装体にマーキングを施す場合は、マーキングに用いる色素には耐水性が求められる。
また、さまざまな家庭用品に用いられる乾燥剤、鮮度保持剤、芳香剤、防虫剤等の薬剤包装は、滅菌処理は行われないが、医療器具用包装体と同様、通気性や透湿性が求められる。
その他、ヒートシール方式を利用した包装体は、親展はがきや物流袋にも利用でき、可変情報を直接包装体に記録することで、貼付伝票やラベルが不要となり、省資源や省力化に寄与するものである。
ヒートシールシートは、シート状基材の表面にヒートシール層が設けられており、熱圧着によってヒートシール層が被着体に接着するものである。
特許文献1においては、電子写真用転写シートの非記録面にエチレン-酢酸ビニル共重合体からなるヒートシール層を設けて、電子写真方式で写真画像を記録した後にはがき用紙に熱圧着させて写真調はがきを得る電子写真用転写シートが提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の電子写真用転写シートは、電子写真方式で記録する際、定着プロセスでヒートシール層が接着性を発現し走行性に支障を来たし、不具合率が高いものであった。また、熱接着面への記録については行なわれておらず、熱接着性を有する電子写真用転写シートとしては、不十分なものであった。
特開平10−31323号公報
上記事情に鑑みて、本発明は自己接着または他の部材と熱接着可能で、且つ電子写真記録装置で画像形成できる電子写真用転写シートおよび可変情報が直接記録でき、また小ロット生産の物品の情報表示添付にも対応できる電子写真用転写シートに関する。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]紙基材と、前記紙基材の少なくとも一方の面の最表面に設けられ、有機材料を50質量%以上含有する熱接着層とを備え、前記熱接着層は、前記有機材料の少なくとも一部としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスおよびロジンエマルションを含有し、前記熱接着層が設けられた熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度が50秒以上であり、且つJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度が5000秒以下であることを特徴とする電子写真用転写シート。
[2]CD方向のJIS P 8143:2009に準拠して測定されるクラークこわさの臨界長が12cm以上である[1]に記載の電子写真用転写シート。
[3]前記スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス及び前記ロジンエマルションの合計質量が、前記熱接着層全固形分の30質量%以上である[1]または[2]に記載の電子写真用転写シート。
[4]前記熱接着層中に含有される前記ロジンエマルションの含有比率が、前記スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス100質量%に対して5〜2000質量%である[1]〜[3]のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
[5]前記ロジンエマルションが強化ロジンエマルションである[1]〜[4]のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
[6]前記紙基材が、片艶紙である[1]〜[5]のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
[7]前記紙基材を構成するパルプのJIS P 8121−2:2012に規定されるフリーネスが、250〜700mLである[1]〜[6]のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
[8]前記紙基材の少なくとも一方の面に顔料とバインダーとを主成分とする塗被層が設けられている[1]〜[7]のいずれかに記載の電子写真用転写シート。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面の少なくとも一部同士が接着されてなる物品。
[10][1]〜[8]のいずれかに記載の請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面の少なくとも一部と他の材料とが接着されてなる物品。
[11][1]〜[8]のいずれかに記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面とは反対側の面の少なくとも一部に電子写真方式による画像記録を行い、前記熱接着面の少なくとも一部同士を熱接着する電子写真用転写シートの使用方法。
[12][1]〜[8]のいずれかに記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面とは反対側の面の少なくとも一部に電子写真方式による画像記録を行い、前記熱接着面の少なくとも一部と、他の材料の少なくとも一部とを熱接着する電子写真用転写シートの使用方法。
[13][1]〜[8]のいずれかに記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面の少なくとも一部に電子写真方式による画像記録を行い、前記熱接着面の少なくとも一部同士を熱接着する電子写真用転写シートの使用方法。
[14][1]〜[8]のいずれかに記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面の少なくとも一部に電子写真方式による画像記録を行い、前記熱接着面と他の包装材料とをする電子写真用転写シートの使用方法。
本発明は、自己接着または他の部材と熱接着可能で、且つ電子写真記録装置で画像形成できる電子写真用転写シートおよび可変情報が直接記録でき、また小ロット生産の物品にも対応できる情報表示材料を提供するものである。
[電子写真用転写シート]
本発明の電子写真用転写シートのJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度は、5000秒以下であり、3000秒以下であることがより好まく、2500秒以下であることが更に好ましい。
電子写真用転写シートの透気度を5000秒以下とすることで、電子写真方式での記録の際、特にベタ図柄部分のトナーブリスターの発生を抑えることができる。
また、前記熱接着層が設けられた熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度が50秒以上である。
熱接着面の王研式平滑度を50秒以上とすることで、比較的少量の熱接着層でも良好な自己熱接着性や他の素材と良好な熱接着性が得られる。
熱接着面の王研式平滑度を50秒以上とする手段については、特に限定するものではないが、例えば鏡面仕上げしたヤンキードライヤーを備えた抄紙機において、湿紙をヤンキードライヤーに圧接して乾燥することからなる片艶紙の艶面上に熱接着層を設ける方法、通常の抄紙機を使用して抄造された湿紙を抄造し、半乾燥状態でオンマシンブレーカースタックによる平滑化、および/または乾燥状態でオンマシンまたはオフマシンカレンダー処理をして、紙基材表面を平滑化して熱接着層を設ける方法、通常の紙基材上に熱接着層を設けたのちスーパーカレンダー処理を行う方法、紙基材上の顔料とバインダーとを主成分とする塗被層を設けてスーパーカレンダー等による平滑化処理を施す方法が挙げられる。
なかでもヤンキードライヤーに圧接して乾燥することからなる片艶紙を基材に使用する方法は他の方法と比べて、平滑化に際して紙基材にかかる圧力が少ないため、より高い通気性と透湿性を有するヒートシールシートが得られ易いため好ましい。
熱接着面の王研式平滑度は100秒以上がより好ましく、200秒以上がさらに好ましい。
さらに本発明の電子写真用転写シートのCD方向のJIS P 8143:2009に準拠して測定されるクラークこわさの臨界長が12cm以上であることが好ましく、15cm以上がより好ましい。
CD方向のクラークこわさの臨界長を12cm以上とすることによって、枚様葉の電子写真用転写シートを用いた電子写真方式での記録の際に、転写ロールへの巻きつきによる停止防止や定着過程での電子写真用転写シートへのしわ入りの防止ができる。
CD方向のクラークこわさを向上させる方法としては、坪量の調整、パルプ繊維の繊維配向比が小さくなるような抄紙条件で製造する方法、紙基材上に高アスペクト比の顔料を塗工する方法等から適宜選択される。
[紙基材]
本発明の紙基材を構成するパルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ等が挙げられる。木材パルプとしては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等が挙げられる。電子写真用転写シートの透気度を低くできる点においては、紙基材を構成するパルプ全体の50質量%以上を広葉樹パルプとすることが好ましく、80質量%以上が広葉樹パルプであることがより好ましい。
逆に、包装体の強度を得たい場合は、紙基材を構成するパルプ全体の50質量%以上を針葉樹パルプとすることが好ましく、80質量%以上が針葉樹パルプであることがより好ましい。
非木材パルプとしては、綿パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、竹パルプ等が挙げられる。レーヨン繊維やナイロン繊維、その他熱接着繊維など、パルプ繊維以外の材料も副資材として配合することが可能である。
紙基材は、パルプスラリーを主成分とする抄紙原料を抄紙することにより得られる。
パルプスラリーは、木材または非木材の原料チップから、蒸解、洗浄、漂白等の工程を経て得られる。蒸解方法、洗浄方法、漂白方法等に特に限定はない。これらの工程を経て得られたパルプスラリーは、さらに、水の存在下で叩解される。
叩解方法、および叩解装置は特に限定されるものではないが、叩解効率が高いダブルディスクリファイナー(DDR)が好適に使用される。
叩解度は、JIS P 8121−2:2012に規定されるフリーネス(以下、「標準フリーネス」ともいう。)が、250〜700mLとなるように調整されることが好ましい。つまり、紙基材は、標準フリーネスが250〜700mLであるパルプを使用して製造されたものが好ましい。
標準フリーネスは、300〜600mLであることがより好ましく、350〜500mLであることがさらに好ましい。
標準フリーネスが好ましい下限値以上であることにより、紙基材の王研式透気度を低くしやすい。すなわち、紙基材の透気性および透湿性を確保しやすい。また、標準フリーネスが好ましい上限値以下であることにより、地合いムラが少ない緻密な電子写真用転写シート用紙基材が得られる。その結果、医療用滅菌紙用途に使用された場合に遮菌性を低下させるピンホールの発生を抑えることができる。
紙基材は湿潤紙力増強剤を含有することが好ましい。例えば、乾燥剤等の包装体に使用される場合、長期間水蒸気に曝される場合が考えられる。紙基材が湿潤紙力増強剤を含有することによって、使用中に包装体が破損して内容物が漏れ出すことを防ぐことができる。
湿潤紙力増強剤としては、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、植物性ガム、ラテックス、ポリエチレンイミン等を例示することができる。特に、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂が、幅広いpH領域で使用可能であり、低添加量で高い湿潤紙力が得られることから好ましく用いることができる。
湿潤紙力増強剤に併せて、グリオキサール、ガム、マンノガラクタンポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、尿素樹脂等の乾燥紙力増強剤を使用してもよい。
湿潤紙力増強剤および乾燥紙力増強剤は、紙基材製造の抄紙工程において内添剤又は外添剤として添加することが好ましく、内添剤として添加することがより好ましい。
紙基材を構成するパルプの乾燥固形分に対する湿潤紙力増強剤の割合は、0.1〜3.0質量%であることが好ましく、0.2〜2.0質量%であることがより好ましく、0.3〜1.0質量%であることがさらに好ましい。
湿潤紙力増強剤の割合を好ましい下限値以上とすることで、高湿環境下での使用する際、充分な耐久性を得ることができる。また、湿潤紙力増強剤の割合を好ましい上限値以下とすることで、抄紙機において湿潤紙力増強剤による凝集物が発生し、紙基材に汚れが生じる危険が少なくなる。
紙基材には、歩留向上剤、濾水向上剤、サイズ剤、芒硝をはじめとする各種帯電防止剤、填料等の抄紙用薬品が必要に応じて添加されていてもよい。
紙基材を構成するパルプの乾燥固形分に対する湿潤紙力増強剤も含めたパルプ以外の成分の割合は、0.5〜10質量%であることが好ましく、1.0〜5.0質量%であることがより好ましく、1.5〜3.0質量%であることがさらに好ましい。
紙基材の坪量は、特に限定するものではないが、枚葉プリンタで使用する場合は50〜200g/m2であることが好ましく、55〜150g/m2であることがより好ましい。
紙基材の坪量を好ましい下限値以上とすることにより、CD方向のクラークこわさの臨界長が12cm以上となる電子写真用転写シートが得られ易いほか、包装材料としての強度が得られ易い。また、紙基材の坪量を好ましい上限値以下とすることで、電子写真方式で記録する際、画像が十分定着でき、また紙基材の透気度上昇を抑えることができる。
紙基材の密度は、0.40〜0.95g/cm3であることが好ましく、0.50〜0.80g/cm3であることがより好ましく、0.60〜0.75g/cm3であることがさらに好ましい。紙基材の密度を好ましい下限値以上とすることにより、ピンホールが生じにくい。また、紙基材の坪量を好ましい上限値以下とすることで、紙基材の透気度上昇を抑えることができる。
紙基材の表面には、必要に応じて顔料とバインダーを主成分とする塗被層を設けることもできる。
塗被層中に使用される顔料としては、公知の無機顔料及び前記熱可塑性有機微粒子以外の有機顔料を挙げることが出来る。無機顔料としては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等が挙げられる。有機顔料としては、例えばポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体系樹脂、スチレン−アクリル共重合体系樹脂、スチレン−メタアクリル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂等が挙げられる。
有機顔料としては、密実型、中空型、貫通孔型、コア/シェル型のものを挙げることが出来る。これらの中から1種あるいは2種以上が適宜選択して用いられる。中でも、中空有機顔料は、圧力による変形が容易で、スーパーカレンダー等の平滑化工程で光沢を付与する際に、より低い処理圧で所望の光沢が得られ、かつ塗被層の細孔の減少が抑制され、良好な透気性を示すため、好ましく用いられる。なお中空有機顔料の塗工液への配合量としては、塗被層100質量部(固形分)に対して、20質量部以下が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。20質量部を超えると、スーパーカレンダー等の平滑化工程においてカレンダ焼けやブラッキングと呼ばれる不透明度低下現象の起こることがある。
塗被層中に使用されるバインダーとしては、水溶性或いは水分散性の高分子化合物を挙げることができ、例えばカチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリイソプレン、ポリネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等の合成高分子化合物等を挙げることができる。接着剤は、必要に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択される。
本発明に用いられる塗被層用塗料には、必要に応じてさらに、各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、保水剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、防腐剤、香料等が適宜配合される。保水剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、またはアルカリ膨潤型アクリル系増粘剤、高重合度ポリアクリル酸ソーダ等の合成系保水剤の使用が好ましい。
本発明で用いられる塗被層の塗布量は、特に限定されるものではないが、シート状紙基材の片面に対し乾燥質量で2〜25g/m2、好ましくは5〜20g/m2である。塗工量が2g/m2以上とすることにより、紙基材上に塗被層を均一に形成することができ易く、一方25g/m2以下とすることによって、透気性が過剰に高くなることを抑えることができる。
本発明の塗被層用塗料の塗工方法としては、一般に公知の塗工装置、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、スライドビードコーター、ダイコーター、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、シムサイザー等が用いられる。
[熱接着層]
本発明の熱接着層は紙基材の少なくとも一方の面の最表面に設けられ、有機材料を50質量%以上、好ましくは75質量%以上、更に好ましくは95質量%以上含有する。熱接着層が無機材料を多く含み、熱接着層中の有機材料の含有率が50質量%未満である場合、十分な熱接着性が得られない。
本発明の熱接着層は前記有機材料の少なくとも一部として、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスとロジンエマルションとを含有することを特徴とするものである。
熱接着層は、前記紙基材と組み合わせて熱接着層面の平滑度を50秒以上とすることで、比較的少量の熱接着層塗布量でも良好なヒートシール性を与えるとともに、電子写真用転写シートに適度な通気性、透湿性を与え、且つ電子写真方式で記録する際に、特に定着プロセスでのトラブルを解消できる。
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスについては特に限定するものではなく、粒子構造については単一構造、コア−シェル構造、連続異組成構造等が挙げられる。ガラス転移温度については、異組成部分を含めて、−50〜30℃のものが熱接着性に優れるため好ましい。より好ましくは−10℃〜30℃のものである。平均粒子径については、50〜300nmのものが熱接着性に優れるため好ましい。より好ましいのは70〜150nmである。
また、ロジンエマルションについても特に限定するものではないが、強化ロジンエマルションが、スチレン−ブタジエン共重合体の熱接着性を発現する効果が優れているため好ましい。
強化ロジンエマルジョンションは、酸変性ロジンエマルションであり、天然ロジンにカルボキシル基を導入することによって製造することができる。
本発明の熱接着層では、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス100質量%に対してロジンエマルジョンを5〜2000質量%の範囲で含有することが好ましい。
熱接着層の塗工量は特に限定するものではないが、固形分で0.1g/m2〜10g/m2の範囲で調整されるのが好ましい。熱接着層の塗工量を0.1g/m2以上とすることにより、安定した熱接着性が得られる。また、10g/m2以下とすることにより、高い通気性や透湿性が得られ、電子写真方式での記録の際、定着プロセスでのトラブルが発生し難くなる。より好ましくは0.5g/m2〜5g/m2である。
[その他の成分]
熱接着層は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体エマルジョンション、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンション、アクリル酸エステル重合体エマルジョンション、ポリエチレンおよびポリブテンエマルジョンション、酸変性ポリオレフィン樹脂エマルジョンション、塩素化ポリオレフィン樹脂エマルジョンション、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンション、酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂エマルジョンション、およびアクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂エマルジョンション、ウレタン樹脂エマルジョンション、尿素樹脂エマルジョンション等の水性高分子化合物等のデンプン、変性デンプン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩等の水溶性高分子化合物、離型剤、消泡剤、分散剤、濡れ剤、有色染料、有色顔料、白色顔料等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
[下塗り層]
本発明の電子写真用転写シートは、再剥離用途への対応を目的として、紙基材の少なくとも前記熱接着層側の面に、ポリアクリルアミド樹脂を含む下塗り層を設けることが可能である。下塗り層を設けることで、剥離時の基材破壊を防止し、且つ剥離時の接着強度の振幅が小さく抑えられる。下塗り層の塗工量は、0.05〜15g/m程度の範囲で調整される。
[塗布乾燥]
熱接着層用塗液および下塗り層用塗液の塗布方法としては、コーターによる塗布又は印刷機による塗布が挙げられる。
コーターとしては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、スライドビードコーター、ダイコーター、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、シムサイザー等が挙げられる。
[電子写真用転写シートの透湿性]
本発明の電子写真用転写シートを乾燥剤や脱酸素剤等の包装体として使用する場合は、通気性に加えて適度な透湿性が求められる。JIS Z 0208:1976に準拠して測定される40℃、90%RHにおける前記ヒートシールシートの透湿度は、500〜7500g/m2・24h、より好ましくは800〜4800g/m2・24h以上であることが好ましい。
透湿度が上記範囲を下回ると乾燥剤や脱酸素剤の性能が十分に発揮できない場合がある。また、透湿度が上記範囲を上回ると乾燥剤粉体の外側で水の吸着が急激に起こり、包装体表面がベタつく場合や発熱する場合がある。
[電子写真用転写シートを使用した包装体]
本発明の電子写真用転写シートは、非熱接着面、熱接着面あるいは両面に電子写真方式での画像記録が可能であるため、たとえば電子写真用転写シートの非熱接着面に画像を記録した後にふたつ折にしてヒートシーラーにて三方シールすることにより、包装体の外側に画像を有する包装体が得られる。
前記包装体の形態としては、特に限定するものではなく、各種の包装体として使用することができる。例えば縦ピロー、横ピロー、三方シール、四方シール等が挙げられる。
また、本発明の電子写真用転写シートの熱接着層同士を熱接着していてもよく、本発明の電子写真用転写シートの熱接着層を他の包装材料の一部に熱接着していてもよい。
他の包装材料としては、紙、不織布、合成紙、パルプモールド、或いは、PET、PP、PE、PVC、PS、PMMAなどで構成されたシートまたは成形体等が挙げられる。
[熱接着部の接着力]
本発明の電子写真用転写シートは、熱接着時の温度によって、熱接着部の接着力を制御することができる。例えば、高温で熱接着した場合は、剥がそうとしたときに基材破壊が起きるほど強固に接着することができ、比較的低温で熱接着した場合は、基材破壊することなく、熱接着層界面でイージーピールさせることができる。
熱接着部の接着力を制御するための接着温度は、接着する相手側の基材の材質によって適宜調整されるため一概に定められるものではない。
例えば、本発明の電子写真用転写シートの熱接着層同士を熱接着する場合や本発明の電子写真用転写シートの熱接着層を天然パルプが主成分である基材と熱接着する場合は、概ね90℃以上120℃未満程度の温度で熱接着することにより、イージーピール性を持たせることができ、120℃以上で熱接着することにより、剥がそうとしたときに基材破壊が起きるほど強固な接着を行うことができる。
また、一枚の電子写真用転写シートにおいて、一部の接着にのみイージーピール性を持たせ、他の部分を強固な接着とするように、場所によって熱接着条件を変えて熱接着処理をすることも可能である。
[電子写真用転写シートを使用した隠蔽封筒]
本発明の電子写真用転写シートの熱接着面に地紋画像を記録することで隠蔽封筒ができる。例えば、非熱接着面に地紋画像、熱接着面に秘密情報を記録して、熱接着面を内側にして2つ折りにした後、三方シールすることで、隠蔽封筒または親展通信物包装体を得ることができる。
本発明の電子写真用転写シートは、両面に熱接着層を有する場合、3つ折以上でも熱接着が可能である。また、折り畳んだ内側に内包物を入れない場合は、端部のみの熱接着ではなく、全体を熱接着することもできる。この場合、少なくとも秘密情報を記録した部位はイージーピール性を持たせた熱接着により封緘される。
[その他の態様]
本発明の電子写真用転写シートは、非熱接着面の平滑度が50秒以上であれば、非熱接着面と熱接着面を熱接着させることも可能である。
本発明の電子写真用転写シートのその他の用途としては、製品情報を記録したラベルまたは製品包装が挙げられる。この場合、例えば、ロット番号、製造日などを表側(非熱接着面)に、取扱説明などを裏面(熱接着面)に印刷されてもよい。
OPPなどの透明基材と本発明の電子写真用転写シートの熱接着層の少なくとも一部を熱接着した態様においては、熱接着層面に電子写真画像を印刷することにより、透明基材を通して画像を見るため、高光沢な画像が得られる。更に透明基材の表面および/または裏面に画像を設けることにより、熱接着層面に電子写真画像と組合わせて意匠性を高めることもできる。
[電子写真用プリンタ]
本発明で使用される電子写真用プリンタについては、特に限定するものではなく、トナーについては乾式トナー方式、湿式トナー方式のどちらにも適用可能である。
給紙方式についても、特に限定するものではなく例えば枚葉、巻き取り、あらかじめミシン目を入れてスタックさせた連続帳票の形態等の給紙方式が挙げられる。
定着方法についても、熱圧ロール定着、熱圧ベルト定着、フラッシュ定着等が適用される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、%は特に断りのない限り質量%である。また、原料の「質量部」は、分散媒体を含む質量である。
[実施例1]
(紙基材の製造1)
広葉樹晒クラフトパルプ(JIS P 8121−2:2012に規定されるフリーネス:420mLcsf)100質量部にロジン系エマルションサイズ剤(商品名:AL−1200、日本PMC社製)を0.09質量部、硫酸バンド3.5質量部、澱粉グラフトアクリルアミド系紙力剤(商品名:DG4204、日本PMC社製)0.2質量部、離型剤(商品名:メイカテックスHP−68C、明成化学工業社製)0.03質量部、カチオン化澱粉(商品名:エースK−100、王子コーンスターチ社製)0.6質量部を添加して、ヤンキードライヤーを備えた公知の長網抄紙機を用いて抄紙し、坪量65g/m2及び水分含有率5%の片艶紙を製造した。得られた片艶紙の艶面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は320秒であった。また、得られた片艶紙の8117:2009に準拠して測定される透気度は46秒であった。
(熱接着層用塗料Aの調製)
コアシェル型スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:A6160、旭化成社製、コア部のTg:−19℃、シェル部のTg:26℃、ラテックス全体のTg:21℃、ゲル分率96%)の48%水分散液20.8質量部、強化ロジンエマルション(商品名:サイズパインN775、荒川化学工業社製)の50水分散液20質量部、水59.2質量部を混合撹拌して熱接着層用塗料Aを調製した。
(電子写真用転写シートの製造1)
前記紙基材の製造1で得られた片艶紙の艶面に、前記熱接着層用塗料Aの調製で得られた熱接着層用塗料Aを乾燥後の塗布量が2.0g/m2となるようにバーコーターを用いて塗布・乾燥後スーパーカレンダーによる平滑化処理を行って、電子写真用転写シートを得た。
得られた電子写真用転写シートの熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は420秒、非熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は64秒であった。また、得られた電子写真用転写シートのJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度は73秒であった。
[実施例2]
(紙基材の製造2)
広葉樹晒クラフトパルプ(JIS P 8121−2:2012に規定されるフリーネス:420mLcsf)100質量部にロジン系エマルションサイズ剤(商品名:AL−1200、日本PMC社製)を0.09質量部、硫酸バンド3.5質量部、澱粉グラフトアクリルアミド系紙力剤(商品名:DG4204、日本PMC社製)0.2質量部、離型剤(商品名:メイカテックスHP−68C、明成化学工業社製)0.03質量部、カチオン化澱粉(商品名:エースK−100、王子コーンスターチ社製)0.6質量部を添加して、公知の長網抄紙機を用いて抄紙し、坪量65g/m2及び水分含有率5%の上質紙を製造した。引き続き得られた上質紙に対してソフトニップカレンダー処理を行った。得られた上質紙のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度はF面380秒、W面320秒であった。また、得られた片艶紙の8117:2009に準拠して測定される透気度は64秒であった。
(電子写真用転写シートの製造2)
前記紙基材の製造2で得られた上質紙のF面に、熱接着層用塗料Aを乾燥後の塗布量が2.0g/m2となるようにバーコーターを用いて塗布・乾燥して電子写真用転写シートを得た。得られた電子写真用転写シートの熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は300秒、非熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は300秒であった。また、得られた電子写真用転写シートのJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度は750秒であった。
[実施例3]
実施例2の紙基材の製造2で得られた上質紙のW面にも熱接着層用塗料Aを乾燥後の塗布量が2.0g/m2となるようにバーコーターを用いて塗布・乾燥した以外は実施例2と同様にして両面に熱接着層を有する電子写真用転写シート得た。得られた電子写真用転写シートのF面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は260秒、W面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は250秒であった。また、得られた電子写真用転写シートのJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度は760秒であった。
[実施例4]
(紙基材の製造3)
広葉樹晒クラフトパルプ(JIS P 8121−2:2012に規定されるフリーネス:420mLcsf)100質量部にロジン系エマルションサイズ剤(商品名:AL−1200、日本PMC社製)を0.09質量部、硫酸バンド3.5質量部、澱粉グラフトアクリルアミド系紙力剤(商品名:DG4204、日本PMC社製)0.2質量部、離型剤(商品名:メイカテックスHP−68C、明成化学工業社製)0.03質量部、カチオン化澱粉(商品名:エースK−100、王子コーンスターチ社製)0.6質量部を添加して、公知の長網抄紙機を用いて抄紙し、坪量65g/m2及び水分含有率5%の上質紙を製造した。
得られた上質紙のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度はF面、W面ともに20秒であった。また、得られた上質紙の8117:2009に準拠して測定される透気度は10秒であった。
(電子写真用転写シートの製造3)
前記紙基材の製造3で得られた上質紙のF面に、熱接着層用塗料Aを乾燥後の塗布量が2.0g/m2となるようにバーコーターを用いて塗布・乾燥して熱接着層を形成した。引き続き熱接着層面をスーパーカレンダー処理して電子写真用転写シートを得た。
得られた電子写真用転写シートのF面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は300秒、W面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は300秒であった。また、得られたヒートシールシートのJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度は1000秒であった。
[実施例5]
(紙基材の製造4)
広葉樹晒クラフトパルプ(JIS P 8121−2:2012に規定されるフリーネス:450mLcsf)100質量部にロジン系エマルションサイズ剤(商品名:AL−1200、日本PMC社製)を0.09質量部、硫酸バンド3.5質量部、澱粉グラフトアクリルアミド系紙力剤(商品名:DG4204、日本PMC社製)0.2質量部、離型剤(商品名:メイカテックスHP−68C、明成化学工業社製)0.03質量部、カチオン化澱粉(商品名:エースK−100、王子コーンスターチ社製)0.6質量部を添加して、ヤンキードライヤーを備えた公知の長網抄紙機を用いて抄紙し、坪量80g/m2及び水分含有率5%の片艶紙を製造した。得られた片艶紙の艶面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は280秒であった。また、得られた片艶紙の8117:2009に準拠して測定される透気度は53秒であった。
(電子写真用転写シートの製造4)
前記紙基材の製造4で得られた片艶紙の艶面に、実施例1の熱接着層用塗料Aの調製で得られた熱接着層用塗料を乾燥後の塗布量が2.0g/m2となるようにバーコーターを用いて塗布・乾燥後、非熱接着面に下記塗被層用塗料Aを乾燥重量で10g/m2なるようにバーコーターを用いて塗布・乾燥後、スーパーカレンダーによる平滑化処理を行った。得られた電子写真用転写シートの非熱接着面のJIS P 8142:2005に準拠して測定される表面光沢が50%、熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は300秒、非熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は700秒であった。また、得られたヒートシールシートのJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度は1200秒であった。
[実施例6]
(紙基材の製造5)
広葉樹晒クラフトパルプ(JIS P 8121−2:2012に規定されるフリーネス:420mLcsf)100質量部にロジン系エマルジョンサイズ剤(商品名:AL−1200、日本PMC社製)を0.09質量部、硫酸バンド3.5質量部、澱粉グラフトアクリルアミド系紙力剤(商品名:DG4204、日本PMC社製)0.2質量部、離型剤(商品名:メイカテックスHP−68C、明成化学工業社製)0.03質量部、カチオン化澱粉(商品名:エースK−100、王子コーンスターチ社製)0.6質量部を添加して、公知の長網抄紙機を用いて抄紙し、坪量80g/m2及び水分含有率5%の上質紙を製造した。
得られた上質紙のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度はF面、W面ともに15秒であった。また、得られた上質紙の8117:2009に準拠して測定される透気度は10秒であった。
(電子写真用転写シートの製造5)
上記紙基材の製造5で得られた上質紙の両面に、実施例5の塗被層用塗料Aの調製で得られた塗被層用塗料を乾燥重量で10g/m2なるようにバーコーターを用いて塗布・乾燥後、スーパーカレンダーによる平滑化処理を行った後、F面に実施例1の熱接着層用塗料Aの調製で得られた熱接着層用塗料を乾燥後の塗布量が2.0g/m2となるようにバーコーターを用いて塗布・乾燥して電子写真用転写シートを得た。得られた電子写真用転写シートの熱接着面のJIS P 8142:2005に準拠して測定される表面光沢が45%、非熱接着面のJIS P 8142:2005に準拠して測定される表面光沢が50%、熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は650秒、非熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は700秒であった。また、得られたヒートシールシートのJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度は2300秒であった。
[比較例1]
(熱接着層用塗料Bの調製)
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションからなる熱接着剤(商品名:EA−H700、東洋モートン社製)の50%水分散液40質量部、水60質量部を混合撹拌して熱接着層用塗料Bを調製した。
(電子写真用転写シートの製造6)
実施例1の紙基材の製造1で得られた片艶紙の艶面に、前記熱接着層用塗料Bの調製で得られた熱接着層用塗料Bを乾燥後の塗布量が2.0g/m2となるようにバーコーターを用いて塗布・乾燥後スーパーカレンダーによる平滑化処理を行って、電子写真用転写シートを得た。
得られた電子写真用転写シートの熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は420秒、非熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度は64秒であった。また、得られた電子写真用転写シートのJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度は380秒であった。
[レーザープリンター記録適性の評価]
上記実施例1〜6、比較例1で得られた電子写真用転写シートの両面のレーザープリンター記録的性として、電子写真方式複合機(型式:ApeosPort4C3375、富士ゼロックス社製)を用いて、普通紙フルカラーモードで、A4縦カセットからの給紙にて、カラー原稿(電子写真学会テストチャートNo.5−1 1995)を連続100枚コピーを行い、不具合回数(ジャムによる機器停止回数、印刷物にしわがはいった回数の合計)を測定して、レーザープリンター記録適性を評価した。また、それぞれの電子写真用転写シートのCD方向のJIS P 8143:2009に準拠して測定されるクラークこわさの臨界長を測定し、結果を表1にまとめた。
[熱接着性評価]
上記実施例1〜6、比較例1で得られた電子写真用転写シートの熱接着面同士が接触するように重ねて、ヒートシールテスター(型式:TP−701−B、テスター産業社製)を使用して、シール温度:150℃、シール時間1秒、シール圧:3kgf/cm2でヒートシールを行い、熱接着性を評価した。また、上記実施例1〜6、比較例1で得られた電子写真用転写シートの熱接着面と厚さ30μmのOPPフィルム(商品名:SD−201#30、王子エフテックス社製)とを重ねて、ヒートシールテスター(型式:TP−701−B、テスター産業社製)を使用して、シール温度:150℃、シール時間1秒、シール圧:3kgf/cm2でヒートシールを行い、OPPフィルムとの熱接着性を評価し、結果を表2にまとめた。
[熱接着性評価基準]
○:接着部分を剥がそうとすると基材破壊が起こるほど強固に接着する。
×:接着部分が軽微な力で剥がれてしまう。
××:接着しない。
Figure 2018120035
Figure 2018120035
表1、2の実施例からも明らかなように本発明の電子写真用熱転写シートは熱接着面、非熱接着面とも良好なレーザープリンター記録適性を有していた。また熱接着性については、自己接着、対OPPフィルムとも十分な接着力を発現しており、さまざまな形態の包装体に適用できるすぐれた電子写真用転写シートであった。一方、比較例の電子写真用転写シートは、熱接着性は良好なものの、レーザープリンターでの不具合率が高く、包装体製造において支障を来たす虞のあるものであった。

Claims (14)

  1. 紙基材と、前記紙基材の少なくとも一方の面の最表面に設けられ、有機材料を50質量%以上含有する熱接着層とを備え、前記熱接着層は、前記有機材料の少なくとも一部としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスおよびロジンエマルションを含有し、前記熱接着層が設けられた熱接着面のJIS P 8155:2010に準拠して測定される王研式平滑度が50秒以上であり、且つJIS P 8117:2009に準拠して測定される透気度が5000秒以下であることを特徴とする電子写真用転写シート。
  2. CD方向のJIS P 8143:2009に準拠して測定されるクラークこわさの臨界長が12cm以上である請求項1に記載の電子写真用転写シート。
  3. 前記スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス及び前記ロジンエマルションの合計質量が、前記熱接着層全固形分の30質量%以上である請求項1または2に記載の電子写真用転写シート。
  4. 前記熱接着層中に含有される前記ロジンエマルションの含有比率が、前記スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス100質量%に対して5〜2000質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用転写シート。
  5. 前記ロジンエマルションが強化ロジンエマルションである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用転写シート。
  6. 前記紙基材が、片艶紙である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真用転写シート。
  7. 前記紙基材を構成するパルプのJIS P 8121−2:2012に規定されるフリーネスが、250〜700mLである請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真用転写シート。
  8. 前記紙基材の少なくとも一方の面に顔料とバインダーとを主成分とする塗被層が設けられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真用転写シート。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面の少なくとも一部同士が接着されてなる物品。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面の少なくとも一部と他の材料とが接着されてなる物品。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面とは反対側の面の少なくとも一部に電子写真方式による画像記録を行うこと、前記熱接着面の少なくとも一部同士を熱接着する電子写真用転写シートの使用方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面とは反対側の面の少なくとも一部に電子写真方式による画像記録を行い、前記熱接着面の少なくとも一部と、他の材料の少なくとも一部とを熱接着する電子写真用転写シートの使用方法。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面の少なくとも一部に電子写真方式による画像記録を行い、前記熱接着面の少なくとも一部同士を熱接着する電子写真用転写シートの使用方法。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真用転写シートの前記熱接着面の少なくとも一部に電子写真方式による画像記録を行い、前記熱接着面と他の包装材料とをする電子写真用転写シートの使用方法。
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