JP2018119175A - 透明積層基材、構造体および素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】極薄ガラス透明基板、プラスチック樹脂やプラスチックフィルム等のプラスチック材料からなる透明基板を熱による変形を発生させること無く、低い抵抗率と高い透過率を有する透明積層基材を提供する。さらには、当該積層基材を有する構造体及び前記構造体を用いた素子を提供する。【解決手段】透明基板と、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を含む透明積層基材であって、前記透明導電性酸化物層がインジウム、ハフニウムおよびタンタルを含み、以下の原子比の組成を有する透明積層基材。0.010≦Hf/(In+Hf+Ta)≦0.030.001≦Ta/(In+Hf+Ta)≦0.02(ここで、インジウムはIn、ハフニウムはHf、タンタルはTaである)【選択図】図1

Description

本発明は、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を備える透明積層基材およびそれを用いた素子に関するものである。
液晶等の表示素子をはじめ、タッチパネル検出素子や太陽電池の受光素子として用いられている素子は、透明基板上に透明導電性酸化物層(以下、「透明導電膜」という。)を形成した透明積層基材が使用されている。一般に透明基板としてガラス基板、透明導電膜としてITO(Indium Tin Oxide)薄膜等が用いられている。
近年、タッチパネルデバイスにおいては、高い検出速度とタッチ検出素子の大型化を可能にするため透明導電膜の配線の微細化が必要とされており、微細化されても導電性を維持することが可能な低抵抗の透明導電膜の開発が求められている。同様に、太陽電池デバイスにおいては、太陽電池特性を向上させるため低抵抗の透明導電膜の開発が求められている。
一方、タッチパネルデバイスや太陽電池デバイスの軽量化やフレキシブル性付与の目的から、透明基板として極薄ガラスまたは樹脂を利用した透明積層基材の開発が求められている。
しかし、上記ITO薄膜は導電性に優れるものの成膜時もしくはその後の熱処理時に200℃以上のプロセス温度が必要である。このため、ITO薄膜を極薄ガラス基板や樹脂基板に適応させた場合、200℃以上のプロセス温度により、前記透明積層基材に反りや変形が発生するという問題があった。なお、ITO薄膜を200℃未満の低い基板温度で成膜することも可能であるが、その場合、抵抗率が悪化する(例えば、特許文献1参照)。従って、タッチパネルデバイスの高い検出速度、タッチ検出素子の大型化、及び太陽電池特性の向上を達成するためには、200℃未満のプロセス温度で低い抵抗率を達成できる材料が必要である。
特許文献2では、低温プロセスにより成膜された低抵抗の膜についての記載はあるが、それらを用いて極薄ガラス基板、フレキシブル基板に成膜した積層基材や素子に関しての記載はない。透明導電膜において、特に膜厚が100nm未満である極薄膜である場合は基板の材質によって特性が変化する。
現状の透明導電膜を構成材料としてタッチパネル付ディスプレイを作製した場合、微小な電極パターンが視認される点が問題となっており、透明導電膜のさらなる薄膜化、低抵抗化が必要となっている。しかしながら、透明導電膜を薄膜化すると電気抵抗の増大が不可避であり、タッチパネルの応答感度を著しく損なうため、現状の透明導電膜では十分な性能が得られていない。さらに、タッチパネルをディスプレイ内部に組み込む場合、樹脂等の有機物上に透明導電膜を積層することになるため、製造におけるプロセス温度がより低く制限されるようになった。特許文献1では、樹脂基板を用いて、200℃程度のプロセス温度で抵抗の低い透明導電膜を成膜できることが報告されている。しかし、上記のようにタッチパネル付ディスプレイでは、液晶などの分子が分解しないより低い温度、例えば150℃以下の温度が必要とされている。
また投影型静電容量方式のタッチパネルにおいて、電極パターンを形成している透明電極材料の抵抗値がパネルの大画面化に伴い増大し、位置検出の演算量やノイズを増加させる問題につながっている。前述タッチパネルは高精度、かつマルチタッチ可能なため、近年では検出方式の主流となっており、例えば特許文献2に記載されているような技術で薄型化が検討されているが、これの大画面化のためには、透明導電膜のさらなる低抵抗化が求められている。
特開2012−218163号公報 WO2014/024986号公報
本発明の目的は、極薄ガラス透明基板、プラスチック樹脂やプラスチックフィルム等のプラスチック材料からなる透明基板を熱による変形を発生させること無く、低い抵抗率と高い透過率を有する透明積層基材を提供することにある。またさらには、当該積層基材を有する構造体、及び前記構造体を用いた素子を提供することにある。
このような背景に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、透明基板と透明導電性膜から構成されることを前提とし、前記透明基板上に、酸化インジウムに特定の元素を、特定の組成で添加した透明導電膜を形成することにより、透明積層基材に反りや変形を発生させることのない低温条件で成膜しても、低い抵抗率と高い透過率を有する透明積層基材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の様態は以下の通りである。
(1)透明基板と、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を含む透明積層基材であって、前記透明導電性酸化物層がインジウム、ハフニウムおよびタンタルを含み、以下の原子比の組成を有する透明積層基材。
0.010≦Hf/(In+Hf+Ta)≦0.03
0.001≦Ta/(In+Hf+Ta)≦0.02
(ここで、インジウムはIn、ハフニウムはHf、タンタルはTaである)
(2)透明導電性酸化物層の膜厚が40nm以下である(1)に記載の透明積層基材。
(3)透明導電性酸化物層の抵抗率が240μΩcm以下であり、かつ400〜800nmの波長領域における平均透過率が85%以上である(1)または(2)に記載の透明積層基材。
(4)透明基板が、ガラスまたは樹脂のいずれかである(1)乃至(3)いずれか一つに記載の透明積層基材。
(5)透明基板と、透明導電性酸化物層の間に高抵抗層が積層されている(1)乃至(4)いずれか一項に記載の透明積層基材。
(6)透明基板上に150℃以下で透明導電性酸化物層を成膜する成膜工程を有する(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の透明積層基材の製造方法。
(7)(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の透明積層基材を含む構造体。
(8)透明積層基材と誘電体層とが順次積層され、基板額縁部には位置検出用配線部並びに位置検出用電極が設けられている(7)に記載の構造体。
(9)(8)に記載の透明導電膜付構造体に高抵抗層を積層する素子。
(10)(8)に記載の透明導電膜付構造体間に高抵抗層を有する素子。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、透明基板と、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を含む透明積層基材であって、前記透明導電性酸化物層が、インジウム、ハフニウムおよびタンタルを含み、以下の原子比の組成を有する透明積層基材である。
0.010≦Hf/(In+Hf+Ta)≦0.03、
0.001≦Ta/(In+Hf+Ta)≦0.02
(ここで、インジウムはIn、ハフニウムはHf、タンタルはTaとする)
透明導電膜の組成は
0.010≦Hf/(In+Hf+Ta)≦0.03
0.001≦Ta/(In+Hf+Ta)≦0.015
であることが好ましく、
0.012≦Zr/(In+Hf+Ta)≦0.025
0.005≦Ta/(In+Hf+Ta)≦0.012
であることがさらに好ましい。最も好ましくは
0.015≦Hf/(In+Hf+Ta)≦0.02
0.004≦Ta/(In+Hf+Ta)≦0.009
である。
透明導電膜を上記組成範囲とすることにより、低温の熱処理温度で成膜したにもかかわらず、低い抵抗率と高い透過率を有する透明電極付き基板の作製が可能となる。
透明導電膜の膜厚は、抵抗率と透過率との兼ね合いによるが、40nm以下が好ましい。これにより、表示素子上に電極パターンが視認しにくくなる。透明導電膜の透過率を考慮した場合、10nm以上35nm以下の膜厚がより好ましい。さらに、透明導電膜の抵抗率を考慮した場合、20nm以上35nm以下の膜厚がさらに好ましい。これにより、低抵抗を維持しつつ、高い透過率を達成し、良好な視認性の表示素子、高変換効率の光電変換素子を製造することが可能となる。
本発明の透明積層基材における透明導電膜の抵抗率は、240μΩ・cm以下が好ましく、230μΩ・cm以下がより好ましく、220μΩ・cm以下が最も好ましい。これにより、タッチパネルデバイスにおいては高い検出速度と大型化が可能となる。また、太陽電池デバイスにおいてはフィルファクタの向上により、高い特性を有する太陽電池デバイスの製造が可能となる。
本発明の透明積層基材における透明導電膜の透過率は、400〜800nmの波長領域における平均透過率が85%以上であることが好ましく、87%以上であることがより好ましい。これにより、タッチパネル素子の透明電極配線が見えづらくなり、素子の視認性が向上する。したがって、前記視認性を改善させる場合に必要とされる、光学調整膜を積層等のデバイス構造の煩雑化、製造コストの増加を抑制することができる。また、太陽電池デバイスにおいては、太陽光の取り込み効率が改善されるため光をより有効利用することが可能となる。
また、透明導電膜を支持する基板としては、目的に応じて種々の材質、形状のものを使用することができる。一般的には、板状又はシート状のものが使用される。基板は、用途に応じて透明であっても、不透明であってもよい。基板に用いる素材としては、透明ガラス、合成樹脂、セルロース樹脂、金属、その他セラミック又は半導体基板に使用されるシリコンウエハーなどを挙げることができる。より具体的には、透明ガラスとしては、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等が挙げられる。
本発明の透明積層基材における透明基板は、ガラス材料、樹脂材料のいずれかを用いることが好ましい。ガラス材料としては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラスからなる群の少なくとも1種が使用できる。また、樹脂基板としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート又は変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム又は環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム及びトリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルムからなる群の少なくとも1種を挙げることができ、用途および目的に応じて選択可能である。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム又はポリカーボネートフィルムが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムがより好ましい。
金属としては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスからなる群の少なくとも1種を挙げることができる。これらの基板の導電性層が形成される表面は、所望により、シランカップリング剤などの薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着などの前処理を行うことができる。
本発明の積層基材の有する透明基盤板は、PET、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホンまたは無アルカリガラスからなる群の少なくとも一種が好ましい。
なお、本発明では透明基板と透明導電膜の間に高抵抗層が積層されていてもよい。高抵抗層は、ZrO、Al、SiO、TiO、ZnO−MgO、CdSからなる群の少なくとも1種が挙げられ、作製するデバイスの用途および目的に応じて選択可能である。
次に本発明の製造方法について説明する。
本発明の透明積層基材は、透明基板上に150℃以下で透明導電性酸化物層を成膜する成膜工程を有する製造方法により得ることができる。
成膜工程における成膜方法は特に限定されるものではないが、大面積に均一な成膜が可能なDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、又はPLD(パルスレーザー堆積法)等を適宜選択する事ができる。特に大面積に均一かつ高速成膜が可能なため、DCマグネトロンスパッタリング法が好ましい。また、透明導電膜を形成するための温度は、150℃以下である。これにより、得られる透明積層基材に反りや変形、熱膨張の発生が抑制される。透明導電膜を形成する際の加熱方法は特に限定されるものではなく、透明基板を加熱した状態で透明導電膜を形成してもよいし、無加熱状態で透明導電膜を形成し、その後所定の温度範囲で熱処理を行ってもよい。
ここで成膜時の温度とは、透明導電膜付構造体、素子又は電子機器の製造時に、基板を含めた構成部材自身が到達し得る温度を意味する。これは、表示素子や検出素子などにおいては有機物層と共に本発明の構造体が用いられるため、製造温度の上限が制限されるためである。成膜温度を150℃以下にすることで、素子に用いられている有機物の分解、もしくは基板の劣化や融解を抑制でき、素子の破損をひき起こす可能性を著しく低減できる。温度の下限値は、制御の必要がない室温が好ましいが、製造時の外気温の影響が素子特性に影響を与える場合があるので、下限温度制御があってもよく、40℃以上が好ましい。
本発明の構造体は、表示素子、検出素子、光電変換素子などの様々な電気素子に好適に用いることができる。
本発明の構造体を電気素子として用いる場合、本発明の構造体に高抵抗層を積層してもよく、複数の構造体間に高抵抗層を有する態様でも利用可能である。
インセル型のタッチパネルを例として本発明の構造体を用いた素子について説明する。ただし、本発明の素子の種類はこれに限定されるものではなく、例えば、アウトセル型やオンセル型の様々な静電容量方式のタッチパネルにも用いることができる。 本発明の構造体の一例を図1に示す。図1の構造体は静電容量式タッチパネルとして好適に用いることができる。
静電容量式タッチパネル20は、透明基板21上に形成された透明導電膜22と、誘電体層23とが順次積層された構造を有している。
ここで、誘電体層23は、上記一般的なタッチパネル表示装置における酸化ケイ素からなる膜などの他、装置構成によっては、ブラックマトリクス及びカラーフィルタ層である場合も含んでいる。また、静電容量式タッチパネル20においては、透明導電膜22と、誘電体層23とが順次積層された構造に加えて、基板額縁部には、AgあるいはAg合金からなる位置検出用配線部並びに位置検出用電極24が設けられている。さらに、ブラックマトリクス、カラーフィルタ層、表示用の信号が供給されるITO膜等からなる透明導電膜を形成して、タッチパネルとして構成される場合を含んでいる。
本発明の透明積層基材は、透明基板と、酸化インジウム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを含む透明導電性酸化物層であり、150℃以下の低い成膜温度で成膜し、低い抵抗率と高い透過率を有し材の反りや変形 を発生することなく透明積層基材を製造することができる。
よって、上述した透明積層基材を含む構造体を用いた素子、及び当該素子を用いた電子機器は、表示素子、検出素子の視認性や精度及び感度の向上が期待できる。当該構造体はタッチパネルデバイスや太陽電池デバイスに用いることで、タッチパネルデバイスの軽量化や大型化を目的とした静電容量式タッチパネルや変換効率の向上を目的とした太陽電池デバイスに好適に使用でき、工業的に極めて有用である。さらには有機エレクトロニクスにおいても発光素子であれば発光効率の増大、光電変換素子であれば光取り込み量の増大による変換効率の向上が期待できる。
評価に用いたタッチパネルの模式図である。
本発明は以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、評価方法は以下の通りである。
(透明導電性酸化物層の組成分析)
ICP発光分光分析装置(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、ICP発光分析法により定量した。
(光透過率)
透明積層基材の光透過率を分光光度計U−4100(日立製作所社製)で波長240nmから2600nmの範囲を測定した。波長400〜800nmで得られた光透過率の平均値T(%)について、以下の式で定義される。
光透過率T(%)=透過した光の量/入射した光の量
(抵抗率)
透明導電膜の抵抗率は、HL5500(日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)を用いて測定した。
[実施例1〜5、比較例1〜5]
(透明導電性酸化物層用スパッタリングターゲットの作製)
酸化インジウム粉末、酸化ハフニウム及び酸化タンタルを表1に記載の割合で混合し、その混合体を成形した後、加熱焼結して複合酸化物焼結体を作製した。これらの焼結体を4インチφサイズに加工し、無酸素銅製のバッキングプレートに張り合わせてスパッタリングターゲットとした。
(透明積層基材の作製)
DCマグネトロンスパッタリング装置にスパッタリングターゲットを取り付けた。次にスパッタリングターゲットの対向面に配置された基板ホルダーに、PET透明基材を配置させた。その後、下記に示すスパッタリング条件および製膜後の後処理条件で熱処理を行った。
(スパッタリング成膜条件)
装置 :DCマグネトロンスパッタ装置
磁界強度 :1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
基板温度 :室温(25℃)
到達真空度 :5×10−4Pa
スパッタリングガス :アルゴン+酸素
(酸素/(アルゴン+酸素)で表1に記載 (体積比))
スパッタリングガス圧:0.5Pa
DCパワー :200W
膜厚 :30nm
(成膜後の後処理条件)
透明基板上に透明導電膜を形成した透明積層基材を各温度で大気中にて熱処理を行った
熱処理温度 : 150℃
熱処理時間 : 60分
熱処理雰囲気 : 大気
実施例1〜5と、比較例1〜5を比較することにより、本発明では150℃という低い熱処理温度で、低い抵抗率と高い透過率を有する透明電極付き基板が得られることが判る。
[実施例6〜10、比較例6〜10]
透明基板としてポリエチレンナフタレートフィルムを用いて、その他の条件は、実施例1〜5、比較例1〜5と同様の条件で透明積層基材を作成した。その結果を表2に示す。
[実施例11〜15、比較例11〜15]
透明基板としてポリエーテルサルホンフィルムを用いて、その他の条件は、実施例1〜5、比較例1〜5と同様の条件で透明積層基材を作成した。その結果を表3に示す。
Figure 2018119175
Figure 2018119175
Figure 2018119175
[実施例16〜21]
所望の組成を有する焼結体を作製して、適切なサイズに加工した後、バッキングプレートに張り合わせてスパッタリングターゲットとした。得られたスパッタリングターゲットをDCマグネトロンスパッタリング法により、基板としてガラスを用いたこと以外は実施例1〜15、比較例1〜15と同じ条件で成膜した後、熱処理を行って透明積層基材を作製した。
(スパッタリング条件)
膜厚 :20〜30nm
使用基板 :無アルカリガラス(コーニング社製EAGLE XGガラス)
厚さ0.7mm
得られた透明積層基材を含む静電容量式タッチパネルを作成し(図1)、性能評価を行った。
酸化インジウム、酸化ハフニウム及び酸化タンタルを表4に記載の原子比で有する焼結体をスパッタリングターゲットとして用いてガラス基板上に成膜した。X線回折の結果、得られた透明導電膜は非晶質であることを確認した。さらに熱処理を行った後は、結晶化していることを確認した。得られた透明導電膜の組成、電気抵抗(シート抵抗)及び光学特性、並びにタッチパネルの性能について表4に示す。
[比較例16]
酸化インジウム及び酸化タンタルを表4に記載の原子比で有する焼結体をスパッタリングターゲットとして用いてガラス基板上に成膜した。X線回折の結果、得られた透明導電膜は非晶質であることを確認した。さらに熱処理を行った後は、結晶化していることを確認した。得られた透明導電膜の組成、電気抵抗及び光学特性、並びにタッチパネルの性能について表4に示す。
[比較例17]
酸化インジウム及び酸化ハフニウムを表4に記載の原子比で有する焼結体をスパッタリングターゲットとして用いてガラス基板上に成膜した。X線回折の結果、得られた透明導電膜は非晶質であることを確認した。さらに熱処理を行った後は結晶化していることを確認した。得られた透明導電膜の組成、電気抵抗及び光学特性、並びにタッチパネルの性能について表4に示す。
[参考例1]
酸化インジウム及び酸化スズを表4に記載の原子比で有する焼結体をスパッタリングターゲットとして用いてガラス基板上に成膜した。X線回折の結果、成膜後の透明導電膜は非晶質であることを確認した。さらに熱処理を行った後は結晶化していることを確認した。得られた透明導電膜の組成、電気抵抗及び光学特性、並びにタッチパネルの性能について表4に示す。
Figure 2018119175
本発明により、素子の光学的性質及び感度特性を飛躍的に改善でき、これを用いた電子機器の性能や視認性を向上させることができる。さらに低い製造プロセスにおいても高い性能を発現できることから、素子を構成する材料の選択幅を広げることができる。
20 静電容量式タッチパネル
21 透明基板
22 透明導電膜
23 誘電体層
24 位置検出用配線部並びに位置検出用電極(位置検出用部材)

Claims (10)

  1. 透明基板と、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物層を含む透明積層基材であって、前記透明導電性酸化物層がインジウム、ハフニウムおよびタンタルを含み、以下の原子比の組成を有する透明積層基材。
    0.010≦Hf/(In+Hf+Ta)≦0.03
    0.001≦Ta/(In+Hf+Ta)≦0.02
    (ここで、インジウムはIn、ハフニウムはHf、タンタルはTaである)
  2. 透明導電膜の厚さが40nm以下である請求項1に記載の透明導電膜付構造体。
  3. 透明導電性酸化物層の抵抗率が240μΩcm以下であり、かつ400〜800nmの波長領域における平均透過率が85%以上である請求項1または2に記載の透明積層基材。
  4. 透明基板が、ガラスまたは樹脂のいずれかである請求項1乃至3いずれか一項に記載の透明積層基材。
  5. 透明基板と透明導電性酸化物層の間に高抵抗層が積層されている請求項1乃至4いずれか一項に記載の透明積層基材。
  6. 150℃以下で透明導電性酸化物層を成膜する成膜工程を有する成膜工程を有する請求項1乃至5いずれか一項に記載の透明積層基材の製造方法。
  7. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の透明積層基材を含む構造体。
  8. 透明積層基材と誘電体層とが順次積層され、基板額縁部には位置検出用配線部並びに位置検出用電極が設けられている請求項7に記載の構造体。
  9. 請求項8に記載の構造体に高抵抗層を積層する素子。
  10. 請求項8に記載の構造体間に高抵抗層を有する素子。
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