JP2018108591A - 中空部を有する鋳造製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化を実現しつつも強度性や耐熱性を確保でき、かつ外観が本来有する意匠性を損なうことのない、中子を用いて形成される中空部を有する鋳造製品を提供する。【解決手段】本発明の中空部11を有する鋳造製品10は、中空部11を形成する内表面13が、凹形状及び/又は凸形状14を有する。これにより、補強効果が得られるので、鋳造製品の内側から強度や耐熱性を確保することが可能となるとともに、本来の外観が保たれるので、このような鋳造製品が有する意匠性が損なわれるのを回避することが可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は鋳造製品に関し、特に中子を用いて形成される中空部を有する鋳造製品に関する。
従来、鉄瓶等の、容器の最大径より開口径が小さく形成された中空部を有する鋳造製品9としては、図6に示すように、上部に設けられる円形の開口91と開口91から湯等の液体を収容可能な中空部92と側部に設けられる注出口93とを有する容器本体94と、開口91を覆う着脱可能な円盤状の蓋体95と、注出口93の設置方向と同一方向に開口91を跨がって設けられるU字状の把手部96とを備えるものが一般的である。
このような従来の鋳造製品9は、通常、主型(おもがた)と呼ばれる外側形状を形成するための鋳型に対して、中空部92を形成するための中子(なかご)と呼ばれる内側の鋳型を組み込み、主型と中子の隙間に溶融金属を流し込むことによって鋳造される。主型及び中子としては、一般的に川砂等の砂粒に粘土等の有機バインダと水とを添加・混練して所定の形状に成形・固化した砂型が使用される。中子は、鋳込み後、凝固した溶融金属を主型から取り出す際に壊す必要があるため、主型よりも脆く作られるのが通常である。
また、このような鋳造製品9は、「紋様(文様又は模様ともいう)押し」と呼ばれる技法により、主型に動植物等の吉祥紋様や「アラレ」と呼ばれる何千個もの小さな窪み等を押すことで、容器本体94の外表面に凹凸形状が形成されることがある。このような、容器本体94の外表面に形成される凹凸形状は、鋳造製品9の外観の意匠感を向上させるだけでなく、容器本体94の表面積の増加により保温効果を向上させる働きもある。一方、容器本体94の内表面は、最終的に錆を防止するための酸化被膜が生成され、滑らかに仕上げられるのが通常である。
近年、上述のような鋳造製品を含む鋳造製品全般おいて、その取り扱い易さの観点から薄肉軽量化が求められている。しかしながら、薄肉軽量化が過ぎると製品強度が低下してしまい、例えばIH加熱器等によって高温にさらされた際に薄肉部分、特に底面部に変形が生じる等の問題がある。そこで最近では、鋳造製品の薄肉化した底面部について、その外表面に1mm程度の肉厚を付加することで強度や耐熱性の問題の解消を図っているが、上述のような鋳造製品においては、その取り扱い性や強度、耐熱性といった機能的な面だけでなく、工芸品としての意匠的な面も重視されることから、外観が本来有する意匠性を損なわないことが好ましい。
本発明は上述のような事情に基づいてなされたものであり、軽量化を実現しつつも強度や耐熱性を確保でき、かつ外観が本来有する意匠性を損なうことのない、中子を用いて形成される中空部を有する鋳造製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、中子を用いて形成される中空部を有する鋳造製品であって、前記中空部を形成する内表面が、凹形状及び/又は凸形状を有する鋳造製品を提供する(発明1)。
かかる発明(発明1)によれば、中子を用いて形成される中空部を有する鋳造製品が、中空部を形成する内表面に凹形状及び/又は凸形状を有することにより、補強効果が得られるので、鋳造製品の内側から強度や耐熱性を確保することが可能となる。したがって、例えば薄肉化した底面部については、その外表面に1mm程度の肉厚を付加する必要がなくなり、これにより本来の外観が保たれるので、このような鋳造製品が有する外観の意匠性が損なわれるのを回避することが可能となる。さらに、凹形状及び/又は凸形状の態様によっては、例えば、鋳造製品の内部に、加熱による対流を効果的に発生させて熱伝導率を向上させることで、沸騰までの時間を短縮すること等も可能となる。
上記発明(発明1)においては、前記凹形状及び/又は凸形状が、中子を用いて前記内表面に一体的に形成されることが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、新たな作業工程を設けることなく、中子を用いる従来の鋳造作業において、鋳造製品の内表面に凹形状及び/又は凸形状を形成することが可能となり効率的である。また、凹形状及び/又は凸形状が鋳造製品の内表面に一体的に形成されるので、鋳造製品の内部においても鋳物の本来の風合いが損なわれることがない。このことは、外観だけではなく内観においても、従来の鋳造製品には存在しなかった視覚的な美感が生ずる点で効果が大きい。
本発明の中子を用いて形成される中空部を有する鋳造製品によれば、中空部を形成する内表面が凹形状及び/又は凸形状を有することにより、補強効果が得られるので、鋳造製品の内側から強度や耐熱性を確保することが可能となる。したがって、例えば薄肉化した底面部については、その外表面に1mm程度の肉厚を付加する必要がなくなり、これにより本来の外観が保たれるので、このような鋳造製品が有する外観の意匠性が損なわれるのを回避することが可能となる。さらに、凹形状及び/又は凸形状の態様によっては、例えば、鋳造製品の内部に、加熱による対流を効果的に発生させて熱伝導率を向上させることで、沸騰までの時間を短縮すること等も可能となる。
本発明の第一から第三の実施形態に係る中空部を有する鋳造製品の外観を示す模式的側面図である。 本発明の第一の実施形態に係る鋳造製品の中空部を示す模式図であって、(a)は斜視図、(b)は図1のB−B線における水平断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る鋳造製品の中空部を示す模式図であって、中心線Aを通るY軸方向の垂直断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る鋳造製品の中空部を示す模式的斜視図である。 本発明の第一から第三の実施形態に係る鋳造製品の製造工程を示す説明図である。 従来の中空部を有する鋳造製品の外観を示す模式的斜視図である。
[第一の実施形態]
以下、本発明の中空部を有する鋳造製品の第一の実施形態について、適宜図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、何ら本発明を限定するものではない。なお、以下の説明においては、図1−2に示すように、容器本体1の中心軸Aに対して、注出口3の設置方向をY軸方向、Y軸と直交する水平方向をX軸方向、X軸及びY軸と直交する垂直方向をZ軸方向とする。なお、3軸方向の正方向については、図中に矢印で示すX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向をそれぞれ正とする。
<中空部を有する鋳造製品>
本実施形態に係る鋳造製品10は、鋳鉄製の給湯用容器、いわゆる鉄瓶であって、図1−2に示すように、液体を収容可能な中空部11を有する容器本体1と、容器本体1の上部に設けられる開口12と、開口12を覆う着脱可能な円盤状の蓋体2と、容器本体1の側面部に突設される注出口3と、容器本体1の上部において、注出口3の設置方向と同一方向(Y軸方向)に開口12を跨がって設けられるU字状の把手部4とを主に備える。容器本体1において、中空部11を形成する内表面13は、凹形状及び/又は凸形状14を有している。内表面13が有する凹形状及び/又は凸形状14は、中子を用いて内表面13に一体的に形成される。一方、容器本体1の外表面15は、凹形状及び/又は凸形状14に追随した形状を有してはいない。
容器本体1は、開口12から液体を収容可能な中空部11を有し、図1に示すように、水平方向の最大径が開口12の径より大きい略円柱形状を有する。開口12は、中空部11に液体を導入するためのものであり、容器本体1のZ軸正方向側に設けられている。注出口3は、中空部11内の液体を外部に注出するためのものであり、容器本体1のY軸正方向側の側面部に容器本体1と一体的に設けられている。容器本体1の開口12の縁部には、把手部4を取り付けるための一対の取付孔16が設けられている。
開口12は、容器本体1のZ軸正方向側に、その周縁部が水平面(X−Y面)と平行であるように設けられている。開口12の径は、容器本体1の水平方向の最大径より小さくなっている。容器本体1がこのような形状である場合、容器本体1に中空部11を形成するためには、鋳造作業において主型(外側の型)だけではなく中子(内側の型)が必要となる。
蓋体2は、開口12を覆う着脱可能な円盤形状であり、その中心に一体的に設けられるつまみを有する。注出口3は、容器本体1のY軸正方向側の側面部に、容器本体1と一体的に設けられている。把手部4は、略U字状の部材であって、その端部のそれぞれが、容器本体1の一対の取付孔16に取り付けられることにより、注出口3の設置方向と同一方向(Y軸方向)に、容器本体1の中心軸Aを通って開口12を跨がるようにして設けられている。ここで、略U字状とは、把手部4の両端部が互いに近接するように湾曲又は屈曲された形状を意味しており、U字状に限らず、コ字状や半円状、馬蹄状等の他の形状も含む概念である。
次に、中空部11を形成する内表面13が有する凹形状及び/又は凸形状14について、図2を参照して詳説する。
第一の実施形態において、内表面13が有する凹形状及び/又は凸形状14は、図2(a)及び(b)に示すように、容器本体1の内表面13のうちの側表面131(つまり底表面132以外の部分)に沿って、縦方向に一定間隔で延在する複数の線状突起14aである。容器本体1が側表面131に、このような複数の線状突起14aを有することにより、補強効果が得られるので、鋳造製品10の内側から強度や耐熱性を確保することが可能となる。したがって、例えば薄肉化した底面部については、その外表面に1mm程度の肉厚を付加する必要がなくなる。一方、容器本体1の外表面15は、複数の線状突起14aに追随した形状を有してはいない。容器本体1の外表面15が、複数の線状突起14aに追随した形状を有しないことによって本来の外観が保たれるので、このような鋳造製品が有する外観の意匠性が損なわれるのを回避することが可能となる。さらに、複数の線状突起14aによって内表面13の表面積が増加するため、収容した水等の液体と内表面13との熱交換が促進され、収容液体の加熱に要する時間を短縮することが可能となる。また、鋳造製品10の外観だけでなく内観においても、従来の鋳造製品には存在しなかった視覚的な美感が生じるという効果もある。
複数の線状突起14aの位置、大きさ及び配列間隔に関しては特に制限はなく、容器本体1の容量等によって適宜設定することができるが、図2(a)及び(b)に示すように、容器本体1の内表面13のうちの側表面131に沿って、縦方向に一定間隔で設けられ、高さ及び幅が2−3mm程度であり、容器本体1の最大径部(図1のB−B線)における配列間隔が3mm以下であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、複数の線状突起14aは、図2(a)及び(b)に示すように、側表面131に沿って、縦方向に一定間隔で延在するものであるが、これに限定されず、例えば横方向や斜め方向に一定間隔で延在するものであってもよいし、また、線状突起14aの形状が直線形ではなく、例えば波形やジグザグ形等であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。さらに、このような複数の線状突起14aが、底表面132の中心点(中心軸Aと底表面132との接点)を中心として、底表面132から側表面131に渡って一貫して設けられるものであってもよい。
次に、上述の鋳造製品10の製造方法について、図5も参照しつつ説明する。
<中空部を有する鋳造製品の製造方法>
本実施形態に係る鋳造製品10の製造方法は、木型製作工程と、鋳型製作工程と、鋳型組立工程と、鋳込み工程と、型出し工程と、表面処理工程と、着色工程とを主に備える。鋳型製作工程は、主型製作工程と中子製作工程とを有する。主型製作工程においては、必要に応じて紋様押し工程を行ってもよい。
〔木型製作工程〕
木型製作工程では、鋳造製品10のデザイン図面に基づき、木型と呼ばれる厚さ1.5mm程度の型を製作する。木型は、容器本体1のような軸対象な鋳物を製造する際に使用され、鋳型のもととなる砂型の中で軸を中心として回転させることにより、容器本体1の外側の輪郭を取るためのものである。木型の材料としては、現在、鉄板等の金属板が用いられることが多い。
〔鋳型製作工程〕
鋳型製作工程では、容器本体1の外側形状を形成するため主型と呼ばれる外側の鋳型(主型製作工程)と、中空部11を形成するための中子と呼ばれる内側の鋳型(中子製作工程)とを製作する。
(主型製作工程)
主型は、繰り返し使用されるレンガ質で形成された外型に、砂型と呼ばれる川砂等の砂粒に粘土等の有機バインダと水とを添加・混練したものを入れ、その砂型の中で主型の木型を軸を中心として回転させることによって容器本体1の外側の輪郭を形作ることにより製作する。主型は通常、中心線Aを通るY軸方向の垂直断面に沿って左右に分割できるように製作し、容器本体1の−X方向外側の形状を成形するための左型と、容器本体1のX方向外側を成形するための右型とからなる。
主型製作工程においては、必要に応じて紋様押し工程を行ってもよい。紋様押し工程では、「紋様押し」と呼ばれる技法により、主型に動植物等の吉祥紋様や「アラレ」と呼ばれる何千個もの小さな窪み等を加える。この紋様押し工程で主型に加えられた紋様によって、容器本体1の外表面15に意匠的な凹凸形状が形成される。紋様押しは、主型が完全に乾燥する前に行う必要がある。
なお、主型は、完全に乾燥させてから鋳込み作業に用いられるが、乾燥後に約1300度程度で焼結を行ってもよい。この工程は、「型焼き」とも呼ばれる。
(中子製作工程)
中子は、容器本体1の外側の輪郭から厚み(3mm程度)を差し引いた内側の輪郭に基づき製作された中子の金型により、所定の形状に成形・固化することで製作する。具体的には、中子の金型に、「中子砂」とも呼ばれる中子用の砂をセットし、付き固めることで製作する。
ここで、中子の金型とは、容器本体1の中空部11を形成するための中子を製造するための型であって、従来、上下二つの型からなる。本実施形態において、中子の金型は公知の方法に基づき製作することができる。中子の金型の材料としては、耐久性があり寸法制度がよいことからアルミニウムや黄銅等の金属が多く用いられる。
中子砂としては、一般的に川砂等の砂粒に粘土等の有機バインダと水とを添加・混練したものが使用されるが、中子は、鋳込み後、凝固した溶融金属を主型から取り出す際に壊す必要があるため、主型よりも脆く作られるのが通常である。
なお、主型及び中子を製作する方法については、上述の方法に限らず、例えば少量生産の場合には、3Dプリンタを用いて主型及び中子を製作してもよい。
本実施形態に係る鋳造製品10の製造方法において、中子は、容器本体1の内表面13が有する縦方向に一定間隔で延在する複数の線状突起14aに対応する凹凸形状を有するように製作される。中子がこのような形状であることにより、内表面13にのみ、複数の線状突起14aを形成することが可能となる。なお、上述の中子は、従来の中子の金型(上下二つの金型)を用いて製作することができるが、これに限定されず、内表面13に所望の複数の線状突起14aを設けることができれば、金型の部材数はいくつであってもよく、例えば、左右二つの金型により製作したものを接着して用いてもよい。複数の線状突起14aが縦方向に設けられることを考慮すると、上下二つの金型を用いて製作することが好ましい。
上述のような主型及び中子を用いることにより、容器本体1において、複数の線状突起14aを有する内表面13とともに、内表面13の形状に追随しない形状を有する外表面15を達成することができるので、軽量化を実現しつつも強度や耐熱性を確保でき、かつ外観が本来有する意匠性を損なうことない鋳造製品10を提供することが可能となる。また、外観だけではなく内観においても、従来の鋳造製品には存在しなかった視覚的な美感が生ずるという効果もある。
〔鋳型組立工程〕
鋳型組立工程では、乾燥後(又は焼結後)の主型に中子を組み込む。具体的には、主型の左型と右型との間に中子を組み入れる。このとき、主型と中子との隙間が、容器本体1の厚みとなる3mm程度となるよう調整を行う。
〔鋳込み工程〕
鋳込み工程では、鋳型に溶融金属を流し込む。本実施形態では、溶融金属として溶融鉄を用いている。溶融鉄は、溶解炉において約1400−1500度まで温度を上げることにより鋳鉄を溶融することで生成する。生成した溶融鉄は、湯汲みと呼ばれる柄杓に汲み取られ、主型と中子との隙間に流し込まれる。
〔型出し工程〕
型出し工程では、鋳型を分解することにより、鋳込み工程で鋳込んだ鉄(容器本体1)を取り出す。具体的には、主型の左型及び右型を取り外した後に、中子を壊して取り除くことで、型出しが完了する。
〔表面処理工程〕
表面処理工程では、鋳型の継ぎ目や接続箇所等に起因して容器本体1の外表面15及び内表面13に形成された出っ張り等を、タガネ等の道具により処理した後、「釜焼き」と呼ばれる蒸し焼きを30−40分程度行うことで、容器本体1の表面処理を行う。これにより、容器本体1の外表面15及び内表面13に酸化被膜が形成されるので、容器本体1における錆の発生を予防することができる。
〔着色工程〕
着色工程では、表面処理工程後の容器本体1の外表面15に本漆を塗布した後、漆の艶を消すためにおはぐろを塗布する。最後に容器本体1の取付孔16に把手部4を取り付け、別途製造した蓋体2と合わせることにより、鋳造製品10が完成する。
[第二の実施形態]
次に、本発明の中空部を有する鋳造製品の第二の実施形態について、図3を参照しつつ説明する。なお、凹形状及び/又は凸形状14以外の部分については第一の実施形態と同様であるため、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
<中空部を有する鋳造製品>
第二の実施形態において、内表面13が有する凹形状及び/又は凸形状14は、図3に示すように、容器本体1の内表面13のうちの底表面132(つまり側表面131以外の部分)に、中心軸Aを中心として突設される円錐形状突起14bである。容器本体1が底表面132に、このような円錐形状突起14bを有することにより、補強効果が得られるので、鋳造製品10の内側から強度や耐熱性を確保することが可能となる。特に、薄肉化した底面部については、その外表面に1mm程度の肉厚を付加する必要がなくなる。一方、容器本体1の外表面15は、円錐形状突起14bに追随した形状を有してはいない。容器本体1の外表面15が、円錐形状突起14bに追随した形状を有しないことによって本来の外観が保たれるので、このような鋳造製品が有する外観の意匠性が損なわれるのを回避することが可能となる。さらに、円錐形状突起14bによって、容器本体1の内部に加熱による水等の液体の対流を効果的に発生させることが可能となる。具体的には、水等の液体を収容した容器本体1を加熱すると、底表面132においては、その平面部分と突起部分(円錐形状突起14b)とでは、熱を通過させる距離が異なるため、突起部分に比べて平面部分の熱損失が少なくなり、突起部分の表面温度に比べて平面部分の表面温の方が高くなる。そして、平面部分と突起部分との表面温度の差によって容器本体1の内部に対流が発生し、液体を容器本体1の内部で積極的に循環させることができるので、沸騰までに要する時間をさらに短縮させることが可能となる。
円錐形状突起14bの位置及び大きさに関しては特に制限はなく、容器本体1の容量等によって適宜設定することができるが、図3に示すように、容器本体1の中心軸Aを中心として設けられ、高さが30mm以下であり、その底面部分の直径が底表面132の直径の30−50%程度であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、円錐形状突起14bは、図3に示すように底表面132に、中心軸Aを中心として突設されるものであるが、これに限定されず、容器本体1の形状によっては、例えば中心軸Aを中心として設けられていなくともよいし、また、いわゆる直円錐形状でなく、斜円錐形状であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
[第三の実施形態]
次に、本発明の中空部を有する鋳造製品の第三の実施形態について、図4及び5を参照しつつ説明する。なお、凹形状及び/又は凸形状14以外の部分については第一及び第二の実施形態と同様であるため、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
<中空部を有する鋳造製品>
第三の実施形態において、内表面13が有する凹形状及び/又は凸形状14は、図4に示すように、容器本体1の内表面13のうちの底表面132(つまり側表面131以外の部分)に形設されるレリーフ状の模様14cである。容器本体1が底表面132に、このようなレリーフ状の模様14cを有することにより、補強効果が得られるので、鋳造製品10の内側から強度や耐熱性を確保することが可能となる。したがって、例えば薄肉化した底面部については、その外表面に1mm程度の肉厚を付加する必要がなくなる。一方、容器本体1の外表面15は、レリーフ状の模様14cに追随した形状を有してはいない。容器本体1の外表面15が、レリーフ状の模様14cに追随した形状を有しないことによって本来の外観が保たれるので、このような鋳造製品が有する外観の意匠性が損なわれるのを回避することが可能となる。さらに、鋳造製品10の外観だけでなく内観においても、従来の鋳造製品には存在しなかった視覚的な美感が生じる。また、レリーフ状の模様14cによって内表面13の表面積が増加するため、収容した水等の液体と内表面13との熱交換が促進され、収容液体の加熱に要する時間を短縮することが可能となる。
図4においては、本実施形態におけるレリーフ状の模様14cの例として、立体的に表現された家紋を示している。レリーフ状の模様14cの態様に関しては特に制限はなく、容器本体1の容量等によって適宜設定することができるが、後述する中子との関係から、その直径が底表面132の直径と同程度か又はそれよりも小さいことが好ましい。
なお、本実施形態においては、レリーフ状の模様14cは、図4に示すように底表面132に形設されるものであるが、これに限定されず、例えば、底表面132から側表面131に渡って一貫して設けられるものであってもよい。
<中空部を有する鋳造製品の製造方法>
本実施形態に係る鋳造製品10の製造方法において、中子は、容器本体1の内表面13が有するレリーフ状の模様14cに対応する凹凸形状を有するように製作される。中子がこのような形状であることにより、内表面13にのみ、レリーフ状の模様14cを形成することが可能となる。なお、上述の中子は、従来の中子の金型(上下二つの金型)を用いて製作することができるが、これに限定されず、内表面13に所望のレリーフ状の模様14cを設けることができれば、金型の部材数はいくつであってもよく、例えば左右二つの金型や左右及び底の三つの金型等の複数の金型により製作したものを接着して用いてもよい。意匠的なレリーフ状の模様14cを底表面132一帯に形設することを考慮すると、底表面132に相当する部分については別部材とした、左右及び底の三つの金型を用いて製作することが好ましい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記各実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態では、凹形状及び/又は凸形状14として、複数の線状突起14a、円錐形状突起14b、レリーフ状の模様14cが、それぞれ例示されているが、容器本体1の内表面13に設けられる凹形状及び/又は凸形状であれば、例えば、動植物等の吉祥模様やアラレ紋様等の伝統的紋様でもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
本発明の中子を用いて形成される中空部を有する鋳造製品は、中空部を形成する内表面に凹形状及び/又は凸形状を有することにより、補強効果が得られるので、鋳造製品の内側から強度や耐熱性を確保することが可能となるとともに、例えば薄肉化した底面部については、その外表面に1mm程度の肉厚を付加する必要がなくなり、これにより本来の外観が保たれるので、このような鋳造製品が有する外観の意匠性が損なわれるのを回避することが可能となり、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
10 中空部を有する鋳造製品
1 容器本体
11 中空部
12 開口
13 内表面
131 側表面
132 底表面
14a,14b,14c 凹形状及び/又は凸形状
15 外表面
16 取付孔
2 蓋体
3 注出口
4 把手部

Claims (2)

  1. 中子を用いて形成される中空部を有する鋳造製品であって、
    前記中空部を形成する内表面が、凹形状及び/又は凸形状を有する
    鋳造製品。
  2. 前記凹形状及び/又は凸形状が、中子を用いて前記内表面に一体的に形成される請求項1に記載の鋳造製品。
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