以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、以下の説明では、鉛直方向を「Z方向」とし、水平方向の一方向を「X方向」とし、Z方向及びX方向に直交する水平方向を「Y方向」として説明する。
[第1実施形態]
図1に示されるように、本実施形態の搬送装置1Aは、例えば棟B1から棟B2へ物品Gを搬送する棟間搬送に用いることができる。物品Gの大きさ、形状及び重さ等は特に限定されず、種々の物体を物品Gとして適用できる。搬送装置1Aは、第1搬送路10及び第2搬送路20を具備し、第1搬送路10及び第2搬送路20により物品Gを搬送する。
第1搬送路10は、載置された物品Gを搬送方向D1(図示する例では、X方向)に沿って搬送する。第1搬送路10は、搬送方向D1に沿って並設された複数の第1上流側コンベヤ11と、搬送方向D1に沿って並設された複数の第1下流側コンベヤ12と、を含む。第1上流側コンベヤ11は、第1搬送路10の上流部を構成する。複数の第1上流側コンベヤ11は、その間から物品Gが落下しない間隔で配列されている。第1下流側コンベヤ12は、第1搬送路10の下流部を構成する。複数の第1下流側コンベヤ12は、その間から物品Gが落下しない間隔で配列されている。
第2搬送路20は、載置された物品Gを搬送方向D2(図示する例では、X方向)に沿って搬送する。第2搬送路20の搬送方向D2は、第1搬送路10の搬送方向D1と同じ方向(図中において右側から左側に向かう方向)である。第2搬送路20は、第1搬送路10と並行して設けられている。ここでの第2搬送路20は、第1搬送路10に対してZ方向に隣接するように配置されている。第2搬送路20は、搬送方向D2に沿って並設された複数の第2上流側コンベヤ21と、搬送方向D2に沿って並設された複数の第2下流側コンベヤ22と、を含む。第2上流側コンベヤ21は、第2搬送路20の上流部を構成する。複数の第2上流側コンベヤ21は、その間から物品Gが落下しない間隔で配列されている。第2下流側コンベヤ22は、第2搬送路20の下流部を構成する。複数の第2下流側コンベヤ22は、その間から物品Gが落下しない間隔で配列されている。
第1上流側コンベヤ11、第1下流側コンベヤ12、第2上流側コンベヤ21及び第2下流側コンベヤ22としては、特に限定されないが、例えばモータを利用してローラを回転させて搬送する駆動ローラコンベヤを採用できる。第1上流側コンベヤ11、第1下流側コンベヤ12、第2上流側コンベヤ21及び第2下流側コンベヤ22は、後述のコントローラ60に接続され、各モータの駆動が制御される。これにより、第1上流側コンベヤ11、第1下流側コンベヤ12、第2上流側コンベヤ21及び第2下流側コンベヤ22それぞれの搬送が制御される。
図1及び図2に示されるように、搬送装置1Aは、載置された物品Gを搬送する第1〜第4コンベヤ(第1〜第4載置部)31〜34と、第1〜第4コンベヤ31〜34を支持すると共に周回軌道Rに沿って移動させる支持部40と、周回軌道Rの内側に配置された第1及び第2繋ぎコンベヤ(第1及び第2繋ぎ搬送部)51,52と、物品Gのバーコードを読み取るバーコードリーダ53と、搬送装置1Aの各種機能を制御するコントローラ60と、を備える。なお、バーコードリーダ53に代えて、QRコード(登録商標)又はペリコード等を読み取るIDリーダを備えていてもよい。
第1コンベヤ31は、第1受取位置I1に配置され、載置された物品Gを第1繋ぎコンベヤ51を介して(つまり、間接的に)第1払出位置O1へ搬出する。第1受取位置I1は、第1上流側コンベヤ11から物品Gを受け取る位置であって、第1搬送路10に沿って第1上流側コンベヤ11と一列に並ぶ位置である。第1払出位置O1は、第1下流側コンベヤ12に物品Gを払い出す位置であって、第1搬送路10に沿って第1下流側コンベヤ12と一列に並ぶ位置である。第1コンベヤ31は、第1受取位置I1に配置されることで第1搬送路10を構成し、第1上流側コンベヤ11から受け取った物品Gを第1繋ぎコンベヤ51へと送り出す。第1受取位置I1に配置された第1コンベヤ31は、第1上流側コンベヤ11及び第1繋ぎコンベヤ51それぞれに対して、搬送方向D1における物品Gの寸法以下の間隔で隣接する。
第2コンベヤ32は、第2受取位置I2に配置され、載置された物品Gを第2繋ぎコンベヤ52を介して(つまり、間接的に)第2払出位置O2へ搬出する。第2受取位置I2は、第2上流側コンベヤ21から物品Gを受け取る位置であって、第2搬送路20に沿って第2上流側コンベヤ21と一列に並ぶ位置である。第2払出位置O2は、第2下流側コンベヤ22に物品Gを払い出す位置であって、第2搬送路20に沿って第2下流側コンベヤ22と一列に並ぶ位置である。第2コンベヤ32は、第2受取位置I2に配置されることで第2搬送路20を構成し、第2上流側コンベヤ21から受け取った物品Gを第2繋ぎコンベヤ52へと送り出す。第2受取位置I2に配置された第2コンベヤ32は、第2上流側コンベヤ21及び第2繋ぎコンベヤ52それぞれに対して、搬送方向D2における物品Gの寸法以下の間隔で隣接する。
第3コンベヤ33は、第1払出位置O1に配置され、第1コンベヤ31から第1繋ぎコンベヤ51を介して受け取って載置された物品Gを第1下流側コンベヤ12へ払い出す。第3コンベヤ33は、第1払出位置O1に配置されることで第1搬送路10を構成し、第1コンベヤ31から第1繋ぎコンベヤ51を介して搬出された物品Gを第1下流側コンベヤ12へと払い出す。第1払出位置O1に配置された第3コンベヤ33は、第1下流側コンベヤ12及び第1繋ぎコンベヤ51それぞれに対して、搬送方向D1における物品Gの寸法以下の間隔で隣接する。
第4コンベヤ34は、第2払出位置O2に配置され、第2コンベヤ32から第2繋ぎコンベヤ52を介して受け取って載置された物品Gを第2下流側コンベヤ22へ払い出す。第4コンベヤ34は、第2払出位置O2に配置されることで第2搬送路20を構成し、第2コンベヤ32から第2繋ぎコンベヤ52を介して搬出された物品Gを第2下流側コンベヤ22へと払い出す。第2払出位置O2に配置された第4コンベヤ34は、第2下流側コンベヤ22及び第2繋ぎコンベヤ52それぞれに対して、搬送方向D2における物品Gの寸法以下の間隔で隣接する。
第1〜第4コンベヤ31〜34としては、特に限定されないが、例えばモータを利用してローラを回転させて搬送する駆動ローラコンベヤを採用できる。第1〜第4コンベヤ31〜34は、互いに同様な構造を有している。第1〜第4コンベヤ31〜34は、コントローラ60に接続され、各モータの駆動が制御される。これにより、第1〜第4コンベヤ31〜34それぞれの搬送が制御される。
第1〜第4コンベヤ31〜34それぞれには、載置された物品Gの搬出又は払い出しを阻止する可動式のストッパ35が設けられている。ストッパ35は、コントローラ60に接続されており、コントローラ60によりストッパ35の機能のON/OFFが制御される。第1〜第4コンベヤ31〜34それぞれには、物品Gが載置されているか否かを検知する物品検知センサ(不図示)が設けられている。物品検知センサは、コントローラ60に接続されており、検知結果をコントローラ60へ出力する。なお、ここでは、ストッパ35のON/OFFをコントローラ60により制御したが、これに代えて又は加えて、電気によらない機械的構成によってストッパ35のON/OFFを制御してもよい。具体的には、物品Gが載置された場合に(物品Gにより踏まれた場合に)飛び出るようにストッパ35を昇降させる機械的構成が設けられていてもよい。
支持部40は、第1〜第4コンベヤ31〜34を支持すると共に、第1〜第4コンベヤ31〜34を一体的に連なって周回軌道R上を移動可能とする。周回軌道Rは、第1受取位置I1、第1払出位置O1、第2払出位置O2及び第2受取位置I2をこの順で通る環状の経路ないし道筋である。ここでの周回軌道Rは、XZ面内において真円状に設けられた無端軌道である。
図2に示される一例では、支持部40は、環状フレーム41、回転軸42、支柱43、駆動部44、吊り軸45及びロック機構46を有する。環状フレーム41は、周回軌道Rに沿って設けられた環状のフレームであり、XZ面内において真円状に延びる。回転軸42は、環状フレーム41における円の中心位置に設けられ、Y方向に沿って延びる。支柱43は、回転軸42を介して環状フレーム41を回転可能に支持する。駆動部44は、環状フレーム41を回転軸42を中心に回転駆動する。駆動部44の駆動方式は特に限定されず、例えば環状フレーム41を挟むタイヤローラを回転させて当該環状フレーム41を回転駆動するタイヤ駆動方式を採用できる。
吊り軸45は、環状フレーム41に設けられている。吊り軸45は、Y方向に延びる。吊り軸45は、第1〜第4コンベヤ31〜34を、搬送方向D1,D2が水平方向に保たれるように揺動可能に吊下げ支持する。ロック機構46は、各吊り軸45に設けられている。ロック機構46は、コントローラ60(図1参照)によって作動が制御されてロック状態とされた場合、吊り軸45を中心にして揺動しないように(水平状態で固定されるように)第1〜第4コンベヤ31〜34を環状フレーム41に対して固定する。ロック機構46としては特に限定されず、公知の機構を採用できる。
図1及び図2に示されるように、支持部40は、第1コンベヤ31と第4コンベヤ34とを、周回軌道R上において当該周回軌道Rの半周分ずれた位置に位置するように支持する。換言すると、第1コンベヤ31と第4コンベヤ34とは、周回軌道Rの中心位置(回転軸42)を介して対向する位置にて支持されている。さらに、支持部40は、第2コンベヤ32と第3コンベヤ33とを、周回軌道R上において当該周回軌道Rの半周分ずれた位置に位置するように支持する。換言すると、第2コンベヤ32と第3コンベヤ33とは、周回軌道Rの中心位置を介して対向する位置にて支持されている。このように構成により、本実施形態では、周回軌道R上における第1受取位置I1から第2払出位置O2までの第1距離と、周回軌道R上における第2受取位置I2から第1払出位置O1までの第2距離とは、互いに等しい。当該第1距離及び当該第2距離は、周回軌道Rの半周分の距離である。
図1に示されるように、第1繋ぎコンベヤ51は、第1受取位置I1と第1払出位置O1との間に配置されている。第1繋ぎコンベヤ51は、第1搬送路10を構成する。第1繋ぎコンベヤ51は、第1受取位置I1から第1払出位置O1へ向かって、載置された物品Gを搬送する。第2繋ぎコンベヤ52は、第2受取位置I2と第2払出位置O2との間に配置されている。第2繋ぎコンベヤ52は、第2搬送路20を構成する。第2繋ぎコンベヤ52は、第2受取位置I2から第2払出位置O2へ向かって、載置された物品Gを搬送する。第1及び第2繋ぎコンベヤ51,52としては、特に限定されないが、例えばモータを利用してローラを回転させて搬送する駆動ローラコンベヤを採用できる。第1及び第2繋ぎコンベヤ51,52は、コントローラ60に接続され、各モータの駆動が制御される。これにより、第1及び第2繋ぎコンベヤ51,52それぞれの搬送が制御される。また、第1及び第2繋ぎコンベヤ51,52のそれぞれには、第1〜第4コンベヤ31〜34と同様に、ストッパ35が設けられていると共に、物品Gが載置されているか否かを検知する物品検知センサ(不図示)が設けられている。
バーコードリーダ53は、第1搬送路10の第1上流側コンベヤ11上と、第2搬送路20の第2上流側コンベヤ21上と、に設置されている。バーコードリーダ53は、搬送されている物品Gのバーコードを読み取り、読み取ったバーコードに応じた物品Gの識別情報をコントローラ60へ出力する。
コントローラ60は、入出力インターフェースI/O、ROM(Read OnlyMemory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、CPU(Central Processing Unit)、及び、通信回路等を有するコンピュータである。コントローラ30は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。
コントローラ60は、コンベヤ11,12,21,22,31〜34,51,52それぞれの搬送動作(搬送開始及び搬送停止)を制御する。コントローラ60は、第1〜第4コンベヤ31〜34及び第1及び第2繋ぎコンベヤ51,52の物品検知センサの検知結果に応じて、ストッパ35の作動を制御する。具体的には、コントローラ60は、物品検知センサによって物品Gの存在が検知された第1〜第4コンベヤ31〜34及び第2繋ぎコンベヤ51,52の少なくとも何れかのストッパ35をONとする。なお、コントローラ60は、第1〜第4コンベヤ31〜34の周回軌道Rに沿った移動を検知できる場合、この移動開始時にストッパ35をONとしてもよい。コントローラ60は、ロック機構46を作動させ、吊下されている第1〜第4コンベヤ31〜34を、水平状態で固定されるようにロック状態とする。
コントローラ60は、バーコードリーダ53からの物品Gの識別情報に基づいて、第1及び第2搬送路10,20の間で当該物品Gの搬送路を入れ替えるか否かを判定する。コントローラ60は、当該物品Gの搬送路を入れ替えると判定した場合、支持部40を動作させ、周回軌道R上において当該周回軌道Rの半周分だけ、第1〜第4コンベヤ31〜34を一体的に連なるように移動させる。例えばコントローラ60は、図1に示される配置状態の第1〜第4コンベヤ31〜34のそれぞれを、図5に示されるように、第2払出位置O2、第1払出位置O1、第2受取位置I2及び第1受取位置I1のそれぞれまで移動させる。
図1、図2及び図5に示されるように、第1コンベヤ31は、支持部40により移動されて第2払出位置O2に配置されることで、載置された物品Gを第2下流側コンベヤ22へ払い出す。第1コンベヤ31は、第2払出位置O2に配置されることで第2搬送路20を構成し、第2繋ぎコンベヤ52から受け取った物品Gを第2下流側コンベヤ22へと払い出す。第2払出位置O2に配置された第1コンベヤ31は、第2下流側コンベヤ22及び第2繋ぎコンベヤ52それぞれに対して、搬送方向D2における物品Gの寸法以下の間隔で隣接する。
第2コンベヤ32は、支持部40により移動されて第1払出位置O1に配置されることで、載置された物品Gを第1下流側コンベヤ12へ払い出す。第2コンベヤ32は、第1払出位置O1に配置されることで第1搬送路10を構成し、第1繋ぎコンベヤ51から受け取った物品Gを第1下流側コンベヤ12へと払い出す。第1払出位置O1に配置された第2コンベヤ32は、第1下流側コンベヤ12及び第1繋ぎコンベヤ51それぞれに対して、搬送方向D1における物品Gの寸法以下の間隔で隣接する。
第3コンベヤ33は、支持部40により移動されて第2受取位置I2に配置されることで、載置された物品Gを第2繋ぎコンベヤ52を介して第2払出位置O2へ搬出する。第3コンベヤ33は、第2受取位置I2に配置されることで第2搬送路20を構成し、第2上流側コンベヤ21から受け取った物品Gを第2繋ぎコンベヤ52へと送り出す。第2受取位置I2に配置された第3コンベヤ33は、第2上流側コンベヤ21及び第2繋ぎコンベヤ52それぞれに対して、搬送方向にD2おける物品Gの寸法以下の間隔で隣接する。
第4コンベヤ34は、支持部40により移動されて第1受取位置I1に配置されることで、載置された物品Gを第1繋ぎコンベヤ51を介して第1払出位置O1へ搬出する。第4コンベヤ34は、第1受取位置I1に配置されることで第1搬送路10を構成し、第1上流側コンベヤ11から受け取った物品Gを第1繋ぎコンベヤ51へと送り出す。第1受取位置I1に配置された第4コンベヤ34は、第1上流側コンベヤ11及び第1繋ぎコンベヤ51それぞれに対して、搬送方向D1における物品Gの寸法以下の間隔で隣接する。
次に、搬送装置1Aにより物品Gを搬送する場合の動作例について説明する。
以下の説明では、図1、図3〜図5を参照して、物品G1を第1搬送路10の下流側へ払い出し、物品G2を第2搬送路20の下流側へ払い出すことが要求されている一例を例示する。この一例では、初期状態として、第1〜第4コンベヤ31〜34のそれぞれが図1に示される配置状態で配置されていると共に、これら第1〜第4コンベヤ31〜34は、ロック機構46が作動されて水平状態で固定されている。
まず、第1搬送路10において、第1上流側コンベヤ11を搬送中の物品Gのバーコードをバーコードリーダ53で読み取り、当該物品Gを識別する。また、第2搬送路20において、第2上流側コンベヤ21を搬送中の物品Gのバーコードをバーコードリーダ53で読み取り、当該物品Gを識別する。コントローラ60により、バーコードリーダ53の識別情報に基づいて、物品Gの搬送路を第1搬送路10と第2搬送路20との間で入れ替える必要があるか否かを判定する。
図3(a)に示されるように、例えば第1上流側コンベヤ11に物品G1が搬送されており、第2上流側コンベヤ21に物品G2が搬送されている場合、コントローラ60では物品Gの搬送路を入れ替える必要が無いと判定し、以下の通常搬送を実施する。
すなわち、第1受取位置I1に配置された第1コンベヤ31は、第1上流側コンベヤ11から物品G1を受け取る。第1コンベヤ31は、第1繋ぎコンベヤ51を介して、第1払出位置O1に配置された第3コンベヤ33へ当該物品G1を搬出する。また、第2受取位置I2に配置された第2コンベヤ32は、第2上流側コンベヤ21から物品G2を受け取る。第2コンベヤ32は、第2繋ぎコンベヤ52を介して、第2払出位置O2に配置された第4コンベヤ34へ当該物品G2を搬出する。
続いて、図3(b)に示されるように、第3コンベヤ33は、第1下流側コンベヤ12へ物品G1を払い出す。また、第4コンベヤ34は、第2下流側コンベヤ22へ物品G2を払い出す。これにより、第1及び第2搬送路10,20それぞれにおいて、物品G1,G2が止まることなく継続的に搬送される。
一方、図4(a)に示されるように、例えば第1上流側コンベヤ11に物品G2が搬送されており、第2上流側コンベヤ21に物品G1が搬送されている場合、コントローラ60では物品Gの搬送路を入れ替える必要があると判定し、以下の入替搬送を実施する。
すなわち、第1受取位置I1に配置された第1コンベヤ31は、第1上流側コンベヤ11から物品G2を受け取る。物品検知センサによって第1コンベヤ31上に物品G2が存在することを検知したとき、第1コンベヤ31のモータの駆動を停止してローラの回転を停止し、第1コンベヤ31による搬送を停止する。これと共に、第1コンベヤ31のストッパ35をONとし、第1コンベヤ31からの物品G1の搬出又は払い出しが阻止された状態とする。また、第2受取位置I2に配置された第2コンベヤ32は、第2上流側コンベヤ21から物品G1を受け取る。物品検知センサによって第2コンベヤ32上に物品G1が存在することを検知したとき、第2コンベヤ32のモータの駆動を停止してローラの回転を停止し、第2コンベヤ32による搬送を停止する。これと共に、第2コンベヤ32のストッパ35をONとし、第2コンベヤ32からの物品G1の搬出又は払い出しが阻止された状態とする。
続いて、ロック機構46のロック状態を解除した後、図4(b)に示されるように、支持部40(図2参照)により、周回軌道Rに沿って当該周回軌道Rの半周分、第1〜第4コンベヤ31〜34を一体的に連なって移動させる。これにより、図5に示されるように、第1コンベヤ31を第2払出位置O2に配置させ、第2コンベヤ32を第1払出位置O1に配置させ、第3コンベヤ33を第2受取位置I2に配置させ、第4コンベヤ34を第1受取位置I1に配置させる。
続いて、第1及び第2コンベヤ31,32のストッパ35をOFFとすると共に、ロック機構46を作動させて、揺動しないように第1〜第4コンベヤ31〜34をロックする。第1及び第2コンベヤ31,32のモータを稼働してローラを回転し、第1及び第2コンベヤ31,32の搬送を開始する。これにより、第1コンベヤ31は、載置された物品G2を第2下流側コンベヤ22へ払い出すと共に、第2コンベヤ32は、載置された物品G1を第1下流側コンベヤ12へ払い出す。
なお、その後の図5に示される配置状態においては、引き続き、第1及び第2搬送路10,20それぞれにて物品Gを搬送する上記通常搬送を実行可能である。また、第3及び第4コンベヤ33,34に物品Gを載せて第1〜第4コンベヤ31〜34を周回軌道Rの半周分移動させ、当該第3コンベヤ33を第1払出位置O1へ移動させると同時に当該第4コンベヤ34を第2払出位置O2へ移動させることで、上記入替搬送を実行可能である。
ちなみに、第1及び第2コンベヤ31,32に物品Gを載せて第1〜第4コンベヤ31〜34を周回軌道Rの半周分移動させる動作(図4及び図5参照)と、第3及び第4コンベヤ33,34に物品Gを載せて第1〜第4コンベヤ31〜34を周回軌道Rの半周分移動させる動作と、を繰り返すことで、連続入替搬送が可能である。すなわち、第1搬送路10の上流から搬送された物品Gを第2搬送路20の下流へ払い出すと同時に第2搬送路20の上流から搬送された物品Gを第1搬送路10の下流へ払い出す入替搬送を、連続的に実施することが可能である。
以上、搬送装置1Aによれば、第1及び第2搬送路10,20それぞれにおいて物品Gを継続的に搬送することができる。加えて、第1及び第2搬送路10,20の間で物品Gの搬送路を入れ替える要求がある場合には、物品Gを載置した第1及び第2コンベヤ31,32を周回軌道Rに沿って移動させることで、物品Gの搬送を止めることなく当該要求を実現することができる。すなわち、第1受取位置I1から第2払出位置O2へ第1コンベヤ31を移動させて、第1上流側コンベヤ11から受け取った物品G2を第2下流側コンベヤ22へ払い出すことと、第2受取位置I2から第1払出位置O1へ第2コンベヤ32を移動させて、第2上流側コンベヤ21から受け取った物品G1を第1下流側コンベヤ12へ払い出すこととを、同時に実現できる。したがって、複数の搬送路である第1及び第2搬送路10,20により物品Gを搬送する搬送装置1Aにおいて、物品Gの搬送を連続的に行うことが可能となる。
搬送装置1Aでは、周回軌道R上における第1受取位置I1から第2払出位置O2までの距離と、周回軌道R上における第2受取位置I2から第1払出位置O1までの距離とは、周回軌道Rの半周分の距離である。この構成によれば、第1〜第4コンベヤ31〜34が周回軌道Rの半周分回転する移動を繰り返すことで、第1及び第2搬送路10,20の間で物品Gの搬送路を入れ替える動作を連続的に実現できる。
搬送装置1Aは、第1受取位置I1と第1払出位置O1との間に配置されて第1搬送路10を構成する第1繋ぎコンベヤ51と、第2受取位置I2と第2払出位置O2との間に配置されて第2搬送路20を構成する第2繋ぎコンベヤ52と、を備える。この構成によれば、第1搬送路10において物品Gを継続的に搬送する場合に、第1繋ぎコンベヤ51によって第1受取位置I1から第1払出位置O1へ物品Gを確実に搬出できる。第2搬送路20において物品Gを継続的に搬送する場合に、第2繋ぎコンベヤ52によって第2受取位置I2から第2払出位置O2へ物品Gを確実に搬出できる。また、第1受取位置I1と第1払出位置O1との間において物品Gが落下すること、及び、第2受取位置I2と第2払出位置O2との間において物品Gが落下することを防ぐことができる。
ところで、一般的な搬送装置では、往復式リフター等を利用して、第1及び第2搬送路10,20の間で物品Gの搬送路を入れ替える場合がある。しかしこの場合、当該入替えが完了するまでは後続の物品Gの搬送を止めておく必要があり、連続的な物品Gの搬送が困難となる可能性がある。この点、搬送装置1Aでは、上述したように、物品Gを止めることなく当該入替えを実現することが可能である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る搬送装置について説明する。本実施形態の説明では、第1実施形態と重複する説明は省略し、異なる点について説明する。
図6に示されるように、本実施形態の搬送装置1Bは、第1及び第2繋ぎコンベヤ51,52(図1参照)を備えず、第1〜第4コンベヤ31〜34(図1参照)に代えて第1〜第4コンベヤ31B〜34Bを備えている。
第1コンベヤ31Bは第1受取位置I1に配置され、第2コンベヤ32Bは第2受取位置I2に配置され、第3コンベヤ33Bは第1払出位置O1に配置され、第4コンベヤ34は第2払出位置O2に配置されている。第1コンベヤ31Bと第3コンベヤ33Bとの間の隙間は、第1搬送路10を搬送する物品Gの搬送方向D1における寸法よりも小さい。第1コンベヤ31Bは、載置された物品Gを直接的に第1払出位置O1へ搬出する。第2コンベヤ32Bと第4コンベヤ34Bとの間の隙間は、第2搬送路20を搬送する物品Gの搬送方向D2における寸法よりも小さい。第2コンベヤ32Bは、載置された物品Gを直接的に第2払出位置O2へ搬出する。なお、その他における第1〜第4コンベヤ31B〜34Bの構成は、第1〜第4コンベヤ31〜34(図1参照)と同様である。
本実施形態の支持部は、XZ面内においてZ方向を長手方向とする長円状に設けられた周回軌道RBに沿って、第1〜第4コンベヤ31B〜34Bを移動させる。周回軌道RB上における第1受取位置I1から第2払出位置O2までの第1距離と、周回軌道RB上における第2受取位置I2から第1払出位置O1までの第2距離とは、互いに等しい。当該第1距離及び当該第2距離は、周回軌道RBの半周分の距離である。
搬送装置1Bでは、周回軌道RBに沿って第1〜第4コンベヤ31B〜34Bが周回軌道RBの半周分だけ回転移動された場合、第1受取位置I1に第4コンベヤ34Bが配置され、第1払出位置O1に第2コンベヤ32Bが配置され、第2受取位置I2に第3コンベヤ33Bが配置され、第2払出位置O2に第1コンベヤ31Bが配置される。回転移動後では、第1コンベヤ31Bと第3コンベヤ33Bとの間の隙間は第2搬送路20を搬送する物品Gの搬送方向D2における寸法よりも小さく、第2コンベヤ32Bと第4コンベヤ34Bとの間の隙間は第1搬送路10を搬送する物品Gの搬送方向D1における寸法よりも小さい。
以上、搬送装置1Bにおいても、物品Gの搬送を連続的に行うことができるという上記効果が奏される。すなわち、第1及び第2搬送路10,20それぞれにおいて物品Gを継続的に搬送することができる。加えて、第1及び第2搬送路10,20の間で物品Gの搬送路を入れ替える要求がある場合には、物品Gを載置した第1及び第2コンベヤ31B,32Bそれぞれを周回軌道RBに沿って第2払出位置O2及び第1払出位置O1それぞれまで移動させることで、物品Gの搬送を止めることなく当該要求を実現できる。
さらに、搬送装置1Bでは、第1受取位置I1に配置された第1コンベヤ31Bと第1払出位置O1に配置された第3コンベヤ33Bとの間の隙間は、第1搬送路10を搬送する物品Gの搬送方向D1における寸法よりも小さい。第2受取位置I2に配置された第2コンベヤ32Bと第2払出位置O2に配置された第4コンベヤ34Bとの間の隙間は、第2搬送路20を搬送する物品Gの搬送方向D2における寸法よりも小さい。この構成によれば、第1搬送路10において物品Gを継続的に搬送する場合に、第1及び第3コンベヤ31B,33B間から物品Gが落下することを抑制でき、第1受取位置I1から第1払出位置O1へ物品Gを確実に搬出できる。第2搬送路20において物品Gを継続的に搬送する場合に、第2及び第4コンベヤ32,34間から物品Gが落下することを抑制でき、第2受取位置I2から第2払出位置O2へ物品Gを確実に搬出できる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る搬送装置について説明する。本実施形態の説明では、第1実施形態と重複する説明は省略し、異なる点について説明する。
図7に示されるように、本実施形態の搬送装置1Cにおいて、第2搬送路20は、第1搬送路10に対してY方向に隣接するように並設されている。支持部40は、XY面(水平面)内において真円状に設けられた周回軌道RCに沿って、第1〜第4コンベヤ31〜34を移動させる。周回軌道RC上における第1受取位置I1から第2払出位置O2までの第1距離と、周回軌道RB上における第2受取位置I2から第1払出位置O1までの第2距離とは、互いに等しい。当該第1距離及び当該第2距離は、周回軌道RCの半周分の距離である。
以上、搬送装置1Cにおいても、物品Gの搬送を連続的に行うことができるという上記効果が奏される。すなわち、第1及び第2搬送路10,20それぞれにおいて物品Gを継続的に搬送することができる。加えて、第1及び第2搬送路10,20の間で物品Gの搬送路を入れ替える要求がある場合には、物品Gを載置した第1及び第2コンベヤ31,32それぞれを周回軌道RCに沿って第2払出位置O2及び第1払出位置O1それぞれまで移動させることで、物品Gの搬送を止めることなく当該要求を実現できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。
上記実施形態において、支持部40は図2に例示した機構に特に限定されず、公知の種々の機構を用いることができる。要は、支持部は、第1〜第4コンベヤ31〜34(第1〜第4コンベヤ31B〜34B)を支持すると共に、これらを周回軌道R(周回軌道RB,RC)に沿って一体的に連なって移動可能とする機構であればよい。
上記実施形態では、第1〜第4載置部として第1〜第4コンベヤ31〜34,31B〜34Bを用いたが、第1〜第4載置部は、それ自体が搬送機能を持たなくてもよい。第1〜第4載置部に載置された物品Gを、搬送機能を有する別途の装置(例えば移載装置等)を利用して後段へ搬出又は払い出ししてもよい。第1〜第4載置部は、物品Gを載置でき、且つ、載置された当該物品Gを搬出可能又は払い出し可能であればよい。
上記実施形態は、第1〜第4コンベヤ31〜34,31B〜34Bから物品Gがはみ出しているか否かを監視する監視センサ(いわゆる、ギロチン監視センサ)をさらに備えていてもよい。当該監視センサで物品Gがはみ出していることを検出した場合、コントローラ60により支持部40の動作を停止してもよい。上記「等しい」は、通常の製造誤差ないし設計誤差等を含んでいてもよく、略等しい又は実質的に等しいと同義である。
上記実施形態では、図8に示されるように、第1繋ぎコンベヤ51に物品G3が載置されている状態において、当該物品G3を追い越すようにして第1搬送路10の上流から搬送された物品G1を第1搬送路20の下流へ払い出す追越搬送を実施してもよい。具体的には、第1繋ぎコンベヤ51に物品G3が載置されている状態において、第1受取位置I1の第1コンベヤ31に第1上流側コンベヤ11から受け取った物品G1を載置し、支持部40(図2参照)により周回軌道Rに沿って第1〜第4コンベヤ31〜34を移動させ、第1コンベヤ31を第1払出位置O1へ配置させた後、第1コンベヤ31に載置された物品G1を第1下流側コンベヤ12へと払い出してもよい。これと同様に、第2搬送路20において追越搬送を実施してもよいし、搬送装置1C(図7参照)において追越搬送を実施してもよい。
上記実施形態は、図9に示されるように、第2搬送路20の搬送方向D2が第1搬送路10の搬送方向D1の逆方向とされた構成において、通常搬送及び入替搬送を実施する搬送装置1Dであってもよい。搬送装置1Dが備える支持部40は、第1受取位置I1、第2払出位置O2、第2受取位置I2及び第1払出位置O1をこの順で通る周回軌道RDに沿って、第1〜第4コンベヤ31〜34を一体的に連なって移動可能とする。
搬送装置1Dでは、物品Gの搬送路を入れ替える必要がある場合、例えば次の入替搬送を実施する。すなわち、図10(a)に示されるように、第1受取位置I1に配置された第1コンベヤ31に、第1上流側コンベヤ11から物品G2を受け取らせると共に、第1コンベヤ31のストッパ35をONとする。また、第2受取位置I2に配置された第2コンベヤ32に、第2上流側コンベヤ21から物品G1を受け取らせると共に、第2コンベヤ32のストッパ35をONとする。図10(b)に示されるように、支持部40により、周回軌道RDに沿って第1〜第4コンベヤ31〜34を一体的に連なって移動させ、第1コンベヤ31を第2払出位置O2に配置させ、第2コンベヤ32を第1払出位置O1に配置させる。第1及び第2コンベヤ31,32のストッパ35をOFFとした後、第1及び第2コンベヤ31,32の搬送を開始する。これにより、第1コンベヤ31は、載置された物品G2を第2下流側コンベヤ22へ払い出すと共に、第2コンベヤ32は、載置された物品G1を第1下流側コンベヤ12へ払い出す。