JP2018110747A - 手術支援装置、その制御方法、プログラム並びに手術支援システム - Google Patents
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図1は、本実施形態に係る手術支援システム1の機能構成例を示す図である。なお、図1に示す機能ブロックの1つ以上は、ASICやプログラマブルロジックアレイ(PLA)などのハードウェアによって実現されてもよいし、CPUやMPU等のプログラマブルプロセッサがソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。従って、以下の説明において、異なる機能ブロックが動作主体として記載されている場合であっても、同じハードウェアが主体として実現されうる。
手持ち医療器具21を用いてロボット医療器具12を操作するために、手持ち医療器具21の姿勢を計測する必要がある。本実施形態では、当該姿勢を求めるために、腹壁5における回転中心を原点とした、慣性センサの起動時の姿勢を基準とする座標系を用いる。しかしながら、このような姿勢の計測方法には、以下の3つの問題がある。
次に、図9を参照して、手持ち医療器具21を用いたロボット医療器具12の操作に係る一連の動作を説明する。各ステップのより詳細な説明については別途後述するが、この動作によって上述した問題点を解消すると共に、術者が手持ち医療器具21を用いてより直感的にロボット医療器具12やエンドエフェクタ13を操作することが可能になる。なお、本動作では、制御部4が不揮発性メモリ8に記録されているプログラムを不図示のRAMに展開、実行することにより実現される。また、本処理は、例えば術者がモード切替部3を操作して、操作モードをキャリブレーションモードに切り替えたときに開始される。
まず、S1において上述した、仮想的な回転中心として用いる制御基準点を決定する動作について説明する。手持ち医療器具21に取り付けられる位置姿勢計測装置22は、外套管23と手持ち医療器具21の先端との相対距離を計測する距離センサと、3軸の姿勢を計測可能な少なくとも1つの慣性センサとを含む。この距離センサと慣性センサとの組み合わせでは、腹壁5の回転中心と距離センサの計測原点とのオフセットが不明であり、また、重力軸回りの回転についてはドリフトエラーを持つ。但し、ドリフトエラーは、通常は数秒〜数分程度の短い時間であれば無視できる程度に小さいため、計測値のドリフトは考慮しなくて良い。すなわち、本実施形態における手持ち医療器具21を用いたエンドエフェクタの操作は、現実的に数分程度で終了して手持ち医療器具21を用いた実際の手術に切り替わるため、この間に蓄積するドリフトエラーは無視できる程度に小さい。仮に手持ち医療器具21を用いたエンドエフェクタの操作が長時間必要な場合があっても、一旦手持ち医療器具21を用いた実際の手術に操作を切り替えて再びエンドエフェクタの操作に切り替えることができる。このため、各操作はドリフトエラーを無視できる程度の時間内で操作を行うことができる。
ここで、L1、L2は必ずしも外套管23から手持ち医療器具21の先端までの距離を表している必要はなく、手持ち医療器具21の他の位置からの距離を、符号を考慮して用いてもよい。これをLoffについて解くと、幾何学的な条件から解は1つに決まり、以下のように求めることができる。
次に、慣性センサの座標系をロボットの座標系に変換するステップについて説明を補充する。制御部4は、回転中心を原点とする慣性センサの座標系における、接触させた2点の位置を求め、これらをq1、q2とする。これらの点とロボット座標系における同2点p1、p2とが対応することから、回転行列Rと並進ベクトルtとを用いて下記の評価関数Hを作成することができる。
次に、図3を参照して、制御基準点から被制御点に向かう基準ベクトルを算出する動作をより詳細に説明する。まず、制御部4は、ロボット座標系において規定可能な任意の点として被制御点を取得する。被制御点は、ロボット医療器具12の先端、エンドエフェクタ13の付け根や先端等であってよいし、被制御点はロボットが位置決め可能であれば、空間上に規定してもよい。ここでは、手持ち医療器具21によって操作するエンドエフェクタ13の付け根を被制御点とする例について説明する。制御部4は、医療器具駆動部11から取得した現在位置情報から被制御点の位置を取得する。また、手持ち医療器具21の回転中心を制御基準点として設定する。
次に、術者がモード切替部3によって位置制御モードに切り替えた瞬間tkの手持ち医療器具21のセンサ計測値を(l´k、φ´k、θ´k)とする。この時点から手持ち医療器具21をある位置に移動させた時tiと、それぞれの変化した値は(l´k+i、φ´k+i、θ´k+i)と表せる。そして、制御部4は、上述した手持ち医療器具21の相対移動量として、計測値の変化量は以下のように算出する。
更に、制御部4は、これらのセンサにおける計測値の変化量(相対移動量)と基準ベクトルを用いて、制御基準点から目標位置に対するベクトルviを算出する。
これまでの説明では、エンドエフェクタ13の付け根の位置を制御する例について説明した。しかし、エンドエフェクタは、付け根を基準とした位置の制御に加え、付け根から先の部分の姿勢も考慮することができる。例えば、その先端が常に所定の点を向くような、ロボット座標系における所定の点に対して姿勢が固定されるように制御してもよい。また、単純に関節が固定された状態で被制御点の位置のみを移動するように制御してもよい。
ロボット医療器具12の姿勢制御、すなわち、被制御点、固定点及び手持ち医療器具21の回転中心(制御基準点)を用いた制御は、様々な操作に応用可能である。
また、他の操作部材を更に組み合わせることにより、関節等を有するような他の形態のエンドエフェクタを直感的に操作することができる。例えば、ロボット医療器具12として、図8に示すような、先端に回転と開閉するジョーの機構を持つ鉗子状の医療器具を想定する。ジョーの機構を持つ医療器具を操作する場合、ジョーの開閉のための専用の入力装置を設ける。例えば、ジョーの機構を開閉するためのスイッチやダイヤル等を、手持ち医療器具21に取り付けるようにすればよい。代わりにフットスイッチや音声で開閉を操作できるようにしてもよい。
上述の制御は、ロボット医療器具12を操作するために用いるだけではなく、医療器具駆動部11(ロボットアーム)の各種パラメータを変更するための入力装置として用いることもできる。この場合、モード切替部3は、パラメータ変更モードを更に設定可能であり、制御部4は、医療器具駆動部11或いは不揮発性メモリ8からパラメータを取得して、設定されるパラメータを表示部7に表示する。モード切替部3を介してパラメータ変更モードに設定された場合、医療器具駆動部11はその時点の姿勢に固定し、代わりに、医療器具駆動部11に設定される制御パラメータを変更可能にする。変更可能なパラメータには、入力量に対する動作量(モーションスケーリング)の倍率、速度、力、可動範囲の制限等の、操作に関わる全てのパラメータが含まれる。例えば、把持の力を変更する場合の一例を挙げる。パラメータ変更モードが設定された場合、手持ち医療器具21の姿勢は、一般的なボリューム等の入力装置のように扱えるようになる。制御部4は、例えば、手持ち医療器具21をシャフト周りに右回転された場合には把持力を増加させ、逆回転された場合には把持力を減少させる。制御部4は、操作対象のパラメータが変更される様子を表示部7に表示するため、術者(又は操作者)は現在値を把握することができる。表示方法は数値、グラフ、音量、音程、振動の強弱、光の明暗、色等のいずれであってもよい。また、姿勢情報から演算可能な物理量であれば、それを用いてパラメータ変更を行うことができる。例えば、挿入量、傾き、移動速度、回転速度、衝撃を与えるような入力、振動を与えるような入力、手持ち医療器具21の先端で描く特定の図形等、様々な入力方法が考えられる。
Claims (13)
- 体腔に挿入され且つ機械的に駆動される第1の術具の姿勢を、前記体腔に挿入される第2の術具を用いて制御する手術支援装置であって、
処置のために前記第2の術具を用いる第1モードと前記第1の術具を制御するために前記第2の術具を用いる第2モードとを切り替える切替手段と、
前記第2の術具のシャフトの前記体腔への挿入角度と挿入深度とを計測する計測手段と、
前記第1の術具の姿勢を制御するために、前記第1の術具の姿勢を特定する点であって術者による制御対象である被制御点の目標位置を、前記計測手段による計測結果に基づいて決定する演算手段と、を有し、
前記演算手段は、前記第2モードの開始時点からの、計測された前記挿入角度及び前記挿入深度の変化量に応じて、前記被制御点の目標位置を決定する、ことを特徴とする手術支援装置。 - 前記演算手段は、前記第1の術具が、前記被制御点と、位置が変化しないように固定される固定点とを有する場合、前記固定点の位置を固定したうえで、前記第2モードの開始時点からの、計測された前記挿入角度及び前記挿入深度の変化量に応じて、前記被制御点の目標位置を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の手術支援装置。
- 前記演算手段は、前記第1の術具が、異なる前記被制御点である第1の被制御点と第2の被制御点とを有する場合、前記第1の被制御点の位置を固定したうえで、前記第2モードの開始時点からの、計測された前記挿入角度及び前記挿入深度の変化量に応じて、前記第2の被制御点の目標位置を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の手術支援装置。
- 前記演算手段は、制御対象が前記第2の被制御点から前記第1の被制御点に変更された場合、前記第2モードの開始時点を新たに設定する、ことを特徴とする請求項3に記載の手術支援装置。
- 前記演算手段は、固定の所定の位置に設けた制御基準点から前記被制御点までの方向及び距離を基準として、前記第2モードの開始時点からの、計測された前記挿入角度及び前記挿入深度の変化量の分だけ、前記制御基準点からの前記方向及び距離を変化させて前記被制御点の目標位置を決定する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の手術支援装置。
- 前記演算手段は、前記制御基準点を前記第2の術具の回転中心と同じ位置に設ける、ことを特徴とする、請求項5に記載の手術支援装置。
- 前記演算手段は、前記制御基準点を前記第1の術具の回転中心と同じ位置に設ける、ことを特徴とする、請求項5に記載の手術支援装置。
- 前記第1の術具の姿勢を規定するための座標系における、少なくとも2つの点の距離を取得する距離取得手段を更に有し、
前記演算手段は、更に、前記第2の術具の先端を前記2つの点の位置にした場合の前記挿入角度及び前記挿入深度の変化量と前記距離とを少なくとも用いて、前記第1の術具の姿勢を規定するための座標系と前記第2の術具の姿勢を規定するための座標系との関係を特定する、ことを特徴とすることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の手術支援装置。 - 前記第1の術具を機械的に駆動するために設定される1つ以上のパラメータを取得するパラメータ取得手段を更に有し、
前記演算手段は、更に、計測された前記挿入角度及び前記挿入深度の変化量に応じて、取得した前記パラメータの値を変化させる、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の手術支援装置。 - 体腔に挿入され且つ機械的に駆動される第1の術具の姿勢を、前記体腔に挿入される第2の術具を用いて制御する手術支援装置であって、
前記第1の術具の姿勢を特定する点であって術者による制御対象である被制御点の位置を取得する取得手段と、
前記第2の術具のシャフトの前記体腔への挿入角度と挿入深度とを計測する計測手段と、
前記第1の術具の姿勢を制御するために、前記計測手段による計測結果に基づいて、前記被制御点の目標位置を決定する演算手段と、を有し、
前記演算手段は、前記第2の術具を用いて前記第1の術具の制御が開始される基準時刻からの前記挿入角度及び前記挿入深度の変化量に応じて、前記被制御点の目標位置を決定する、ことを特徴とする手術支援装置。 - 体腔に挿入され且つ機械的に駆動される第1の術具の姿勢を、前記体腔に挿入される第2の術具を用いて制御する手術支援装置の制御方法であって、
切替手段が、処置のために前記第2の術具を用いる第1モードと前記第1の術具を制御するために前記第2の術具を用いる第2モードとを切り替える切替工程と、
計測手段が、前記第2の術具のシャフトの前記体腔への挿入角度と挿入深度とを計測する計測工程と、
演算手段が、前記第1の術具の姿勢を制御するために、前記第1の術具の姿勢を特定する点であって術者による制御対象である被制御点の目標位置を、前記計測手段による計測結果に基づいて決定する演算工程と、を有し、
前記演算工程では、前記第2モードの開始時点からの、計測された前記挿入角度及び前記挿入深度の変化量に応じて、前記被制御点の目標位置を決定する、ことを特徴とする手術支援装置の制御方法。 - コンピュータを、請求項1から10のいずれか1項に記載の手術支援装置の各手段として機能させるためのプログラム。
- 手術支援装置と医療器具駆動装置とを含む手術支援システムであって、
前記手術支援装置は、体腔に挿入され且つ機械的に駆動される第1の術具の姿勢を、前記体腔に挿入される第2の術具を用いて制御する、前記手術支援装置であって、
処置のために前記第2の術具を用いる第1モードと前記第1の術具を制御するために前記第2の術具を用いる第2モードとを切り替える切替手段と、
前記第2の術具のシャフトの前記体腔への挿入角度と挿入深度とを計測する計測手段と、
前記第1の術具の姿勢を制御するために、前記第1の術具の姿勢を特定する点であって術者による制御対象である被制御点の目標位置を、前記計測手段による計測結果に基づいて決定する演算手段と、を有し、
前記演算手段は、前記第2モードの開始時点からの、計測された前記挿入角度及び前記挿入深度の変化量に応じて、前記被制御点の目標位置を決定し、
前記医療器具駆動装置は、
前記第1の術具の前記被制御点の位置が、前記手術支援装置の前記演算手段によって決定された前記被制御点の目標位置となるように前記第1の術具の姿勢を制御する駆動手段と、を有する、ことを特徴とする手術支援システム。
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