JP2018110894A - 美容器具 - Google Patents

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諒子 末次
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【課題】含液マットを固定するキャップ体の紛失を防止できる美容器具を提供することにある。【解決手段】肌面に電流を供給する肌電極1と、肌電極1を支持する本体ケース2を備えている。含液マットMを保持固定するためのマット挟持具48が設けられている。マット挟持具48は、肌電極1に近い部位に装着される装着リング49と、綿マットMを固定するリング状のキャップ体50と、これら両者を繋ぐコード部51を備えている。【選択図】図15

Description

本発明は、肌面に電流を供給できる美容器具に関する。
この種の美容器具は、例えば特許文献1に公知である。そこでは、グリップ兼用の本体部の上部に着脱可能に設けられるヘッド部と、このヘッド部の前面に肌面に電流を供給可能な肌用電極とを備えた美容器具が開示されている。本体部は、前後の厚みに比べて左右幅が大きな断面形状に形成されており、本体部の左右両側にグリップ電極が配置されている。
特開2012−249653号公報(段落番号0017、段落番号0030、図1、図2)
本発明の目的は、含液マットを固定するキャップ体の紛失を防止できる美容器具を提供することにある。
本発明に係る美容器具は、肌面に電流を供給する肌電極1と、肌電極1を支持する本体ケース2を備えている。含液マットMを保持固定するためのマット挟持具48が設けられている。マット挟持具48は、肌電極1に近い部位に装着される装着リング49と、綿マットMを固定するリング状のキャップ体50と、これら両者を繋ぐコード部51を備えていることを特徴とする。
本発明においては、肌電極1に近い部位に装着される装着リング49と、綿マットMを固定するリング状のキャップ体50と、これら両者を繋ぐコード部51を備えていることにより、キャップ体50の紛失を防止することができる。
参考例1に係る美容器具の側面図である。 参考例1に係る美容器具の正面図である。 参考例1に係る美容器具の背面図である。 図2におけるA−A線断面図である。 参考例1に係る美容器具の電装品のブロック図である。 参考例1に係る美容器具の一部破断側面図である。 参考例1に係る美容器具を第2使用態様に切換えた状態の側面図である。 参考例1に係る美容器具を第2使用態様に切換えた状態の側面図である。 参考例2に係る美容器具の側面図である。 参考例2に係る美容器具の正面図である。 参考例2に係る美容器具の一部破断側面図である。 参考例2に係る美容器具を第2使用態様に切換えた状態の正面図である。 参考例2に係る美容器具を第2使用態様に切換えた状態の背面図である。 本発明の実施例1に係る美容器具を第2使用態様に切換えた状態の背面図である。 実施例1に係る美容器具を第1使用態様に切換えた状態の側面図である。 実施例1に係る美容器具の正面図である。 実施例1に係る美容器具の底面図である。 本発明の実施例2に係る美容器具の側面図である。 実施例2に係る美容器具の正面図である。 実施例2に係る美容器具を第2使用態様に切換えた状態の側面図である。 参考例3に係る美容器具を第2使用態様に切換えた状態の側面図である。 参考例3に係る美容器具を第1使用態様、および第3使用態様に切換えた状態の側面図である。 参考例4に係る美容器具を第2使用態様に切換えた状態の側面図である。 参考例4に係る美容器具を第1使用態様、および第3使用態様に切換えた状態の側面図である。 本発明の実施例1に係る美容器具の電装品のブロック図である。
(参考例1) 図1ないし図8、美容器具の参考例1を示す。参考例1における前後、左右、上下とは、図1および図2に示す交差矢印と、矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図1ないし図3において美容器具は、肌面に電流を供給する肌電極(肌刺激ヘッド)1と、肌電極1を支持する本体ケース2を備えており、肌電極1から微弱なパルス電流を供給して行うイオン導出モード、あるいはイオン導入モードで肌面に電流を供給する。肌電極1は、導電性に富む金属板材を四角容器状にプレス成形して形成してあり、肌面と接触する肌接触面1aが斜め上方へ突出する状態で本体ケース2に固定してある。グリップを兼ねる本体ケース2は、ヘッド側ケース3と、ヘッド側ケース3に対してスライド変位可能に連結されたグリップ側ケース4とを備えている。ヘッド側ケース3は肌電極1を支持するヘッド支持ケース5と、肌電極1の外面に被せ付けた綿マット(シート材)Mを固定保持するシートホルダー6とで構成してある。
ヘッド支持ケース5は、側面から見て前突状の部分円弧面状に湾曲形成されており、その前面上部に四角形状の肌電極1が設けてある。ヘッド支持ケース5の内部には、2次電池8と、パルス電流を調整する制御回路(図示していない)と、充電電流を調整する充電回路(図示していない)などが実装された制御基板60が設けてある。図3に示すように、ヘッド支持ケース5の後面上部には電源スイッチ9と、美容器具の運転モードをイオン導出モードとイオン導入モード切換えるモード切換スイッチ10と、各運転モードにおけるパルス電流の強弱を表示する2個の表示部11が設けてある。2個の表示部11は、それぞれフルカラーLEDを含んで構成されており、イオン導出モードの際は、緑色に点灯し、イオン導入モードの際は黄色に点灯する。
シートホルダー6は、ヘッド支持ケース5の前面の殆どを覆う主壁14と、ヘッド支持ケース5の左右側面および上面を覆う周囲壁15とを一体に備えており、ヘッド支持ケース5と同様に、側面から見て前突状の部分円弧面状に湾曲形成してある。主壁14の上部には、肌電極1を露出させ、さらに同電極1に被せ付けた綿マット(含液マット)Mを押え保持するための四角形状の押え窓16が開口してある。図4に示すように、周囲壁15の左右の側壁の内外面には、逃げ凹部17と、後述するグリップ側ケース4をスライド案内するガイド凹部18が凹み形成してあり、両凹部17・18の間にガイド溝19が形成してある。ガイド凹部18およびガイド溝19は、前突円弧状に湾曲形成してある。また、周囲壁15の左右の側壁の対向面には、ヘッド支持ケース5の左右側面に設けた係合突起20と係合する係合溝21が形成してある。さらに、逃げ凹部17の上端寄り、および下端寄りには、後述するスライド脚片33の自由移動を規制する位置決め突起22が形成してある(図1参照)。
ヘッド支持ケース5とシートホルダー6は、シートホルダー6の下部に固定したケース回動軸25を介して相対傾動自在に連結されており、これによりシートホルダー6は、押え窓16が肌電極1から分離する姿勢と、綿マットMを押え保持する姿勢に前後傾動できる。また、ヘッド支持ケース5はケース回動軸25の回りに後向きへ反転操作することができ(図6参照)、反転限界位置まで回動操作した状態のヘッド支持ケース5は、図8に示すように、グリップ側ケース4の後部外面に突出する姿勢(第3使用態様)に切換わる。ヘッド支持ケース5とシートホルダー6が前後に重なった状態(図1の状態)と、ヘッド支持ケース5が反転限界位置まで回動した状態において、ヘッド支持ケース5の自由な前後傾動を規制するために、図6に示すように、ケース回動軸25の内部にクリック片26と、圧縮コイルばねからなるクリックばね27を設け、ヘッド支持ケース5の側に、クリック片26と係合する2個のクリック凹部28を設けている。
グリップ側ケース4は、シートホルダー6でスライド案内される左右一対のスライド枠31と、スライド枠31の下端同士を繋ぐ操作枠32で、上下に長い逆門形に構成してある。図2に示すように、スライド枠31の上端がガイド凹部18の上端に接当した状態(第1使用態様)における操作枠32は、ヘッド支持ケース5の下端と指掛け隙間Sを介して正対している。グリップ側ケース4は、ヘッド支持ケース5およびシートホルダー6と同様に、側面から見て前突円弧状に湾曲形成してある。スライド枠31の上部の左右対向面には、前後一対のスライド脚片33が一体に設けてあり、スライド脚片33をガイド溝19に係合し、さらにスライド枠31をガイド凹部18に嵌め込むことにより、グリップ側ケース4とシートホルダー6が相対スライド可能(相対変位可能)に連結してある。スライド枠31の外面全体には金属メッキが施してあり、このメッキ層がグリップ電極34として機能する。グリップ電極34と制御基板60は、制御基板60から導出されたリード線61と、ガイド溝19の対向面に施した金属メッキ層62(図4参照)を介して電気的に接続してある。制御基板60から導出されたリード線61は、ケース回動軸25を介してヘッド支持ケース5の外へ導出されて、先の金属メッキ層62に接続してある。このように、リード線61の導出端をガイド溝19に形成した金属メッキ層62に接続すると、ヘッド支持ケース5の外におけるリード線61の長さを小さくできる。また、グリップ側ケース4にリード線61の導出端を接続した場合には、グリップ側ケース4の伸縮動作に同行してリード線61を移動させる必要があるため、伸縮時にリード線61が断線するおそれがあるが、こうした事態を避けて、信頼性の高い電流供給ラインを構成できる。また、ガイド溝19に密着するスライド脚片33に導電性の弾性片を固定して、弾性片を金属メッキ層62に圧接させると、弾性片と金属メッキ層62を常に密着させて、制御基板60から出力された電流を常に安定した状態でグリップ電極34に供給できる。
本体ケース2は、ヘッド側ケース3とグリップ側ケース4が左右に重なり合って上下方向の全長寸法が短い第1使用態様(図1に示す状態)と、両ケース3・4を伸張させて上下方向の全長寸法が長い第2使用態様(図7に示す状態)に切換え操作できる。つまり、グリップ側ケース4はヘッド側ケース3のシートホルダー6に対して部分円弧状のスライド軌跡に沿って伸縮スライドできる。また、第1使用態様において、ヘッド支持ケース5をケース回動軸25の回りに後向きへ反転操作することにより、本体ケース2を第3使用態様に切換えることができる。
以上のように構成した美容器具は、本体ケース2を第1使用態様と、第2使用態様と、第3使用態様のいずれかひとつに切換えて美容処理を行う。
第1使用態様においては、クリック片26がヘッド支持ケース5の上側のクリック凹部28と係合して、ヘッド支持ケース5を傾動不能に位置保持している。この状態で美容処理を行う場合には、クリックばね27の付勢力と、係合突起20と係合溝21の係合力に抗しながら、肌電極1およびヘッド支持ケース5を後向きに傾動操作し、図6に示すようにヘッド支持ケース5の肌電極1を押え窓16から分離する。この状態で、肌電極1の外面を綿マットMで覆い、ヘッド支持ケース5を再び第1使用態様に戻して、綿マットMの周囲を押え窓16と肌電極1の周面で挟持固定し、綿マットMを肌接触面1aに密着させる。ヘッド支持ケース5を第1使用態様に戻した状態では、クリック片26とクリック凹部28が再係合し、さらに係合突起20と係合溝21が再係合するので、ヘッド支持ケース5がシートホルダー6から分離することはない。
次に、化粧水や乳液などの美容用液を綿マットMに含浸させて、電源スイッチ9をオン操作し、さらにモード切換スイッチ10をオン操作して、イオン導出モードとイオン導入モードのいずれかを選択する。モード切換スイッチ10を1回だけオン操作すると、イオン導出モードが選択され、肌面に供給されるパルス電流の電流値は小さくなり、パルス電流が弱であることを表示する一方の表示部11が緑色に点灯する。また、モード切換スイッチ10を2回オン操作すると、イオン導出モードが選択され、肌面に供給されるパルス電流の電流値が大きくなり、パルス電流が強であることを表示する他方の表示部11が緑色に点灯する。イオン導出モードにおいては、グリップ電極34を片手で握った状態で、美容用液が含浸された綿マットMを顔肌や、首周りなどの肌面に沿って擦ることにより、肌面の毛穴や皺などに入り込んでいる微細な汚れや老廃物を落とすことができる。イオン導出モードにおいて各電極1・34に供給されるパルス電流の極性は、肌電極1がプラス極性であり、グリップ電極34はマイナス極性である。
モード切換スイッチ10を3回オン操作すると、イオン導入モードが選択され、肌面に供給されるパルス電流の電流値は小さくなり、パルス電流が弱であることを表示する一方の表示部11が黄色に点灯する。同様に、モード切換スイッチ10を4回オン操作すると、イオン導入モードが選択され、肌面に供給されるパルス電流の電流値が大きくなり、パルス電流が強であることを表示する他方の表示部11が黄色に点灯する。イオン導入モードにおいては、グリップ電極34を片手で握った状態で、美容用液が含浸された綿マットMを顔肌や、首周りなどの肌面に沿って擦ることにより、美容用液に含まれる保湿成分などを肌に浸透させて美容効果を高めることができる。イオン導入モードにおいて各電極1・34に供給されるパルス電流の極性は、肌電極1がマイナス極性であり、グリップ電極34はプラス極性である。
本体ケース2を第2使用態様にして美容処理を行う場合には、第1使用態様の場合と同様にして綿マットMを肌電極1に装着したのち、例えば左手でヘッド支持ケース5とシートホルダー6を掴んだ状態で、右手でグリップ側ケース4を引出して、本体ケース2を第2使用態様にする。このとき、ヘッド支持ケース5の下端と操作枠32の間の指掛け隙間Sに指先を差入れて操作枠32にあてがい、グリップ側ケース4を引出し操作することにより、グリップ側ケース4を簡便にしかも確実に第2使用態様にスライド操作できる。また、グリップ側ケース4を引出す過程では、スライド枠31に設けたスライド脚片33が下側の位置決め突起22を乗越えて移動し、引出し限界位置においてスライド脚片33の上端が位置決め突起22で受止められるので、グリップ側ケース4が第1使用態様の側へスライド移動するのを規制できる。この状態で、美容用液を綿マットMに含浸させ、電源スイッチ9とモード切換スイッチ10をオン操作して、美容器具の運転モードを選定し、さらにパルス電流の強弱を選定して、第1使用態様の場合と同様にして美容処理を行う。美容器具は、ヘッド側ケース3とグリップ側ケース4を、スライドストロークの範囲内の任意のスライド位置に伸長した状態にして使用できるので、美容処理を施す肌面の部位に応じて、本体ケース2の全長寸法を微妙に調整できる。さらに、任意のスライド位置まで伸長した状態の前記両ケース3・4を安定した状態で支持できるので、折畳み自在な従来の美容器具に比べて、美容処理を的確に行える。また、位置決め突起22をスライドストロークの中途部の複数個所に設けておくことにより、所定のスライド位置まで伸長した状態の前記両ケース3・4を安定した状態で固定支持することができる。
本体ケース2を第2使用態様に切換えた状態の美容器具は、図7に示すように、グリップ側ケース4がヘッド側ケース3から大きく突出しており、前者ケース4の下端と後者ケース3の上端の間の直線距離は23cm前後になる。そのため、背中側の肌面や、胸および腹周りの肌面などの、手が届きにくい肌面であっても、綿マットMを使用者の意図通りにあてがって美容処理を行うことができる。第2使用態様においては、スライド枠31の上部がシートホルダー6の周囲壁15の下部の左右側面に隣接し、グリップ電極34の上部がシートホルダー6の側面に重なっている。この重なり部分を図7に符号Wで示している。そのため、シートホルダー6の下部側を片手で握った場合でも、親指あるいはその付根と他の指先をグリップ電極34に確実に接触させて、イオン導出モードやイオン導入モードによる美容処理を確実に行うことができる。
本体ケース2を第3使用態様にして美容処理を行う場合には、図8に示すように、ケース回動軸25を中心にして、ヘッド支持ケース5を後向きに傾動させる。この状態で、美容用液を肌面に塗付し、電源スイッチ9とモード切換スイッチ10をオン操作して、美容器具の運転モードを選定し、さらにパルス電流の強弱を選定したのち、肌電極1の肌接触面1aを肌面に沿って滑らせて美容処理を行う。
本体ケース2を第3使用態様に切換えた状態の美容器具は、ヘッド支持ケース5とグリップ側ケース4が、側面視においてく字状に屈折しており、クリック片26はヘッド支持ケース5の下側のクリック凹部28と係合している。また、ヘッド支持ケース5の後面下部がグリップ側ケース4の操作枠32で受止められ、ヘッド支持ケース5の下端面がシートホルダー6の下端で受止められて、ヘッド支持ケース5を相対傾動不能に固定保持している。
第3使用態様においては、第1使用態様や第2使用態様の場合とは異なり、操作枠32が上になる状態でグリップ側ケース4を掴んで、肌電極1が下向きに突出する状態で使用する。この使用態様によれば、ヘッド支持ケース5が下向きに屈折した状態になるので、肩周りや肩甲骨の近傍などの手が届きにくい肌面に肌電極1をあてがう場合であっても、グリップ側ケース4を掴んだ腕を楽な姿勢にした状態のままで美容処理を行うことができる。また、第3使用態様においては、グリップ側ケース4をシートホルダー6から抜出すことにより、操作枠32で受止められるヘッド支持ケース5の後面の位置を変化させて、ヘッド支持ケース5の反転角度を多様に調整できるので、美容器具による美容処理を多様化できる利点もある。このように、ヘッド支持ケース5の反転角度を多様に調整するために、クリック片26とクリック凹部28を所定の角度ごとに複数組設けておくことができる。各使用態様においては、第1使用態様が最もコンパクトな状態になるので、第2使用態様あるいは第3使用態様で美容処理を行ったのちは、本体ケース2を収納に適したコンパクトな姿勢(第1使用態様)に戻して収納することが好ましい。
以上のように、参考例1の美容器具では、本体ケース2を第1から第3の使用態様のいずれかひとつに切換えて美容処理を行うが、いずれの使用態様においても肌電極1が本体ケース2の外面に露出しているので、従来の美容器具に比べて使い勝手に優れた美容器具を提供できる。また、使用時における美容器具の姿勢を、美容処理を施す肌面の部位に適合して第1から第3の使用態様に切換えることができるので、手が届きにくい肌面であっても、肌電極1を所望位置にあてがって美容処理を好適に行える。
(参考例2) 図9ないし図13は、美容器具の参考例2を示す。参考例2においては、参考例1の美容器具と同様に、本体ケース2をヘッド側ケース3とグリップ側ケース4で構成し、さらにヘッド側ケース3をヘッド支持ケース5とシートホルダー6で構成するようにした。しかし、グリップ側ケース4およびヘッド支持ケース5を、側面から見て垂直のケースとして構成し、シートホルダー6を側面から見て垂直のホルダーとして構成する点が参考例1の美容器具と異なる。正面視におけるシートホルダー6の外郭形状と、グリップ側ケース4の外郭形状は同じとした。シートホルダー6は、図9に示すように主壁14の内面がヘッド支持ケース5の前面に接当した状態から、前方へ90度以上相対傾動できる。グリップ側ケース4は前ケース4aと後ケース4bで中空ケースとして構成し、その内部に2次電池8と、パルス電流を調整する制御回路と充電電流を調整する充電回路(いずれも図示していない)などを設けるようにした。また、グリップ側ケース4の前面に電源スイッチ9と、モード切換スイッチ10と、パルス電流の強弱を表示する2個の表示部11を設けるようにした。
参考例1では、グリップ側ケース4とシートホルダー6の間にスライド構造を設けるようにしたが、この参考例ではグリップ側ケース4とヘッド支持ケース5の間にスライド構造を設けるようにした。図13に示すように、スライド構造はヘッド支持ケース5の後面に設けた左右一対のガイド溝19と、グリップ側ケース4の前ケース4aと一体に設けたスライド脚片33で構成してある。係合突起20はシートホルダー6の周囲壁15の内面に設け、係合溝21はヘッド支持ケース5の左右壁に設けるようにした。グリップ側ケース4の前ケース4aの周面と、同ケース4aの前面の周縁に金属メッキを施して、グリップ電極34を形成した。図12に示すように、グリップ電極34は、リード線61を介して電気的に接続してある。また、肌電極1と制御基板60は、スライド脚片33と制御基板60を接続するリード線63と、ガイド溝19の図示していないメッキ層62と肌電極1を接続するリード線64を介して電気的に接続してある。
なお、肌電極1と制御基板60が、制御基板60から導出したリード線で直接的に接続してある場合には、グリップ側ケース4の伸縮動作に同行してリード線を移動させる必要があるため、伸縮時にリード線が断線するおそれがある。しかし、上記のように肌電極1と制御基板60を、リード線63とメッキ層62とリード線64を介して電気的に接続すると、各リード線63・64が断線するのを避けて、信頼性の高い電流供給ラインを構成できる。また、ガイド溝19に密着するスライド脚片33に導電性の弾性片を固定して、弾性片を金属メッキ層62に圧接させると、弾性片と金属メッキ層62を常に密着させて、制御基板60から出力された電流を常に安定した状態でグリップ電極34に供給できる。他は参考例1の美容器具と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の参考例および本発明の実施例1、2においても同じとする。なお、位置決め突起22をガイド溝19の中途部の複数個所に設けておくことにより、スライド脚片33のスライド移動を規制して、所定のスライド位置まで伸長した状態の前記両ケース3・4を安定した状態で固定支持することができる。
参考例2の美容器具は、本体ケース2を第1使用態様と、第2使用態様のいずれかに切換えて美容処理を行う。第1使用態様において美容処理を行う場合には、図11に示すようにシートホルダー6を前方傾動させて、肌電極1を押え窓16から分離し、その外面を綿マットMで覆ったのち、シートホルダー6を復帰傾動して綿マットMの周囲を押え窓16と肌電極1の周面で挟持固定する。次に、化粧水や乳液などの美容用液を綿マットMに含浸させ、本体ケース2を図12に示すように一旦第2使用態様にして、電源スイッチ9とモード切換スイッチ10をオン操作する。美容器具の運転モードとパルス電流の強弱を選定し終えたら、本体ケース2を第1使用態様に戻して、参考例1の美容器具と同様にして美容処理を行う。このとき、肌電極1より下側のグリップ側ケース4とシートホルダー6を片手で掴むことにより、指や掌がグリップ電極34と接触するので、肌電極1とグリップ電極34が人体を介して導通して肌面に電流を供給できる。第1使用態様においては、電源スイッチ9やモード切換スイッチ10がヘッド支持ケース5で覆われるので、美容器具を使用するとき、各スイッチ9・10が誤って操作されるのを確実に防止できる。
第2使用態様において美容処理を行う場合には、上記と同様にして綿マットMを肌電極1に装着したのち、本体ケース2を第2使用態様に切換えて、電源スイッチ9とモード切換スイッチ10をオン操作し、美容器具の運転モードとパルス電流の強弱を選定する。この状態で、綿マットMを肌面にあてがってゆっくりと擦ることにより、選定した運転モードで美容処理を行うことができる。図11に示すように、第2使用態様においては、グリップ側ケース4の上部とヘッド支持ケース5の下部が前後に隣接して、グリップ電極34の上部と、ヘッド支持ケース5およびシートホルダー6下部が符号Wの分だけ重なっている。そのため、ヘッド支持ケース5およびシートホルダー6の下部側を片手で握った場合でも、親指あるいはその付根と他の指先をグリップ電極34に確実に接触させて、イオン導出モードやイオン導入モードによる美容処理を確実に行うことができる。また、シートホルダー6をグリップ側ケース4と共に握り保持することにより、美容処理の途中にシートホルダー6が前方傾動するのを防止できる。
(実施例1) 図14ないし図17および図25は、本発明に係る美容器具の実施例1を示す。実施例1における前後、左右、上下とは、図14および図16に示す交差矢印と、矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図14ないし図17において美容器具は、肌面に電流を供給する肌電極(肌刺激ヘッド)1と、肌電極1を支持する本体ケース2を備えており、肌電極1から微弱なパルス電流を供給して行うイオン導出モード、あるいはイオン導入モードで肌面に電流を供給する。肌電極1は、導電性に富む金属板材を円形容器状にプレス成形して形成してあり、肌面と接触する肌接触面1aが斜め上方へ突出する状態で本体ケース2に固定してある。グリップを兼ねる本体ケース2は、ヘッド側ケース3とグリップ側ケース4で構成されている。後述するように、グリップ側ケース4はヘッド側ケース3に対してスライド変位可能に連結されている。ヘッド側ケース3は側面視において烏帽子状に形成してあり、円盤状の肌電極1を支持する上側のヘッド部分37と、ヘッド部分37より下側のグリップ部分38を一体に備えている。肌電極1はヘッド部分37の前面に突設したヘッドボス45に固定してある。正面視における本体ケース2はしゃもじ状に形成してあり、ヘッド部分37はタマネギ状に形成されて、その左右幅がグリップ部分38へ向かって徐々に小さくなっている。ヘッド側ケース3の前面は、透明の化粧板39で覆われている。グリップ部分38には、グリップ側ケース4を収納するための収納室40が、下面および後面が開口する状態で設けてある。
グリップ側ケース4は左右幅が小さな中空ケースからなり、その内部に2次電池8と、パルス電流を調整する制御回路と充電電流を調整する充電回路などが実装された制御基板60が設けてある。グリップ側ケース4の後面は内凹み状(前突状)の湾曲面で形成されており、この湾曲面に沿ってグリップ電極34を設け、同電極34の下側に電源スイッチ9とモード切換スイッチ10が設けてある。また、グリップ側ケース4の前面には、2個の表示部11が設けてある。2個の表示部11は、それぞれフルカラーLEDを含んで構成されており、イオン導出モードの際は、緑色に点灯し、イオン導入モードの際は黄色に点灯する。電源スイッチ9の下方には、指掛リブ41が膨出形成してある。図14に示すように、グリップ電極34は、リード線61を介して制御基板60と電気的に接続してある。また、肌電極1と制御基板60は、導電性のあるスライド脚片33と制御基板60を接続するリード線63と、導電性のあるガイド溝19と肌電極1を接続するリード線64を介して電気的に接続してある。なお、肌電極1と制御基板60が、制御基板60から導出したリード線で直接的に接続してある場合には、グリップ側ケース4の伸縮動作に同行してリード線を移動させる必要があるため、伸縮時にリード線が断線するおそれがある。しかし、上記のように肌電極1と制御基板60を、リード線63、スライド脚片33、ガイド溝19、リード線64を介して電気的に接続すると、各リード線63・64が断線するのを避けて、信頼性の高い電流供給ラインを構成できる。また、ガイド溝19に密着するスライド脚片33に導電性の弾性片を固定して、弾性片をガイド溝19に圧接させると、弾性片と導電性のあるガイド溝19を常に密着させて、制御基板60から出力された電流を常に安定した状態で肌電極1に供給できる。なお、スライド脚片33は、導電性を有していれば、プラスチック材に金属メッキを施して構成する、あるいは、スライド脚片33全体を直方体状の金属製片で構成することができる。本実施例では後者を採用している。また、ガイド溝19についても、導電性を有していれば、プラスチック材で構成される溝に金属メッキ62を施して構成する、あるいは、ガイド溝19自体を断面コ字状の長軸の金属レールで構成することができる。本実施例では前者を採用している。図25は、本発明の美容器具に係る電装品のブロック図である。
本実施例では、グリップ側ケース4を収納室40に出し入れするために、収納室40の内面とグリップ側ケース4の間にスライド構造を設けるようにした。詳しくは、図14に示すように、収納室40の内面の左右に広幅のガイド溝19と狭幅のリブガイド42を設け、グリップ側ケース4の左右側面にガイド溝19に対応するスライド脚片33と、リブガイド42に対応するスライドリブ43を設けてスライド構造とした。ガイド溝19およびリブガイド42と、スライド脚片33およびスライドリブ43は、それぞれ前突円弧状に湾曲形成してある。
図15に示すように、グリップ側ケース4を収納室40に収納すると、本体ケース2を全長が小さな第1使用態様にすることができ、図14に示すように、グリップ側ケース4を収納室40から抜出すと、本体ケース2を全長が大きな第2使用態様にすることができる。第2使用態様においては、スライド脚片33の下面の段部がガイド溝19の下端に接当して、グリップ側ケース4がヘッド側ケース3から抜け出るのを規制している。表示部11と正対するヘッド側ケース3の前壁には表示窓44が開口してあり、従って、第1使用態様においては透明の化粧板39を介して表示部11を視認することができる。各使用態様において、グリップ側ケース4の不用意なスライド移動を規制するために、グリップ側ケース4の左右側面の上下に係合突起20を設け、収納室40の左右内面の上下に係合溝21を設けている。
肌電極1に被付けた綿マット(含液マット)Mを保持固定するために、図15に示すようにヘッドボス45にマット挟持具48を設けている。マット挟持具48は、ヘッドボス45に掛止装着される装着リング49と、肌電極1と協同して綿マットMを挟持固定するリング状のキャップ体50と、これら両者を繋ぐコード部51を一体に備えている。装着リング49がヘッドボス45に掛止装着してあるので、肌電極1からキャップ体50が外れても落下することはない。また、肌電極1から外した状態のまま保管することができる。したがってキャップ体50の紛失を防止できる。装着リング49は、本実施例では、円環形状であるが、すべての円弧が繋がった環状体である必要はなく、部分円弧、つまり円弧の一部が切り欠かれた態様を含むものである。キャップ体50も同様に、本実施例では、円環形状であるが、すべての円弧が繋がった環状体である必要はなく、部分円弧、つまり円弧の一部が切り欠かれた態様を含むものである。装着リング49は、ヘッドボス45に装着する構成に限定されず、本体ケース2の上側のヘッド部分37に装着される構成であってもよい。要するに肌電極1に近く、同電極1を支持する部位に装着リング49を設ければよい。キャップ体50は、肌電極1と協同して綿マットMを固定しているが、このときキャップ体50は、綿マットMからの反力により自身が固定保持されている。よりキャップ体50の抜け外れを防止するため、肌電極1を支持するヘッドボス45に設けられる張出部45aにキャップ体50の一部(例えば内向きに突出する突起)を係合させる構成を採用できる。
本実施例の美容器具は、本体ケース2を第1使用態様と、第2使用態様のいずれかに切換えて美容処理を行う。第1使用態様において美容処理を行う場合には、図15に示すように、グリップ側ケース4を収納室40に収納し、肌電極1に装着した綿マットMをキャップ体50で固定し、綿マットMを肌接触面1aに密着させる。
次に、化粧水や乳液などの美容用液を綿マットMに含浸させて、電源スイッチ9をオン操作し、さらにモード切換スイッチ10をオン操作して、イオン導出モードとイオン導入モードのいずれかを選択する。モード切換スイッチ10を1回だけオン操作すると、イオン導出モードが選択され、肌面に供給されるパルス電流の電流値は小さくなり、パルス電流が弱であることを表示する一方の表示部11が緑色に点灯する。また、モード切換スイッチ10を2回オン操作すると、イオン導出モードが選択され、肌面に供給されるパルス電流の電流値が大きくなり、パルス電流が強であることを表示する他方の表示部11が緑色に点灯する。イオン導出モードにおいては、グリップ電極34を片手で握った状態で、美容用液が含浸された綿マットMを顔肌や、首周りなどの肌面に沿って擦ることにより、肌面の毛穴や皺などに入り込んでいる微細な汚れや老廃物を落とすことができる。イオン導出モードにおいて各電極1・34に供給されるパルス電流の極性は、肌電極1がプラス極性であり、グリップ電極34はマイナス極性である。
モード切換スイッチ10を3回オン操作すると、イオン導入モードが選択され、肌面に供給されるパルス電流の電流値は小さくなり、パルス電流が弱であることを表示する一方の表示部11が黄色に点灯する。同様に、モード切換スイッチ10を4回オン操作すると、イオン導入モードが選択され、肌面に供給されるパルス電流の電流値が大きくなり、パルス電流が強であることを表示する他方の表示部11が黄色に点灯する。イオン導入モードにおいては、グリップ電極34を片手で握った状態で、美容用液が含浸された綿マットMを顔肌や、首周りなどの肌面に沿って擦ることにより、美容用液に含まれる保湿成分などを肌に浸透させて美容効果を高めることができる。イオン導入モードにおいて各電極1・34に供給されるパルス電流の極性は、肌電極1がマイナス極性であり、グリップ電極34はプラス極性である。
上記したような美容処理の際、本体ケース2を掴んだ状態では、グリップ側ケース4の後面が内凹み状の湾曲面になっているので、美容器具が滑り落ちるのをよく防止できる。また、湾曲面に沿って設けたグリップ電極34も内凹み状の湾曲面になっており、指や掌を強く押付けることができるので、グリップ電極34と人体の間の電気的な接触抵抗を小さくすることができる。
第2使用態様で美容処理を行う場合には、指掛リブ41に指先をあてがってグリップ側ケース4を収納室40から抜出して、本体ケース2の全長寸法を大きくする。以後は、第1使用態様と同様にして綿マットMを肌電極1に装着し、美容用液を綿マットMに含浸させる。さらに、電源スイッチ9とモード切換スイッチ10をオン操作して、美容器具の運転モードとパルス電流の強弱を選定し、綿マットMを肌面に沿って擦ることにより美容処理を行う。第1使用態様、および第2使用態様のいずれの場合にも表示部11を視認できるので、ユーザーは美容器具を使用するときの運転モードを明確に知ることができ、使い勝手を向上できる。
本実施例の美容器具においては、各部の寸法を以下のように設定した。図15ないし図17に示すように、本体ケース2のグリップ部分38の前後寸法D1(D1a、D1b)をグリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定した。なお、本体ケース2のグリップ部分38の下端部分の前後寸法は寸法D1aであるが、グリップ部分38の中途部分の前後寸法は、寸法D1aよりも小さいD1bとなっている。いずれにしてもグリップ部分38の前後寸法D1をグリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定している。このように(D1>B2)とすると、本体ケース2を把持した際、手のひらに当接する面積が狭くなり、手のひらに当接した状態で本体ケースを左右揺動しやすい。したがって美容器具の操作性を向上することができる。また、握り方を掴み持ちとする場合に、グリップ部分38の周囲を親指と、他の4指と、掌で包み込むようにして掴み持つことになるので、美容器具を確りと握って美容処理を的確に行うことができる。
図16に示すように、正面視における肌電極1の左右寸法B1を、本体ケース2のグリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定した。このように(B1>B2)とすることにより、正面視における本体ケース2の外観をスリムな印象にしながら、左右幅が大きな肌電極1で肌面の美容処理を効果的に行って、美容処理に要する時間を短縮できる。なお、グリップ部分38の上部において、左右寸法B2が肌電極1の左右寸法B1より大きくなるが、使用時にはグリップ部分38の上下中央部分を握ることが多いので、上下中央部分を含む大半の部分が(B1>B2)を満たしていると、本体ケース2を把持した際、手のひらに当接する面積が狭くなり、手のひらに当接した状態で本体ケースを左右揺動しやすいので、問題なく美容器具の操作性を向上することができる。また、グリップ部分38の周囲を親指と、他の4指と、掌で包み込むようにして掴み持つことができるので、美容器具を問題なく確りと握ることができる。
ヘッド側ケース3(本体ケース2)のヘッド部分37の左右寸法B3を、ヘッド部分37の前後寸法D2(図15参照)より大きく設定し、グリップ側ケース4(本体ケース2)のグリップ部分38の前後寸法D3を、グリップ部分38の左右寸法B4より大きく設定した。また、ヘッド側ケース3(本体ケース2)のグリップ部分38の前後寸法D1を、グリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定した。また、ヘッド部分37の左右寸法B3を、グリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定した。以上のように、(B3>D2)(B3>B2)(D1>B2)とすると、正面視における本体ケース2の外郭線の幅を、グリップ部分38の下方からヘッド部分37にわたって徐々に大きくできるので、片手でヘッド側ケース3のグリップ部分38を握った状態において、本体ケース2が滑り落ちるのを確実に防止できる。とくに、本体ケース2を第1使用態様にし、片手でヘッド側ケース3のグリップ部分38を握った状態で使用するとき、本体ケース2が滑り落ちるのを確実に防止できる。また、(D3>B4)を満たすことにより、本体ケース2を第2使用態様にし、片手でグリップ側ケース4のグリップ部分38aを握った状態において本体ケース2が滑り落ちるのを確実に防止できる。
正面視における肌電極1の左右寸法B1を、ヘッド側ケース3の左右寸法B3より小さく設定した。このように(B1<B3)とすると、肌電極1をヘッド部分37の外郭線内に位置させることができる。従って、美容器具を取落した場合等に、肌電極1が落下衝撃を受けて変形するのをヘッド側ケース3(本体ケース2)で保護することができる。なお、本実施例においても、参考例2と同様に係合溝21を複数個所に設けておくことにより、スライド脚片33のスライド移動を規制して、所定のスライド位置まで伸長した状態の前記両ケース3・4を安定した状態で固定支持することができる。
(実施例2) 図18ないし図20は、本発明に係る美容器具の実施例2を示す。そこでは、本体ケース2をヘッド側ケース3とグリップ側ケース4で構成した。ヘッド側ケース3は、上端が前下がり傾斜するヘッド部分37と、上下に長いグリップ部分38を一体に備えた中空ケースからなり、その内部に2次電池と、パルス電流を調整する制御回路と充電電流を調整する充電回路(いずれも図示していない)などが設けてある。ヘッド側ケース3の前面には、縦長のスイッチパネル54が設けてあり、その上部寄りに電源スイッチ9と、モード切換スイッチ10と、2個の表示部11が設けてある。図19に示すように、肌電極1は横長四角形状に形成してあり、その後面に設けた連結ボス55を、ヘッド部分37に設けた電極回動軸56で軸支することにより、上下回動可能にヘッド側ケース3(本体ケース2)に連結してある。符号57は電極回動軸56を支持するヘッド側ケース3に設けたブラケットである。
グリップ側ケース4は横断面がC字状の中空ケースからなり、その前面にスイッチパネル54を露出させるための開口58が形成してある。グリップ側ケース4の外周面には金属メッキを施して、このメッキ部分がグリップ電極34として機能するようにした。図18に示すように、ヘッド側ケース3のグリップ部分38をグリップ側ケース4の内部に収納すると、本体ケース2を全長が小さな第1使用態様にすることができ、図20に示すように、グリップ側ケース4をグリップ部分38から抜出すと、本体ケース2を全長が大きな第2使用態様にすることができる。各使用態様において、グリップ側ケース4のスライド移動を規制するために、グリップ側ケース4の左右側面の上下に係合溝21を設け、グリップ部分38の左右側面の下部に係合突起20を設けている。第1使用態様と第2使用態様の間で本体ケース2を伸縮スライドするとき、グリップ側ケース4の内面壁と開口58の左右縁がヘッド側ケース3でスライド案内されている。
以上のように構成した実施例2の美容器具によれば、本体ケース2を第1使用態様と第2使用態様に切換えて美容処理を行うことができる。各仕様態様においては、図18に示すように肌電極1の下縁がヘッド部分37の前部に接当する下方限界位置と、図20に示すように肌電極1の肌接触面1aが本体ケース2の中心軸線と直交する上方限界位置と、肌電極1の上縁がヘッド部分37の後隅部に接当する後方限界位置の間で、肌電極1を電極回動軸56の周りに回動変位することができる。第1使用態様と第2使用態様においては、実施例1において説明したように、綿マットMを肌電極1に装着し、美容用液を綿マットMに含浸させる。さらに、電源スイッチ9とモード切換スイッチ10をオン操作して、美容器具の運転モードとパルス電流の強弱を選定し、綿マットMを肌面に沿って擦ることにより美容処理を行う。例えば、連結ボス55とブラケット57の間の複数個所に節度構造を設けておくことにより、肌電極1を下方限界位置と、上方限界位置と、後方限界位置において位置保持できる。
例えば顔肌の美容処理を行う場合には、図18に示すように肌電極1を下方限界位置に傾動させ、肌接触面1aの下縁がヘッド部分37の前面から寸法dだけ突出する状態にして、綿マットMを顔肌に沿って擦る。このとき、ヘッド側ケース3のヘッド部分37を綿マットMと接触する肌面から先の寸法dだけ遠ざけることができるので、グリップ部分38を握る手が顔肌にあたりにくくなり、美容処理を的確に行うことができる。また、肌電極1に加わる押圧反力は、ヘッド部分37の前下がり傾斜面で受止められるので、肌電極1がぐら付くのを防止しながら美容処理をさらに的確に行うことができる。また、あごの下面の美容処理を行う場合には、図20に示すように肌電極1を上方限界位置に傾動させて、綿マットMを肌面に沿って擦る。このとき、あごの下面から顔肌に至る間の肌面の変化に追随して肌電極1を傾動できるので、あごの周りの美容処理を軽快にしかも確実に行うことができる。また、肌電極1の下部をヘッド部分37で受止めて、肌電極1の下方限界位置を規定するので、肌電極1に加わる押圧反力をヘッド部分37で受止めて、肌電極1がぐら付くのを防止しながら美容処理をさらに的確に行うことができる。
本実施例に係る美容器具においては、各部の寸法を以下のように設定した。図18および図19に示すように、ヘッド側ケース3のヘッド部分37の前後寸法D2を、ヘッド側ケース3のヘッド部分37の左右寸法B5より大きく設定した。このように(D2>B5)とすることにより、正面視における本体ケース2の外観の印象をすっきりさせながら、第1使用態様にした本体ケース2を片手で確りと掴み保持して、美容処理を的確に行うことができる。ヘッド部分37の前後寸法D2と、本体ケース2のグリップ部分38の前後寸法D1は同じである。また、ヘッド部分37の左右寸法B5と、グリップ部分38の左右寸法B2は同じである。
ヘッド側ケース3のグリップ部分38の前後寸法D3を、ヘッド側ケース3のグリップ部分38の左右寸法B4より大きく設定した。このように(D3>B4)とすることにより、本体ケース2のグリップ部分38を片手で保持した場合に、グリップ部分38の周囲を親指と、他の4指と、掌で包み込むようにして確りと掴み持つことができる。とくに、美容器具を第2使用態様にした状態において、ヘッド側ケース3とグリップ側ケース4の全長にわたって確りと掴み持つことができる。従って、美容器具を確りと握って美容処理を的確に行うことができる。また、グリップ部分38の前後寸法D1を、グリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定した。このように(D1>B2)とすることにより、グリップ部分38を包み込むようにして、確りと掴むことができる。
正面視における肌電極1の左右寸法B1を、一対のブラケット57の左右寸法B6より大きく設定した。このように(B1>B6)とすることにより、ブラケット57の前面を広幅の肌電極1で覆い隠して、正面視における本体ケース2の外観の印象をすっきりさせることができる。また、肌電極1の左右寸法B1が、ヘッド部分37の左右寸法B5より充分に大きく設定してあるので、左右幅が大きな肌電極1で肌面の美容処理を効果的に行って、美容処理に要する時間を短縮できる。本実施例に係る美容器具のヘッド側ケース3とグリップ側ケース4は、実施例1のヘッド側ケース3とグリップ側ケース4と同様に、前突の部分円弧面状に湾曲形成してあってもよい。なお、実施例1の美容器具と同じ符号については、同じ内容またはそれに近い内容であるので説明を一部省略している。
上記実施例に係る美容器具は、以下の態様で実施することができる。
肌面に電流を供給する肌電極1と、肌電極1を支持する本体ケース2を備えており、
本体ケース2のグリップ部分38の前後寸法D1が、グリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定してあることを特徴とする美容器具。
本体ケース2に肌電極1を備えているので、肌面に電流を供給できる。本体ケース2のグリップ部分38の前後寸法D1が、グリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定してあると、本体ケース2を把持した際、手のひらに当接する面積が狭くなり、手のひらに当接した状態で本体ケースを左右揺動しやすい。したがって美容器具の操作性を向上することができる。
上記構成において、
肌電極1の左右寸法B1が、本体ケース2のグリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定してあることを特徴とする美容器具。
肌電極1の左右寸法B1が、本体ケース2のグリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定してあると、正面視における本体ケース2の外観をスリムな印象にしながら、左右幅が大きな肌電極1で肌面の美容処理を効果的に行って、美容処理に要する時間を短縮できる。
上記構成において、
本体ケース2のヘッド部分37の左右寸法B3が、ヘッド部分37の前後寸法D2より大きく設定されており、
本体ケース2のグリップ部分38の前後寸法D1が、グリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定してあることを特徴とする美容器具。
本体ケース2のヘッド部分37の左右寸法B3を、ヘッド部分37の前後寸法D2より大きく設定し、グリップ側ケース4のグリップ部分38の前後寸法D1を、グリップ部分38の左右寸法B2より大きく設定した。こうした美容器具によれば、正面視における本体ケース2の外郭線の幅を、グリップ部分38の下方からヘッド部分37にわたって徐々に大きくできるので、片手でヘッド側ケース3のグリップ部分38を握った状態において、本体ケース2が滑り落ちるのを確実に防止できる。
上記構成において、
本体ケース2の後面が内凹み状の湾曲面で形成されて、湾曲面に沿ってグリップ電極34が設けてあることを特徴とする美容器具。
本体ケース2の後面の湾曲面に沿ってグリップ電極34を設けると、本体ケース2を掴んだ状態において、手指あるいは掌が先の湾曲面に密着する状態で美容器具を確りと握り保持して、美容処理の途中に美容器具が手から滑り落ちるのをよく防止できる。また、湾曲面に沿って設けたグリップ電極34に、指や掌を強く押付けることができるので、グリップ電極34と人体の間の電気的な接触抵抗を小さくすることができる。
上記構成において、
肌電極1の左右寸法B1が、本体ケース2のヘッド部分37の左右寸法B3より小さく設定してあることを特徴とする美容器具。
正面視における肌電極1の左右寸法B1を、本体ケース2のヘッド部分37の左右寸法B3より小さく設定すると、肌電極1をヘッド部分37の外郭線内に位置させることができる。従って、美容器具を取落した場合等に、肌電極1が落下衝撃を受けて変形するのをヘッド側ケース3で保護することができる。
(参考例3) 図21および図22は、美容器具の参考例3を示す。そこでは、参考例2の美容器具と同様に、本体ケース2をヘッド側ケース3とグリップ側ケース4で構成し、さらにヘッド側ケース3をヘッド支持ケース5とシートホルダー6で構成した。グリップ側ケース4は逆門型に形成した。また、グリップ側ケース4およびヘッド支持ケース5を、側面から見て垂直のケースとして構成し、シートホルダー6を側面から見て垂直のホルダーとして構成した。正面視におけるシートホルダー6の外郭形状と、グリップ側ケース4の外郭形状は同じとした。シートホルダー6は、図22に示すように主壁14の内面がヘッド支持ケース5の前面に接当した状態から前方へ相対傾動できる。2次電池8と制御基板は、ヘッド支持ケース5の内部に配置した。また、図示していないが、電源スイッチ9と、モード切換スイッチ10と、パルス電流の強弱を表示する2個の表示部11は、参考例2と同様に、グリップ側ケース4の前面に設けるようにした。
この参考例3ではグリップ側ケース4とヘッド支持ケース5の間にスライド構造を設けるようにした。図21に示すように、ヘッド支持ケース5の左右側面にガイド凹部18を形成し、凹部壁に設けた左右一対のガイド溝19と、グリップ側ケース4に設けた丸軸状のスライド脚片33でスライド構造を構成した。係合突起20はシートホルダー6の周囲壁15の内面に設け、係合溝21はヘッド支持ケース5の左右壁に設けるようにした。グリップ側ケース4の周面と、同ケース4の前面の周縁に金属メッキを施して、グリップ電極34を形成した。また、ガイド凹部18の下部に連続して、前下り傾斜状のストッパー壁65を形成した。
参考例3の美容器具は、本体ケース2を第1使用態様(図22(a)に示す状態)と、第2使用態様(図21に示す状態)と、第3使用態様(図22(b)に示す状態)のいずれかに切換えて美容処理を行う。第1使用態様においては、グリップ側ケース4の左右の枠部分がガイド凹部18内に収容されて、前面から見たヘッド側ケース3の外郭線の内部に収まっている。第2使用態様においては、スライド脚片33がガイド溝19の下端で受け止められて、グリップ側ケース4がヘッド支持ケース5の下方へ直線状に突出している。第3使用態様においては、グリップ側ケース4が、スライド脚片33を中心にして前側へ傾動して、その上部前縁がストッパー壁65で受止められて、美容器具がく字状に屈折している。この状態の美容器具は、図8で説明した用法に従って使用することができる。
(参考例4) 図23および図24は、美容器具の参考例4を示す。そこでは、参考例2の美容器具と同様に、本体ケース2をヘッド側ケース3とグリップ側ケース4で構成し、さらにヘッド側ケース3をヘッド支持ケース5と前後傾動可能なシートホルダー6で構成した。グリップ側ケース4およびヘッド支持ケース5は、側面から見て垂直のケースとして構成し、シートホルダー6を側面から見て垂直のホルダーとして構成した。正面視におけるシートホルダー6の外郭形状と、グリップ側ケース4の外郭形状は同じとした。また、グリップ側ケース4を、上側のスライドケース4Aと、下側のグリップケース4Bで構成して、これら両ケース4A・4Bをケース回動軸67で相対回転可能に連結した。2次電池8と制御基板は、グリップケース4Bの内部に配置した。また、図示していないが、電源スイッチ9と、モード切換スイッチ10と、パルス電流の強弱を表示する2個の表示部11は、実施例2と同様に、グリップケース4Bの前面に設けるようにした。グリップケース4Bの周面と、同ケース4Bの前面の周縁に金属メッキを施して、グリップ電極34を形成した。また、グリップケース4Bの上部前隅には、前下り傾斜状のストッパー壁65を形成した。
この参考例4ではスライドケース4Aとヘッド支持ケース5の間にスライド構造を設けるようにした。図23に示すように、スライド構造は、ヘッド支持ケース5の後面に形成した左右一対のガイド溝19と、スライドケース4Aに設けたスライド脚片33で構成した。係合突起20はシートホルダー6の周囲壁15の内面に設け、係合溝21はヘッド支持ケース5の左右壁に設けるようにした。
参考例4の美容器具は、本体ケース2を第1使用態様(図24(a)に示す状態)と、第2使用態様(図23に示す状態)と、第3使用態様(図24(b)に示す状態)のいずれかに切換えて美容処理を行う。第1使用態様においては、グリップ側ケース4の全体がヘッド支持ケース5の後面に密着して、前面から見たヘッド側ケース3の外郭線の内部に収まっている。第2使用態様においては、スライド脚片33がガイド溝19の下端で受け止められて、グリップケース4Bがヘッド支持ケース5の下方へ直線状に突出している。第3使用態様においては、グリップケース4Bが、ケース回動軸67を中心にして前側へ傾動して、そのストッパー壁65がスライドケース4Aの下面で受止められて、美容器具がく字状に屈折している。この状態の美容器具は、図8で説明した用法に従って使用することができる。
上記の参考例、実施例では、肌刺激ヘッドが肌面に電流を供給する肌電極1である場合について説明したが、その必要はなく、肌刺激ヘッドは温熱または冷熱を付与する熱刺激ヘッドや、マッサージ器のように肌面に振動を付与する振動刺激ヘッドであってもよい。また、必要があれば肌面に対して複数の刺激を同時に付与する肌刺激ヘッドであってもよい。ヘッド側ケース3とグリップ側ケース4は、折畳みが可能な折尺と同様の構造で連結してあってもよい。
1 肌電極(肌刺激ヘッド)
2 本体ケース
3 ヘッド側ケース
4 グリップ側ケース
5 ヘッド支持ケース
6 シートホルダー
25 ケース傾動軸
34 グリップ電極
48 マット保持具
49 装着リング
50 キャップ体
51 コード部
M 含浸マット

Claims (1)

  1. 肌面に電流を供給する肌電極(1)と、肌電極(1)を支持する本体ケース(2)を備えており、
    含液マット(M)を保持固定するためのマット挟持具(48)が設けられており、
    マット挟持具(48)は、肌電極(1)に近い部位に装着される装着リング(49)と、綿マット(M)を固定するリング状のキャップ体(50)と、これら両者を繋ぐコード部(51)を備えていることを特徴とする美容器具。
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