JP2018118885A - 単結晶引き上げ装置 - Google Patents

単結晶引き上げ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018118885A
JP2018118885A JP2017012262A JP2017012262A JP2018118885A JP 2018118885 A JP2018118885 A JP 2018118885A JP 2017012262 A JP2017012262 A JP 2017012262A JP 2017012262 A JP2017012262 A JP 2017012262A JP 2018118885 A JP2018118885 A JP 2018118885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
single crystal
metal plate
crystal pulling
pulling apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017012262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6365700B2 (ja
Inventor
陽 田中
Yo Tanaka
陽 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2017012262A priority Critical patent/JP6365700B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6365700B2 publication Critical patent/JP6365700B2/ja
Publication of JP2018118885A publication Critical patent/JP2018118885A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、チョコラルスキー法を用いた単結晶引き上げ装置において、垂直方向に分割した水冷式チャンバーの結晶取り出し及び構築物の再構成作業の作業性と安全性を高める等の利点を維持し、かつ、チャンバーを分割したことでエッジ効果や冷却水が閉鎖されたことによる端部の局部過熱等不具合点を抑制した単結晶引き上げ装置を低コストで提供することを目的とする。【解決手段】坩堝及び高周波方式の加熱手段を囲んで設置された水冷式のチャンバーを有するチョコラルスキー式の単結晶引き上げ装置であって、前記チャンバーは垂直方向に分割され、分割された前記チャンバー同士の係合部を内側から覆う導電性金属板を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、単結晶引き上げ装置に関し、特にチョコラルスキー法での結晶育成に適した単結晶引き上げ装置に関する。
単結晶の育成方法では、従来からチョコラルスキー法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このチョコラルスキー法と呼ばれる単結晶育成方法は、ある結晶方位に従って切り出された種と呼ばれる、通常は断面の一辺が数mm程度の直方体単結晶の先端を、坩堝内の同一組成の原料融液の上方から接触させ、回転しながら徐々に上昇させて単結晶を育成している。
チョコラルスキー法を用いた単結晶育成方法に適した単結晶引き上げ装置は、一般的に種結晶を懸架する、回転機能を具備した引き上げ軸、引き上げ軸を昇降させる昇降機構、坩堝と断熱材と加熱装置からなるホットゾーン、ホットゾーンを覆い、内部の雰囲気を置換したり、ホットゾーンの高熱を遮断したりする機能を有するチャンバー、引き上げ軸部をホットゾーン部の上方に固定するポストフレーム、チャンバーの下部の架台からなる。
このチョコラルスキー法では、坩堝内に充填した原料を加熱融解させるために、坩堝周囲にワークコイルを配置し、高周波電流発振器を用いて坩堝に誘導電流を流し、そのジュール熱で坩堝を加熱させている。また、チャンバーは、冷却水を循環させてチャンバー自身を冷却する水冷式を採用することが多い。
このようなチョコラルスキー法を用いた単結晶引き上げ装置において、結晶の回収や熱構成構築作業の安全性と良好な作業性を確保し、且つ装置を小型安価にする目的で、チャンバーを垂直方向に分割する提案がなされている。
例えば、特許文献1では、水冷式チャンバーを垂直方向に分割し水平方向に移動または開閉可能な構造とすることで、低コスト化及び結晶取り出し及び構築物の再構成作業の作業性と安全性を高めている。また、チャンバーを分割したことでエッジ効果や冷却水が閉鎖されたことによる冷却不足等により角部の局部過熱が生じる。これにより水冷式チャンバーの一部が変形し、隙間が生じて外界とチャンバー内部の遮蔽が困難になる。そこで、被加熱面体となる水冷式のチャンバー内部表面に高導電性の金属(銅など)で被覆することにより、チャンバー外への誘導電流の漏洩やチャンバー内の外界との遮蔽の破壊を防止している。
特開2009−114033号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、溶射法などによってチャンバー内部表面の全てを被覆すると、製作および補修にかかるコストも高額となり、製造原価の低減を図ることが困難になるという問題があった。
そこで、上記状況に鑑み、本発明は、チョコラルスキー法を用いた単結晶引き上げ装置において、垂直方向に分割した水冷式チャンバーの結晶取り出し及び構築物の再構成作業の作業性と安全性を高める等の利点を維持し、かつ、チャンバーを分割したことでエッジ効果や冷却水が閉鎖されたことによる端部の局部過熱等不具合点を抑制した単結晶引き上げ装置を低コストで提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る単結晶引き上げ装置は、坩堝及び高周波方式の加熱手段を囲んで設置された水冷式のチャンバーを有するチョコラルスキー式の単結晶引き上げ装置であって、
前記チャンバーは垂直方向に分割され、分割された前記チャンバー同士の係合部を内側から覆う導電性金属板を有する。
本発明によれば、チャンバーを分割したことで発生するエッジ効果や、冷却水が閉鎖されたことによる係合部の局部過熱等不具合点を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る結晶育引き上げ置の一例を示した正面図である。 本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置のチャンバーの拡大図である。 本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置のチャンバーの上端部の拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
本発明の実施形態に係るチョコラスキー式単結晶引き上げ装置は、大気中または不活性ガス雰囲気中で育成される、ニオブ酸リチウムLiNbO(以下LN)、タンタル酸リチウムLiTaO(以下LT)、イットリウムアルミニウムガーネットYAl12(以下YAG)などの酸化物半導体単結晶の製造に用いる結晶引き上げ装置である。
以下、本実施形態に係る単結晶引き上げ装置の構成について簡単に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置の一例を示した正面図である。図1に示すように、本実施形態に係る単結晶引き上げ装置は、坩堝10と、坩堝台20と、加熱手段30と、チャンバー40と、チャンバースライド機構50と、架台60と、引き上げ軸70と、を備える。
単結晶引き上げ装置において、坩堝10が坩堝台20上に載置され、その水平方向の周囲を加熱手段30が囲んでいる。更に、加熱手段30の周囲をチャンバー40が覆い、坩堝10、坩堝台20及びワークコイル30がチャンバー40に収容されている。なお、チャンバー40内の坩堝10、坩堝台20及びその周囲に設けられた図示しない断熱材は、ホットゾーン部を構成する。チャンバー40は、架台60の上に載置されている。坩堝10及びチャンバー40の上方には、引き上げ軸70が設けられている。チャンバー40の下面の架台60上には、チャンバースライド機構50が設けられている。
次に、個々の構成要素について、簡単に説明する。
坩堝10は、結晶原料を保持し、結晶を育成するための容器である。結晶原料は、結晶化する金属等が溶融した融液の状態で保持される。
坩堝台20は、坩堝10を支持するための支持台であり、坩堝10の重量及び高温に耐え得る材料から構成される。
ワークコイル30は、坩堝10を加熱するための加熱手段であり、坩堝10を囲むように配置される。ワークコイル30は、坩堝10を加熱できれば態様は問わないが、例えば、高周波加熱コイルからなる高周波誘導加熱装置を用いるようにしてもよい。
チャンバー40は、ホットゾーン部、即ち坩堝10及びワークコイル30の高熱を遮断するとともに、これらを収容する機能を有する。チャンバー40は、所定の垂直断面で水平方向に分割可能であり、内部の坩堝10、加熱手段30等が露出できる構造となっている。これは、上述のような結晶の育成が終了した際の結晶の回収の容易性と良好な作業性を確保するためである。
チャンバースライド機構50は、チャンバー40をスライド移動させるための移動機構である。チャンバースライド機構50は、架台60の上面に、チャンバー40を下面から支持するように設けられる。チャンバースライド機構50は、チャンバー40を支持した状態で移動可能であれば、種々の構成が採用可能である。例えば、車輪やレール等を備えた構造であってもよい。なお、本実施形態に係る結晶引き上げ装置においては、チャンバー40が左右に開く構造となっているので、チャンバースライド機構50も、分割後のチャンバー40を左右にスライド移動可能なように、左右に分かれて設けられ、外側に開く移動が可能なように構成されている。
架台60は、結晶引き上げ装置の本体部を支持するための支持台であり、具体的には、チャンバースライド機構50を介してチャンバー40を直接的に支持する。
引き上げ軸70は、種結晶を保持し、坩堝に保持された結晶原料(融液)の表面に種結晶を接触させ、回転しながら結晶を引き上げるための手段である。引き上げ軸70は、種結晶を保持する種結晶保持部71を下端部に有するとともに、回転機構であるモータ72を備える。
かかる構造を有する単結晶引き上げ装置は、坩堝10に溶融原料を貯留し、加熱手段30で坩堝10を加熱しながら種結晶保持部71に保持された種結晶を溶融原料の液面に接触させ、引き上げ軸70を回転させながらモータ72で引き上げることにより、結晶を引き上げて成長させる。
次に、本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置の特徴について説明する。本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置の特徴は、チョコラルスキー式の単結晶引き上げ装置であって、坩堝10及び高周波方式の加熱手段30と、坩堝10及び加熱手段30を囲んで設置された水冷式チャンバー40とを有し、チャンバー40は垂直断面において分割され、分割されたチャンバー40同士の合わせ部となる係合部付近の位置に、チャンバー40の内側方向から導電性金属板を設置していることである。以下、詳細に説明する。
上述のように、チョコラルスキー式の単結晶引き上げ装置は、坩堝10の加熱手段として高周波方式の加熱手段を使用している。具体的には、白金やイリジウム製の坩堝2の周囲に加熱源となるワークコイル30を配置して、ワークコイル30を発振機に接続して坩堝10に誘導電流を流し、そのジュール熱で坩堝10を加熱して、坩堝10の熱で種結晶と同一組成の溶融原料を溶解するようにした間接加熱法を用いている。また、ワークコイル30の外側には、チャンバー40を配置する。チャンバー40は、坩堝10及びワークコイル30の高熱を遮断するとともに、これらを収容する機能を有する。このチャンバー40は、一般的に水冷式のチャンバーを用いる。
図2は、本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置のチャンバー40の拡大図である。また、図3は、本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置のチャンバー40の上端部の拡大断面図である。
図2に示されるように、水冷式チャンバー40は垂直方向に分割され、左側の部分チャンバー41と右側の部分チャンバー42が各々左右に水平方向に移動することによって開閉される。図1で説明した通り、これにより、熱構成部の構築作業や、育成された単結晶が取り出しやすく、また水冷式チャンバー40を上方に持ち上げた下方で上記作業を行う必要がないため、安全性を確保できる。
なお、ワークコイル30と同心円状に配置されたチャンバー40も、誘導電流によるジュール熱によって加熱されるが、冷却水の循環により内部表面は十分に冷やされる。しかし、チャンバー40が分割された断面の合わせ部である枠部等の端部については、エッジ効果によって誘導電流が集中して局部的に加熱されるとともに、冷却水路43の外枠となるため、冷却水43a(図3参照)が循環せず冷却効果が悪く高温になる。場合によっては、左右の部分チャンバー41、42の合わせ部分(係合部47)は局部過熱と冷却不足によって変形し、チャンバー40の上下部分に隙間が発生して外界とチャンバー内部の遮蔽を困難にするおそれがある。そこで、本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置では、係合部47付近にチャンバー40の内側方向から導電性金属板45を設置して覆っている。導電性金属板45は、少なくともチャンバー40よりも導電性の高い材料から構成される。導電性金属板45は、例えば、銅又は銅合金から構成されてもよい。上述したように、チャンバー40の分割部の合わせ部分(係合部47)はエッジ効果により特に誘導電流が発生しやすいが、この部分に導電性金属板45を設置することで、誘導電流は低抵抗である導電性金属板45に流れて、その外側にあるチャンバー40の分割部の合わせ部分(係合部47)での誘導電流の発生を抑制することができ、この部分の発熱を抑えることができる。
また、左右に分割された部分チャンバー41、42は、ほぼ対称形状として製作されるが、誘導電流によって電位差が生じることがあり、突き合せた接触面では電流が集中する事によって局部過熱を引き起こす可能性がある。実例では左右の部分チャンバー41、42はそれぞれに接地を取り、電位差を解消する構造としているが、接地箇所より離れた場所においては、5V程度の電位差が発生している。左右の部分チャンバー41、42の接触面は研削面とし、広範囲に接触できるように加工を行っているが、加工公差の範囲内でミクロ的には点接触となっており、電位差の発生している近傍の接点では、電位差を解消する為に電位が高い方から、電流が集中して流れるために、局部過熱が発生する。
そこで、本発明では、必要に応じて、接触面には酸化アルミナなどを用いた耐熱性絶縁物44を設置している。これにより、分割された部分チャンバー41、42の左右に誘導電流によって電位差が生じたとしても、耐熱性絶縁物44に遮断され、突き合せた接触面で電流が集中することが無くなり、局部過熱を防止できる。なお、耐熱性絶縁物44は、耐熱性を有する絶縁物であれば種々の材料から構成することができる。
導電性金属板45は、上述したように、チャンバー40の合わせ部(係合部47)付近にチャンバー40の内側方向から設置する。チャンバー40の合わせ部付近は、少なくとも分割された部分チャンバー41、42同士を閉じた時、分割された部分チャンバー41、42間に設置された耐熱性絶縁物44とチャンバー40の冷却水路43の外枠となる部分である。導電性金属板45の幅は、好ましくは分割された部分チャンバー41、42同士を閉じた時、分割された部分チャンバー41、42同士の間に設置された耐熱性絶縁物44とチャンバー44の冷却水路43の外枠となる部分(つまり、部分チャンバー41、42同士の最も接近した冷却水路43同士の間の最も接近した箇所同士の距離)の1.5倍以上とする。また、チャンバー上面はチャンバー側面に比べ輻射熱が多いため、2.0倍以上に設定することがより好ましい。なお、導電性金属板45の幅の上限は特に無いが、あまり大き過ぎると設置が困難になるので、例えば、耐熱性絶縁物44とチャンバー44の冷却水路43の外枠となる部分の5倍以下又は4倍以下であってもよく、例えば3倍以下であってもよい。
分割された部分チャンバー41、42は、開閉機構を有しているので、導電性金属板45は開閉時の可動に支障がないように設置する必要がある。そこで、図2に示すように、導電性金属板45は、一方の部分チャンバー41に、耐熱性絶縁物44は他方の部分チャンバー42に別々に設置し、かつ、導電性金属板45はチャンバー内面より空間を隔てて設置してもよい。これにより、チャンバー開閉時の可動に支障が無い構造とすることができる。また、導電性金属板45及び耐熱性絶縁物44をそれぞれ一方の部分チャンバー41、42のみに設置することで、製作や取り付け、メンテナンス等が容易になる。また、耐熱絶縁物44を含め、係合部47付近を一度に覆うことが可能となる。
導電性金属板は、冷却水43aが十分に循環しているチャンバー内面にねじ46等の固定部材(又は締結部材)で締結される。なお、チャンバー内面より空間を隔てて設置するため、図3に示すようにスペーサー48を用いてもよい。スペーサー48は、溶接等でチャンバー内面に締結してもよい。このスペーサー48は、導電性金属板45で発生した誘導電流による発熱および、熱構築物から輻射によって伝導した熱を低温部へ速やかに移動させ、冷却水43aによって系外へ排出させる役割もある。よって、発熱量等にもよるがφ40mm〜φ80mmの大きさのスペーサー48を使用することが好ましい。スペーサー48の厚みは、チャンバー40の開閉に支障がない程度に10mm〜20mmに設定すればよい。
導電性金属板45は、図2に示されるように、係合部47を覆うように、係合部47に沿って延在して設けられる。図2において、チャンバー40の上端面の係合部47を覆う導電性金属板45aと、チャンバー40の側面の係合部47を覆う導電性金属板45bが示されている。そして、チャンバー40の上端面の係合部47を覆う導電性金属板45aの方が、チャンバー40の側面の係合部47を覆う導電性金属板45bよりも幅が大きくなっている。このように、チャンバー40の上端面の係合部47を覆う導電性金属板45aを側面の係合部47を覆う導電性金属板45bよりも幅が広くなるように構成してもよい。一般に、チャンバー40の上端面の方が側面よりも局部熱が集中する傾向があるので、上端面の遮蔽領域、導電領域、伝熱領域を側面よりも広くすべく、導電性金属板45aの幅を導電性金属板45bの幅よりも広くなるように構成してもよい。
また、導電性金属板45の幅方向の端部をチャンバー内面側にチャンバーの開閉の可動に支障がない範囲で折り曲げ、チャンバー40の内面側に傾斜させる構造としてもよい。これにより、側面方向からの熱の侵入を防止することができる。
導電性金属板45の材質は、上述のように特に限定はないが、低抵抗の金属であり、低コスト、加工が容易であり、入手が容易であることより銅又は銅合金が好ましい。導電性金属板45の厚みは誘導電流が表皮効果によって十分に減衰する厚み以上であればよく、銅を用いる場合、重量的に取り扱いやすく、かつ強度を保てる厚みとして2〜5mm程度でよい。
このように、耐熱性絶縁物44及び導電性金属板45を設置することで、導電性金属板45が発振された電波をシールドすることによりチャンバー40の端部のエッジ効果を抑制することができ、これらの熱影響を排除することによって変形を防止することができる。
また、導電性を有しない耐熱性絶縁物4から電波がチャンバー40から外界に漏洩し、外部環境へ影響を及ぼすことも考えられるが、導電性金属板45が電波を遮蔽するため、そのような漏洩を防止できる構成となっている。
従来は、結晶育成における熱収縮の繰り返しや減肉によって補修が必要となった場合も、溶射法では結晶引き上げ装置よりチャンバーを取り外す必要があるため育成を休止する期間が必要であったが、本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置では、導電性金属板45を交換する作業のみで済むため、育成サイクルの合間に交換が可能であり、低コストでの操業が可能となる。
このように、本発明の実施形態に係る単結晶引き上げ装置によれば、分割構造を有するチャンバー40により結晶の回収や熱構成構築作業の安全性と良好な作業性を確保しつつ、局部過熱等の不具合を簡素な構造で安価に防止することができる。
次に、本発明の単結晶引き上げ装置を実施した実施例について説明する。
本実施例での単結晶引き上げ装置では、融点が1800℃程度の原料を用いて、直径150mm程度の酸化物結晶を得る装置に構成した。本実施例に係る単結晶引き上げ装置は、種結晶を懸架し回転機能を具備した引き上げ軸、坩堝と断熱材とワークコイルからなるホットゾーン部、ホットゾーン部を覆い同心円状に配置され、垂直に分割された水冷式のチャンバー、チャンバーの水平移動によって開閉出来るようにレールを配置したチャンバースライド機構、架台部から構成されている。
分割された一方のチャンバーの係合部に耐熱絶縁物を設置した。耐熱絶縁物は酸化アルミナとした。幅は25mm、厚さ30mmとし、ねじ止めし固定した。また、他方のチャンバーには、導電性金属板を設置した。導電性金属板は、銅材とした。幅160mm、厚さ3mmとした。チャンバー内面に、φ60mm、厚さ20mmのスペーサーを溶接し、導電性金属板をこのスペーサーにねじ止めした。また、導電性金属板の幅方向の他のチャンバー側を端部より40mm、角度30°で折り曲げた。また、係合部付近であるチャンバー端部及び耐熱絶縁物の長さが80mmであり、導電性基板の幅をこの約2倍の大きさで覆うように設定した。
かかる構成の単結晶引き上げ装置で、単結晶の引き上げ及び育成を実施したところ、導電性金属板の配置を行わなかった比較例の場合では、チャンバーの端部の温度が最大で約150℃まで上昇したのに対し、導電性金属板を配置した場合は70℃以下に低下できた。また、単結晶引き上げ装置周辺で、電波の漏洩による、周辺機器の発熱などの障害が抑制されていることが確認できた。
このように、本実施例に係る単結晶引き上げ装置によれば、分割したチャンバーの係合部の局部過熱を防止できるとともに、電波の漏洩も防止できることが示された。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 坩堝
20 坩堝台
30 ワークコイル
40 チャンバー
41、42 部分チャンバー
43 冷却水路
43a 冷却水
44 耐熱性絶縁物
45 導電性金属板
46 ねじ
47 係合部
48 スペーサー
50 チャンバースライド機構
60 架台
70 引き上げ軸
71 種結晶保持部
72 モータ
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る単結晶引き上げ装置は、坩堝及び高周波方式の加熱手段を囲んで設置された水冷式のチャンバーを有するチョラルスキー式の単結晶引き上げ装置であって、
前記チャンバーは垂直方向に分割され、分割された前記チャンバー同士の係合部の少なくとも上端面を内側から覆う導電性金属板を有する。

Claims (10)

  1. 坩堝及び高周波方式の加熱手段を囲んで設置された水冷式のチャンバーを有するチョコラルスキー式の単結晶引き上げ装置であって、
    前記チャンバーは垂直方向に分割され、分割された前記チャンバー同士の係合部を内側から覆う導電性金属板を有する単結晶引き上げ装置。
  2. 前記導電性金属板は、前記チャンバーよりも導電性が高い請求項1に記載の単結晶引き上げ装置。
  3. 前記導電性金属板は、銅又は銅合金からなる請求項1又は2に記載の単結晶引き上げ装置。
  4. 前記チャンバーの外面と内面との間には水冷ジャケットを構成する水路が形成され、
    前記導電性金属板は、前記チャンバーの前記係合部付近の前記水路が存在しない領域を覆う請求項1乃至3のいずれか一項に記載の単結晶引き上げ装置。
  5. 前記導電性金属板は、前記係合部に沿って延在して設けられた請求項1乃至4のいずれか一項に記載の単結晶引き上げ装置。
  6. 前記導電性金属板は、前記チャンバーの内面から空間を隔てて配置され、幅方向の端部は前記チャンバーの内面方向に傾斜している請求項5に記載の単結晶引き上げ装置。
  7. 前記導電性金属板は、前記チャンバーの内面に設置されたスペーサーに取り付けて設けられた請求項6に記載の単結晶引き上げ装置。
  8. 前記チャンバーは円筒形状を有し、前記チャンバーの上端面の前記係合部を覆う前記導電性金属板は、前記チャンバーの側面の前記係合部を覆う前記導電性金属板よりも幅が広い請求項5乃至7のいずれか一項に記載の単結晶引き上げ装置。
  9. 分割された前記チャンバー同士の前記係合部に、耐熱性絶縁物を介在させた請求項1乃至8のいずれか一項に記載の単結晶引き上げ装置。
  10. 前記導電性金属板は、分割された前記チャンバーの一方の前記係合部付近に設置し、前記耐熱性絶縁物は、分割された前記チャンバーの他方の前記係合部に設置した請求項9に記載の単結晶引き上げ装置。
JP2017012262A 2017-01-26 2017-01-26 単結晶引き上げ装置 Active JP6365700B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017012262A JP6365700B2 (ja) 2017-01-26 2017-01-26 単結晶引き上げ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017012262A JP6365700B2 (ja) 2017-01-26 2017-01-26 単結晶引き上げ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6365700B2 JP6365700B2 (ja) 2018-08-01
JP2018118885A true JP2018118885A (ja) 2018-08-02

Family

ID=63036743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017012262A Active JP6365700B2 (ja) 2017-01-26 2017-01-26 単結晶引き上げ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6365700B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021031341A (ja) * 2019-08-27 2021-03-01 住友金属鉱山株式会社 タンタル酸リチウム単結晶の製造方法
JP2021031342A (ja) * 2019-08-27 2021-03-01 住友金属鉱山株式会社 タンタル酸リチウム単結晶の製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001253796A (ja) * 2000-03-09 2001-09-18 Techno Search:Kk 高周波誘導溶解装置用チャンバ

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001253796A (ja) * 2000-03-09 2001-09-18 Techno Search:Kk 高周波誘導溶解装置用チャンバ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021031341A (ja) * 2019-08-27 2021-03-01 住友金属鉱山株式会社 タンタル酸リチウム単結晶の製造方法
JP2021031342A (ja) * 2019-08-27 2021-03-01 住友金属鉱山株式会社 タンタル酸リチウム単結晶の製造方法
JP7271842B2 (ja) 2019-08-27 2023-05-12 住友金属鉱山株式会社 タンタル酸リチウム単結晶の製造方法
JP7271843B2 (ja) 2019-08-27 2023-05-12 住友金属鉱山株式会社 タンタル酸リチウム単結晶の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6365700B2 (ja) 2018-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6365700B2 (ja) 単結晶引き上げ装置
KR101956914B1 (ko) 잉곳의 전자기 주조에 사용하기 위한 바닥부 개방형 전기 유도식 저온 도가니
CN105887186B (zh) 硅单晶提拉设备与生长方法
WO2015063992A1 (ja) シリコン単結晶引上装置
KR100564770B1 (ko) 고 용해효율 전자기 연속주조장치
KR101523504B1 (ko) 수냉튜브를 이용한 잉곳성장장치의 차열부재 냉각장치
JP3646570B2 (ja) シリコン連続鋳造方法
KR20110134827A (ko) 실리콘으로 구성된 반도체 웨이퍼를 제조하는 방법
US6246029B1 (en) High temperature semiconductor crystal growing furnace component cleaning method
JP6834493B2 (ja) 酸化物単結晶の育成装置及び育成方法
JP3602678B2 (ja) キャリア体の加熱方法及び装置
JP2005231969A (ja) シリコン単結晶の育成装置
JP3655308B2 (ja) 電気的溶融装置
JP4858412B2 (ja) 単結晶引上げ装置
USRE30521E (en) Primary electrode arrangement for high temperature melting furnace
JP2004067441A (ja) 単結晶育成装置
JP2020138887A (ja) 単結晶育成装置及び単結晶育成方法
CN213357683U (zh) 一种金属件加工热处理设备
KR102277802B1 (ko) 유도가열 방식의 태양전지용 단결정 잉곳성장장치
MXPA03005947A (es) Horno de campo magnetico y metodo de uso del mismo para fabricar sustratos semiconductores.
JP7081030B1 (ja) 超高温加熱炉の電極装置
JPH10206035A (ja) 真空溶解装置の蒸着防止板
JP6611000B2 (ja) コールドクルーシブル溶解炉
JP2001253796A (ja) 高周波誘導溶解装置用チャンバ
JP2012046394A (ja) シリコンインゴットの電磁鋳造装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6365700

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150