JP2018110105A - 有機エレクトロルミネッセンス用基板およびそれを用いた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】可視光領域における透明性に優れた有機EL用基板を提供する。【解決手段】式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含む樹脂である、有機エレクトロルミネッセンス用基板。(式中、Aは単結合、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−または−C2H4−であり、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり、R3は炭素数4〜40の4価の脂肪族基である。)【選択図】なし
Description
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(organic electro luminescence、以下、有機ELと呼ぶことがある)用基板およびそれを用いた有機ELディスプレイに関する。
有機ELディスプレイは、高いコントラスト比、高い応答速度、広い視野角、低い消費電力等の特徴を有する次世代ディスプレイとして実用化が始まっている。有機ELディスプレイの用途をさらに広げるために、有機ELディスプレイの基板を従来のガラスから、薄型化、軽量化および曲げ等が可能なようにフレキシブル化可能なプラスチックへと置き換える取り組みが行われている。
有機EL用基板に求められる性能としては、素子のリーク、ショートと密接に関係し、その原因となる表面の平坦性、素子の作製工程で損傷しない程度の耐熱性または耐溶剤性が挙げられる。また、素子作製プロセスにおいては、昇温および冷却を繰り返すため、基板の伸縮による有機層または電極等の欠陥発生を防ぐための熱変化に対する寸法安定性も必要となる。さらに、有機ELディスプレイが、有機ELディスプレイの基板側から光を取り出すボトムエミッション構造の場合には、基板には可視光領域の透明性を有することが必須となる。
透明性に優れるプラスチック製の基板材料には、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネートおよびポリエーテルスルホンが挙げられる。しかし、上記材料は、ガラス転移温度が低く、有機EL素子製造工程で加える200℃程度の温度に対して十分な耐熱性は有していない。
近年、耐熱性に優れたポリイミドを無色透明にして基板材料として応用する取り組みが行われている。特許文献1及び特許文献2には、ヘキサフルオロイソプロパノール基(−C(CF3)2OH、以下、HFIP基と呼ぶことがある)を有する透明ポリイミドが有機EL用基板として開示されている。
特許文献1または特許文献2記載の、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を原料とするHFIP基を有するポリイミドの成形体からなる有機EL用基板は、ポリイミド溶液の状態からで基板への成形加工が可能で、良好な耐熱性、透明性を有しているが、さらなる透明性の改良が求められている。
そこで、本発明は、特に可視光領域における透明性に優れた有機EL用基板を提供することを目的とする。
発明者らが、芳香族ジアミンと脂肪族テトラカルボン酸二無水物を原料とするHFIP基を有するポリイミド検討を検討したところ、耐熱性を低下させることなく、透明性の向上の余地があることが分かってきた。
一般にポリイミドの構造中に芳香環を含むポリイミドは耐熱性に優れる一方、構造中に脂環を含むポリイミドの耐熱性は劣るとされる。
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、意外なことに、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを少なくとも含む樹脂を用いることで、耐熱性を低下させることなく、上記課題を解決できることを見出した。
本発明者らは、芳香族ジアミンと脂肪族テトラカルボン酸二無水物を原料とするHFIP基を有する、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドにおいては、構造中に脂環を含んでいたとしても、有機ELの製造工程での加熱に対応可能な200℃以上での安定した耐熱性を示すとともに、構造中に脂環を含むことで透明性に優れる有機EL用基板が得ることができることがわかり、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の各発明を含む。
[発明1]
式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含む樹脂により形成された、有機エレクトロルミネッセンス用基板。
(式中、Aは単結合、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−または−C2H4−であり、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり、R3は炭素数4〜40の4価の脂肪族基である。)
[発明1]
式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含む樹脂により形成された、有機エレクトロルミネッセンス用基板。
即ち、式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含む樹脂からなる、有機エレクトロルミネッセンス用基板である。
[発明2]
式(1)中のAが単結合または−CH2−である、発明1の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明3]
式(1)中のR1及びR2がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である、発明1または発明2の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明4]
式(1)中のR3が、式(2)〜(7)で表される脂肪族基のいずれかである、発明1〜3の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
(式中、mおよびnはそれぞれ独立に0〜10の整数である。)
(式中、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基である。RaおよびRbは互いに結合して環構造を形成してもよい。)
(式中、Rc、Rd、ReおよびRfはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜9の脂肪族炭化水素基である。RcおよびRdは互いに結合して環構造を形成してもよく、ReおよびRfは互いに結合して環構造を形成してもよい。)
(式中、Rgは水素原子または炭素数1〜34の脂肪族炭化水素基である。)
(式中、Rh、Ri、RjおよびRkはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基である。)
[発明5]
式(1)中のR3が、式(8)〜(17)で表される脂肪族基のいずれかである、発明1〜3の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明6]
前記樹脂が、式(1)で表される繰り返し単位を50モル%以上有するポリイミドを含む樹脂である、発明1〜5の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明7]
前記樹脂が式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドのみを含む樹脂である、発明1〜5の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明8]
420nm以上、780nm以下の波長での透過率が60%以上である、発明1〜7の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明9]
発明1〜8の有機エレクトロルミネッセンス用基板を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[発明10]
発明1〜8の有機エレクトロルミネッセンス用基板を備える、ボトムエミッション型有機エレクトロルミネッセンス素子。
[発明11]
発明9または発明10の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
[発明12]
式(1)で表される繰り返し単位を含むポリイミドを含む樹脂と、有機溶媒とを含む、ポリイミド溶液。
(式中、Aは単結合、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−または−C2H4−であり、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり、R3は炭素数4〜40の4価の脂肪族基である。)
[発明13]
前記有機溶媒が、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族性溶媒、ハロゲン系溶媒およびラクトン系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種である、発明12のポリイミド溶液。
[発明14]
前記ポリイミド溶液中の、ポリイミドの濃度が5質量%以上、50質量%以下である、発明12または発明13のポリイミド溶液。
[発明15]
式(1)で表される繰り返し単位を含むポリイミドを含む樹脂と、有機溶媒とを含む、有機エレクトロルミネッセンス用基板作製用ポリイミド溶液。
(式中、Aは単結合、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−または−C2H4−であり、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であり、R3は炭素数4〜40の4価の脂肪族基である。)
[発明16]
発明12〜15のポリイミド溶液を支持基材に塗布する工程と、塗布したポリイミド溶液を乾燥させて、樹脂膜を得る工程と、得られた樹脂膜を加熱処理して成形体を得る工程と、を含む、形体の製造方法。
[発明2]
式(1)中のAが単結合または−CH2−である、発明1の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明3]
式(1)中のR1及びR2がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である、発明1または発明2の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明4]
式(1)中のR3が、式(2)〜(7)で表される脂肪族基のいずれかである、発明1〜3の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明5]
式(1)中のR3が、式(8)〜(17)で表される脂肪族基のいずれかである、発明1〜3の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
前記樹脂が、式(1)で表される繰り返し単位を50モル%以上有するポリイミドを含む樹脂である、発明1〜5の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明7]
前記樹脂が式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドのみを含む樹脂である、発明1〜5の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明8]
420nm以上、780nm以下の波長での透過率が60%以上である、発明1〜7の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
[発明9]
発明1〜8の有機エレクトロルミネッセンス用基板を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[発明10]
発明1〜8の有機エレクトロルミネッセンス用基板を備える、ボトムエミッション型有機エレクトロルミネッセンス素子。
[発明11]
発明9または発明10の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
[発明12]
式(1)で表される繰り返し単位を含むポリイミドを含む樹脂と、有機溶媒とを含む、ポリイミド溶液。
[発明13]
前記有機溶媒が、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族性溶媒、ハロゲン系溶媒およびラクトン系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種である、発明12のポリイミド溶液。
[発明14]
前記ポリイミド溶液中の、ポリイミドの濃度が5質量%以上、50質量%以下である、発明12または発明13のポリイミド溶液。
[発明15]
式(1)で表される繰り返し単位を含むポリイミドを含む樹脂と、有機溶媒とを含む、有機エレクトロルミネッセンス用基板作製用ポリイミド溶液。
[発明16]
発明12〜15のポリイミド溶液を支持基材に塗布する工程と、塗布したポリイミド溶液を乾燥させて、樹脂膜を得る工程と、得られた樹脂膜を加熱処理して成形体を得る工程と、を含む、形体の製造方法。
本明細書において、有機ELとは、有機物に電圧をかけることで発光する現象を指し、有機EL素子は、赤、緑、青などの色に発光する有機材料を組み合わせることで、白色を含めたあらゆる色の光を発することが可能な発光素子を指す。また、有機ELディスプレイとは、有機EL素子を用いた表示画面装置を指す。
本発明に係るポリイミド樹脂の成形体は、可視光領域における透明性に優れ、有機EL用基板として有用である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[ポリイミド樹脂]
本発明の有機エレクトロルミネッセンス用基板に係る樹脂は、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含む樹脂である。該ポリイミドは、下記式(1)で表される繰り返し単位を50モル%以上、好ましくは75モル%以上有し、より好ましくは、下記式(1)で表される繰り返し単位のみからなる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス用基板に係る樹脂は、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含む樹脂である。該ポリイミドは、下記式(1)で表される繰り返し単位を50モル%以上、好ましくは75モル%以上有し、より好ましくは、下記式(1)で表される繰り返し単位のみからなる。
式(1)中、Aは単結合、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−または−C2H4−であり、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、R3は炭素数4〜40の4価の脂肪族基である。なお、R3はイミド構造のカルボニル基と共役が広がっていなければ、芳香族環、二重結合または三重結合を含んでいてもよい。
後述するように、式(1)中、A、R1およびR2は、式(22)で表されるジアミン化合物中のA、R1およびR2にそれぞれ由来し、式(1)中、R3は、式(23)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物中のR3に由来する。
式(1)中、Aは単結合または−CH2−であることが好ましい。また、式(1)中、R1及びR2がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であることが好ましい。
式(1)中、Aは−CH2−であることが好ましく、R1およびR2は水素原子であることが好ましい。すなわち、上記式(1)で表される繰り返し単位は、下記式(16)で表される繰り返し単位であることが好ましい。式(16)中、R3は式(1)中のR3と同義である。
また、式(1)中、Aは単結合であり、R1およびR2がメチル基であることが好ましい。例えば、上記式(1)で表される繰り返し単位は、下記式(17)で表される繰り返し単位であることが好ましい。式(17)中、R3は式(1)中のR3と同義である。
式(1)中、R3は、式(2)〜(7)で表される脂肪族基のいずれかであることが好ましい。
(式中、mおよびnはそれぞれ独立に0〜10の整数である。)
(式中、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基である。RaおよびRbは互いに結合して環構造を形成してもよい。)
(式中、Rc、Rd、ReおよびRfはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜9の脂肪族炭化水素基である。RcおよびRdは互いに結合して環構造を形成してもよく、ReおよびRfは互いに結合して環構造を形成してもよい。)
(式中、Rgはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜34の脂肪族炭化水素基である。)
(式中、Rh、Ri、RjおよびRkはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基である。)
本発明に係る樹脂が含むポリイミドは、上記式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有していてもよく、該繰り返し単位を50モル%以下有していてもよく、25モル%以下が好ましい。また、上記式(1)の繰り返し単位は、ポリイミド中に規則的に配列されていてもよいし、ランダムに存在していてもよい。上記式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、式(1)で表される繰り返し単位の前駆体以外の、後記する「他のジアミン化合物」(式(22)で表されるHFIP基を有するジアミン以外のジアミン化合物)とテトラカルボン酸二無水物からなるポリイミドが挙げられる。具体的には、以下の式(18)〜(21)をいずれかで表される繰り返し単位を好ましい例として例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る樹脂が含むポリイミドの重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、下限値は30,000であってもよく、40,000が好ましく、50,000が特に好ましい。上限値は1,000,000であってもよく、500,000が好ましく、200,000が特に好ましい。本発明に係るポリイミドの重量平均分子量は、30,000以上、1,000,000以下であってもよく、40,000以上、500,000以下が好ましく、50,000以上、200,000以下が特に好ましい。重量平均分子量が30,000未満だと、成形後、基板割れ等の問題を生じやすく、1,000,000を超えると、溶液の粘度が高く、成形するのが困難になることがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(以下、GPCと呼ぶことがある)による標準ポリスチレン換算の値をいう。
本発明に係る樹脂は、式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含む。式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの含有割合は、樹脂中50モル%以上であってもよく、75モル%以上であることが好ましく、樹脂の溶解性が向上し、成形後の透明性に優れることから、90モル%以上であることがさらに好ましい。
本発明に係る樹脂は、式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミド以外にその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分の含有割合は、樹脂中50モル%以下であってもよく、25モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。その他の成分の種類は、特に限定されないが、式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミド以外のポリイミドが挙げられる。このポリイミドは、特に限定されるものではなく、公知のポリイミドを一種若しくは二種以上適宜選択して使用することができる。このポリイミドは、後述の「他のジアミン化合物」や後述のテトラカルボン酸二無水物を原料として合成されるポリイミドであってもよい。
[有機EL用基板]
本発明の有機EL用基板(以下、単に「本発明の基板」と呼ぶことがある)は、特定の繰り返し単位を含むポリイミドを含む樹脂の成形体である。この成形体は、透明性に優れるため、有機EL用基板として好適に用いることができる。
本発明の有機EL用基板(以下、単に「本発明の基板」と呼ぶことがある)は、特定の繰り返し単位を含むポリイミドを含む樹脂の成形体である。この成形体は、透明性に優れるため、有機EL用基板として好適に用いることができる。
従来のポリイミドは、一般的に溶解性が低いため、その成形体の作製においては、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の溶液の状態で支持基板上に塗布した後、該支持基材上で加熱による脱水環化反応でイミド化して、成形体とする。そのため、支持基材上での加熱処理による分子構造の変化が大きく、クラックやハジキが起こり易く、平坦性の高い均一な基板を作製することは容易ではない。一方、本発明の基板の作製においては、ポリイミドの溶液の状態で支持基材上に形成することができるので、支持基材上での加熱処理による分子構造の変化が小さく、クラックやハジキが起こり難く、所望の平坦性の高く均一な状態の成形体(基板)を得ることが容易である。成形後は透明性に優れ、一般的な有機EL用基板に要求される程度の耐有機溶剤性、耐熱性を併せ持ち、デバイスの作製工程における基板の欠陥も生じ難い。
本発明の基板は有機ELディスプレイ用に好適に使用できる。中でも、有機ELディスプレイがボトムエミッション構造の場合、本発明の有機EL用基板が好適に使用でき可視光領域の光透過性の高いものが特に好適に使用できる。
以下、本発明の基板、すなわち、本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための成形体の好ましい物性および特性について説明する。
<透明性>
本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための成形体は420nm以上の長波長の全可視光領域、すなわち420〜780nmのすべての波長領域で透過率(以下、T%と表記することがある)が60%以上であり、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。成形体を有機ELディスプレイ用のボトムエミッション方式の基板に用いる場合は、400nm以上の長波長の全可視光領域、すなわち400nm以上、780nm以下の波長で透過率は60%以上であり、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための成形体は420nm以上の長波長の全可視光領域、すなわち420〜780nmのすべての波長領域で透過率(以下、T%と表記することがある)が60%以上であり、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。成形体を有機ELディスプレイ用のボトムエミッション方式の基板に用いる場合は、400nm以上の長波長の全可視光領域、すなわち400nm以上、780nm以下の波長で透過率は60%以上であり、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
また、カットオフ波長は380nm以下であることが好ましい。
<膜厚>
成形体の厚さは、特に限定されないが、通常下限は0.5μmであり、1μmが好ましく、10μmが特に好ましい。通常上限は500μmであり、100μmが好ましく、80μmが特に好ましい。上限と下限の組み合わせは、通常0.5μm以上、500μm以下であり、1μm以上、100μm以下が好ましく、10μm以上、80μm以下が特に好ましい。
成形体の厚さは、特に限定されないが、通常下限は0.5μmであり、1μmが好ましく、10μmが特に好ましい。通常上限は500μmであり、100μmが好ましく、80μmが特に好ましい。上限と下限の組み合わせは、通常0.5μm以上、500μm以下であり、1μm以上、100μm以下が好ましく、10μm以上、80μm以下が特に好ましい。
[ポリイミドの製造方法]
本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂が含むポリイミドの製造方法は特に限定されない。例えば、下記式(22)で表されるHFIP基を有するジアミンと、下記式(23)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを、150℃以上で相互に溶融させる方法が挙げられる。その他の例として、これらの原料化合物を有機溶媒中で縮重合して得られるポリアミック酸を脱水閉環することでポリイミドを製造する方法が挙げられる。この縮重合反応は−20℃以上、80℃以下で行い、前記ジアミンと前記テトラカルボン酸二無水物とをモル比で表して1対1で反応させることが好ましい。
本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂が含むポリイミドの製造方法は特に限定されない。例えば、下記式(22)で表されるHFIP基を有するジアミンと、下記式(23)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを、150℃以上で相互に溶融させる方法が挙げられる。その他の例として、これらの原料化合物を有機溶媒中で縮重合して得られるポリアミック酸を脱水閉環することでポリイミドを製造する方法が挙げられる。この縮重合反応は−20℃以上、80℃以下で行い、前記ジアミンと前記テトラカルボン酸二無水物とをモル比で表して1対1で反応させることが好ましい。
式(23)中、R3は、式(1)中のR3と同義である。
前記縮重合反応に使用できる有機溶媒は、原料化合物が溶解すれば特に制限されず、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、アニソール、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル等の芳香族性溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、ε−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトンのラクトン系溶媒を例示することができる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂が含むポリイミドは、縮重合反応で得られたポリアミック酸をさらに脱水閉環させイミド化することで得られる。この脱水閉環反応は、環化を促進する、加熱法、化学法等の条件で行う。加熱法は、重合後のポリアミック酸を150〜250℃の高温加熱でイミド化し、化学法は、室温(0〜50℃)でピリジンまたはトリエチルアミン等の塩基と無水酢酸を原料のジアミンに対してそれぞれ2モル当量以上10当量未満を加えることでイミド化し、本発明のポリイミド溶液を得ることができる。この溶液中のポリイミドの濃度は、5質量%以上、50質量%以下が好ましい。5質量%より少ないと工業的に実用的でない。50質量%を超えると溶解し難い。さらに、好ましくは10質量%以上、40質量%以下である。
このようにして得られた本発明のポリイミド溶液は、本発明の基板の製造、すなわち、成形体の製造にそのまま用いることができる。また、本発明のポリイミド溶液中に含まれる残存モノマー、低分子量体を除去する目的で、水またはアルコール等の貧溶媒中に、本発明のポリイミド溶液を加え、該ポリイミドを沈殿、単離精製した後、改めて有機溶媒に前記濃度になるように溶解させて調整し、その調整した溶液を成形体の製造に用いてもよい。この有機溶媒としては、本発明に係る樹脂が含むポリイミドが溶解すれば特に制限されず、例えば、前記縮重合反応に使用できる有機溶媒で挙げたものと同様の種類の有機溶媒が挙げられ、単独で用いてもよいし、二種以上の混合溶媒を用いてもよい。
以下に、本発明に係る樹脂が含むポリイミドの製造に用いる原料について詳細に説明する。
<HFIP基を有するジアミン>
本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂が含むポリイミドの製造において、原料化合物の一つとして、式(22)で表されるHFIP基を有するジアミンを用いる。
本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂が含むポリイミドの製造において、原料化合物の一つとして、式(22)で表されるHFIP基を有するジアミンを用いる。
有機EL用基板を作製する際に重要となる有機溶剤溶解性、成形性、および、基板とした際の強度、表面特性(撥水性、撥油性)、耐性(耐候性、耐腐食性等)、その他の特性(透明性、低屈折性、低誘電率等)、耐熱性を調整するために、式(22)で表されるHFIP基を有するジアミンと「他のジアミン化合物」を併用してもよい。他のジアミン化合物の使用量としては、全体のジアミンに対して、モル%で表して、5モル%以上、50モル%以下であり、好ましくは10モル%以上、30モル%以下である。他のジアミン化合物の含有割合が5%未満の場合、機械的強度等の調整の効果が小さくなり、他のジアミン化合物の含有割合が50%より多い場合、耐熱性、寸法安定性、機械的強度、またはフッ素原子由来の物性や耐熱性の低下が生じる恐れがある。
併用できる他のジアミン化合物を具体的に例示すると、ベンジジン、2,2’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’− ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’− ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4‐ジアミノ−m−キシレン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリメチルベンゼン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−エチレンジアニリン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,7−ジアミノフルオレン、α,α’-ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、または1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン等を例示することができる。上記ジアミンの芳香環の水素原子の一部がフッ原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基、カルボキシル基、HFIP基、ヒドロキシ基、またはシアノ基で置換されていてもよい。また、これらは、単独で使用してもよく、2種以上併用することもできる。
この中でも、入手の容易性から、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、4‐ジアミノ−m−キシレン、2,4−ジアミノキシレン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、または2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンがよく、透明性の低下の少ない2,2−ビス(4−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンが特に好ましい。
<テトラカルボン酸二無水物>
本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂が含むポリイミドの製造において、原料化合物の一つとして、式(22)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いる。
本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂が含むポリイミドの製造において、原料化合物の一つとして、式(22)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いる。
具体的には、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(以下、PMDA−HHと呼ぶことがある)、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテト
ラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3−(カルボキシメチル)−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、オクタヒドロ−4a,8b:4b、8a−ビス(メタノオキシメタノ)ビフェニレン−9,11,12,14−テトラオン、1,1’−ビシクロヘキサン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸−3,4:3’,4’−二無水物(以下、BPDA−Hと呼ぶことがある)等を例示することができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用することもできる。
ラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3−(カルボキシメチル)−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、オクタヒドロ−4a,8b:4b、8a−ビス(メタノオキシメタノ)ビフェニレン−9,11,12,14−テトラオン、1,1’−ビシクロヘキサン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸−3,4:3’,4’−二無水物(以下、BPDA−Hと呼ぶことがある)等を例示することができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用することもできる。
この中でも、重合性から、PMDA−HH、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、3−(カルボキシメチル)−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、BPDA−Hが好ましく、得られるポリイミド成形体の可視光領域の透明性が高いことから、PMDA−HH、3−(カルボキシメチル)−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、BPDA−Hが特に好ましい。
<本発明に係るポリイミド成形体の製造方法>
本発明の有機ELディスプレイ用基板は、本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂を加熱処理することで得られる。具体的には、本発明に係る樹脂を含む溶液(本発明に係る樹脂を前記有機溶媒に溶解させた溶液)を支持基材に塗布する工程(塗布工程)、溶媒を除去・乾燥する工程(溶媒除去工程)、得られた樹脂膜をさらに加熱処理する工程(加熱工程)を経て得ることができる。
本発明の有機ELディスプレイ用基板は、本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂を加熱処理することで得られる。具体的には、本発明に係る樹脂を含む溶液(本発明に係る樹脂を前記有機溶媒に溶解させた溶液)を支持基材に塗布する工程(塗布工程)、溶媒を除去・乾燥する工程(溶媒除去工程)、得られた樹脂膜をさらに加熱処理する工程(加熱工程)を経て得ることができる。
塗布工程で使用される塗布方法は、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。所望の塗布厚や樹脂粘度等に応じて、スピンコーター、バーコーター、ドクターブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ロータリーコーター、フローコーター、ダイコーター、リップコーター等の公知塗布装置を適宜使用できる。
前記支持基材は、特に限定されない。例えば、ガラス、シリコンウェハ、ステンレス、アルミナ、銅、ニッケル等の無機基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリエチレングリコールナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド等の有機基材を例示することができる。耐熱性の観点から、ガラス、シリコンウェハ、ステンレス等の無機基材を用いることが好ましい。
支持基材に塗布する際、本発明に係る樹脂を含む塗膜の厚みは、本発明のポリイミド溶液中のポリイミド成分の濃度により適宜調整することができ、通常1μm以上、1000μm以下であり、5μm以上、500μm以下が好ましい。塗膜が1μmより薄いと成形体が十分な強度が得られず、1000μmより厚いと成形体のハジキ、ヘコミ、ワレ等の欠陥が発生し、均一な成形体が得られない原因となる。
前記塗布工程により塗膜を得た後、さらに塗膜から溶媒を除去・乾燥する溶媒除去工程と、乾燥後の塗膜(樹脂膜)を熱処理し硬化させ、成形体を得る加熱工程を経ることで、本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いる成形体が得られる。
溶媒除去工程で溶媒を除去・乾燥を行う際の温度は、本発明の有機ELディスプレイ用基板に用いるための樹脂を溶解させた有機溶媒の種類にもよるが、50℃以上、220℃以下が好ましく、80℃以上、200℃以下がより好ましい。50℃より低いと乾燥が不十分となり、220℃より高いと急激な溶媒蒸発が起こりハジキ、ヘコミ、ワレ等の欠陥、均一な膜とならない原因となる。
溶剤除去工程後の加熱工程では、樹脂膜を高温で熱処理することで硬化させ有機ELディスプレイ用基板に用いる成形体を得ることができる。この工程では、溶媒除去工程で取り除くことができなかった残存溶媒の除去、イミド化率の向上、物理特性の改善も期待される。
加熱工程において、樹脂膜を加熱処理し硬化する際の温度は、150℃以上、400℃以下が好ましく、200℃以上、300℃以下がより好ましい。150℃より低いと溶剤が残存する恐れがあり、400℃より高いと、得られた有機EL用基板にひび割れ等の欠陥が発生する原因となる。
加熱工程は、イナートガスオーブンやホットプレート、箱型乾燥機、コンベヤー型乾燥機の装置を用いて行うことが好ましいが、これらの装置の使用に限定されるものではない。
加熱工程は、樹脂膜の酸化の防止、溶媒除去の観点から、不活性ガス気流下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等が挙げられる。不活性ガスの流速は、加熱対象の樹脂の量に依存する。不活性ガスの流速が遅すぎると溶媒除去・樹脂膜の硬化が不十分となることがあり、速すぎると樹脂膜表面のみの乾燥が生じ割れ等の発生の原因となることがある。)
溶媒除去工程、加熱工程における加熱時間は、通常0.5時間以上、3時間以下であり、それぞれの工程を連続若しくは別個に行うこともできる。
本発明の基板は、支持基材から剥離してデバイスを作製することもできるが、新たな支持基板に固定するためには高度な技術が必要であり、工程数も増えることから支持基材から剥離せずに、支持基材に固定されたままの成形体の状態で有機EL用基板とし、次いでデバイスを作製する方が望ましい。
[有機EL素子]
本発明の有機EL素子は、本発明の基板を備えるものであり、それ以外の構成等は特に限定されない。
本発明の有機EL素子は、本発明の基板を備えるものであり、それ以外の構成等は特に限定されない。
本発明の有機EL素子は、有機発光層と電極層と基板とを備える有機EL素子において、該基板として本発明の基板を用いる、有機EL素子であってもよい。
その他の構成として、本発明の有機EL素子は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、乾燥剤、封止材、金属板、フィルタ層、色変換蛍光体層(CCM層)、パッシベーション層、平坦化層などを備えていてもよい。
[有機ELディスプレイ]
本発明の有機ELディスプレイは、本発明の基板を備えるものであり、それ以外の構成等は特に限定されない。
本発明の有機ELディスプレイは、本発明の基板を備えるものであり、それ以外の構成等は特に限定されない。
本発明の有機ELディスプレイは、本発明の有機EL素子を備えているものであり、ボドムエミッション型有機ELディスプレイであることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
初めに、基板の評価のための測定項目およびその測定および評価方法について説明する。
[測定項目]
<透明性>
透明性は、株式会社島津製作所製、紫外可視近赤外分光光度計(UV−VIS−NIR
SPECTROMETER 機種名 UV−3150)で測定した。また、透過率が1%以下となる波長の最大値をカットオフ波長(nm)とした。
<透明性>
透明性は、株式会社島津製作所製、紫外可視近赤外分光光度計(UV−VIS−NIR
SPECTROMETER 機種名 UV−3150)で測定した。また、透過率が1%以下となる波長の最大値をカットオフ波長(nm)とした。
[ポリイミド溶液の調製と基板の作製]
以下の[実施例1〜3]および[参考例1]により、本発明のポリイミド溶液およびそれを用いた有機ELディスプレイ用基板について説明する。なお、本製法においては、透明性を測定するために支持基材からポリイミド溶液から成形した成形体の剥離を行っているが、剥離を行わずにそのまま基板上に直接デバイスを作製することが可能である。
以下の[実施例1〜3]および[参考例1]により、本発明のポリイミド溶液およびそれを用いた有機ELディスプレイ用基板について説明する。なお、本製法においては、透明性を測定するために支持基材からポリイミド溶液から成形した成形体の剥離を行っているが、剥離を行わずにそのまま基板上に直接デバイスを作製することが可能である。
[実施例1]
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−MDA、15.9g(30mmol)、PMDA−HH、7.2g(30mmol)、ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと呼ぶことがある)、17.2gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、9.5g(120mmol)、無水酢酸、12.3g(120mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(A)のDMAc溶液のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(以下GPCと呼ぶことがある。東ソー株式会社製、機種名 HLC−8320GPC、カラム:TSKgel SuperHZM−H、溶媒:テトラヒドロフラン(以下、THFと呼ぶことがある)の測定結果は、Mw=78900、Mw/Mn=2.63であった。
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−MDA、15.9g(30mmol)、PMDA−HH、7.2g(30mmol)、ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと呼ぶことがある)、17.2gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、9.5g(120mmol)、無水酢酸、12.3g(120mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(A)のDMAc溶液のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(以下GPCと呼ぶことがある。東ソー株式会社製、機種名 HLC−8320GPC、カラム:TSKgel SuperHZM−H、溶媒:テトラヒドロフラン(以下、THFと呼ぶことがある)の測定結果は、Mw=78900、Mw/Mn=2.63であった。
ポリイミド(A)の成形体は、ポリイミド(A)のDMAc溶液をガラス基材に塗布後、乾燥、加熱処理することで作製した。
まず、ポリイミド(A)のDMAc溶液をガラス基材上に垂らし、スピンコーターを用いて、10秒かけて回転速度250rpmに上昇させた後、回転速度250rpmで10秒間保持し、ポリイミド(A)のDMAc溶液を均一に塗布した。窒素雰囲気下、180℃で30分間乾燥して、溶媒を除去し、さらに200℃で2時間熱処理した後、冷却し、ガラス基材からポリイミド膜を剥がすことで、ポリイミド(A)の成形体を得た。膜厚計(株式会社ニコン製、機種名:DIGIMICRO MH−15)で厚みを測定したところ、28μmであった。得られたポリイミド(A)の成形体の400nmにおける全光線透過率は93.2%、カットオフ波長は309nmであった。
[実施例2]
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−MDA、15.9g(30mmol)、3−(カルボキシメチル)−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、6.7g(30mmol)、DMAc、17.2gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、9.5g(120mmol)、無水酢酸、12.3g(120mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(B)のDMAc溶液のGPCの測定結果は、Mw=33900、Mw/Mn=2.53であった。
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−MDA、15.9g(30mmol)、3−(カルボキシメチル)−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、6.7g(30mmol)、DMAc、17.2gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、9.5g(120mmol)、無水酢酸、12.3g(120mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(B)のDMAc溶液のGPCの測定結果は、Mw=33900、Mw/Mn=2.53であった。
ポリイミド(B)の成形体は、ポリイミド(B)のDMAc溶液をガラス基材に塗布後、乾燥、加熱処理することで作製した。
まず、ポリイミド(B)のDMAc溶液をガラス基材上に垂らし、スピンコーターを用いて、10秒かけて回転速度250rpmに上昇させた後、回転速度250rpmで10秒間保持し、ポリイミド(B)のDMAc溶液を均一に塗布した。窒素雰囲気下、180℃で30分間乾燥して、溶媒を除去し、さらに200℃で2時間熱処理した後、冷却し、ガラス基材からポリイミド膜を剥がすことで、ポリイミド(B)の成形体を得た。膜厚計で厚みを測定したところ、38μmであった。得られたポリイミド(B)の成形体の400nmにおける全光線透過率は92.8%、カットオフ波長は308nmであった。
[実施例3]
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−MDA、26.5g(50mmol)、BPDA−H、14.7g(50mmol)、DMAc、49.5gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、15.8g(200mmol)、無水酢酸、20.4(200mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(C)のDMAc溶液のGPCの測定結果は、Mw=43000、Mw/Mn=1.81であった。
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−MDA、26.5g(50mmol)、BPDA−H、14.7g(50mmol)、DMAc、49.5gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、15.8g(200mmol)、無水酢酸、20.4(200mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(C)のDMAc溶液のGPCの測定結果は、Mw=43000、Mw/Mn=1.81であった。
ポリイミド(C)の成形体は、ポリイミド(C)のDMAc溶液をガラス基材に塗布後、乾燥、加熱処理することで作製した。
まず、ポリイミド(C)のDMAc溶液をガラス基材上に垂らし、スピンコーターを用いて、10秒かけて回転速度350rpmに上昇させた後、回転速度650rpmで10秒間保持し、ポリイミド(C)のDMAc溶液を均一に塗布した。窒素雰囲気下、180℃で30分間乾燥して、溶媒を除去し、さらに200℃で2時間熱処理した後、冷却し、ガラス基材からポリイミド膜を剥がすことで、ポリイミド(C)の成形体を得た。膜厚計で厚みを測定したところ、36μmであった。得られたポリイミド(C)の基板の400nmにおける全光線透過率は92.1%、カットオフ波長は312nmであった。
[実施例4]
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−mTB、16.3g(30mmol)、3−(カルボキシメチル)−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、6.7g(30mmol)、DMAc、17.2gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、9.5g(120mmol)、無水酢酸、12.3g(120mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(D)のDMAc溶液のGPCの測定結果は、Mw=35600、Mw/Mn=2.23であった。
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−mTB、16.3g(30mmol)、3−(カルボキシメチル)−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3−二無水物、6.7g(30mmol)、DMAc、17.2gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、9.5g(120mmol)、無水酢酸、12.3g(120mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(D)のDMAc溶液のGPCの測定結果は、Mw=35600、Mw/Mn=2.23であった。
ポリイミド(D)の成形体は、ポリイミド(D)のDMAc溶液をガラス基材に塗布後、乾燥、加熱処理することで作製した。
まず、ポリイミド(D)のDMAc溶液をガラス基材上に垂らし、スピンコーターを用いて、10秒かけて回転速度300rpmに上昇させた後、回転速度300rpmで10秒間保持し、ポリイミド(D)のDMAc溶液を均一に塗布した。窒素雰囲気下、180℃で30分間乾燥して、溶媒を除去し、さらに200℃で2時間熱処理した後、冷却し、ガラス基材からポリイミド膜を剥がすことで、ポリイミド(D)の成形体を得た。膜厚計で厚みを測定したところ、33μmであった。得られたポリイミド(D)の成形体の400nmにおける全光線透過率は91.8%、カットオフ波長は311nmであった。
[実施例5]
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−mTB、16.3g(30mmol)、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル) −1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、9.0g(30mmol)、DMAc、17.2gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、9.5g(120mmol)、無水酢酸、12.3g(120mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(E)のDMAc溶液のGPCの測定結果は、Mw=30800、Mw/Mn=2.55であった。
窒素導入管および攪拌翼を備えた容量500mLの四口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−mTB、16.3g(30mmol)、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル) −1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、9.0g(30mmol)、DMAc、17.2gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌し、以下に示す反応を行った。得られた反応液にピリジン、9.5g(120mmol)、無水酢酸、12.3g(120mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することでポリイミドのDMAc溶液を作製した。反応液中のポリイミド(E)のDMAc溶液のGPCの測定結果は、Mw=30800、Mw/Mn=2.55であった。
ポリイミド(E)の成形体は、ポリイミド(E)のDMAc溶液をガラス基材に塗布後、乾燥、加熱処理することで作製した。
まず、ポリイミド(E)のDMAc溶液をガラス基材上に垂らし、スピンコーターを用いて、10秒かけて回転速度250rpmに上昇させた後、回転速度250rpmで10秒間保持し、ポリイミド(E)のDMAc溶液を均一に塗布した。窒素雰囲気下、180℃で30分間乾燥して、溶媒を除去し、さらに200℃で2時間熱処理した後、冷却し、ガラス基材からポリイミド膜を剥がすことで、ポリイミド(E)の成形体を得た。膜厚計で厚みを測定したところ、37μmであった。得られたポリイミド(E)の成形体の400nmにおける全光線透過率は90.8%、カットオフ波長は315nmであった。
[参考例1]
窒素導入管および攪拌翼を備えた500mL三口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−MDA、58.3g(110mmol)、3,3’ ,4,4
’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと呼ぶことがある)、12.8g(50mmol)、32.4g(110mmol)、溶剤としてのDMAc、220gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌した。得られた反応液にピリジン34.8g(440mmol)、無水酢酸44.9g(440mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することで、反応式中のポリイミド(F)のDMAc溶液を調製した。
窒素導入管および攪拌翼を備えた500mL三口フラスコに、それぞれの化学構造を下記反応式に示すHFIP−MDA、58.3g(110mmol)、3,3’ ,4,4
’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと呼ぶことがある)、12.8g(50mmol)、32.4g(110mmol)、溶剤としてのDMAc、220gを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌した。得られた反応液にピリジン34.8g(440mmol)、無水酢酸44.9g(440mmol)を順に加え、さらに24時間攪拌し、イミド化を行った後、加圧濾過することで、反応式中のポリイミド(F)のDMAc溶液を調製した。
ポリイミド(F)のDMAc溶液の前記GPCでの分子量の測定結果は、Mw=91600、Mw/Mn=1.84であった。ポリイミド(F)基板(ポリイミド(F)の成形体)は、ポリイミド(F)のDMAc溶液をガラス基材に塗布後、乾燥、加熱処理することで作製した。
まず、ポリイミド(F)のDMAc溶液をガラス基材上に垂らし、スピンコーターを用いて10秒かけて回転速度800rpmに上昇させた後、回転速度800rpmで10秒間保持し、ポリイミド(F)のDMAc溶液を均一に塗布した。窒素雰囲気下、180℃で30分間乾燥して溶媒を除去し、さらに200℃で2時間熱処理した後、冷却し、ガラス基材からポリイミド膜を剥がすことで、ポリイミド(F)の成形体を得た。前記膜厚計で厚みを測定したところ、50μmであった。得られたポリイミド(F)の成形体の400nmにおける全光線透過率は80.4%、カットオフ波長は367nmであった。
Claims (16)
- 式(1)中のAが単結合または−CH2−である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
- 式(1)中のR1及びR2がそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である、請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
- 式(1)中のR3が、式(2)〜(7)で表される脂肪族基のいずれかである、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
- 式(1)で表される繰り返し単位を50モル%以上有するポリイミドを含む樹脂である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
- 式(1)で表される繰り返し単位を有するポリイミドのみを含む樹脂である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
- 420nm以上、780nm以下の波長での透過率が60%以上である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス用基板。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス用基板を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス用基板を備える、ボトムエミッション型有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項9または請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ。
- 前記有機溶媒が、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族性溶媒、ハロゲン系溶媒およびラクトン系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項12に記載のポリイミド溶液。
- 前記ポリイミド溶液中の、ポリイミド樹脂の濃度が5質量%以上、50質量%以下である、請求項12または請求項13に記載のポリイミド溶液。
- 請求項12乃至請求項15のいずれか1項に記載のポリイミド溶液を支持基材に塗布する工程と、塗布したポリイミド溶液を乾燥させて、樹脂膜を得る工程と、得られた樹脂膜を加熱処理して成形体を得る工程と、を少なくとも含む、成形体の製造方法。
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-
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