JP2018114631A - フレキソ印刷用樹脂シート - Google Patents
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Abstract
Description
フレキソ印刷は、一般的にフレキソ印刷版が版胴に取り付けられた印刷機によって行われ、フレキソ印刷版と版胴との間には支持体が存在し、かかる支持体がフレキソ印刷版を版胴へ固定する。
引用文献1には、片面が印刷面、反対面が版胴への取付面とされた平板状で、取付面が特定の粗さを有するフレキソ印刷版が開示され、かかるフレキソ印刷版は大型の液晶配向膜の印刷に適し、印刷を繰り返しても位置ずれを防ぐことができるとされている。
本発明は上記問題に鑑み、フレキソ印刷版を版胴に固定し、フレキソ印刷版が伸びることを防ぎ、位置ずれを防止できる支持体を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、下記の態様を含むものである。
MD方向に100N/mm2の引張強度をかけたときの伸度が2〜10%であり、厚さが100μm〜1000μmである、フレキソ印刷用樹脂シート。
[2]
伸度が5%であるときの引張強度が85〜200N/mm2である、[1]に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[3]
MD方向に300Nの引張荷重をかけ1時間保持した後の寸法維持率が100〜110%である、[1]又は[2]に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[4]
MD方向に400Nの引張荷重をかけ15分間保持した後の、厚さの減少量が5%以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[5]
長繊維を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[6]
樹脂フィルムが接着剤層を介して、長繊維を含む層を挟むサンド構造を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[7]
長繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維ポリアリレート、PBO繊維からなる群より選択される1種以上の高強度繊維である、[5]又は[6]に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[8]
長繊維がガラスクロスである、[5]〜[7]に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[9]
樹脂フィルムがPETフィルム、PENフィルム、PPフィルムからなる群から選択される1種又は2種以上である、[6]〜[8]のいずれかに記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[10]
樹脂フィルムの厚さが20〜200μmである、[6]〜[9]のいずれかに記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[11]
接着剤層の厚さが50μm以下である、[6]〜[10]のいずれかに記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[12]
ガラスクロスの目付が25〜200g/m2である、[6]〜[11]のいずれかに記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
[13]
フレキソ印刷版が取り付けられる面に粘着加工が施されている、[1]〜[12]のいずれかに記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートは、MD方向に100N/mm2の引張強度をかけたときの伸度が2〜10%であり、厚さが100μm〜1000μmである。本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートは、フレキソ印刷版の支持体として使用したとき、フレキソ印刷版が伸びることを防ぎ、位置ずれを防止することができる。
上記MD方向とは、樹脂シートを印刷用版胴に取り付ける際に円周方向となる方向であり、印刷時の流れ方向を指す。
上記伸度とは、引張強度をかけた方向への伸びの変化率であり、元の樹脂シートの長さに対する、引張強度をかけたときの樹脂シートの長さと元の樹脂シートの長さとの差の比率を意味する。また、本実施形態における引張強度と伸度との数値関係は、具体的には実施例における樹脂シートの物性測定の方法により測定することができる。
また、本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートの厚さは、200〜800μmであることが好ましく、200μm〜400μmであることがより好ましい。樹脂シートの厚みは、100μm未満では必要な機械的強度が得られず、1000μmより大きいときは、取扱性が低く、版胴へ均一に装着することが難しい。
本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートをフレキソ印刷版の支持体として使用するとき、かかる樹脂シートは1枚で使用しても、2枚以上を貼り合せて使用してもよい。
また、本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートは、フレキソ印刷版の伸びや位置づれをより強力に防止する観点から、MD方向に300Nの引張荷重をかけ1時間保持した後の寸法維持率が100〜110%であることが好ましく、100〜108%であることがより好ましく、100〜105%であることがさらに好ましい。上記寸法維持率は、引張荷重を加え開放した後の樹脂シートの長さと、元の樹脂シートの長さとの比率を意味する。また、上記寸法維持率は、具体的には実施例における樹脂シートの物性測定の方法により測定することができる。
さらに、本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートは、フレキソ印刷版の伸びや位置づれをより強力に防止する観点から、MD方向に400Nの引張荷重をかけ15分間保持した後の、厚さの減少量が5%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。上記厚さの減少量は、元の樹脂シートの厚さに対する、引張荷重を加えた後の樹脂シートの厚さと元の樹脂シートの厚さとの差の比率を意味する。樹脂シートにおける厚さの測定位置は、引張荷重を加えたときに最も厚さが変化する部分である樹脂シートの中央部である。また、上記減少量は、具体的には実施例における樹脂シートの物性測定の方法により測定することができる。
上記引張強度、伸度、寸法維持率、MD方向に引張荷重と厚さの変化は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
前記長繊維に樹脂を含浸、固化させる方法における樹脂としては、印刷に使用するインキに含まれる溶剤に対し耐溶剤性を備えているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂、塩ビ・アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
前記長繊維は、取り扱いの容易性の観点から、織物であることが好ましい。前記織物の織り方は、特に限定されるものではなく、例えば、平織、綾織、朱子織等が挙げられる。また、長繊維は、織物であるとき、1層で使用してもよく、2層を重ねて使用してもよい。
前記ガラスクロスの目付は、25〜200g/m2であることが好ましく、70〜150g/m2であることがより好ましい。25g/m2以下では樹脂シートの機械的強度を確保することが難しく、200g/m2以上では樹脂シートにした際の平面性が低下する傾向にある。
また、前記長繊維はガラスクロスであることが好ましい。さらに、ガラスクロスは、フィルムへ貼り合わせ時の作業性の観点から、目止めの処理がされたガラスクロスであることが好ましい。
目止め処理とは、ガラスクロスに樹脂を一層極薄くコーティング処理することを意味する。具体的には、ガラスクロスを樹脂にディッピングして引き上げ、加熱乾燥することにより目止めの処理がされたガラスクロスを得ることができる。
目止め処理に使用できる樹脂としては、前記長繊維に樹脂を含浸、固化させる方法における樹脂と同様のものを挙げることができ、具体的には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂、塩ビ・アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
また、目止めの処理がされたガラスクロスにおける樹脂の質量は、目止めの処理がされたガラスクロスの質量に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1.0〜20質量%であることがさらに好ましい。
第一の樹脂フィルム層3、第一の接着剤層4、長繊維を含む層5、第二の接着剤層6、及び、第二の樹脂フィルム層7を含み、
前記長繊維を含む層5の第一の面に前記第一の接着剤層4が積層され、第二の面に前記第二の接着剤層6が積層され、
前記第一の接着剤層4において前記長繊維を含む層5が積層された面とは反対側の面に第一の樹脂フィルム層3が積層され、前記第二の接着剤層6において前記長繊維を含む層5が積層された面とは反対側の面に第二の樹脂フィルム層7が積層された、構造が挙げられる。
本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートに、感光性樹脂組成物層9を含むフレキソ印刷凸版2が貼り合された構成体の一態様を図1に示す。
樹脂フィルムの厚さが20μmより薄いと、その他の層と積層して複合化した際の樹脂シートとしての平面性が劣り、400μmより厚いと複合シートを生産する際の取り扱いが難しくなる傾向にある。
第一の樹脂フィルムの一方の面に、接着剤を好ましくは50μg/m2以下、さらに好ましくは30g/m2以下となるように、例えば、ナイフコーター等を用いて塗布する。
接着剤が塗布された第一の樹脂フィルムを、30〜100℃で、1〜60分乾燥させる。乾燥温度と乾燥時間は、接着剤の種類等に応じて適宜変更することができる。
その後、例えば、ガラスクロス等の長繊維を、第一の樹脂フィルムの接着剤側の面に配置し、第一の樹脂フィルムをローラーでかけながら貼り合せる。
この作業をガラスクロスのもう一方の面に対し、第二の樹脂フィルムについても同様に行い、前記サンド構造を形成する。
さらに、得られたサンド構造体を必要に応じて30〜100℃の条件下で1〜20日間加熱し、複合化した樹脂シート、すなわち、本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートを得る。
上述した樹脂(必要に応じて硬化剤を含む)を、例えば、シリコン処理されたポリエステルフィルム上に流し入れ、その中に長繊維を含浸させる。
長繊維が含浸された樹脂の上面を、シリコン処理されたポリエステルフィルムで覆った後、鉄板で挟み込み加圧しながら、加熱し、成形して本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートを得る。上記加熱温度や加熱時間は、使用する樹脂に応じて適宜調整することができる。
また、長繊維に樹脂を含浸、固化させる方法としては、ガラスクロスを、樹脂にディッピングして引き上げ、加熱乾燥する工程を1回以上、好ましくは1〜10回繰り返し、さらに、上記工程の繰り返しにより得られたガラスクロスを少なくとも1枚、鉄板で挟み加圧しながら、加熱し、成形する方法も挙げることができる。
前記複合化した樹脂シートに、粘着剤を、樹脂シートの厚み精度、生産性及び機械的強度の観点から、好ましくは50μg/m2以下となるように、例えば、ナイフコーター等を用いて塗布する。粘着剤が塗布された樹脂フィルムを、30〜200℃で、1〜60分乾燥させ、粘着剤付き樹脂シートを得ることができる。乾燥温度と乾燥時間は、粘着剤の種類等に応じて適宜変更することができる。また、粘着剤付き樹脂シートを保管するときには、例えば、離型剤付ポリプロピレンフィルム等の保護膜により粘着剤が塗布された面をラミネートし、粘着剤を保護してもよい。
前記接着剤としては、長繊維と樹脂フィルムとを接着することができるものであれば特に限定されないが、印刷に使用する溶剤への耐溶剤性の観点から、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリイソシアネートからなる群より選択される1種以上であることが好ましく、ポリエステル系樹脂及びポリイソシアネートを含むことがより好ましい。
感圧系アクリル系粘着剤は、例えば、ブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレート、及びヒドロキシエチルメタクリレート等のアクリレート類、クリル酸に、アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤を混合し、重合させることによって製造することができる。感圧系アクリル系粘着剤には、さらに可塑剤や硬化剤を含んでいてもよい。
本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートは、フレキソ印刷版の支持体として使用することができる。具体的には本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートを支持体とした場合のフレキソ印刷版は、本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートを支持体とし、かかる支持体上に感光性樹脂組成物を含むフレキソ印刷版が積層した構成を挙げることができる。上記感光性樹脂組成物を含むフレキソ印刷版は、製版された版である感光性樹脂凸版であってもよい。上記感光性樹脂凸版は、感光性樹脂組成物を光硬化し、現像して得ることができる。
樹脂(a)と有機化合物(b)との割合は、通常、樹脂(a)100質量部に対して、有機化合物(b)は5〜200質量部であることが好ましく、20〜100質量部であることがより好ましい。
また、光重合開始剤(c)は、前記樹脂(a)と前記有機化合物(b)との合計の0.01〜10質量部であることが好ましい。
有機化合物(b)の割合が、上記の範囲であれば、得られる印刷版などの硬度と引張強伸度のバランスがとりやすい。また、架橋反応での収縮も小さく、厚み精度を確保できる。
樹脂(a)としては、特に限定されるものではなく、公知の高分子化合物を用いることができる。好ましい樹脂(a)として、具体的には、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等の硬度の高いゴム弾性のあるゴム系高分子化合物、弾性率の高い熱可塑性樹脂等の20℃において固体状の樹脂、あるいは分子内に重合性不飽和基を有する不飽和ポリウレタン、不飽和ポリエステル、液状ポリブタジエン等の20℃において液状の樹脂等からなる群より選択される1種以上を挙げることができる。
上記熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体等を挙げることができる。
上記弾性率の高い熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリアミック酸、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。
上記20℃において固体状の樹脂は、溶剤に溶解できるものがより好ましい。
ラジカル重合反応する重合性不飽和基として、例えば、ビニル基、アセチレン基、メタクリル基、アクリル基等を挙げることができる。
付加重合反応する重合性不飽和基として、例えば、シンナモイル基、チオール基、アジド基等を挙げることができる。
開環付加反応する重合性不飽和基として、例えば、エポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、シクロシロキサン基、環状イミノエーテル基等を挙げることができる。
樹脂(a)における重合性不飽和基の数は、印刷版の機械強度の観点から、1分子当たり、0.5以上であることが好ましく、0.7を越えることがより好ましい。樹脂(a)1分子に含まれる重合性不飽和基の数の平均は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)による分子構造解析法で求めることができる。
また、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基等の反応性基を複数有する、数千程度の分子量の成分と、上記反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば、反応世紀が水酸基やアミノ基の場合、ポリイソシアネート等)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合基への変換を行った後、末端の結合基を反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物とを反応させて、末端に重合性不飽和基を導入する方法等が好適に挙げられる。
上記鎖を主鎖に有し、両末端が水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有する化合物を出発原料とし、上記官能基と反応する官能基を有する化合物とを縮合反応させることによりさらに高分子量化させたポリマーを形成することができる。また、前記官能基は、末端に重合性不飽和基を導入するために用いることもできる。
有機化合物(b)としては、例えば、ラジカル反応性化合物である、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリールアルコール、アリールイソシアネート等のアリール化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸の誘導体としては、例えば、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基などを有する脂環族化合物、ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、あるいはナフタレン骨格、アントラセン骨格、ビフェニル骨格、フェナントレン骨格、フルオレン骨格などを有する芳香族化合物、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、グリシジル基等を有する化合物、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールやトリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化合物、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物等が挙げられる。また、芳香族化合物は、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物でもよい。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
図1に示すように、フレキソ印刷版は、粘着加工層8を介して本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートに積層されてもよい。また、上記ベースフィルムに代えて、本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートを使用し、本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートに直接感光性樹脂組成物を積層し、感光性樹脂凸版としてもよい。
感光性樹脂組成物から感光性樹脂凸版を作製することは、本実施形態のフレキソ印刷用樹脂シートに感光性樹脂組成物を積層した後に行ってもよい。
レーザー彫刻用の感光性樹脂凸版の製版は、例えば、CTP(Computer To Plate)技術によって行うことができる。CTP技術では、例えば、感光性樹脂組成物を含む層の上に、赤外線により取り除くことが可能な層(アブレーション層とも称す)を設け、レーザー光を照射することにより、所望の画像に相当するアブレーション層を除去し、ネガにあたる活性光線の透過部分を形成させる。アブレーション層を含む感光性樹脂組成物の構成としては、アブレーション層、感光性樹脂組成物がこの順に積層された構成が挙げられる。
上記アブレーション層としては、例えば、特開平11−153865号等に記載の赤外線吸収性の材料を含む層、特開2004−163925号等に記載の赤外線吸収性を有する金属を含む層、特許第2916408号等に記載の、水で現像するためにポリアミド等を含む層、特開2000−56447号等に記載のポリビニルアルコールを含む層等が挙げられる。
(接着剤の調製)
ポリエステル系樹脂(東洋モートン(株)製 TOMOFLEX AD−76P1)250gとポリイソシアネート(東洋モートン(株)製 TOMOFLEX CAT−10L)25gを混合し、固形分濃度が25%となるよう調整し、接着剤とした。
感圧系アクリル系粘着剤として、ブチルアクリレート:50重量部、2−エチルヘキシルアクリレート:50重量部、アクリル酸:8重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート:0.5重量部を酢酸エチル溶液とした後、アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤とする沸点重合(定温溶液重合法)により、Mw=70万、Mw/Mn=3.1のアクリル系粘着剤を合成し、得られたアクリル系粘着剤100重量部に対して可塑剤W−2600(登録商標・大日本インキ工業(株)製、ポリエステル系可塑剤):3重量部、硬化剤コロネートL−55E(登録商標・日本ポリウレタン(株)製)を0.3重量部、混合した組成物を調製した。
厚み 50μmPET(東レ製、登録商標 S10)に接着剤を30g/m2となるようにナイフコーターを用いて塗布し、80℃で2分乾燥させた。その後、ガラスクロス(旭シュエーベル製、IPCスペック 2117 目付107g/m2)に接着剤側を面し、PETをローラーでかけながら貼り合せた。この作業をガラスクロスのもう一方の面に実施した。40℃の条件下で10日間放置し、複合化した樹脂シートを得た。得られた樹脂シートは、ガラスクロスとPETとを剥がすことはできなかった。
さらに複合化した樹脂シートに、感圧性アクリル系粘着剤を50g/m2となるようにナイフコーターを用いて塗工し、100℃で2分間乾燥させ、粘着剤付き樹脂シート(A)を得た。なお、保管時には離型剤付ポリプロピレンフィルムにてラミネートし、粘着剤を保護した。
実施例1から、樹脂シート(A)のPET厚みを50μmから100μmPETに変更し、ガラスクロスの目付を107g/m2から26g/m2に変更し、ガラスクロスを2枚挟む構成に変更した。具体的には実施例1と同様の手法により、ガラスクロスに接着剤側を面し、PETをローラーでかけながら貼り合せたガラスクロス付PETを2枚作製した。上記ガラスクロス付PETの1枚には、更にガラスクロス側に接着剤を30g/m2となるように塗布乾燥させた。その後、もう1枚のガラスクロス付PETのガラスクロス側に接着剤側を面し、PETをローラーでかけながら貼り合せることで、ガラスクロスを2枚挟んだ樹脂シート(B)を得た。この樹脂シートには感圧性アクリル粘着剤を塗工しなかった。
ガラスクロス(旭シュエーベル製、IPCスペック 2117 目付107g/m2)を、アクリルエマルジョン(DIC製、ディックファイン IV−3600)にディッピングして引き上げ、110℃20分乾燥し、アクリル樹脂でガラスクロスを目止め処理した。
樹脂シート(A)のPET厚みを50μmから100μmPETに変更し、ガラスクロスを107g/m2から、上述のアクリル樹脂で目止め処理されたガラスクロスに変更したこと以外は、実施例1と同様の手法により粘着剤付き樹脂シート(C)を得た。
エポキシ樹脂(三菱化学製 jER828)100重量部とエポキシ樹脂硬化剤(三菱化学製 jER ST12)50重量部を混合した。シリコン処理されたポリエステルフィルム上で0.2mmのスペーサーに混合した樹脂を流し入れ、その中にガラスクロス(旭シューベル製 目付107g/m2)を2層含浸させた。上面にシリコン処理されたポリエステルフィルムで覆った後、鉄板で挟み込み30分間加圧成型した後、100℃で1時間加温し、0.2mmの樹脂シートを得た。
ガラスクロス(日東紡社製、WLA116 目付105g/m2)を、四フッ化エチレン樹脂ディスパージョン(旭硝子社製、AD−911)にディッピングして引き上げ、100℃30分乾燥する工程を6回繰り返した。その後、0.23mmのスペーサーに上記工程後のガラスクロスを2枚入れ、鉄板で挟み加圧しながら、380℃30分加温し、0.23mmの樹脂シート(E)を得た。
厚み 250μmのPET(東レ製、ルミラーS10)に、感圧性アクリル系粘着剤を30g/m2となるようにナイフコーターを用いて塗工し、粘着剤付き樹脂シート(F)を得た。
樹脂シート(A)のガラスクロスを118g/m2のナイロンシートに変更したこと以外は、実施例1と同様の手法にして、粘着剤付樹脂シート(G)を得た。
樹脂シートを幅1cm、長さ10cmに切り取り、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内に一日放置した。チャック間 40mmにし、オートグラフ(島津製作所社製、「オートグラフAG−X」)にセットし、500mm/分の速度で引張試験を行った。
寸法維持率は、引張300Nかかった位置で1時間固定したのち応力を開放し、その試験片の標点間距離を測定した。標点とは引張前にチャック間に印をつけた点であり、標点間距離はノギスで測定した。引張後の標点間距離/引張前の標点間距離(40mm)=寸法維持率とした。
厚さの減少量は、引張400Nかかった位置で15分間固定したのち応力を開放し、その試験片の中央部の厚みを厚み計にて測定した。(引張前の厚み―引張後の厚み)/引張前の厚み=厚さの減少量とした。
各樹脂シートの引張試験した結果を表1に示す。
1分子当たり平均1.7個の水酸基を有する末端水酸基型の水添化1,2−ポリブタジエン(数平均分子量n=2200、水添化率87%)220gとトリレンジイソシアネート22.2gを添加して、撹拌混合した。80℃で5時間反応させた後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12を加え、80℃で反応させ、末端がメタアクリル基を有する、数平均分子量が13000である樹脂(a)を製造した。
上記のように作製した樹脂(a)100重量部、有機化合物(b)としてラウリルメタクリレート16重量部とポリプロピレングリコールジメタクリレート8重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6重量部、その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン0.1重量部を加えて、液状感光性樹脂組成物を調製した。
調製された液状感光性樹脂組成物を用いて、ネガフィルム(網点133lpi 50%網点)を用いて、全厚3mm、バック析出厚みがベースフィルム込みで約1mmの印刷版を作製した。露光装置としてAF210E(旭化成(株)製)、支持体としてAPRベースフィルムBF124(旭化成(株)製)、カバーフィルムとしてCF42(旭化成(株)製)を使用した。現像については装置としてALF200W(旭化成(株)製)、水系現像液としてW−6(旭化成(株)製)を4重量%使用し、約40℃で20分間洗浄した。後露光については装置としてALF200UP(旭化成(株)製)を使用し、10分間水中CL/GL後露光した。乾燥は、装置としてAL100P(旭化成(株)製)を使用し、60℃で10分間乾燥した。
感光性樹脂凸版のベースフィルムに樹脂シートを貼り合せ、印刷版を作製した。
粘着剤がついていない樹脂シート(実施例3,実施例4の樹脂シート)は、両面テープ(3M社製、「スコッチST−416」)を用いて樹脂凸版と貼り合せ印刷版を作製した。
得られた印刷版を用いて実印刷評価を行った。AI−3型フレキソ印刷機(伊予機械製)を用いて、インキとして溶剤系のFBキング(藍色、東洋インキ製)を使用し、被印刷体にはコロナ処理された厚さ30μmのポリプロピレンフィルム(サントックス社製PA30、商品名)を用いた。アニロックスロールは800lpi(セル容積3.8cm3/m2)を使用して、200m/分の速度で、1万部の印刷を実施した。1万部刷了後に版の温度5点を測定し、版内の温度差を測定した。また、印刷物において部分的に色の濃淡が著しく発生した場合を“C”、印刷における問題はなかったが網点濃度が部分的に不均一であった場合を“B”、刷了でき網点部の色再現性に問題が生じなかった場合を“A”とした。A、B、Cの順で好ましい。版内温度差と、網点均一性の結果を表1に示す。
また、フレキソ印刷は繰り返されたときに、印刷の対象物との接触によって熱を発生する。発熱は、特に有機溶媒を含むインクでは溶媒の揮発を起こし、インク成分を変化させ、発色や色の濃淡に影響を与えることがある。本発明の樹脂シートは、版内の温度差が小さく、温度が均一であった。したがって、本発明の樹脂シートは、版内における温度の偏りがないことにより、版内で部分的に起こるインクの変性を抑制できるため、網点部の色再現性に寄与するといえる。
2 :フレキソ印刷凸版
3 :第一の樹脂フィルム層
4 :第一の接着剤層
5 :長繊維を含む層
6 :第二の接着剤層
7 :第二の樹脂フィルム層
8 :粘着加工層
9 :感光性樹脂組成物層
10:ベースフィルム
Claims (13)
- MD方向に100N/mm2の引張強度をかけたときの伸度が2〜10%であり、厚さが100μm〜1000μmである、フレキソ印刷用樹脂シート。
- 伸度が5%であるときの引張強度が85〜200N/mm2である、請求項1に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- MD方向に300Nの引張荷重をかけ1時間保持した後の寸法維持率が100〜110%である、請求項1又は2に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- MD方向に400Nの引張荷重をかけ15分間保持した後の、厚さの減少量が5%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- 長繊維を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- 樹脂フィルムが接着剤層を介して、長繊維を含む層を挟むサンド構造を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- 長繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維ポリアリレート、PBO繊維からなる群より選択される1種以上の高強度繊維である、請求項5又は6に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- 長繊維がガラスクロスである、請求項5〜7のいずれか1項に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- 樹脂フィルムがPETフィルム、PENフィルム、PPフィルムからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項6〜8のいずれか1項に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- 樹脂フィルムの厚さが20〜200μmである、請求項6〜9のいずれか1項に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- 接着剤層の厚さが50μm以下である、請求項6〜10のいずれか1項に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- ガラスクロスの目付が25〜200g/m2である、請求項6〜11のいずれか1項に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
- フレキソ印刷版が取り付けられる面に粘着加工が施されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載のフレキソ印刷用樹脂シート。
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2017
- 2017-01-16 JP JP2017005313A patent/JP2018114631A/ja active Pending
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