JP2018108655A - 防曇シート、成形体、容器、および成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】防曇効果および接合性の双方を付与可能な防曇シート、成形体、容器、および成形体の製造方法を提供する。【解決手段】成形体は、被接合部分との接合により接合部を形成可能な透明な成形体であって、基材層と、前記基材層より融点の低い樹脂にて前記基材層に積層形成され、被接合部分と接合可能な接合層と、前記接合層の一面に、前記接合層の一部が外面に臨む状態に、防曇剤が含有された樹脂組成物がハッチング状に設けられてなる防曇層と、を具備している。【選択図】図2
Description
本発明は、防曇シート、成形体、容器、および成形体の製造方法に関する。
食品を包装する容器として、食品を視認可能な透明な蓋を備えた構成が知られている。このような容器として、加熱調理しても食品を視認できるように、防曇処理が施されたものが知られている(例えば、特許文献1または特許文献2)。
特許文献1に記載のものは、急冷により成形したポリオレフィン系樹脂シートの一表面に、防曇剤とバインダー樹脂との混合水溶液を塗布して防曇層を設けて防曇シートを得、この防曇シートから蓋などを成形している。
特許文献2に記載のものは、ポリオレフィン系シートの一表面に、防曇剤と、ガラス転移温度がそれぞれ異なる2以上の親水性樹脂とを含有する組成物を塗布して防曇層を設け、得られた防曇シートから蓋などを成形している。
特許文献2に記載のものは、ポリオレフィン系シートの一表面に、防曇剤と、ガラス転移温度がそれぞれ異なる2以上の親水性樹脂とを含有する組成物を塗布して防曇層を設け、得られた防曇シートから蓋などを成形している。
上記特許文献1および特許文献2のものでは、十分な防曇効果を提供できる。
一方、容器本体と、蓋とを備えた容器において、搬送などの際に包装物が漏れ出ないように包装される封止性が望まれている。
本発明は、防曇効果および接合性の双方を付与可能な防曇シート、成形体、容器、および成形体の製造方法を提供することを目的とする。
一方、容器本体と、蓋とを備えた容器において、搬送などの際に包装物が漏れ出ないように包装される封止性が望まれている。
本発明は、防曇効果および接合性の双方を付与可能な防曇シート、成形体、容器、および成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の防曇シートの一態様は、基材層と、前記基材層より融点の低い樹脂にて前記基材層に積層形成され、被接合部分と接合可能な接合層と、を備えた透明シートと、前記透明シートの接合層の少なくとも一部に積層され、防曇剤が含有された樹脂組成物からなる防曇層と、を具備し、前記防曇層の少なくとも一部は、前記接合層の一部が外面に臨む状態にハッチング状に設けられているものである。
この発明の一態様では、被接合部分と接合可能な透明シートの接合層に、ハッチング状に防曇層を設けるので、接合層はハッチング状の防曇層の隙間から一部が外面に臨む。このため、ハッチング状の防曇層の隙間で、接合層が被接合部分と接合可能となり、防曇層で阻害されることなく通常の方法で接合できることから、防曇層による防曇効果とともに接合性を付与できる。
この発明の一態様では、被接合部分と接合可能な透明シートの接合層に、ハッチング状に防曇層を設けるので、接合層はハッチング状の防曇層の隙間から一部が外面に臨む。このため、ハッチング状の防曇層の隙間で、接合層が被接合部分と接合可能となり、防曇層で阻害されることなく通常の方法で接合できることから、防曇層による防曇効果とともに接合性を付与できる。
ここで、接合層が接合される被接合部分とは、容器における容器本体に対する蓋の鍔部あるいは蓋に対する容器本体のフランジ部の他、防曇シートを重ね合わせて周囲が接合される袋の構成では接合される相手方の防曇シートの接合領域などが対象となる。
そして、接合とは、例えば、ヒートシールに限らず、超音波による溶着、接着剤などを用いた接着など、各種方法を利用できる。
また、透明とは、例えば、容器本体と蓋とにより内部に包装された被包装物を、容器本体や蓋を通して視認できる程度であればよい。具体的には、防曇シートの全ヘイズが、例えば50%以下、好ましくは30%以下、特に好ましくは10%以下とされたものである。ヘイズを前記範囲とすることで、被包装物を視認でき、被包装物の状態判別が可能になる。
そして、ハッチング状とは、平行斜線やクロスライン、ピッチが一定の格子状、ドット状など、接合層の全面を被覆せず、接合層の一部が外面に臨むように、接合層の面を特定の模様で埋める状態である。
そして、接合とは、例えば、ヒートシールに限らず、超音波による溶着、接着剤などを用いた接着など、各種方法を利用できる。
また、透明とは、例えば、容器本体と蓋とにより内部に包装された被包装物を、容器本体や蓋を通して視認できる程度であればよい。具体的には、防曇シートの全ヘイズが、例えば50%以下、好ましくは30%以下、特に好ましくは10%以下とされたものである。ヘイズを前記範囲とすることで、被包装物を視認でき、被包装物の状態判別が可能になる。
そして、ハッチング状とは、平行斜線やクロスライン、ピッチが一定の格子状、ドット状など、接合層の全面を被覆せず、接合層の一部が外面に臨むように、接合層の面を特定の模様で埋める状態である。
そして、本発明の一態様では、前記接合層が被接合部分と接合して接合部を形成可能に、外周部にフランジを有した透明な成形体の成形に用いられる構成とすることもできる。
この一態様では、被接合部分と接合可能に外周部にフランジを有した透明な成形体の成形に用いることで、成形体に防曇効果とともに接合性を付与できる。
この一態様では、被接合部分と接合可能に外周部にフランジを有した透明な成形体の成形に用いることで、成形体に防曇効果とともに接合性を付与できる。
また、本発明の一態様では、前記防曇層は、前記成形体が成形される位置に対応する領域に設けられた構成とすることもできる。
この一態様では、成形体を成形する領域に防曇層を設けることで、必要最小限の防曇層を設けることによるコストの低減が図れる。
この一態様では、成形体を成形する領域に防曇層を設けることで、必要最小限の防曇層を設けることによるコストの低減が図れる。
さらに、本発明の一態様では、前記防曇層は、格子状に設けられている構成とすることもできる。
この一態様では、防曇層を格子状に設けることで、防曇効果を損なうことなく、接合層による接合が得られる構成が容易に得られる。
この一態様では、防曇層を格子状に設けることで、防曇効果を損なうことなく、接合層による接合が得られる構成が容易に得られる。
そして、本発明の一態様では、前記ハッチング状に設けられた防曇層は、少なくとも被接合部分との接合により接合部を形成可能な領域に設けられている構成とすることもできる。
この一態様では、ハッチング状の防曇層を、少なくとも接合される領域に設けることで、被接合部分との接合による密封性が得られる。さらには、例えば、他の領域では接合層が外部に臨む割合が少ない、もしくは接合層が外面に臨まないように、領域により防曇効果が異なるように防曇層を設けることで、より良好な防曇効果を提供できる。
この一態様では、ハッチング状の防曇層を、少なくとも接合される領域に設けることで、被接合部分との接合による密封性が得られる。さらには、例えば、他の領域では接合層が外部に臨む割合が少ない、もしくは接合層が外面に臨まないように、領域により防曇効果が異なるように防曇層を設けることで、より良好な防曇効果を提供できる。
また、本発明の一態様では、前記防曇層は、ハッチング状に設けられる領域と、前記接合層が外面に臨まずに被覆する領域と、を有する構成とすることもできる。
この一態様では、防曇層として、ハッチング状の領域の他、接合層を外面に臨ませずに被覆する領域を設けることで、例えば、接合される領域をハッチング状とし、視認が要求される領域として接合層を被覆して設ける。このことで、被接合部分との接合による密封性が得られるとともに、視認が要求される領域のより良好な防曇効果を提供できる。
この一態様では、防曇層として、ハッチング状の領域の他、接合層を外面に臨ませずに被覆する領域を設けることで、例えば、接合される領域をハッチング状とし、視認が要求される領域として接合層を被覆して設ける。このことで、被接合部分との接合による密封性が得られるとともに、視認が要求される領域のより良好な防曇効果を提供できる。
そして、本発明の一態様では、前記防曇層は、前記接合層に単位面積当たり20%以上の割合で設けられている構成とすることもできる。
この一態様では、防曇層を接合層に所定の割合で設けることで、防曇効果を損なうことなく、接合性が得られる。
この一態様では、防曇層を接合層に所定の割合で設けることで、防曇効果を損なうことなく、接合性が得られる。
本発明の成形体の一態様は、被接合部分との接合により接合部を形成可能な透明な成形体であって、基材層と、前記基材層より融点の低い樹脂にて前記基材層に積層形成され、被接合部分と接合可能な接合層と、前記接合層の少なくとも一部に、前記接合層の一部が外面に臨む状態に、防曇剤が含有された樹脂組成物がハッチング状に設けられてなる防曇層と、を具備したものである。
この発明の一態様では、被接合部分と接合される接合層に、ハッチング状に防曇層を設けるので、接合層は防曇層にて被覆されずに一部が外面に臨む。このため、ハッチング状の防曇層の隙間で、接合層が被接合部分と接合可能となり、防曇層で阻害されることなく通常の方法で接合できることから、防曇層による防曇効果とともに接合性を付与できる。
この発明の一態様では、被接合部分と接合される接合層に、ハッチング状に防曇層を設けるので、接合層は防曇層にて被覆されずに一部が外面に臨む。このため、ハッチング状の防曇層の隙間で、接合層が被接合部分と接合可能となり、防曇層で阻害されることなく通常の方法で接合できることから、防曇層による防曇効果とともに接合性を付与できる。
そして、本発明の一態様では、前記防曇層は、成形された後にパッド印刷により設けられた構成とすることもできる。
この一態様では、パッド印刷によりハッチング状の防曇層を設けることで、成形後の成形体にもハッチング状の防曇層を設けることができる。
この一態様では、パッド印刷によりハッチング状の防曇層を設けることで、成形後の成形体にもハッチング状の防曇層を設けることができる。
本発明の容器の一態様は、本発明の成形体と、前記成形体に接合して接合部を形成可能な被接合部分を備えた蓋または容器本体と、を具備したものである。
この発明の一態様では、防曇効果とともに蓋または容器本体との接合による密封性が得られる。
この発明の一態様では、防曇効果とともに蓋または容器本体との接合による密封性が得られる。
本発明の成形体の製造方法の一態様は、被接合部分との接合により接合部を形成可能な透明な成形体を製造する製造方法であって、基材層と、基材層より融点の低い樹脂にて前記基材層に積層形成され、被接合部分と接合可能な接合層とを備えた透明シートにおける前記接合層に、防曇剤が含有された樹脂組成物を、前記接合層の一部が外面に臨む状態にハッチング状に塗布し、防曇層を設ける工程と、前記防曇層が設けられた透明シートを成形して前記成形体を得る工程と、を実施することである。
この発明の一態様では、透明シートの接合層にハッチング状に防曇層を設けた透明シートから成形体を成形するので、得られた成形体は接合層がハッチング状の防曇層の隙間で被接合部分と接合可能となっている。このため、防曇層で阻害されることなく通常の方法で接合できることから、防曇層による防曇効果とともに接合性を付与できる。
この発明の一態様では、透明シートの接合層にハッチング状に防曇層を設けた透明シートから成形体を成形するので、得られた成形体は接合層がハッチング状の防曇層の隙間で被接合部分と接合可能となっている。このため、防曇層で阻害されることなく通常の方法で接合できることから、防曇層による防曇効果とともに接合性を付与できる。
本発明の成形体の製造方法の一態様は、被接合部分との接合により接合部を形成可能な透明な成形体を製造する製造方法であって、基材層と、基材層より融点の低い樹脂にて前記基材層に積層形成され、被接合部分と接合可能な接合層と、を備えた透明シートから、前記成形体を成形する工程と、前記成形体における少なくとも前記被接合部分と接合される領域の接合層に、防曇剤が含有された樹脂組成物を、前記接合層の一部が外面に臨む状態にハッチング状に塗布し、防曇層を設ける工程と、を実施することである。
この発明の一態様では、透明シートから成形体を成形し、得られた成形体の少なくとも被接合部分と接合される領域に、ハッチング状に防曇得層を設けるので、成形体は接合層がハッチング状の防曇層の隙間で被接合部分と接合可能となっている。このため、防曇層で阻害されることなく通常の方法で接合できることから、防曇層による防曇効果とともに接合性を付与できる。
この発明の一態様では、透明シートから成形体を成形し、得られた成形体の少なくとも被接合部分と接合される領域に、ハッチング状に防曇得層を設けるので、成形体は接合層がハッチング状の防曇層の隙間で被接合部分と接合可能となっている。このため、防曇層で阻害されることなく通常の方法で接合できることから、防曇層による防曇効果とともに接合性を付与できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[容器の構成]
図1に示すように、容器1は、容器本体2と、防曇処理された本発明の成形体としての蓋3とを備えたている。
なお、本実施形態では、ノッチを設けた層間剥離で開封する容器を例示するが、この限りではなく、凝集剥離で開封する容器、さらには袋の形態などにも適用できるものである。
[容器の構成]
図1に示すように、容器1は、容器本体2と、防曇処理された本発明の成形体としての蓋3とを備えたている。
なお、本実施形態では、ノッチを設けた層間剥離で開封する容器を例示するが、この限りではなく、凝集剥離で開封する容器、さらには袋の形態などにも適用できるものである。
容器本体2は、多層シートを成形、具体的には加熱により成形してなるもので、剥離層21および表下層22の2層が、これらの順で積層された積層体である。
容器本体2は、所定の深さを有する略円形のカップ形状であって、略円形状の開口部24Aを開口する収納凹部24を有し、当該開口部24Aの周縁には、外側に張り出すようにフランジ部25が設けられている。
さらに、フランジ部25の外周縁の一部には、外周方向に舌片状に突出する開封開始端(図示せず)が延設されている。
容器本体2は、所定の深さを有する略円形のカップ形状であって、略円形状の開口部24Aを開口する収納凹部24を有し、当該開口部24Aの周縁には、外側に張り出すようにフランジ部25が設けられている。
さらに、フランジ部25の外周縁の一部には、外周方向に舌片状に突出する開封開始端(図示せず)が延設されている。
剥離層21は、容器1に封入される被包装物と接触し、かつ蓋3のシーラントとヒートシールされる層である。詳細は後述するが、蓋3とヒートシールされた接合部であるヒートシール部(図示せず)は、蓋3と共に容器本体2から剥離される。
剥離層21としては、例えば蓋3とヒートシールされる材料、好ましくはポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。具体的には、ホモポリプロピレン(HPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)、ブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂や、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリエチレン系樹脂、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体などが用いられる。
剥離層21としては、例えば蓋3とヒートシールされる材料、好ましくはポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。具体的には、ホモポリプロピレン(HPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)、ブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂や、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリエチレン系樹脂、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体などが用いられる。
表下層22は、剥離層21に隣接して剥離層21の下層を構成し、容器1の開封に際して剥離層21との間で層間剥離される。
表下層22を構成する具体的な材料としては、例えばオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および、ポリエステル系樹脂の群から選ばれる少なくともいずれか1種からなる構成とすることが好ましい。
そして、オレフィン系樹脂としては、具体的にはポリプロピレン、ポリエチレンなどが用いられる。特に、ポリプロピレンは、広く流通されて容易に入手でき安価であるとともに高強度である点から、好適に用いられる。
ポリスチレン系樹脂としては、具体的には汎用の透明で剛性のあるGPグレードのポリスチレンや、耐衝撃性のHIグレードのポリスチレンなどが用いられる。特に、HIグレードのポリスチレンは、容器などとして利用する際に要求される耐衝撃性の点から、好適に用いられる。
ポリエステル系樹脂としては、具体的には非晶性ポリエステル、結晶性ポリエステルなどが用いられ、特に非晶性ポリエステルが加工性の理由から好適に用いられる。
表下層22を構成する具体的な材料としては、例えばオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および、ポリエステル系樹脂の群から選ばれる少なくともいずれか1種からなる構成とすることが好ましい。
そして、オレフィン系樹脂としては、具体的にはポリプロピレン、ポリエチレンなどが用いられる。特に、ポリプロピレンは、広く流通されて容易に入手でき安価であるとともに高強度である点から、好適に用いられる。
ポリスチレン系樹脂としては、具体的には汎用の透明で剛性のあるGPグレードのポリスチレンや、耐衝撃性のHIグレードのポリスチレンなどが用いられる。特に、HIグレードのポリスチレンは、容器などとして利用する際に要求される耐衝撃性の点から、好適に用いられる。
ポリエステル系樹脂としては、具体的には非晶性ポリエステル、結晶性ポリエステルなどが用いられ、特に非晶性ポリエステルが加工性の理由から好適に用いられる。
特に、表下層22として、プロピレン単位を少なくとも一部に含む重合体(以下ポリプロピレン系樹脂といい、適宜PPと表す)と、エチレン単位を少なくとも一部に含む重合体(以下ポリエチレン系樹脂といい、適宜PEと表す)とを、(PP:PE)=(30質量%以上99質量%以下:1質量%以上70質量%以下)で配合された樹脂組成物を用いることができる。なお、表下層22としては、例えばポリプロピレン系樹脂が100質量%としたものでもよい。
ここで、質量比PP/PEが0.67より小さくなると、ヒートシール時に樹脂溜りが発生して開封不良を発生する、という不都合を生じるおそれがある。特に、質量比PP/PEが0.429より少なくなると剛性不足を生じるおそれがあり、質量比PP/PEが99より多くなると柔軟性不足を生じるおそれがある。
そして、ポリプロピレン系樹脂とは、具体的には、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、およびこれらの混合物の4種類のうちのいずれかから選択されたものである。そして、耐熱性を考慮する場合には、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンの順で好ましい。また、他の層とのシール性を考慮する場合には、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレンの順で好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂とは、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどが用いられる。特に、低密度ポリエチレンが成形加工安定性の理由から好適に用いられる。
ここで、質量比PP/PEが0.67より小さくなると、ヒートシール時に樹脂溜りが発生して開封不良を発生する、という不都合を生じるおそれがある。特に、質量比PP/PEが0.429より少なくなると剛性不足を生じるおそれがあり、質量比PP/PEが99より多くなると柔軟性不足を生じるおそれがある。
そして、ポリプロピレン系樹脂とは、具体的には、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、およびこれらの混合物の4種類のうちのいずれかから選択されたものである。そして、耐熱性を考慮する場合には、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンの順で好ましい。また、他の層とのシール性を考慮する場合には、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレンの順で好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂とは、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどが用いられる。特に、低密度ポリエチレンが成形加工安定性の理由から好適に用いられる。
なお、表下層22には、タルクなどの無機フィラーが添加されてもよい。
また、表下層22は、剥離層21に直接隣接して積層形成されているが、剥離層21と表下層22との間に、接着層などのヒートシールにより流動しない、もしくは流動しにくい比較的に薄膜とされた層が設けられていてもよい。
また、表下層22は、剥離層21に直接隣接して積層形成されているが、剥離層21と表下層22との間に、接着層などのヒートシールにより流動しない、もしくは流動しにくい比較的に薄膜とされた層が設けられていてもよい。
また、容器本体2のフランジ部25の厚さ寸法は、好ましくは200μm以上2000μm以下、より好ましくは250μm以上600μm以下、特に好ましくは300μm以上500μm以下とする。
ここで、フランジ部25の厚さ寸法が200μmより薄くなると、容器としての剛性が下がるという不都合を生じるおそれがある。一方、フランジ部25の厚さ寸法が2000μmより厚くなると、多くの材料が必要となって製造コスト(原料費)が上がる、という不都合を生じるおそれがあることから、上記範囲に設定される。
ここで、フランジ部25の厚さ寸法が200μmより薄くなると、容器としての剛性が下がるという不都合を生じるおそれがある。一方、フランジ部25の厚さ寸法が2000μmより厚くなると、多くの材料が必要となって製造コスト(原料費)が上がる、という不都合を生じるおそれがあることから、上記範囲に設定される。
蓋3は、透明シートを成形、具体的には加熱により成形してなるものである。蓋3は、容器1の外部に現れる基材層31と、容器本体2の剥離層21とヒートシールされる接合層32と、接合層32に積層され容器本体2の収納凹部24に対向する防曇層33とが、これらの順で積層された積層体である。
防曇層33は、図2に示すように、下地となる接合層32の一部が外面に臨む状態に、ハッチング状、例えば格子状に設けられている。この格子状の防曇層33は、接合層32に単位面積当たり20%以上の割合、より好ましくは30%以上の割合、特に好ましくは50%以上の割合で被覆するように設けられている。すなわち、20%より少ない割合では、防曇層33の割合が少なくなり、防曇効果が低下するおそれがある。なお、100%の場合、接合層32が外面に現れないために、良好にヒートシールできない。
防曇層33は、図2に示すように、下地となる接合層32の一部が外面に臨む状態に、ハッチング状、例えば格子状に設けられている。この格子状の防曇層33は、接合層32に単位面積当たり20%以上の割合、より好ましくは30%以上の割合、特に好ましくは50%以上の割合で被覆するように設けられている。すなわち、20%より少ない割合では、防曇層33の割合が少なくなり、防曇効果が低下するおそれがある。なお、100%の場合、接合層32が外面に現れないために、良好にヒートシールできない。
そして、蓋3は、所定の高さを有する略円形のドーム形状であって、略円形状で容器本体2の開口部24Aを覆うドーム部35を有し、当該ドーム部35の周縁には、外側に張り出すよう鍔部36が設けられている。さらに、鍔部36の外周縁の一部には、外周方向に舌片状に突出する開封開始端(図示せず)が延設されている。
基材層31は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ナイロンフィルム(O−Ny)、ポリオレフィン系樹脂などを使用することができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、種々のオレフィンの単独重合体、共重合体、およびこれらの混合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。単独重合体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソプレン、ブタジエンなどのモノマーからなる単独重合体が挙げられる。また、共重合体としては、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性、強度などの観点から、ポリプロピレンが好ましい。
また、接合層32は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などの樹脂組成物を使用することができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、種々のオレフィンの単独重合体、共重合体、およびこれらの混合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。単独重合体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソプレン、ブタジエンなどのモノマーからなる単独重合体が挙げられる。また、共重合体としては、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性、強度などの観点から、ポリプロピレンが好ましい。
また、接合層32は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などの樹脂組成物を使用することができる。
防曇層33は、防曇剤およびバインダー樹脂を混合した樹脂組成物が、接合層32に塗布されて格子状に形成されている。
防曇剤は、付着量が固形分で4mg/m2以上400mg/m2以下であることが好ましく、固形分で50mg/m2以上200mg/m2以下であることがより好ましい。付着量が前記範囲内であれば、効果的に防曇性を発揮させることができる。
なお、付着量は、(A)乾燥後の防曇層33中の単位面積あたり質量を測定する方法や、(B)塗布液の濃度、塗布量および塗布面積から算出する方法により求められる。
防曇剤は、付着量が固形分で4mg/m2以上400mg/m2以下であることが好ましく、固形分で50mg/m2以上200mg/m2以下であることがより好ましい。付着量が前記範囲内であれば、効果的に防曇性を発揮させることができる。
なお、付着量は、(A)乾燥後の防曇層33中の単位面積あたり質量を測定する方法や、(B)塗布液の濃度、塗布量および塗布面積から算出する方法により求められる。
防曇剤としては、特に限定されないが、ショ糖系脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸3級アミド、高級アルコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、透明性および防曇性などの観点から、ショ糖系脂肪酸エステルが好ましく、ショ糖と炭素数12以上22以下の脂肪族モノカルボン酸との部分エステル化合物がより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、アクリル系接着剤、特に透明性、成形性および防曇層33のべたつきの観点から、親水性アクリル樹脂が好ましい。親水性アクリル樹脂としては、特に限定はないが、ポリアクリル酸エステルなどの共重合体を採用することができる。ここで、ポリアクリル酸エステルを構成するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステルなどが挙げられる。そして、これらのアクリル酸エステルを、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニルなどと共重合させたポリマーを採用できる。また、これらのアクリル酸エステルを、アクリル酸、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、ヒドロキシジアルキルメタクリレートなどの官能性モノマーと共重合させたポリマーを採用することもできる。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、アクリル系接着剤、特に透明性、成形性および防曇層33のべたつきの観点から、親水性アクリル樹脂が好ましい。親水性アクリル樹脂としては、特に限定はないが、ポリアクリル酸エステルなどの共重合体を採用することができる。ここで、ポリアクリル酸エステルを構成するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステルなどが挙げられる。そして、これらのアクリル酸エステルを、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニルなどと共重合させたポリマーを採用できる。また、これらのアクリル酸エステルを、アクリル酸、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、ヒドロキシジアルキルメタクリレートなどの官能性モノマーと共重合させたポリマーを採用することもできる。
そして、容器1は、容器本体2のフランジ部25と、フランジ部25に載置された蓋3の鍔部36とがヒートシールされてなる。このヒートシールにより、剥離層21と接合層32とが融着し、環状のヒートシール部が形成され、容器1の内部が密封状態となる。
このヒートシールでは、格子状の防曇層33の隙間から臨む接合層32が、溶融して防曇層33の隙間を流れ出るようにして、溶融するフランジ部25の剥離層21とシールされる。
一方、密封状態の容器1を開封するには、蓋3の開封開始部およびフランジ部25の開封開始部において、それぞれ反対方向に離間するように引っ張ることで、ヒートシール部で凝集剥離や層間剥離されて、容器1が簡便に開封される。
このヒートシールでは、格子状の防曇層33の隙間から臨む接合層32が、溶融して防曇層33の隙間を流れ出るようにして、溶融するフランジ部25の剥離層21とシールされる。
一方、密封状態の容器1を開封するには、蓋3の開封開始部およびフランジ部25の開封開始部において、それぞれ反対方向に離間するように引っ張ることで、ヒートシール部で凝集剥離や層間剥離されて、容器1が簡便に開封される。
[蓋の製造方法]
次に、蓋の製造方法について、図面を参照して説明する。
蓋3の製造方法は、以下に説明する防曇処理工程と、成形工程とを実施する。
次に、蓋の製造方法について、図面を参照して説明する。
蓋3の製造方法は、以下に説明する防曇処理工程と、成形工程とを実施する。
防曇処理工程は、透明シート51(図3参照)に防曇処理を施して、防曇シート5(図3参照)を製造する工程である。具体的には、透明シート51を成形するシート成形工程と、透明シート51の接合層32に格子状の防曇層33を設ける印刷工程と、を実施する。
シート成形工程では、例えば、剥離層21を構成する樹脂と、表下層22を構成する樹脂とが、押出機のTダイより押し出されて積層され、ロールなどが圧接されるとともに急冷されることで、透明シート51が形成される。
急冷は、圧接するローラなどの表面温度が露点以上、30℃以下に保たれるように制御される。圧接するローラなどの表面温度が露点以下では、表面に結露が生じ均一な製膜が困難になる可能性がある。一方、表面温度が30℃より高いと、急冷速度が遅くなって得られる透明シート51の透明性が低くなるとともに、α晶が多くなり、熱成形しにくいものとなる可能性がある。そして、シート成形工程で成形された透明シート51は、印刷工程へ送られる。
シート成形工程では、例えば、剥離層21を構成する樹脂と、表下層22を構成する樹脂とが、押出機のTダイより押し出されて積層され、ロールなどが圧接されるとともに急冷されることで、透明シート51が形成される。
急冷は、圧接するローラなどの表面温度が露点以上、30℃以下に保たれるように制御される。圧接するローラなどの表面温度が露点以下では、表面に結露が生じ均一な製膜が困難になる可能性がある。一方、表面温度が30℃より高いと、急冷速度が遅くなって得られる透明シート51の透明性が低くなるとともに、α晶が多くなり、熱成形しにくいものとなる可能性がある。そして、シート成形工程で成形された透明シート51は、印刷工程へ送られる。
印刷工程では、防曇剤およびバインダー樹脂が配合された樹脂組成物を、透明シート51の接合層32に格子状に印刷形成し、防曇シート5を製造する。
印刷方法としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、ロールコート法、スプレーコート法などの一般的な印刷方法が利用できる。
印刷方法としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、ロールコート法、スプレーコート法などの一般的な印刷方法が利用できる。
そして、得られた防曇シート5は、蓋3を成形する成形工程に送られ、蓋3が順次成形される。蓋3の成形時、防曇層33がドーム部35の内面側となるように成形される。
なお、防曇シート5から蓋3を成形する方法としては、一般的な成形方法を利用できる。
なお、防曇シート5から蓋3を成形する方法としては、一般的な成形方法を利用できる。
[実施形態の効果]
上述したように、上記実施形態では、透明シート51の接合層32に、下地となる接合層32の一部が外面に臨む状態にハッチング状に防曇層33を設けている。
このため、接合層32がハッチング状の防曇層33の隙間から一部が外面に臨むため、ハッチング状の防曇層33の隙間で、接合層32が容器本体2のフランジ部25を構成する剥離層21に接合可能となる。したがって、防曇層33で阻害されることなく通常の方法で容器本体2と蓋3とを接合できることから、防曇層33による防曇効果とともに接合による密封性も得られる。
特に、容器本体2と接合される蓋3の成形に、防曇層33を格子状に設けた防曇シート5を用いるので、防曇効果ととともに密封性を付与できることから、被包装物が漏れ出てしまうなどの不都合も生じない汎用性の高い容器1を提供できる。
上述したように、上記実施形態では、透明シート51の接合層32に、下地となる接合層32の一部が外面に臨む状態にハッチング状に防曇層33を設けている。
このため、接合層32がハッチング状の防曇層33の隙間から一部が外面に臨むため、ハッチング状の防曇層33の隙間で、接合層32が容器本体2のフランジ部25を構成する剥離層21に接合可能となる。したがって、防曇層33で阻害されることなく通常の方法で容器本体2と蓋3とを接合できることから、防曇層33による防曇効果とともに接合による密封性も得られる。
特に、容器本体2と接合される蓋3の成形に、防曇層33を格子状に設けた防曇シート5を用いるので、防曇効果ととともに密封性を付与できることから、被包装物が漏れ出てしまうなどの不都合も生じない汎用性の高い容器1を提供できる。
そして、防曇層33を格子状に透明シート51に設けている。
このため、成形された蓋3の防曇効果が損なわれることなく、鍔部36の接合層32とフランジ部25の剥離層21とを良好にヒートシールできる。
このため、成形された蓋3の防曇効果が損なわれることなく、鍔部36の接合層32とフランジ部25の剥離層21とを良好にヒートシールできる。
[変形例]
なお、本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した材質、層構成などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではない。このことから、それらの材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した名称での記載は、本発明に含まれるものである。
なお、本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した材質、層構成などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではない。このことから、それらの材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態において、容器1に収納される被包装物としては、食品に限らず、加熱殺菌される医療器具、加熱された物品や水蒸気を発生する物品など、さらには固体に限らず、液体、それらの混合物など、各種の被包装物を対象とすることができる。
また、容器1としては、円形、角形、楕円形の他、各種形状とすることができる。さらに、蓋3としてドーム形状を例示したが、平坦なシート状の形態でもよい。
また、容器1としては、円形、角形、楕円形の他、各種形状とすることができる。さらに、蓋3としてドーム形状を例示したが、平坦なシート状の形態でもよい。
そして、本発明では、容器本体2に防曇処理を施すことを除外するものではない。例えば、反転されて、容器本体2が蓋3となり、蓋3が容器本体2となるような場合も含まれるものである。
このように、容器本体2と蓋3との双方に防曇層33が設けられることで、天地反転可能な容器1でも、良好な防曇効果および封止性の向上が得られるものである。
このように、容器本体2と蓋3との双方に防曇層33が設けられることで、天地反転可能な容器1でも、良好な防曇効果および封止性の向上が得られるものである。
また、透明シート51に全面的に格子状の防曇層33を設けたが、この限りではない。例えば、図4に示すように、蓋3を成形する位置に対応した領域Yに防曇層33を設けてもよい。
このような構成とすることで、必要最小限の防曇層33が設けられることとなり、コストの低減が図れる。
さらに、図5に示すように、例えば蓋3の鍔部36の部分、すなわちヒートシール部が成形される領域のみがハッチング状に防曇層33を設ける(領域X)。そして、ヒートシール部以外のドーム部35などは、ハッチングの密度が高くなる(単位面積当たりの防曇層の割合を多くする)、もしくは下地の接合層32が外面に臨まないように全面的に防曇層33(領域Z)を設けるなどしてもよい。
このように、防曇層33としては、一様なハッチング状に設ける場合に限らず、被接合部分と接合される領域Xと、それ以外の領域Zでは、異なる形態で形成してもよく、領域Z内でも用途に応じて異なる形態で形成してもよい。
このような構成とすることで、必要最小限の防曇層33が設けられることとなり、コストの低減が図れる。
さらに、図5に示すように、例えば蓋3の鍔部36の部分、すなわちヒートシール部が成形される領域のみがハッチング状に防曇層33を設ける(領域X)。そして、ヒートシール部以外のドーム部35などは、ハッチングの密度が高くなる(単位面積当たりの防曇層の割合を多くする)、もしくは下地の接合層32が外面に臨まないように全面的に防曇層33(領域Z)を設けるなどしてもよい。
このように、防曇層33としては、一様なハッチング状に設ける場合に限らず、被接合部分と接合される領域Xと、それ以外の領域Zでは、異なる形態で形成してもよく、領域Z内でも用途に応じて異なる形態で形成してもよい。
そして、防曇層33を設けるハッチング状とは、ピッチが一定の格子状に限らず、平行斜線やピッチが不規則なクロスライン、ドット状などとすることができる。すなわち、ハッチング状とは、下地となる接合層32が防曇層33の隙間から被接合部分と接合可能とする形状である。
また、容器本体2と蓋3との接合としては、ヒートシールに限らず、例えば超音波による溶着、接着剤などを用いた接着など、各種接合方法を利用できる。
さらに、容器本体2と蓋3とを開封する構成としては、層間剥離による開封、あるいは凝集剥離による開封のいずれの構成とすることもできる。
そして、容器本体2のフランジ部25と蓋3の鍔部36のヒートシールは、外周縁に沿って環状にヒートシール部を形成して密封性を付与する場合に限らず、外周方向でヒートシール部が点在するように部分的にヒートシールしてもよい。
さらに、容器本体2と蓋3とを開封する構成としては、層間剥離による開封、あるいは凝集剥離による開封のいずれの構成とすることもできる。
そして、容器本体2のフランジ部25と蓋3の鍔部36のヒートシールは、外周縁に沿って環状にヒートシール部を形成して密封性を付与する場合に限らず、外周方向でヒートシール部が点在するように部分的にヒートシールしてもよい。
そして、蓋3を成形する透明シート51として、基材層31と接合層32との二層構成で説明したが、基材層31を多層構造としたものでもよい。
容器本体についても、三層以上の構成としたものでもよい。
容器本体についても、三層以上の構成としたものでもよい。
さらに、容器本体2と蓋3とで構成した容器1の形態のみならず、容器本体2と蓋3との間に被接合部分が介在する形態としてもよい。
また、容器1の形態のみならず、袋の形態としてもよい。例えば、1枚の防曇シート5を折り返して重ね合わせる、あるいは2枚の防曇シート5を重ね合わせて、重なり合う周縁をヒートシールして袋を形成する場合にも適用できる。この袋の形態の場合では、重ね合わされてシールされる相手側の防曇シールが本発明の被接合部分に相当する。この袋を製袋する場合でも、格子状の防曇層33の隙間を介して互いの接合層32がシールされてヒートシール部が形成される。
また、容器1の形態のみならず、袋の形態としてもよい。例えば、1枚の防曇シート5を折り返して重ね合わせる、あるいは2枚の防曇シート5を重ね合わせて、重なり合う周縁をヒートシールして袋を形成する場合にも適用できる。この袋の形態の場合では、重ね合わされてシールされる相手側の防曇シールが本発明の被接合部分に相当する。この袋を製袋する場合でも、格子状の防曇層33の隙間を介して互いの接合層32がシールされてヒートシール部が形成される。
そして、防曇シート5から蓋3(成形体)を成形したが、例えば透明シート51から成形体を成形した後、防曇層33をパッド印刷などにより設けてもよい。このように、成形後の成形体にもハッチング状の防曇層を設けることで、被接合部分との接合を維持しつつ、防曇効果を付与できる。
1…容器
2…容器本体(成形体)
3…蓋(成形体)
5…防曇シート
25…フランジ部(被接合部分)
31…基材層
32…接合層
33…防曇層
36…鍔部(フランジ、被接合部分)
51…透明シート
X…領域
Y…領域
Z…領域
2…容器本体(成形体)
3…蓋(成形体)
5…防曇シート
25…フランジ部(被接合部分)
31…基材層
32…接合層
33…防曇層
36…鍔部(フランジ、被接合部分)
51…透明シート
X…領域
Y…領域
Z…領域
Claims (12)
- 基材層と、前記基材層より融点の低い樹脂にて前記基材層に積層形成され、被接合部分と接合可能な接合層と、を備えた透明シートと、
前記透明シートの接合層の少なくとも一部に積層され、防曇剤が含有された樹脂組成物からなる防曇層と、を具備し、
前記防曇層の少なくとも一部は、前記接合層の一部が外面に臨む状態にハッチング状に設けられている
ことを特徴とする防曇シート。 - 請求項1に記載の防曇シートにおいて、
前記接合層が被接合部分と接合して接合部を形成可能に、外周部にフランジを有した透明な成形体の成形に用いられる
ことを特徴とする防曇シート。 - 請求項2に記載の防曇シートにおいて、
前記防曇層は、前記成形体が成形される位置に対応する領域に設けられた
ことを特徴とする防曇シート。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の防曇シートにおいて、
前記防曇層は、格子状に設けられている
ことを特徴とする防曇シート。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の防曇シートにおいて、
前記ハッチング状に設けられた防曇層は、少なくとも被接合部分との接合により接合部を形成可能な領域に設けられている
ことを特徴とする防曇シート。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の防曇シートにおいて、
前記防曇層は、ハッチング状に設けられる領域と、前記接合層が外面に臨まずに被覆する領域と、を有する
ことを特徴とする防曇シート。 - 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の防曇シートにおいて、
前記防曇層は、前記接合層に単位面積当たり20%以上の割合で設けられている
ことを特徴とする防曇シート。 - 被接合部分との接合により接合部を形成可能な透明な成形体であって、
基材層と、
前記基材層より融点の低い樹脂にて前記基材層に積層形成され、被接合部分と接合可能な接合層と、
前記接合層の少なくとも一部に、前記接合層の一部が外面に臨む状態に、防曇剤が含有された樹脂組成物がハッチング状に設けられてなる防曇層と、
を具備したことを特徴とする成形体。 - 請求項8に記載の成形体において、
前記防曇層は、成形された後にパッド印刷により設けられた
ことを特徴とする成形体。 - 請求項8または請求項9に記載の成形体と、
前記成形体に接合して接合部を形成可能な被接合部分を備えた蓋または容器本体と、
を具備したことを特徴とする容器。 - 被接合部分との接合により接合部を形成可能な透明な成形体を製造する製造方法であって、
基材層と、基材層より融点の低い樹脂にて前記基材層に積層形成され、被接合部分と接合可能な接合層とを備えた透明シートにおける前記接合層に、防曇剤が含有された樹脂組成物を、前記接合層の一部が外面に臨む状態にハッチング状に塗布し、防曇層を設ける工程と、
前記防曇層が設けられた透明シートを成形して前記成形体を得る工程と、を実施する
ことを特徴とする成形体の製造方法。 - 被接合部分との接合により接合部を形成可能な透明な成形体を製造する製造方法であって、
基材層と、基材層より融点の低い樹脂にて前記基材層に積層形成され、被接合部分と接合可能な接合層と、を備えた透明シートから、前記成形体を成形する工程と、
前記成形体における少なくとも前記被接合部分と接合される領域の接合層に、防曇剤が含有された樹脂組成物を、前記接合層の一部が外面に臨む状態にハッチング状に塗布し、防曇層を設ける工程と、を実施する
ことを特徴とする成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016256481A JP2018108655A (ja) | 2016-12-28 | 2016-12-28 | 防曇シート、成形体、容器、および成形体の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113165782A (zh) * | 2018-11-26 | 2021-07-23 | 花王株式会社 | 薄片材料容器 |
-
2016
- 2016-12-28 JP JP2016256481A patent/JP2018108655A/ja active Pending
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