JP2018112378A - 伝熱管、熱交換器、および熱交換器の製造方法 - Google Patents

伝熱管、熱交換器、および熱交換器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】拡管によって伝熱管を伝熱フィンに当接する際の密着性を向上することができる熱交換器、および熱交換器の製造方法を提供する。【解決手段】伝熱管23の管壁25を、平板状の板材SH23への折曲げ加工によって、扁平管形状に形成し、伝熱管23内の隔壁26を、平板状の板材SH23への折曲げ加工によって、接合部27とともに形成し、隔壁26を管壁25の内面に接合される接合部27を介して伝熱管23内に保持する。【選択図】図6

Description

本発明は、熱媒体が流通する伝熱管内を有する熱交換器、および熱交換器の製造方法に関する。
空気調和機などの冷凍サイクル装置を構成する熱交換器として、マイクロチャンネル型熱交換器が知られている。
マイクロチャンネル型熱交換器は、所定の間隔で積層される複数の伝熱フィンと、伝熱フィンを貫通する複数の伝熱管とを備え、伝熱フィン間を通過する空気と、伝熱管内を流通する冷媒との間で、熱の授受を行うものである。
熱交換器の高性能化の手法として、伝熱管に扁平多孔管を用いることがある。上記熱交換器を構成する伝熱フィンと伝熱管とは、ろう付によって接合されることが多いが、ろう付時には、接合箇所が高温に晒されるため、材質によっては、ろう付による接合ができないものがある。
このような場合に対して、特許文献1では、伝熱管を拡管することで伝熱フィンと接合させる手法を提案している。
この手法では、伝熱フィンを高温に晒さずに済むため、伝熱フィンに、親水性に優れたプレコートフィン等を採用することができる。
特許第4109444号
ところで、特許文献1では、伝熱管を拡管する際に、管内に圧力を掛けて管壁を外側に拡げる方法が提案されている。また、伝熱管として広く採用されている、断面が長円形状を備え、内部が複数の流路に分割された扁平多孔管は、押し出し成形(工程)を経て製造されている。このような製法で製造された扁平多孔管は、管壁と隔壁とが強固に金属結合しているため、内圧を掛けても拡管が抑制されてしまう。
そのため、形状によっては、管の耐圧近傍まで圧力を掛けなければならない場合もある。
また、拡管が不十分な場合には、接合不良が生じて、伝熱管と伝熱フィンとの間の接触熱抵抗が増大し、熱交換器の性能が低下してしまう。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、拡管によって伝熱管を伝熱フィンに当接する際の密着性を向上することができる伝熱管、熱交換器、および熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る熱交換器は、断面略長円形の扁平管形状を有する管壁と、該管壁内を長手方向に沿った複数の流路に仕切る隔壁と、を具備し、所定の間隔を空けて略平行に配置される複数の伝熱管と、板状部材からなり、所定の間隔を空けて積層される複数の伝熱フィンと、を備え、該伝熱フィンを貫通する該伝熱管を拡管することで、該伝熱管が該伝熱フィンに当接する熱交換器において、前記管壁は、平板状の板材への折曲げ加工によって、扁平管形状に形成されたものであり、前記隔壁は、平板状の板材への折曲げ加工によって、接合部とともに形成されたものであり、該管壁内面に接合される該接合部を介して該伝熱管内に保持されていることを特徴とする。
本発明によれば、拡管によって伝熱管と伝熱フィンとを接合する際の密着性を向上することができる熱交換器を提供することができる。
第1実施形態の熱交換器が採用される冷凍サイクル装置における冷凍サイクル系統図である。 第1実施形態の熱交換器を示す斜視図である。 第1実施形態の熱交換器を示す分解斜視図である。 第1実施形態の熱交換器を構成する熱交換部を示す要部拡大断面図である。 第1実施形態の熱交換器を構成する伝熱管を示す断面図である。 第1実施形態の伝熱管が拡管工程の前後で変形する様子を示す模式図で、(a)が伝熱管成形後の縮管形態、(b)が拡管後の拡管形態を示している。 熱交換器の別形態を示す斜視図である。 第1実施形態の伝熱管が拡管工程の前後で変形する別態様を示す模式図で、(a)が伝熱管成形後の拡管形態、(b)縮管工程後の縮管形態、(c)が拡管後の拡管形態を示している。 第2実施形態の伝熱管が拡管工程の前後で変形する様子を示す模式図で、(a)が伝熱管成形後の縮管形態、(b)が拡管後の拡管形態を示している。 第2実施形態の別態様の伝熱管が拡管工程の前後で変形する様子を示す模式図で、(a)が伝熱管成形後の縮管形態、(b)が拡管後の拡管形態を示している。
<第1実施形態>
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<空気調和機の構成>
本願発明の熱交換器が採用される空気調和機S等の冷凍サイクルを図1に示す。
空気調和機Sは、室外機1と室内機2とを備えている。
室外機1は、アキュムレータ5、圧縮機6、四方弁7、室外熱交換器8、室外膨張弁9、室外送風機10を備えている。
室内機2は、室内熱交換器12、室内送風機13、および室内膨張弁14を備えている。
室外機1の各機器と、室内機2の各機器とは、冷媒配管3によって接続され、冷凍サイクルが形成されている。冷媒配管3には、熱媒体としての冷媒が封入されており、冷媒が、冷媒配管3を通じて、室外機1と室内機2との間で循環する。
次に、室外機1を構成する各機器について説明する。
アキュムレータ5は、過渡時の液戻りを貯留するために設けられており、圧縮機6に供給されるガス冷媒に混在する液冷媒を分離して、冷媒を適度な乾き度に調整する。
圧縮機6は、吸入した気体の冷媒(ガス冷媒)を圧縮して、吐出する。
四方弁7は、圧縮機6への冷媒の流れの向きは変えずに、室外機1と室内機2との間の冷媒の流れの向きを変える。そして、四方弁7は、冷媒の流れの向きを変えることで、冷房運転と暖房運転の切換えを行う。
室外熱交換器8は、本願発明の熱交換器からなり、冷媒と屋外の外気との間で熱交換を行う。
室外膨張弁9は、液体の冷媒(液冷媒)を断熱膨張させ、気化させる絞り弁である。
室外送風機10は、室外熱交換器8に対して、外気を供給する。
次に、室内機2を構成する各機器について説明する。
室内熱交換器12は、冷媒と室内の空気との間で熱交換を行う。
室内送風機13は、室内熱交換器12に対して、室内空気を供給する。
室内膨張弁14は、液体の冷媒(液冷媒)を断熱膨張させ、気化させる絞り弁である。また、室内膨張弁14は、その絞り量を変化させることにより室内熱交換器12を流れる冷媒の流量を変化させることが可能である。
<空気調和機の働き>
次に、室内に冷風が供給される冷房運転を行う際の空気調和機Sの働きについて説明する。
図1における実線の矢印が、冷房運転時における冷媒の流れを示し、四方弁7は、実線で示すように切り替わる。
圧縮機6で圧縮され、高温高圧となったガス冷媒は、四方弁7を経由して、室外熱交換器8に流入する。
室外熱交換器8に流入したガス冷媒は、室外熱交換器8内を通過する間に、室外送風機10によって供給される外気に放熱して凝縮し、低温高圧の液冷媒となる。
ガス冷媒から凝縮した液冷媒は、室外膨張弁9を経由して、室内機2へ送られる。なお、このとき、室外膨張弁9は、膨張弁としては機能しないため、冷媒は断熱膨張せずに、液冷媒のまま通過する。
室内機2に流入した液冷媒は、室内膨張弁14で断熱膨張しつつ、室内熱交換器12に流入する。
液冷媒は、断熱膨張する際に、室内送風機13によって供給される室内空気から蒸発潜熱を奪って気化し、低温低圧のガス冷媒となる。
そして、蒸発潜熱を奪われた室内空気は、相対的に冷却されたことになり、冷風が室内に送風される。
液冷媒から気化したガス冷媒は、室外機1に送られる。
室外機1に戻ったガス冷媒は、四方弁7を通過して、アキュムレータ5に流入する。
アキュムレータ5に流入したガス冷媒は、混在する液冷媒がアキュムレータ5で分離され、所定のかわき度に調整されて、圧縮機6へ供給され、再度圧縮される。
以上のように、冷凍サイクルを実線の矢印の方向へ冷媒が循環することで、室内に冷風を供給する冷房運転が実現する。
次に、室内に温風が供給される暖房運転を行う際の空気調和機Sの働きについて説明する。
図1における点線の矢印が、暖房運転時における冷媒の流れを示し、四方弁7は、点線で示すように切り替わる。
圧縮機6で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、四方弁7を経由して、室内機2に流入する。
室内熱交換器12に流入したガス冷媒は、室内熱交換器12内を通過する間に、室内送風機13によって供給される室内空気に放熱して凝縮し、低温高圧の液冷媒となる。
そして、受熱した室内空気は、相対的に加熱されたことになり、温風が室内に送風される。
ガス冷媒から凝縮した液冷媒は、室内膨張弁14を通過して、室外機1へ送られる。なお、このとき、室内膨張弁14は、膨張弁としては機能しないため、冷媒は断熱膨張せずに、液冷媒のまま通過する。
室外機1に流入した液冷媒は、室外膨張弁9で断熱膨張しつつ、室外熱交換器8に流入する。
液冷媒は、断熱膨張する際に、室外送風機10によって供給される外気から蒸発潜熱を奪って気化し、低温低圧のガス冷媒となる。
液冷媒から気化し、室外熱交換器8から流出したガス冷媒は、四方弁7を通過して、アキュムレータ5に流入する。
アキュムレータ5に流入したガス冷媒は、混在する液冷媒がアキュムレータ5で分離され、所定のかわき度に調整されて、圧縮機6へ供給され、再度圧縮される。
以上のように、冷凍サイクルを点線の矢印の方向へ冷媒が循環することで、室内に温風を供給する暖房運転が実現する。
次に、前述の室外熱交換器8について説明する。
図2、図3に示すように、本実施形態の室外熱交換器8は、マイクロチャンネル型の熱交換器からなり、熱交換部20とヘッダ集合管30とを備えている。
熱交換部20は、空気と冷媒との間で熱の授受を行う部位で、複数の伝熱フィン21と、複数の伝熱管23とで構成されている。
伝熱フィン21は、長方形形状の板状部材で構成されている。また、伝熱フィン21は、板状部材の長手方向が上下方向に沿いつつ、板面が対向した状態で、水平方向に所定の間隔を空けつつ、積層配置されている。そして、積層された伝熱フィン21の間の隙間を、屋外の空気が通過する。
伝熱管23は、図3、図4に示すように、断面が略長円状の扁平管形状を備えている。また、伝熱管23は、長円形状の平坦部が上下方向に面しつつ、水平方向に沿った状態で、上下方向に所定の間隔を空けつつ、配置されている。そして、伝熱管23は、積層された各伝熱フィン21に開口する管孔22を貫通しつつ、外周面が各管孔22に当接されている。
なお、伝熱管23の詳細な構成については、後述する。
また、各伝熱管23の両端部には、ヘッダ集合管30が連通されている。
ヘッダ集合管30は、図2、図3に示すように、各伝熱管23をその両端部で束ねつつ、連通している。また、各ヘッダ集合管30には、ガス冷媒の出入口となるガス管31と、液冷媒の出入口となる液管32が接続されている。
また、室外熱交換器8を構成する伝熱フィン21、伝熱管23、およびヘッダ集合管30は、同一素材のアルミニウム合金で構成されている。
次に、伝熱管23の構成について説明する。
伝熱管23は、図4や図5に示すように、断面が略長円状の扁平管形状を備えた管壁25と、管壁25内に、を長手方向に沿った複数の流路24に分割する隔壁26とを備えた管状部材で構成されている。また、伝熱管23は、1枚の平板状の板材SH23に対する折曲げ加工と、ろう付加工を施すことで形成される。
伝熱管23を構成する板材SH23上には、後に管壁25になる管壁片SH25と、後に隔壁26となる隔壁片SH26とが隣接して配置されている。また、伝熱管23を構成する板材SH23には、伝熱管23に成形した際に、管壁25の内周面となる板面に、ロウ材が接合されたクラッド板が採用されている。そして、クラッド材を採用することで、板材SH23を伝熱管23の形に成形した後、板材SH23全体を加熱すると、クラッド材の重なった部分が、ろう付される。
板材SH23における管壁片SH25は、折曲げ加工によって、断面略長円形の扁平管形状を備えた管壁25に変形する。
板材SH23における隔壁片SH26は、折曲げ加工によって、連続する矩形波形状に変形する。そして、図5における、矩形波形状の垂直方向に沿った縦壁部分が、隔壁26に設定され、水平方向に沿った横壁部分が、接合部27に設定され、接合部27と隔壁26とが、交互に連続して形成される。
接合部27は、管壁25の内面に、ろう付によって接合される。つまり、隔壁26は、非金属結合による手法によって、接合部27を介して、管壁25に支持される。
また、隔壁26と接合部27との境界部分となる折り目部分(角部分)が、ヒンジ部28に設定され、ヒンジ部28を回転中心にして、接合部27と隔壁26が、拡管の前後で曲げ伸ばしされる。
つまり、伝熱管23は、管壁25、隔壁26、接合部27、およびヒンジ部28を備えている。
<伝熱管形成手順、および拡管手順>
次に、板材SH23から伝熱管23を形成する手順について説明する。
まず、伝熱管23の元になる1枚の板材SH23に折曲げ加工を施して、管壁片SH25を管壁25の長円形状に成形し(管壁折曲げ工程)、隔壁片SH26を隔壁26と接合部27とが連続する矩形波形状に成形する(隔壁折曲げ工程)。
そして、隔壁片SH26である矩形波形状部分を、管壁片SH25である長円形状部分の内部に納めて、伝熱管23の形状に成形する。
なお、本実施形態の形成手順では、板材SH23を伝熱管23の形状に成形する際に、図6(a)に示すように、伝熱管23が、隔壁26とともに、斜めに傾いた形状(縮管形態)に成形する。
次に、伝熱管23の形状に成形された板材SH23を加熱して、ろう付し、縮管形態の伝熱管23が完成する。
次に、伝熱管23を拡管する手順について説明する。
縮管形態の伝熱管23を伝熱フィン21の管孔22に貫通し、熱交換部20を組み立てる。
次に、伝熱管23内に、作動油等の圧力を伝える媒体(加圧媒体)を充填する。
次に、加圧媒体を昇圧し、伝熱管23を図6(a)における上下方向(扁平管形状における短手方向)に寸法を拡げて拡管して(拡管工程)、管内の容積を増やし(図6(b)参照)、ヒンジ部28を回転中心にして、斜めに倒れた隔壁26を垂直方向の起こす(拡管形態)。
そして、伝熱管23は、拡管に伴い、伝熱フィン21の管孔22に密着する。
なお、図6(a)、(b)について、作図の都合上、管壁25の内面と接合部27との間に隙間が空いているが、ろう付によって接合しているものとみなす。
次に、本実施形態の構成による作用効果を説明する。
本実施形態のように、管壁25と隔壁26を板材SH23の曲げ加工によって形成することで、押出し成形による扁平管よりも、拡管時の変形量を大きくすることができる。
これによって、拡管後における、伝熱管23と伝熱フィン21との密着性を向上させることができる。
また、伝熱管23の製造に、板材SH23を折曲げることで成形する手法を採用することで、押出し成形による成形に適さない銅、および銅合金等の素材を隔壁26を備えた扁平管形状の伝熱管23に採用することができる。
さらに、折曲げ加工によって管壁25を形成することで、拡管しやすい形状に成形することができる。
また、本実施形態のように、同じ板材SH23上に、管壁25、隔壁26、および接合部27を配置することで、管壁25の形成と、隔壁26の形成を、一連の工程で行うことができる。
これによって、生産性が向上し、製造コストを削減することができる。
また、本実施形態のように、ヒンジ部28が、折曲げ加工による折り目部分からなることで、押出し成形によって管路内に隔壁を形成する場合よりも、容易に曲げ伸ばしすることができる。
これによって、押出し成形によって、隔壁が斜めに倒れたように形成された場合よりも、小さな圧力で、隔壁を起こせ、拡管することができる。
なお、本実施形態では、空気調和機Sの室外熱交換器8に本願発明の熱交換器を採用した場合について説明したが、室外熱交換器8に限定されるものではない。マイクロチャンネル型の熱交換器等、伝熱管23を拡管して、伝熱フィン21に密着させる構成の熱交換器であれば、採用が可能である。したがって、室内熱交換器12にも採用が可能である。
また、本実施形態の室外熱交換器8は、図2に示すように、伝熱管23の両端部をヘッダ集合管30が束ねつつ、連通する構成となっているが、このような構成に限定されるものではない。
たとえば、図7に示すように、伝熱管23の端部をU字管33で連通し、冷媒が伝熱フィン21を何度も往復するように、構成された熱交換器8aに採用することも可能であり、同様の作用効果が得られる。
<伝熱管形成手順の別態様>
なお、伝熱管23を形成する手順は、前述の手順に限定されるものではない。
そこで次に、板材SH23から伝熱管23を形成する別の手順について、図8を参照して説明する。
前述の伝熱管形成手順では、伝熱管23を形成する際に、縮管形態に形成しているが、本態様の手順では、伝熱管23を形成する際に、隔壁26が起きた状態である、拡管形態に形成する(図8(a)参照)。
そして、伝熱管23を拡管形態にした後に、潰し加工を施し(縮管工程)、管壁25とともに、隔壁26が斜めに傾いた縮管形態に成形する(図8(b)参照)。
次に、前述と同様に拡管工程を行う(図8(c)参照)。
なお、伝熱管23を拡管する手順については、前述の手順と同様である。
このような手順を経ることによって、ろう付後の伝熱管23に対して、ヒンジ部28で曲げ伸ばしすることができる。
これによって、ヒンジ部28での曲げ伸ばしが容易になり、拡管工程後の伝熱管23と伝熱フィン21との密着性をさらに向上することができる。
<第2実施形態>
次に、本願発明の第2実施形態について、図9(a)、(b)を参照して説明する。なお、前述の第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態と前述の第1実施形態とで、大きく異なる構成は、伝熱管を形成する板材の構成である。
前述の第1実施形態では、伝熱管23が、1枚の板材SH23で構成され、1枚の板材SH23上に、後に管壁25となる部分である管壁片SH25と、後に隔壁26となる部分である隔壁片SH26とが隣接して配置されている。
これに対して、本実施形態の伝熱管23Aでは、図9(a)、(b)に示すように、管壁25Aを構成する管壁片SH25Aと、隔壁26A、接合部27A、およびヒンジ部28Aを構成する隔壁片SH26Aとが、別の板材で構成されている。
また、管壁25Aを長円形状に形成する際に、管壁片SH25Aの両端が、カシメとろう付によって接合されている。
なお、伝熱管23を組立てる手順については、前述の第1実施形態と同様に、前述の2通りの手順で行うことが可能である。
本実施形態のように、管壁片SH25Aが、隔壁片SH26Aと別部材になることで、管壁25Aの形状に対する制約を緩和することができる。
これによって、伝熱管23として、より適した形状に管壁25Aを形成することができる。
たとえば、図9(a)、(b)に示すように、管壁25Aを長円形状に形成する際に、管壁片SH25Aの両端をカシメとろう付によって接合することによって、ろう付のみの場合よりも拡管工程でより高い圧力で拡管をおこなうことができる。
これによって、伝熱管23と伝熱フィン21との密着性をさらに高めることができる。
<第2実施形態の別態様>
次に、本願発明の第2実施形態の別態様について、図10(a)、(b)を参照して説明する。なお、前述の第2実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態と前述の第2実施形態とで、大きく異なる構成は、伝熱管23Bの管壁25Bを形成する板材である管壁片SH25Bの構成である。
前述の第2実施形態では、管壁25Aが平板状の板材で形成されている。これに対して、本実施形態では、図10(a)、(b)に示すように、伝熱管23の長手方向に沿って延在する複数の突条29Bが、管壁25Bの内面に立設されている。
このような突条29Bを設けることで、管壁25Bの内面の表面積が増大し、伝熱管23内を流通する冷媒等の熱媒体との熱の授受をより効果的に行うことができる。
これによって、熱交換器の性能をさらに向上させることができる。
なお、隔壁26B、接合部27B、およびヒンジ部28Bを構成する隔壁片SH26Bは、前述の隔壁片SH26Aと同様の構成を備えている。
8 熱交換器
21 伝熱フィン
23 伝熱管
24 流路
25 管壁
26 隔壁
27 接合部
28 ヒンジ部

Claims (7)

  1. 板材が折曲がり形成された扁平管形状の管壁と、
    該管壁の内側に折曲がった該板材の一部、または別の板材が該管壁の内面と接合して該管壁内を複数の流路に仕切る隔壁と、
    を備え、
    前記流路の内部に所定の圧力が掛かった場合に、前記扁平管形状における短手方向に拡管が可能な縮管形態に前記管壁が構成された
    ことを特徴とする伝熱管。
  2. 扁平管形状を有する管壁と、該管壁内を長手方向に沿った複数の流路に仕切る隔壁と、を具備し、所定の間隔を空けて略平行に配置される複数の伝熱管と、
    板状部材からなり、所定の間隔を空けて積層される複数の伝熱フィンと、
    を備え、
    該伝熱フィンを貫通する該伝熱管を拡管することで、該伝熱管が該伝熱フィンに当接する熱交換器において、
    前記管壁は、
    平板状の板材への折曲げ加工によって、扁平管形状に形成されたものであり、
    前記隔壁は、
    平板状の板材への折曲げ加工によって、接合部とともに形成されたものであり、
    該管壁の内面に接合される該接合部を介して該伝熱管内に保持されている
    ことを特徴とする熱交換器。
  3. 前記管壁、前記隔壁、および前記接合部は、
    同じ板材上に連続して配置されていたものである
    ことを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記管壁と前記隔壁とは、
    別々の板材で構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
  5. 前記隔壁と前記接合部は、
    互いの境界部分に設定された折り目からなるヒンジ部を回転中心にして、
    拡管の前後で、曲げ伸ばしされたものである
    ことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 扁平管形状を有する管壁と、該管壁内を長手方向に沿った複数の流路に仕切る隔壁と、を具備し、所定の間隔を空けて略平行に配置される複数の伝熱管と、
    板状部材からなり、所定の間隔を空けて積層される複数の伝熱フィンと、
    を備える熱交換器の製造方法であって、
    平板状の板材を折り曲げて前記管壁を形成する管壁折曲げ工程と、
    平板状の板材を折り曲げて前記隔壁と接合部とを形成する隔壁折曲げ工程と、
    前記伝熱フィンを貫通した前記伝熱管を拡管しつつ、該隔壁を曲げ伸ばしさせて拡管形態に変形させ、該伝熱管を該伝熱フィンに当接させる拡管工程と、
    を含む
    ことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  7. 前記拡管工程の前に、
    前記拡管形態に形成された前記伝熱管を、
    拡管前の形態に成形する縮管工程を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の熱交換器の製造方法。
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