JP2018109097A - 塗膜および物品 - Google Patents

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宏樹 西山
Hiroki Nishiyama
宏樹 西山
耕太朗 西田
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Abstract

【課題】撥液性と耐水性を有する塗膜を提供すること。撥液性と耐水性を有する物品を提供すること。【解決手段】(A)一般式(R1O)3SiR2で表されるトリアルコキシアルキルシラン(式中、R1は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は、炭素数6〜16のアルキル基である)と、(B)一般式(R3O)4Siで表されるテトラアルコキシシラン(式中、R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である)と、(C)触媒とを含み、前記(B)と(A)とのモル比(B)/(A)が、0.3〜200である塗料組成物から形成された塗膜であって、塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)が、0.4以下である、塗膜。【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜および物品に関する。
屋外で風雨にさらされる建築物や車両などでは、これらの建築物や車両などの汚れ、腐食、劣化などの防止のために保護対象物の素地に撥水性塗膜などが施されることがある。
例えば、特許文献1では、自動車・建材用ガラスの雨滴除去性の向上や防曇製の発現による視界確保や汚れ付着防止などのための表面改質技術として、固体表面に形成させた有機−無機透明ハイブリッド皮膜であって、所定のモル比で混合されている有機シランと金属アルコキシドを、有機溶媒、水、触媒として塩酸を含む溶液中で共加水分解・縮重合することにより得られた有機−無機透明ハイブリッド皮膜を提案している。
しかし、特許文献1で実際に測定および評価しているのは、撥水/撥油性、耐指紋付着性および防曇性のみである(特許文献1の[0111])。
特開2013−213181号公報
しかし、本発明者らが検討した結果、特許文献1のハイブリッド皮膜では、降雨後や没水後など、当該ハイブリッド皮膜が多量の水に濡れた後(例えば、室温で3時間没水後)には撥液性が失われることが分かった。屋外で使用する塗膜では、多量の水に濡れた後でも撥液すること、すなわち、撥液性と耐水性を有することが必須である。
そこで、本発明は、撥液性と耐水性を有する塗膜を提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、撥液性と耐水性を有する物品を提供することである。
本発明に係る塗膜は、
(A)一般式(RO)SiRで表されるトリアルコキシアルキルシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、炭素数6〜16のアルキル基である)と、
(B)一般式(RO)Siで表されるテトラアルコキシシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である)と、
(C)触媒とを含み、
前記(B)と(A)とのモル比(B)/(A)が、0.3〜200である塗料組成物から形成された塗膜であって、
塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)が、0.4以下である、塗膜である。塗膜がこのような塗料組成物から形成されており、かつ、当該塗膜中の比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)が特定範囲であることにより、塗膜は撥液性と耐水性を有する。
本発明に係る物品は、上記塗膜を表面に有する物品である。これにより、物品は、撥液性と耐水性を有する。
本発明によれば、撥液性と耐水性を有する塗膜を提供することができる。また、本発明によれば、撥液性と耐水性を有する物品を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
本明細書では、塗膜が多量の水に濡れることを没水ということがある。
本発明において、撥液性は、撥水性および撥油性を意味する。
本発明において、R、R、Rについて、これらが非置換のアルキル基であるとは、アルキル基が、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、ハロゲン)およびヘテロ原子を有する官能基で置換されていないことを意味する。
本発明において、塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)は、実施例に記載の測定法により求める。
本発明において、素地は、塗料組成物が塗装される表面であり、被塗装物の未塗装表面および既塗装表面の両者を含む。
本発明において、2以上の実施形態を任意に組み合わせることができる。
本発明において、塗料と塗料組成物は相互互換的に用いることができる。
本明細書では、(A)一般式(RO)SiRで表されるトリアルコキシアルキルシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、炭素数6〜16のアルキル基である)、(B)一般式(RO)Siで表されるテトラアルコキシシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である)および(C)触媒をそれぞれ、(A)成分、(B)成分および(C)成分ということがある。
(塗膜)
本発明に係る塗膜は、
(A)一般式(RO)SiRで表されるトリアルコキシアルキルシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、炭素数6〜16のアルキル基である)と、
(B)一般式(RO)Siで表されるテトラアルコキシシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である)と、
(C)触媒とを含み、
前記(B)と(A)とのモル比(B)/(A)が、0.3〜200である塗料組成物から形成された塗膜であって、
塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)が、0.4以下である、塗膜である。
本発明に係る塗膜は、上記の特定のモル比で配合された(A)成分と(B)成分を含む塗料組成物から形成された塗膜である。塗膜の形成時に、(A)成分と(B)成分が共に有するアルコキシ基の加水分解反応によって、Si−OH基(シラノール基)が生成し、このシラノール基の縮合反応によってSi−O−Si結合(シロキサン結合)が生成して、シロキサン骨格を有するシリコーンポリマーとなり、塗膜が形成される。このような塗料組成物から形成された塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合、ここで、分子がSi−OH基であり、分母がSi−O−Si結合である)が、0.4以下であることにより、撥液性と耐水性を有する(没水後にも撥液性を有する)。
本発明に係る塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)は、0.4以下であり、0.1〜0.3であることが好ましい。
(塗膜の形成方法)
本発明に係る塗膜の形成方法は、塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)を0.4以下とすることができる方法であれば特に限定されない。本発明に係る塗膜の形成方法の一実施形態では、素地の表面に、後述する塗料組成物を塗装して皮膜を形成する工程と、前記皮膜を−5〜100℃で、加熱してまたは加熱せずに乾燥させて、塗膜を形成する工程を含み、前記塗料組成物が、(A)成分と、(B)成分と、触媒とを含み、前記触媒が、酸と、有機金属化合物および金属錯体からなる群より選択される1種以上とを含む。このような触媒を用いることにより、塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)が0.4以下となり、塗膜に耐水性が付与される。
本発明に係る塗膜の形成方法の別の実施形態では、素地の表面に、上記の塗料組成物を塗装して皮膜を形成する工程と、前記皮膜を−5〜100℃で、加熱してまたは加熱せずに乾燥させて、プレ塗膜を形成する工程と、得られたプレ塗膜を塩基で処理する工程とを含み、前記塗料組成物が、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含む。塩基で処理することにより、プレ塗膜中の(A)成分および(B)成分の加水分解反応と縮合反応が進み、塗膜に耐水性が付与される。
塗膜を塩基で処理する工程において、塩基としては、例えば、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミンなどが挙げられる。塩基で処理する方法としては、例えば、気体状のアンモニアが充填された密閉空間内に塗膜を静置する方法;気体状のアンモニアまたは塩基性の水溶液を塗膜に霧状に吹き付ける方法;塩基性の水溶液を浸した布または紙などを塗膜表面に貼り付けて静置する方法などが挙げられる。
塗料組成物を塗装する素地は、特に限定されず、適宜選択することができる。素地となり得る被塗装物としては、例えば、自動車、電車、バス、タクシーなどの車両;船;飛行機、ヘリコプターなどの航空機;戸建住宅、マンションなどの集合住宅、オフィスビル、公共施設、商業施設、研究施設、軍事施設、トンネルなどの建築物ないし建造物の壁面、床面、天井、屋根、柱、看板、電子看板(デジタルサイネージ)、ドア、門;橋;自動販売機;道路標識;信号;街灯;LED方式、液晶方式、電球方式などの電光掲示板;建築現場の建築材料、作業機械、建築機械;石碑;墓石;衣類;靴などの履物;傘などの雨具;包装材;メガネ、望遠鏡、カメラ、ビデオカメラなどのレンズ;鏡などが挙げられる。
素地の種類としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、ゴムなどの有機ないしプラスチック材料;ガラス;ブリキ、鉄材、鋼材、銅材、金、銀、アルミニウムなどの金属;アスファルト;セラミック;コンクリート、モルタル、れんが、スレート、大理石などの石材;木材、合板などが挙げられる。
素地は被塗装物の未塗装表面と既塗装表面のいずれでもよい。既塗装表面の場合、塗料組成物が塗装される下地層は、公知の塗膜から適宜選択することができる。このような下地層としては、例えば、エナメル塗料の塗膜、クリヤー塗料の塗膜などが挙げられる。
素地に塗料組成物を塗装する方法は、特に限定されず、公知の方法から適宜選択して用いることができる。塗装方法としては、例えば、浸漬法、スプレー塗り、カーテンコーティング、はけ塗り、ロールコーティング、バーコーティングなどが挙げられる。
塗装量は特に限定されず、適宜調整すればよい。
素地の表面に、塗料組成物を塗装した後または塗装しながら、−5〜100℃で、加熱してまたは加熱せずに乾燥させて、塗膜を形成する。
乾燥時間は特に限定されず、適宜調整すればよい。例えば、温度23℃であれば、12時間〜1週間、温度60℃であれば5分〜30分程度で乾燥させることができる。
以下、本発明に係る塗膜を形成する塗料組成物を説明する。
(塗料組成物)
本発明に係る塗膜を形成する塗料組成物は、
(A)一般式(RO)SiRで表されるトリアルコキシアルキルシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、炭素数6〜16のアルキル基である)と、
(B)一般式(RO)Siで表されるテトラアルコキシシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である)と、
(C)触媒とを含み、
前記(B)と(A)とのモル比(B)/(A)が、0.3〜200である。
<(A)成分>
(A)成分は、一般式(RO)SiRで表されるトリアルコキシアルキルシランであり、式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、炭素数6〜16のアルキル基である。(A)成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分のアルコキシ基(RO)のRの炭素数は、1〜4である。一実施形態では、Rの炭素数は、1〜2であり、別の実施形態では、Rの炭素数は、1であり、別の実施形態では、Rの炭素数は、2である。一実施形態では、(A)成分の3つあるアルコキシ基(RO)は全て同じである。Rの炭素数が5以上では、塗膜の撥液性が高まらない。
(A)成分のアルキル基(R)の炭素数は、6〜16である。Rの炭素数は、8〜14であることが好ましく、10〜12であることがより好ましい。Rの炭素数が5以下または17以上の場合は、塗膜の撥液性が高まらない。一実施形態では、Rの炭素数は、6、8、10、12、14および16から選択されるいずれかである。
(A)成分のRとRは、それぞれ、直鎖状および分岐状のいずれであってもよく、置換されていてもよく、非置換であってもよい。
塗料組成物中の(A)成分の含有量は、(B)と(A)とのモル比(B)/(A)(分子が(B)成分のモル、分母が(A)成分のモルである)が0.3〜200であれば特に限定されず、適宜調整すればよい。
(B)と(A)とのモル比(B)/(A)は、0.3〜200である。当該モル比がこの範囲外の場合では、塗膜の撥液性が高まらない。一実施形態では、モル比(B)/(A)は、0.5以上であり、1以上であり、4以上であり、または40以上である。一実施形態では、モル比(B)/(A)は、40以下であり、16以下であり、または4以下である。別の実施形態では、モル比(B)/(A)は、0.5〜40である。さらに別の実施形態では、モル比(B)/(A)は、0.5〜16である。
<(B)成分>
(B)成分は、一般式(RO)Siで表されるテトラアルコキシシランであり、式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。(B)成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分のアルコキシ基(RO)のRの炭素数は、1〜4である。一実施形態では、Rの炭素数は、1〜2であり、別の実施形態では、Rの炭素数は、1であり、別の実施形態では、Rの炭素数は、2である。一実施形態では、(B)成分の3つあるアルコキシ基(RO)は全て同じである。Rの炭素数が5以上では、塗膜の撥液性が高まらない。
(B)成分のRは、直鎖状および分岐状のいずれであってもよく、置換されていてもよく、非置換であってもよい。
塗料組成物中の(B)成分の含有量は、(B)と(A)とのモル比(B)/(A)が0.3〜200であれば特に限定されず、適宜調整すればよい。
<(C)成分>
(C)成分は、(A)成分と(B)成分のアルコキシ基の加水分解反応を促進する、または(A)成分と(B)成分の縮合反応を促進する働きを有する触媒である。このような触媒としては、例えば、酸、有機金属化合物、金属錯体、塩基、アミノ化合物などが挙げられる。触媒は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分としての酸は、例えば、無機酸、有機酸などが挙げられる。
(C)成分の無機酸としては、例えば、硫酸、亜硫酸、発煙硫酸(オレウム)、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、亜リン酸、二リン酸、硝酸、硫化水素、ヨウ素酸などが挙げられる。
(C)成分の有機酸としては、例えば、乳酸、酒石酸、クエン酸、マンデル酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、キナ酸、リンゴ酸などの2−ヒドロキシカルボン酸、ギ酸、酢酸、3−ヒドロキシイソ酪酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エチルスルホン酸、メチルスルホン酸、エチレンジスルホン酸、ドデシルスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸類、パーフルオロアルキルスルホン酸類、マレイン酸、ピクリン酸、トリヒドロキシ安息香酸、トリニトロフェノール、スルファミン酸、フルオロケイ酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸などが挙げられる。
(C)成分として無機酸または有機酸を用いる場合、含有量は適宜調節すればよい。無機酸の濃度は、一実施形態では、0.0001〜1mol/Lであり、別の実施形態では、0.001〜0.1mol/Lである。有機酸の濃度は、一実施形態では、0.001〜0.5mol/Lであり、別の実施形態では、0.05〜0.5mol/Lである。
(C)成分としての有機金属化合物は、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクチレート、ジブチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトン)、アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)などの有機アルミニウム化合物;ジルコニウム(アセチルアセトン)、ジルコニウムトリス(アセチルアセトン)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)などの有機ジルコニウム化合物;チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)などの有機チタニウム化合物などが挙げられる。
(C)成分としての金属錯体は、金属(中心金属)および配位子を有するものであればよく、公知の金属錯体を用いることができる。
金属錯体の金属としては、特に限定されず、適宜選択して用いることができる。一実施形態では、金属錯体の金属は、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、クロム、コバルト、鉄、マンガン、ニッケル、スズおよび亜鉛からなる群より選択される1以上である。別の実施形態では、金属錯体の金属は、アルミニウム、チタンおよびジルコニウムからなる群より選択される1以上である。
金属錯体の配位子としては、特に限定されず、適宜選択して用いることができる。配位子は、配位子中の1以上の原子で金属(中心金属)に配位すればよく、単座配位子として配位してもよいし、多座配位子として配位してもよい。例えば、アセチルアセトナト配位子は、エノール形キレート配位してもよいし;1つの酸素原子で単座配位してもよいし;ケト形のメチレン基からプロトンが解離し、中央の炭素原子がσ結合で配位してもよいし;メチル基のプロトンが外れて生ずるメチレンの炭素がσ結合で配位してもよいし;エノール形の3つの炭素原子が配位してもよいし;これらの配位の組み合わせでもよい。
金属錯体の配位子としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ(n−プロピルオキシともいう)、イソプロポキシ(イソプロピルオキシともいう)、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−オクトキシ、2−エチルヘキソキシ(2−エチルヘキシルオキシともいう)、tert−アミルオキシ(O−t−C11)、ステアリルオキシ(OC1837)などの直鎖状または分岐状のアルコキシド;アセチルアセトネート(アセチルアセトナトともいう、C )、エチルアセトアセテート(エチルアセトアセタトともいう、C )、イソブチルアセトアセテート、2−エチルヘキシルアセトアセテート、ドデシルアセトアセテート、オレイルアセトアセテート;リン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、塩化ジルコニル、2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシ(C17 、2−エチル−3−オキソヘキシルオキシともいう)、オクチレングリコレート、アミノエタノレート、メチルアミノエタノレート、エチルアミノエタノレート、ジエタノールアミネート、トリエタノールアミネート、アミノエチルアミノエタノレート(OCNHCNH)、ラクテート([OCH(CH)COOH])、ラクテートアンモニウム塩([OCH(CH)COO]NH )、1,3−プロパンジオキシ(C 2−)などが挙げられる。
一実施形態では、金属錯体の配位子は、アルコキシド以外の配位子であり、換言するとアルコキシドを含まない。別の実施形態では、金属錯体の配位子は、キレート型配位子(例えば、アセチルアセトネートおよびエチルアセトアセテート)である。
金属錯体は、例えば、上記金属と上記配位子との組み合わせでもよく、適宜選択して用いることができる。
また、金属錯体は、ダイマー、トライマー、テトラマーなどのオリゴマーでもよい。例えば、ダイマーとしては、チタンブトオキシドダイマー((n−CO)Ti−O−Ti(n−CO))などが挙げられる。
金属錯体の調製方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、中心金属を有する金属アルコキシドを2−プロパノールなどの溶媒に溶解し、その溶液に、配位子を有するアセト酢酸エステル、アセチルアセトンを添加し、加熱還流する。反応後、溶液から溶媒を除去すれば、目的の金属錯体を得ることができる。より具体的には、例えば、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(2−エチルヘキシルアセトアセテート)は、アルミニウムトリイソプロポキシドに、アセト酢酸2−エチルヘキシルを添加し、次いで、アセチルアセトンを添加し、約1時間、加熱還流する。2−プロパノールを留去すると、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(2−エチルヘキシルアセトアセテート)が得られる。
金属錯体は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、マツモトファインケミカル社のオルガチックスシリーズのTA−10、TA−21、TA−23、TA−30、TC−100、TC−401、TC−710、TC−1040、TC−201、TC−750、TC−300、TC−310、TC−315、TC−400、TA−12、TA−60、TA−80、TA−90、TC−120、TC−220、TC−245、TC−730、TC−810、TC−500、TC−510などのチタン錯体;ZA−45、ZA−65、ZC−150、ZC−540、ZC−700、ZC−580、ZC−126、ZC−300などのジルコニウム錯体;A−1010、A−1001、A−1008、A−1009、A−1011などのアルミニウム錯体などが挙げられる。この他、例えば、川研ファインケミカル社の商品名アルミニウムエトキサイド、AIPD、PADM、AMD、ASBD、ALCH、ALCH−TR、アルミキレートM、アルミキレートD、アルミキレートA(W)、アルゴマー、アルゴマー800AF、アルゴマー1000SF、アルミゾルー10A、アルミゾルーF1000、アルミゾルー10Dなどのアルミニウム錯体が挙げられる。
本発明の塗料組成物の一実施形態では、金属錯体の配位子が、以下の一般式:
Figure 2018109097
から選択される構造(一般式中、RとRは、それぞれ、独立して、有機基を表す)を1個以上含む。一実施形態では、Rは、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、別の実施形態では、Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。一実施形態では、Rは、炭素数1〜30のアルキル基またはアルケニル基である。別の実施形態では、Rは、炭素数1〜5のアルキル基であり、さらに別の実施形態では、Rは、炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基である。また別の実施形態では、Rは、炭素数8〜18のアルキル基またはアルケニル基である。別の実施形態では、Rは、CHCHCOO(CH−基またはCH(CH)CCOO(CH−基である(nは、1〜10の整数)。別の実施形態では、Rは、CHCHCOO(CH−基、CH(CH)CCOO(CH−基、これらの基がそのエチレン性不飽和結合によって重合もしくは共重合した重合体、またはこれらの基と他のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとが共重合した重合体である(nは、1〜10の整数)。
本発明の塗料組成物の一実施形態では、金属錯体が、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネートを含む。
(C)成分として金属錯体を用いる場合、塗料組成物中の金属錯体の含有量は、適宜調整すればよく、特に限定されない。一実施形態では、塗料組成物中の金属錯体の含有量は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計に対して、2質量%以上であり、別の実施形態では、5質量%以上である。2質量%以上とすることにより、没水後の撥液性が高まるという利点がある。一実施形態では、塗料組成物中の金属錯体の含有量は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計に対して、30質量%以下であり、別の実施形態では、15質量%以下である。15質量%以下とすることにより、塗膜の透明性が高まりやすいという利点がある。
(C)成分として金属錯体を用いる場合、一実施形態では、(A)成分のアルコキシ基と(B)成分のアルコキシ基の合計量(モル)に対する、(C)成分の量(モル)の割合は、0.5%以上であり、別の実施形態では、1.5%以上である。0.5%以上とすることにより、没水後の撥液性が高まるという利点がある。一実施形態では、(A)成分のアルコキシ基と(B)成分のアルコキシ基の合計量(モル)に対する、(C)成分の量(モル)の割合は、5%以下であり、別の実施形態では、3%以下である。5%以下とすることにより、塗膜の透明性が高まりやすいという利点がある。
(C)成分としての塩基は、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;エチレンジアミン、アルカノールアミンなどの有機塩基などが挙げられる。
(C)成分としてのアミノ化合物は、例えば、アミノ変性シリコーン、アミノシラン、シラザン、アミン類などが挙げられる。
一実施形態では、(C)成分は、酸と、有機金属化合物および金属錯体からなる群より選択される1種以上とを含む。これにより、塗膜の形成において、塗膜を塩基処理する工程を省略することができる。
塗料組成物中の(C)成分の含有量は、適宜調整すればよく、特に限定されない。一実施形態では、0.0001mol/L以上、0.001mol/L以上または0.05mol/L以上であり、別の実施形態では、1mol/L以下、0.5mol/L以下または0.1mol/L以下である。
本発明の塗料組成物は、(A)成分、(B)成分および(C)成分に加えて、水;有機溶媒;無機ナノ粒子;顔料;意匠材料(例えば、砂、硅砂、カラーサンド、ビーズ、カラーチップ、鉱物チップ、ガラスチップ、木質チップおよびカラービーズなど);造膜助剤;表面調整剤;防腐剤;防かび剤;消泡剤;光安定剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;pH調整剤;上記(A)成分以外のシラン化合物などの成分を1種単独で、または2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。以下、有機溶剤および無機ナノ粒子について例示説明する。
<有機溶媒>
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール;アルコール以外の、トルエン、ヘキサン、アセチルアセトン、酢酸ブチルなどが挙げられる。溶媒は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機溶媒を用いる場合、塗料組成物中の有機溶媒の含有量は、適宜調整すればよく、特に限定されない。例えば、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計1質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
<無機ナノ粒子>
無機ナノ粒子としては、例えば、フュームドシリカなどのシリカ、シラス、石英ガラス、酸化アルミニウム、酸化チタンなどのナノ粒子が挙げられる。
無機ナノ粒子の平均粒子径は、ナノサイズであれば特に限定されず、適宜選択することができる。例えば、10〜500nmとすることができる。
無機ナノ粒子は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、エボニック デグサ ゲーエムベーハー社のアエロジル(登録商標)90、130、150、200、255、300、380、OX50、TT600、200F、380F、200pharma、300pharmaなどの親水性フュームドシリカのアエロジルシリーズ;同社のアエロジル(登録商標)R972、RY50、NY50、RX50、NAX50、RX200、RX300、R504、REA90、NA50Y、RA200HSなどの疎水性フュームドシリカのアエロジルシリーズ;同社のアエロキサイド(登録商標)Alu C、Alu 65、Alu 130、TiO P25、TiO P90、TiO PF 2、TiO T 805、Alu C 805、TiO NKT 90、STX 501、STX 801などの親水性ヒュームド金属酸化物のアエロキサイドシリーズなどが挙げられる。
無機ナノ粒子としては、アエロジル(登録商標)300が好ましい。これにより、塗膜の耐水性を向上させることができる。
無機ナノ粒子を用いる場合、塗料組成物中の無機ナノ粒子の含有量は、適宜調整すればよく、特に限定されない。例えば、(A)成分、(B)成分および無機ナノ粒子の総量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
(塗料組成物の調製方法)
塗料組成物の調製方法は特に限定されず、上記(A)成分〜(C)成分と、必要に応じて水、有機溶剤、無機ナノ粒子などのその他の成分とを任意の順序で混合することで調製することができる。塗料組成物の固形分濃度は作業性などを考慮して適宜調整する。
本発明に係る塗膜の一実施形態では、塗膜の動的接触角が、10°以下である。別の実施形態では、塗膜の動的接触角が、3〜10°である。ここで、動的接触角は、A.Hozumi and T.J.McCarthy,Langmuir,26,2567(2010)に記載の前進接触角(θ)と後退接触角(θ)との差(θ−θ)で定義される。この動的接触角が小さいほど、塗膜表面の液滴は、水平面に対してわずかな傾斜角度で塗膜表面を滑落し、高い撥液性を有する。
本発明に係る塗膜の一実施形態では、塗膜中の炭素Cと主要構成金属元素Mの組成比C/M(分子がC、分母がMである)が、塗膜表面(深さ0〜10nm)と、当該塗膜表面以外の部分とで異なり、かつ、当該塗膜表面の組成比C/Mが1.5以上である。これにより、塗膜の撥液性がより高まる。主要構成金属元素Mは、例えば、ケイ素(Si)である。この組成比は、X線光電子分光分析装置 Kratos AXIS Nova(Kratos製)を用いて、以下の条件により求める。
測定元素:C、Si、O
Step:0.1eV
Pass energy: 80
Charge newtralizer: on
(物品)
本発明に係る物品は、塗膜を表面に有する、物品である。これにより、物品は、撥液性と耐水性を有する。
物品としては、特に限定されない。例えば、上記塗膜の形成方法で説明した素地上に塗膜を有する物品であり、自動車、電車、バス、タクシーなどの車両;船;飛行機、ヘリコプターなどの航空機;戸建住宅、マンションなどの集合住宅、オフィスビル、公共施設、商業施設、研究施設、軍事施設、トンネルなどの建築物ないし建造物;天井、屋根、柱、看板、電子看板(デジタルサイネージ)、ドア、門;橋;自動販売機;道路標識;信号;街灯;LED方式、液晶方式、電球方式などの電光掲示板;建築現場の建築材料、作業機械、建築機械;石碑;墓石;衣類;靴などの履物;傘などの雨具;包装材;メガネ、望遠鏡、カメラ、ビデオカメラ;鏡などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。特に断らない限り、配合量は、質量部を意味する。
実施例で用いた材料の詳細は以下のとおりである。
触媒1 HCl:0.01M 塩酸
触媒2 アルミキレートD:アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート(金属錯体)、川研ファインケミカル社製、商品名アルミキレートD、固形分75%
触媒3 クエン酸:東京化成工業社製の商品名C1949
触媒4 TC−120:チタンアセチルアセトネート(金属錯体)、マツモトファインケミカル社製、商品名オルガチックス TC−120、固形分53%
触媒5 マンデル酸:和光純薬工業社製の商品名S14-75781
溶媒1:エタノール、和光純薬工業社製、試薬特級
溶媒2:イソプロパノール、和光純薬工業社製、試薬特級
被塗物:アルミニウム板(日本テストパネル社製の商品名A1100P)をアルカリ脱脂したもの
滑落試験の油:日興キャスティ社製、防さび油、商品名CASTY スペースコートS−100
FT−IR分光装置:Thermo Fisher Scientific社製の商品名Nicolet(登録商標)iS10
塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)は、FT−IR分光装置を用いて以下の条件により求めた。
・全反射法(ATR;Attenuated Total Reflectance)
・積算回数32回
・Si−OH基を反映するピークを940cm−1として、Si−O−Si結合を反映するピークを1100cm−1として、各ピークの頂点の高さの比を求めた。これらのピークのバンドが一部で重なりあっている場合は、そのピークを含むそれぞれのバンドにおける端と端を結ぶ線をベースラインとし、各ピークからそのベースラインに線を引き、その線の長さの比率から求めた。
(実施例1〜26および比較例1〜8)
表1に示す(A)成分と(B)成分を用いて、表2に示す配合で、実施例および比較例の塗料組成物を調製した。例えば、実施例9では、以下のように塗料組成物を調製した。プラスチック瓶に、エタノール3.862g、デシルトリメトキシシラン(比重0.903、純度0.970)0.433g、テトラエトキシシラン(比重0.935、純度0.970)1.329g、および塩酸0.495gを入れた。次いで、その溶液をスターラーで24時間撹拌した。次いで、その溶液を温度22℃で24時間保存した。次いで、その溶液0.4gにイソプロパノール20gを添加して希釈して、実施例9の塗料組成物(固形分濃度0.5%)を調製した。ただし、実施例23〜26では、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計に対する(C)成分の含有量を以下のように変更した。
実施例23:(C)成分の含有量10質量%
実施例24:(C)成分の含有量0.02mol/L
実施例25:(C)成分の含有量8質量%
実施例26:(C)成分の含有量0.1mol/L
Figure 2018109097
Figure 2018109097
*1:(A)成分および(B)成分は、表1を参照。比較例1は(B)成分/(A)成分のモル比が0/4であり、比較例2は(B)成分/(A)成分のモル比が1/0である。
*2:「○」は触媒を配合したことを表し、「−」は触媒を配合しなかったことを表す。
調製した塗料組成物について、以下のように、塗膜を形成した。そして、各塗膜について、後述するように、没水試験前後の動的接触角、水滴の滑落速度、油滴の滑落速度を測定および評価した。その結果を表2に合わせて示す。
(塗膜の形成)
温度25℃、相対湿度50%RH下で、7cm×15cmのアルミニウム板上に、バーコータNo.7を用いて塗料組成物を塗装し、塗膜を形成した。その塗膜が形成されたアルミニウム板(以下、塗板という)を24時間静置して乾燥させた。実施例1〜23および比較例1〜6では、さらに、その塗板を、70mLの25%アンモニア水を入れたデシケーター中に入れた。そして、50℃で96時間静置して、塗膜を塩基処理した。
実施例1〜23および比較例1〜6では、塩基処理前後の塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)を測定した。その結果を表2に合わせて示す。
(没水試験)
塗膜の全体を、イオン交換水を満たしたビーカーに浸漬し、室温で6時間静置した。
(動的接触角の測定)
動的接触角は、A.Hozumi and T.J.McCarthy,Langmuir,26,2567(2010)に記載の方法により求めた。動的接触角が10°以下が良好な撥液性を有することを示す。
(滑落時間による撥液性の評価)
塗膜を、水平面から45°に傾斜して固定した後、20μLのイオン交換水と油のそれぞれを静かに塗膜上に載せた。そして、載せた地点から素地を5cm下方に移動するまでの時間(秒)を測定した。以下の基準で撥液性を評価した。評価Aの方が撥液性が良好である。
評価A:液滴が60秒以内に5cm下方に移動した
評価B:液滴が60秒超えで5cm下方に移動した
表2から、比較例の塗膜では、耐水性がなく、没水試験によって撥液性が低下していた。これに対して、実施例の塗膜では、没水前後に良好な撥液性を示し、耐水性を有していた。
本発明によれば、撥液性と耐水性を有する塗膜を提供することができる。また、本発明によれば、撥液性と耐水性を有する物品を提供することができる。

Claims (2)

  1. (A)一般式(RO)SiRで表されるトリアルコキシアルキルシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは、炭素数6〜16のアルキル基である)と、
    (B)一般式(RO)Siで表されるテトラアルコキシシラン(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である)と、
    (C)触媒とを含み、
    前記(B)と(A)とのモル比(B)/(A)が、0.3〜200である塗料組成物から形成された塗膜であって、
    塗膜中のSi−OH基と、Si−O−Si結合との比率(Si−OH基/Si−O−Si結合)が、0.4以下である、塗膜。
  2. 請求項1に記載の塗膜を表面に有する、物品。
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