JP2018109338A - 無機質板の固定方法およびその固定方法に用いられる固定部材、ならびにその固定方法によって得られる構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機質板を被施工面に固定し、その脱落を防止できる無機質板の固定方法の提供。【解決手段】無機質板を被施工面に固定する方法は、互いに対向する第1端部および第2端部を有する無機質板を用意する工程と、第1基部と、第1端部に係止される第1係止部と、第1基部から外側に向かって延びる長尺部と、を有する第1係止片を用意する工程と、第2基部と、第2端部に係止される第2係止部と、を有する第2係止片と用意する工程と、第1係止部を第1端部に引っ掛け、長尺部を折り曲げた折り曲げ部に第2係止片を係合させ、第2係止部を第2端部に引っ掛けることにより、第1係止片および第2係止片で無機質板を把持する工程と、長尺部を被施工面に固定具で締結することにより、第1係止片を被施工面に接続する工程と、長尺部が配置される無機質板の面と被施工面とを接着する工程と、を含んでなる。【選択図】図1

Description

本発明は、無機質板、とりわけ薄型で大型の陶磁器板を壁などの被施工面に固定する方法およびその固定方法に用いられる固定部材、ならびにその固定方法によって得られる構造物に関し、さらに詳しくは無機質板を接着剤などで接着する固定手段に加えて実施され、その脱落などを防止する固定方法およびその固定方法に用いられる固定部材、ならびにその固定方法によって得られる構造物に関する。
内装または外装材としてタイルなどの無機質板が広く用いられている。これら無機質板の被施工面への施工は、接着剤やモルタルなどで張り付けることに行われる。さらに、最近では目地を少なくでき、施工の簡略化や意匠の多様化を実現可能な大型陶磁器板が実用化され広く利用されてきており、このような大型陶磁器板についてもその施工は接着剤などによる接着が一般的である。
このような無機質板、とくに大型陶磁器板を壁面などに施工する場合、経年により剥離や割れが発生しても、脱落並びに脱落に伴う被害を抑止することが必要になる。大型陶磁器板は薄型とされ軽量化されているものが多いが、特に大型陶磁器板を外装材として使用する場合には、脱落並びに脱落に伴う被害を抑止可能な施工システムが重要になる。
このような施工システムとして、接着剤などによる接着に加えて、無機質板に穴をあけてビスなどで固定することが行われている。しかしながら、内装・外装材として化粧面を有するものである場合、穴およびビスの頭は化粧面の意匠を損なう恐れがある。
化粧面の意匠性を損ねない施工方法として、例えば、建物用外装板のアンカー金物を用いて建物用外装板を固定する方法が提案されている(実開昭62−140109号公報、特許文献1)。特許文献1に記載された建物用外装板のアンカー金物は、回転板に支軸と枢支軸とを設け、支軸を掛着基板の軸受に、枢支軸を弾性掛着板の軸受にそれぞれ軸支し、回動板を支軸を中心にして回動させることにより弾性掛着板と掛着基板とに設けられた両掛着片で外装板裏面を掴持する。
しかし、特許文献1に記載された建物用外装板のアンカー金物を用いて建物用外装板を固定する方法では、掛着基板の軸受および弾性掛着板の軸受が外装板裏面から突出している寸法が比較的長いため、接着剤の層の厚さが厚くなる。施工の迅速化のため、合成樹脂を主として含有してなる接着剤が広く用いられているが、接着剤の層の厚みが厚くなれば、建物用外装板は張り付け後に自重で下がってしまう。そのため、接着剤などによる接着に加えて、特許文献1に記載された建物用外装板のアンカー金物を用いることは困難である。従って、化粧面の意匠性を損ねない施工方法、とりわけ薄型で大型の無機質板の固定方法が依然として求められていると言える。
実開昭62−140109号公報
本発明は、無機質板を被施工面に固定し、その脱落を防止できる無機質板の固定方法およびその固定方法に用いられる固定部材、ならびにその固定方法によって得られる構造物の提供を目的とする。
そして、本発明による無機質板を被施工面に固定する方法であって、
(a)互いに対向する第1端部および第2端部を有する無機質板を用意する工程と、
(b)第1基部と、前記第1基部の一方の端部に設けられ前記第1端部に係止される第1係止部と、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられ前記第1基部から外側に向かって延びる長尺部と、を有する第1係止片を用意する工程と、
(c)第2基部と、前記第2基部の一方の端部に設けられ前記第2端部に係止される第2係止部と、を有する第2係止片と用意する工程と、
(d)前記第1係止部を前記第1端部に引っ掛け、前記長尺部を折り曲げた折り曲げ部に前記第2係止片を係合させ、前記第2係止部を前記第2端部に引っ掛けることにより、前記第1係止片および前記第2係止片で前記無機質板を把持する工程と、
(e)前記長尺部を前記被施工面に固定具で締結することにより、前記第1係止片を前記被施工面に接続する工程と、
(f)前記長尺部が配置される前記無機質板の面と前記被施工面とを接着する工程と、
を含んでなる方法である。
また、本発明による固定部材は、本発明による無機質板を被施工面に固定する方法に用いられる固定部材であって、
第1基部と、前記第1基部の一方の端部に設けられ前記第1端部に係止される第1係止部と、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられ前記第1基部から外側に向かって延びる長尺部と、を有する第1係止片と、
第2基部と、前記第2基部の一方の端部に設けられ前記第2端部に係止される第2係止部と、を有する第2係止片と、
を備えてなることを特徴とする。
また、本発明による構造物は、被施工面と、前記被施工面に固定された無機質板と、前記無機質板に係止された固定部材と、を備えてなる構造物であって、
前記無機質板は、互いに対向する第1端部および第2端部を有してなり、
前記固定部材は、
第1基部と、前記第1基部の一方の端部に設けられ前記第1端部に係止される第1係止部と、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられ前記第1基部から外側に向かって延びる長尺部と、を有する第1係止片と、
第2基部と、前記第2基部の一方の端部に設けられ前記第2端部に係止される第2係止部と、を有する第2係止片と、
を有してなり、
前記第1係止部が前記第1端部に引っ掛けられ、前記長尺部を折り曲げた折り曲げ部に前記第2係止片が係合され、前記第2係止部が前記第2端部に引っ掛けられることにより、前記無機質板が前記第1係止片および前記第2係止片で把持されてなるとともに、前記固定部材が前記被施工面に接続され、前記長尺部が配置される前記無機質板の面と前記被施工面とが接着されてなることを特徴とする。
本発明によれば、無機質板を被施工面に固定し、その脱落を防止できる無機質板の固定方法およびその固定方法に用いられる固定部材、ならびにその固定方法によって得られる構造物を提供することができる。
無機質板の被施工面への固定方法を説明する図である。 無機質板の被施工面への固定方法を説明する図である。 無機質板の第1端部に設けられた第1溝と、無機質板の第2端部に設けられた第2溝と、を表す断面図である。 本発明による方法において用いられる第1係止片を表す図である。 本発明による方法において用いられる第1係止片の変形例を表す図である。 本発明による方法において用いられる第2係止片を表す図である。 本発明による方法において用いられる第2係止片の変形例を表す図である。 第1係止片および第2係止片で無機質板を把持する工程を説明する断面図である。 第1係止片および第2係止片で無機質板を把持する工程を説明する断面図である。 長尺部を被施工面に締結する工程、および無機質板を被施工面に接着する工程を説明する断面図である。 無機質板の被施工面への他の固定方法を説明する図である。 無機質板の被施工面へのさらに他の固定方法を説明する図である。 無機質板の被施工面へのさらに他の固定方法を説明する図である。 第1溝および第2溝の第1変形例を表す断面図である。 第1溝および第2溝の第2変形例を表す断面図である。 第1溝および第2溝の第3変形例を表す断面図である。 第1溝および第2溝の第4変形例を表す断面図である。 被施工面に、複数の無機質板を張り付けた状態の説明図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
発明の基本態様
図1および図2に示される本発明による態様の一つは、無機質板2を被施工面7(図18参照)に固定する方法に関する。また、本発明の別の態様は、無機質板2を被施工面7に固定する方法に用いられる固定部材5に関する。また、本発明のさらに別の態様は、被施工面7と、被施工面7に固定された無機質板2と、無機質板2に係止された固定部材5と、を備えてなる構造物である。無機質板2は、経時的な劣化などで接着力が十分でなくなった場合でも、固定部材5を用いた接続手段が存在するため、脱落や、脱落に伴う被害を防ぐことができる。このように、本発明は、無機質板2の剥落および剥落に伴う被害を抑止することができるとの優れた利点を有するものである。
以下、定義を述べた後、本発明による固定方法、固定部材、および固定方法によって得られる構造物のさらに詳細を説明する。
定義
無機質板
本発明による方法によって固定される無機質板は、例えば陶磁器、石、またはガラスからなるものである。本発明の一つの態様によれば、本発明において無機質板は、平板として、外装または内装の壁、床、天井の仕上げ材や、キャビネット面材やカウンターの仕上げ材に好ましく用いられる。従って、無機質板は、好ましくは意匠が施された化粧面と、躯体等の被施工面に張り付けられる施工面とを備える。また、その大きさは限定されないが、本発明による固定方法は、後記するとおり、無機質板の被施工面への二重化された固定方法とすることができることから、比較的大型の無機質板に対して好ましく適用される。本発明の一つの態様によれば、無機質板は短辺300mmを超えるものであり、900cmを超える面積を有するものである。無機質板の短辺の長さは、好ましくは600mm以上、より好ましくは900mm以上を有するものである。
さらに本発明による固定方法、固定部材、および固定方法によって得られる構造物は、比較的薄い無機質板に好ましく適用できる。薄い無機質板に適用されるに際し、後記する無機質板の被施工面への二重化された固定方法の一つである接着に用いられる接着剤により、無機質板と被施工面との間に形成される接着層の厚さが薄い方が好ましい。大型の陶磁器板では軽量化のため、例えば厚さは3mm以上15mm程度まで、好ましくは10mm程度まで、より好ましくは8mm程度までとされる。
本発明において無機質板は、その表面に釉薬層を有していてもよい。釉薬の成分は特に限定されない。釉薬層の形成は、成形後に施釉し、成形体と一体的に焼成するか、または、焼成体(仮焼体)に施釉した後に焼成するか、いずれかの方法を用いてもよい。さらに、施釉の前後に乾燥工程を設けてもよい。
孔または溝
本発明による固定方法、固定部材、および固定方法によって得られる構造物によって、後記する被施工面に固定される無機質板は、孔または溝を有し、好適には、非貫通孔または溝を互いに対向する第1端部および第2端部に有する。なお、後記するように、固定部材の第1係止部が無機質板の第1端部に引っ掛けられ、固定部材の第2係止部が無機質板の第2端部に引っ掛けられる限りにおいて、無機質板は、必ずしも孔および溝を有していなくともよい。非貫通とは、一方の端部から他方の端部に向かって掘り下げられて孔または溝が形成されるが、他方の端部にまで至らない状態を意味する。
本発明において、無機質板が有する非貫通の溝とは、凹条を意味する。なお、非貫通の溝は、非貫通の孔であってもよい。非貫通の孔の形状は、特には限定されず、例えば、円形、楕円、三角形、四角形、多角形様であってよい。このように、本発明において、溝と孔とは、明確に区別される必要はなく、例えば四角形の非貫通の孔が横長に形成されて溝と解されるような形状であってもよい。後記する固定部材の係止部が挿入かつ係止可能である限りにおいて、孔または溝と呼ぶ。また、図1および図2に示すように、溝は、第1端部および第2端部と交差する一方の端部から、その一方の端部に対向する他方の端部まで延びていてもよい。あるいは、無機質板の強度を維持する観点から、溝は、第1端部および第2端部と交差する両端部まで延びていなくともよい。
孔または溝が延びた方向に沿ってみたときの孔または溝の形状は、三角形(V溝形状)、四角形(矩形状)、半円形(U溝形状)であってもよく、孔または溝の入り口、すなわち孔または溝の開口部の開口面積よりも開口部の奥における開口面積が大とされた、アリ穴、つまり逆ハの字の形状であってもよい。また、孔または溝が延びた方向に沿ってみたときの孔または溝の形状は、開口部より深さ方向(例えば第1端部から第2端部に向かう方向)に一定の距離の間、開口面積が変化せず、さらに深い位置では開口面積を入り口の開口面積より大とされた形状であってもよい。
孔または溝の深さは、特には限定されない。孔または溝は、第1端部から第2端部まで貫通していてもよいが、好適には、無機質板の強度等への影響からすると、孔または溝の深さは、無機質板の厚さ方向、すなわち施工面(裏面)から化粧面へ向かう方向の距離換算で無機質板の厚さと同等以下とされることが望ましい。本発明による固定方法、固定部材、および固定方法によって得られる構造物は、とりわけこのような薄い無機質板における比較的浅い孔または溝に対して有利に用いられる。具体的には、本発明による固定方法、固定部材、および固定方法によって得られる構造物は、例えば、孔または溝の深さが1mm以上5mm以下であるような無機質板に対して有利に用いられる。また、孔または溝の幅(つまり、条に沿った方向を垂直断面視したときの幅)は、固定部材の係止部が挿入かつ係止可能である限りにおいて特に制限されないが、無機質板の裏面と、孔または溝の壁面と、のなす角が鋭角であることが好ましい。これにより、無機質板に対する固定部材の係止部の係止力が高まる。
被施工面
本発明において、外装もしくは内装の壁、または建築物の垂直面または傾斜面であって、本発明による固定方法、固定部材、および固定方法によって得られる構造物によって無機質板が固定される表面を「被施工面」という。また、被施工面の内側に配置される、柱などの躯体や、間柱、ライトゲージスチール(LGS)等のスタッド、またはパネルフレームなどを「下地」という。
本発明による固定方法
以下、本発明による固定方法について、図面を参照しながら説明する。図1および図2は、無機質板の被施工面への固定方法を説明する図である。図1および図2において、無機質板2の第1端部21に第1溝24が設けられ、無機質板2の第2端部22に第2溝25が設けられている。固定部材5のうちの第1係止片3の第1係止部32が第1溝24に引っ掛けられ、固定部材5のうちの第2係止片4の第2係止部42が第2溝25に引っ掛けられることにより、固定部材5は、第1係止部32および第2係止部42で無機質板2を把持する。言い換えれば、固定部材5が無機質板2に係止される。
なお、前述したように、溝と孔とは、明確に区別される必要はなく、第1溝24は第1孔であってもよく、第2溝25は第2孔であってもよい。また、第1係止片3の第1係止部32が無機質板2の第1端部21に引っ掛けられ、第2係止片4の第2係止部42が無機質板2の第2端部22に引っ掛けられる限りにおいて、無機質板2は、必ずしも第1溝24および第2溝25を有していなくともよい。以下の説明では、無機質板2が第1溝24および第2溝25を有する場合を例に挙げる。
固定部材5は、第1係止片3と、第2係止片4と、を備える。第1係止片3は、第1基部31と、第1係止部32と、長尺部33と、を有する。第2係止片4は、第2基部41と、第2係止部42と、を有する。図1および図2の態様にあっては、第1係止部32を第1溝24に引っ掛け、第1係止片3の長尺部33を折り曲げた折り曲げ部332に第2係止片4を係合させ、第2係止部42を第2溝25に引っ掛け、長尺部33に設けられた固定孔331にビスなどの固定具6を被施工面7(図18参照)に打ち込み、無機質板2は被施工面7に固定される。この固定とは別に、長尺部33が配置される無機質板2の施工面23は、接着剤により被施工面7に接着される。なお、図2の態様では、折り曲げ部332は、第1係止片3の長尺部33を折り返した部分に相当する。
本発明による固定方法によれば、接着と、固定部材5による接続との二つの手段により、無機質板2と被施工面7とが固定される。無機質板2は、経時的な劣化などで接着力が十分でなくなった場合でも、固定部材5を用いた接続手段が存在するため、脱落や、脱落に伴う被害を防ぐことができる。すなわち、本発明によれば、無機質板2の被施工面7への二重化された固定方法が提供される。この態様による固定方法を、工程ごとに以下説明する。
(a)無機質板を用意する工程
この工程は上記で定義した無機質板を用意する工程である。図3は、無機質板の第1端部に設けられた第1溝と、無機質板の第2端部に設けられた第2溝と、を表す断面図である。すなわち、図3は、図1に表した切断面A11−A11における断面図である。図に示される態様において、第1溝24および第2溝25は、互いに並行して水平方向に延びるとともに(図1参照)、深さ方向(第1端部21および第2端部22が互いに対向する方向)に向かって互いに接近するように延びている。図1および図2に示す無機質板2において、第1端部21は、無機質板2が被施工面7に固定された状態における上端部に相当する。また、第2端部22は、無機質板2が被施工面7に固定された状態における下端部に相当する。
第1溝24は、深さ方向に向かって延びた第1内壁面241および第1立壁面242を有する。第1内壁面241は、無機質板2の施工面23に対して垂直ではなく、無機質板2の施工面23に対して傾斜して延びている。第2溝25は、深さ方向に向かって延びた第2内壁面251および第2立壁面252を有する。第2内壁面251は、無機質板2の施工面23に対して垂直ではなく、無機質板2の施工面23に対して傾斜して延びている。すなわち、第1内壁面241および第2内壁面251は、図3に表した断面図において、ハの字の形状に形成されている。
第1係止部32は、第1係止部32の主面が無機質板2の施工面23に対して垂直ではない第1内壁面241に面で接触して、引っ掛かる力によって係止される。あるいは、第1係止部32は、無機質板2の第1端部21に設けられた第1溝24の入口部(開口部)の付近に接触して、引っ掛かる力によっても係止される。第2係止部42は、第2係止部42の主面が無機質板2の施工面23に対して垂直ではない第2内壁面251に面で接触して、引っ掛かる力によって係止される。あるいは、第2係止部42は、無機質板2の第2端部22に設けられた第2溝25の入口部(開口部)の付近に接触して、引っ掛かる力によっても係止される。
第1溝24の第1立壁面242は、第1溝24の深さ方向において第1内壁面241に接続され、施工面23に並行して延びている。第2溝25の第2立壁面252は、第2溝25の深さ方向において第2内壁面251に接続され、施工面23に並行して延びている。つまり、第1溝24および第2溝25が延びた方向に沿ってみたときに、第1溝24および第2溝25のそれぞれの形状は、三角形(V溝形状)である。なお、後述するように、第1溝24および第2溝25の形状は、これだけには限定されない。
(b)第1係止片を用意する工程
図4は、本発明による方法において用いられる第1係止片を表す図である。図4(a)は、第1係止片を表す正面図である。図4(b)は、図4(a)に表した矢印A12の方向からみたときの側面図である。
第1係止片3は、第1基部31と、第1係止部32と、長尺部33と、を有し、板状の部材、例えば金属板により形成されている。第1係止部32は、第1基部31の一方の端部311に設けられ、第1溝24に挿入されて係止される。第1係止部32は、第1基部31の端部311に曲げ加工が施されることにより形成され、第1基部31の主面に対して所定の角度で延びている。
第1基部31と第1係止部32との間の角度A3は、無機質板2の施工面23と第1溝24の第1内壁面241との間の角度A1(図3参照)以下であることが好ましい。角度A3が角度A1よりも小さい場合には、第1係止部32は、第1溝24に挿入されると、無機質板2の第1端部21に設けられた第1溝24の第1内壁面241の深い位置に接触して、引っ掛かる力によって係止される。
あるいは、角度A3は、角度A1と同じであってもよい。この場合には、第1係止部32は、第1溝24に挿入されると、第1係止部32の主面が無機質板2の第1端部21に設けられた第1溝24の第1内壁面241に面で接触して、引っ掛かる力によって係止される。
長尺部33は、第1基部31の一方の端部311とは反対側の他方の端部312に設けられ、第1基部31から外側に向かって延びている。長尺部33は、第1基部31に一体的に形成されており、固定具6が通される固定孔331を有する。図4(a)に表した例では、長尺部33は、長尺部33が延びる方向(長尺部33の長手方向)に沿って所定間隔で設けられた複数の固定孔331を有する。固定具6が固定孔331を通して被施工面7に結合され、固定具6が通された固定孔331の部分が被施工面7に締結されることにより、第1係止片3が被施工面7に接続される。
図4(a)および図4(b)に表した第1係止片3では、固定部材5と被施工面7との接続を、第1基部31に一体的に形成された長尺部33を介して行うが、本発明の別の態様によれば、固定部材と被施工面との接続が、第1基部31とは別体として設けられた長尺部を介して行われてもよい。すなわち、図4(a)および図4(b)に表した第1係止片において、長尺部を第1基部とは別体化し、第1基部の端部に取り付けられた長尺部が設けられていてもよい。図5は、そのような第1係止片を表した図である。
図5は、本発明による方法において用いられる第1係止片の変形例を表す図である。図5(a)は、第1係止片の変形例を表す正面図である。図5(b)は、図5(a)に表した矢印A13の方向からみたときの側面図である。
本変形例の第1係止片3Aは、第1基部31Aと、第1係止部32と、長尺部33Aと、を有する。第1基部31Aおよび第1係止部32は、板状の部材、例えば金属板により形成されている。一方で、長尺部33Aは、第1基部31Aとは別体として設けられた線材であり、第1基部31Aの他方の端部312に取り付けられている。具体的には、第1基部31Aは、端部312の近傍に孔313を有する。長尺部33Aの一方の端部は、孔313に通され、任意の固定方法により端部312に取り付けられている。
長尺部33Aの一方の端部(第1基部31Aに取り付けられた端部)とは反対側の他方の端部は、リング状に形成され、固定孔331Aを有する。固定具6が固定孔331Aを通して被施工面7に結合され、固定具6が通された固定孔331Aの部分が被施工面7に締結されることにより、第1係止片3Aが被施工面7に接続される。その他の構造は、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3の構造と同様である。
(c)第2係止片を用意する工程
図6は、本発明による方法において用いられる第2係止片を表す図である。図6(a)は、第2係止片を表す正面図である。図6(b)は、図6(a)に表した矢印A14の方向からみたときの側面図である。
図6(a)および図6(b)に表した第2係止片4は、例えば、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3と共に用いられる。この場合には、固定部材は、第1係止片3と、第2係止片4と、を有する。第2係止片4は、第2基部41と、第2係止部42と、を有し、板状の部材、例えば金属板により形成されている。第2係止部42は、第2基部41の一方の端部411に設けられ、第2溝25に挿入されて係止される。第2係止部42は、第2基部41の端部411に曲げ加工が施されることにより形成され、第2基部41の主面に対して所定の角度で延びている。
第2基部41と第2係止部42との間の角度A4は、無機質板2の施工面23と第2溝25の第2内壁面251との間の角度A2(図3参照)以下であることが好ましい。角度A4が角度A2よりも小さい場合には、第2係止部42は、第2溝25に挿入されると、無機質板2の第2端部22に設けられた第2溝25の第2内壁面251の深い位置に接触して、引っ掛かる力によって係止される。
あるいは、角度A4は、角度A2と同じであってもよい。この場合には、第2係止部42は、第2溝25に挿入されると、第2係止部42の主面が無機質板2の第2端部22に設けられた第2溝25の第2内壁面251に面で接触して、引っ掛かる力によって係止される。
第2基部41は、第1係止片3の長尺部33が通過可能な孔412を有する。すなわち、第1係止片3の長尺部33は、第2係止片4の孔412に挿入可能とされている。図6(a)に表した例では、孔412は、所定の幅を有するスリット状に形成されている。
図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3の長尺部33は、スリット状に形成された第2係止片4の孔412に挿入されるが、本発明の別の態様によれば、第1係止片の長尺部は、他の形状に形成された第2係止片の孔に挿入されてもよい。すなわち、図6(a)および図6(b)に表した第2係止片4において、第2係止片4の孔412は、スリット状ではなく他の形状に形成されていてもよい。図7は、そのような第2係止片を表した図である。
図7は、本発明による方法において用いられる第2係止片の変形例を表す図である。図7(a)は、第2係止片の変形例を表す正面図である。図7(b)は、図7(a)に表した矢印A15の方向からみたときの側面図である。
本変形例の第2係止片4Aは、例えば、図5(a)および図5(b)に関して前述した第1係止片3Aと共に用いられる。この場合には、固定部材は、第1係止片3Aと、第2係止片4Aと、を有する。第2係止片4Aは、第2基部41Aと、第2係止部42と、を有し、板状の部材、例えば金属板により形成されている。
第2基部41Aは、第1係止片3Aの長尺部33Aが通過可能な孔412Aを有する。すなわち、第1係止片3Aのリング状に形成された端部が第2係止片4の孔412を通過することにより、第1係止片3Aの長尺部33Aは、第2係止片4の孔412に挿入可能とされている。図7(a)に表した例では、孔412Aは、円形に形成されている。なお、孔412Aの形状は、円形だけには限定されず、矩形であってもよく、あるいは、直線部分と円弧部分を有するいわゆる長孔や、楕円などであってもよい。その他の構造は、図6(a)および図6(b)に関して前述した第2係止片4の構造と同様である。
(d)第1係止片および第2係止片で無機質板を把持する工程
図8および図9は、第1係止片および第2係止片で無機質板を把持する工程を説明する断面図である。図8および図9は、図1に表した切断面A11−A11における断面図に相当する。なお、図8〜図10の説明では、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3、ならびに図6(a)および図6(b)に関して前述した第2係止片4を用いる場合を例に挙げる。
この工程では、まず、図8に表したように、第1係止片3の長尺部33を第2係止片4の孔412に通す。続いて、第1係止片3の第1係止部32を無機質板2の第1端部21(具体的には第1溝24)に引っ掛ける。なお、第1係止部32を第1端部21に引っ掛けた後に、長尺部33を第2係止片4の孔412に通してもよい。つまり、長尺部33を第2係止片4の孔412に通すタイミングと、第1係止部32を第1端部21に引っ掛けるタイミングと、の間の先後関係は、特には限定されない。
続いて、図9に表したように、長尺部33を折り曲げた折り曲げ部332に第2係止片4を係合させる。続いて、第2係止片4の第2係止部42を無機質板2の第2端部22(具体的には第2溝25)に引っ掛ける。なお、第2係止部42を第2端部22に引っ掛けた後に、長尺部33を折り曲げた折り曲げ部332に第2係止片4を係合させてもよい。つまり、第2係止部42を第2端部22に引っ掛けるタイミングと、長尺部33を折り曲げた折り曲げ部332に第2係止片4を係合させるタイミングと、の間の先後関係は、特には限定されない。なお、図9の態様では、折り曲げ部332は、第1係止片3の長尺部33を折り返した部分に相当する。
この工程により、第1係止片3の第1係止部32は、無機質板2の第1溝24の入口部の付近に接触して、引っ掛かる力によって係止される。あるいは、第1係止片3の第1係止部32は、第1係止部32の主面が第1溝24の第1内壁面241に接触して、引っ掛かる力によって係止される。第2係止片4の第2係止部42は、無機質板2の第2溝25の入口部の付近に接触して、引っ掛かる力によって係止される。あるいは、第2係止片4の第2係止部42は、第2係止部42の主面が第2溝25の第2内壁面251に接触して、引っ掛かる力によって係止される。このようにして、第1係止片3および第2係止片4で無機質板2を把持することができる。
(e)長尺部を被施工面に締結する工程、および(f)無機質板を被施工面に接着する工程
図10は、長尺部を被施工面に締結する工程、および無機質板を被施工面に接着する工程を説明する断面図である。図10は、図1に表した切断面A11−A11における断面図に相当する。
第1係止片3の長尺部33の被施工面7への締結は、固定具6が長尺部33の固定孔331を通して被施工面7に結合されることにより行われる。図10において、固定具6が通された固定孔331の部分は、躯体71の表面である被施工面7に打ち込まれた固定具6により被施工面7に締結されている。これにより、第1係止片3は、被施工面7に接続される。続いて、無機質板2は、被施工面7に接着剤により接着される。
本実施形態に係る固定方法によれば、無機質板2は、固定部材による接続と、接着剤による接着との二つの手段により固定される。無機質板2には、経時的な劣化などで接着力が十分でなくなった場合でも、固定部材を用いた接続手段が存在するため、脱落や、脱落に伴う被害を防ぐことができる。
また、第1係止片3の長尺部33を折り曲げた折り曲げ部332に第2係止片4を係合させるため、接着を阻害しない薄手の設計が可能となる。例えば、第1係止片3および第2係止片4は、金属板などの板状の部材により形成されているため、第1基部31と、第2基部41と、長尺部33と、の3つの部分の板の厚さで無機質板2の被施工面7への固定方法を実現することができる。これにより、無機質板2が固定された後の接着剤の層の厚みは、好ましくは0.5mm以上5mm以下、より好ましくは1mm以上2mm以下とすることが可能となり、被施工面7または施工面23の全面に接着剤を適用することも可能となる。
また、本発明の好適な態様によれば、第1係止片3の第1係止部32は、第1端部21(具体的には第1溝24)に嵌め込まれるわけではなく、第1端部21に引っ掛けられ、無機質板2に係止される。また、第2係止片4の第2係止部42は、第2端部22(具体的には第2溝25)に嵌め込まれるわけではなく、第2端部22に引っ掛けられ、無機質板2に係止される。これにより、例えば、無機質板2の張り付け位置に応じて無機質板2のサイズが変更された場合であっても、1組の固定部材5(第1係止片3および第2係止片4)で柔軟に対応することができる。
また、第1係止片3は、第1係止部32で無機質板2を必ずしも締め付ける必要はなく、無機質板2の第1端部21に接触して、引っ掛かる力によって係止されていればよい。また、第2係止片4は、第2係止部42で無機質板2を必ずしも締め付ける必要ななく、無機質板2の第2端部22に接触して、引っ掛かる力によって係止されていればよい。これにより、無機質板2の脱落を防ぐことができる。このように、固定部材5が無機質板2を把持する部分に遊びを設けることで、過度の応力負荷が無機質板2に掛かることを抑え、無機質板2が破損することを抑えることができる。つまり、第1係止片3および第2係止片4のそれぞれが無機質板2に引っ掛かる部分に遊びがあっても、固定部材5の全体では無機質板2と固定部材5との間のぐらつきを抑えることができるとともに、無機質板2が破損することを抑えることができる。
また、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3のように、複数の固定孔331が設けられている場合には、作業者は、無機質板2のサイズや張り付け位置に応じて、固定具6を通す固定孔331を複数の固定孔331の中から自由に選択することができる。これにより、作業者は、無機質板2のサイズや張り付け位置に応じて、長尺部33の被施工面7への接続箇所を適宜設定することができる。
図11は、無機質板の被施工面への他の固定方法を説明する図である。
図11の説明では、図5(a)および図5(b)に関して前述した第1係止片3A、ならびに図7(a)および図7(b)に関して前述した第2係止片4Aを用いる場合を例に挙げる。
図11に表した固定方法では、複数の固定部材5Aが用いられる。固定部材5Aは、第1係止片3Aと、第2係止片4Aと、を備える。図11に表したように、第1係止片3Aの長尺部33Aを第2係止片4Aの孔412Aに通す。続いて、第1係止片3Aの第1係止部32を無機質板2の第1端部21(具体的には第1溝24)に引っ掛ける。なお、第1係止部32を第1端部21に引っ掛けた後に、長尺部33Aを第2係止片4Aの孔412Aに通してもよい。つまり、長尺部33Aを第2係止片4Aの孔412Aに通すタイミングと、第1係止部32を第1端部21に引っ掛けるタイミングと、の間の先後関係は、特には限定されない。
続いて、長尺部33Aを折り曲げた部分に第2係止片4Aを係合させる。続いて、第2係止片4Aの第2係止部42を無機質板2の第2端部22(具体的には第2溝25)に引っ掛ける。なお、第2係止部42を第2端部22に引っ掛けた後に、長尺部33Aを折り曲げた部分に第2係止片4Aを係合させてもよい。つまり、第2係止部42を第2端部22に引っ掛けるタイミングと、長尺部33Aを折り曲げた部分に第2係止片4Aを係合させるタイミングと、の間の先後関係は、特には限定されない。なお、図11の態様では、長尺部33Aを折り曲げた部分は、長尺部33Aを折り返した部分に相当する。
続いて、図10に関して前述したように、第1係止片3Aの長尺部33Aの被施工面7への締結は、固定具6が長尺部33Aの固定孔331Aを通して被施工面7に結合されることにより行われる。固定具6が通された固定孔331Aの部分は、躯体71の表面である被施工面7に打ち込まれた固定具6により被施工面7に締結されている。これにより、第1係止片3Aは、被施工面7に接続される。
このような工程を、複数の固定部材5Aにおいて繰り返す。これにより、図11に表したように、複数の固定部材5Aが第1端部21(具体的には第1溝24)および第2端部22(具体的には第2溝25)が延びた方向に沿って配置される。図11に表した固定方法によれば、複数の固定部材5Aを用いた接続手段が存在するため、無機質板2の脱落や、無機質板2の脱落に伴う被害をより確実に防ぐことができる。なお、複数の固定部材5Aの代わりに、図1および図2に表した複数の固定部材5が用いられてもよい。
図12は、無機質板の被施工面へのさらに他の固定方法を説明する図である。
図12に表した固定方法では、固定部材5Bが用いられる。固定部材5Bは、第1係止片3Bと、第2係止片4Bと、を備える。
第1係止片3Bは、第1基部31Bと、第1係止部32(図5(b)参照)と、線材としての長尺部33Aと、を有する。第1基部31Bは、図5(a)および図5(b)に関して前述した第1基部31Aと比較して、長尺とされ、長尺方向(長手方向)に沿って所定間隔で配置された複数の孔313を有する。図12に表した例では、第1基部31Bは、3つの孔313を有する。複数の長尺部33Aのそれぞれの一方の端部は、孔313に通され、任意の固定方法により第1基部31Bの一方の端部に取り付けられている。図12に表した例では、3本の長尺部33Aが設けられている。その他の構造は、図5(a)および図5(b)に関して前述した第1基部31Aの構造と同様である。
第2係止片4Bは、第2基部41Bと、第2係止部42(図7(b)参照)と、を有する。第2基部41Bは、図7(a)および図7(b)に関して前述した第2基部41Aと比較して、長尺とされ、長尺方向(長手方向)に沿って所定間隔で配置された複数の孔412Aを有する。図12に表した例では、第2基部41Bは、3つの孔412Aを有する。その他の構造は、図7(a)および図7(b)に関して前述した第2基部41Aの構造と同様である。
図12に表したように、第1係止片3Bの複数の長尺部33Aのそれぞれを第2係止片4Bの複数の孔412Aのそれぞれに通す。続いて、第1係止片3Bの第1係止部32を無機質板2の第1端部21(具体的には第1溝24)に引っ掛ける。なお、第1係止部32を第1端部21に引っ掛けた後に、長尺部33Aを第2係止片4Bの孔412Aに通してもよい。つまり、長尺部33Aを第2係止片4Bの孔412Aに通すタイミングと、第1係止部32を第1端部21に引っ掛けるタイミングと、の間の先後関係は、特には限定されない。
続いて、長尺部33Aを折り曲げた部分に第2係止片4Bを係合させる。続いて、第2係止片4Bの第2係止部42を無機質板2の第2端部22(具体的には第2溝25)に引っ掛ける。なお、第2係止部42を第2端部22に引っ掛けた後に、長尺部33Aを折り曲げた部分に第2係止片4Bを係合させてもよい。つまり、第2係止部42を第2端部22に引っ掛けるタイミングと、長尺部33Aを折り曲げた部分に第2係止片4Bを係合させるタイミングと、の間の先後関係は、特には限定されない。なお、図12の態様では、長尺部33Aを折り曲げた部分は、長尺部33Aを折り返した部分に相当する。
続いて、図10に関して前述したように、第1係止片3Bの長尺部33Aの被施工面7への締結は、固定具6が長尺部33Aの固定孔331Aを通して被施工面7に結合されることにより行われる。固定具6が通された固定孔331Aの部分は、躯体71の表面である被施工面7に打ち込まれた固定具6により被施工面7に締結されている。これにより、第1係止片3Bは、被施工面7に接続される。
図12に表した固定方法によれば、複数の長尺部33Aを用いた接続手段が存在するため、無機質板2の脱落や、無機質板2の脱落に伴う被害をより確実に防ぐことができる。なお、線材としての長尺部33Aの代わりに、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1基部31に一体的に形成された長尺部33が用いられてもよい。また、第1基部31Bが有する孔313の数、長尺部33Aの数、および第2基部41Bが有する孔412Aの数は、図12に表した例には限定されない。
図13は、無機質板の被施工面へのさらに他の固定方法を説明する図である。
図13において、無機質板2Aの第1端部21Aに第1溝24Aが設けられ、無機質板2Aの第2端部22Aに第2溝25Aが設けられている。固定部材5Cのうちの第1係止片3Cの第1係止部32(図5(b)参照)が第1溝24Aに引っ掛けられ、固定部材5Cのうちの第2係止片4Cの第2係止部42(図7(b)参照)が第2溝25Aに引っ掛けられることにより、固定部材5Cは、第1係止部32および第2係止部42で無機質板2を把持する。言い換えれば、固定部材5Cが無機質板2Aに係止される。
固定部材5Cは、第1係止片3Cと、第2係止片4Cと、を備える。第1係止片3Cの構造は、図5(a)および図5(b)に関して前述した第1係止片3Aの構造と同様である。第2係止片4Cは、第2基部41Cと、第2係止部42(図7(b)参照)と、を有する。第2基部41Cは、図7(a)および図7(b)に関して前述した第2基部41Aと比較して、長尺とされている。具体的には、図13に表した第2係止片4Cにおける第2係止部42と孔412Aとの間の距離は、図7(a)および図7(b)に関して前述した第2係止片4Aにおける第2係止部42と孔412Aとの間の距離よりも長い。
第1溝24Aおよび第2溝25Aは、互いに並行して上下方向に延びるとともに(図13参照)、深さ方向(第1端部21Aおよび第2端部22Aが互いに対向する方向)に向かって互いに接近するように延びている。図13に示す無機質板2Aにおいて、第1端部21Aは、無機質板2Aが被施工面7に固定された状態における右端部および左端部のいずれか一方に相当する。また、第2端部22Aは、無機質板2Aが被施工面7に固定された状態における右端部および左端部のいずれか他方に相当する。
第1溝24Aは、第1端部21Aの長手方向における略中央部に設けられ、無機質板2Aの上端部および下端部までは延びていない。つまり、第1溝24Aは、第1端部21Aの表面(端面)からみて第2端部22Aに向かって凹んだ凹部として形成されている。第2溝25Aは、第2端部22Aの長手方向における略中央部に設けられ、無機質板2Aの上端部および下端部までは延びていない。つまり、第2溝25Aは、第2端部22Aの表面(端面)からみて第1端部21Aに向かって凹んだ凹部として形成されている。
なお、第1溝24Aは、必ずしも凹部として形成されていなくともよく、第1係止片3Cの第1基部31Aが上方向に移動することを抑制する壁面(上面)としての第1段部243を有していればよい。また、第2溝25Aは、必ずしも凹部として形成されていなくともよく、第2係止片4Cの第2基部41Cが上方向に移動することを抑制する壁面(上面)としての第2段部253を有していればよい。
図13に表したように、第1係止片3Cの長尺部33Aを第2係止片4Cの孔412Aに通す。続いて、第1係止片3Cの第1係止部32(図5(b)参照)を無機質板2Aの第1端部21A(具体的には第1溝24A)に引っ掛ける。なお、第1係止部32を第1端部21Aに引っ掛けた後に、長尺部33Aを第2係止片4Cの孔412Aに通してもよい。つまり、長尺部33Aを第2係止片4Cの孔412Aに通すタイミングと、第1係止部32を第1端部21Aに引っ掛けるタイミングと、の間の先後関係は、特には限定されない。
続いて、長尺部33Aを上方向に折り曲げた部分に第2係止片4Cを係合させる。続いて、第2係止片4Cの第2係止部42(図7(b)参照)を無機質板2Aの第2端部22A(具体的には第2溝25A)に引っ掛ける。なお、第2係止部42を第2端部22Aに引っ掛けた後に、長尺部33Aを上方向に折り曲げた部分に第2係止片4Cを係合させてもよい。つまり、第2係止部42を第2端部22Aに引っ掛けるタイミングと、長尺部33Aを上方向に折り曲げた部分に第2係止片4Cを係合させるタイミングと、の間の先後関係は、特には限定されない。
続いて、図10に関して前述したように、第1係止片3Cの長尺部33Aの被施工面7への締結は、固定具6が長尺部33Aの固定孔331Aを通して被施工面7に結合されることにより行われる。固定具6が通された固定孔331Aの部分は、躯体71の表面である被施工面7に打ち込まれた固定具6により被施工面7に締結されている。これにより、第1係止片3Cは、被施工面7に接続される。
図13に表した固定方法によれば、固定部材5Cは、無機質板の上端部および下端部には限定されず、無機質板2Aの左端部および右端部に接触して、引っ掛かる力によって無機質板2Aを把持する。これにより、作業者は、無機質板2Aのサイズや張り付け位置に応じて、長尺部33Aの被施工面7への接続箇所を適宜設定することができる。
次に、第1溝および第2溝の変形例を、図面を参照して説明する。
図14は、第1溝および第2溝の第1変形例を表す断面図である。図14は、図1に表した切断面A11−A11における断面図に相当する。なお、図14の説明では、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3、ならびに図6(a)および図6(b)に関して前述した第2係止片4を用いる場合を例に挙げる。
本変形例では、無機質板2Bの第1端部21に第1溝24Bが設けられ、無機質板2Bの第2端部22に第2溝25Bが設けられている。第1溝24Bおよび第2溝25Bが延びた方向に沿ってみたときに、第1溝24Bおよび第2溝25Bのそれぞれの形状は、三角形(V溝形状)である。
図14に表したように、第1溝24Bの第1内壁面241の入口部(開口部)側の端部は、第1端部21の表面から第2端部22に向かって後退した位置に設けられている。そのため、図14に表した距離D1のように、第1基部31と第1係止部32との境界部(折り曲げ部)は、第1端部21の表面から第2端部22に向かって後退した位置に配置される。なお、図14に表した距離D1は、ゼロであってもよい。
また、第2溝25Bの第2内壁面251の入口部(開口部)側の端部は、第2端部22の表面から第1端部21に向かって後退した位置に設けられている。そのため、図14に表した距離D2のように、第2基部41と第2係止部42との境界部(折り曲げ部)は、第2端部22の表面から第1端部21に向かって後退した位置に配置される。なお、図14に表した距離D2は、ゼロであってもよい。
本変形例によれば、第1係止片3および第2係止片4が無機質板2Bの第1端部21および第2端部22よりも外側に配置されることを抑制することができる。そのため、第1係止片3および第2係止片4と、隣り(例えば上の段や下の段など)に配置される無機質板2Bと、が干渉することをより確実に抑制することができる。これにより、無機質板2Bと被施工面7との間に形成される接着層の厚さを抑えることができる。
図15は、第1溝および第2溝の第2変形例を表す断面図である。図15は、図1に表した切断面A11−A11における断面図に相当する。
本変形例では、無機質板2Cの第1端部21に第1溝24Cが設けられ、無機質板2Cの第2端部22に第2溝25Cが設けられている。第1溝24Cおよび第2溝25Cが延びた方向に沿ってみたときに、第1溝24Cおよび第2溝25Cのそれぞれの形状は、半円形(U溝形状)である。
本変形例の固定部材5Dは、第1係止片3Dと、第2係止片4Dと、を有する。第1係止片3Dは、第1溝24Cに引っ掛けられる第1係止部32Aを有する。その他の構造は、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3の構造と同様である。また、第2係止片4Dは、第2溝25Cに引っ掛けられる第2係止部42Aを有する。その他の構造は、図6(a)および図6(b)に関して前述した第2係止片4の構造と同様である。
本変形例のように、第1係止片3Dおよび第2係止片4Dのそれぞれが無機質板2Cに引っ掛かる部分に遊びがあっても、固定部材5Dの全体では無機質板2Cと固定部材5Dとの間のぐらつきを抑えることができるとともに、無機質板2Cが破損することを抑えることができる。
図16は、第1溝および第2溝の第3変形例を表す断面図である。図16は、図1に表した切断面A11−A11における断面図に相当する。
本変形例では、無機質板2Dの第1端部21に第1溝24Dが設けられ、無機質板2Dの第2端部22に第2溝25Dが設けられている。第1溝24Dおよび第2溝25Dが延びた方向に沿ってみたときに、第1溝24Dおよび第2溝25Dのそれぞれの形状は、三角形(V溝形状)である。
具体的には、第1溝24Dの2つの内壁面241D、242Dの両方は、無機質板2Dの施工面23(図1参照)に対して垂直ではなく、無機質板2Dの施工面23に対して傾斜して延びている。また、第2溝25Dの2つの内壁面251D、252Dの両方は、無機質板2Dの施工面23に対して垂直ではなく、無機質板2Dの施工面23に対して傾斜して延びている。この点において、本変形例の無機質板2Dは、図3に関して前述した無機質板2とは異なる。
本変形例の固定部材5Eは、第1係止片3Eと、第2係止片4Eと、を有する。第1係止片3Eは、第1溝24Dに引っ掛けられる第1係止部32Bを有する。例えば、第1係止部32Bは、第1溝24Dに挿入されると、第1係止部32Bの主面が無機質板2Dの第1端部21に設けられた第1溝24Dの内壁面241Dに面で接触して、引っ掛かる力によって係止される。その他の構造は、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3の構造と同様である。
第2係止片4Eは、第2溝25Dに引っ掛けられる第2係止部42Bを有する。例えば、第2係止部42Bは、第2溝25Dに挿入されると、第2係止部42Bの主面が無機質板2Dの第2端部22に設けられた第2溝25Dの内壁面251Dに面で接触して、引っ掛かる力によって係止される。その他の構造は、図4(a)および図4(b)に関して前述した第2係止片4の構造と同様である。
本変形例のように、第1溝24Dおよび第2溝25Dの内壁面は、いずれも、無機質板2Dの施工面23に対して傾斜して延びていてもよい。これによれば、作業者は、第1係止部32Bを比較的容易に第1溝24Dに引っ掛けることができるとともに、第2係止部42Bを比較的容易に第2溝24Dに引っ掛けることができる。
図17は、第1溝および第2溝の第4変形例を表す断面図である。図17は、図1に表した切断面A11−A11における断面図に相当する。
本変形例では、無機質板2Eの第1端部21に第1溝24Eが設けられ、無機質板2Eの第2端部22に第2溝25Eが設けられている。第1溝24Eおよび第2溝25Eが延びた方向に沿ってみたときに、第1溝24Eおよび第2溝25Eのそれぞれの形状は、四角形(矩形状)である。
具体的には、第1溝24Eの2つの内壁面241E、242Eの両方は、無機質板2Eの施工面23に並行して延びている。また、第2溝25Eの2つの内壁面251E、252Eの両方は、無機質板2Eの施工面23に並行して延びている。
本変形例の固定部材5Fは、第1係止片3Fと、第2係止片4Fと、を有する。第1係止片3Fは、第1溝24Eに引っ掛けられる第1係止部32Cを有する。その他の構造は、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3の構造と同様である。また、第2係止片4Fは、第2溝25Eに引っ掛けられる第2係止部42Cを有する。その他の構造は、図6(a)および図6(b)に関して前述した第2係止片4の構造と同様である。
本変形例のように、第1溝24Eおよび第2溝25Eの内壁面は、いずれも、無機質板2Eの施工面23に対して傾斜して延びていてもよい。これによれば、無機質板2Eの脱落や、無機質板2Eの脱落に伴う被害をより確実に防ぐことができる。
図18は、被施工面に、複数の無機質板を張り付けた状態の説明図である。すなわち、図18は、被施工面7と、被施工面7に固定された無機質板2と、無機質板2に係止された固定部材5Aと、を備えてなる構造物を表す。なお、無機質板2に係止される固定部材は、固定部材5Aには限定されず、図1〜図17に関して前述した固定部材5、5A、5B、5C、5D、5E、5Fのいずれであってもよい。
図18において、無機質板2は、第1係止片3Aの長尺部33Aを固定具6により被施工面7に接続し、さらに無機質板2を接着剤で接着することにより固定される。図18にあっては、無機質板1枚あたり、2つの固定部材5Aが設けられている。このとき、第1溝24および第2溝25は、2つの固定部材5Aに対して共通の溝として用いられていてもよく、あるいは各部材毎に一対の溝として設けられていてもよい。
また、図18にあって、無機質板2は4段に張り付けられており、下の段の無機質板2についての固定具6は上の段の無機質板2に隠れるよう構成されている。図18にあっては、固定具6は、それにより接続される無機質板2の上端部(第1端部21)よりも上に設けられているが、上端部よりも下、すなわち、それにより接続される無機質板2に隠れる位置に設けられてもよい。
被施工面7に設けられる固定具6は、結果として二重化された固定手段として、接着等の第一の固定手段が失われたときにも無機質板を係止することができる強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ビス、タッピンねじ、ドリリングねじ、釘、リベットなどが挙げられる。
接着剤としては、無機質板を被施工面に接着可能なものであれば限定されないが、合成高分子系の接着剤が好ましい。合成高分子系の接着剤としては、エポキシ系、シリコン系、ウレタン系、アクリル系などが好適に用いられる。これらの接着剤は、常温で液状またはペースト状の接着剤、ホットメルト接着剤、テープ状に成形されたもの、のいずれも好適に使用可能である。
図18に表したように、無機質板1枚あたりに複数の固定部材5Aが設けられている場合には、固定部材5Aが無機質板2を把持する部分に遊びが設けられる場合であっても、複数の固定部材5Aの全体として無機質板2を保持する力を確保することができる。
なお、本発明において、無機質板2の施工面23と被施工面7との接着剤による接着は、無機質板2と躯体71との間に下地材が介在する態様も含まれるものとする。この場合、下地材の内側に、躯体や間柱、ライトゲージスチール(LGS)などのスタッド、またはパネルフレームなどの構造材があり、例えば、躯体が鉄骨等の柱である場合には、板状の下地材が躯体やこれらの構造材に公知の方法で固定されており、この下地材の表面に無機質板を接着剤で張り付ける。また例えば、既設の壁をリフォームする際に本発明の方法を適用する場合、既設の壁面を下地材として、その上に接着剤を用いて無機質板を張り付けても良い。いずれの場合も、固定具は躯体や上記の構造材に固定されていることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。例えば、図4(a)および図4(b)に関して前述した第1係止片3と、図5(a)および図5(b)に関して前述した第1係止片3Aと、を組み合わせてもよい。すなわち、線材としての長尺部33Aの一方の端部を長尺部33の固定孔331に通し、任意の固定方法により、第1係止片3の長尺部33と、第1係止片3Aの長尺部33Aと、を連結させてもよい。
2、2A、2B、2C、2D、2E・・・無機質板、 3、3A、3B、3C、3D、3E、3F・・・第1係止片、 4、4A、4B、4C、4D、4E、4F・・・第2係止片、 5、5A、5B、5C、5D、5E、5F・・・固定部材、 6・・・固定具、 7・・・被施工面、 21、21A・・・第1端部、 22、22A・・・第2端部、 23・・・施工面、 24、24A、24B、24C、24D、24E・・・第1溝、 25、25A、25B、25C、25D、25E・・・第2溝、 31、31A、31B・・・第1基部、 32、32A、32B、32C・・・第1係止部、 33、33A・・・長尺部、 41、41A、41B、41C・・・第2基部、 42、42A、42B、42C・・・第2係止部、 71・・・躯体、 241・・・第1内壁面、 241D、241E・・・内壁面、 242・・・第1立壁面、 242D、242E・・・内壁面、 243・・・第1段部、 251・・・第2内壁面、 251D、251E・・・内壁面、 252・・・第2立壁面、 252D、252E・・・内壁面、 253・・・第2段部、 311、312・・・端部、 313・・・孔、 331、331A・・・固定孔、 332・・・折り曲げ部、 411・・・端部、 412、412A・・・孔

Claims (10)

  1. 無機質板を被施工面に固定する方法であって、
    (a)互いに対向する第1端部および第2端部を有する無機質板を用意する工程と、
    (b)第1基部と、前記第1基部の一方の端部に設けられ前記第1端部に係止される第1係止部と、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられ前記第1基部から外側に向かって延びる長尺部と、を有する第1係止片を用意する工程と、
    (c)第2基部と、前記第2基部の一方の端部に設けられ前記第2端部に係止される第2係止部と、を有する第2係止片と用意する工程と、
    (d)前記第1係止部を前記第1端部に引っ掛け、前記長尺部を折り曲げた折り曲げ部に前記第2係止片を係合させ、前記第2係止部を前記第2端部に引っ掛けることにより、前記第1係止片および前記第2係止片で前記無機質板を把持する工程と、
    (e)前記長尺部を前記被施工面に固定具で締結することにより、前記第1係止片を前記被施工面に接続する工程と、
    (f)前記長尺部が配置される前記無機質板の面と前記被施工面とを接着する工程と、
    を含んでなる方法。
  2. 前記第2基部は、前記長尺部が通過可能な孔を有し、
    前記工程(d)において、前記長尺部を前記孔に通した後に前記長尺部を折り曲げて前記折り曲げ部を形成する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記長尺部は、前記長尺部が延びる方向に沿って所定間隔で設けられた複数の固定孔を有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記長尺部は、前記第1基部に一体的に形成されてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記無機質板は、
    前記第1端部に設けられ前記第1係止片が引っ掛かる第1孔または第1溝と、
    前記第2端部に設けられ前記第2係止片が引っ掛かる第2孔または第2溝と、
    を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第1端部は、前記無機質板が前記被施工面に固定された状態における上端部であり、前記第2端部は、前記無機質板が前記被施工面に固定された状態における下端部である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1端部は、前記無機質板が前記被施工面に固定された状態における右端部および左端部のいずれか一方であり、前記第2端部は、前記無機質板が前記被施工面に固定された状態における右端部および左端部のいずれか他方である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記無機質板は、
    前記第1孔または前記第1溝により形成された第1段部と、
    前記第2孔または前記第2溝により形成された第2段部と、
    を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の前記無機質板を前記被施工面に固定する方法に用いられる固定部材であって、
    第1基部と、前記第1基部の一方の端部に設けられ前記第1端部に係止される第1係止部と、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられ前記第1基部から外側に向かって延びる長尺部と、を有する第1係止片と、
    第2基部と、前記第2基部の一方の端部に設けられ前記第2端部に係止される第2係止部と、を有する第2係止片と、
    を備えてなる固定部材。
  10. 被施工面と、前記被施工面に固定された無機質板と、前記無機質板に係止された固定部材と、を備えてなる構造物であって、
    前記無機質板は、互いに対向する第1端部および第2端部を有してなり、
    前記固定部材は、
    第1基部と、前記第1基部の一方の端部に設けられ前記第1端部に係止される第1係止部と、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられ前記第1基部から外側に向かって延びる長尺部と、を有する第1係止片と、
    第2基部と、前記第2基部の一方の端部に設けられ前記第2端部に係止される第2係止部と、を有する第2係止片と、
    を有してなり、
    前記第1係止部が前記第1端部に引っ掛けられ、前記長尺部を折り曲げた折り曲げ部に前記第2係止片が係合され、前記第2係止部が前記第2端部に引っ掛けられることにより、前記無機質板が前記第1係止片および前記第2係止片で把持されてなるとともに、前記固定部材が前記被施工面に接続され、前記長尺部が配置される前記無機質板の面と前記被施工面とが接着されてなる構造物。
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