JP2018119749A - 給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流量の減少時に給湯装置の出湯温度を適切に制御することである。【解決手段】コントローラ300は、流量センサ150の出力を周期的にサンプリングして検出流量値を取得するとともに、検出流量値の変化量を増幅するように推定流量値を算出する。コントローラ300は、少なくとも1本のバーナ30が燃焼する加熱状態において、検出流量値が第1の基準流量値よりも低いときに、バーナ30の燃焼が停止される加熱停止状態を維持する。さらに、コントローラ300は、検出流量値が第1の基準流量値よりも高く、かつ、推定流量値が第1の基準流量値よりも低いときには、一時的な加熱停止状態を形成するとともに、一時的な加熱停止状態中における推定流量値の時間積分値が基準水量値を超えると、加熱停止状態から加熱状態への切替を実行する。【選択図】図1

Description

この発明は給湯装置に関し、より特定的には、流量センサの検出値を用いて加熱機構を制御する給湯装置に関する。
従来、給湯装置は、給湯栓(カラン)の開栓等に応じて給湯装置内の通過流量が変化するのに応じて、ガスバーナ等の加熱機構における発生熱量を制御することによって、出湯温度を設定温度に維持するように構成される。特に、通過流量がいわゆる最低作動流量(MOQ)よりも低い場合には、ガスバーナの燃焼停止等によって、加熱機構での発生熱量が零に制御される。
一方で、流量検出のために主に用いられる羽根車式の流量センサ等では、羽根車の慣性等の機構上の問題により、流量変化時に検出遅れが発生することが避けられない。この結果、加熱機構での発生熱量の制御に遅れが生じることによって、出湯温度が設定温度から外れることが懸念される。
このため、特許文献1(特開2014−137205号公報)では、各種センサの影響によって出湯温度のセンサ検出値に生じた無駄時間遅れを補償したフィードバック制御によって、加熱機構の発生熱量を調整する技術が記載されている。また、特許文献2(特開平1−247947号公報)には、流量センサを配置することなく、加熱量一定に保持される期間における湯温の勾配に基づいて推定された流量を用いて湯温を制御する技術が記載されている。
特開2014−137205号公報 特開平1−247947号公報 特許第6037158号公報 特許第5924531号公報
特に、給湯栓の操作等によって急激に流量が絞られた場合には、この流量減少に適切に対応した温度制御が困難になることが懸念される。具体的には、流量センサの検出遅れによって、加熱機構の発生熱量を減少するタイミングが遅れると給湯装置内で過加熱が発生する虞がある。
一方で、過加熱を回避するために、流量センサの検出値の変化を増幅する態様で求められた推定流量を制御に適用すると、過渡的に過小に推定された流量に基づいて加熱を停止することによって、却って出湯温度が設定温度よりも低下することが懸念される。
これらの課題に対して、特許文献1によるフィードバック制御、および、特許文献2のように流量センサを配置しない構成では、出湯温度が変化してからの制御動作となるので、流量の急激な変化に対応して出湯温度を維持することは困難である。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、流量の減少時に給湯装置の出湯温度を適切に制御することである。
この発明のある局面では、給湯装置は、通流する水を加熱する加熱機構と、流量センサと、制御装置とを備える。流量センサは、加熱機構を通過する水量の変化に応じて流量が変化する通水路の流量を検出する。制御装置は、流量センサによる検出流量値と、検出流量値に基づいて検出流量値の変化量を増幅するように算出された推定流量値とを用いて、加熱機構を加熱状態から加熱停止状態に切替える制御を行なう。制御装置は、第1から第3の制御を実行する。第1の制御は、検出流量値が第1の基準流量値よりも低いときに加熱機構を加熱停止状態に維持する。第2の制御は、検出流量値が第1の基準流量値よりも高く、かつ、推定流量値が第2の基準流量値よりも低下すると加熱機構を一時的な加熱停止状態とする。第3の制御は、第2の制御による加熱停止状態の期間中における推定流量値の時間積分値が予め定められた基準水量値を超えると、加熱機構を加熱停止状態から加熱状態へ切替える。
上記給湯装置によれば、検出流量に基づく加熱オンオフ制御(第1の制御)に、流量センサでの検出遅れに起因する缶体温度上昇の保護制御(第2の制御)を適用して流量減少時における過加熱を防止することができる。さらに、第3の制御によって一時的な加熱停止状態からの復帰を制御することにより、一時的な加熱停止制御(第2の制御)による一時的な加熱停止に起因する出湯温度のアンダーシュートを抑制することができる。この結果、流量減少時における出湯温度を適切に制御することができる。
たとえば、制御装置は、所定周期ごとに取得された検出流量値を用いて、今回取得された第1の検出値と前回取得された第2の検出値との偏差に係数を乗じた値を第1の検出値に加算することによって所定周期ごとに推定流量値を算出することができる。ここで、係数は、検出流量値の実流量に対する応答遅れの時定数と、所定周期との比率に基づく正の所定値である。
好ましくは、基準水量値は、加熱機構の加熱対象部が保有する水量に対応して定められる。
このように構成すると、一時的な加熱状態の開始時点における加熱機構での加熱済の水量に対応して、一時的な加熱停止によるアンダーシュートを抑制するための適正な基準水量値を定めることができる。
また好ましくは、加熱機構は、燃料の燃焼によって熱量を発生する燃焼機構と、一次熱交換器と、二次熱交換器とを含む。一次熱交換器は、燃焼機構からの熱量によって通流する流体が加熱されるように配置される。二次熱交換器は、燃焼機構に対して一次熱交換器を間に挟んで配置される。流体は、二次熱交換器を通過した後に一次熱交換器を通流する。基準水量値は、一次熱交換器における燃焼機構からの受熱部分による水の保有体積に対応して定められる。
このように構成すると、いわゆる顕熱回収型の熱交換器を備えた給湯装置において、一時的な加熱停止によるアンダーシュートを抑制するための適正な基準水量値を定めることができる。
あるいは好ましくは、加熱機構は、燃料の燃焼によって熱量を発生する燃焼機構と、熱交換器とを含む。熱交換器は、燃焼機構からの熱量によって通流する流体が加熱されるように配置される。熱交換器における流体の燃焼機構からの受熱部分は、流体の通流方向の上流側から下流側へ向かって複数の領域に分割される。燃焼機構は、複数の領域の各々に対応させて燃焼をオンオフするための能力切替手段を含む。能力切替手段は、加熱機構での要求発生熱量に応じて、複数の領域のうちの燃焼がオンされる領域の組み合わせが異なる複数の能力段のうちの1つを選択するように制御される。第1の制御は、複数の能力段のうちの所定の能力段が選択されている場合において、検出流量値が第1の基準流量値よりも高く、かつ、推定流量値が第2の基準流量値よりも低下したときに、加熱機構を一時的に加熱停止状態とするように実行される。所定の能力段は、複数の領域のうちの最も上流側に位置する領域および複数の領域のうちの燃焼オン時における流体の受熱量が最大である領域の少なくとも一方において燃焼がオンされる能力段を含む。
このように構成すると、能力段切替制御との組み合わせにおいて、出湯温度にアンダーシュートが生じる可能性がある缶体温度上昇の保護制御(第2の制御)の適用条件を、能力段切替制御における温度過上昇のリスクが高い状況に限定して定める上記第3の制御によって一時的な加熱停止状態から加熱状態へ復帰することができる。この結果、出湯温度のアンダーシュートをさらに抑制することができる。
この発明によれば、流量の減少時に給湯装置の出湯温度を適切に制御することができる。
本発明の実施の形態に従う給湯装置の概略構成図である。 図1に示された一次熱交換器の概略的な構造を説明する斜視図である。 図2の構造を有する一次熱交換器を上部から見た概念図である。 本発明の実施の形態に従う給湯装置における出湯温度制御の機能ブロック図である。 本実施の形態に従う給湯装置における流量センサの検出遅れへ対応するための推定流量値の算出を説明するための波形図である。 本実施の形態に従う給湯装置における加熱オンオフ制御を説明するためのフローチャートである。 実施の形態1に従う加熱オンオフ制御を説明するための状態遷移図である。 図7の状態遷移図に従う加熱オンオフ制御例を説明する概念的な波形図である。 実施の形態2に従う燃焼機構の能力段制御による燃焼バーナ本数の切替例を説明する図表である。 図9に示した能力段制御におけるガス流量の設定例を説明する概念図である。 実施の形態2に従う加熱オンオフ制御を説明するための状態遷移図である。 能力段の切替シーケンスの一例を説明する概念図である。
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に従う給湯装置の概略構成図である。
図1を参照して、給湯装置100は、加熱機構20等が格納された燃焼缶体(以下、単に「缶体」とも称する)5と、送風ファン40と、入水管50と、缶体配管55と、バイパス管60と、出湯管70と、バイパス弁80と、コントローラ300とを備える。本実施の形態では、加熱機構20は、熱交換器10および複数のバーナ30を含んで構成される。複数のバーナ30は「燃焼機構」の一実施例に相当する。
入水管50は、バイパス弁80を経由して、缶体配管55およびバイパス管60と接続される。入水管50には、水道水等の低温水が供給される。入水管50の低温水は、バイパス弁80を経由して、缶体配管55およびバイパス管60へ分配される。
缶体配管55は、熱交換器10に接続される。熱交換器10は、一次熱交換器11および二次熱交換器12を有する。入水管50から缶体配管55へ導入された低温水は、バーナ30の発生熱量により、熱交換器10を通過することによって加熱される。
バーナ30へのガス供給管31には、元ガス電磁弁32、ガス比例弁33および、能力切替弁35a〜35cが配置される。元ガス電磁弁32は、バーナ30への燃料ガスの供給をオンオフする機能を有する。ガス供給管31のガス流量は、ガス比例弁33の開度に応じて制御される。
能力切替弁35a〜35cは、複数のバーナ30のうちの、燃料ガスの供給対象となるバーナ本数を切替えるために開閉制御される。図1の構成例では、10本のバーナ30のうち、能力切替弁35aの開放により2本のバーナ30に対して燃料が供給され、能力切替弁35bの開放により3本のバーナ30に対して燃料が供給され、能力切替弁35cの開放により5本のバーナ30に対して燃料が供給される。
加熱機構20での発生熱量は、燃料が供給されて燃焼対象となるバーナ本数(以下、単に「燃焼バーナ本数」とも称する)と、ガス流量との組み合わせによって決まる、バーナ30全体での燃焼ガス量に比例する。したがって、要求発生熱量に対応させて、能力切替弁35a〜35cの開閉パターン(燃焼バーナ本数)およびガス比例弁33の開度(ガス流量)の組み合わせを決定することができる。
缶体5において、バーナ30から出力された燃料ガスは、送風ファン40からの燃焼用空気と混合される。送風ファン40による送風量は、バーナ30全体からの供給ガス量との空燃比が所定値(たとえば、理想空燃比)となるように制御される。送風ファン40の送風量は、ファン回転数と比例するので、送風ファン40の回転数は、供給ガス量の変化に応じて設定される目標回転数に従って制御される。送風ファン40には、ファン回転数を検出するための回転数センサ45が設けられる。
燃料ガスと燃焼用空気との混合気が、図示しない点火装置によって着火されることにより、燃料ガスが燃焼されて火炎が生じる。バーナ30からの火炎によって生じる、バーナ30による燃焼熱は、缶体5内で一次熱交換器11および二次熱交換器12へ与えられる。二次熱交換器12は、バーナ30(燃焼機構)に対して、一次熱交換器11を間に挟んで配置される。缶体配管55を通流する低温水は、二次熱交換器12の通過後に、さらに一次熱交換器11を通過されることによって加熱される。
二次熱交換器12は、主に、バーナ30での燃焼排ガスの潜熱によって、通流された低温水を熱交換によって予熱する。一次熱交換器11は、二次熱交換器12によって予熱された低温水を、バーナ30での燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)による熱交換によってさらに加熱する。これにより、熱交換器10によって加熱された高温水が、出湯管70へ出力される。缶体5の燃焼ガスの流れ方向下流側には熱交換後の燃焼排ガスを排出処理するための排気経路15が設けられる。
図2は、図1に示された一次熱交換器11の概略的な構造を説明する斜視図である。
図2を参照して、一次熱交換器11は、枠体101と、枠体101の内外に亘って延びる流水管105とを含む。流水管105は、入水管部102と、出水管部103と、直状管部111と、ベンド管部112とを有する。入水管部102には、二次熱交換器12を通過した湯水が流入する。直状管部111は、枠体101の内部で、図示しない複数枚のフィンを貫通して延びるように形成される。ベンド管部112は、枠体101の外部で屈曲した形状を有することにより、直状管部111同士を連結する。枠体101、流水管105および、フィン(図示せず)は、ロウ付け等によって一体的に形成される。
一次熱交換器11において、流水管105を通流する湯水は、流水管105およびフィン(図示せず)に入力されたバーナ30からの熱量との間での熱交換により加熱されて、出水管部103から出力される、すなわち、一次熱交換器11では、図2に示されたバーナ30(燃焼機構)からの受熱部分(すなわち、流水管105)が、加熱機構20における「加熱対象部」に対応する。
図3は、図2の構造を有する一次熱交換器11を上部(図2中のIII方向)から見た概念図である。
図3を参照して、流水管105は、入水管部102および出水管部103の間に、複数の直状管部111a〜111mおよび複数のベンド管部112a〜112lが連結された、蛇行形状を有するように構成される。当該蛇行形状を、上流側の入水管部102から下流側の出水管部103へ向けて通流する湯水は、複数(図1の例では10本)のバーナ30のうちの燃焼バーナからの熱量を受けることで加熱される。このような蛇行形状で流水管105を構成することで、燃焼機構(バーナ30)による発生熱量による被加熱部分、すなわち、加熱機構20での加熱対象部の体積(加熱対象水量)を増やすことができる。
図1に示されるように、10本のバーナ30は、能力切替弁35a〜35cの開閉に応じて、選択的に燃焼バーナとされる。このため、流水管105は、能力切替弁35a〜35cにそれぞれ対応する領域Za〜Zcに分割される。
領域Zaは、能力切替弁35aの開放によって燃焼バーナとなる2本のバーナ30によって加熱される領域に相当する。同様に、領域Zbは、能力切替弁35bの開放によって燃焼バーナとなる3本のバーナ30によって加熱される領域に対応し、領域Zcは、能力切替弁35cの開放によって燃焼バーナとなる5本のバーナ30によって加熱される領域に対応する。
出水管部103は、缶体5の外部に配設された配管71を経由して、出湯管70と接続される。このように、一次熱交換器11では、能力切替弁35a〜35cの開閉によって、実際に加熱される領域が変化する。
再び図1を参照して、バイパス管60および出湯管70は、合流点75において接続される。したがって、給湯装置100からは、缶体5から出力された高温水と、バイパス管60からの低温水との混合によって調温された適温の温水が、台所や浴室等の給湯栓190や、図示しない風呂への注湯回路などの所定の給湯箇所に供給される。
図1に例示された給湯装置100は、熱交換器10を通過した高温水および熱交換器10をバイパスした低温水を混合する、いわゆるバイパスミキシング方式の構成を有している。すなわち、給湯装置100からは、缶体5からの高温水と、バイパス管60からの低温水とを混合した湯が出力される。
バイパス弁80は、コントローラ300からの制御指令に従って弁開度が制御されることにより、缶体配管55の流量およびバイパス管60の流量の比率、すなわち、高温水および低温水の比率を制御する。たとえば、バイパス弁80による流量比率は、図示しない弁体を開閉駆動するステッピングモータ(図示せず)によって制御することができる。
温度センサ110は、低温水の温度(以下、入水温度Twとも称する)を検出するために設けられる。温度センサ110は、図1に示されたように缶体配管55に設けることが可能であるが、入水管50またはバイパス管60に設けられてもよい。温度センサ120は、高温水の温度(以下、缶体温度Tbとも称する)を検出するために、出湯管70のうちの合流点75よりも上流側(熱交換器10側)の部分に配置される。さらに、温度センサ130は、高温水および低温水の混合後の出湯温度Thを検出するために、出湯管70のうちの合流点75よりも下流側の部分に配置される。温度センサ110によって検出された入水温度Tw、温度センサ120によって検出された缶体温度Tbおよび、温度センサ130によって検出された出湯温度Thは、コントローラ300へ伝送される。
さらに、出湯管70には、出湯流量を制御するための流量調整弁90が設けられる。流量調整弁90の弁開度は、コントローラ300によって制御される。たとえば、加熱開始直後の加熱能力が不足する期間中において、出湯流量を絞るように流量調整弁90の開度が制御されることによって、出湯温度の低下を防止することができる。また、燃焼開始直後以外でも、最大発生熱量で運転する場合や、最大許容流量で運転する場合等において、目標温度に従って出湯するために、流量調整弁90によって出湯流量を絞る制御を実行することができる。
コントローラ300は、流量調整弁90の開度を制御することによって、缶体流量および出湯管70からの出湯流量(トータル流量)を制御することができる。なお、図1に示された給湯装置100において、流量は、給水圧力と流量調整弁90の開度によって決まる。
缶体配管55には、流量センサ150を配置することができる。流量センサ150は、代表的には、羽根車式流量センサによって構成することができる。流量センサ150によって、缶体流量を検出することができる。また、検出された缶体流量から、バイパス弁80への制御指令から推定される流量比率を用いて、トータル流量を算出することも可能である。
なお、流量センサ150は、トータル流量を検出するように、入水管50に配置することも可能である。この場合には、上記流量比率を用いて、缶体流量を算出することが可能である。このように、入水管50および缶体配管55の各々は「通水路」の一実施例に対応する。
以下では、缶体流量およびトータル流量を包括して、流量センサ150による検出対象となる流量を、単に「流量」とも称する。すなわち、以下で説明する、流量センサ150による検出流量値、および、検出流量値に基づく推定流量値の各々は、缶体流量およびトータル流量のいずれであってもよい。
コントローラ300は、たとえば、マイクロコンピュータによって構成することができる。たとえば、コントローラ300は、CPU(Central Processing Unit)301、外部との入出力を制御するインターフェイス302、タイマ303、および記憶部304を備える。CPU301は、インターフェイス302を介して各センサからの出力信号(検出値)およびユーザ操作を受けて、給湯装置100の全体動作を制御するために、各機器への制御指令を生成し、インターフェイス302を介して出力する。
ユーザ操作には、給湯装置100の運転オン/オフ指令および設定湯温(目標温度Tr*)指令が含まれる。制御指令は、バーナ30の燃焼を制御するための加熱指令が含まれる。加熱指令は、元ガス電磁弁32への開指令または閉指令、およびガス比例弁33への開度指令を含む。さらに、制御指令は、バイパス弁80による流量比率を制御するための指令を含む。
たとえば、コントローラ300は、図示しない運転スイッチがオンされた運転オン状態において、流量が最小作動流量(MOQ)を超えると加熱機構20を加熱オン状態に制御する。一方で、運転オン状態であっても、流量が最小作動流量(MOQ)よりも低くなると、加熱機構20は加熱オフ状態に制御される。加熱オフ状態では、全てのバーナ30が消火される。一方で、加熱オン状態では、一部または全部のバーナ30が点火される。
次に、コントローラ300による加熱オン状態での出湯温度制御について説明する。
図4は、本発明の実施の形態に従う給湯装置における出湯温度制御の機能ブロック図である。
図4を参照して、コントローラ300は、加熱制御部310を含む。加熱制御部310は、要求熱量算出部320と、バーナ制御部330とを有する。
給湯装置100では、トータル流量qtについて、入水温度Twから出湯温度Thの目標温度Tr*まで昇温するための熱量を発生することが要求される。したがって、加熱機構20で要求される単位時間当たりの熱量(以下、要求発生熱量Qrq)は、下記の式(1)に従って算出することができる。
Qrq=qt・(Tr*−Tw) …(1)
なお、実際には、燃焼機構(バーナ30)による発生熱量のうちの熱交換器10での昇温に用いられる熱量の比率(熱効率)を考慮する必要があるが、以下では、説明を簡略化するために、熱効率は1.0であるものとする。また、給湯装置では、要求発生熱量は「号数」を単位として演算されることが一般的である。号数=1は、qt=1(L/min)の流量下で湯温を25℃上昇させるのに必要な熱量に相当する。
要求熱量算出部320は、流量センサ150による検出流量値qxと、入水温度Tw(温度センサ110)と、目標温度Tr*とを用いて、式(1)に従って加熱機構20への要求発生熱量Qrqを算出することができる。
バーナ制御部330は、要求熱量算出部320からの要求発生熱量Qrqに従って、加熱機構20での発生熱量を制御するためにバーナ30の作動状態(燃焼バーナ本数およびガス流量)を決定する。そして、決定されたバーナ30の作動状態に従って、能力切替弁35a〜35cおよびガス比例弁33への制御指令が生成される。
なお、バイパスミキシング方式の給湯装置100では、バイパス弁80による流量比率の制御をさらに組み合わせて、出湯温度Thが目標温度Tr*に制御される。コントローラ300は、バイパス弁制御部340をさらに含む。
バイパス弁制御部340は、目標温度Tr*と、温度センサ110,120による検出温度(Tb,Th,Tw)とに基づいて、出湯温度Thを目標温度Tr*に制御するためのバイパス弁80の制御指令を設定する。
具体的には、缶体流量q1およびバイパス流量q2、缶体温度Tb、および出湯温度Thの間には下記の式(2)が成立する。したがって、式(2)を変形し、かつ、Th=Tr*を代入して得られる式(3)に従って、バイパス弁80での流量比率k(q2/q1)を制御することができる。
q2・(Th−Tw)=q1・(Tb−Th) …(2)
k=q2/q1=(Tb−Th*)/(Th*−Tw) …(3)
さらに、式(3)による算出値をフィードフォワード制御項とした上で、出湯温度の温度偏差ΔTh=(Tr*−Th)を補償するためのフィードバック制御項を算出し、両者の和に従って、バイパス弁80での流量比率kを制御することができる。バイパス弁制御部340は、このように求められた流量比率kに対応させて、バイパス弁80の制御指令(たとえば、ステッピングモータのステップ数)を設定する。
このように、給湯装置100では、加熱オンオフの制御および加熱オン時の温度制御には、流量センサ150による流量検出が必要である。一方で、羽根車式の流量センサでは、羽根車の回転速度に基づいて検出流量値が求められる。したがって、羽根車の慣性によって、実際の流量変化が、羽根車の回転速度の変化に現れるまでには時間遅れが発生する。
図5には、本実施の形態に従う給湯装置における流量センサの検出遅れへ対応するための推定流量値の算出を説明するための波形図が示される。図5には、給湯栓190が全閉されたときの流量推移が示される。
図5を参照して、時刻ta以前では、流量一定状態が維持されているため、実流量qおよび流量センサ150による検出流量値qxは一致している。この状態から、時刻taにおいて、給湯栓190が全閉されて実流量qは0に変化する。
一方で、検出流量値qxは、羽根車の慣性モーメントにより、一次遅れの態様で徐々に減少する。この結果、検出流量値qxおよびMOQの比較によると、時刻tcまで加熱は停止されない。たとえば、時刻ta〜tcの間は1秒程度である。
この結果、缶体5での過加熱が発生することが懸念される。缶体温度Tbが過上昇すると、機器保護のための強制停止が起動されることにより、再起動操作が必要となることからユーザ利便性が低下することが懸念される。あるいは、温度上昇の状況によっては、機器の耐久性低下が発生することも懸念される。
したがって、所定周期Tsでサンプリングされた流量センサ150の出力値(qx)を用いて、検出流量値qxに生じる一次遅れ(時定数T)を補償するための推定流量値qyを下記の式(4)に従って算出することができる。式(4)は、第n番目(n:自然数)のサンプリングにおける推定流量値qyの算出式である。
qy[n]=qx[n]+β・(qx[n]−qx[n−1]) …(4)
式(4)において、β=0とすると、qy[n]=qx[n]となって、検出流量値qx[n]をそのまま推定流量値qy[n]とする状態となる。
これに対して、β>0とすると、前回および今回のサンプリング間での検出流量値の変化(qx[n]−qx[n−1])を増幅する態様で推定流量値qy[n]に反映することで、検出遅れを補償することが可能となる。すなわち、式(4)において、qx[n]は「第1の検出値」に対応し、qx[n−1]は「第2の検出値」に対応する。
推定流量値qy[n]は、時定数Tの一次遅れ系において、直前のサンプリング周期Tsの間で(qx[n]−qx[n−1])の変化が生じたときの、n→∞としたqx[n]の収束値として求めることができる。ここで、exp(−Ts/t)に一次のpade近似を適用することによって、推定流量値qy[n]を算出するための式(4)での係数βは、下記式(5)とすることができる。
β=((T/Ts)+1/2)+1 …(5)
すなわち、係数βは、流量センサ150の検出流量値qx[n]に生じる一次遅れの時定数Tと、サンプリング周期Tsとの比に基づいて、βを正の所定値に予め定めることができる(β>0)。なお、時定数Tは、図5のような実機実験時の検出流量値qxの挙動に基づいて、予め求めることができる。
図5に示されるように、推定流量値qyは、一次遅れの補償により時刻ta以降、速やかに低下する。したがって、推定流量値qyおよびMOQを比較すると、時刻tcよりも早い時刻tbにおいて加熱をオフすることができる。この結果、加熱オフの遅れによる缶体温度の過上昇を回避することが期待できる。一方で、式(4)による演算によって、推定流量値qyには、実流量よりも低く算出される期間が発生し得る。
ここで、図5の例とは異なり、実流量qが、q>MOQの範囲内でMOQ近傍まで低下したケースを考察する。このようなケースでは、上述の缶体温度上昇回避のための制御を実行すると、推定流量値qy<MOQとなることに応じて、加熱は停止される。
しかしながら、本来は、q>MOQであることから加熱を継続する必要があるため、加熱を再開しなければ、目標温度Tr*に対して、出湯温度Thがアンダーシュートを生じることが懸念される。一方で、推定流量値qyは、検出流量値qxの変化を増幅する態様で算出されるため、単純に推定流量値qyに基づいて、加熱の再開可否を判定することが困難である。
したがって、本実施の形態に従う給湯装置では、検出流量値qxおよび推定流量値qyを用いて、下記のように加熱機構20での加熱のオンオフを制御する。
図6は、本実施の形態に従う要求熱量算出部320による制御処理を説明するフローチャートである。図6に示された制御処理は、コントローラ300により、上述のサンプリング周期Ts毎に繰り返し実行することができる。
図6を参照して、コントローラ300は、ステップS100により、流量センサ150の検出値をサンプリングする。これにより、今回の周期での検出流量値qx[n]が取得される。
コントローラ300は、ステップS100で取得されたqx[n]および、前回の周期で取得されたqx[n−1]を用いて、式(4)に従って、今回の周期での推定流量値qy[n]を算出する。
さらに、コントローラ300は、ステップS120により、検出流量値qx[n]および推定流量値qy[n]を用いて、加熱機構20での加熱のオンオフ、より具体的には、燃焼機構(バーナ30)での燃焼のオンオフを制御する。
図7は、ステップS120による加熱オンオフ制御を説明するための状態遷移図である。
図7を参照して、加熱オフ状態から、検出流量値qx[n]が、MOQに対応する基準流量値Q1*を超えると、制御C1*によって、加熱機構20は、加熱オフ状態から加熱オン状態へ遷移する。これにより、少なくとも1本のバーナ30の点火により、燃焼機構での燃焼が開始される。加熱オン時には、図4の要求熱量算出部320が要求発生熱量Qrqをさらに算出することにより、要求発生熱量Qrqに応じた加熱状態(たとえば、燃焼バーナ本数およびガス流量)が形成される。
一方で、加熱オン状態において、流量低下により検出流量値qx[n]が基準流量値Q1よりも低下すると、制御C1によって、加熱機構20は、加熱オン状態から加熱オフ状態へ遷移する。これにより、全てのバーナ30が消火されて、燃焼機構での燃焼が停止される。なお、基準流量値Q1も、MOQに対応して定められるが、加熱オン状態および加熱オフ状態の間で頻繁な切替(チャタリング)が発生しないように、Q1<Q1*とするヒステリシスが設けられる。
さらに、制御C1,C1*による加熱オン状態および加熱オフ状態の切替に加えて、推定流量値qt[n]を用いて、加熱オン状態から加熱一時停止状態への遷移が制御される。具体的には、加熱オン状態において、制御C1が作動しない(すなわち、qx[n]≧Q1)で、推定流量値qy[n]が基準流量値Q2よりも低下すると、制御C2によって、加熱機構20は、加熱オン状態から加熱一時停止状態へ遷移する。基準流量値Q2は、基準流量値Q1と同じであっても、異なっていてもよい。あるいは、基準流量値Q2は、入水温度Twに応じて変化させてもよい。たとえば、入水温度Twが高くなる程、缶体温度Tbが高くなり易いので、基準流量値Q2を高く設定することができる。
加熱一時停止状態においても、加熱オフ状態と同様に、全てのバーナ30が消火されて、燃焼機構での燃焼が停止される。ただし、加熱一時停止状態では、加熱オン状態への遷移条件(復帰条件)が、加熱オフ状態とは異なる。一方で、加熱一時停止状態においても、検出流量値qx[n]が基準流量値Q1よりも低下すると、制御C1によって、加熱機構20は、加熱オフ状態へ遷移する。
加熱一時停止状態から加熱オン状態への遷移は、検出流量値qx[n]ではなく、加熱が一時停止されてからの推定流量値qyの時間積分値(Iqy)に基づいて制御される。具体的には、Iqy>Vtが成立すると、制御C3によって、加熱機構20は、加熱一時停止状態から加熱オン状態へ遷移(復帰)する。流量の時間積分値Iqyは、給湯装置100からの出湯量(水量)に対応する。したがって、制御C3により、加熱一時停止状態中での出湯量(水量)に基づいて、加熱機構20では非加熱の湯水が出力されるまでに、加熱機構20での加熱(すなわち、燃焼機構での燃焼)を再開することができる。
あるいは、制御C3と併せて、制御C4により、推定流量値qy[n]が基準流量値Q2*よりも高くなったときにも、加熱機構20は、加熱一時停止状態から加熱オン状態へ遷移(復帰)することが可能である。制御C4を併用することにより、給湯栓190が再び操作されて実流量が増加したときに、時間積分値の増加を待つことなく、速やかに加熱機構20での加熱を再開することが可能となる。
このように、図6のステップS120では、前回の周期(n−1)における状態(加熱オン状態/加熱オフ状態/加熱一時停止状態)からの遷移の有無(制御C1*,C1〜C4の要否)が、今回の周期での検出流量値qx[n]および推定流量値qy[n]に基づいて判断される。図7において、加熱オン状態および加熱オフ状態は、加熱機構20の「加熱状態」および「加熱停止状態」にそれぞれ対応する。また、加熱一時停止状態は、加熱機構20の「一時的な加熱停止状態」に対応する。さらに、制御C1は「第1の制御」に対応し、制御C2は「第2の制御」に対応し、制御C3は「第3の制御」に対応する。
図8には、図7の状態遷移図に従う加熱オンオフ制御例を説明するための概念的な波形図が示される。
図8を参照して、時刻t0において、給湯栓190の開度が絞られることにより、実流量が低下するが、低下後の実流量は、基準流量値Q1よりも大きく、基準流量値Q2と同等である。すなわち、図8の動作例では、Q2>Q1に設定されているものとする。
流量センサ150による検出流量値qxは時間遅れを伴って低下する。一方で、推定流量値qyは、検出流量値qxよりも速やかに低下するが、実流量qよりも低い値を示す期間を有する。実流量qが一定である下では、最終的には、qy=qxに収束する。
図7に示された、推定流量値qyに基づく制御C2により、流量センサ150での検出遅れに起因する缶体温度の過上昇を回避するための保護制御が実現される。これにより、時刻t1では、加熱オン状態から加熱一時停止状態への遷移により、全てのバーナ30が消火されて加熱機構20での加熱が停止される。
加熱一時停止状態の開始(時刻t1)に応じて、時間積分値Iqyは、初期化される(Iqy=0)。そして、時間積分値Iqyは、加熱一時停止状態の継続期間を通じて、各周期での推定流量値qyの積算によって周期毎に更新される。
そして、時刻t2において、時間積分値Iqyが基準水量値Vtに達すると、制御C3によって、加熱機構20は、加熱オフ状態から加熱オン状態へ遷移する。これにより、加熱の一時停止後における給湯装置100からの出湯量(水量)が、加熱が一時停止される時点において一次熱交換器11で加熱済の水量を超えたときに加熱を再開することにより、出湯温度のアンダーシュートを抑制することができる。
基準水量値Vtは、実機実験等により最適値を設定することができるが、基本的には、一次熱交換器11での燃焼機構(バーナ30)からの受熱部分(すなわち、加熱機構20での加熱対象部)が保有する水量、すなわち、流水管105(図2)の燃焼機構(バーナ30)からの受熱部の体積に対応して定めることができる。
なお、図8の動作例において、時刻t0で実流量qが基準流量値Q1(MOQ)よりも低い領域まで低下した場合には、制御C2による加熱一時停止状態への遷移後において、加熱機構20は、検出流量値qx<Q1となることに応じて制御C1によって加熱オフ状態へ遷移することにより、加熱機構20での加熱(すなわち、バーナ30の燃焼)を継続的に停止することができる。
このように、実施の形態1に従う給湯装置によれば、流量センサ150での検出遅れに起因する缶体温度上昇の保護制御(C2)の適用による流量減少時における過加熱の防止と、保護制御の影響による出湯温度のアンダーシュートの抑制とを両立して、流量減少時における出湯温度を適切に制御することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、加熱機構での能力段制御と、保護制御(C2)との組み合わせについて説明する。
図9は、図1に示された給湯装置における実施の形態2に従う能力段制御による燃焼バーナ本数の切替例を示す図表である。
図9を参照して、実施の形態2に従う能力段切替制御では、能力切替弁35a〜35cを用いて、予め設定された能力段S1〜S5のうちの1個が、要求発生熱量Qrqに応じて選択される。すなわち、能力切替弁35a〜35cは「能力切替手段」の一実施例に対応する。図3で説明したように、バーナ30(燃焼機構)からの受熱部分に相当する流水管105は、湯水の通流方向の上流側から下流側へ向かって複数の領域Zc、ZaおよびZbに分割されている。
能力段S1では、能力切替弁35aのみが開放されて、燃焼バーナ本数が2本となる。流水管105のうちの領域Za(図3)のみが加熱される。同様に、能力段S2では、能力切替弁35bのみが開放されて、燃焼バーナ本数が3本となる。これにより、流水管105のうちの領域Zb(図3)のみが加熱される。
能力段S3では、能力切替弁35aおよび35bが開放されて、燃焼バーナ本数が5本となる。これにより、流水管105のうちの領域ZaおよびZb(図3)が加熱される。同様に、能力段S4では、能力切替弁35aおよび35cが開放されて、燃焼バーナ本数が7本となる。これにより、流水管105のうちの領域ZaおよびZc(図3)が加熱される。さらに、能力切替弁35a〜35cが開放されて、燃焼バーナ本数が10本となる。これにより、流水管105の領域Za〜Zc(図3)全体が加熱される。
図10には、図9に示した能力段制御におけるガス流量の設定例を説明する概念図が示される。
図10において、横軸には、要求発生熱量Qrqが号数を単位として示される。縦軸には、ガス流量を制御するためのガス比例弁33の開度を制御する電流値(比例弁電流値)が示される。比例弁電流値が大きいほど、ガス比例弁33の開度が大きくなりガス流量が増加する。
図10を参照して、能力段S1〜S5の各々において、比例弁電流を最小値Cmin〜最大値Cmaxの間で変化させることにより、加熱機構20での発生熱量を調整することができる。
能力段S1において、比例弁電流を最小値Cminとしたときの最小号数Mminは、加熱機構20での最小発生熱量に相当する。また、能力段S5において、比例弁電流を最大値Cmaxとしたときの最大号数Mmaxは、加熱機構20での最大発生熱量に相当する。
能力段S2〜S5において比例弁電流を最小値Cminとしたときの号数M1〜M4は、それぞれの能力段での加熱機構20での発生熱量の下限値(すなわち、当該能力段での最小号数)に相当する。同様に、能力段S1〜S4において比例弁電流を最大値Cmaxとしたときの号数M2〜M5は、それぞれの能力段での加熱機構20での発生熱量の上限値(すなわち、当該能力段での最大号数)に相当する。
なお、図10では、説明を簡略化するために、比例弁電流の最小値Cminおよび最大値Cmaxを各能力段S1〜S5で共通の値としたが、一部または全部の能力段の間で最小値Cminおよび最大値Cmaxは異なっていてもよい。
また、能力段S1の最大号数と能力段S3の最小号数について、同一値とせずに、能力段S1の最大号数を能力段S3の最小号数より小さくしてもよい。同様に、能力段S2の最大号数と能力段S4の最小号数についても、同一値とせずに、能力段S2の最大号数を能力段S4の最小号数より小さくしてもよい。また、能力段S3の最大号数と能力段S5の最小号数について、同一値とせずに、能力段S3の最大号数を能力段S5の最小号数より小さくしてもよい。
このように、各能力段S1〜S5における号数(要求発生熱量)および比例弁電流の対応関係を規定するテーブル313を作成することができ、テーブル313を示すデータが、予めコントローラ300の記憶部304に格納される。これにより、コントローラ300は、周期毎に、算出された要求発生熱量Qrqを号数に換算した要求号数を用いてテーブル313を参照することができる。
要求号数が、現在の能力段における最小号数から最大号数の範囲内であるときには、能力段を維持するとともに比例弁電流を調整することによって、要求号数に対応する熱量を加熱機構20で発生することができる。
これに対して、要求号数が、現在の能力段における最小号数から最大号数の範囲外のときには、能力段の切替が必要である。たとえば、能力段S5が選択されている下で、流量の減少に応じて要求号数がM2に減少すると、能力段S2への切替えが必要となる。
図11には、図9および図10のような能力段制御と組み合わされた、実施の形態2に従う加熱オンオフ制御を説明するための状態遷移図が示される。
図11を図7と比較して、実施の形態2に従う加熱オンオフ制御では、缶体温度の過上昇を回避するための保護制御がC2からC2♯に変更される。
制御C2♯は、加熱オン状態から加熱一時停止状態への遷移を、予め定められた所定の能力段の選択時に限定する。すなわち、制御C2♯によれば、所定の能力段の選択時に、推定流量値qy[n]<Q2が成立すると、当該周期にて、加熱機構20は、加熱オン状態から加熱一時停止状態へ遷移する。したがって、所定の能力段以外の能力段が選択されている場合には、推定流量値qy[n]<Q2が成立しても、加熱機構20は、加熱オン状態に維持される。
その他の制御C1*,C1,C3,C4の内容は、図7(実施の形態1)と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。すなわち、一旦加熱一時停止状態に遷移した後における、加熱オン状態への復帰条件は、実施の形態1と同様である。
次に、制御C2♯での所定の能力段の設定例について説明する。
図12は、実施の形態2に従う能力段制御での能力段の切替シーケンスの一例を説明する概念図である。
図12を参照して、時刻tx1において、能力段S5が設定されている状態では、能力切替弁35a〜35cの全てが開放されて、領域Za〜Zc(図3)が加熱されている。この状態で、流量減少による要求号数の低下に従って能力段S5から能力段S2への切替えが行われる。これにより、時刻tyでは、能力切替弁35bのみが開放されて、領域Zbのみが加熱される状態となる。
このとき、時刻txの状態(能力段S5)から時刻tyの状態(能力段S2)へ直接的に遷移すると、能力段S2に対応する必要熱量の下で、上流側の領域Zaで加熱された湯水が、下流側の領域Zbでさらに加熱されて一次熱交換器11から出力される虞がある。これにより、出湯温度が上昇することが懸念される。
このため、時刻tx2では、能力切替弁35bを閉成する。時刻tx3では、さらに能力切替弁35cを閉成して、能力切替弁35aのみが開放された状態が形成される。これにより、下流側の領域Zbが非加熱とされる期間が設けられるので、当該期間において、領域Zaでの加熱後の湯水を、一次熱交換器11から出力することができる。
その後、時刻tx4では、能力切替弁35aに加えて、能力切替弁35bが開放される。これにより、領域Zbを加熱するバーナ30の火炎が移ることで、領域Zbを加熱するバーナ30での燃焼が開始される。その後、能力切替弁35aが閉成されて、領域Zbのみが加熱される、能力段S2の状態が実現される。
このように、時刻tx1〜tyの間での能力段切替の際に、時刻tx2〜tx4の中間段階を設けることで、出湯温度上昇の抑制を図ることができる。しかしながら、低流量時には、能力切替弁35bを一時的に閉成する期間内(時刻tx2〜tx4)で、領域Zaで加熱済の湯水の出力が完了しないことにより、上記のような段階的な切替制御によって、却って一次熱交換器11での加熱量が過大となることが懸念される。
したがって、能力段の段階的な切替制御が採用される場合には、低流量時には、図12で例示した能力段S5のような、特定の能力段からの切替時に、缶体温度が上昇することが、特に懸念される。この特定の能力段は、能力切替弁によって燃焼バーナが分割される領域で、(i)最も上流側に位置する領域、および/または、(ii)燃焼時の加熱能力(受熱量)が最大となる領域に対応するバーナ30が燃焼される能力段と定義することができる。
図1の構成例では、(i),(ii)の両条件とも領域Zcが該当するので、領域Zcに対応する能力切替弁35cが開放される能力段S4およびS5を、本実施の形態での「所定の能力段」に予め定めることができる。
この結果、図11に示された制御C2♯によれば、能力段S4またはS5が選択されている周期において、推定流量値qy[n]<Q2が成立すると、缶体温度上昇の保護制御がオンされて、加熱機構20は加熱オン状態から加熱一時停止状態へ遷移する。一方で、能力段S1〜S3のいずれかが選択されている周期では、缶体温度上昇の保護制御はオンされず、加熱機構20は加熱オン状態に維持される。
このように、実施の形態2によれば、出湯温度にアンダーシュートが生じる可能性がある缶体温度上昇の保護制御の適用条件を、能力段切替制御における温度過上昇のリスクが高い状況に限定して定めることができる。さらに、保護制御の適用によって加熱が一時的に停止されたときには、実施の形態1と同様に加熱の再開を制御することができる。この結果、実施の形態1と比較して、出湯温度のアンダーシュートをさらに抑制することができる。
なお、特許第6037158号公報(特許文献3)および特許第5924531号公報(特許文献4)においても、図1の構成例とは、能力切替弁およびバーナ本数の対応が異なる構成での能力段切替時の段階的な制御が記載されている。このような構成においても、上記の条件(i),(ii)に従って「所定の能力段」を定めることにより、同様の缶体温度上昇の保護制御を行うことが可能である。
また、本実施の形態では、加熱機構20においてガスを燃料とするバーナ30によって湯水が加熱される例を示したが、加熱のためのエネルギ源は任意とすることができる。また、本実施の形態では、バイパスミキシング方式の給湯装置を例示したが、本発明は、バイパスミキシング方式ではない構成の給湯装置についても適用することが可能である。また、本発明において、給湯装置の給湯先は任意である。すなわち、図1に例示した給湯栓190とは異なる給湯先(たとえば、暖房装置)を有する給湯装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
なお、本実施の形態では、一次熱交換器11および二次熱交換器12を有する、いわゆる潜熱回収型の熱交換器10を例示したが、本発明は、一次熱交換器のみを有する加熱機構に適用することが可能である。この場合にも、実施の形態1での基準水量値Vtは、当該一次熱交換器の加熱対象部の体積に対応させて定めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 缶体、10 熱交換器、11 一次熱交換器、12 二次熱交換器、15 排気経路、20 加熱機構、30 バーナ、31 ガス供給管、32 元ガス電磁弁、33 ガス比例弁、35a〜35c 能力切替弁、40 送風ファン、45 回転数センサ、50 入水管、55 缶体配管、60 バイパス管、70 出湯管、71 配管、75 合流点、80 バイパス弁、90 流量調整弁、100 給湯装置、101 枠体、102 入水管部、103 出水管部、105 流水管、110,120,130 温度センサ、111,111a〜111m 直状管部、112,112a〜112l ベンド管部、150 流量センサ、190 給湯栓、300 コントローラ、302 インターフェイス、303 タイマ、304 記憶部、310 加熱制御部、313 テーブル、320 要求熱量算出部、330 バーナ制御部、340 バイパス弁制御部、S1〜S5 能力段、Iqy 時間積分値(推定流量値)、Q1,Q2 基準流量値、Qrq 要求発生熱量、S100,S120 ステップ、T 時定数、Tb 缶体温度、Th 出湯温度、Tr 目標温度、Ts サンプリング周期、Tw 入水温度、Vt 基準水量値、Za〜Zc 領域、q 実流量、qx 検出流量値、qy 推定流量値。

Claims (5)

  1. 通流する水を加熱する加熱機構と、
    前記加熱機構を通過する水量の変化に応じて流量が変化する通水路の流量を検出するための流量センサと、
    前記流量センサによる検出流量値と、前記検出流量値に基づいて前記検出流量値の変化量を増幅するように算出された推定流量値とを用いて、前記加熱機構を加熱状態から加熱停止状態に切替える制御を行なう制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記検出流量値が第1の基準流量値よりも低いときに前記加熱機構を前記加熱停止状態に維持する第1の制御と、
    前記検出流量値が前記第1の基準流量値よりも高く、かつ、前記推定流量値が第2の基準流量値よりも低下すると前記加熱機構を一時的な前記加熱停止状態とする第2の制御と、
    前記第2の制御による前記加熱停止状態の期間中における前記推定流量値の時間積分値が予め定められた基準水量値を超えると、前記加熱機構を前記加熱停止状態から前記加熱状態へ切替える第3の制御とを実行する、給湯装置。
  2. 前記基準水量値は、前記加熱機構の加熱対象部が保有する水量に対応して定められる、請求項1記載の給湯装置。
  3. 前記加熱機構は、
    燃料の燃焼によって熱量を発生する燃焼機構と、
    前記燃焼機構からの熱量によって通流する流体が加熱されるように配置された一次熱交換器と、
    前記燃焼機構に対して前記一次熱交換器を間に挟んで配置される二次熱交換器とを含み、
    前記流体は、前記二次熱交換器を通過した後に前記一次熱交換器を通流し、
    前記基準水量値は、前記一次熱交換器における前記燃焼機構からの受熱部分による前記水の保有体積に対応して定められる、請求項2記載の給湯装置。
  4. 前記加熱機構は、
    燃料の燃焼によって熱量を発生する燃焼機構と、
    前記燃焼機構からの熱量によって通流する流体が加熱されるように配置される熱交換器とを含み、
    前記熱交換器における前記流体の前記燃焼機構からの受熱部分は、前記流体の通流方向の上流側から下流側へ向かって複数の領域に分割され、
    前記燃焼機構は、
    前記複数の領域の各々に対応させて燃焼をオンオフするための能力切替手段を含み、
    前記能力切替手段は、前記加熱機構での要求発生熱量に応じて、前記複数の領域のうちの前記燃焼がオンされる領域の組み合わせが異なる複数の能力段のうちの1つを選択するように制御され、
    前記第1の制御は、前記複数の能力段のうちの所定の能力段が選択されている場合において、前記検出流量値が前記第1の基準流量値よりも高く、かつ、前記推定流量値が前記第2の基準流量値よりも低下したときに、前記加熱機構を一時的に前記加熱停止状態とするように実行され、
    前記所定の能力段は、前記複数の領域のうちの最も前記上流側に位置する領域および前記複数の領域のうちの前記燃焼オン時における前記流体の受熱量が最大である領域の少なくとも一方において前記燃焼がオンされる能力段を含む、請求項1または2に記載の給湯装置。
  5. 前記制御装置は、
    所定周期ごとに取得された前記検出流量値を用いて、今回取得された第1の検出値と前回取得された第2の検出値との偏差に係数を乗じた値を前記第1の検出値に加算することによって前記所定周期ごとに前記推定流量値を算出し、
    前記係数は、前記検出流量値の実流量に対する応答遅れの時定数と、前記所定周期との比率に基づく正の所定値である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の給湯装置。
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