JP2018119084A - アロファネート基含有ポリイソシアネート組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリウレタン樹脂を溶媒により抽出した際、溶出する抽出物量の少ないポリウレタン樹脂を提供すること。【解決手段】 ジフェニルメタンジイソシアネート(A)と、モノオール化合物(B)との反応生成物であるアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマー(C)と、シロキサン化合物(D)を特定量含むことを特徴とするアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物を用いることにより解決する。【選択図】 なし

Description

本発明は、ジフェニルメタンジイソシアネートとモノオール成分から誘導されるアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマーと、少なくとも一種のシロキサン化合物を含むアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物に関するものである。
中空糸或いは平膜を分離膜としたモジュールは、水処理等の産業分野、血液処理等の医療分野など多岐にわたって用いられている。特に、浄水器、人工腎臓、人工肺等の用途にあっては、その需要が極めて増大している。
一般に、中空状或いは平膜状繊維分離膜を用いたモジュールを収束した端部を接着固定する膜シール材として、常温での可撓性、接着性、及び耐薬品性に優れるポリウレタン樹脂が広く用いられている。
そのため、このような用途に用いられるポリウレタン樹脂に対して、膜モジュールの生産性を向上させるために、イソシアネート基末端プレポリマーやポリオールの低粘度化の要求が高まっている。
このようなポリウレタン樹脂として、例えば、イソシアネート成分として、液状化ジフェニルメタンジイソシアネートとヒマシ油またはヒマシ油誘導体ポリオールとから得られたポリイソシアネートプレポリマーをポリオールで硬化させて得られるポリウレタン樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIとも言う)とモノオールから誘導されるアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマーは、低粘度かつ低温時におけるMDIの析出が少なく、取り扱いが容易であることから、接着剤やシール材の分野において有用であり、広く応用されている。
MDIと脂肪族モノアルコールやポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテルから誘導されるアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマーが知られているが(例えば、特許文献2参照)、MDIとこれらのアロファネート体を用いたウレタン樹脂組成物では、ウレタン樹脂から溶出する抽出物が多いことが問題であり、解決が望まれている。
特開昭53−98398号公報 特開2009−030059号公報
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウレタン樹脂を溶媒により抽出した際、溶出する抽出物量の少ないウレタン樹脂を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、MDIベースのアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物が、所定量のシロキサン化合物を含有することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の実施形態を含む。
(1)ジフェニルメタンジイソシアネート(A)と、モノオール化合物(B)との反応生成物であるアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマー(C)と、シロキサン化合物(D)とを含むアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物であって、シロキサン化合物(D)をアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマー(C)中に1〜100ppm含むことを特徴とするアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物。
(2)モノオール化合物(B)が、脂肪族モノアルコール及びポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする上記(1)に記載のアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物。
(3)上記(1)又は(2)に記載のアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物と、ポリオール成分とを含むポリウレタン樹脂形成性組成物。
(4)上記(3)に記載のポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物からなるシール材。
(5)上記(4)に記載のシール材により封止されていることを特徴とする膜モジュール。
本発明により得られるアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物を用いることにより、ウレタン樹脂から溶出する抽出物の少ないウレタン樹脂を得ることができる。
本発明のアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物は、ジフェニルメタンジイソシアネート(A)とモノオール化合物(B)との反応生成物であるアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマー(C)と、少なくとも1つのシロキサン化合物(D)を含む組成物である。
本発明において用いられるMDI(A)には、一般に入手できるいずれのMDIモノマーも使用でき、そのMDIモノマーのアイソマーは通常2,2’−MDIが0〜5重量%、2,4’−MDIが0〜95重量%、4,4’−MDIが5〜100重量%である。
本発明において用いられるMDI(A)としては、より低粘度のアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマーを得るために、前述のMDIを用いることが好ましいが、ある程度の高粘度化も許容されるならポリメリックMDIである、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートも使用できる。その場合のポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの含有量は、使用するイソシアネート成分中0〜50重量%が好ましい。50重量%を超えると粘度が高くなりすぎ、また不溶解物が生成する場合がある。
本発明において用いられるモノオール化合物(B)としては、例えば脂肪族モノアルコール、芳香族モノアルコール、脂環族モノアルコール、芳香脂肪族モノアルコール、ポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。
脂肪族モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−及び2−プロパノール、1−及び2−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−1−ペンタノール、1−ノナノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、1−ノナデカノール、1−エイコサノール、1−ヘキサコサノール、1−ヘプタトリコンタノール、1−オレイルアルコール、2−オクチルドデカノール等の脂肪族モノアルコール、及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂肪族モノアルコールの分子量は32〜1500が好ましく、ポリウレタン樹脂の成型加工性、接着強度に優れるとの観点から、分子量は100〜1000であることがより好ましい。
芳香族モノアルコールとしては、例えば、フェノール、クレゾール等を挙げることができる。
脂環族モノアルコールとしては、例えば、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等を挙げることができる。
芳香脂肪族モノアルコールとしては、例えば、ベンジルアルコール等を挙げることができる。
ポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば前記した脂肪族モノアルコールとポリオキシプロピレングリコールとの反応物が挙げられ、ポリオキシプロピレンメチルエーテル、ポリオキシプロピレンエチルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレン−2−オクチルドデカエーテル及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテルの分子量は90〜1500が好ましい。なお、ポリウレタン樹脂の成型加工性、接着強度に優れるとの観点から、分子量は150〜1000であることがより好ましい。
本発明においては、モノオール化合物(B)として、脂肪族モノアルコール、及びポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
本発明において用いられるシロキサン化合物(D)としては、シロキサン結合を有する化合物であれば、特に限定するものではない。例えば、ポリジメチルシロキサン、フェニル変性ポリシロキサン、ハイドロジェン変性ポリシロキサン、アミン変性ポリシロキサン、シラノール変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらのうち、ポリジメチルシロキサン、アミン変性ポリシロキサン、シラノール変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサンが好ましく、取り扱いやすさ、入手のしやすさから、ポリジメチルシロキサンが特に好ましい。
シロキサン化合物(D)の添加量は、アロファネート基含有ポリイソシアネート組成物中に1〜100ppmの範囲であり、3〜50ppmの範囲が好ましい。1ppm未満では溶出物量が下がらず、100ppmを超えるとシロキサン化合物の分離により、アロファネート基含有ポリイソシアネート組成物およびポリウレタン樹脂組成物が外観不良を起こす。
本発明において用いられる触媒(E)としては、例えば、アセトン亜鉛や、亜鉛、鉛、錫、銅、コバルト等の金属カルボン酸塩、及びこれらの混合物や、3級アミン、3級アミノアルコール、4級アンモニウム塩およびこれらの混合物等が挙げられる。
触媒(E)の添加量としては1〜1000ppmの範囲が好ましく、10〜500ppmの範囲がより好ましい。1ppm以下では反応が遅く、1000ppm以上ではプレポリマーの着色が激しいため好ましくない。
本発明において用いられる触媒毒(F)としては、酸性物質が適当であり、例えば無水塩化水素、硫酸、燐酸、モノアルキル硫酸エステル、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、モノ又はジアルキル燐酸エステル、塩化ベンゾイルやルイス酸も含まれる。その添加量は触媒(E)のモル数に対し当量以上加えることが好ましく、1.0〜1.5倍モル当量加えることが好ましい。
本発明におけるアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基含有量は、3〜30重量%が好ましく、5〜28重量%がより好ましく、ポリウレタン樹脂の成型加工性、接着強度に優れるとの観点から10〜26重量%であることが最も好ましい。
本発明におけるアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は、50〜10000mPa・sが好ましく、100〜5000mPa・sがより好ましく、ポリウレタン樹脂の成型加工性に優れるとの観点から200〜3000mPa・sであることが最も好ましい。
本発明のアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物は、MDI(A)とモノオール化合物(B)とをウレタン化反応させた後、触媒(E)を所定量添加してアロファネート化し、触媒毒(F)により反応を停止させ、シロキサン化合物(D)を添加することによって得ることができる。なお、シロキサン化合物(D)の添加は、ウレタン化反応前や、アロファネート化反応前でもよい。
ウレタン化反応は、40〜80℃の温度範囲で、目標のNCO含量となるまで反応することが好ましい。45℃未満ではモノマーMDIの結晶析出の恐れがあり、80℃を超えると副反応物を生じる恐れがある。
アロファネート化反応は、90〜130℃の温度範囲で、目標のNCO含量となるまで反応することが好ましい。90℃未満では反応の進行が遅くなる場合があり、130℃を超えると副反応物を生じる恐れがある。
アロファネート化反応時、目標のNCO含量に到達しないうちに触媒毒(F)を添加した場合、MDI(A)とモノオール化合物(B)が反応したウレタン化物が残存するため、溶出物が多くなる恐れがある。また、反応が進行し過ぎ目標のNCO含量よりも低くなった場合、高粘度となり成形性が悪化する恐れがある。
本発明において、アロファネート基含有ポリイソシアネート組成物と反応し、ウレタン樹脂形成性組成物を形成するポリオール成分(G)としては、特に限定するものではなく、活性水素基を含有する化合物であればいずれも使用することができる。例えば、低分子ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリラクトン系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオールや、水酸基含有アミン系化合物等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上組み合わせて使用することができる。これらの中でもヒマシ油系ポリオールが、耐薬品性、耐溶出物性に優れるため好ましい。
低分子ポリオールとしては、2価のもの、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールA等、また、3価以上のもの、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。低分子ポリオールの分子量は50〜200が好ましい。
ポリエーテル系ポリオールとしては、上記低分子ポリオールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4個のアルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物、およびアルキレンオキサイドの開環重合物等が挙げられ、具体的にはポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、またはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物であるチップドエーテル等が挙げられる。ポリエーテル系ポリオールの数平均分子量は200〜7000が好ましく、膜シール材製造時において成型加工性に優れるとの観点から、数平均分子量は500〜5000であることが更に好ましい。
ポリエステル系ポリオールとしては、例えばポリカルボン酸(脂肪族飽和もしくは不飽和ポリカルボン酸、例えばアゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、リシノール酸、2量化リノール酸や、芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)とポリオール(上記低分子ポリオールとポリエーテルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種)との縮合重合により得られるポリオール等が挙げられる。ポリエステル系ポリオールの数平均分子量は200〜5000が好ましく、膜シール材の製造時において成型加工性に優れるとの観点から、数平均分子量は500〜3000であることがより好ましい。
ポリラクトン系ポリオールとしては、グリコール類やトリオール類等の重合開始剤に、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン等と、β−メチル−σ−バレロラクトン等からなる群より選ばれる少なくとも1種を有機金属化合物、金属キレート化合物、脂肪酸金属アシル化合物などの触媒の存在下で付加重合させたポリオール等が挙げられる。ポリラクトン系ポリオールの数平均分子量は200〜5000が好ましく、膜シール材の製造時において成型加工性に優れるとの観点から、数平均分子量は500〜3000であることがより好ましい。
ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油脂肪酸とポリオール(上記低分子ポリオールとポリエーテルポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種)との反応により得られる線状または分岐状ポリエステル、例えばヒマシ油脂肪酸のジグリセライド、モノグリセライド、ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールアルカンとのモノ、ジまたはトリエステル、ヒマシ油脂肪酸とポリプロピレングリコールとのモノ、ジ、またはトリエステル等が挙げられる。ヒマシ油系ポリオールの数平均分子量は300〜4000が好ましく、膜シール材製造時において成型加工性に優れるとの観点から、数平均分子量は500〜3000であることがより好ましい。
ポリオレフィン系ポリオールとしては、例えばポリブタジエンもしくはブタジエンとスチレンあるいはアクリロニトリルとの共重合体の末端に水酸基を導入したポリブタジエン系ポリオール等が挙げられる。
その他、末端にカルボキシル基と水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するポリエステルに、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を付加反応させて得られるポリエーテルエステル系ポリオール等が挙げられる。
水酸基含有アミン系化合物としては、例えば、アミノ化合物のオキシアルキル化誘導体等として、アミノアルコール等を挙げることができる。
アミノアルコールとしては、例えば、エチレンジアミン等のアミノ化合物のプロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイド付加物である、N,N,N’,N’−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス[2−ヒドロキシエチル]エチレンジアミン等、モノ、ジおよびトリエタノールアミン、N−メチル−N,N’−ジエタノールアミン等を挙げることができる。この中でエチレンジアミン等のアミノ化合物のプロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイド付加物が好ましく、N,N,N’,N’−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンがより好ましい。N,N,N’,N’−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミンを使用することにより、成形時の加工性向上、溶出物の低下等により優れた効果を奏する。
また、該水酸基含有アミン系化合物を使用する場合の配合量は、ポリオール成分(G)中に1〜30質量%の範囲が好ましく、5〜25質量%の範囲が特に好ましい。ポリオール成分(G)中の割合が1質量%未満だと、水酸基含有アミン系化合物の効果を得られず、30質量%を超えると反応性が高くなり過ぎ、作業性が悪くなり充填性が損なわれ、また、得られるシール材の硬度が高くなり過ぎるといった問題が生じる恐れがある。
本発明のアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物は、ポリオール成分(G)と反応させることにより、ポリウレタン樹脂形成性組成物を得ることができ、各種シール材として用いることができる。なかでも、得られたポリウレタン樹脂から溶出する抽出物が少ないことから、医療用、工業用分離装置を構成する膜モジュール用シール材として有用である。
本発明における膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物としては、アロファネート基含有ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基とポリオール成分(G)の活性水素基とのモル比(イソシアネート基/活性水素基)が0.8〜1.6の範囲内であることが好ましく、0.9〜1.2の範囲内が更に好ましく、1.0〜1.1の範囲内が特に好ましい。このような混合割合で得られる組成物によれば、耐久性に優れ、水中へのウレタン樹脂からの溶出物の量がきわめて少ない組成物が得られる。
なお、本発明において、必要に応じて、アロファネート基含有ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基とポリオール成分(G)の活性水素基との反応を促進させる有機スズ化合物などの金属化合物系触媒やトリエチレンジアミン(TEDA)、テトラメチルヘキサメチレンジアミン(TMHMDA)、ペンタメチルエチレントリアミン(PMDETA)、ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、ビスジメチルアミノエチルエーテル(BDMAEA)等の3級アミン触媒等、公知のウレタン化触媒を使用することができる。
本発明における膜シール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を用いて中空或いは平膜状繊維分離膜を用いたモジュール用膜シール材を得る場合、該組成物を室温下で反応させるか、またはゲル化時間の短縮や混合粘度の低下を図るべく、アロファネート基含有ポリイソシアネート組成物とポリオール成分(G)とを各々30〜60℃に加温して反応させてもよい。なお、ゲル化時間の短縮のために、成形温度を必要に応じて0〜100℃、好ましくは20〜80℃、更に好ましくは30〜60℃の温度条件としてもよい。
抽出物の指標としては、1cm角のポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物に、10倍重量のメタノールを加え、25℃雰囲気下で24時間振とう後、濾過、乾燥し、抽出前後の樹脂重量から算出した抽出率を用いることができる。通常、2.0重量%以下が好ましいが、特に安全性の観点から1.5重量%以下であることが好ましい。
また、本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物をシール材に適用するには、透明であることが必要である。特に医療用、工業用分離装置を構成する膜モジュール用シール材においては、異物の混入を確認するために目視において濁りがないことが要求される。
以下、本発明について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。なお、以下において「%」は特に断りのない限り「重量%」を意味する。
以下の成分を実施例及び比較例で使用した。
[ジフェニルメタンジイソシアネート(A)(A成分)]
a1;4,4’−MDI(東ソー社製 ミリオネートMT、イソシアネート基含有量=33.6%)
a2;2,4’−MDIおよび4,4’−MDIの混合物(東ソー社製 ミリオネートNM、イソシアネート基含有量=33.6%)
[モノオール化合物(B)(B成分)]
b1;ポリオキシプロピレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(ライオン社製 レオコン1015H、OHV=70mgKOH/g)
b2;2−オクチルドデカノール(花王社製 カルコール200GD)
[触媒]
触媒E;アセチルアセトン亜鉛(東京化成製)
[触媒毒]
触媒毒F;塩化ベンゾイル(東京化成製)
[シロキサン化合物]
シロキサン化合物D;ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニング社製 ACP−1500)
[ポリオール成分(G)]
g1;ヒマシ油(伊藤製油社製 ヒマシ油LAV、OHV=160mgKOH/g)
g2;N,N,N’,N’−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン(ADEKA社製 EDP−300、水酸基価=760mgKOH/g)
なお、実施例及び比較例において所定量とは、表1および表2に記載の各組成量をいう。
[実施例1]
1リットル容の四口フラスコにa1を所定量加え、窒素気流下攪拌しながら50℃に温調した。次いで攪拌しながらb1を所定量加え、ウレタン化反応の発熱が収まった後に90℃まで昇温した。内温が90℃で安定したところで、触媒Eを所定量添加し90℃で4時間反応させ、触媒毒Fおよびシロキサン化合物Dを所定量加え反応を停止させ、プレポリマーC−1を得た。プレポリマーC−1は淡黄色透明液体であった。その性状を表1に示す。
[実施例2〜9、比較例1〜3]
A成分およびB成分を表1に示す組成に変更し、実施例1と同様の操作でプレポリマーを合成した。その性状を表1に示す。
[ポリオールG調製例]
ポリオール(g1)70重量部、ポリオール(g2)30重量部を混合し、ポリオール成分G−1を調製した。
[実施例10〜18、比較例4〜6]
表2に示す組成でウレタン樹脂組成物を成形した。
[抽出試験手順]
表2に記載の抽出物量は、下記の試験結果から算出した。
1)実施例10〜18および比較例4〜6に係るポリウレタン樹脂形成性組成物の各々を、減圧脱泡(10〜20kPaで1分間)した後、離型紙上に約1〜2mmの厚みになるようにシートを成形した。
2)これを1cm角にカットし、樹脂重量に対して10倍重量のメタノールを加え、25℃雰囲気下で24時間振とうした。
3)濾過、乾燥後、抽出前後の樹脂重量より抽出率を算出した。
[外観評価手順]
プレポリマーC−1〜C−12,及び樹脂組成物の外観を目視で評価し、濁りが確認できないものを良好、わずかでも濁りの認められるものを濁りとした。
Figure 2018119084
Figure 2018119084
上記表2に示すように、実施例10〜18、比較例4及び比較例5に係るポリウレタン樹脂組成物は、何れも淡黄色透明であったが、比較例6は外観に濁りが見られた。また、比較例に係るポリウレタン樹脂組成物は何れも抽出率が高いものであった。
本発明によれば、抽出物の少ないポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することが可能となる。本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を用いた膜シール材は、多くの優れた性能、とりわけ優れた低抽出率を有する。従って、本発明のシール材は、医療用、工業用分離装置を構成する膜モジュール用シール材として好適に使用することができる。ここに、医療用、工業用分離装置としては、具体的には、血漿分離器、人工肺、人工腎臓、人工肝臓、家庭用・工業用水処理装置が挙げられる。

Claims (5)

  1. ジフェニルメタンジイソシアネート(A)と、モノオール化合物(B)との反応生成物であるアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマー(C)と、シロキサン化合物(D)とを含むアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物であって、シロキサン化合物(D)をアロファネート基含有ポリイソシアネートプレポリマー(C)中に1〜100ppm含むことを特徴とするアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物。
  2. モノオール化合物(B)が、脂肪族モノアルコール及びポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載のアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のアロファネート基含有ポリイソシアネート組成物と、ポリオール成分とを含むポリウレタン樹脂形成性組成物。
  4. 請求項3に記載のポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物からなるシール材。
  5. 請求項4に記載のシール材により封止されていることを特徴とする膜モジュール。
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