JP2018119360A - 衛生洗浄装置 - Google Patents
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そして、洗浄ノズル往復運動手段が、水圧式洗浄ノズルを上下方向に往復回動させるモータを有し、制御部がモータを制御することにより、水圧式洗浄ノズルをモータによって上下方向に往復回動させるため、給水源から供給される水を全て局部洗浄に用いることができ、水圧によって水圧式洗浄ノズルを往復運動させる場合に比べて洗浄力を損なうことなく局部洗浄が行えることに加え、狭小流路に異物が混入して回動機構が機能しなくなるような事態が避けられ、水圧式洗浄ノズルによる前後方向に対する広範囲な洗浄を長期に亘って実現することができ、さらに、給水源に依存しない安定したムーブ洗浄を実現することができる。
すなわち、給水源から供給される水を効率よく使って、無駄水の抑制と汚れの付着しやすい前後方向に対して広範囲な局部洗浄とを両立が可能させることができる。
さらに、水圧式洗浄ノズルを回動させることで前後方向に対して広範囲な局部洗浄を行うことにより、水圧式洗浄ノズルを直動させて前後方向に対して広範囲な局部洗浄を行う場合に比べて、同じ範囲を洗浄するために必要な水圧式洗浄ノズルの移動量が少ないため、消費する電力量が少なくなり、より電池を長持ちさせることができる。
そこで、第4の発明に係る衛生洗浄装置によれば、第1乃至第3のいずれか1つの発明が奏する効果に加え、制御部が、基準位置をおしり洗浄に用いるおしり洗浄用基準位置あるいは女性局部の洗浄に用いる女性局部洗浄用基準位置に選択自在とすることにより、それぞれの洗浄に対して最適な洗浄位置を定められるため、単一の水圧式洗浄ノズルで複数の箇所を洗浄することができる。
さらに吐水口からの吐水により水圧式洗浄ノズルに作用する吐水反力トルクと水圧式洗浄ノズルの自重トルクとトルク調整手段による調整トルクとの和が、モータのディテントトルク以下であることにより、水圧式洗浄ノズルの自重トルクや吐水反力トルク以外のトルクが水圧式洗浄ノズルに加わる場合であっても、一点を洗浄する固定洗浄時に水圧式洗浄ノズルを保持するための電力が不要となるため、固定洗浄時に電力を使わずに水圧式洗浄ノズルの姿勢を保持することができることに加え、自重トルクと吐水反力と調整トルクとの和をゼロに近づけることも可能になることでディテントトルクのより小さい低消費電力のモータを選べるようになり、電池の交換頻度を下げることができる。
また、洗浄感や水圧式洗浄ノズルのデザインを優先して設計した結果、吐水口からの吐水により水圧式洗浄ノズルに作用する吐水反力トルクと水圧式洗浄ノズルの自重トルクとの和がディテントトルク以下にならなかったとしても、トルク調整手段による調整トルクを加えて、吐水反力トルクと自重トルクと調整トルクとの和をモータのディテントトルク以下にすることができる。
図1に示すように、トイレ装置200は、衛生洗浄便座(衛生洗浄装置)100と、便器150とを有する。衛生洗浄便座100は、便器150の上に設けられている。便器150は、例えば洋式腰掛大便器であり、使用者の排泄物を受けるボウル151を有する。
局部洗浄ユニット101は、水圧式洗浄ノズル10を有し、ケーシング201の内部に収容される。水圧式洗浄ノズル10は、例えばその先端部に吐水口10aを有し、使用時には図1に示すようにボウル151へ進出して吐水口10aから人体局部(例えば「おしり」や女性局部)に向けて洗浄水を吐水する。便座202は、ケーシング201に対して回動自在に軸支されている。便蓋203は、ケーシング201に対して回動自在に軸支され、便座202を覆うことができる。
図2に示すように、実施形態に係る衛生洗浄便座100は、機能部130と、電池収容部60と、を有する。機能部130及び電池収容部60は、例えば図1に示したケーシング201の内部に収容される。
局部洗浄ユニット101の水圧式洗浄ノズル10には、給水源(水道管など)204から水が供給される。水圧式洗浄ノズル10と給水源204との間の流路には、止水栓205、電磁弁131、電動流量調整弁132が、上流側からこの順で配置されている。
電動流量調整弁132は、水圧式洗浄ノズル10への流路の開き具合を調整することで、水圧式洗浄ノズル10に供給される水の流量を調整(変更)する。電動流量調整弁132には、例えばモータを有するバルブが用いられる。
水圧式洗浄ノズル10は、吐水口10aが設けられたノズル本体11と、ノズル本体11を収納するシリンダ12と、を有する。シリンダ12は、その後方に設けられた流入口12aを有する。流入口12aには、ホースなどが接続され、給水源204から供給される水は、流入口12aから水圧式洗浄ノズル10に流入する。
図4(a)は、水圧式洗浄ノズル10の不使用時の状態(待機状態)を表す。このとき、水圧式洗浄ノズル10には、水が供給されていない。図4(a)に示すように、待機状態においては、ノズル本体11は、シリンダ12に収納されている。
なお、基準位置Pは洗浄対象によって変わる。例えば、基準位置Pは、おしりの洗浄に用いるおしり洗浄用基準位置PA、または、女性局部の洗浄(ビデ)に用いるビデ用基準位置PB(女性局部洗浄用基準位置)である。基準位置Pがおしり洗浄用基準位置PAであるとき、洗浄標準角度(θ)はおしり洗浄標準角度(φA)であり、基準位置Pがビデ用基準位置PBであるとき、洗浄標準角度(θ)はビデ標準角度(φB)である。
すなわち、給水源204から供給される水を効率よく使って、無駄水の抑制と、汚れの付着しやすい前後方向に対して広範囲な局部洗浄と、を両立させることができる。
具体的には、人体局部とノズル本体とが近い場合(すなわち、人体局部後方側に吐水される場合)には局部洗浄水は柱状で人体局部に到達し、人体局部とノズル本体とがある程度遠い場合(すなわち、人体局部前方側に吐水される場合)には局部洗浄水は玉状で人体局部に到達する。
したがって、実施形態に係る衛生洗浄便座100によれば、水圧式洗浄ノズル10を回動させることで人体局部とノズル本体11との間の距離が変わるため、1本の水圧式洗浄ノズル10で様々な状態の局部洗浄水を吐水することができる。
図6に示すように、水圧式洗浄ノズル10には、吐水反力トルクTq1と自重トルクTq2とが作用する。
図8は、実施形態に係る衛生洗浄便座の動作を例示するタイミングチャートである。
例えば、局部洗浄ユニット101が待機状態のときに、使用者が操作部80に設けられたおしり洗浄ボタン82を押す(ステップS101:Yes、タイミングT1)と、洗浄開始信号が制御部70に送られる。制御部70は、この信号に基づいて、水圧式洗浄ノズル10の位置がノズル進出適正位置PSになるように(すなわち水圧式洗浄ノズル10の角度がノズル進出適正角度(φS)となるように)モータ21を回転させる(ステップS102、タイミングT2〜T3)。
図10(a)〜図10(c)は、実施形態に係る衛生洗浄便座の局部洗浄ユニットの動作を例示する側面図である。
図10(a)は、タイミングT1(待機状態)における水圧式洗浄ノズル10を示す。このとき水圧式洗浄ノズル10は、例えば上端位置である。すなわち、水圧式洗浄ノズル10は、最も鉛直上方向きに回転した状態であり、第2ストッパ24と当接している。
ノズル本体11の進出中に、制御部70は、水圧式洗浄ノズル10の位置が基準位置Pとなるように(すなわち水圧式洗浄ノズル10の角度が洗浄標準角度(θ)となるように)モータ21を回転させる。(ステップS105、タイミングT4〜T5)。そして、ノズル本体11の進出が完了すると、局部洗浄ユニット101による洗浄動作が開始する(ステップS106)。なお、図7に示す例においては、おしり洗浄ボタン82が押されたため、標準洗浄角度(θ)は、おしり洗浄標準角度(φA)に設定されている。
図11(a)〜図11(c)は、実施形態に係る衛生洗浄便座の局部洗浄ユニットの動作を例示する側面図である。
図11(a)は、タイミングT8における水圧式洗浄ノズル10を示す。このとき水圧式洗浄ノズル10は、例えば基準位置Pである。すなわち、水圧式洗浄ノズル10の角度は、洗浄標準角度(θ)である。
図12(a)及び図12(b)は、実施形態に係る衛生洗浄便座の動作を例示するフローチャートである。
ムーブ洗浄の実行中に、使用者がノズルムーブボタン84を再び押す(ステップS203:Yes、タイミングT7)と、洗浄切換の信号が制御部70に送られる。制御部70(洗浄切換手段72)は、この信号に基づいて、水圧式洗浄ノズル10の位置が基準位置Pとなるように(すなわち水圧式洗浄ノズル10の角度が洗浄標準角度(θ)となるように)モータ21を回転させる(ステップS204)。これにより、ムーブ洗浄が終了し、固定洗浄が再び開始される。
この例では、局部洗浄ユニット101が待機状態のときに使用者が操作部80に設けられたビデボタン83を押す(ステップS121)。このため、洗浄標準角度(θ)は、ビデ標準角度(φB)に設定され(ステップS125)、水圧式洗浄ノズル10はビデ用基準位置PBで吐水を開始する(ステップS126)。その後、使用者が止ボタン81を押す(ステップS127)と、洗浄終了信号が制御部70に送られる。
これ以外については、ビデボタン83が押されたときの動作は、図7、図8等に関して説明した、おしり洗浄ボタン82が押されたときの動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
例えば、吐水状態において、使用者が操作部80に設けられた流量調整ボタン86の「大」ボタン86aを押す(ステップS301:Yes、タイミングT11)と、流量増大の信号が制御部70に送られる。制御部70は、この信号を受信し、流量を増大させることを判断する(ステップS302)。そして、制御部70は、電動流量調整弁132の開き具合を大きくして、ノズル本体11へ供給される水の流量を増大させる(ステップS303)。
図16は、実施形態に係る衛生洗浄便座の動作を例示するタイミングチャートである。 この例では、タイミングT5〜T8の間(タイミングT13及びT14)において、水圧式洗浄ノズル10の基準位置調整(+Δθ〜−Δθ)が行われる。これ以外の動作は、図9に関する説明と同様である。水圧式洗浄ノズル10の基準位置調整について図17を参照して説明する。
例えば、吐水状態において、使用者が操作部80に設けられた位置調整ボタン85の「前」ボタン85aを押す(ステップS401:Yes、タイミングT13)と、基準位置Pの前方への調整信号が制御部70に送られる。制御部70(基準位置調整手段74)は、この信号を受信し、水圧式洗浄ノズル10を鉛直下方向きに回転させることを判断する(ステップS402)。そして、制御部70は、水圧式洗浄ノズル10を回転させて、水圧式洗浄ノズル10の角度を+Δθだけ変化させる(ステップS403)。これにより、局部洗浄水の吐水方向がより前方向きとなる。
図18に示す例では、モータ21はステッピングモータである。ステッピングモータを組み込んだシステムでは、モータ内部あるいはシステム内の各部材のガタつき等が存在する。したがって、実施形態に係る局部洗浄ユニット101における水圧式洗浄ノズル10の往復回動には、ヒステリシスが存在する。すなわち、モータ21に同じパルス数を入力したとしても、モータ正回転時の水圧式洗浄ノズル10の停止位置とモータ逆回転時の水圧式洗浄ノズル10の停止位置とは差が生じる。
図20は、実施形態に係る衛生洗浄便座の動作の変形例を例示するタイミングチャートである。
局部洗浄ユニット101が待機状態のときに、使用者が操作部80に設けられたおしり洗浄ボタン82を押す(ステップS101:Yes、タイミングT1)と、洗浄開始信号が制御部70に送られる。制御部70は、この信号を受信すると、水圧式洗浄ノズル10が位置決め部材30(図3(b)を参照)に当たるまで回転するようにモータ21を制御する(ステップS132、タイミングT15)。
これにより、水圧式洗浄ノズル10に水が供給され、ノズル本体11が前方へ進出する(タイミングT3〜T5)。制御部70は、ノズル本体11の進出が完了するまでの平均時間、待機する(ステップS104)。
図22(a)及び図22(b)に示す局部洗浄ユニット102は、モータ21とシリンダ12との連結において、図3等で説明した局部洗浄ユニット101と異なる。
図23には、局部洗浄ユニット103と、局部洗浄ユニット103を収容するケーシング201を示す。
図23に示す局部洗浄ユニット103は、水圧式洗浄ノズル10の回転を規制するストッパの構成において、図3等で説明した局部洗浄ユニット101と異なる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (16)
- 局部洗浄ユニットを有する機能部と、
直流電力を生成し該直流電力により前記機能部を駆動させる電池を収容する電池収容部と、
を備えた衛生洗浄装置であって、
前記局部洗浄ユニットが、
局部洗浄水を吐水する吐水口を有するノズル本体と、該ノズル本体を収納するシリンダと、を有し、前記ノズル本体へ供給される水圧により前記ノズル本体を前記シリンダから進出させる水圧式洗浄ノズルと、
該水圧式洗浄ノズルの前記シリンダと連結して前記水圧式洗浄ノズルを往復運動させる洗浄ノズル往復運動手段であって、前記水圧式洗浄ノズルを上下方向に往復回動させるモータを有する洗浄ノズル往復運動手段と、
を有し、
前記機能部は、前記モータを制御する制御部であって、前記水圧式洗浄ノズルの位置を基準位置に固定させて人体局部へ前記局部洗浄水を吐水する固定洗浄と、前記洗浄ノズル往復運動手段によって前記水圧式洗浄ノズルを前記基準位置を起点として所定角度往復回動させつつ人体局部へ前記局部洗浄水を吐水するムーブ洗浄と、を切り換える制御部を有することを特徴とする衛生洗浄装置。 - 前記ムーブ洗浄において、前記水圧式洗浄ノズルが前記基準位置を中心に所定角度往復回動することを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
- 前記ムーブ洗浄終了時に、前記制御部が前記水圧式洗浄ノズルを前記基準位置まで戻すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の衛生洗浄装置。
- 前記制御部が、前記基準位置をおしり洗浄に用いるおしり洗浄用基準位置あるいは女性局部の洗浄に用いる女性局部洗浄用基準位置に選択自在とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
- 前記制御部が、前記基準位置を調整可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
- 前記機能部が、前記ノズル本体への給止水を制御する電磁弁を有し、
前記ムーブ洗浄中に前記制御部へ洗浄終了信号が伝達された場合、前記制御部が、前記電磁弁を閉弁させた後に前記モータの駆動を停止させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。 - 前記電磁弁が開弁した後、前記制御部は、前記水圧式洗浄ノズルの前記ノズル本体が前記シリンダから進出完了するまで前記ムーブ洗浄を禁止することを特徴とする請求項6に記載の衛生洗浄装置。
- 前記機能部が、前記ノズル本体への給水量を制御する電動流量調整弁を有し、
前記制御部が、前記電動流量調整弁を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。 - 前記吐水口が下方へ向かう前記水圧式洗浄ノズルの回転を規制する第1ストッパを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
- 前記吐水口が上方へ向かう前記水圧式洗浄ノズルの回転を規制する第2ストッパを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
- 前記吐水口からの吐水により前記水圧式洗浄ノズルに作用する吐水反力トルクと前記水圧式洗浄ノズルの自重トルクとの和が、前記モータのディテントトルク以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
- 前記水圧式洗浄ノズルの回動軸を中心に、前記吐水口からの吐水により前記水圧式洗浄ノズルに作用する吐水反力トルクと前記水圧式洗浄ノズルの自重トルクとが釣り合っていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
- 前記局部洗浄ユニットが、前記水圧式洗浄ノズルに調整トルクを印加するトルク調整手段をさらに備え、
前記吐水口からの吐水により前記水圧式洗浄ノズルに作用する吐水反力トルクと前記水圧式洗浄ノズルの自重トルクと前記トルク調整手段による前記調整トルクとの和が、前記モータのディテントトルク以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。 - 前記局部洗浄ユニットが、前記水圧式洗浄ノズルを支持する支持部を有し、
前記支持部は、互いに対向する第1部分及び第2部分を有し、
前記水圧式洗浄ノズルが、前記第1部分及び前記第2部分の間に位置し、前記第1部分及び前記第2部分によって支持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。 - 前記モータが、ステッピングモータであり、
前記水圧式洗浄ノズルの往復回動における振幅角に対応する前記モータのパルス数は、前記水圧式洗浄ノズルの往復回動におけるヒステリシスに対応する前記モータのパルス数以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。 - 前記水圧式洗浄ノズルからの吐水が開始する前に、前記制御部は、前記水圧式洗浄ノズルを位置決め部材に当てた後、前記水圧式洗浄ノズルが前記位置決め部材に当たった位置から前記基準位置に前記水圧式洗浄ノズルを移動させるパルス数を前記モータに入力することを特徴とする請求項15に記載の衛生洗浄装置。
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