JP2018109658A - プラスチック光学部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 厚肉のプラスチック光学部材であっても、変形が少なく、変形による光学性能の悪化が抑制された複合プラスチック光学部材を提供すること。
【解決手段】 芯部材の第1の光学面および第2の光学面がプラスチックによって被覆されるとともに前記芯部材の一部が露出した複合プラスチック光学部材であって、
前記芯部材は前記第1の光学面および前記第2の光学面をつなぐ側面に、凹部が形成された鍔部を有し、
前記鍔の少なくとも一部が露出していることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 芯部材の第1の光学面および第2の光学面がプラスチックによって被覆されるとともに前記芯部材の一部が露出した複合プラスチック光学部材であって、
前記芯部材は前記第1の光学面および前記第2の光学面をつなぐ側面に、凹部が形成された鍔部を有し、
前記鍔の少なくとも一部が露出していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、デジタルカメラや複写機等の光学機器に使用されるプラスチック光学部材及びその製造方法に関するものである。
近年、射出成形法を用いた厚肉の光学部材を製造する需要が高まっている。しかし光学部材の厚さが増加するに伴って、成形中に先に硬化する表面プラスチック層と遅れて硬化する内部プラスチック部との間の硬化収縮の差による応力の増加がみられる。それによる光学部材内部に真空泡(ボイド)の発生や、内部応力の残留という問題点が発生する。また、このような厚肉の光学部材については、金型内における冷却時間が厚さの増加により急激に長くなるため、成形サイクルが著しく増大するという問題点もある。
そこでこのような問題点を解決するためにプラスチック製の芯部材が内部に収容され、該芯部材の表裏光学面に同時に被覆プラスチックで一体化するという複合プラスチック光学部材の発明が提案されている。(特許文献1)
複合プラスチック光学部材の光学性能悪化抑制
射出成形を用いて複合プラスチック光学部材を製造する場合、芯部材を被覆プラスチック用金型へインサートする必要がある。特許文献1では、芯部材の鍔部を被覆プラスチック用金型で挟み込む構成となっている。光軸方向の位置合わせは芯部材の鍔部を金型で挟み込み、保持することで行うことになる。しかし、芯部材の鍔部の厚みは製造上の誤差を伴っており、目標値より厚みが厚すぎると芯部材の鍔部を被覆プラスチック用金型で挟み込む際の力が強くなってしまう。結果、芯部材の鍔部を大きく変形させ、その変形が芯部材の光学面まで伝わり、芯部材の光学面精度を悪化させる事が懸念される。特に芯部材のプラスチック材質と被覆プラスチック材質が異なる場合、芯部材プラスチック材質と被覆プラスチック材質との間には屈折等の光学性能に差がある。そのため、複合プラスチック光学部材の光学性能は、いかに設計値通りに光学部材が製造できるかどうかに左右される。特に、芯部材の光学面の形状精度、および被覆プラスチックの形状精度によって大きく影響される。つまり芯部材の光学面の悪化は光学性能への悪影響が大きい。
本発明の複合プラスチック光学部材は、
第1の光学面と、第2の光学面と、前記第1の光学面と前記第2の光学面をつなぐ側面と、を有する芯部材の、前記第1の光学面および前記第2の光学面が、プラスチックによる被覆部によって被覆された複合プラスチック光学部材であって、前記芯部材の前記側面には、少なくとも一部が露出している鍔部が設けられており、前記鍔部の前記第1の光学面およびまたは第2の光学面側には凹部が形成されていることを特徴とする。
第1の光学面と、第2の光学面と、前記第1の光学面と前記第2の光学面をつなぐ側面と、を有する芯部材の、前記第1の光学面および前記第2の光学面が、プラスチックによる被覆部によって被覆された複合プラスチック光学部材であって、前記芯部材の前記側面には、少なくとも一部が露出している鍔部が設けられており、前記鍔部の前記第1の光学面およびまたは第2の光学面側には凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明の複合プラスチック光学部材の製造方法は、第1の光学面、第2の光学面、および前記第1の光学面と前記第2の光学面とをつなぐ側面を有し、前記側面に鍔部が設けられ、前記鍔部の前記第1の光学面およびまたは第2の光学面側には凹部が形成された芯部材を、金型内にインサートし、前記鍔部を前記金型に挟み込んだ状態で、前記金型内に形成された、前記第1の光学面上に被覆部を形成するための空間と、前記第2の光学面上に被覆部を形成するための空間とをつなぐ空間から前記金型内に樹脂を注入することを特徴とする複合プラスチック光学部材の製造方法。
本発明によれば、厚肉のプラスチック光学部材であっても、変形が少なく、変形による光学性能の悪化が抑制された複合プラスチック光学部材を提供することが可能となる。
(第一の実施形態)
図1は本発明の複合プラスチック光学部材の実施形態の一例を示す図であり、図1(a)は本実施形態の光軸方向から見た際の平面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。A−A断面は、複合プラスチック光学部材6の光軸を含む光軸と平行な平面で切断した断面である。図1(c)は、図1(b)に示すCで囲んだ部分の拡大図である。
図1は本発明の複合プラスチック光学部材の実施形態の一例を示す図であり、図1(a)は本実施形態の光軸方向から見た際の平面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。A−A断面は、複合プラスチック光学部材6の光軸を含む光軸と平行な平面で切断した断面である。図1(c)は、図1(b)に示すCで囲んだ部分の拡大図である。
図中、6は本実施形態の複合プラスチック光学部材である。複合プラスチック光学部材6のうち、1は芯部材、2は芯部材1の鍔部、3は鍔部2に形成された凹部である。41は芯部材1の第1の光学面、42は芯部材1の第2の光学面、20は芯部材1の第1の光学面41と第2の光学面42をつなぐ側面である。そして、鍔部2は、側面20の一部から突出すように形成されている。5は芯部材の第1の光学面41および第2の光学面42上に形成される被覆プラスチックによる被覆部、61は複合プラスチック光学部材の第3の光学面であり、62は複合プラスチック光学部材の第4の光学面である。
第1の光学面を光軸方向(矢印Oの方向)から見た時、芯部材1の側面20と被覆部5の外周の少なくとも一部分は重なって見える。つまり、芯部材1の側面20と被覆部5の外周の少なくとも一部分は光軸からの距離が等しい。そして、第1の光学面を光軸方向(矢印Oの方向)から見た時、凹部が芯部材1の側面20あるいは被覆部5の外周より外側に、側面20あるいは被覆部5の外周に沿って形成されている。つまり、凹部の、光軸からの距離が一番近い部分における光軸からの距離は、芯部材1の側面20と被覆部5の外周光軸からの距離よりも長い。ここで、光軸からの距離とは、光軸と垂直方向における光軸からの距離であると定義する。
また、第1の光学面を光軸方向(矢印Oの方向)から見た時、複合プラスチック光学部材の一部には光軸と平行な面で切り取った切り欠きがあってもよい。そしてその切り欠きに、芯部材の1の光学面41上に形成されている被覆部と第2の光学面42上に形成されている被覆部をつなぐリブ181が形成されていてもよい。
鍔部2は、複合プラスチック光学部材を光軸方向から見た時、いちばん外側の面となる外周面、外周面と芯部材1の側面あるいは被覆部5の外周とをつなぐ第1の光学面および第1の光学面とは反対側の面である第2の光学面を有し、外周面は、第1の光学面と第2の光学面をつなぐ面である。そして、第1の光学面およびまたは第2の光学面の一部分に凹部3が形成されている。凹部3の内面は、第一の側面31と、第二の側面32と、第一の側面31と第二の側面32をつなぐ底面33からなっている。7は凹部3の幅、8は凹部3の深さ、9は鍔部2の厚みを示す。30は、凹部3の、第一の側面31と、芯部材の側面20との距離を示す。71は芯部材1を芯部材の第1の光学面を光軸方向(矢印○の方向)から見た時の鍔部2の面積である。なお、72は芯部材1を芯部材の第1の光学面を光軸方向(矢印○の方向)から見た時の凹部3の面積である。本実施形態は、図1に示された芯部材1の鍔部2に凹部3を形成するものである。これによって、芯部材1の鍔部2を金型で挟み込む事によって生じる芯部材1の鍔部2の変形を芯部材1の光学面4まで伝わることを抑制できることを見出した。その結果、変形による複合プラスチック光学部材6の光学性能の悪化を抑制できることを見出したものである。本実施形態においては、凹部3の形状は、複合プラスチック光学部材6の光軸を含む光軸と平行な平面で切断した断面における形状が矩形である例を示した。しかし、これに限るものではなく、半円形状やV溝形状であってもよい。また、凹部3に面取りやR形状を付与しても構わない。また、凹部3を鍔部2の表側(第1面)若しくは裏側(第2面)もしくは両方に設けても構わない。両方に設ける場合のそれぞれの形状は、同じであっても異なる形状であっても構わない。凹部3の幅7(凹部の底面33の幅)、深さ8(凹部の側面31、または32の前記断面における長さ)は特に問わないが、鍔部2を金型で挟み込む事によって生じる芯部材1の鍔部2の変形が光学面4へ伝達しない最小の大きさが好ましい。特に深さ8は鍔部2の厚み9に対して5%以上50%以下とすることが望ましい。また、凹部面積72は鍔部面積に対して5%以上50%以下とすることが望ましい。凹部3を表側(第1面)と裏側(第2面)の両方に設けた場合は、それぞれの凹部の深さは鍔部2の厚み9に対して2.5%以上25%以下とすることが望ましい。また、それぞれの凹部面積72は鍔部面積に対して2.5%以上25%以下とすることが望ましい。これらによって、複合プラスチック光学部材6を他の部品に組付ける際、鍔部2で位置決めを行う場合であっても、凹部3があることによる強度不足を防止できる。また、本実施形態においては、鍔部2は、側面20の一部から突出すように形成されているが、側面20がなくてもよい。つまり、鍔部2は芯部材1の第1の光学面41および第2の光学面42を延長して形成されていてもよい。また、鍔部2は、芯部材1を芯部材の第1の光学面を光軸方向から見た時、芯部材1の光軸を中心とした外径の長さに対して1.1倍以上2.0倍以下の長さの範囲に設ける事が好ましい。1.1倍より小さいと鍔部2を金型に挟み込む部分が少なくなり、金型内での位置決め保持が困難となってしまう。また、2.0倍より大きいと複合プラスチック光学部材6の外径が大きくなりすぎてしまい、スペース、材料の無駄である。また、凹部3の芯部材1の側面20からの距離30は、芯部材1を芯部材の第1の光学面を光軸方向から見た時、芯部材1の光軸を中心とした外径の長さに対して1.0倍以上1.5倍以下の範囲に設定することが好ましい。距離が小さければ小さいほど(1.0倍を含む)、芯部材1の鍔部2を小さくすることができ、結果、複合プラスチック光学部材6の小型化に寄与することができる。1.5倍以上であると、鍔部2を金型に挟み込む部分が少なくなり、金型内での位置決め保持が困難となってしまう。
また、本実施形態においては、芯部材1の形状は、メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズまたは平凹レンズ等であってもよく、特に限定されない。また、複合プラスチック光学部材6の形状が、メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズまたは平凹レンズ等であってもよく、特に限定されない。また、芯部材1の第1の光学面41の形状も、球面、非球面、自由曲面等特に限定されない。また、芯部材1の第2の光学面42の形状も、球面、非球面、自由曲面等特に限定されない。また、複合プラスチック光学部材6の第3の光学面61の形状も、球面、非球面、自由曲面等特に限定されない。また、複合プラスチック光学部材6の第4の光学面62の形状も、球面、非球面、自由曲面等特に限定されない。また、芯部材1の材質として例えばポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンとα−オレフィンの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、スチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体、フルオレン系ポリエステル、を含む材料等が上げられる。もちろん他の材料であってもよい。また、被覆部5の材質として例えばポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンとα−オレフィンの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、スチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体、フルオレン系ポリエステル、を含む材料等が上げられる。もちろん他の材料であってもよい。但し、芯部材1の材質と被覆部5の材質が異なっている場合に、本発明の効果が大きい。これは、芯部材1の材質と被覆部5の材質が異なっていると、芯部材1と被覆部との間に、屈折等の光学性能に差ができてしまう。そのため、複合プラスチック光学部材の光学性能は、いかに設計値通りに光学部材が製造できるかどうか、特に、芯部材の光学面の形状精度、および被覆プラスチックの形状精度によって大きく影響される。よって、芯部材1の変形を抑制することができる本発明の効果をより発揮させることができる。
本実施形態に係る複合プラスチック光学部材は、デジタルカメラや複写機等の光学機器や、観察光学系等に組み込むことで、好適に用いることができる。
次に、本実施形態に係る複合プラスチック光学部材の製造方法について説明する。
図4は、複合プラスチック光学部材を製造するための金型の断面図(a)〜(d)である。図4(a)は、芯部材成形用の金型(本明細書においては芯部材用金型と称することがある)を示す断面図である。図4(b)は、図4(a)に示す芯部材用金型に樹脂が充填された状態を示す断面図である。図4(c)は、被覆プラスチック成形用の金型(本明細書においては被覆プラスチック用金型と称することがある)を示す断面図であり、芯部材1がインサートされている状態を示している。図4(d)は、図4(c)に示す被覆プラスチック用金型に樹脂が充填された状態を示す断面図である。図4において、10は芯部材用金型、11は芯部材用金型10の固定型、12は芯部材用金型10の可動型を示す。また13は被覆プラスチック成形用の金型(本明細書においては被覆プラスチック用金型と称することがある)、14は被覆プラスチック用金型13の固定型、15は被覆プラスチック用金型13の可動型を示す。また、16は凹部3形成部であり、本実施形態においては固定型に設けた凸形状を示す。17は被覆プラスチック用金型13にて鍔部2を挟み込む為に可動型15に設けた空間の厚さを示す。また、18はインサートされた芯部材1の第1の光学面41および第2の光学面42上に形成される被覆部5(図1参照)に樹脂を注入するためのリブを形成するための空間を示し、19は鍔部と金型との空間を示す。
本発明は、まず図4に示された芯部材用金型10にて芯部材1を成形する。その際、凹部形成部16の凸形状によって芯部材1の鍔部2に凹部3が形成される。そして、芯部材1を被覆プラスチック用金型13の可動側15にインサートし、可動型15が移動し、固定型14と型締めされる。その際、芯部材1の鍔部2を被覆プラスチック用金型13で挟み込み、芯部材1と被覆プラスチック用金型13との位置決めを行う。その後、被覆プラスチック用金型13に樹脂が注入され、被覆部5が成形される。その際、凹部3が設けられている事により、被覆プラスチック成形用金型13が型締めする際、芯部材1の鍔部2を挟み込む事によって生じる鍔部2の変形が芯部材1の光学面4まで伝わることを抑制できる。その結果、複合プラスチック光学部材6の光学性能悪化を抑制した複合プラスチック光学部材6を製造することができる。また、本実施形態における製造方法において、鍔部2の根元に空間19を設けてもよい。空間19により応力が緩和され、被覆プラスチック成形用金型13が型締めする際、芯部材1の鍔部2を挟み込む事によって生じる鍔部2の変形を芯部材1の光学面4まで伝わることを更に抑制することができる。また本実施形態における製造方法において、凹部形成部16の凸形状を芯部材用金型10の固定側11に設けたが、可動側12に設けても構わない。また、固定側11、可動側12の両方に設けても構わない。また鍔部2の厚み9(図1参照)に対して、被覆プラスチック用金型13にて鍔部2を挟み込む為に設けた空間の厚さ17は同じ大きさか、厚み9を厚さ17より大きく設定しておくことが好ましい。厚み9と厚さ17を同じ大きさに設定しても、厚み9は製造上の誤差を伴っており、鍔部2には挟み込む力が働く。また、厚み9と厚さ17が同じ場合であっても、芯部材1と被覆プラスチック用金型13との線膨張差によって、鍔部2には挟み込む力が働く。被覆プラスチック用金型13と芯部材1との光軸方向の位置決め性能を向上させるためには、この様に鍔部2に挟み込む力をかけることが必要である。これにより、本発明は有効に機能する。
また、本実施形態における製造方法においては、被覆部5(図1参照)に樹脂を注入するためのリブを形成するための空間18から被覆プラスチック用金型13に樹脂が注入され、被覆部5が成形される。リブを形成するための空間18にゲートを設けることで、リブを形成するための空間18を介して被覆部5を同時に成形される。これにより、芯部材1の第1の光学面上の被覆部5と第2の光学面上の被覆部5に別々に樹脂を流入させる為の流路を設ける必要が無くなる。結果、被覆部5を成形する際に使用する射出成形機のシリンダー(不図示)を少なくすることができ、また金型構造も簡易となる。また本実施形態における製造方法においては、芯部材1を可動側へインサートしたが、固定側にインサートしても構わない。
(第二の実施形態)
図2は、本発明の第二の実施形態に係る複合プラスチック光学部材の平面図(a)及び断面図(b)及び拡大図(c)である。図1と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し説明を省略する。図2において、20は芯部材1の側面を示す。本実施形態においては、図1に示した凹部3の、第一の側面31と、芯部材の側面20との距離が非常に小さいあるいは0である(つまり、側面20と凹部3側面の一方が同一平面にある例を示したものである)例を示したものである。そして、凹部3が芯部材1の側面20に沿って周方向に設けられている。第一の側面31と、芯部材の側面20との距離が非常に小さいあるいは0であることによって、芯部材1の鍔部2を小さくすることができ、結果、複合プラスチック光学部材6の小型化に寄与することができる。図2では、凹部3が、被覆部を形成するプラスチックによって埋められている例を示した。しかし、埋めることなく、凹部3を露出させたままであってもよい。凹部3を露出させたままである例を図3に示す。凹部3を露出させたままであると、凹部3に被覆プラスチック5で覆われた際に生じる応力の発生を抑制し、結果、残留応力によって生じる複屈折等の光学性能への悪影響の発生を抑制できる。
図2は、本発明の第二の実施形態に係る複合プラスチック光学部材の平面図(a)及び断面図(b)及び拡大図(c)である。図1と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し説明を省略する。図2において、20は芯部材1の側面を示す。本実施形態においては、図1に示した凹部3の、第一の側面31と、芯部材の側面20との距離が非常に小さいあるいは0である(つまり、側面20と凹部3側面の一方が同一平面にある例を示したものである)例を示したものである。そして、凹部3が芯部材1の側面20に沿って周方向に設けられている。第一の側面31と、芯部材の側面20との距離が非常に小さいあるいは0であることによって、芯部材1の鍔部2を小さくすることができ、結果、複合プラスチック光学部材6の小型化に寄与することができる。図2では、凹部3が、被覆部を形成するプラスチックによって埋められている例を示した。しかし、埋めることなく、凹部3を露出させたままであってもよい。凹部3を露出させたままである例を図3に示す。凹部3を露出させたままであると、凹部3に被覆プラスチック5で覆われた際に生じる応力の発生を抑制し、結果、残留応力によって生じる複屈折等の光学性能への悪影響の発生を抑制できる。
図5図2に示す複合プラスチック光学部材を製造する金型の一部断面拡大図であって、図4(d)に示すB部を拡大したものである。図4と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し説明を省略する。インサートされた芯部材1の凹部3に被覆部を形成するための被覆プラスチックが流れ込むように、金型に流路191が形成されている。
また図6は図3に示す複合プラスチック光学部材を製造する金型の一部断面拡大図であって、図4(d)に示すB部を拡大したものである。図4と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し説明を省略する。インサートされた芯部材1の凹部3に被覆部を形成するための被覆プラスチックが流れ込まないように固定側金型14には芯部材1の側面20が当接されている。
本実施形態に係る複合プラスチック光学部材は、デジタルカメラや複写機等の光学機器や、観察光学系等に組み込むことで、好適に用いることができる。
次に、実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では、第一の実施形態で説明した複合プラスチック光学部材(図1参照)を製造した。芯部材1の凹部3の幅7を1mm、凹部3の凹量8を0.1mm、鍔部2の厚み9を1mmとした。また、芯部材1の材質はポリカーボネートを含む材料とし、被覆部5を形成する被覆プラスチックの材質は、紫外線吸収特性を有する1.2−ヒドロキシ−5−メチル−1−ベンゾトリアゾールを1.0重量部含有させたポリメタクリル酸メチルを含む材料とした。
実施例1では、第一の実施形態で説明した複合プラスチック光学部材(図1参照)を製造した。芯部材1の凹部3の幅7を1mm、凹部3の凹量8を0.1mm、鍔部2の厚み9を1mmとした。また、芯部材1の材質はポリカーボネートを含む材料とし、被覆部5を形成する被覆プラスチックの材質は、紫外線吸収特性を有する1.2−ヒドロキシ−5−メチル−1−ベンゾトリアゾールを1.0重量部含有させたポリメタクリル酸メチルを含む材料とした。
まず図4に示された芯部材用金型10にて芯部材1を成形する。その際、凹部形成部16によって芯部材1の鍔部2に凹部3を形成した。そして、芯部材1を被覆プラスチック用金型13にインサートし、被覆プラスチック成形用金型13が型締めする際、芯部材1の鍔部2を挟み込み、芯部材1と被覆プラスチック用金型13との位置決めを行なった。その後、被覆部を成形した。その際、被覆プラスチック用金型13にて鍔部2を挟み込む為に設けた厚み17を1mmとした。また、鍔部2の根元には空間19を設けた。
比較例1として、凹部3がない芯部材1を成形し、同じように複合プラスチック光学部材を成形した。その結果、凹部3が形成した方が、芯部材1の鍔部2を被覆プラスチック用金型で挟み込む事によって生じる芯部材1の鍔部2の変形を芯部材1の光学面4まで伝わることを抑制できた為、光学性能が良好な結果が得られた。具体的な評価結果(評価方法や数値等)を記載してください。光学性能の評価は複合プラスチック6が組込まれた観察光学系を用いて、ISO規格12233に準拠した解像度チャートを観察することで行った。判定基準は、限界解像度パターンの200LW/PHが解像できるか否かとした。結果、実施例においては解像出来たが、比較例においては解像出来なかった。
(実施例2)
実施例2では、実施例1と形状が異なる複合プラスチック光学部材を製造した。具体的には、角部をR形状とした四角形状の複合プラスチック光学部材を製造した。図7は実施例2で製造した複合プラスチック光学部材の平面図(a)及び断面拡大図(b)である。角部のRを、芯部材の側面と、鍔部の外周とで異ならせることによって、角部(4カ所)に鍔部を露出させた。図7において、凹部3の幅7を1mm、凹部3の凹量8を0.1mm、鍔部2の厚み9を1mmとした。また、凹部3は芯部材1の側面20に沿って周方向に設け、凹部3を、角部の4カ所で露出させた。また、部材1の材質はポリカーボネートを含む材路湯とし、被覆プラスチック5の材質は、紫外線吸収特性を有する1.2−ヒドロキシ−5−メチル−1−ベンゾトリアゾールを1.0重量部含有させたポリメタクリル酸メチルを含む材料とした。
実施例2では、実施例1と形状が異なる複合プラスチック光学部材を製造した。具体的には、角部をR形状とした四角形状の複合プラスチック光学部材を製造した。図7は実施例2で製造した複合プラスチック光学部材の平面図(a)及び断面拡大図(b)である。角部のRを、芯部材の側面と、鍔部の外周とで異ならせることによって、角部(4カ所)に鍔部を露出させた。図7において、凹部3の幅7を1mm、凹部3の凹量8を0.1mm、鍔部2の厚み9を1mmとした。また、凹部3は芯部材1の側面20に沿って周方向に設け、凹部3を、角部の4カ所で露出させた。また、部材1の材質はポリカーボネートを含む材路湯とし、被覆プラスチック5の材質は、紫外線吸収特性を有する1.2−ヒドロキシ−5−メチル−1−ベンゾトリアゾールを1.0重量部含有させたポリメタクリル酸メチルを含む材料とした。
まず図4に示された芯部材用金型10にて芯部材1を成形した。その際、凹部形成部16によって芯部材1の鍔部2に凹部3を形成した。そして、図6に示された芯部材1を被覆プラスチック用金型13にインサートし、被覆プラスチック成形用金型13が型締めする際、芯部材1の鍔部2を挟み込み、芯部材1と被覆プラスチック用金型13との位置決めを行なった。その後、被覆部を成形した。その際、被覆プラスチック用金型13にて鍔部2を挟み込む為に設けた厚み17を1mmとした。
比較例2として、凹部3がない芯部材1を成形し、同じように複合プラスチック光学部材を成形した。その結果、凹部3が形成した方が、芯部材1の鍔部2を被覆プラスチック用金型で挟み込む事によって生じる芯部材1の鍔部2の変形を芯部材1の光学面4まで伝わることを抑制できた為、光学性能が良好な結果が得られた。具体的な評価結果(評価方法や数値等)を記載してください。光学性能の評価は複合プラスチック6が組込まれた観察光学系を用いて、ISO規格12233に準拠した解像度チャートを観察することで行った。判定基準は、限界解像度パターンの200LW/PHが解像できるか否かとした。結果、実施例においては解像出来たが、比較例においては解像出来なかった。
1 芯部材
2 芯部材の鍔部
3 凹部
4 光学面
5 被覆プラスチック
6 複合プラスチック光学部材
7 幅
8 凹量
9 厚み
10 芯部材用金型
11 固定型
12 可動型
13 被覆プラスチック用金型
14 固定型
15 可動型
16 凹部形成部
17 厚み
18 リブ
19 空間
20 側面
2 芯部材の鍔部
3 凹部
4 光学面
5 被覆プラスチック
6 複合プラスチック光学部材
7 幅
8 凹量
9 厚み
10 芯部材用金型
11 固定型
12 可動型
13 被覆プラスチック用金型
14 固定型
15 可動型
16 凹部形成部
17 厚み
18 リブ
19 空間
20 側面
Claims (11)
- 第1の光学面と、第2の光学面と、前記第1の光学面と前記第2の光学面をつなぐ側面と、を有する芯部材の、前記第1の光学面および前記第2の光学面が、プラスチックによる被覆部によって被覆された複合プラスチック光学部材であって、
前記芯部材の前記側面には、少なくとも一部が露出している鍔部が設けられており、前記鍔部の前記第1の光学面およびまたは第2の光学面側には凹部が形成されていることを特徴とする複合プラスチック光学部材。 - 前記鍔部の前記第1の光学面側には第1面が形成され、前記第2の光学面側には第2面が形成されており、前記凹部は前記第1学面およびまたは第2面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の複合プラスチック光学部材。
- 前記凹部が前記被覆部の外周に沿って形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の複合プラスチック光学部材。
- 前記凹部は露出していることを特徴とする請求項1乃至3記載の複合プラスチック光学部材。
- 前記凹部は前記プラスチックによって埋められていることを特徴とする請求項1乃至3記載の複合プラスチック光学部材。
- 前記凹部は、断面の形状が矩形であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項記載の複合プラスチック光学部材。
- 前記凹部は、断面の形状が半円形状であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項記載の複合プラスチック光学部材。
- 前記凹部は、断面の形状がV溝形状であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項記載の複合プラスチック光学部材。
- 前記芯部材は、ポリカーボネートを含む材料であり、前記被覆部は、ポリメタクリル酸メチルを含む材料であることを特徴とする請求項1乃至8いずれか一項記載の複合プラスチック光学部材。
- 請求項1乃至9いずれか一項記載の複合プラスチック光学部材を有する光学機器。
- 第1の光学面、第2の光学面、および前記第1の光学面と前記第2の光学面とをつなぐ側面を有し、前記側面に鍔部が設けられ、前記鍔部の前記第1の光学面およびまたは第2の光学面側には凹部が形成された芯部材を、金型内にインサートし、前記鍔部を前記金型に挟み込んだ状態で、前記金型内に形成された、前記第1の光学面上に被覆部を形成するための空間と、前記第2の光学面上に被覆部を形成するための空間とをつなぐ空間から前記金型内に樹脂を注入することを特徴とする複合プラスチック光学部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016256151A JP2018109658A (ja) | 2016-12-28 | 2016-12-28 | プラスチック光学部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016256151A JP2018109658A (ja) | 2016-12-28 | 2016-12-28 | プラスチック光学部材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018109658A true JP2018109658A (ja) | 2018-07-12 |
Family
ID=62844388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016256151A Pending JP2018109658A (ja) | 2016-12-28 | 2016-12-28 | プラスチック光学部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018109658A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019235087A1 (ja) | 2018-06-07 | 2019-12-12 | キヤノン株式会社 | 放射線撮影装置、放射線撮影方法およびプログラム |
-
2016
- 2016-12-28 JP JP2016256151A patent/JP2018109658A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019235087A1 (ja) | 2018-06-07 | 2019-12-12 | キヤノン株式会社 | 放射線撮影装置、放射線撮影方法およびプログラム |
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