JP7228385B2 - レトルトパッケージ用包装材料の製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、充填及びシール後に貯蔵寿命を延ばす目的で相対湿度の高い雰囲気中において高温（ｅｌｅｖａｔｅｄ ｔｅｍｐｅｒａｔｕｒｅ）で熱処理を受けることが意図されたタイプのパッケージ用包装材料であって、その一面が顔料及びバインダーの印刷可能コーティングを有する紙の層、及び印刷可能コーティング上に適用された印刷インクの装飾図柄（ｄｅｃｏｒａｔｉｖｅ ａｒｔｗｏｒｋ）、並びに印刷インクの前記装飾図柄と一致する折り目線の繰り返しパターンを備える、包装材料に関する。

本発明はまた、充填及びシール後に貯蔵寿命を延ばす目的で相対湿度の高い雰囲気中において高温で熱処理を受けることが意図されたタイプのパッケージ用の、装飾図柄を備えたこのような包装材料の製造方法であって、その一面が顔料及びバインダーの印刷可能コーティングを有する紙のウェブを提供するステップと、印刷可能コーティングに任意の印刷インクの装飾図柄を設けるステップと、装飾図柄を備えたウェブをウェブの両側においてプラスチックの外側耐熱コーティングで被覆するステップとを含む、方法にも関する。

本発明はさらに、包装材料の折り畳み成形及び熱シール（ｔｈｅｒｍｏｓｅａｌｉｎｇ）によって製造されたパッケージであって、充填及びシール後に貯蔵寿命を延ばす目的で相対湿度の高い雰囲気中において高温で熱処理を受けることが意図されたタイプである、パッケージに関する。

包装技術においては、食品を包装及び輸送するための１回使用の使い捨て性質であるパッケージを使用することが多い。これらの１回使用の使い捨てパッケージの１つの非常に大きなグループは、板紙の層とプラスチックの外側液密コーティングとを備える包装材料から製造される。包装材料にガス、特に酸素ガスに対する優れた気密性を付与するために、包装材料は、そのような気密性を有する材料の少なくとも１つの追加の層、通常アルミニウム箔（Ａｌｉｆｏｉｌ）で補充される。

従来技術の包装材料から、パッケージは、ウェブから又は包装材料の予め製造されたブランクから完成パッケージを成形、充填及びシールする現代の包装及び充填機（ｐａｃｋｉｎｇ ａｎｄ ｆｉｌｌｉｎｇ ｍａｃｈｉｎｅｓ）を用いて製造される。

例えばウェブから、機械的に強い液密シーリングジョイント（「オーバーラップジョイント」）に向かって折り畳まれて互いに結合されたウェブの両方の長手方向縁部によってウェブが最初にチューブに再成形されて、パッケージが製造される。チューブには、任意の食品が充填され、チューブの長手方向軸を横切って且つチューブの充填レベルの下で、チューブを横方向に繰り返しシールすることによって、クッション形状の包装単位に分割される。包装単位は、横方向シール領域内の切込みによって互いに分離され、付加的な折り畳み成形及び熱シール操作によって所望の幾何学的外形、通常平行六面体が与えられる。

これに対応して、パッケージは、包装材料の平らに折り畳まれたチューブ状ブランクから製造される。平らに折り畳まれたブランクは、その一端（例えば下端）が包装カートンの連続した折り畳み可能な底パネルの折り畳み成形及び熱シールによってシールされている開いた包装カートンに起こされる。このように底部を備えた包装カートンに食品が充填され、その後、包装カートンの対応する折り畳み可能な頂部パネルの折り畳み成形及び熱シールによって、包装カートンの開放端（この例では上端）がシールされる。

今日の市場では、液体から固体及び半固体食品まで、ほぼ不可避に大きな食品の多様性に対するほぼ同等に不可避に大きな包装変形物の多様性の中に、このような１回使用の使い捨て性質のパッケージが存在する。

市販の１回使用の使い捨てパッケージの１つの大きなグループは、予め滅菌された食品を無菌条件下で同様に予め滅菌されたパッケージ内に包装する、いわゆる無菌パッケージを含む。無菌パッケージは、食品が劣化したり腐敗したりすることなく、食品をパッケージ内に周囲温度で数ヵ月まで及びそれよりも長く保存することができることを特徴とする。更なる所望の延長された貯蔵寿命を有する幾つかの食品については、食品及びパッケージを共に完全に滅菌するために、充填及びシールされたパッケージを、充填後しばらくの時間昇高温（ｅｌｅｖａｔｅｄ ｈｉｇｈ ｔｅｍｐｅｒａｔｕｒｅ）に保つ必要がある。この滅菌方法は、一般に「低温殺菌を伴う熱間充填（ｈｏｔ ｆｉｌｌ ｗｉｔｈ ｐａｓｔｅｕｒｉｓａｔｉｏｎ）」と呼ばれ、レトルト滅菌処理が過酷すぎる処理であるが他方で充填前の通常の低温殺菌では不十分である半液体又は半固体の特性を有する幾つかの食品に対して、十分であり得る。１００℃未満の温度での熱処理は、場合によっては低温殺菌と呼ばれる。

従来技術の１回使用の使い捨てパッケージの別のグループは、その「賞味期限」前に劣化したり完全に腐敗したりしないように、パッケージ内で貯蔵期間全体を通して食品を冷蔵（約＋８℃以下）した状態で維持しなければならないパッケージを含む。

このような１回使用の使い捨てパッケージの更なるグループは、食品が充填され、且つシール後に貯蔵寿命を延ばす目的で相対湿度の高い雰囲気中において高温で熱処理を受けることが意図された、いわゆるレトルトパッケージを含む。無菌パッケージのように、レトルトパッケージは、食品が劣化したりその「賞味期限」前に腐敗したりすることなく、包装した食品を周囲温度で数ヵ月まで及びそれよりも長く保存することができる機能を有する。

導入部で記載したタイプの包装材料は、紙又は板紙のウェブをマガジンリールから解く、それ自体公知の方法で製造される。ウェブは印刷ステーションに導かれ、そこでウェブの一面に任意の印刷インクの装飾図柄が設けられ、同時に装飾図柄に一致する折り目線の対応するパターンが設けられる。

紙及び板紙は一般に、紙表面の印刷適性を損なう粗く不均一な表面特性を示し、それによって装飾図柄の良好で均一な品質を保証することが困難になるので、紙表面にはちょうど最初から、印刷適性を向上させる滑らかなコーティングが設けられる。このような印刷適性向上コーティングの例は、当業者に公知であり、一般に、顔料とバインダーとの組み合わせからなる。

装飾図柄及び折り目線を備えたウェブは、さらに積層ステーションに導かれ、そこでウェブの両面に押出によるプラスチックの外側液密コーティングが設けられる。従来技術のこのような押出コーティングの１つの典型的な例は、ポリエチレンである。

包装材料が、特にジュース、ワイン又は調理油などの酸素ガスに敏感な食品用のパッケージを意図している場合、ウェブにはさらに、酸素ガスバリアとして機能する層、通常はアルミニウム箔が設けられ、それはウェブの紙層と２つの外側液密コーティングのうちの１つとの間でウェブに積層される。

積層されたウェブは、さらに１つ以上の機械加工ステーションに導かれ、そこでウェブは適切な寸法に切断され、ウェブが完成した顧客適合輸送リールに最終的に巻き取られる前に、ウェブ上の検出された欠陥が取り除かれる。

従来技術の方法では、無菌パッケージ、及び包装した食品を消費の瞬間（「消費期限」）までその貯蔵寿命全体を通して冷蔵された状態で保たなければならないパッケージの両方に対する包装材料が製造される。他方、いわゆるレトルトパッケージ用の包装材料を製造するこのような手段による試みは、しばしば失敗している。（蒸気レトルトなどの）相対湿度の高い雰囲気中において高温で熱処理を受ける包装材料のパッケージに関連して観察された１つの欠点は、パッケージの装飾図柄がこれらの条件下で損傷され、それによりパッケージの外観が見苦しく非魅力的になることである。一部の例では、装飾図柄を担持している包装材料の顔料コーティング中の熱及び湿気に関連する亀裂及び亀裂形成が注目されている。最悪の場合、パッケージの機械的な堅さ及び安定性が低下することがある。これらの問題は、レトルトパッケージが貯蔵寿命を延ばすための熱処理の間に、同時にレトルト処理で高圧にさらされるような場合に、さらに悪化する可能性がある。

引用文献１及び引用文献２は、蒸気滅菌に耐えることができる積層包装材料内に組み込むための顔料被覆板紙の製造を提供するという問題に取り組んでいる。この問題に対して示唆された解決策は、炭酸カルシウム顔料、バインダー及びレオロジー調整剤を含む組成物で被覆された疎水化板紙である。

しかしながら、引用文献１及び引用文献２による印刷及び積層された板紙の蒸気滅菌後の印刷の外観は、改善されてはいるものの依然として不十分であることに留意されたい。

折り畳み成形、充填及び熱処理の後、目視検査では、インク層内の亀裂又は凝集破壊によって引き起こされると考えられるコントラスト差などの欠陥が認識されるということが依然として発生している。

国際公開第２０１０／１１４４６７号 国際公開第２０１２／０４４２２９号

従って、１つの目的は、当該分野における上記の更なる必要性を満たすことである。

更なる目的は、従来技術の包装材料に関連するタイプの問題及び欠点を伴わない、レトルトパッケージ用の装飾図柄を備えた包装材料であって、その一面が顔料の印刷適性向上コーティングを有し、その印刷適性向上コーティングの上に任意の印刷インクの装飾図柄が印刷される紙又は板紙の層と、プラスチックの外側の熱シール可能な耐熱コーティングとを備える、包装材料を実現することである。

従って、本開示の目的は、このような積層包装材料における顔料被覆板紙上の印刷された装飾図柄の外観を、その製造された包装容器の蒸気及び／又は高温液体滅菌中に維持することである。

さらに、その製造された包装容器の蒸気滅菌中に、積層包装材料における顔料被覆及び印刷された板紙の一部が黄変し、あまり魅力的ではないパッケージをもたらすことが指摘されている。

従って、本開示の幾つかの実施形態の目的はまた、その製造された包装容器の蒸気滅菌中の積層包装材料における顔料被覆及び印刷された板紙の黄変を防止し、前記包装材料を提供することである。

さらに、本発明の更なる目的は、充填及びシール後に貯蔵寿命を延ばす目的で相対湿度の高い雰囲気中において高温で熱処理を受けることが意図されたタイプのパッケージ用の、良好に機能する包装材料の製造にも役立つ、上記の包装材料の製造方法を実現することである。

本発明の特定の目的は、充填及びシール後に貯蔵寿命を延ばす目的で相対湿度の高い雰囲気中において高温及び高圧で熱処理を受けることが意図されたタイプのパッケージ用の、良好に機能する包装材料の製造にも役立つ、導入部で記載したタイプの方法を実現することである。

さらに、本発明の更なる目的は、従来技術で生じるタイプの問題を伴わず、相対湿度の高い雰囲気中において高温で熱処理を受けることができる、本開示による包装材料の成形及び熱シールによって製造されるパッケージを実現することである。

さらに、本発明の更なる目的は、従来技術で生じるタイプの問題を伴わず、相対湿度の高い雰囲気中において高温及び高圧で熱処理を受けることができる、本開示による包装材料の成形及び熱シールによって製造されるパッケージを実現することである。

以下の項目化したリストは、本開示の様々な実施形態並びにそれらの組み合わせを提示する。

１．成形及び熱シールによって製造され、充填及びシール後に貯蔵寿命を延ばす目的で高温において熱処理を受けることが意図されたタイプのパッケージ用包装材料であって、包装材料（２１；３１）は、さらにプラスチックの最外層に積層される被覆板紙材料の層を含み、被覆板紙材料は、印刷のための面を形成するために顔料コーティングが設けられた上面を有する基部板（ｂａｓｅ ｂｏａｒｄ）を含み、顔料コーティングは、顔料混合物、少なくとも１つのバインダー及びジルコニウム系架橋剤を含み、顔料混合物は、少なくとも４０重量％の炭酸カルシウム及び少なくとも１０重量％の粘土、例えばカオリン粘土、例えば剥離粘土（ｄｅｌａｍｉｎａｔｅｄ ｃｌａｙ）を含む、包装材料。

２．被覆板紙材料は、少なくとも２つの紙層を含む基部板を有し、基部板の上の紙層に顔料コーティングが設けられる、項目１に記載の包装材料。

３．基部板の上の紙層は漂白され、任意に二酸化チタンを含む、項目２に記載の包装材料。

４．上層は、漂白クラフトパルプなどのクラフトパルプから形成される、項目２又は３に記載の包装材料。

５．基部板は、未漂白パルプから形成された底の紙層を含む、項目２～４の何れか１項に記載の包装材料。

６．基部板の坪量（ＩＳＯ５３６）は、７０～２９０ｇ／ｍ^２の間、例えば１２０～２９０ｇ／ｍ^２、例えば１６０～２９０ｇ／ｍ^２の間、例えば１９０～２５０ｇ／ｍ^２の間、例えば２１０～２５０ｇ／ｍ^２の間である、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

７．基部板の厚さ（ＩＳＯ５３４）は、２３０～３９０μｍの間、例えば２５５～３２５μｍの間である、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

８．基部板の密度（ＩＳＯ５３４）は、６００～９００ｋｇ／ｍ^３の間、例えば６５０～８５０ｋｇ／ｍ^３の間、例えば６８０～８１０ｋｇ／ｍ^３の間、例えば７００～７８０ｋｇ／ｍ^３の間である、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

９．被覆板紙は、１５０～３００ｇ／ｍ^２の間、例えば２００～３００ｇ／ｍ^２の間、例えば２２０～２７０ｇ／ｍ^２の坪量（ＩＳＯ５３６）を有する、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

１０．被覆板紙は、２３０～４００μｍの間、例えば２５５～３２５μｍの間の厚さ（ＩＳＯ５３４）を有する、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

１１．被覆板紙は、７００～９５０ｋｇ／ｍ^３の間、例えば８００～９２０ｋｇ／ｍ^３の間、例えば８００～８８０ｋｇ／ｍ^３の間、例えば８２０～８９０ｋｇ／ｍ^３の間、例えば８２０～８６０ｋｇ／ｍ^３の間の密度（ＩＳＯ５３４）を有する、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

１２．上面上の顔料コーティングの被覆重量は、５～３０ｇ／ｍ^２、例えば８～３０ｍ^２、例えば１０～３０ｍ^２、例えば１７～２３ｇ／ｍ^２である、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

１３．基部板の裏面には、場合によりジルコニア系架橋剤を含まない顔料コーティングが設けられる、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

１４．基部板の裏面上の被覆重量は、１～３０ｇ／ｍ^２、例えば１～９ｇ／ｍ^２、例えば３～８ｇ／ｍ^２の被覆重量を有する、項目１３に記載の包装材料。

１５．顔料混合物が、顔料コーティングの乾燥重量の７５～９５％、例えば８０～８８％の量である、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

１６．少なくとも１つのバインダーは、顔料コーティングの乾燥重量の１０～２０％、例えば１２～１８％の量である、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

１７．ジルコニウム系架橋剤は、顔料コーティングの乾燥重量の０．３～３％、例えば０．６～１．５％、例えば０．７５～１．０％の量である、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

１８．基部板の上面と、印刷のための面を形成する顔料コーティングとの間に、プレコーティングが設けられる、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

１９．顔料コーティングが、少なくとも１つのレオロジー調整剤をさらに含む、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

２０．少なくとも１つのレオロジー調整剤は、顔料コーティングの乾燥重量の０．０５～２．０％、例えば０．１～１．０％の量である、項目１９に記載の包装材料。

２１．少なくとも１つのレオロジー調整剤は、ＣＭＣ又はアルカリ膨潤性アクリレートポリマーなどのアクリルコポリマーである、項目１９又は２０に記載の包装材料。

２２．基部板が、アルキルケテンダイマー（ＡＫＤ）、アルケニルコハク酸無水物（ＡＳＡ）又はそれらの組み合わせによる処理のようなサイジング剤処理から疎水化される、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

２３．顔料混合物は、層状珪酸塩鉱物、水和珪酸マグネシウム、二酸化チタン又はサテンホワイトをさらに含む、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

２４．顔料混合物は、少なくとも５０重量％の炭酸カルシウム及び少なくとも１５重量％の粘土を含む、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

２５．ジルコニウム系架橋剤は、例えば炭酸ジルコニウムアンモニウム又は炭酸ジルコニウムカリウムなどの炭酸ジルコニウムである、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

２６．少なくとも１つのバインダーは、コポリマー、アクリル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質、及びデンプンなどの多糖類からなる群から選択される、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

２７．少なくとも１つのバインダーは、アクリルコポリマー、スチレン－ブタジエンコポリマー及びメチルメタクリレート－ブタジエンコポリマーのような合成コポリマーから選択される、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

２８．少なくとも１つのバインダーは、スチレン／アクリレートコポリマーである、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

２９．基部板は、２、３又は４つの紙層を含む、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

３０．印刷のための顔料コーティング面で被覆された上面には、印刷インクの装飾図柄が印刷される、前記項目の何れか１項に記載の包装材料。

３１．被覆板紙材料は、印刷インクの前記装飾図柄と一致する折り目線の繰り返しパターンを有する、項目３０に記載の包装材料。

３２．ガスバリアとして機能する少なくとも１つの層、例えばアルミニウム箔などをさらに含む、項目３０又は３１に記載の包装材料。

３３．そのようなガスバリア材料の２つ以上の層の組み合わせを含み、そのうちの１つがアルミニウム箔である、項目３０～３２の何れか１項に記載の包装材料。

３４．プラスチックの中間結合層によってアルミニウム箔が被覆板紙材料に積層される、項目３０～３３の何れかに記載の包装材料。

３５．項目１～３４の何れか１項に記載の包装材料から、例えば包装材料の成形及び熱シールによって製造される、滅菌熱処理に適合したパッケージ。

３６．パッケージ及びその内容物の共滅菌に適合した、項目３５に記載のパッケージ。

３７．熱媒体としての蒸気での貯蔵寿命延長熱処理に適合した、項目３５又は３６に記載のパッケージ。

３８．項目３５～３７の何れか１項に記載のレトルトパッケージ。

３９．項目１～３４の何れか１項に記載の包装材料を含み、例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷及びリソグラフィ印刷技術による印刷に適合した、滅菌熱処理用パッケージ。

４０．項目１～３４の何れか１項に記載の被覆板紙材料を含む包装材料の製造方法であって、その上面に場合によりプレコーティングが被覆された基部板の上面に顔料コーティング組成物を塗布するステップであって、顔料コーティング組成物は、顔料混合物、少なくとも１つのバインダー及びジルコニウム系架橋剤を含み、顔料混合物は、少なくとも４０重量％の炭酸カルシウム及び少なくとも１０重量％の粘土を含む、ステップを含み、さらに、プラスチックの最外層を塗布するステップを含む、方法。

４１．顔料コーティング組成物を塗布した後、印刷技術により被覆板紙材料に装飾図柄を設けるステップをさらに含む、項目４０に記載の方法。

４２．装飾図柄で印刷された被覆板紙材料は、印刷された装飾図柄と一致する折り目線の繰り返しパターンを設ける更なるステップにある、項目４１に記載の方法。

４３．被覆板紙材料は、ガスバリア層として機能する層に積層される更なるステップにある、項目４０～４２の何れか１項に記載の方法。

４４．ガスバリア層はアルミニウム箔である、項目４３に記載の方法。

４５．プラスチックの最外耐熱層を塗布するステップは、被覆板紙材料の層を含むウェブ上への押出コーティングによって行われる、項目４０～４４の何れか１項に記載の方法。

４６．被覆板紙材料をガスバリア層として機能する層に積層するステップは、熱可塑性樹脂の中間層を用いた溶融押出積層によって行われる、項目４２～４５の何れか１項に記載の方法。

［詳細な説明］
従って、第１態様によれば、成形及び熱シールによって製造され、充填及びシール後に貯蔵寿命を延ばす目的で、高温での滅菌熱処理、例えば熱媒体としての蒸気、水又は蒸気－水混合物による処理など、例えば高圧での高温蒸気及び／又は水によるレトルト又はオートクレーブ処理などに適合された、パッケージ用包装材料が実現される。包装材料は、被覆板紙材料の層を含み、それは、印刷のための面を形成する印刷可能顔料コーティングが設けられた上面を有する基部板と、顔料コーティング上に適用された印刷インクの装飾図柄とを含む。印刷可能顔料コーティングは、顔料混合物、少なくとも１つのバインダー及びジルコニウム系架橋剤を含み、ここで顔料混合物は、少なくとも４０重量％の炭酸カルシウム及び少なくとも１０重量％の粘土、例えばカオリン粘土、例えば剥離粘土を含む。プレコーティング層は、基部板の上面と顔料コーティングとの間に設けられてもよい。

本開示によれば、驚くべきことに、食品を充填した後にシールされた、包装材料から製造されたパッケージは、パッケージが破損又は破壊されることなく、その貯蔵寿命を延ばす目的の熱処理を非常に良好に受け得ることが観察されている。特に、包装材料の折り畳み成形及び熱シールによって製造された本発明によるパッケージは、装飾図柄又はパッケージの機械的堅さ及び寸法安定性を熱及び湿度の過酷な作用により損なうことなく、高温でのそのような熱処理に耐えることが証明されている。熱処理されたパッケージの目視検査では、包装材料の印刷可能顔料コーティング中の水分又は熱関連の亀裂又は亀裂形成も、その上に適用された印刷インクの装飾図柄の実質的な欠陥も観察されなかったが、熱処理されたパッケージ内のパッケージ及び包装材料は共に、過酷な熱処理の後に実質的に影響を受けておらず、損傷のない状態（ｉｎｔａｃｔ）であった。

印刷された装飾図柄において視覚的コントラスト差として知覚される欠陥は、インク層の凝集破壊によって引き起こされ、次に、熱処理中及び冷却／乾燥後の板紙のセルロース繊維構造の膨潤及び収縮によって引き起こされ、それはまた、レトルト処理サイクルの変化及び包装材料中の熱及び高湿度条件の関連する変化に伴って、印刷された装飾が配置された板紙とポリプロピレン外層との間の界面に力を誘発すると考えられている。視覚的コントラスト差、すなわち印刷された装飾の欠陥は、一般に、成形及び折り畳みの間にポリマーが既に応力を受けている応力位置（ｓｔｒｅｓｓｅｄ ｌｏｃａｔｉｏｎ）に現れる。

熱処理とは、高温での滅菌目的のための任意の処理を意味する。熱処理は、例えば、パッケージに食品などの内容物を充填した後に、パッケージ及びパッケージ内容物を共滅菌することができる。

従って、本開示は、高温での貯蔵寿命延長熱処理に適合したパッケージに使用するための被覆板紙材料を含む包装材料を提供する。そのような貯蔵寿命延長熱処理の例は、熱間充填及びその後の低温殺菌又はレトルト及び蒸気オートクレーブ処理である。従って、処理は通常、８０℃より高い温度で行われる。熱処理は、例えば、パッケージ及び食品などのパッケージ内容物を共滅菌することができる。

幾つかの実施形態によれば、熱処理は、過圧、及び１００℃を超える、例えば１１０又は１２１℃を超える、例えば１２１～１４０℃などの温度で行われる。熱媒体としての蒸気及び／又は水による貯蔵寿命延長熱処理に適合したパッケージの例は、Ｔｅｔｒａ Ｒｅｃａｒｔ（登録商標）の名称で市販されているものである。

このような滅菌のためのレトルト又はオートクレーブ処理に対する代替的な熱処理方法は、予め加熱されたために部分的に滅菌されている食品の無菌充填に加えて、充填及びシールされたパッケージを長時間の熱処理のために高温、例えば８０～１００℃の温度に維持する、いわゆる「低温殺菌を伴う熱間充填」である。このような低温殺菌処理を伴う熱間充填は、レトルト処理が過酷すぎる条件となる繊細で敏感な食品に適している。高温でのパッケージの維持は、ウォームアップ領域、熱処理領域及び冷却領域を含む幾つかの処理領域に分割された加熱滅菌トンネルを通してパッケージを送ることによって行われる。ウォームアップ及び熱処理領域は、パッケージを乾燥熱、すなわち熱風を用いて、蒸気を用いずに、又は蒸気を用いて及び／又はパッケージ上に散布又は勢いよく流された水を用いて処理することができる。冷却は通常、パッケージに冷却水を勢いよく流すことによって行われる。最も一般的には、熱間充填低温殺菌の温度は、水を用いて調節される（暖められ、且つ冷却される）。処理温度及び保持時間は、包装した食品に応じて特定の必要性に従って決定される。

第１態様の包装材料に含まれる被覆板紙は、基部板を含む。基部板は板紙である。基部板は、顔料コーティングが設けられた上面を有する。これにより、上面は、例えばフレキソ印刷、オフセット印刷及びリソグラフィによる印刷などの印刷に適合する。従って、第１態様の一実施形態では、顔料コーティングで被覆された上面は印刷されてもよい。さらに、印刷された面は、耐熱液体バリア層又はプラスチックコーティングなどのコーティングによって覆われてもよい。このようなプラスチックコーティングは、例えば、ポリエチレンホモポリマー又はコポリマー、ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマー、又はポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などのポリエステル、又はこれらのポリマーの何れかの混合物を含んでもよい。

包装材料に含まれる基部板は、例えば２層、３層、４層又は５層など、少なくとも２つの紙層を含むことができる。このような場合、基部板の上の紙層に、顔料コーティングが設けられる。一実施形態では、基部板の上の紙層は漂白されている。それはまた、付加的な白色化のために二酸化チタンを含んでいてもよい。漂白された部材は、好ましくは、漂白クラフトパルプ、例えば漂白硬材硫酸塩パルプと漂白軟材硫酸塩パルプとの混合物などから形成される。しかしながら、代替実施形態では、上層は未漂白であり、例えば未漂白クラフトパルプなどから得てもよい。

代替実施形態では、基部板は中実（ｓｏｌｉｄ）であり、このことは、それが唯１つの紙層から構成されていることを意味する。

被覆板紙の裏面は通常印刷されないため、底層は未漂白パルプから形成されてもよい。しかしながら、底層はまた、漂白されていてもよい。パッケージにおいて、裏面は通常、パッケージの内側に面している。

基部板は、アルキルケテンダイマー（ＡＫＤ）、アルケニルコハク酸無水物（ＡＳＡ）又はそれらの組み合わせによる処理のようなサイジング剤処理から疎水化されてもよい。疎水性サイジング剤の別の例は、ロジンサイズである。基部板が複数の層を含む場合、各層がサイジング剤処理から疎水化されてもよい。

基部板は、例えば、以下の特徴を有することができる：
１２０～２９０ｇ／ｍ^２、１９０～２５０ｇ／ｍ^２の間、例えば２１０～２５０ｇ／ｍ^２の間の坪量（ＩＳＯ５３６）；
２３０～３９０μｍの間、例えば２５５～３２５μｍの間の厚さ（ＩＳＯ５３４）；及び／又は
６００～９００ｋｇ／ｍ^３の間、例えば６５０～８５０ｋｇ／ｍ^３の間、例えば６８０～８１０ｋｇ／ｍ^３の間、例えば７００～７８０ｋｇ／ｍ^３の間の密度（ＩＳＯ５３４）。

第１態様の包装材料の、板紙材料上に被覆された顔料コーティングは、
顔料混合物；
少なくとも１つのバインダー；及び
ジルコニウム系架橋剤；
を含む。

顔料混合物は、例えば、顔料コーティングの乾燥重量の７５～９５％、例えば８０～８８％の量であってもよい。少なくとも１つのバインダーは、例えば、顔料コーティングの乾燥重量の１０～２０％、例えば１２～１８％の量であってもよい。ジルコニウム系架橋剤は、例えば、顔料コーティングの乾燥重量の０．３～３％、例えば０．６～１．５％、例えば０．７５～１．０％の量であってもよい。

顔料混合物は、炭酸カルシウム及び粘土のみからなってもよい。しかしながら、顔料混合物はまた、炭酸カルシウム及び粘土に加えて、層状珪酸塩鉱物、水和珪酸マグネシウム、二酸化チタン又はサテンホワイトを含むことができる。粘土は、剥離カオリン粘土などのカオリン粘土であってもよい。混合物の一実施形態において、炭酸カルシウムは、顔料混合物の乾燥重量の少なくとも５０％、例えば少なくとも６０％の量である。代替的又は相補的な実施形態において、粘土は、顔料混合物の重量の乾燥重量の少なくとも１０％、例えば少なくとも１５％の量である。粘土及び炭酸カルシウムは共に、好ましくは、顔料混合物の乾燥重量の少なくとも８０％、例えば少なくとも９０％の量になる。

コーティング層中のジルコニウムの存在及び量は、例えば、ＥＳＣＡ又はＸＰＳによって検出することができる。本明細書に記載の実験では、ジルコニウムは、元素分析のための表面感知法であるＸ線光電子分光法（ＸＰＳ）を用いて検出されている。分析の深さは表面の最も外側の２～１０ｎｍにあり、従って、全体的なバルク分析ではない。ジルコニウムの量は、検出限界に近く、０．１原子百分率、すなわち０．４～０．６重量％である。

顔料コーティング中のジルコニウム系架橋剤の存在は、顔料コーティング層が印刷されて得られる被覆及び印刷された板紙が熱媒体として蒸気を用いて熱処理されるパッケージで使用される場合、特に熱処理中に蒸気がパッケージ上に凝縮する場合に、特に重要である。

少なくとも１つのバインダーは、例えば、コポリマー、アクリル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質、及びデンプンなどの多糖類からなる群から選択される。好ましくは、少なくとも１つのバインダーは、アクリルコポリマー、スチレン－ブタジエンコポリマー及びメチルメタクリレート－ブタジエンコポリマーなどの合成コポリマーから選択される。最も好ましくは、少なくとも１つのバインダーは、スチレン／アクリレートコポリマーである。顔料コーティング組成物を調製する場合、このようなバインダーはスチレン／アクリレートラテックスの形態で添加される。

ジルコニウム系架橋剤は、例えば、炭酸ジルコニウムアンモニウム又は炭酸ジルコニウムカリウムなどの炭酸ジルコニウムであり得る。

第１態様の実施形態では、顔料コーティングはさらに、少なくとも１つのレオロジー調整剤を含んでもよい。そのような添加の目的は、顔料コーティング組成物の粘度を調節することであろう。添加する場合、少なくとも１つのレオロジー調整剤は、例えば、顔料コーティングの乾燥重量の０．０５～２．０％、例えば０．１～１．０％の量であり得る。

少なくとも１つのレオロジー調整剤は、例えば、ＣＭＣ及び／又はアルカリ膨潤性アクリレートポリマー又は疎水性変性アルカリ膨潤性アクリレートポリマーなどのアクリルポリマーであり得る。レオロジー調整剤がＣＭＣである場合、それは典型的には、顔料組成物の乾燥重量の０．５～２％の量である。レオロジー調整剤がアクリルポリマーである場合、それは典型的には、顔料組成物の乾燥重量の０．０５～０．５％の量である。レオロジー調整剤の他の例は、デンプン及びポリビニルアルコールである。

不必要な誤解を避けるために、「レオロジー調整剤」との表現は、装飾図柄を備えた包装材料が熱処理中に破壊されないように熱及び水分に対して十分に耐性がある程度に、印刷可能コーティングのレオロジー特性を改変することができる物質を意味すると理解されるべきである。従って、このようなレオロジー調整剤の添加は、第１態様の包装材料に、顔料コーティング層自体の亀裂及び欠陥に対する改良された耐性を提供するという利点を有する。

基部板の上面と印刷面を形成する顔料コーティングとの間に、１つ以上のプレコーティング層を設けてもよい。このようなプレコーティング層は、ジルコニウム系架橋剤及び上述の顔料混合物を含む必要はない。

プレコーティング層は、好ましくは、
ａ）顔料、又は４０～９０重量％の炭酸カルシウムと１０～６０重量％の粘土との混合物などの顔料混合物；
ｂ）例えば上記のバインダーの何れか１つ、好ましくはスチレン／アクリレートコポリマーである、少なくとも１つのバインダー；
ｃ）任意の、ジルコニウム系架橋剤；及び
ｄ）任意の、例えば上記のレオロジー調整剤の何れか１つ、好ましくはアクリルポリマーである、少なくとも１つのレオロジー調整剤；
を含む。

顔料又は顔料混合物は、例えば、プレコーティング層の乾燥重量の７５～９５％、例えば８０～８８％の量であってもよい。少なくとも１つのバインダーは、例えば、プレコーティング層の乾燥重量の１０～２０％、例えば１２～１８％の量であってもよい。含まれる場合、ジルコニウム系架橋剤は、例えば、プレコーティング層の乾燥重量の０．３～３％、例えば０．６～１．５％、例えば０．７５～１．０％の量であってもよい。含まれる場合、少なくとも１つのレオロジー調整剤は、例えば、プレコーティング層の乾燥重量の０．０５～２．０％、例えば０．１～１．０％の量であってもよい。

印刷のための面を形成する顔料コーティングの被覆重量は、例えば、５～３０ｇ／ｍ^２、例えば８～３０ｍ^２、例えば１０～３０ｍ^２、例えば１７～２３ｇ／ｍ^２であってもよい。

プレコーティング層が設けられる場合、印刷面を形成する顔料コーティングの被覆重量は、好ましくは５～１５ｇ／ｍ^２である。このような場合、プレコーティング層の被覆重量は、好ましくは５～１５ｇ／ｍ^２である。

基部板の裏面にもまた、コーティングを設けてもよい。裏面コーティングは、顔料混合物、バインダー、ジルコニウム系架橋剤、及び場合によりレオロジー調整剤を含む上述の顔料コーティングと同じ組成を有することができる。しかしながら、裏面は通常印刷されないため、それはまた、ジルコニウム系架橋剤を含まないコーティングであってもよい。従って、一実施形態では、裏面コーティングは、顔料混合物、バインダー及び場合によりレオロジー調整剤を含むが、ジルコニウム系架橋剤は含まなくてもよい。一実施形態では、裏面コーティングは、プレコーティング層と同じ組成を有する。裏面上のコーティングの被膜重量は、例えば、１～３０ｇ／ｍ^２、例えば１～９ｇ／ｍ^２、例えば３～８ｇ／ｍ^２とすることができる。裏面にも顔料コーティングを有する基部板は、隣接するポリマー層との接着性及び相溶性に関して同等の特性をこの面に提供し、並びに、印刷されているがまだ積層されていない板紙を中間貯蔵用の保管リールに巻き付けるときに印刷された装飾図柄の邪魔をする基部板からのセルロース繊維ダストの危険性を低減する。

基部板を被覆すると、坪量が増加する。従って、第１態様の被覆板紙は、例えば、１５０～２００ｇ／ｍ^２、例えば２００～３２０ｇ／ｍ^２、例えば２００～３００ｇ／ｍ^２、例えば２２０～２７０ｇ／ｍ^２の坪量（ＩＳＯ５３６）を有することができる。さらに、被覆板紙は、２００～４００μｍ、例えば２３０～４００μｍ、例えば２５５～３２５μｍの厚さ（ＩＳＯ５３４）、及び／又は７００～９５０ｋｇ／ｍ^３、例えば８００～９２０ｋｇ／ｍ^３、例えば８００～８８０ｋｇ／ｍ^３、例えば８２０～８９０ｋｇ／ｍ^３、例えば８２０～８６０ｋｇ／ｍ^３の密度（ＩＳＯ５３４）を有することができる。

誤解を避けるために、「紙」又は「基部板」、「カートン」又は「板紙材料」との表現は、広義の意味において、薄くて柔軟な包装紙並びに板紙タイプの紙質を含む様々なセルロース系バルク供給材料を包含することを意図していると理解されるべきである。

本発明の第１態様の包装材料に関連して記載した被覆板紙の製造方法は、基部板の上面に顔料コーティング組成物を塗布するステップを含む。顔料コーティング組成物は、好ましくは水性であり、顔料混合物、少なくとも１つのバインダー、ジルコニウム系架橋剤、及び場合によりレオロジー調整剤を含む。コーティング組成物の成分は、上で議論され例示されている。顔料コーティング組成物の粘度は、好ましくは、２５ｓ－１の一定のせん断において、カップ－ボブＣ２５幾何学的形状のＰａａｒ Ｐｈｙｓｉｃａ ＵＤＳ２００などのレオメータを用いて２３℃で測定して、２００～２０００ｍＰａ^＊ｓ、例えば２７０～１８００ｍＰａ^＊ｓである。顔料コーティング組成物は、基部板の上面に直接塗布することができる。あるいは、顔料コーティング組成物は、上記のようにジルコニウム系架橋剤を含まなくてもよい予め塗布されたコーティング層の上に塗布される。被覆板紙の製造方法はさらに、基部板の裏面にコーティングを塗布するステップを含むことができる。このような裏面コーティングはまた、上記のように、ジルコニウム系架橋剤を含まなくてもよい。

一実施形態によれば、包装材料にはさらに、顔料コーティングで被覆された板紙材料の上面に、印刷インクの装飾図柄が印刷される。使用される印刷インクは、フレキソ印刷、オフセット印刷及びリソグラフィ印刷プロセスで使用される従来のインク、及び好ましい実施形態によれば水性のフレキソ印刷インクである。

一実施形態によれば、板紙材料は、印刷インクの装飾図柄と一致して位置合わせされた折り目線の繰り返しパターンを有する。このような折り目線は、明確に規定された折り目に沿って包装材料を折り畳むことを確実にすることにより、包装材料から折り畳み成形されたパッケージの形状及び外観を最終的に画定する。もちろん、折り畳まれた縁部及び角部が、パッケージの外側に示される印刷された装飾図柄と一致せず、従って折り畳み及び印刷された面が整列していない場合、包装容器の組み合わせられた外観は悪化し、すなわち、その装飾は歪み、消費者に混乱を与えるだろう。

さらに別の有利な実施形態によれば、包装材料はさらに、アルミニウム箔などのガスバリアとして機能する少なくとも１つの層を含む。このようなアルミニウム箔の厚さは５～１２μｍ、例えば５～１０μｍであってもよい。本発明による包装材料が、特に酸素ガス感受性食品用の熱滅菌可能又はレトルト可能なパッケージを意図している場合、包装材料は従って、ガスバリアとして機能し且つ酸素ガスに対して所望の気密特性を有する少なくとも１つの層を備えることができる。このような気密特性を有する材料の例は、例えばエチレンビニルアルコールコポリマー（ＥＶＯＨ）及びポリアミド（ＰＡ）などの、いわゆるガスバリアポリマーであってもよい。更なる実施形態によれば、このような層は、ＳｉＯｘコーティング又は他の金属（酸化物）コーティングなどの蒸着被覆層、又は、例えばポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、水分散性エチレンビニルアルコール（ＥＶＯＨ）、デンプン及びデンプン誘導体、セルロース又はセルロース誘導体又は他の多糖類又はそれらの誘導体などの分散又は溶液被覆ポリマー層であってもよい。しかしながら好ましくは、この層は、紙層とプラスチックの２つの外側耐熱コーティングのうちの１つとの間で包装材料に積層されるアルミニウム箔からなる。アルミニウム箔はまた、迅速で信頼できる効率的なシール技術である誘導シールによって包装材料を熱シール可能にするという有利な特性を提供する。一実施形態によれば、包装材料は、このようなガスバリア材料、すなわちアルミニウム箔の２つ以上の層の組み合わせ、さらには固有のガスバリア特性を有するポリマー層又はコーティングを含む。

一実施形態によれば、本開示の包装材料は、液体に対して（液状又は湿った食品に対して、並びに湿った保管及び取り扱い条件に対して）バリア特性をさらに有するプラスチックの最外耐熱コーティングを、包装材料の両面に有する。本発明による包装材料において外側耐熱コーティングに使用され得るプラスチックの実際の例は、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）ホモポリマー又はコポリマー、及び例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などのポリエステルなどの熱可塑性樹脂であってもよい。このような最外層は、２０～４５ｇ／ｍ^２、例えば２０～４０ｇ／ｍ^２の厚さを有することができる。また、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）又はメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン（ｍＬＬＤＰＥ）とＬＤＰＥとのブレンドの外側層も、熱処理温度が８０～１００℃のように低い場合に包装材料の実施形態に応じて考えられる。このような最外層は、１０～６０μｍ、例えば２０～４０μｍの厚さを有することができる。

更なる実施形態によれば、アルミニウム箔は、プラスチックの中間結合層を用いて被覆板紙材料に積層されることが好ましい。このような中間接着層は、ポリエチレンのホモポリマー又はコポリマー又はポリプロピレンのホモポリマー又はコポリマーなどの熱可塑性ポリマー、又はさらに、バリアの必要性が高くコスト制約が低い場合には、ガスバリア特性を有する熱可塑性ポリマーであってもよい。中間結合層は、一般にポリオレフィンの場合のように、板紙とアルミニウム箔とを互いに直接結合することができる。このようなポリオレフィンの中間結合層は、１５～３５ｇ／ｍ^２、例えば２０～３５ｇ／ｍ^２の厚さを有する。代替的に、中間結合層は、結合性又は接着性ポリマー、例えば（メタ）アクリル酸又は無水マレイン酸官能基を有するモノマーなどのカルボン酸官能性を有するモノマーとのポリオレフィンコポリマーなどの更なる中間薄層を用いて、板紙とアルミニウム箔とを互いに結合することができる。

本発明の第２態様によれば、上記の第１態様の包装材料の成形及び熱シールによって製造された、滅菌熱処理に適合したパッケージが実現される。より具体的には、第１態様の包装材料において規定されたような被覆板紙材料を含む、滅菌熱処理に適合したパッケージが提供される。

一実施形態によれば、パッケージは、包装される食品に応じて、８０℃を超える、例えば９０℃を超える、例えば１００℃を超えるような高温で所定の時間にわたって行われる熱処理に適合される。

特定の実施形態では、パッケージ及びその内容物の共滅菌に適合したパッケージが提供される。

第２態様のパッケージの更なる実施形態では、熱媒体として蒸気、水又は蒸気／水混合物を使用する貯蔵寿命延長熱処理に適合したこのようなパッケージが提供される。

好ましい実施形態によれば、レトルトパッケージは、第１態様の包装材料を成形し熱シールすることによって提供される。別の実施形態では、フレキソ印刷、オフセット印刷又はリソグラフィ印刷技術による印刷に適合した顔料被覆板紙材料を含むこのようなレトルトパッケージが提供される。

本発明の第３態様によれば、顔料コーティング組成物を基部板の上面に塗布するステップであって、顔料コーティング組成物は、顔料混合物、少なくとも１つのバインダー及びジルコニウム系架橋剤を含む、ステップを含む、被覆板紙材料を含む包装材料の製造方法が実現される。更なるステップでは、被覆板紙材料はプラスチックの最外層に積層される。更なる実施形態では、本方法は、上記の第１態様に関連して規定された顔料コーティング組成物成分を含む、被覆板紙材料を提供するステップを含む。

更なる実施形態では、本方法は、顔料コーティング組成物を塗布した後、印刷技術により被覆板紙材料に装飾図柄を設ける後続のステップを含む。更なる実施形態では、本方法はさらに、印刷された装飾図柄と一致する折り目線の繰り返しパターンを被覆板紙材料に設けるステップを含む。

更なる実施形態では、被覆板紙材料は、好ましくはアルミニウム箔などのガスバリア層として機能する層に積層される。好ましくは、板紙材料は、熱可塑性樹脂の中間層を用いて互いに層を溶融押出積層することによってガスバリア層に積層される。

更なる実施形態では、包装材料の製造方法は、被覆板紙材料を含むウェブ上への溶融押出コーティングによってプラスチックの最外耐熱層を塗布するステップを含む。

従って、本方法は広義の意味で、その一面が顔料、バインダー及びジルコニウム系架橋剤の印刷可能コーティングを有する紙のウェブを提供するステップと、印刷可能コーティングに任意の印刷インクの装飾図柄を設けるステップと、装飾図柄を備えるウェブを、ウェブの両面においてプラスチックの外側耐熱コーティングで被覆する更なるステップとを含む。

本発明による方法の１つの実用的実施形態では、装飾図柄を備えたウェブには、それがパッケージに再成形される場合に包装材料の折り畳み成形を容易にするために、装飾図柄と一致する折り目線のパターンが設けられる。

本発明による方法の更なる実用的実施形態では、装飾図柄及び折り目線を備えたウェブは、ガス、特に酸素ガスに対して優れた気密性を有する材料の少なくとも１つの追加の層で補充される。このような酸素気密材料の例は、エチレンビニルアルコールコポリマー（ＥＶＯＨ）及びポリアミド（ＰＡ）であってもよいが、好ましくは、アルミニウム箔、Ａｌｉｆｏｉｌが使用され、それは、紙又は板紙層とプラスチックの２つの外側コーティングのうちの１つとの間でウェブに積層される。アルミニウム箔は、包装材料を完成パッケージに再成形する際に、迅速で信頼できる効率的なシール技術である誘導加熱によって包装材料を熱シール可能にするという利点を提供する。

以下、添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。添付図面は、以下の通りである。

顔料被覆板紙材料層を含む、第１実施形態による包装材料の断面を概略的に示す図面である。 顔料被覆板紙材料層を含む、第２実施形態による包装材料の断面を概略的に示す図面である。 図１及び図２の包装材料の実施形態の何れか１つに組み込まれる顔料被覆板紙材料層の第１実施形態の断面を概略的に示す図面である。 図１及び図２の包装材料の実施形態の何れか１つに組み込まれる顔料被覆板紙材料層の第２実施形態の断面を概略的に示す図面である。 図１ａ又は図１ｂの包装材料から製造される包装容器の一実施形態を概略的に示す図面である。 図３ａに示すようなタイプの一般的なパッケージの成形、充填及びシールの原理を概略的に示す図面である。 図１ａ又は図１ｂの包装材料から製造される包装容器の一実施形態を概略的に示す図面である。 図４Ａ～４Ｃは包装材料を製造するそれ自体公知の方法を概略的に示し、図４Ａは、様々な導入加工操作のための方法の第１部分を示す。 図４Ａ～４Ｃは包装材料を製造するそれ自体公知の方法を概略的に示し、図４Ｂは、積層操作のための方法の第２部分を示す。 図４Ａ～４Ｃは包装材料を製造するそれ自体公知の方法を概略的に示し、図４Ｃは、更なる機械加工操作のための方法の第３部分又は仕上げ部分を示す。

従って、図１ａは、本発明の第１実施形態によるレトルト包装材料の非限定的な例の概略断面図である。包括参照番号１１０を与えられた包装材料は、硬質であるが折り畳み可能な紙のコア層１１１と、それぞれコア層の両面における外側耐熱層又はコーティング１１２及び１１３とを有する。

包装材料を印刷可能にし、従って、従来技術の技法及び従来技術の装置を使用する簡単な方法で任意の印刷インクの装飾図柄を印刷することができるように、本発明による包装材料１１０において印刷を意図したコア層１１１の面は、印刷可能コーティング１１４を担持する。顔料コーティング１１４は、顔料混合物、少なくとも１つのバインダー及びジルコニウム系架橋剤を含む。顔料混合物は、少なくとも４０重量％の炭酸カルシウムと、少なくとも１０重量％の例えば剥離カオリン粘土などのカオリン粘土とを含み、乾燥顔料コーティングの７５～９５重量％で添加される。バインダーは、乾燥コーティングの１０～２０重量％で添加されるスチレン／アクリレートコポリマーである。ジルコニウム系架橋剤は、乾燥コーティングの０．３～３重量％の量で添加される、炭酸ジルコニウムアンモニウム又は炭酸ジルコニウムカリウムである。顔料コーティングの最適な粘度特性を達成するために、アルカリ膨潤性アクリレートポリマー（ＡＳＥ）又はＣＭＣ（カルボキシメチルセルロース）などのアクリルコポリマーレオロジー調整剤を、乾燥顔料コーティングの０．０２～２．０重量％の少量で添加してもよい。

コア層１１１の印刷可能層１１４上に印刷された印刷インクの装飾図柄１１５を隠さないように、包装材料の外側耐熱層又はコーティング１１３は透明でなければならず、従って、その下にある装飾図柄１１５は、包装材料１１０の装飾側からの目視検査ではっきりと目に見え、明らかである。

透明な外側耐熱コーティング１１３に使用可能な材料は、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）ホモポリマー及びコポリマー、及び例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などのポリエステルを本質的に含む群から選択され得る。外側コーティング１１３は、好ましくは、２０～４５、例えば２５～３５ｇ／ｍ^２の厚さのポリプロピレンである。

それに対応して、包装材料１１０の他面上の耐熱外側コーティング１１２に使用可能な材料もまた、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）ホモポリマー及びコポリマー、及び例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などのポリエステルを本質的に含む群から選択され得る。このような外側耐熱層１１２及び１１３の良好な実施例は、印刷及び積層されたコアの板紙材料層１１１を含むウェブ基材に溶融押出コーティングによって塗布される（ＰＰ）ポリプロピレン層である。外側コーティング１１２はそして、２０～４０、例えば２５～３５ｇ／ｍ^２の厚さを有する。

特定の実施形態では、印刷可能コーティングは、１０～２０％の量のスチレンアクリルコポリマーのバインダー；８０～９０％の量の粘土及び炭酸カルシウムを含む顔料混合物；及び０．１～１％の量のレオロジー調整剤を含むことができ、全ての百分率の重量割合は、組成物の全重量に基づく。さらに、炭酸ジルコニウム架橋剤を、乾燥コーティングの０．６～１．５重量％の量で添加する。顔料コーティングの最適な粘度特性を達成するために、アルカリ膨潤性アクリレートポリマーなどのアクリルコポリマーレオロジー調整剤を、乾燥顔料コーティングの０．１～１．０重量％の少量で添加する。

図１ｂは、本発明の第２実施形態によるレトルト包装材料の非限定的な例の概略断面図である。包括参照符号１２０を与えられた包装材料は、紙又は板紙の硬質であるが折り畳み可能なコア層１２１と、それぞれコア層１２１の両面における外側耐熱層又はコーティング１２２及び１２３とを有する。

包装材料１２０を印刷可能にし、従って、従来技術の技法及び従来技術の装置を使用する簡単な方法で任意の印刷インクの装飾図柄を印刷することができるように、本発明による包装材料１２０において印刷を意図したコア層１２１の面は、印刷可能顔料コーティング１２４を有する。印刷可能顔料コーティング１２４は、顔料混合物、少なくとも１つのバインダー及びジルコニウム系架橋剤を含む。顔料は、少なくとも４０重量％の炭酸カルシウムと、少なくとも１０重量％の例えば剥離カオリン粘土などのカオリン粘土とを含む混合物であることができ、乾燥顔料コーティングの８０～９０重量％で添加される。バインダーは、乾燥コーティングの１２～１８重量％で添加されるスチレン／アクリレートコポリマーである。ジルコニウム系架橋剤は、乾燥コーティングの０．６～１．５重量％の量で添加される、炭酸ジルコニウムアンモニウム又は炭酸ジルコニウムカリウムである。顔料コーティングの最適な粘度特性を達成するために、アルカリ膨潤性アクリレートポリマーなどのアクリルコポリマーレオロジー調整剤を、乾燥顔料コーティングの０．１～１．０重量％の少量で添加することができる。

コア層１２１の印刷可能コーティング１２４上に印刷された印刷インクの装飾図柄１２５を隠さないように、包装材料１２０の外側耐熱層又はコーティング１２３は透明でなければならず、従って、その下にある装飾図柄１２５は、包装材料１２０の装飾図柄側からの目視検査ではっきりと目に見え、明らかである。

耐熱透明コーティング１２３に使用可能な材料は、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）ホモポリマー及びコポリマー、及び例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などのポリエステルを本質的に含む群から選択され得る。外側コーティング１２３は、好ましくは、２０～４５、例えば２５～３５ｇ／ｍ^２の厚さのポリプロピレンである。

それに対応して、包装材料１２０の他面の耐熱外側コーティング１２２に使用可能な材料もまた、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）ホモポリマー及びコポリマー、及び例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）などのポリエステルを本質的に含む群から選択され得る。このような外側耐熱層１１２及び１１３の良好な実施例は、印刷及び積層されたコアの板紙材料層１１１を含むウェブ基材に溶融押出コーティングによって塗布される（ＰＰ）ポリプロピレン層である。外側コーティング１２２はそして、２０～４０、例えば２５～３５ｇ／ｍ^２の厚さを有する。

図１ｂにおける第２実施形態による包装材料１２０は、コア層１２１の印刷可能コーティング１２４から離れる方向に面するコア層１２１の面上にガスバリアとして機能する層１２６を有する点で、図１ａにおける第１実施形態による包装材料とは異なる。一方の側では、ガスバリア層１２６は熱可塑性結合ポリマーの中間層１２７を介してコア層１２１に結合され、他方の側では、例えばカルボン酸官能性結合基又は部位を有する接着性ポリオレフィン系ポリマーなどの熱可塑性結合ポリマーの同様の中間層１２８を介して耐熱外側コーティング１２２に結合される。中間結合層は、好ましくは、ポリプロピレンなどのポリオレフィンの層であり、そして、１５～３５ｇ／ｍ^２、例えば２０～３５ｇ／ｍ^２の厚さを有する。官能化接着性ポリマーの更なる中間層１２８を、約３～８ｇ／ｍ^２の厚さで使用してもよい。

ガスバリアとして機能する層１２６は、例えばエチレンビニルアルコールコポリマー（ＥＶＯＨ）又はポリアミド（ＰＡ）などのそれ自体既知のタイプのバリアポリマーであってもよい。しかしながら好ましくは、層１２６はアルミニウム箔、Ａｌｉｆｏｉｌから構成され、それはまた、折り畳み成形及び熱シールによって包装材料をレトルトパッケージに再成形する際に、迅速で信頼できる効率的なシール技術である誘導シールによって包装材料を熱シール可能にするという有利な特性を提供する。

図２ａは、本開示による被覆板紙１の非限定的な実施形態を示す。被覆板紙１は、上層１１と底層１２とからなる基部板１０を含む。上層１１は、漂白クラフトパルプから作られる。底層１２は、未漂白パルプから作られる。基部板１０の上面には、ＣａＣＯ_３及び粘土の顔料混合物と、バインダーとして機能するスチレン／アクリレートコポリマーと、アクリル系レオロジー調整剤（増粘剤）と、架橋剤として機能する炭酸ジルコニウムアンモニウムとを含む上部顔料コーティング層１３が設けられている。基部板１０の底面には、同様に顔料混合物、バインダー及び増粘剤を含むが架橋剤を含まない底部顔料コーティング層１４が設けられている。上部顔料コーティング層１３は、高温での滅菌熱処理中、特にレトルト滅菌中にその上面１５上の印刷物の品質を維持するように適合されている。

図２ｂは、本開示による被覆板紙２の別の非限定的な実施形態を示す。被覆板紙２は、上層２１と下層２２とからなる基部板２０を含む。上層２１は、漂白クラフトパルプから作られる。底層２２は、未漂白パルプから作られる。基部板２０の上面には、２つの副層；基層２３ａ及び上部層２３ｂを含む上部顔料コーティング層２３が設けられている。上部層２３ｂは、ＣａＣＯ_３及び粘土の顔料混合物と、バインダーとして機能するスチレン／アクリレートコポリマーと、アクリル系レオロジー調整剤（増粘剤）と、架橋剤として機能する炭酸ジルコニウムアンモニウムとを含む。基層２３ａは、顔料混合物、バインダー及び増粘剤を含むが、架橋剤を含まない。基部板２０の底面には、基層２３ａと同じ構成要素を含む底部顔料コーティング層２４が設けられている。上部層２３ｂは、レトルト滅菌の間、その上面２５上の印刷物の品質を維持するように適合されている。

図３ａは、本開示の包装材料から製造される包装容器、すなわち、包装材料のウェブから形成されたチューブを連続的に成形、充填及びシールすることによって製造される液体又は半液体食品を有するパッケージの一実施形態、例えばＴｅｔｒａ Ｂｒｉｋ（登録商標）Ａｓｅｐｔｉｃ包装容器などを示す。このような容器は、充填、成形及びシールされ、パッケージと共に食品内容物を滅菌するために、さらにオートクレーブ又はレトルトにおいて滅菌処理を受けてもよい。あるいは、このような包装容器に、既に部分的に熱処理された高温の食品を充填し、充填後にまた、その内容物を有する充填及びシールされたパッケージが完全に滅菌されたと考えられるまで所定の時間にわたって高温に維持してもよい。このようないわゆる「低温殺菌を伴う熱間充填」処理はしばしば、８０～１００℃の温度での充填及びシールされたパッケージの熱処理によって行われる。

図３ｂは、図３ａに関連して説明したような、また本願の序文にも記載したような、パッケージを成形、充填及びシールする原理を示しており、すなわち、包装材料のウェブを、プラスチック層１１２；１２２及び１１３；１２３の相互に対向する面を互いに溶融させることによって、ウェブの長手方向縁部３２を重なり合った継ぎ目３３において互いに一体化させてチューブ３１に成形する。チューブを目的とする液体又は半液体食品で充填し３４、チューブ内に充填された内容物のレベルより下において互いに所定の距離でチューブの横方向シール３５を繰り返すことで、連続した枕状の個々のパッケージに分割する。このようにして、横方向シール３５は、充填された液体又は食品内容物を通るチューブの長手方向に対して横方向にチューブを繰り返し圧着及び熱シールすることによって形成される。パッケージ３６は、横方向シール内の切込みによって分離され、一般に材料中の準備された折り目線に沿った折り畳み成形によって、少なくとも１つの更なる折り畳み成形及び熱シールステップを用いて所望の幾何学的形状を直方体形状又は平行六面体形状にする。このタイプの１回使用のパッケージのよく知られている例は、Ｔｅｔｒａ Ｂｒｉｋ（登録商標）Ａｓｅｐｔｉｃの名称で販売されている市販パッケージである。包装容器は特に、飲料、ソース、スープなどに適している。典型的には、このようなパッケージは、約１００～１０００ｍｌの容量を有する。それは任意の構成であってもよいが、好ましくは平行六面体であり、それぞれ長手方向及び横方向のシール３３及び３５を有し、場合により開口装置を有する。

図示されていない別の実施形態では、包装容器はくさび形状にされ得る。このような「くさび形状」を得るために、パッケージの底部のみが折り畳み成形され、従って、底部の横方向熱シールが三角コーナーフラップの下に隠され、それは、パッケージの底部に対して折り畳まれシールされる。頂部の横方向シールは、折り畳まれない状態にされる。このように、半分折り畳まれた包装容器は依然として取り扱いやすく、食料品店内の棚又はテーブルなどに置いた場合に寸法的に安定している。

図３ａにおいて上述した図３ｂに関連するこのような包装容器にはまた、適切な開口装置、例えば、開けるときに包装材料を貫通及び除去して包装した製品を空にすることを可能するスクリューキャップを設けることができる。この目的のために、積層された包装積層体は、積層体のポリマーとバリア層との間に積層されている板紙層に穿孔を有することができる。あるいは、充填プロセスの直前に積層包装材料に穴をあけ、その後、包装材料の両面においてその穴にテープ又はプルタブを設ける。包装容器が充填及びシールされた後、ヒンジ又はスクリューキャップの形態の開口装置を、覆われた穴の上に適用することができる。あるいは、充填プロセス中に直接打ち抜かれた穴に流し込まれる開口装置が適用される。包装容器に開口装置を設ける必要はなく、裂開穿孔（ｔｅａｒ ｐｅｒｆｏｒａｔｉｏｎ）によって、又は切断によって裂開することもできる。

更なる実施形態によれば、包装容器は上記のように製造することができるが、その最終形状として、包装単位が互いに分離された後に直接得られるために折り畳みによってさらに成形されない枕形状を保持する。また、このようなパッケージは、充填した食品と共に充填後に加熱滅菌してもよく、従って本開示の特徴を有する必要がある。このようなパッケージは一般に、薄い板紙又は紙材料を用いて製造されるため、積層された層に関して、またポリマー層の機械的強度特性、特に弾性特性に関して、包装材料の接着性及び完全性に対する大きな要求を伴う。

通常、このようなパッケージは、直方体又はくさび形の包装容器を形成するのに十分なほど寸法的に安定ではなく、横方向シール後に折り畳み形成されない。従って、それは枕状のパウチのような容器の状態のままであり、このようにして流通及び販売される。

図３ｃは、本開示の包装材料から製造される包装容器、すなわち、後続のオートクレーブ又はレトルト加熱滅菌処理が意図された、例えばレトルト性のＴｅｔｒａ Ｒｅｃａｒｔ（登録商標）包装容器などの、予め切断されたパッケージブランクの断続的な成形、充填及びシールによって製造されるパッケージの別の好ましい実施形態を示す。

従って、図示の包装容器は、Ｔｅｔｒａ Ｒｅｃａｒｔ（登録商標）の名称で市販されているタイプの、実質的に直方体又は平行六面体の包装容器である。

包装容器は、本開示による包装積層体の予め製造され平らに折り畳まれた包装ブランクから製造され、この包装ブランクは最初に、ブランクの対向縁部を重ね合わせることにより長手方向シールを形成することによって、開放チューブ状容器カートンに折り畳み成形される。チューブ状容器カートンの一方の端部（例えば底端部）は、液密で実質的に平坦な底部閉鎖部を形成するために、チューブ状容器カートンの対応する端部パネルの折り畳み成形及び熱シールによってシールされる。このようにして底部が設けられた容器カートンには、続いて関連する食品が充填され、充填された容器カートンの他方の端部は、図３ｃに示すように、液密で実質的に平坦な上部シール４１０を形成するために、容器カートンの対応する端部パネルの追加の折り畳み成形及び熱シールによってシールされる。

図４Ａ、図４Ｂ及び図４Ｃは共に、包装材料を製造するそれ自体公知の方法を概略的に示す。従来技術の方法は、図示の例では、様々な導入機械的製造プロセスのための第１の製造ライン（図４Ａ）、必要なコーティング操作及び積層操作のための第２の製造ライン（図４Ｂ）、及び更なる機械的加工操作のための第３又は仕上げの製造ライン（図４Ｃ）を含む。

図４Ａにおいて、紙のウェブ４１を、図の左側のマガジンリール４２から解く。ウェブ４１は矢印の方向において第１の加工ステーション４３に導かれ、ここで、例えばフレキソ印刷、オフセット印刷、リソグラフィなどの適切な印刷技術によって、ウェブの一面に任意の印刷インクの装飾図柄が設けられる。このような印刷技術は当業者に公知であるため、更なる詳細な説明は必要ない。同じ加工ステーション４３又は隣接するその関連場所で、ウェブ４１にはまた折り目線のパターンが設けられ、それはウェブ４１の装飾図柄と一致してウェブ４１上に適用される。

加工ステーション４３から、こうして装飾図柄及び折り目線を備えたウェブ４１ａはさらに、保管リール４４上での巻き取り及び中間保管のために、図４Ａの右側に導かれる。

保管リール４４は、図４Ｂに示すように、第２の製造ラインに移送される。図の左側の保管リール４４から、装飾図柄及び折り目線を備えたウェブ４１ａが解かれて導かれ、積層ステーション４９において２つの回転ローラ４７及び４８の間のニップで、マガジンリール４５から解かれたアルミニウム箔４６で被覆される。ウェブ４１ａ及びアルミニウム箔４６は、溶融ポリマーバインダー５０が押出機装置（図示せず）によって押出ダイ５０ａを介してそれらの間に押出されるのと同時に、ニップを通って共に導かれる。

積層ステーション４９から、積層ウェブ４１ｂは、１つ以上の曲げローラ５１を介して第１のコーティングステーション５２ａに導かれ、そこでウェブ４１ｂは、押出機装置（図示せず）によって押出ダイ５５ａを介してウェブ上に押し出される外側耐熱層５５でウェブの一面が被覆されるのと同時に、２つの回転ローラ５３及び５４の間のニップを通って導かれる。第１のコーティングステーション５２ａから、このようにして積層及び被覆されたウェブ４１ｃは第２の積層ステーション５２ｂに送られ、そこでウェブ４１ｃは、押出機装置（図示せず）によって押出ダイ５８ａを介してウェブ上に押し出される外側耐熱層５８でウェブの他面が被覆されるのと同時に、２つの回転ローラ５６と５７の間のニップを通って導かれる。本方法の代替実施形態では、積層ウェブ４１ｂには、他の順序で外側耐熱層が被覆されてもよく、すなわち、最初にコーティングステーション５２ｂで外側層５８を塗布し、続いて第２のコーティングステーション５２ａで外側層５５を塗布してもよい。最後のコーティングステーション５２ｂから、又は適用可能な場合には５２ａから、被覆及び積層されたウェブ４１ｄは、リール６０上での更なる巻き取り及び中間保管のために、１つ以上の曲げローラ５９を介して導かれる。

保管リール６０は、図１Ｃに示すように、第３の製造ラインに移送される。保管リール６０から、ウェブ４１ｄは解かれ、１つ以上の追加の機械加工ステーション（概略的に６１で示される）に導かれ、そこで、ウェブ４１が完成した顧客に適合したマガジンリール６２に最終的に巻き取られる前に、ウェブ４１ｄは、場合により必要とされるトリミング、修理及び微調整操作を受ける。

上記の方法での良好に機能し良好に装飾された包装材料の製造を可能にするために、本発明によれば、印刷を意図するウェブの面には、顔料、ポリマーバインダー、コーティングのレオロジー特性を改変する能力を有する任意の物質（「レオロジー調整剤」）、及びジルコニウム系架橋剤を含む印刷可能顔料コーティングが設けられる。

実施例では、以下の特徴の板紙を使用した：
層数 ２
秤量（ＩＳＯ５３６） ２２５～２４５ｇ／ｍ^２
厚さ（ＩＳＯ５３４） ２９０～３２０μｍ
密度（ＩＳＯ５３４） ７４０～８００ｋｇ／ｍ^３

上層を、漂白硬材硫酸塩パルプと漂白軟材硫酸塩パルプとの混合物から形成し、底層を、未漂白軟材硫酸塩パルプとパルプ化破砕物（ｐｕｌｐｅｄ ｂｒｏｋｅ）の混合物から形成した。パルプの繊維をＨＣ精製及び／又はＬＣ精製（高／低コンシステンシー精製）で機械的に処理した。板を内部的にＡＫＤでサイジングした。板の生産に使用される他の紙化学物質は、ＴｉＯ_２、ミョウバン、重炭酸塩、デンプン及びＢＭＡであった。

［パイロットコーティング試験］
パイロットコーティング試験をパイロットコーティング機で行い、使用した被覆されていない基部板は、加熱滅菌用パッケージ向けの上記特徴を有する、液体包装用の市販の被覆されていない板であった。パイロットコーティング機において、基部板を、印刷面／上面において２層、１０ｇ／ｍ^２（プレコーティング層）＋１０ｇ／ｍ^２（印刷用の上部コーティング層）で顔料被覆し、また、裏面において１層、５～８ｇ／ｍ^２で顔料被覆した。様々な顔料コーティング組成物は、顔料混合物、バインダー及び増粘剤／レオロジー調整剤を含んでいた。顔料混合物は、コーティング組成物の乾燥重量の８５～８７％の量であった。バインダーは、コーティング組成物の乾燥重量の１２～１４％の量であった。パイロット試験の幾つかでは、上面／印刷面に塗布されたコーティング組成物は、添加剤をさらに含んでいた。ある事例では、板の上面／印刷面に塗布された２つの顔料コーティング層の上部層のみが添加剤を含んでいた。添加する場合、添加剤はコーティング組成物の乾燥重量の０．８～０．９％の量であった。

含まれる場合、添加剤はポリビニルアルコール（ＰｖＯＨ）又は炭酸ジルコニウムアンモニウム（ＡＺＣ）の何れかであった。特定のＰｖＯＨ製品は、Ｋｕｒａｒａｙ Ｅｕｒｏｐｅ Ｎｏｒｄｉｃ ＡＢ ＯｙのＭｏｗｉｏｌ ６／９８としても知られているＫｕｒａｒａｙ Ｐｏｖａｌ ６－９８であり、特定のＡＺＣ製品は、Ｂｒｅｎｎｔａｇ Ｎｏｒｄｉｃ ＡＢのＺｉｒｌｉｎｋであった。この事例での試験は、炭酸ジルコニウムアンモニウム製品Ｚｉｒｌｉｎｋを用いて行ったが、ジルコニウム金属イオンに基づく他の化学物質を代わりに使用してもよい。このような他の化学物質には、例えば、炭酸ジルコニウムカリウム製品が含まれる。

本試験における顔料混合物は、５～４０重量％の剥離カオリン粘土（「粘土」）及び６０～９５重量％の炭酸カルシウム（「ＣａＣＯ_３」）を含んでいた。

バインダーは、コーティング組成物を調製するときにスチレン－ブタジエンラテックス（Ｓｔｙｒｏｎ ＳＢ ９４３７８）として提供されるスチレン－ブタジエンコポリマー（「ＳＢ」）、又は組成物を調製するときにスチレン／アクリレートラテックス（Ｓｔｙｒｏｎ ＳＡ ９５０８５．０１）として提供されるスチレン／アクリレートコポリマー（ＳＡ）の何れかであった。

増粘剤は、コーティング組成物を調製するときにアルカリ膨潤性アクリレートポリマーエマルションとして提供されるアクリレートポリマー（Ｃｏａｔｅｘ Ｒｈｅｏｃｏａｔ（商標）６６、「ＡＳＥ」）、又はカルボキシメチル化セルロース（ＣＰ Ｋｅｌｃｏ ＯｙのＦｉｎｎｆｉｘ １０、「ＣＭＣ」）の何れかであった。アクリル系増粘剤を添加する場合、それはコーティング組成物の乾燥重量の０．２％の量であった。ＣＭＣを添加する場合、それはコーティング組成物の乾燥重量の０．８～０．９％の量であった。

３つのパイロットコーティング試験（「パイロット１」、「パイロット２」及び「パイロット３」）からの顔料被覆板紙の試料を提供し、下記のように試験した。

［フルスケール試験］
フルスケール試験を、上記特性に従って、１つの漂白された上層及び１つの未漂白の底層を有する２層抄紙機で行った。

抄紙機のコーティングセクションにおいて、基部板の両面を顔料被覆した。プレコーティング層（１０ｇ／ｍ^２）及び上部コーティング層（１０ｇ／ｍ^２）を印刷面／上面に塗布し、低被覆重量（５～８ｇ／ｍ^２）の１層を裏面に設けた。顔料コーティング組成物は、パイロット試験に関連して上述したように、顔料混合物、バインダー及び増粘剤のうちの１つを含んでいた。顔料混合物は、コーティング組成物の乾燥重量の８５～８６％の量であった。バインダーは、コーティング組成物の乾燥重量の１３～１４％の量であった。アクリル系増粘剤を添加する場合、それはコーティング組成物の乾燥重量の０．２％の量であった。ＣＭＣを添加する場合、それはコーティング組成物の乾燥重量の０．９％の量であった。

６回のフルスケール試験のうちの５回において、上部コーティング組成物は、コーティング組成物の乾燥重量の０．９％に相当する量の添加剤ＡＺＣをさらに含んでいた。

６つのフルスケール試験（「Ｆｓｃ１」～「Ｆｓｃ６」）からの顔料被覆板紙の試料を提供し、下記のように試験した。

［試験］
上記の顔料被覆板紙の試料の黄変を、試料を１５０℃のオーブンで１時間熱処理した後、ＳＳ－ＩＳＯ５６３１－２に従って光学特性ｂ^＊を測定することにより分析した。６未満のｂ^＊値を許容可能であると考慮した。また試料を印刷し、積層及びレトルト前の印刷品質を目視検査によって評価した。積層前の印刷品質を、ドットゲイン、色濃度などのパラメータを含むすべての包装材料製造における印刷品質評価のためのＴｅｔｒａ Ｐａｋ世界標準基準に従って決定した。

最後に、試料材料を積層し、パッケージを調製し、レトルト処理した。

被覆及び印刷した板紙を、ポリプロピレンの中間層を有して、溶融押出積層によって厚さ９μｍのアルミニウム箔に積層した。中間層の表面重量は約２５ｇ／ｍ^２であった。この板紙をさらに、印刷面上のポリプロピレンポリマー層の透明な外側耐熱層と、アルミニウム箔の他面上の（パッケージ内側の）ポリプロピレンポリマー層の更なる透明な外側耐熱層とを有して、溶融押出コーティングによって積層した。内側のポリプロピレン層を、接着剤ポリマーの約４ｇ／ｍ^２の厚さの中間層、又は無水マレイン酸官能性結合基を有するポリオレフィン系ポリマーのいわゆる「タイ」層と共に、アルミニウム箔上に同時押出コーティングによって塗布する。印刷面上のポリプロピレンポリマーの透明な外側耐熱層を、２７５℃の平均温度及び約３００～４００ｍ／分のウェブ速度で、且つ表面重量約３０ｇ／ｍ^２で押出コーティングによって塗布する。包装材料の他面上、内側に塗布されるポリプロピレンの外側層を、表面重量約３５ｇ／ｍ^２で塗布した。

包装容器を、積層包装材料から成形し、熱シールし、水を充填し、上記のようにシールし、最大約４バールの過圧で最大約２時間の全プロセス時間にわたって最大限の過酷なレトルト処理に曝した。蒸気及び蒸気－水の混合物を、レトルトサイクル中にパッケージを加熱するために使用し、パッケージを冷却するために水を使用した。

レトルト処理されたパッケージにおけるインクの剥離を目視検査によって評価した。

１０００個のパッケージのうち、印刷された装飾層（装飾図柄）に以下の一般的な方法で記述することができる欠陥を有することが許容されるのは最大１６％である：「かすかに見える」から「はっきりと見える」、すなわち、最大約４ｍｍ長さ及び２ｍｍ幅のサイズの欠陥を有する。

１０００個のパッケージのうち、以下の一般的な方法で記述することができる欠陥を有することが許容されるのは０％である：「はっきりと見える」、すなわち約４～５ｍｍ長さ及び４ｍｍ幅のサイズを有する。従って、許容できない欠陥は、品質が「許容できない」との判断につながる。

印刷された装飾層内の凝集破壊は、包装材料の応力位置での視覚的コントラスト差をもたらし、従って積層及びレトルト処理後にパッケージにおいてこれらの欠陥が見られると考えられている。

結果を以下の表に示す。

上の表に見られるように、顔料混合物中の粘土の量が５％よりも高いという条件でＡＺＣが上部コーティングに添加された場合に、「積層及びレトルト処理前の印刷品質」及び「レトルト処理後のインクの剥離」の両方が許容可能であった。ここで、許容可能な剥離とは、影響力のない（ｉｎｓｉｇｎｉｆｉｃａｎｔ）剥離を指す。さらに、コーティング中にＡＺＣを添加した試料の熱処理後には、著しい黄変は得られなかった。両タイプのレオロジー調整剤（「ＡＳＥ」及び「ＣＭＣ」）で成功した結果が得られた。しかしながら、ＣＭＣは時折より多くの黄変を引き起こすので、アクリル系レオロジー調整剤が一般に好ましいと考えられる。さらに、ＣＭＣは、１回の実験において、アクリル系レオロジー調整剤よりも多くのインク剥離を伴う。

表から、アクリル系バインダー、特にスチレン／アクリレートコポリマーが好ましいと結論付けることもできる。

このように、ウェブから又は包装材料の予め製造されたブランクから完成パッケージを成形、充填及びシールする現代の包装及び充填機を用いて、包装材料からパッケージを製造することができる。

例えばウェブから、幾つかの実施形態では、機械的に強い液密シーリングジョイント（「オーバーラップジョイント」）に向かって折り畳まれて互いに結合されたウェブの両方の長手方向縁部によってウェブが最初にチューブに再成形されて、パッケージが製造される。チューブには、任意の食品が充填され、チューブの長手方向を横切って且つチューブの充填レベルの下で、チューブを横方向に繰り返しシールすることによって、クッション形状の包装単位に分割される。包装単位は、横方向シール領域内の切込みによって互いに分離され、付加的な折り畳み成形及び熱シール操作によって所望の幾何学的外形、通常平行六面体が与えられる。

これに対応して、一実施形態によれば、パッケージは、包装材料の平らに折り畳まれシールされたチューブ状ブランクから製造される。平らに折り畳まれたブランクは、その一端（例えば下端）が包装カートンの折り畳み可能な底パネルの折り畳み成形及び熱シールによってシールされている開いた包装カートンに起こされる。底部を備えた包装カートンには食品が充填され、その後、包装カートンの対応する折り畳み可能な頂部パネルの折り畳み成形及び熱シールによって、包装カートンの開放端（この例では上端）がシールされる。

本発明による包装材料は、包装材料からのレトルトパッケージの製造を意図している。特に、包装材料の折り畳み成形及び熱シールによって得られるレトルトパッケージが提供される。包装材料は特に、野菜、ペースト、スープ、ピューレなどの食品用のこのようなパッケージを意図している。ドッグフード及びキャットフードもまた、このようなレトルトパッケージ内に包装及び保管されるよう意図されている。

本発明の精神及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの変更が考えられる。

１１０、１２０ 包装材料
１１１、１２１ コア層
１１２、１１３、１２２、１２３ 外側耐熱層又はコーティング
１１４、１２４ 印刷可能コーティング、顔料コーティング
１１５、１２５ 装飾図柄
１２６ ガスバリア層
１２７、１２８ 中間層
１、２ 被覆板紙
１０、２０ 基部板
１１、２１ 上層
１２、２２ 底層
１３、２３ 上部顔料コーティング層
１４、２４ 底部顔料コーティング層
１５、２５ 上面
２３ａ 基層
２３ｂ 上部層
３１ チューブ
３２ 長手方向縁部
３３ 重なり合った継ぎ目、長手方向シール
３４ 充填
３５ 横方向シール
３６ パッケージ
４１０ 上部シール
４１、４１ａ、４１ｂ、４１ｄ ウェブ
４２、４５、６２ マガジンリール
４３ 第１の加工ステーション
４４、６０ 保管リール
４６ アルミニウム箔
４７、４８、５３、５４、５６、５７ 回転ローラ
４９ 積層ステーション
５０ 溶融ポリマーバインダー
５０ａ、５５ａ、５８ａ 押出ダイ
５１、５９ 曲げローラ
５２ａ 第１のコーティングステーション
５２ｂ 第２の積層ステーション
５５、５８ 外側耐熱層
６１ １つ以上の追加の機械加工ステーション

Claims (19)

1. パッケージ及びその内容物の共滅菌に適合した、レトルトパッケージ用包装材料であって、
   前記包装材料は、プラスチックの第１の最外層、板紙材料、前記板紙材料上に被覆された顔料コーティング、及びプラスチックの第２の最外層を含み、
   前記顔料コーティングは、顔料混合物、少なくとも１つのバインダー及びジルコニウム系架橋剤を含み、前記顔料混合物は、少なくとも４０重量％の炭酸カルシウム及び少なくとも１０重量％の粘土を含み、
   前記顔料コーティング上に、印刷インクの装飾図柄が印刷されてなる、包装材料。
2. 前記顔料コーティングの被覆重量は、５～３０ｇ／ｍ^２、又は８～３０ｍ^２、例えば１０～３０ｍ^２、又は１７～２３ｇ／ｍ^２である、請求項１に記載の包装材料。
3. 前記顔料混合物は、前記顔料コーティングの乾燥重量の７５～９５％、又は８０～８８％の量である、請求項１又は２に記載の包装材料。
4. 前記少なくとも１つのバインダーは、前記顔料コーティングの乾燥重量の１０～２０％、又は１２～１８％の量である、請求項１～３の何れか１項に記載の包装材料。
5. 前記ジルコニウム系架橋剤は、前記顔料コーティングの乾燥重量の０．３～３％、又は０．６～１．５％、又は０．７５～１．０％の量である、請求項１～４の何れか１項に記載の包装材料。
6. 顔料及びバインダーを含むプレコーティング層が、前記板紙材料の上面と印刷のための面を形成する前記顔料コーティングとの間に設けられる、請求項１～５の何れか１項に記載の包装材料。
7. 前記顔料コーティングは、少なくとも１つのレオロジー調整剤をさらに含む、請求項１～６の何れか１項に記載の包装材料。
8. 前記少なくとも１つのレオロジー調整剤は、前記顔料コーティングの乾燥重量の０．０５～２．０％、又は０．１～１．０％の量である、請求項７に記載の包装材料。
9. 前記少なくとも１つのレオロジー調整剤は、ＣＭＣ又はアルカリ膨潤性アクリレートポリマーである、請求項７又は８に記載の包装材料。
10. 前記板紙材料は、アルキルケテンダイマー（ＡＫＤ）、アルケニルコハク酸無水物（ＡＳＡ）又はそれらの組み合わせによる処理から疎水化される、請求項１～９の何れか１項に記載の包装材料。
11. 前記顔料混合物は、少なくとも５０重量％の炭酸カルシウム及び少なくとも１５重量％の粘土、又はカオリン粘土を含む、請求項１～１０の何れか１項に記載の包装材料。
12. 前記少なくとも１つのバインダーは、アクリルコポリマー、スチレン－ブタジエンコポリマー、メチルメタクリレート－ブタジエンコポリマー、又はスチレン／アクリレートコポリマーである、請求項１～１１の何れか１項に記載の包装材料。
13. 前記顔料混合物は少なくとも６０重量％の炭酸カルシウムを含み、前記少なくとも１つのバインダーはアクリルコポリマーであり前記顔料コーティングの乾燥重量の１２～１８％の量であり、前記顔料コーティングはアクリル系レオロジー調整剤を含む、請求項１～１２の何れか１項に記載の包装材料。
14. 前記少なくとも１つのバインダーは、スチレン／アクリレートコポリマーである、請求項１～１３の何れか１項に記載の包装材料。
15. 前記ジルコニウム系架橋剤は、炭酸ジルコニウムアンモニウム又は炭酸ジルコニウムカリウムである、請求項１～１４の何れか１項に記載の包装材料。
16. ガスバリアとして機能する少なくとも１つの層、又はアルミニウム箔をさらに含む、請求項１～１５の何れか１項に記載の包装材料。
17. 請求項１～１６の何れか１項に記載の包装材料から製造される、レトルトパッケージ。
18. 請求項１～１６の何れか１項に記載の包装材料の製造方法であって、板紙材料の上面に顔料コーティング組成物を塗布するステップであって、前記顔料コーティング組成物は、顔料混合物、少なくとも１つのバインダー及びジルコニウム系架橋剤を含み、前記顔料混合物は、少なくとも４０重量％の炭酸カルシウム及び少なくとも１０重量％の粘土を含む、ステップと、プラスチックの最外層を塗布するステップと、印刷技術により前記顔料コーティング上に装飾図柄を設けるステップと、を含む、方法。
19. 前記板紙材料がガスバリア層として機能する層に積層される更なるステップを含む、請求項１８に記載の方法。

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