JP2018111875A - フラーレンの成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜品質を確保または向上させつつ、工業的有利に化学修飾されていないフラーレンを成膜することができる新規な成膜方法を提供する。【解決手段】フラーレンと、溶媒としての炭化水素芳香族化合物(トリメチルベンゼン等)とを含む原料溶液を霧化または液滴化(霧化・液滴化工程)し、得られたミストまたは液滴を基体上で熱反応させて成膜する(成膜工程)方法によって、化学修飾されていないフラーレンを簡便かつ容易に成膜する。【選択図】なし

Description

本発明は、原料溶液を霧化して得られる微小なミストまたは液滴を利用してフラーレンを成膜する方法(特にミストCVD法)に関する。
フラーレンはグラファイトと比較して熱伝導率が約100倍低いため、フラーレン膜は通常の炭素膜に比べて好適な熱保護膜としての利用が期待されている。また、フラーレンは電気伝導率が非常に低いため、絶縁膜としての利用や、カラーフィルターの高抵抗ブラックマトリックスとしての用途が期待されている。また、フラーレンは有機n型半導体分子として優れた特性を有することから、有機半導体薄膜としての利用も期待されている。
非特許文献1には、フラーレンを溶かす溶媒について200種以上の溶媒の溶解度のデータが整理されている。しかしながら、フラーレンを溶かす溶媒はあっても、フラーレンを様々な用途に適用するのに適した成膜方法が特になく、基板の制限をかけることなく、また、大気圧下や非真空において良質なフラーレンを成膜できる方法が待ち望まれていた。
非特許文献2では、フラーレン誘導体(PCBM)と、溶媒としてのクロロベンゼンとを含む原料溶液から、ミストCVD法を用いて、フラーレン誘導体(PCBM)を含む薄膜を形成することが記載されている。しかしながら、非特許文献2に記載の方法では、フラーレン誘導体(PCBM)は成膜できても、フラーレンを成膜することはできなかった。そのため、フラーレン誘導体ではなく、フラーレンそのものを工業的有利に成膜できる方法が待ち望まれていた。
Karl M.Kadish,FULLEREENES Chemistry, Physics, and Technology,P53−90 池之上卓己; 藤田静雄. 超音波噴霧法による透明導電膜および有機薄膜太陽電池の作製.材料,2012,61.9:777−782.
本発明は、化学修飾されていないフラーレンを工業的有利に成膜することができる新規な成膜方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、フラーレンと、溶媒としての炭化水素芳香族化合物とを含む原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴を基体上で熱反応させて成膜すると、良質なフラーレン薄膜を簡単且つ容易に形成できることを知見し、このような成膜方法が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴を基体上で熱反応させて成膜する方法であって、前記原料溶液が、フラーレンと、溶媒としての炭化水素芳香族化合物とを含み、該フラーレンを成膜することを特徴とする成膜方法。
[2] 前記フラーレンが、C60フラーレンである前記[1]記載の成膜方法。
[3] 前記炭化水素芳香族化合物が、下記式(1)で表される前記[1]または[2]に記載の成膜方法。
(式中、R〜Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R〜Rから選ばれる任意の2つの基が結合して環を形成してもよい。)
[4] 前記基体が、ガラス基板である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の成膜方法。
[5] 前記基体が、スズドープ酸化インジウム膜を表面の一部または全部に含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の成膜方法。
[6] 前記熱反応を、前記ミストまたは前記液滴を、キャリアガスを用いて前記基体上まで搬送した後に行う前記[1]〜[5]のいずれかに記載の成膜方法。
[7] 前記熱反応を、210℃以下の温度で行う前記[1]〜[6]のいずれかに記載の成膜方法。
[8] 前記霧化または液滴化を、超音波振動により行う前記[1]〜[7]のいずれかに記載の成膜方法。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の成膜方法により得られた膜。
[10] 前記[9]記載の膜を含む光電変換素子。
[11] 前記[10]記載の光電変換素子を備えた光電変換装置。
本発明の成膜方法によれば、工業的有利にフラーレンを成膜することができる。
実施例において用いた成膜装置の概略構成図である。 実施例において得られたフラーレン膜のIRスペクトルの測定結果を示す図である。
本発明の成膜方法は、原料溶液を霧化または液滴化し(霧化・液滴化工程)、得られたミストまたは液滴を基体上で熱反応させて成膜する(成膜工程)方法であって、前記原料溶液が、フラーレンと、溶媒としての炭化水素芳香族化合物とを含み、該フラーレンを成膜することを特長とする。
(霧化・液滴化工程)
霧化・液滴化工程は、原料溶液を霧化または液滴化する。霧化手段または液滴化手段は、原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段が好ましい。超音波を用いて得られたミストまたは液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので衝突エネルギーによる損傷がないため、非常に好適である。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは100nm〜10μmである。
(原料溶液)
原料溶液は、フラーレンと、溶媒としての炭化水素芳香族化合物とを含んでおり、霧化または液滴化が可能であれば特に限定されず、無機材料を含んでいてもよいし、有機材料を含んでいてもよい。また、前記原料溶液は、無機材料および有機材料の両方の材料を含んでいてもよい。
前記フラーレンは、化学修飾されていないフラーレンであれば、特に限定されず、どのようなフラーレンであってもよい。前記フラーレンとしては、例えば、C36フラーレン、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、C82フラーレン、C84フラーレン、C90フラーレン、C96フラーレン等が挙げられる。本発明においては、前記フラーレンがC60フラーレンであるのが好ましい。
前記炭化水素芳香族化合物は、溶媒として用いることができ、1または2以上の炭化水素基を有する芳香族化合物であれば、特に限定されない。本発明においては、前記炭化水素芳香族化合物が、下記式(1)で表される化合物であるのが、前記フラーレンのミストまたは液滴の安定性及び膜形成適性により優れたものになるので、好ましい。
(式中、R〜Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R〜Rから選ばれる任意の2つの基が結合して環を形成してもよい。)
本発明においては、前記炭化水素芳香族化合物が、アルキル芳香族化合物であるのが好ましい。前記アルキル芳香族化合物は、1または2以上のアルキル基を有する芳香族化合物であれば特に限定されない。
本発明における「アルキル基」は、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基が好ましい。アルキル基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、tert−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2−メチルペンタン−3−イル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等が挙げられる。アルキル基は、中でも炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がとりわけ好ましい。
本発明における「置換基」としては、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、−OR1a(R1aは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。)、−SR1b(R1bは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。)、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、スルホ基、置換シリル基、水酸基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換ホスフィノ基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基又はオキソ基等が挙げられる。
「炭化水素基」としては、炭化水素基及び置換炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基又はアラルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、前記したアルキル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル、インデニル、ペンタレニル、ナフチル、アズレニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、アセナフチレニル、ビフェニレニル、ナフタセニル又はピレニル等が挙げられる。アリール基は、中でも炭素数6〜14のアリール基がより好ましい。
アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。該アラルキル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル、1−フェニルペンチルブチル、2−フェニルペンチルブチル、3−フェニルペンチルブチル、4−フェニルペンチルブチル、5−フェニルペンチルブチル、1−フェニルヘキシルブチル、2−フェニルヘキシルブチル、3−フェニルヘキシルブチル、4−フェニルヘキシルブチル、5−フェニルヘキシルブチル、6−フェニルヘキシルブチル、1−フェニルヘプチル、1−フェニルオクチル、1−フェニルノニル、1−フェニルデシル、1−フェニルウンデシル、1−フェニルドデシル、1−フェニルトリデシル又は1−フェニルテトラデシル等が挙げられる。アラルキル基は、中でも炭素数7〜12のアラルキル基がより好ましい。
「炭化水素基」が有していてもよい置換基は、前記した「置換基」などが挙げられる。置換炭化水素基の好ましい具体例としては、例えばトリフルオロメチル、メトキシメチル等の置換アルキル基、トリル(例えば4−メチルフェニル)、キシリル(例えば3,5−ジメチルフェニル)、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル又は4−メトキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル等の置換アリール基又は置換アラルキル基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよい複素環基」としては、複素環基及び置換複素環基が挙げられる。複素環基としては、脂肪族複素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。
脂肪族複素環基としては、例えば、炭素数2〜14で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、3〜8員、好ましくは5又は6員の単環、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、モルホリニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、チオラニル基又はスクシンイミジル基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等の異種原子を含んでいる、3〜8員、好ましくは5又は6員の単環式、多環式又は縮合環式の複素環基等が挙げられ、その具体例としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、ブテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニル、ベンゾ〔1,2,5〕チアジアゾリル、ベンゾ〔1,2,5〕オキサジアゾリル又はフタルイミノ基等が挙げられる。
「複素環基」が有していてもよい置換基としては、前記した「置換基」などが挙げられる。
本発明においては、前記式(1)において、R〜Rから選ばれる任意の2つの基が縮合して環を形成するのも好ましい。R〜Rから選ばれる任意の2つの基が縮合して形成される環としては、例えば、1〜3個の酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を環の構成原子として含んでいてもよい5〜20員環などが挙げられる。形成される好ましい環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環又はシクロヘプタデカン環等の単環;ジヒドロナフタレン環、インデン環、インダン環、ジヒドロキノリン環又はジヒドロイソキノリン環等の縮合環などが挙げられ、これらの環は、通常、1または2個のヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子または硫黄原子等)を含んでいる。また、これらの環は、炭化水素基、複素環基、アルコキシ基又は置換アミノ基等で置換されていてもよい。炭化水素基、複素環基の具体例としては、前記の炭化水素基、複素環基に記載したものなどが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、3−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、5−メチルペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メトキシメトキシ基、2−エトキシエトキシ基等が挙げられる。
置換アミノ基としては、アミノ基の1個または2個の水素原子が置換基で置換されたアミノ基などが挙げられる。置換アミノ基の置換基の具体例としては、例えば、炭化水素基(例えば、アルキル基等)、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基またはアラルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。アルキル基で置換されたアミノ基、すなわちアルキル基置換アミノ基の具体例としては、例えば、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−イソプロピルアミノ基またはN−シクロヘキシルアミノ基のモノまたはジアルキルアミノ基などが挙げられる。アリール基で置換されたアミノ基、すなわちアリール基置換アミノ基の具体例としては、例えば、N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ器、N−メチル−N−フェニルアミノ基又はN−ナフチル−N−フェニルアミノ基等のモノまたはジアリールアミノ基などが挙げられる。アラルキル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキル基置換アミノ基の具体例としては、例えば、N−ベンジルアミノ基又はN,N−ジベンジルアミノ基等のモノ又はジアラルキルアミノ基が挙げられる。また、N−ベンジル−N−メチルアミノ基等のジ置換アミノ基が挙げられる。アシル基で置換されたアミノ基、即ちアシルアミノ基の具体例としては、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基又はベンゾイルアミノ基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアルコキシカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ペンチルオキシカルボニルアミノ基又はヘキシルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアリールオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、アミノ基の1個の水素原子が前記したアリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基が挙げられ、その具体例として、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基又はナフチルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。アラルキルオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキルオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、ベンジルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
前記アルキル芳香族化合物の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、エチルトルエン類、エチルキシレン類、ジエチルベンゼン類、プロピルベンゼン類等のアルキルベンゼン類、あるいはメチルナフタレン類、エチルナフタレン類、ジメチルナフタレン類等のアルキルナフタレン類、その他アルキルビフェニル類、アルキルアントラセン類、アルキルビフェニルエーテル等が挙げられる。本発明においては、前記アルキル芳香族化合物がトリメチルベンゼンであるのが、より良好にフラーレンを成膜できるため、好ましい。前記トリメチルベンゼンとしては、例えば、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン等が挙げられる。本発明においては、前記トリメチルベンゼンが、1,3,5−トリメチルベンゼンであるのが好ましい。
前記原料溶液には、前記炭化水素芳香族化合物以外の溶媒が含まれていてもよい。このような溶媒は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、前記炭化水素芳香族化合物以外の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒であってもよい。有機溶媒と無機溶媒の混合溶媒であってもよい。前記有機溶媒としては、例えば、アルコール類、エステル類、エーテル類等があげられる。前記無機溶媒としては、水等が挙げられ、より具体的には、例えば、純水、超純水、水道水、井戸水鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、海水などが挙げられる。
(成膜工程)
成膜工程では、基体上で前記ミストまたは液滴を熱反応させることによって、基体上に、成膜する。熱反応は、熱でもって前記ミストまたは液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程では、前記熱反応を、通常、300℃以下で行うが、本発明においては、210℃以下が好ましい。なお、下限については、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよいが、非酸素雰囲気下または酸素雰囲気下で行われるのが好ましい。また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。
本発明においては、前記熱反応を、前記ミストまたは前記液滴を、キャリアガスを用いて前記基体上まで搬送した後に行うのも、より良質なフラーレンをより均一に成膜することができるため、好ましい。前記キャリアガスとしては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01〜20L/分であるのが好ましく、1〜10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001〜2L/分であるのが好ましく、0.1〜2L/分であるのがより好ましい。
(基体)
前記基体は、成膜する膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。多孔質構造体であってもよい。
また、表面の一部または全部の上に、金属膜、半導体膜、導電性膜および絶縁性膜の少なくとも1種の膜が形成されているものも、前記基体として好適に用いることができる。前記金属膜の構成金属としては、例えば、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、シリコン、イットリウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる1種または2種以上の金属などが挙げられる。半導体膜の構成材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムのような元素単体、周期表の第3族〜第5族、第13族〜第15族の元素を有する化合物、金属酸化物、金属硫化物、金属セレン化物、または金属窒化物等が挙げられる。また、前記導電性膜の構成材料としては、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化インジウム(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)、酸化タングステン(WO)などが挙げられるが、本発明においては、導電性酸化物からなる導電性膜であるのが好ましく、スズドープ酸化インジウム(ITO)膜であるのがより好ましい。前記絶縁性膜の構成材料としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)、酸窒化シリコン(Si)などが挙げられるが、絶縁性酸化物からなる絶縁性膜であるのが好ましく、チタニア膜であるのがより好ましい。
なお、金属膜、半導体膜、導電性膜および絶縁性膜の形成手段は、特に限定されず、公知の手段であってよい。このような形成手段としては、例えば、ミストCVD法、スパッタ法、CVD法(気相成長法)、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法、ALD(原子層堆積)法、塗布法(例えばディッピング、滴下、ドクターブレード、インクジェット、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、インクジェット塗布等)などが挙げられる。
前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されないが、0.5μm〜100mmが好ましく、1μm〜10mmがより好ましい。前記基板は、板状であって、成膜する膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、金属基板や導電性基板であってもよい。本発明においては、前記基板が、ガラス基板であるのが好ましい。
本発明においては、前記基体が、前記導電性膜を表面の一部または全部に含むのが好ましく、前記基体がガラス基板であり、さらに、前記導電性膜を表面の一部または全部に含むのがより好ましく、前記基体がガラス基板であり、さらに、スズドープ酸化インジウム膜を、表面の一部または全部に含むのが最も好ましい。
また、本発明においては、前記基体上に、直接、成膜してもよいし、バッファ層(緩衝層)や応力緩和層等の他の層を介して成膜してもよい。バッファ層(緩衝層)や応力緩和層等の他の層の形成手段は、特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、ミストCVD法が好ましい。
上記のようにして成膜することで、化学修飾したフラーレンを原料溶液に用いなくても、簡便かつ容易に良質なフラーレン膜を得ることができる。また、得られる膜の膜厚も、成膜時間を調整することにより、容易に調整することができる。
なお、前記フラーレン膜は、光電変換素子等に有用である。本発明においては、例えば、前記フラーレン膜を光電変換素子等に用いる場合、前記フラーレン膜を、前記基体等から剥離する等の公知の手段を用いた後に、光電変換素子等に用いてもよいし、そのまま、光電変換素子等に用いてもよい。本発明において得られるフラーレン膜は、光電変換素子に用いられる場合には、好適には、光電変換素子の光電変換層または電子輸送層の一部または全部に用いられる。
以下、前記フラーレン膜を光電変換素子の光電変換層の一部に用いた場合の好適な例を説明する。
前記フラーレン膜を光電変換素子に用いる場合には、前記成膜方法において、前記基体が、透明基板であるのが好ましく、表面に電極が形成された透明導電性基板であるのがより好ましい。前記透明基板は、JIS K 7361−1:1997に従い測定される光透過率が、10%以上であるのが好ましく、50%以上であるのがより好ましく、80〜100%であるのが最も好ましい。
前記透明基板は、剛性基板(例えばガラス基板やアクリル基板など)および可撓性基板(例えば、フィルム基板など)のいずれも好適に用いられる。剛性基板は、耐熱性の点でガラス基板が好ましく、ガラスの種類などは特に限定されない。
可撓性基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができる。これらの樹脂フィルムの他に無機ガラスフィルムを基板として用いてもよい。また、可撓性基板として、例えばカーボンナノファイバー、セルロースナノファイバー、シクロデキストリンナノファイバーなどのナノファイバーも好適に用いることができる。
また、前記フラーレン膜を光電変換素子に用いる場合には、例えば、前記透明基板上に、第一電極、電子輸送層、光電変換層、正孔輸送層ならびに第二電極を設けることにより、光電変換素子を製造することができる。
第一電極は、通常、前記透明基板と光電変換層との間に配置され、透明基板の光入射方向に対して反対側となる一方の面上に設けられるが、本発明においては、特に限定されない。第一電極としては、その光透過率が60%以上のものが好ましく、80%以上のものがより好ましく、90%〜100%のものが最も好ましい。なお、光透過率は、上記透明基板の説明の記載と同様のものである。
第一電極を形成する材料は、特に制限されず、公知の材料であってよい。例えば、白金、金、銀、銅、マグネシウム、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属またはこれらの合金、SnO、CdO、ZnO、CTO系(CdSnO、CdSnO、CdSnO)、In、CdIn等の金属酸化物などが挙げられる。これらのうち、金属として好ましくは、金、銀もしくはマグネシウムまたはこれらの合金が挙げられ、光透過性を持たせるために、開口部を持つグリッドパターニングされた膜、あるいは微粒子やナノワイヤーを分散し塗布した膜が好ましく用いられる。また、金属酸化物として好ましくは、前記において例示した金属酸化物に、Sn、Sb、FおよびAlから選ばれる1種または2種以上を添加した複合(ドープ)材料が挙げられる。より好ましくは、SnをドープしたIn(ITO)、SbをドープしたSnO、FをドープしたSnO(FTO)等の導電性金属酸化物が挙げられる。
第一電極の形成手段は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知の手段であってよい。第一電極の形成手段としては、例えば、ミストCVD法、スパッタ法、CVD法(気相成長法)、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法、ALD(原子層堆積)法、塗布法(例えばディッピング、滴下、ドクターブレード、インクジェット、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、インクジェット塗布等)などが挙げられる。
なお、第一電極は、前記透明基板上に設けられた透明導電性基板であるのが好ましい。前記透明導電性基板の平均厚さとしては、特に制限されないが、約0.1mm〜5mmの範囲が好ましい。また、透明導電性基板の表面抵抗は、50Ω/□以下であることが好ましく、20Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□以下であることが最も好ましい。なお、透明導電性基板の表面抵抗の下限は、可能な限り低いことが好ましいため、特に規定する必要はないが、0.01Ω/□以上であれば十分である。透明導電性基板の光透過率の好ましい範囲は、上記透明基板の光透過率の好ましい範囲と同様である。
前記電子輸送層は、通常、短絡防止手段、封止手段及び整流作用として、膜状(層状)をなし、第一電極と光電変換層(半導体層)との間に配置される。前記電子輸送層は、多孔質構造体からなるのが好ましい。前記電子輸送層の空孔率をC[%]とし、半導体層の空孔率をD[%]としたとき、D/Cが、例えば、約1.1以上であるのが好ましく、約5以上であるのがより好ましく、約10以上であるのが最も好ましい。なお、D/Cの上限は、可能な限り大きいことが好ましいため、特に限定されないが、通常、約1000以下である。これにより、電子輸送層と半導体層とは、それぞれ、それらの機能をより好適に発揮することができる。なお、前記電子輸送層は、通常、第一電極上に形成される。
より具体的には、電子輸送層の空孔率Cとしては、緻密層であるのが好ましく、より具体的には例えば、約20%以下であるのが好ましく、約5%以下であるのがより好ましく、約2%以下であるのが最も好ましい。これにより、短絡防止や整流作用といった効果をより向上することができる。ここで、電子輸送層の空孔率の下限は、可能な限り小さいことが好ましいため、特に限定されないが、通常、約0.05%以上である。
前記電子輸送層の平均厚さ(膜厚)としては、例えば、約0.001〜10μmであるのが好ましく、約0.005〜0.5μmであるのがより好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
前記電子輸送層の構成材料としては、特に限定されないが、n型半導体が使用できる。例えば、無機物の場合、亜鉛、ニオブ、スズ、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガン、鉄、銅、ニッケル、イリジウム、ロジウム、クロム、ルテニウムまたはこれらの酸化物、α型酸化ガリウム、β型酸化ガリウム、IGZO等の酸化物半導体、GaN等の窒化物半導体、SiC等のケイ素含有半導体、また、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、ニオブ酸ストロンチウムのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物または酸化物混合物、CdS、CdSe、TiC、Si、SiC、BNのような各種金属化合物等の1種または2種以上の組み合わせなども使用することができる。また、有機物の場合、前記フラーレンもしくはその誘導体(例えば、フェニル−C61−酪酸メチルエステル([60]PCBM)、フェニル−C61−酪酸n−ブチルエステル([60]PCBnB)、フェニル−C61−酪酸イソブチルエステル([60]PCBiB)、フェニル−C61−酪酸n−ヘキシルエステル([60]PCBH)、フェニル−C61−酪酸n−オクチルエステル([60]PCBO)、ジフェニル−C62−ビス(酪酸メチルエステル)(ビス[60]PCBM)、フェニル−C71−酪酸メチルエステル([70]PCBM)、フェニル−C85−酪酸メチルエステル([84]PCBM)、チエニル−C61−酪酸メチルエステル([60]ThCBM)、C60ピロリジントリス酸、C60ピロリジントリス酸エチルエステル、N−メチルフラロピロリジン(MP−C60)、(1,2−メタノフラーレンC60)−61−カルボン酸、(1,2−メタノフラーレンC60)−61−カルボン酸t−ブチルエステル)、オクタアザポルフィリン等、p型有機半導体化合物の水素原子をフッ素原子に置換したパーフルオロ体(例えば、パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
なお、例えば、正孔輸送層がp型半導体である場合であって、電子輸送層に金属を使用する場合には、正孔輸送層よりも仕事関数の値が小さく、ショットキー型の接触をするものを用いることが好ましい。また、例えば、電子輸送層に金属酸化物を用いる場合には、透明導電層とオーミックに接触し、かつ伝導帯のエネルギー準位が多孔質半導体層よりも低いところにあるものを使用することが好ましい。このとき、電子輸送層の構成材料として酸化物を選択することで、多孔質半導体層(光電変換層)から電子輸送層への電子移動効率を向上させることもできる。中でも、半導体層(光電変換層)と同等の電気伝導性を有する酸化チタンを主成分とする酸化チタン層が電子輸送層として好ましい。この場合、酸化チタン層は、アナターゼ型酸化チタンおよび誘電率が比較的高いルチル型の酸化チタンのいずれであってもよい。
前記電子輸送層の形成手段は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知の手段であってよい。前記電子輸送層の形成手段としては、例えば、ミストCVD法、スパッタ法、CVD法(気相成長法)、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法、ALD(原子層堆積)法、塗布法(例えばディッピング、滴下、ドクターブレード、インクジェット、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、インクジェット塗布等)などが挙げられる。
前記光電変換層は、前記フラーレンの他に、半導体を含んでいるが、本発明は、これら光電変換層に限定するものではない。
前記半導体は、特に限定されず、公知のものであってよい。前記半導体としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムのような元素単体、周期表の第3族〜第5族、第13族〜第15族の元素を有する化合物、金属酸化物、金属硫化物、金属セレン化物、金属窒化物、または有機半導体等が挙げられる。好ましい半導体としては、例えば、ガリウムの酸化物、チタンの酸化物、スズの酸化物、亜鉛の酸化物、鉄の酸化物、タングステンの酸化物、ジルコニウムの酸化物、ハフニウムの酸化物、ストロンチウムの酸化物、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブの酸化物、またはタンタルの酸化物、カドミウムの硫化物、亜鉛の硫化物、鉛の硫化物、銀の硫化物、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物、高分子有機半導体等が挙げられる。また、他の化合物半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。より具体的には、前記半導体の具体例としては、Ga、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS、CuInSe、Ti等が挙げられる。前記高分子有機半導体としては、より具体的には例えば、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体等が挙げられる。上記した半導体を単独で使用してもよく、または複数の半導体を併用して用いてもよい。例えば、上記した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもできるし、また、数種類を混合して使用してもよい。このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
前記半導体の形状としては、フィラー状、粒子状、円錐状、柱状、管状、平板状などが挙げられ特に制限されることはない。また、半導体層として、これらフィラー状、粒子状、円錐状、柱状、管状等の形状の半導体が凝集して形成された膜状のものを使用してもよい。また、この場合、予めフラーレン膜が表面に被覆した半導体を使用しても、半導体からなる層を形成した後にフラーレン膜を成膜してもよい。なお、半導体の形状が粒子状の場合は、一次粒子であって、かつ平均粒子径が約1〜5000nmであることが好ましく、約2〜100nmであることがより好ましい。なお、前記半導体の「平均粒径」は、100個以上のサンプルを電子顕微鏡で観察した時の1次粒子直径の平均粒径(1次平均粒径)である。
前記半導体の形成方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知の手段を用いることができる。前記半導体の形成手段としては、例えば、ミストCVD法、スパッタ法、CVD法(気相成長法)、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法、ALD(原子層堆積)法などが挙げられる。
また、前記半導体は、有機塩基を用いて表面処理してもよい。前記有機塩基としては、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、キノリン、ピペリジン、アミジン等が挙げられるが、中でもピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンが好ましい。表面処理方法は、特に制限されず、公知の手段を用いてよい。例えば、前記有機塩基が液体の場合はそのまま、固体の場合は有機溶媒に溶解した溶液(有機塩基溶液)を準備し、前記半導体を前記液体または有機塩基溶液に、約0〜80℃で約1分〜24時間浸漬することで、前記半導体の表面処理を実施できる。
前記正孔輸送層は、通常、重合体(好ましくは導電性高分子)を含有する。前記正孔輸送層は、通常、光励起によって酸化されたフラーレン膜に電子を供給して還元し、光電変換層との界面で生じた正孔を第二電極へ輸送する機能を有する。なお、正孔輸送層は、例えば、多孔質半導体層上に形成された層状部分だけでなく、多孔質半導体層の空隙内部にも充填されているのが好ましい。
前記正孔輸送層の構成材料としては、例えば、セレン、ヨウ化銅(CuI)等の沃化物、層状コバルト酸化物等のコバルト錯体、CuSCN、MoO、NiO、有機ホール輸送材等が挙げられる。沃化物としては、例えば、ヨウ化銅(CuI)等が挙げられる。層状コバルト酸化物としては、例えば、ACoO(A=Li、Na、K、Ca、Sr,Ba;0≦X≦1)等が挙げられる。また、有機ホール輸送材としては、例えば、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体、2,2’,7,7’−テトラキス−(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)−9,9’−スピロビフルオレン(spiro−MeO−TAD)等のフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ジフェニルアミン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアニリン誘導体等が挙げられる。
前記正孔輸送層の形成方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知の手段を用いることができる。前記正孔輸送層の形成手段としては、例えば、ミストCVD法、スパッタ法、CVD法(気相成長法)、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法、ALD(原子層堆積)法、塗布法(例えばディッピング、滴下、ドクターブレード、インクジェット、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、インクジェット塗布等)などが挙げられる。
第二電極は、導電性を有するものであって、電極として機能するものであれば、その他については、特に限定されない。例えば、絶縁性材料であっても、正孔輸送層に面している側に導電性物質層が設けてあり、電極として使用可能であれば、これを第二電極として用いることができる。本発明においては、第二電極は、正孔輸送層との接触性が良いことが好ましい。第二電極は、正孔輸送層との仕事関数の差が小さく、化学的に安定であることも好ましい。このような材料としては、特に限定されないが、金、銀、銅、アルミニウム、白金、ロジウム、マグネシウム、インジウム等の金属薄膜、炭素、カーボンブラック、導電性高分子、導電性の金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化錫にフッ素をドープしたもの等)などの有機導電体などが挙げられる。また、第二電極の平均厚みもまた、特に限定されないが、約10〜1000nmであるのが好ましい。また、第二電極の表面抵抗は、特に限定されないが、低いのが好ましく、具体的には、第二電極の表面抵抗の範囲は、好ましくは80Ω/□以下であり、より好ましくは20Ω/□以下である。なお、第二電極の表面抵抗の下限は、可能な限り低いことが好ましいため、特に限定されないが、0.1Ω/□以上であればよい。
第二電極の形成方法は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知の手段を用いることができる。第二電極の形成手段としては、例えば、ミストCVD法、スパッタ法やCVD法(気相成長法)、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法などが挙げられる。
以上のようにして得られた光電変換素子は、発電手段として有用であり、様々な用途に適用可能である。具体的には、光電変換素子を備えており、さらに、光電変換素子から出力された直流電流を交流電流に変換するインバータ装置、電気モーター、照明器具等を有する構成の光電変換装置等に有用であり、好適な用途としては、太陽電池等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1.成膜装置
図1を用いて、本実施例で用いた成膜装置1を説明する。成膜装置1は、キャリアガスを供給するキャリアガス供給源2aと、キャリアガス供給源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)供給源2bと、キャリアガス(希釈)供給源2bから送り出されるキャリアガス(希釈)の流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、ホットプレート8と、ホットプレート8上に載置された基板10と、ミスト発生源4から基板10近傍までをつなぐ供給管9とを備えている。
2.原料溶液の作製
C60フラーレンをメシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)に混合し、これを原料溶液4aとした。なお、溶液中のC60フラーレンの濃度は0.00069mol/Lとした。
3.成膜準備
上記2.で得られた原料溶液4aを、ミスト発生源4内に収容した。次に、基板10として、ガラス/ITO基板(20mm×25mm)をホットプレート8上に設置し、ホットプレート8を作動させて基板10の温度を210℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁3aおよび3bを開いて、キャリアガス供給源2aから供給されるキャリアガスの流量を2L/分に、キャリアガス(希釈)供給源2bから供給されるキャリアガス(希釈)の流量を2L/分に調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
4.フラーレン膜の成膜
次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化させてミスト4bを生成させた。このミスト4bが、キャリアガスによって、供給管9内を通って、基板10へと搬送され、大気圧下、210℃にて、基板10近傍でミストが熱反応して、基板10上にフラーレン膜が形成された。なお、得られたフラーレン膜の膜厚は200nmであり、成膜時間は、20分であった。
5.評価
上記4.にて得られたフラーレン膜につき、フーリエ変換赤外分光光度計を用いてIRスペクトルを測定した。その結果を図2に示す。図2から分かるように、得られたフラーレン膜は、波数1500cm−1〜1400cm−1、及び1200cm−1〜1100cm−1の間に吸光ピークを有していた。
(実施例2〜4)
成膜温度を、それぞれ180℃、150℃、120℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、フラーレン膜を成膜した。得られたフラーレン膜は、それぞれ、実施例1で得られたフラーレン膜と同等の性能を示していることが分かった。
(製造例)
α―NPDをγ―ブチロラクトンに混合し、これを原料溶液4aとした。なお、溶液中のα―NPDのモル濃度は0.0020mol/Lである。図1に示す成膜装置を用いて、得られた原料溶液4aをミスト発生源4内に収容した。次に、基板10として、15mm角のガラス/ITO基板をホットプレート8上に設置し、ホットプレート8を作動させて基板10の温度を180℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁3aを開いて、キャリアガス供給源2aから供給されるキャリアガスの流量を4L/分に調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
1.正孔輸送層の形成
次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化させてミスト4bを生成させた。このミスト4bが、キャリアガスによって、供給管9内を通って、基板10へと搬送され、大気圧下、180℃にて、基板10近傍でミストが熱反応して、基板10上に正孔輸送層が形成された。なお、得られた正孔輸送層の膜厚は約50nmであり、成膜時間は、10分間であった。
2.光電変換層の形成
基板10として、上記1.で得られた正孔輸送層が積層されている積層体を用いたこと以外は、実施例1と同様に、正孔輸送層上に光電変換層(フラーレン膜)を形成した。
3.陰極の形成
上記2.で得られた積層体上に、真空蒸着法を用いて、陰極としてアルミニウムを形成し、光電変換素子を製造した。
本発明の成膜方法は、工業的有利に化学修飾されていないフラーレンを成膜することができるので、種々の幅広い分野に利用可能であり、フラーレンを用いる種々の製造分野に利用可能である。本発明の成膜方法によれば、特に、低温、大気圧および非真空でフラーレンを成膜することができるので、基板等の制限も特になく、本発明により得られたフラーレン膜を有機半導体膜等として好適に利用することができる。
1 成膜装置
2a キャリアガス供給源
2b キャリアガス(希釈)供給源
3a 流量調節弁
3b 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 原料溶液
4b ミスト
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
8 ホットプレート
9 供給管
10 基板

Claims (11)

  1. 原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴を基体上で熱反応させて成膜する方法であって、前記原料溶液が、フラーレンと、溶媒としての炭化水素芳香族化合物とを含み、該フラーレンを成膜することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記フラーレンが、C60フラーレンである請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記炭化水素芳香族化合物が、下記式(1)で表される請求項1または2に記載の成膜方法。
    (式中、R〜Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R〜Rから選ばれる任意の2つの基が結合して環を形成してもよい。)
  4. 前記基体が、ガラス基板である請求項1〜3のいずれかに記載の成膜方法。
  5. 前記基体が、スズドープ酸化インジウム膜を表面の一部または全部に含む請求項1〜4のいずれかに記載の成膜方法。
  6. 前記熱反応を、前記ミストまたは前記液滴を、キャリアガスを用いて前記基体上まで搬送した後に行う請求項1〜5のいずれかに記載の成膜方法。
  7. 前記熱反応を、210℃以下の温度で行う請求項1〜6のいずれかに記載の成膜方法。
  8. 前記霧化または液滴化を、超音波振動により行う請求項1〜7のいずれかに記載の成膜方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の成膜方法により得られた膜。
  10. 請求項9記載の膜を含む光電変換素子。
  11. 請求項10記載の光電変換素子を備えた光電変換装置。
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