JP2018109752A - 保持装置、レンズ装置、および撮像装置 - Google Patents

保持装置、レンズ装置、および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学性能の点で有利な保持装置を提供する。【解決手段】光学素子を保持する保持装置は、軸を有する鏡筒2と、鏡筒2と螺合して軸の方向においてレンズ1を鏡筒2に押圧してレンズ1を押さえる環状の押え部材3と、を有する。押え部材3は、鏡筒2に螺合している押え部材3を締め付ける締付工具に係合する係合部の少なくとも一部が、軸方向において、押え部材3が鏡筒2と螺合する領域に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ、フィルタ等の光学素子を保持する保持装置、レンズ装置、および撮像装置に関する。
従来より、光学素子をレンズ鏡筒内に収納保持する光学素子保持装置が提案されている。特許文献1に示されるよう、光学素子の外周部の領域を、全周に設けられた座面で保持した保持部材(鏡筒)に、外周部にねじを設けた円環状の押え部材(押え環)によって固定する、という構成の光学素子保持装置が広く用いられている。この種の光学素子保持装置においては、特許文献1の図5に示されているよう、押え環の光軸方向端面に設けられた工具穴に締付工具を挿入し、押え環を回転させてねじ込むことによって光学素子を強固に保持する組立方法が一般的である。
また、特許文献2には露光装置に用いる光学素子保持装置が開示されている。それは、120度ピッチで同一円周状に配置された3つの凸部を有するレンズと、当該レンズを前述の3つの凸部を介して3点支持するレンズ保持部材を備える光学素子保持装置を適用し、所望の解像度で露光する露光装置を提供する、というものであった。
特開2008−233631号公報 特開2002−267910号公報
しかしながら、上述の背景技術の項で説明した従来の光学素子保持装置では、組立時の押え環の回転によってねじ込み固定を行う際にレンズ変形が生じ、その結果として光学性能が変化し、撮影装置全体の結像性能が変化してしまう場合がある。そのため、当該変化に留意する必要がある。
ここで、図6乃至8を用いてこの問題を簡単に説明する。
図6は従来の光学素子保持装置U100の断面図、図7は、光学素子保持装置U100の組立の様子およびその時の押え環に発生する力のつり合い関係を示す図である。
光学素子保持装置U100の組立においては、レンズ101が鏡筒102に収容され、鏡筒ねじ部102aと押え環ねじ部103aが係合された状態で押え環103がねじ込まれることにより固定される。120は締付工具であり、その端部にはピン部120aが設けられている。押え環103の、レンズ光軸方向端面には、工具連結穴103bが形成されており、工具連結穴103bにピン部120aが挿入され、締付工具120に回転トルクTを与えることにより、押え環103の締付が行われる。
締付時に押え環に発生する力のつり合い関係について、図6および図7を用いて説明する。
締付工具120によって工具連結穴103bに与えられた締付荷重F101と、押え環ねじ部103aで発生する摩擦力F102と、押え環レンズ接触部103cで発生する摩擦力F103、これらがつり合い関係となる。押え環締付は、図7に示すよう、180度ピッチで押え環に2点で当接する構造の締付工具で締め付けることが一般的である。また、押え環ねじ部103aと押え環レンズ接触部103cはレンズの光軸Xに対して360度、略軸対称形状に形成されている。したがって、2ヶ所の工具連結穴103bに発生する荷重F1と、360度全周に渡って発生する、押え環ねじ部103aで発生する摩擦力F102と押え環レンズ接触部103cで発生する摩擦力F103とがつり合い関係となる。ここで、工具連結穴103bは押え環103の光軸方向端面に設けられる構造が一般的であるため、F1の発生箇所とF2およびF3の発生箇所には、光軸方向において、図6中にΔhで示す高さの差が存在する。したがって、上述した力のつり合い関係により、組付時に押え環103には、押え環を捻れ変形させるように働くモーメントMが発生することとなる。
図8は、組付時に発生するモーメントMによる押え環103の変形イメージを示す概念図であり、図6中、矢印Vで示す方向から押え環103を見た図である。組付時、上述したモーメントMにより、押え環103は矢印Vで示す方向から見て略8の字になるような変形をする。レンズ101および鏡筒102も、この押え環103の略8の字変形の影響を受けて変形し、締付工具120を離間した後も摩擦により変形状態が維持されてしまう。その結果として、レンズ101の残留ひずみが発生し、光学性能悪化の原因となる。
本発明は、例えば、光学性能の点で有利な保持装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る保持装置は、光学素子を保持する保持装置であって、軸を有する鏡筒と、前記鏡筒と螺合して前記軸の方向において前記光学素子を前記鏡筒に押圧して前記光学素子を押さえる環状の押え部材と、を有し、前記押え部材は、前記鏡筒に螺合している前記押え部材を締め付ける締付工具に係合する係合部の少なくとも一部が、前記方向においては、前記押え部材が前記鏡筒と螺合する領域に形成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、光学性能の点で有利な保持装置を提供することができる。
実施例1の光学素子保持装置の断面図 実施例1の光学素子保持装置の組立に用いる締付工具を示す図 実施例1の光学素子保持装置の組立の様子を示す図 光学素子保持装置での変形低減効果を説明する図 光学素子保持装置を示す図((a)実施例1の変形例、(b)実施例1の別の変形例、(c)実施例2、(d)実施例3) 従来例の光学素子保持装置の断面図 従来例の光学素子保持装置の組立の様子を示す図 締付時の押え環の変形状態の概念図 締付工具を示す図((a)実施例1の第一変形例、(b)実施例1の第二変形例、(c)実施例2)
図1から図4を用いて、本発明の実施例1に係る光学素子保持装置U1について説明する。
図1は、本実施例の光学素子保持装置U1の断面図である。図2は、本実施例の光学素子保持装置U1の組立に用いる締付工具(締付手段)を示す図である。図3は、本実施例の光学素子保持装置Uの組立の様子およびその時の押え環に発生する力のつり合い関係を示す図である。
鏡筒2に収容されたレンズ1が押え部材となる押え環3によって保持される。Xはレンズ1の光軸であり、鏡筒2および押え環3は、光軸Xに対して略軸対称形状の環状の構造物である。押え環3には、雌ねじの押え環ねじ部3aが設けられており、鏡筒に設けられた雄ねじの鏡筒ねじ部2aと係合する。また、押え環3は、押え環レンズ接触部3cを有しており、組立完了後には、押え環レンズ接触部3cがレンズ1と当接する。また、押え環の外周側面(外面)の対向する2箇所に、穴部3bが形成されており、これが押え環3の締付時に工具穴(係合部)として用いられる。穴部3bは、光軸方向(図中のX方向、押え環ねじ部3aの軸方向)において、押え環ねじ部3aと押え環レンズ接触部3cから構成される領域W内に、押え環ねじ部3aの径方向に形成されている。図2において、20は締付工具であり、その端部にはピン部20aが設けられている。ピン部20aは、図中矢印rで示す方向に移動可能な構造となっている。
図2および図3を用いて、本実施例の光学素子保持装置U1の組立方法について説明する。なお、図3においては、構造を理解しやすいよう、締付工具20の全体は不図示とし、ピン部20aのみ図示している。
鏡筒2にレンズ1を収容し、鏡筒ねじ部2aと押え環ねじ部3aを係合させ、押え環3を所定の位置に仮固定する。押え環3の締付工程においては、締付工具20のピン部20aを穴部(係合部)3bに挿入した状態で、締付工具20に締付トルクTrを与える。これにより、押え環3が鏡筒2にねじ込まれ、押え環レンズ接触部3cがレンズ1に当接し、レンズ1が鏡筒2に押圧され(押え環レンズ接触部3cと鏡筒2の当接部2bとの間で挟持され)、強固に保持される。所定の締付トルクまで締付を行った後、ピン部20aを穴部3bから離間し、押え環3の締付工程が完了する。
ここで、図2を用いて、押え環締付時に押え環に発生する力のつり合い関係について説明する。
締付工具20によって穴部3bに与えられた締付荷重F1と、押え環ねじ部3aで発生する摩擦力F2と、押え環レンズ接触部3cで発生する摩擦力F3、これらがつり合い関係となる。前述のように、穴部3bは押え環3外周側面の対向する2箇所に設けられており、押え環ねじ部3aと押え環レンズ接触部3cは光軸Xに対して360度、略軸対称に設けられている。2箇所の穴部3bで発生する締付荷重F1と、360度全周に渡って発生する、押え環ねじ部3aで発生する摩擦力F2と押え環レンズ接触部3cで発生する摩擦力F3とがつり合い関係となる。しかし、上述のように、穴部3bは、光軸方向において、押え環ねじ部3aと押え環レンズ接触部3cから構成される領域W内に配設されている。そのため、「発明が解決しようとする課題」の項で説明した従来の光学素子保持装置のように、締付荷重がかかる箇所と摩擦力が発生する箇所の光軸方向の位置の差に起因する捻れモーメントが発生しにくく、締付時の押え環3の捻れ変形を低減することができる。したがって、締付時の押え環3の変形の影響による、レンズ1および鏡筒2の変形も低減され、締付工具20を離間した後に残留するレンズ1の変形を低減できる。
ここで、コンピュータと市販の解析用ソフトウェアを用いた有限要素法によるシミュレーションにより本発明の効果確認を行った結果について説明する。鏡筒、レンズ、押え環のメッシュモデルを作成し、鏡筒を拘束した状態で押え環に所定の締付トルクを付与するという条件で、接触を考慮した変形解析を実施した。なお、鏡筒ねじ部と押え環ねじ部については、ねじ山形状も詳細に表現したメッシュモデルを計算に用いた。
図4は、解析結果からデータ処理により抽出した、締付トルクとレンズ歪量の関係を示すグラフである。横軸が締付トルク、縦軸がレンズ歪量である。レンズ歪量については、レンズの片側表面上の節点の、光軸方向変位の最大値と最小値の差をもって、レンズ歪量と定義している。本解析においては、図4中に示すよう、まず所定の設定トルクT1まで締付トルクを付与する計算ステップを設定する。その後、締付トルクを解放する計算ステップを設定することにより、光学素子保持装置の組立における押え環の締付工程を再現し、摩擦の影響で発生するレンズの残留歪を表現している。
締付トルクは、本実施例モデルについては本実施例で説明した穴部3bに相当する箇所、従来例モデルについては、「発明が解決しようとする課題」で説明した工具連結穴103bに相当する箇所に荷重条件として設定した。
図4からも明らかなように、同一の設定トルクT1で押え環の締付を行った場合の締付完了後に残留するレンズ歪量を比較すると、本実施例の光学素子保持装置でのレンズ歪Z1は従来例の光学素子保持装置でのレンズ歪Z2の約70%に抑えられる。この解析結果により、本実施例で説明した、押え環締め付けによるレンズ変形低減効果が確認できた。
なお、上記のシミュレーション結果は、本発明を適用した光学素子保持装置の一例を評価したものである。レンズ、鏡筒、押え環などの形状あるいは材質などの各種パラメータによって、レンズ変形量あるいは本発明の適用による変形低減効果などが本実施例の説明とは異なってくることは言うまでもない。
ここで、図5(a)および図5(b)を用いて、本実施例の光学素子保持装置の変形例を説明する。ここまで本実施例では、押え環に設けた穴部3bを用いて押え環の締付を行う形態について詳細に説明したが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではない。すなわち、押え環(押え部材)の締付のために締付工具の係合部としての穴部3bを押え環に有する例を説明したところ、当該係合部は、当該穴部には限定されず、以下に例示されたものとしうる。
例えば、図5(a)は本実施例の第一の変形例の光学素子保持装置U2の断面図である。基本的な構成はこれまで本実施例内で詳細に説明した光学素子保持装置U1と同様であるので、詳細な説明は省略する。押え環3の外周側面の対向する2箇所に、押え環ねじ部(鏡筒ねじ部)の軸方向に延在するように溝部3dが形成されており、これが押え環3の締付時に締付工具当接部(係合部)として用いられる。溝部3dは、前述した光学素子保持装置U1と同様に、光軸方向において、押え環ねじ部3aと押え環レンズ接触部3cから構成される領域W2内に配設されている。
上述のように、溝部3dは、その少なくとも一部が光軸方向に関し、押え環ねじ部3aと押え環レンズ接触部3cから構成される領域W2内に配設されている。そのため、「発明が解決しようとする課題」の項で説明した従来の光学素子保持装置のように、締付荷重がかかる箇所と摩擦力が発生する箇所の光軸方向の位置の差に起因する捻れモーメントが発生しにくく、締付時の押え環3の捻れ変形を低減することができる。
また、図5(b)は本実施例の第二の変形例の光学素子保持装置U3の断面図である。基本的な構成はこれまで本実施例内で詳細に説明した光学素子保持装置U1と同様であるので、詳細な説明は省略する。押え環3の外周側面の対向する2箇所に、外周側面から押え環ねじ部3aの径方向に突出するように突起部3eが形成されており、これが押え環3の締付時に締付工具当接部(係合部)として用いられる。突起部3eは、前述した光学素子保持装置U1と同様に、光軸方向において、押え環ねじ部3aと押え環レンズ接触部3cから構成される領域W3内に配設されている。
上述のように、突起部3eは、光軸方向において、押え環ねじ部3aと押え環レンズ接触部3cから構成される領域W3内に配設されている。そのため、「発明が解決しようとする課題」の項で説明した従来の光学素子保持装置のように、締付荷重がかかる箇所と摩擦力が発生する箇所の光軸方向の位置の差に起因する捻れモーメントが発生しにくく、締付時の押え環3の捻れ変形を低減することができる。
押え環3を鏡筒2へ螺合させて、押え環3の押え環レンズ接触部3cでレンズ1を押圧するときの理想的な状態は、締付工具によって押え環3に加えられる力によって押え環3が変形せず、それにより押え環3の接触部が一様な押圧力でレンズ1を押圧する状態である。すなわち、締付工具20が押え環3に力を加える場所は押え環3上にできるだけ均一に分散して一様に力が加えられる場合である。それを実現する一つの方法として、使用する力の範囲において発生する歪が許容範囲内となるような剛性を有する押え環として設計することが考えられる。一方、レンズ装置(光学装置)は要求される光学性能を満足するために通常複数のレンズを含み、個々のレンズに対して本発明の光学素子保持機構が使用されることになる。そのため、押え環3の光軸方向の厚さを厚くすることは困難な場合が多く、従来技術のような工具連結穴103bを力点として締付力を加えても光学性能に影響を及ぼさない変形しかしないような剛性の高い押え環とすることは困難である場合が多い。
また、押え環3を鏡筒2へ螺合させて押え環レンズ接触部3cでレンズ1を押圧するとき、鏡筒2に対し押え環3を周方向へ回動させる力(締付荷重F1)に対する抗力は、押え環ねじ部3aの摩擦力F2と、押え環レンズ接触部3cの摩擦力F3である。鏡筒ねじ部2aと押え環ねじ部3aとの接触面積の方が、押え環レンズ接触部3cとレンズとの接触面積より大きいことなどにより、前記抗力としては押え環ねじ部3aで発生する摩擦力F2が支配的となる場合が多い。そのため、穴部3b、溝部3d、4f、突起部3eなど(力点)に締付力を付与した場合は、従来例の工具連結穴103bで締付けた場合に比べ、鏡筒ねじ部2aと押え環ねじ部3aとの接触部と力点との間の距離が短いため、モーメントを小さくすることができる。すなわち、これらの観点において本発明の構成は、穴部3b、溝部3d、4f、突起部3eなどの力点を、押え環ねじ部の軸方向において、鏡筒ねじ部2aと押え環ねじ部3aの接触する範囲内に配置することにより、従来型に対して押え環3の捻れ変形を抑制し、より均一な押圧力で押圧してレンズを保持することができる。
本実施例の光学素子保持装置において、押え環に穴部、溝部、突起部のいずれを設けるかは、製品構造上の制約や生産上の都合により適宜選択して構わない。
また、本実施例の説明においては、押え環の締付に用いる穴部、溝部、突起部が押え環の外周側面の対向する2箇所、すなわち180度ピッチで形成されている構成について説明した。しかし、本発明の趣旨はこれに限定されるものではなく、例えば、90度ピッチ、60度ピッチ等、任意の間隔で任意の個数、穴部、溝部、突起部が形成されていても構わない。光学素子保持装置の組立においては、一度やや軽めに締付を行った後に、締付工具の当接位置を変えて増し締めを行うなど、作業者の知見に基づく作業上の工夫を施すことにより、締付時の押え環の変形をさらに低減し、本発明の効果をより高めることができる。
以上説明したように、本実施例の光学素子保持装置を適用することにより、押え環締付によるレンズの変形を低減でき、光学性能の悪化が発生しにくい光学素子保持装置を提供することができる。
図5(c)を用いて、本実施例に係る光学素子保持装置U4について説明する。
実施例1では、鏡筒の外周部に雄ねじが形成され、押え環の内周部に雌ねじが形成された、いわゆる外ねじ鏡筒タイプの構造の光学素子保持装置について説明した。しかし、本発明の趣旨はこれに限定されるものではなく、鏡筒の内周部に雌ねじが形成され、押え環の外周部に雄ねじが形成された、いわゆる内ねじ鏡筒タイプの光学素子保持装置においても本発明を適用できる。
図5(c)は、本実施例に係る光学素子保持装置U4の断面図である。
鏡筒2に収容されたレンズ1が押え部材となる押え環4によって保持される。Xはレンズ1の光軸であり、鏡筒2および押え環4は、光軸Xに対して略軸対称形状の環状の構造物である。押え環4には、雄ねじの押え環ねじ部4aが設けられており、鏡筒に設けられた雌ねじの鏡筒ねじ部2cと係合する。また、押え環4は、押え環レンズ当接部4cを有しており、組立完了後には、押え環レンズ当接部4cがレンズ1と当接する。また、押え環4の内周側面(内面)の対向する2箇所に、溝部4fが形成されており、これが押え環4の締付時に締付工具当接部(係合部)として用いられる。溝部4fは、光軸方向において、少なくともその一部が押え環ねじ部4aと押え環レンズ当接部4cから構成される領域内に配設されている。
本実施例の光学素子保持装置U4においては、上述したよう、溝部4fは、光軸方向において、少なくともその一部が押え環ねじ部4aと押え環レンズ当接部4cから構成される螺合領域内W4に配設されている。そのため、実施例1と同様、従来例の光学素子保持装置のような締付荷重がかかる箇所と摩擦力が発生する箇所の光軸方向の位置の差に起因する捻れモーメントが発生しにくく、締付時の押え環4の捻れ変形を低減することができる。したがって、締付時の押え環4の変形の影響による、レンズ1および鏡筒2の変形も低減され、締付完了後に残留するレンズ1の変形を低減することができる。
また、実施例1と同様、押え環4に設ける溝部4fについては、製品構造上の制約や生産上の都合により、穴部や突起部に変更しても構わない。
本実施例の構成により、鏡筒内周に雌ねじが形成され、押え環外周に雄ねじが形成された、いわゆる内ねじ鏡筒タイプの光学素子保持装置において、押え環締付によるレンズの変形を低減でき、光学性能の低下を抑制した光学素子保持装置を提供することができる。
図5(d)を用いて、本実施例に係る光学素子保持装置U5について説明する。
なお、基本的な構造は実施例1で説明した光学素子保持装置と同様であるため、図中、同一の構成要素は同一の符号で示し、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施例の光学素子保持装置U5に用いる押え環3の押え環の外周側面の対向する2箇所に、貫通穴3gが設けられている。貫通穴3gは、光軸方向において、押え環ねじ部3aと押え環レンズ接触部3cから構成される領域W5内に配設されている。組立に際しては、実施例1での説明と同様、まず、この貫通穴3gを締付工具当接部(係合部)として用い、押え環3の締め付け固定を行う。その後、組立完了後の押え環の緩みを防止するために、接着剤塗布装置40により貫通穴に接着剤41を塗布し、鏡筒ねじ部2aと押え環ねじ部3aを接着固定する。すなわち、本実施例の光学素子保持装置では、押え環3に設けられた貫通穴3gが、押え環締め付けに用いる工具穴としての機能と、接着剤塗布部としての機能の両方を果たす構成となる。
本実施例の光学素子保持装置U5においては、上述したよう、貫通穴3gは、光軸方向において、押え環ねじ部3aと押え環レンズ接触部3cから構成される領域W5内に配設されている。そのため、実施例1で説明した光学素子保持装置U1と同様、従来例の光学素子保持装置のような締付荷重がかかる箇所と摩擦力が発生する箇所の光軸方向の位置の差に起因する捻れモーメントが発生しにくく、締付時の押え環3の捻れ変形を低減することができる。したがって、締付時の押え環3の変形の影響による、レンズ1および鏡筒2の変形も低減され、締付完了後に残留するレンズ1の変形を低減することができる。さらに、上述したよう、貫通穴3gを用いて鏡筒ねじ部2aと押え環ねじ部3aに接着剤41を塗布することにより、押え環3によるレンズ1の保持強度を高めることができる。
以上説明したように、本実施例の光学素子保持装置を適用することにより、押え環締付によるレンズの変形を低減でき、光学性能の悪化が発生しにくく、かつ、高いレンズ保持強度を有する、耐衝撃性にも優れた光学素子保持装置を提供することができる。
実施例においては、本発明の光学素子保持装置で保持する光学素子が単レンズである場合を例示して説明したが本発明はこれに限定されるものではない。単レンズの他、レンズ装置の鏡筒内に光学系を構成する光学素子には同様に適用することができる。例えば、光軸に対して垂直方向の成分を有する方向に移動可能に防振レンズを支持する防振ユニット、絞りユニット、フィルタ等を保持する場合にも同様の効果を享受することができる。
本発明の光学素子保持装置に保持された光学要素を有するレンズ装置を構成することによって、本発明の効果を享受するレンズ装置を提供することができる。また、本発明の光学素子保持装置に保持された光学要素を有するレンズ装置と、該レンズ装置によって形成される光学像を受光する撮像素子を有するカメラ装置とにより、本発明の効果を享受する撮像装置(光学装置)を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。例えば、実施例1において示した締付工具20は、実施例1の第一変形例、実施例1の第二変形例、および実施例2にそれぞれ整合させて、以下のように変更されうる。
まず、図9(a)は、実施例1の第一変形例に関する締付工具を示す図である。図9(a)において、締付工具21は、その一部(凸部)が、押え環3に形成された上述の溝部3dに係合するように構成されている。そのような係合状態で、締付工具21に締付トルクTrを与えればよい。これにより、押え環3が鏡筒2にねじ込まれ、押え環3の接触部3cがレンズ1に当接し、レンズ1は、鏡筒2に押圧され(接触部3cと鏡筒2の当接部2bとの間で挟持され)、鏡筒2により強固に保持される。
また、図9(b)は、実施例1の第二変形例に関する締付工具を示す図である。図9(b)において、締付工具22は、その凹部が、押え環3に形成された上述の突起部3eに係合するように構成されている。そのような係合状態で、締付工具22に締付トルクTrを与えればよい。これにより、押え環3が鏡筒2にねじ込まれ、押え環3の接触部3cがレンズ1に当接し、レンズ1は、鏡筒2に押圧され(接触部3cと鏡筒2の当接部2bとの間で挟持され)、鏡筒2により強固に保持される。
さらに、図9(c)は、実施例2に関する締付工具を示す図である。図9(c)において、締付工具23は、その一部(凸部)が、押え環4に形成された上述の溝部4fに係合するように構成されている。そのような係合状態で、締付工具23に締付トルクTrを与えればよい。これにより、押え環4が鏡筒2にねじ込まれ、押え環4の当接部4cがレンズ1に当接し、レンズ1は、鏡筒2に押圧され(当接部4cと鏡筒2の当接部2bとの間で挟持され)、鏡筒2により強固に保持される。
なお、実施例3(図5(d))に関する締付工具は、既述のように、実施例1において示した締付工具20と同様のものとしうる。
なお、締付工具は、専用の工具として例示したが、それには限定されない。使用する押え環に適用できる限りは、汎用の工具を用いうるものである。また、締付トルクTrを与えるための締め付けは、手動または電動等によることができ、適用できる限りは公知のいかなる手段によってもよい。
また、光学素子を保持している装置を製造する以下の方法も有用である。当該方法は、光学素子と、該光学素子を保持する既述の保持装置とを準備する工程を含みうる。当該方法は、さらに、鏡筒に螺合している押え部材を締め付ける締付工具を係合部に係合させて押え部材を締付工具で締め付け、鏡筒の軸の方向において押え部材で光学素子を鏡筒に押圧する工程を含みうる。
2:鏡筒
2a:鏡筒ねじ部
3、4:押え環(押え部材)
3a、4a:押え環ねじ部
3b:穴部(係合部)
3d、4f:溝部(係合部)
3e:突起部(係合部)
U1:光学素子保持装置

Claims (10)

  1. 光学素子を保持する保持装置であって、
    軸を有する鏡筒と、
    前記鏡筒と螺合して前記軸の方向において前記光学素子を前記鏡筒に押圧して前記光学素子を押さえる環状の押え部材と、
    を有し、
    前記押え部材は、前記鏡筒に螺合している前記押え部材を締め付ける締付工具に係合する係合部の少なくとも一部が、前記方向においては、前記押え部材が前記鏡筒と螺合する領域に形成されている、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 前記押え部材は、前記係合部としての穴が、その外面に、その径方向に沿って形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  3. 前記押え部材は、前記係合部としての溝が、前記軸の方向に沿って形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  4. 前記押え部材は、前記螺合のための雌ねじを有し、
    前記溝は、前記押え部材の外面に形成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の保持装置。
  5. 前記押え部材は、前記螺合のための雄ねじを有し、
    前記溝は、前記押え部材の内面に形成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の保持装置。
  6. 前記押え部材は、その径方向に突出する、前記係合部としての突起部を有することを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  7. 前記押え部材は、前記螺合のための雌ねじを有し、
    前記突起部は、前記押え部材の外面に形成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の保持装置。
  8. 光学素子と、
    前記光学素子を保持する請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の保持装置と、
    を有することを特徴とする光学装置。
  9. 前記光学素子を介して形成された像を受ける撮像素子を有することを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
  10. 光学素子を保持している装置を製造する方法であって、
    前記光学素子と、前記光学素子を保持する請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の保持装置とを準備する工程と、
    前記締付工具を前記係合部に係合させて前記押え部材を前記締付工具で締め付け、前記方向において前記押え部材で前記光学素子を前記鏡筒に押圧する工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
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