以下、本発明の実施の形態に係る携帯情報端末について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
本実施の形態に係る携帯情報端末11は、図1の機能ブロック図に示すように、制御部21と、手書き入力部22と、キーボード入力部23と、記憶部24と、姿勢センサ25とを備える。
手書き入力部22は、携帯情報端末11に手書きによる情報入力を行うものであり、入力された情報を表示する第1表示部221と、情報を入力するためのタッチパネル222を備える。第1表示部221は、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)等の薄型の表示デバイスであり、例えば液晶パネルである。タッチパネルは、ユーザが指、スタイラスペン等によって情報を入力可能な入力デバイスであり、例えば静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル222は、第1表示部221上に重ねて配置されており、タブレット端末等の一般的な手書き入力デバイスのように、タッチパネル222によって入力された情報が、第1表示部221に表示されるように構成される。
キーボード入力部23は、携帯情報端末11にキーボードによる情報入力を行うものであり、入力された情報を表示する第2表示部231と、情報を入力するためのキーボード233を備える。第2表示部231は、主にキーボード入力された情報を表示する主表示部231aと、手書き入力された情報を表示するサムネイル表示部231bを備える。主表示部231a及びサムネイル表示部231bは、第1表示部221と同様に、薄型の表示デバイスであって、例えば液晶パネルである。キーボード233は、例えば物理的なキーボードであるが、タッチパネルを用いて構成されるソフトウエアキーボードであってもよい。
記憶部24は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、携帯情報端末11に入力された情報、携帯情報端末11の各機能を実現するための動作プログラム及びデータが記憶されている。
姿勢センサ25は、携帯情報端末11の傾き等を検出するセンサであって、例えば加速度センサである。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、水晶発振器等から構成されており、携帯情報端末11全体の動作を制御する。制御部21は、記憶部24、制御部21のROM等に記憶されている各種動作プログラム及びデータをRAMに読み込んでCPUを動作させることにより、図1に示される制御部21の各機能を実現させる。これにより、制御部21は、第1表示部221及び第2表示部231を制御する表示制御部211として動作する。また、タッチパネル222及びキーボード233を制御する入力制御部212、入力された情報に時刻情報TSを付与する時刻情報制御部213、携帯情報端末11の姿勢を判定する姿勢判定部214として動作する。
次に、携帯情報端末11の動作について説明する。携帯情報端末11では、携帯情報端末11へ情報入力(記録)する入力モードと、携帯情報端末11を使って情報分析(まとめ)を行う分析モードがある。以下、各モードについて、具体的な携帯情報端末11の構成を示しつつ説明する。
まず、情報入力(記録)を行う入力モードでの携帯情報端末11の動作について説明する。図2は、携帯情報端末11の外観を示す図である。携帯情報端末11は、矩形板状の携帯機器であって、一方の面に、図3(A)に示す手書き入力部22が配置され、手書き入力面と反対側の面に、図3(B)に示すキーボード入力部23が配置される。携帯情報端末11の大きさは、一般的なノートパソコン、タブレット等と同等程度であり、例えばA4サイズである。
ユーザは、情報を記録する場合、例えば会議に出席している場合において、携帯情報端末11に会議の議事、会議中に思いついたアイデア、その他のメモ等の情報を入力する。従来、このような情報の記録は、手書きのノート又はキーボード入力するノートパソコンを用いて行われていた。本実施の形態に係る携帯情報端末11では、情報を項目ごとに箇条書きする場合のように、整理して記録したい場合にはキーボード入力により情報入力し、文字や図形、ユーザのイメージ等を自由に記録した場合には手書き入力により情報入力を行うことができる。
一般的に、会議時のメモ書きのように、複数の参加者による会話から情報の記録を行う場合、ユーザが頭の中で情報を整理しながらメモを取ることは難しい。また、議論の内容がユーザ自身にとって、経験や知識のない分野に関するものであった場合、その議論の要点を掴むことが難しいため、情報の整理と記録を同時に行うことは、特に困難である。したがって、ひとまず議論の内容について、漏れのないように記録を行い、後からそれを見返してまとめることが重要となる。このように、まず情報の記録を取り、次に記録された情報を見返してまとめる、という流れの作業を繰り返し行うことで、効果的に論理的思考力を身につけることができる。
携帯情報端末11を使って、速記録として情報を入力する場合、ユーザは携帯情報端末11の手書き入力部22側の面を上にして、手書きによる情報入力を行う。ユーザは、まず図2に示す携帯情報端末11の電源スイッチ47を操作して、携帯情報端末11を起動させる。携帯情報端末11の手書き入力部22側の面を上向きにすると、姿勢センサ25は、手書き入力部22が上面であるとの信号を、制御部21の姿勢判定部214に送信する。姿勢判定部214は、姿勢センサ25からの出力によって、手書き入力部22側が上面であると判定し、入力部として手書き入力部22を選択する信号を入力制御部212に送信する。入力制御部212は、姿勢判定部214からの信号にしたがって、手書き入力部22の第1表示部221及びタッチパネル222をアクティブにする。これにより、携帯情報端末11は、ユーザからの情報入力待ち状態となり、図4のフローチャートに示す手書き入力処理を開始する。
入力制御部212の手書情報制御部212aは、ユーザが手書き入力した手書入力情報を、図5に示すように、レイヤー構造として保存する。レイヤー構造の各レイヤーLn(nは自然数)は、入力された時刻ごとに情報をグループ化するものであり、詳細は後述する。手書き入力処理が開始されると、手書情報制御部212aは、ユーザからの入力情報を保存する新規のレイヤーLnを作成する(ステップS11)。
ユーザは情報入力待ち状態のタッチパネル222に、例えばスタイラスペンを使って、記録したい情報を入力する。この時の入力は、手書き入力が可能なタッチパネル222を介して行われるため、ユーザは文字情報のみならず、図形、記号などを自由に書き込むことができる。制御部21の手書情報制御部212aは、ユーザからの入力を受け付けると(ステップS12のYES)、表示制御部211に入力情報を送信し、第1表示部221の表示を更新させる(ステップS13)。また、時刻情報制御部213にリセット信号を送信し、後述する中断時間タイマーTIをリセットさせる(ステップS14)。そして、引き続きユーザからの入力待ち状態となり、ステップS12に戻る。
ステップS12において、ユーザからの入力がない場合(ステップS12のNO)、時刻情報制御部213は、中断時間タイマーTIが動作している状態であるか否か判定する(ステップS15)。中断時間タイマーTIが動作していない場合(ステップS15のNO)、時刻情報制御部213は、中断時間タイマーTIを動作させて、ユーザからの入力がない状態の継続時間を計測する(ステップS16)。既に中断時間タイマーTIが動作している場合(ステップS15のYES)は、中断時間タイマーTIの動作を継続させる。
続いて、時刻情報制御部213は、中断時間タイマーTIによって計測された中断時間が、予め設定されたレイヤー更新時間を超えているかどうか判定する(ステップS17)。レイヤー更新時間は、入力された情報を1つのグループとして記録するか否かを判断する基準となる時間である。具体的には、例えばレイヤー更新時間が30秒と設定されている場合において、測定された中断時間が30秒以内であれば、引き続いて関連する情報を入力される可能性があるため、ステップS12に戻ってユーザからの入力待ち状態となる(ステップS17のNO)。一方、測定された中断時間が30秒を超えていれば(ステップS17のYES)、関連する情報の入力が完了したものと判断し、入力中のレイヤーLnの情報を記録するためステップS18の処理に進む。
ステップS18では、時刻情報制御部213は、ユーザによって情報を入力されたレイヤーLnのデータに、レイヤーLnの手書入力情報を識別する情報IDを付加するとともに、その処理時点の現在時刻を示す時刻情報TSを付加する。また、時刻情報制御部213は、別途、携帯情報端末11の記憶部24に保存されているユーザのスケジュールデータから、現在時刻に設定されている予定のキーワードを読み出し、タグ情報としてレイヤーLnのデータに付加する(ステップS19)。例えば、スケジュールデータとして「Aプロジェクトの会議」が、該当する時刻に登録されている場合、「Aプロジェクト」をキーワードとして抽出し、タグ情報として付加する。
続いて、手書情報制御部212aは、レイヤーLnのデータとともに、情報ID、時刻情報TS及びタグ情報を記憶部24に記憶させる(ステップS20)。
続いて、手書情報制御部212aは、ページ更新の入力があったか否か判定する(S21)。すなわち、ユーザが、図3(A)に示すページ更新ボタン27をタップしたか否かを判定する。ページ更新ボタン27は、手書き入力の入力画面を更新するためのボタンである。ユーザは、現在表示されている入力画面をクリアして、新しいページPn(nは自然数)に入力を開始する場合には、ページ更新ボタン27をタップする。
ページ更新ボタン27がタップされ、ページ更新の入力があった場合(ステップS21のYES)には、手書情報制御部212aは、図5のように、第1表示部221に表示されている全てのレイヤーLn(L1、L2、・・・)の情報を1つのページP1のデータとしてまとめる。さらに、時刻情報制御部213は、ページP1のデータに、その処理時点の時刻を示す時刻情報TSと情報IDを付加する。また、時刻情報制御部213は、別途、携帯情報端末11の記憶部24に保存されているユーザのスケジュールデータから、処理時点の時刻に設定されている予定のキーワードを読み出し、タグ情報としてページP1のデータに付加する。続いて、手書情報制御部212aは、ページP1のデータとともに付与された時刻情報TS及びタグ情報を記憶部24に記憶させる(ステップS22)。そして、表示制御部211は、第1表示部221の表示を背景色一色の状態にリセットする。
ページ更新の入力がなかった場合(ステップS21のNO)及び、上述したページPnのデータの記憶が完了した場合には、制御部21は、入力終了判定(ステップS23)を行う。
入力終了判定は、ユーザが図3(A)の入力終了ボタン29をタップしたか否かを判定する。ユーザが、入力終了ボタン29をタップしていた場合(ステップS23のYES)、制御部21は、手書き入力処理を終了する。
ユーザが入力終了ボタン29をタップしていない場合(ステップS23のNO)、手書情報制御部212aは、新たなレイヤーLnを作成し(ステップS24)、ユーザからの入力を待つためステップS12に戻る。
ステップS21において、ページ更新入力がない状態で、レイヤーLnが新たに作成されると、図5に示すように、新たに作成されたレイヤーL2は、先程まで情報を入力していたレイヤーL1の上に重ねられた状態で表示される。すなわち、新たにレイヤーL2に入力された情報は、レイヤーL1に入力された情報とは別のグループの情報として管理されながら、第1表示部221には、レイヤーL1に入力された情報とレイヤーL2に入力された情報とが重ねて表示される。
携帯情報端末11では、上述した手書き入力の途中で、簡単なまとめを行いたい場合や、項目を整理して箇条書きしたい場合など、手書き入力から、キーボード入力に切り替えることができる。キーボード入力に切り替える場合、ユーザは、携帯情報端末11を裏返して、キーボード入力部23の面を上側に向ける。
携帯情報端末11のキーボード入力部23側の面を上向きにすると、姿勢センサ25は、キーボード入力部23が上面であるとの信号を、制御部21の姿勢判定部214に送信する。姿勢判定部214は、姿勢センサ25からの出力によって、キーボード入力部23側が上面であると判定し、入力部としてキーボード入力部23を選択する信号を入力制御部212に送信する。入力制御部212は、姿勢判定部214からの信号にしたがって、キーボード入力部23の第2表示部231及びキーボード233をアクティブにする。これにより、携帯情報端末11は、ユーザからの情報入力待ち状態となる。
また、携帯情報端末11を裏返した時点で、手書き入力部22の第1表示部221に表示されていた内容が、図3(B)のように、サムネイル表示部231bに表示される。これにより、ユーザは、直前に手書き入力していた内容を確認しつつ、キーボード入力することができる。
また、制御部21は、キーボード入力部23をアクティブ状態にするとともに、手書き入力部22をスリープ状態にする。すなわち、第1表示部221をオフするとともに、タッチパネル222をオフにする。これにより、キーボード入力中にタッチパネル222に触れてしまった場合等の誤操作を防止することができる。
キーボード入力は、文字による情報入力を基本としている。ユーザは、情報の入力を行いながら、適当なタイミングで、時刻入力キー31を押下することにより、入力時の時刻情報TS、すなわち入力時の日付及び時刻を入力することができる。これにより、簡単な操作で、図3(B)のように時刻情報TSを入力することができるとともに、入力された情報のグループとしてのキーボード入力情報と、時刻情報TSとを関連づけて保存することができる。また、時刻情報TSは、上述の手書き入力時の中断時間タイマーTIを用いて、一定時間入力が中断された場合に時刻情報TSが入力されることとしてもよい。
時刻情報制御部213は、時刻情報TSを付加するタイミングで、今回キーボード入力されたキーボード入力情報に、情報IDと時刻情報TSを付加して、記憶部24に記憶させる。
サムネイル表示部231bは、キーボード入力に切り替える直前の内容だけでなく、それ以前に入力されたページPnを表示させることもできる。例えば、サムネイル表示部231bにタッチパネル(図示せず)が備えられており、サムネイル表示部231bがタップされると、制御部21がタップを検知して、前のページPn−1の情報を記憶部24から読み出し、サムネイル表示部231bに出力して表示させる。これにより、ユーザは、以前に入力した関連情報を参照しつつ、キーボード入力できる。
キーボード入力から、再度手書き入力に戻る場合には、携帯情報端末11を裏返して、手書き入力部22を上面に向ける。
上述の通り、携帯情報端末11の手書き入力部22側の面を上向きにすると、姿勢センサ25は、手書き入力部22が上面であるとの信号を、制御部21の姿勢判定部214に送信する。姿勢判定部214は、姿勢センサ25からの出力によって、手書き入力部22側が上面であると判定し、入力部として手書き入力部22を選択する信号を入力制御部212に送信する。入力制御部212は、姿勢判定部214からの信号にしたがって、手書き入力部22の第1表示部221及びタッチパネル222をアクティブにする。これにより、携帯情報端末11は、ユーザからの情報入力待ち状態となる。
また、携帯情報端末11を裏返した時点で、キーボード入力部23の主表示部231aに表示されていた内容が、図3(A)のように、第1表示部221の一部のサムネイル表示部221aに表示される。これにより、ユーザは、直前にキーボード入力していた内容を確認しつつ、手書き入力することができる。
サムネイル表示部221aは、手書き入力に切り替える直前の内容だけでなく、それ以前に入力されたキーボード入力情報を表示させることもできる。例えば、サムネイル表示部221aをスワイプすることにより、サムネイル表示部221aの表示をスクロールさせ、以前に入力されたキーボード入力情報を表示させる。これにより、ユーザは、以前に入力した関連情報を参照しつつ、手書き入力できる。
また、制御部21は、手書き入力部22をアクティブ状態にするとともに、キーボード入力部23をスリープ状態にする。すなわち、第2表示部231をオフするとともに、キーボード233をオフにする。これにより、手書き入力中にキーボード233に触れてしまった場合等の誤操作を防止することができる。
ユーザは、上記のように手書き入力とキーボード入力とを適宜選択しながら、必要な情報を携帯情報端末11に漏れなく入力してゆく。すなわち、ユーザは、手書き入力のみ、キーボード入力のみだけでなく、文字情報をキーボード入力しながら、図のみ手書き入力する等、最適な方法を選択しつつ、情報を入力する。そして、会議の終了などにより、必要な入力が完了すると、ユーザは、手書き入力部22の入力終了ボタン29又はキーボード入力部23の入力終了キー32を押下して、入力操作を終了する。
上述の手書き入力処理では、中断時間タイマーTIによって計測された中断時間が、予め設定されたレイヤー更新時間を超えている場合に、レイヤーLnを更新することとしたが、ユーザからの入力によってレイヤーLnを更新することとしてもよい。例えば、キーボード入力部23の時刻入力キー31と同様に、時刻入力ボタンを第1表示部221に表示させる。そして、ユーザが時刻入力ボタンをタップすると、制御部21は、入力中のレイヤーLnのデータに、情報ID、時刻情報TS及びタグ情報を付加して記憶部24に記憶させるとともに、新たなレイヤーLnを作成する。これにより、任意の時点で、時刻情報TSを付加した手書入力情報を保存することができるので、例えば、会議中において重要な情報を入力した時点でレイヤーLnを更新し、重要な情報とこれを入力した時刻とを関連付けて保存することができる。
次に、入力された情報の分析(まとめ)を行う分析モードでの携帯情報端末11の動作について説明する。
情報の分析を行う場合、ユーザは、図3(A)の手書き入力部22の情報分析ボタン28をタップするか、または図3(B)のキーボード入力部23の情報分析キー33を押下して、入力した情報の記録を表示させる。図6は、手書き入力部22の第1表示部221に、入力した情報の記録を表示させた場合の図である。図6のように、表示画面の上部には、過去に記録された情報を時系列で示すインデックスバー35が表示されている。インデックスバー35の下方には、選択情報表示部36が配置され、インデックスバー35で選択された情報が表示されている。ユーザは、インデックスバー35をスワイプすることで、配列された情報のインデックス表示をスクロールさせる。そして、表示させたい情報を、図6中黒三角で示すインデックスバー35の中心位置に移動させることによって選択する。
選択情報表示部36の左側には、選択された情報を示す情報ID、選択された情報の入力時刻及び選択された情報のタグ等の情報が表示されている。入力時刻は、選択された情報に関連づけて保存されている時刻情報TSに基づく日付と時刻である。タグは、上述したように、携帯情報端末11に予め記録されたユーザのスケジュールから、自動的に付加された情報である。タグは、タグの表示部をタップしてキーパッドを立ち上げて(図示せず)、修正することができる。
インデックスバー35に表示される各情報のインデックス表示は、各情報に付加されたタグによって、色分けされている。これにより、関連するテーマの情報を容易に検索することができる。また、テーマ抽出ボタン43をタップすることにより、選択されている情報と同じタグが付加されている情報のみをインデックスバー35に表示させることもできる。
インデックス表示は、時刻情報TSが付与されている情報グループごとに表示される。手書き入力された情報では、レイヤーLnごとに時刻情報TSが付与されている。したがって、インデックスバー35に表示される情報グループは、通常、レイヤーLnごとに表示される。ユーザは、レイヤーLnごとでなく、ページPnごとにまとめて情報を閲覧したい場合には、図6に示す表示切替ボタン39をタップする。これにより、インデックスバー35の表示が、ページPnごとの表示に切り替えられるとともに、選択情報表示部36には同一ページPnの各レイヤーの情報が重ねられた状態で表示される。
ページPnを選択して、追記モードボタン44をタップすると、制御部21は、選択されたページPnに新たなレイヤーLnを作成する。これにより、ユーザは、表示されたページPnの上に、情報の分析整理(まとめ)を行うための情報の追記が可能な状態となる。まとめの際に追記される情報は、情報収集時のものとは別の色で表示される。例えば、情報収集時の情報は黒色で表示され、情報分析時の情報は赤色で表示される。これにより、ユーザは、表示されている情報が情報収集時のものか、情報分析時のものかを判別することができる。
情報分析時の入力画面は、上述した情報収集時の入力画面(図3(A)及び図3(B))と同様である。
上述のように、携帯情報端末11に入力され、記憶部24に記憶されている情報は、時刻情報TSに基づいて、インデックスバー35に時系列に表示されている。すなわち、ユーザは、手書き入力、キーボード入力を適宜選択しながら入力された情報を、入力手段の別にかかわらず、入力された時刻を追って閲覧することができる。
このように、本実施形態によれば、手書き入力とキーボード入力とを適宜選択しながら効率的に情報入力を行うことができるため、ユーザは漏れなく情報を記録することができる。また、入力された情報を時系列に沿って確認できるので、関連する情報を容易に確認し、効率的に情報分析を行うことができる。
(実施形態2)
続いて、実施形態2に係る携帯情報端末12について説明する。本実施形態では、入力された情報の真正性を確保するため、入力した情報グループごとに算出されたハッシュ値をサーバに保存する点、音声情報を入力可能な点、及び、検索情報を入力可能な点で、上記実施形態1と異なる。その他の構成は上記実施形態1の構成と同様であるので、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7は、本実施形態2に係る携帯情報端末12の機能ブロック図である。携帯情報端末12は、通信部45と、音声入力部46とを備える点で、図1の携帯情報端末11と異なる。また、制御部21は、音声入力部46を制御する音声入力制御部212bと、入力情報のハッシュ値を算出するハッシュ値算出部215とを備える点で図1の携帯情報端末11と異なる。
図7に示すように、通信部45は、制御部21の制御に従って、携帯情報端末12とネットワーク上のサーバ51との間でデータの送受信を行う。通信部45の通信方式としては、例えばWi−Fi等を用いた無線LAN(Local Area Network)接続であり、ルーターを介して外部ネットワーク上のサーバ51と通信可能に接続される。
音声入力部46は、マイクなどの音声入力装置を備え、例えば、携帯情報端末12の使用者の音声を音声データに変換して出力する。音声入力部46で変換された音声データは、音声入力制御部212bに出力され、音声入力制御部212bから記憶部24に送信されて、記憶部24に記憶される。
次に、情報入力(記録)を行う場合の携帯情報端末12の動作について説明する。図8には、携帯情報端末12の情報入力時の画面が示されている。手書き入力及びキーボード入力による情報の入力方法は、基本的に、実施形態1に係る携帯情報端末11と同様である。
図8は、タッチパネルで実現されるソフトウエアキーボードであるキーボード233を備えるキーボード入力部23を示す図である。図8のように、第2表示部231は、主表示部231aとして、キーボード入力情報を表示するとともに、画面の一部に手書入力情報を表示するサムネイル表示部231bが配置されている。また、主表示部231aには、音声記録開始ボタン37が表示されている。
ユーザが、音声記録開始ボタン37をタップすると、制御部21の音声入力制御部212bは、音声記録開始ボタン37がタップされたことを検知して、音声入力部46による音声入力を開始する。また、表示制御部211は、音声記録開始ボタン37の表示を、音声記録終了ボタン(図示せず)に変更して主表示部231aに表示させる。音声入力部46は、マイクで集音した音声を音声データとして音声入力制御部212bへ送信する。
ユーザは、音声記録を終了する時には、音声記録終了ボタンをタップする。音声入力制御部212bは、音声記録終了ボタンがタップされたことを検知すると、音声入力部46からの音声入力を終了する。そして、時刻情報制御部213は、入力された音声データである音声入力情報に、録音を終了した時刻の時刻情報TSと情報IDを付加して、記憶部24に記憶させる。
また、携帯情報端末12では、音声情報記録中も、手書き入力、キーボード入力を行うことができる。この場合、音声入力は、携帯情報端末12を裏返して、手書き入力からキーボード入力に移行しても継続される。キーボード入力から手書き入力に移行した場合も同様である。音声情報記録中は、手書き入力部22、キーボード入力部23ともに音声記録終了ボタンが表示されており、音声記録終了ボタンがタップされると、上述のように、音声入力制御部212bがこれを検知して、音声入力を終了させ、音声入力情報に、情報IDと時刻情報TSを付加する。
また、制御部21は、予め携帯情報端末12に入力されているユーザのスケジュール情報から、タグ情報を生成する。そして、音声入力情報にタグを付加して、音声入力情報、情報ID、時刻情報TS及びタグを記憶部24に記憶させる。
また、制御部21のハッシュ値算出部215は、予め定められたアルゴリズムに基づいて音声入力情報のハッシュ値を算出する。そして、制御部21は、算出したハッシュ値と、音声入力情報の情報IDと、時刻情報TSとを関連づけた情報として、通信部45を介してサーバ51に送信し、サーバ51に記憶させる。
携帯情報端末12では、手書入力情報、キーボード入力情報等、音声入力情報以外の入力情報についても、時刻情報TSを付加するタイミングで、ハッシュ値を算出する。例えば、手書入力情報の場合、1つの情報グループであるレイヤーLnごとに、入力が完了したと判断された時に、時刻情報制御部213は、手書入力情報に時刻情報TSと情報IDを付加し、ハッシュ値算出部215は、手書入力情報のハッシュ値を算出する。ハッシュ値の算出は、一般的なアルゴリズムを用いて行うことができる。例えば、MD5アルゴリズムを用いて算出する。
上述のように、本実施形態に係る携帯情報端末12は、算出されたハッシュ値を、ハッシュ値を算出した情報グループの情報ID及び時刻情報TSに関連づけた情報として、通信部45を介してサーバ51に送信し、サーバ51に記憶させる。これにより、入力された情報の真正性を保つことができる。情報の真正性は、例えば、研究ノートのように、記録された内容と記録した日時との関係を明確にして保存することを求められる場合に、特に有効である。
また、携帯情報端末12は、Webブラウザを使った検索機能を備えている。例えば、図8のキーボード入力中に第2表示部231に表示されているブラウザボタン38をタップすると、制御部21は、図9のようにWebブラウザ49を起動させる。ユーザがWebブラウザ49に検索語を入力して検索を実行すると、携帯情報端末12は、通信部45からネットワークを介して外部サーバ等と通信し、検索結果を取得する。そして、検索結果をWebブラウザ49上に表示させる。ユーザは、さらに検索結果から必要な情報にアクセスすることができる。そして、第2表示部231の記録ボタン41をタップすると、制御部21は、これを検知し、Webブラウザ49に表示された情報である検索情報に、情報IDと時刻情報TSを付与して、記憶部24に記憶させる。
次に、入力された情報の分析(まとめ)を行う場合の携帯情報端末12の動作について説明する。
情報分析を行う場合、ユーザは、図8に示す、携帯情報端末12の情報分析ボタン28をタップして、第2表示部231に入力した情報の記録を表示させる。入力された情報の表示画面は、実施形態1の場合(図6)と同様である。
インデックスバー35には、手書入力情報、キーボード入力情報、音声入力情報及び検索情報が、携帯情報端末11の場合と同様に時系列で表示される。選択された情報の内容を表示する選択情報表示部36には、手書入力情報、キーボード入力情報が、レイヤーLnごと、ページPnごと等、情報グループ単位で表示される。音声入力情報が選択されている場合には、選択情報表示部36には、内容は表示されず、音声入力情報のID、入力時刻及びタグが表示される。
ユーザは、時刻情報TSと、タグの内容から、関連する入力情報を効率的に参照し、情報分析(まとめ)を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る携帯情報端末12では、手書入力情報、キーボード入力情報とともに、音声入力情報及び検索情報も記憶させることができるので、効率的に情報を収集することができる。また、手書入力情報、キーボード入力情報とともに、音声入力情報及び検索情報も時刻情報TSとともに記憶されているので、関連する情報に効率的にアクセスし、情報の分析、まとめを行うことができる。
また、情報グループごとに、ハッシュ値を算出し、サーバ51に記憶させるので、入力した情報と、その日時について真正性を担保することができる。
本実施形態では、音声入力情報とその他の入力情報は、独立した情報として記憶部24に記憶されることとしたが、これに限られない。例えば、キーボード入力中に音声記録終了ボタンがタップされ、音声入力が終了された場合には、直前に入力されていた文字情報に、音声入力情報へのリンクを付加することとしてもよい。これにより、情報分析時に、文字情報の表示画面から、音声入力情報へのリンクが付与された単語などの文字情報をタップすることにより、音声入力情報を再生することができる。したがって、より効率的に関連情報にアクセスすることが可能となる。
また、通信部45は、ネットワーク上のサーバ51と通信することとしたが、図10に示すように、ドッキングステーションと接続され、ドッキングステーションに接続される外部ディスプレイ、外部キーボード、マウスなどと通信することとしてもよい。例えば、表示制御部211は、第2表示部231の表示内容を、通信部45を介して外部ディスプレイに送信して表示させるとともに、入力制御部212は、通信部45を介して外部キーボードからの入力を受け付ける。これにより、大型のディスプレイ等に表示させながら作業を行うことができるので、特に、情報分析時に快適に作業することが可能となる。
また、通信部45は、図11に示すように、テーブル型モニタと有線または無線で接続されることとしてもよい。この場合、テーブル型モニタは、タッチパネルを備える大型モニタであることが好ましい。表示制御部211は、第1表示部221及び第2表示部231の少なくとも一方の表示内容を、通信部45を介して外部ディスプレイであるテーブル型モニタに表示させ、仮想化端末VT1として動作させる。これにより、ユーザは、テーブル型モニタ上で他の資料を参照しつつ、携帯情報端末12に効率的に情報を入力することができる。また、テーブル型モニタは、キーボード入力の操作性を向上させるため、物理的な外部キーボードを接続可能に構成してもよい。
また、上記テーブル型モニタは、図12に示すように、複数のユーザの仮想化端末VT1〜VT4として動作させるよう構成されていてもよい。この場合、テーブル型モニタは、さらに、各ユーザが情報を入力することができる共用ワークスペースC1を備えていてもよい。これにより、複数のユーザが会話をしながら、携帯情報端末12に情報を入力することができる。
また、携帯情報端末12は、音声認識機能を備えることとしてもよい。例えば、音声入力制御部212bは、記憶部24に予め記憶された音声認識プログラムを実行することにより、音声認識を行う。これにより、ユーザは、音声によって、モード変更等、携帯情報端末12の操作を行うことができる。
(実施形態3)
続いて、実施形態3に係る携帯情報端末13について説明する。本実施形態では、携帯情報端末の一方の面に手書き入力部とキーボード入力部とが配置される点で、上記各実施形態と異なる。その他の構成は上記実施形態1の構成と同様であるので、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
携帯情報端末13の手書き入力部22の基本的な機能及び構成は、図13(A)に示すように、図3(A)の携帯情報端末11と同様である。携帯情報端末13では、図13(A)のように、入力切替ボタン42が表示されている。ユーザが入力切替ボタン42をタップすると、図13(B)に示すように、タッチパネル上にキーボードを表示させて、ソフトウエアキーボードとして機能させるキーボード入力部23に切り替わる。例えば、手書きによる情報入力中に、入力切替ボタン42をタップすると、時刻情報制御部213は、直前まで入力していた手書入力情報に情報IDと時刻情報TSを付与して、記憶部24に記憶させる。手書き入力時のレイヤー構造等は、実施形態1及び実施形態2と同様である。
また、図13(B)のキーボード入力時に、入力切替ボタン42をタップした場合には、キーボード入力部23は、図13(A)に示す手書き入力部22に切り替わる。そして、時刻情報制御部213は、直前まで入力していたキーボード入力情報に情報IDと時刻情報TSを付与して、記憶部24に記憶させる。
以上説明したように、本実施形態に係る携帯情報端末13では、携帯情報端末13の一方の面で手書き入力部22及びキーボード入力部23を実現することとしている。これにより、携帯情報端末13に組み込まれる表示装置、タッチパネル、キーボード等を削減し、簡易な構造とすることができる。
(実施形態4)
続いて、実施形態4に係る携帯情報端末14について説明する。本実施形態では、制御部21が、手書入力情報及びキーボード入力情報に、位置情報PSを付加する点で、上記各実施形態と異なる。その他の構成は上記実施形態1の構成と同様であるので、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る携帯情報端末14は、図14の機能ブロック図に示すように、測位部26を備える。
測位部26は、GPS(Global Positioning System)モジュールであり、衛星から発信された電波に基づいて算出した携帯情報端末14の位置情報PSを制御部21に送信する。
携帯情報端末14は、手書き情報の入力中にレイヤーLnのデータを記憶部24に保存する場合、レイヤーLnのデータに、情報ID、時刻情報TSとともに、携帯情報端末14の位置情報PSを付加する。より具体的には、時刻情報制御部213は、手書きによる情報入力の中断時間が30秒を超えた場合、測位部26から位置情報PSを取得する。そして、時刻情報制御部213は、レイヤーLnのデータに、取得した位置情報PS、情報ID、時刻情報TS及びタグ情報を付加する。手書情報制御部212aは、レイヤーLnのデータとともに、情報ID、時刻情報TS、位置情報PS及びタグ情報を記憶部24に記憶させる。
また、ユーザからページ更新の入力があった場合、時刻情報制御部213は、ページPnのデータに、処理時点、すなわちページ更新の入力があった時点の時刻を示す時刻情報TS、位置情報PS、情報ID及びタグ情報を付加する。続いて、手書情報制御部212aは、ページPnのデータとともに、情報ID、時刻情報TS、位置情報PS及びタグ情報を記憶部24に記憶させる。
また、キーボード入力の場合、時刻情報制御部213は、キーボード入力情報に時刻情報TSを付加するタイミングで、キーボード入力情報に情報ID、時刻情報TSとともに位置情報PSを付加する。より具体的には、時刻情報制御部213は、時刻入力キー31が押下された場合、及び予め定められた一定の時間入力がなかった場合に、測位部26から位置情報PSを取得する。そして、時刻情報制御部213は、キーボード入力データに、取得した位置情報PS、情報ID、時刻情報TSを付加して、記憶部24に記憶させる。
以上説明したように、本実施形態に係る携帯情報端末14は、ユーザが入力した情報に、時刻情報TSとともに位置情報PSを付加して記憶部24に記憶させることとしている。これにより、ユーザは、携帯情報端末14に記憶された情報が、何処で入力されたものかを確認することができるので、より効率的に情報の整理、分析を行うことができる。
上述した各実施形態に係る携帯情報端末11〜14では、手書き入力部22、キーボード入力部23等の構成を横長の配置としたが、これに限られない。例えば、図15に示すように、縦長の配置としてもよい。これにより、縦長の資料を閲覧する場合等に、ユーザの作業性を向上させることができる。
また、姿勢センサ25によって、ユーザが、携帯情報端末11〜14を縦向きに持っているか、横向きに持っているかを判定し、画面表示を切り替えることとしてもよい。これにより、ユーザは、表示されている情報に適した表示画面の向きを選択することができる。
また、携帯情報端末11〜14では、ユーザが入力した情報に対して、分析モード時に上書きできることとしたが、これに限られない。例えば、電子化された文書等の情報を外部から読み込んで、上書きできることとしてもよい。これにより、多様な情報に基づいて情報分析を行うことができる。
また、携帯情報端末11〜14は、文字認識機能を備えることとしてもよい。例えば、制御部21は、記憶部24に記憶されている光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)プログラムを実行することにより、手書入力情報を認識する。これにより、手書き入力された情報を容易に編集することが可能となる。
また、実施形態1及び実施形態2では、一つの筐体において、手書き入力部22の反対面にキーボード入力部23が配置されることとしたが、これに限られない。例えば、図16のように、手書き入力部22が配置される第1の筐体と、キーボード入力部23が配置される第2の筐体とが、ヒンジ48によって連結される構成としてもよい。これにより、手書き入力部22とキーボード入力部23とが、反対面となるようにして使用できるとともに、第1表示部221と第2表示部231とを同時に見ながら作業することもできる。また、作業を行わない時には、手書き入力部22とキーボード入力部23とが向かい合うように、折り畳むことによって、表示部の液晶パネル、タッチパネル等を保護することができる。
また、図17に示すように、第1表示部221と第2表示部231とが第1の筐体に配置され、キーボード入力部23が第2の筐体に配置される構成としてもよい。この場合、第1の筐体と第2の筐体とが、ヒンジ48によって連結されていることが好ましい。これにより、第1の表示部221と第2の表示部231とが見比べやすくなるため、ユーザは、より効率的に情報を入力することが可能となる。また、作業を行わない時には、第1の表示部221、第2の表示部231が内側となるように、筐体を折り畳むことによって、表示部の液晶パネル、タッチパネル等を保護することができる。
また、実施形態2に係る携帯情報端末12では、音声情報を入力することができることとしたが、音声以外の情報を入力することとしてもよい。例えば、携帯情報端末11〜14は、画像情報、動画情報等の情報を入力可能に構成されてもよい。また、外部のネットワーク上に存在する音声情報、画像情報、動画情報へアクセスするためのリンク情報を入力することとしてもよい。これにより、多様な情報を取り扱うことができるため、ユーザは、効率的な情報入力を行うことができる。
また、携帯情報端末11〜14は、予め設定したリンク可能な各種環境情報、例えば気温、湿度等を記憶することとしてもよい。また、予め設定したリンク可能なユーザのバイタル情報、例えば血圧、体温等を記憶することとしてもよい。この場合、予め定められた一定時間間隔で各種環境情報、バイタル情報等を保存することとしてもよい。
また、実施形態2に係る携帯情報端末12は、入力された情報に、情報ID、時刻情報TS及びハッシュ値を付加して、ネットワーク上のサーバ51に記憶させることとしたが、これに限られない。例えば、時刻情報TSを付加する時点の位置情報PSをサーバ51に送信して、サーバ51に記憶させることとしてもよい。