JP2018106895A - 正極活物質、正極、及び非水電解質蓄電素子 - Google Patents

正極活物質、正極、及び非水電解質蓄電素子 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリアニオン系化合物を含む正極活物質であって、非水電解質蓄電素子の放電容量を大きくすることができる正極活物質、並びにこの正極活物質を有する正極及び非水電解質蓄電素子を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、下記式(1)で表される化合物を含む非水電解質蓄電素子用の正極活物質である。LiaM(PO4)1−x(SO4)xFyAz・・・(1)式(1)中、Mは、遷移金属元素である。Aは、F以外のハロゲン元素である。0<a≦2、0≦x≦0.1、0<y≦1、0≦z<1、y+z≦1、0<x+zである。【選択図】図1

Description

本発明は、正極活物質、正極、及び非水電解質蓄電素子に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、セパレータで電気的に隔離された一対の電極と、この電極間に介在する非水電解質とを有し、両電極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。また、非水電解質二次電池以外の非水電解質蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタ等のキャパシタも広く普及している。
非水電解質蓄電素子の正極及び負極には、イオンの吸蔵放出を行う各種活物質が採用されている。正極活物質の一種として、LiCoPO、LiMnPO、LiFePO等のポリアニオン系化合物が知られている。ポリアニオン系化合物は、中心金属の周りに電気陰性度の大きいポリアニオンが配されていることから高い放電電位を有し、また熱安定性も良好であるとされている。このような中、放電電位をより高めることを目的として、LiCoPOF等、フッ素を含むポリアニオン系化合物を活物質として用いることが提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−229126号公報
しかし、LiCoPOF等のフッ素を含むポリアニオン系化合物が用いられた非水電解質蓄電素子においては、放電電位は高いものの、十分な放電容量が得られないという不都合を有する。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、ポリアニオン系化合物を含む正極活物質であって、非水電解質蓄電素子の放電容量を大きくすることができる正極活物質、並びにこの正極活物質を有する正極及び非水電解質蓄電素子を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、下記式(1)で表される化合物を含む非水電解質蓄電素子用の正極活物質である。
LiM(PO1−x(SO ・・・(1)
(式(1)中、Mは、遷移金属元素である。Aは、F以外のハロゲン元素である。0<a≦2、0≦x≦0.1、0<y≦1、0≦z<1、y+z≦1、0<x+zである。)
本発明の他の一態様は、当該正極活物質を有する正極である。
本発明の他の一態様は、当該正極を備える非水電解質蓄電素子である。
本発明によれば、ポリアニオン系化合物を含む正極活物質であって、非水電解質蓄電素子の放電容量の大きくすることができる正極活物質、並びにこの正極活物質を有する正極及び非水電解質蓄電素子を提供することができる。
図1は、本発明に係る非水電解質蓄電素子の一実施形態を示す外観斜視図である。 図2は、本発明に係る非水電解質蓄電素子を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図である。 図3は、実施例3、4及び比較例1の各正極活物質のX線回折パターンである。 図4は、実施例7、8及び比較例1の各正極活物質のX線回折パターンである。
本発明の一実施形態に係る正極活物質は、下記式(1)で表される化合物を含む非水電解質蓄電素子用の正極活物質である。
LiM(PO1−x(SO ・・・(1)
(式(1)中、Mは、遷移金属元素である。Aは、F以外のハロゲン元素である。0<a≦2、0≦x≦0.1、0<y≦1、0≦z<1、y+z≦1、0<x+zである。)
当該正極活物質は、ポリアニオン系化合物である上記式(1)で表される化合物を含むため、非水電解質蓄電素子の放電容量を大きくすることができる。この理由は定かでは無いが、以下の理由が推測される。LiCoPOF等の従来のフッ素を含むポリアニオン系化合物においては、結晶内部におけるリチウムイオンの拡散速度が遅く、実用的に利用できるリチウムイオンが制限され、十分な放電容量が得られていない。このリチウムイオンの拡散速度が遅い原因としては、結晶内部において、リチウムイオンがアニオンに強く結合していることや、拡散のためのパスが孤立していることなどが考えられる。そこで、ポリアニオン系化合物中のPO(すなわちPO 3−)の一部をSO(すなわちSO 2−)に置換した場合、SO 3−はPO 2−よりも電荷が小さいため、リチウムイオンに対する結合力(拘束する力)が弱くなり、また、結晶内に歪み(リチウムイオンの拡散パス)が生じる。同様に、ポリアニオン系化合物が有するフッ素の一部を他のハロゲン元素に置換した場合も、他のハロゲン元素はフッ素よりも電気陰性度が小さいため、リチウムイオンに対する結合力が弱くなり、また、他のハロゲン元素はフッ素に比べて原子半径が大きいため、結晶内に歪みが生じる。従って、POの一部をSOに置換することや、フッ素の一部を他のハロゲン元素に置換することにより、結晶内部におけるリチウムイオンが拡散しやすくなり、放電容量が高まると推測される。なお、POの一部を価数の少ないSOに置換した場合、電気的に安定な状態の化合物中に存在するリチウム(Li)の量は減少することとなる。しかし、本発明においては、リチウムの利用率を高めることができるため、リチウムの含有量自体が減少していても、放電容量が大きくなると推測される。
上記式(1)中、MがCoであることが好ましい。このような化合物を用いることで、非水電解質蓄電素子の放電容量をより大きくすることができる。
上記式(1)中、AがCl又はIであることが好ましい。また、0.05≦z<1であることが好ましい。このような割合で塩素又はヨウ素を含有させることで、非水電解質蓄電素子の放電容量をより大きくすることができる。
上記式(1)中、0<x≦0.1であることが好ましい。このような割合でPOをSOに置換することによっても、非水電解質蓄電素子の放電容量をより大きくすることができる。
本発明の一実施形態に係る正極は、当該正極活物質を有する正極である。当該正極によれば、正極活物質としてフッ素を含むポリアニオン系化合物を用いておきながら、非水電解質蓄電素子の放電容量を大きくすることができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子は、当該正極を備える非水電解質蓄電素子(以下、単に「蓄電素子」ということもある。)である。当該蓄電素子は、正極活物質としてフッ素を含むポリアニオン系化合物を用いておきながら、大きい放電容量を有する。
以下、本発明の一実施形態に係る正極活物質、正極、及び非水電解質蓄電素子について、順に説明する。
<正極活物質>
当該正極活物質は、下記式(1)で表される化合物を含む非水電解質蓄電素子用の正極活物質である。
LiM(PO1−x(SO ・・・(1)
式(1)中、Mは、遷移金属元素である。Aは、F以外のハロゲン元素である。0<a≦2、0≦x≦0.1、0<y≦1、0≦z<1、y+z≦1、0<x+zである。
上記式(1)中のMで表される遷移金属元素としては、例えば、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、Ti等を挙げることができる。なお、Mで表される遷移金属元素は、1種の遷移金属元素であってもよいし、2種以上の遷移金属元素であってもよい。上記Mとしては、Coを含むことが好ましい。Mに占めるCoの含有量の下限としては、例えば50モル%とすることができ、90モル%とすることもできる。Mは、Coであることがより好ましい。
上記式(1)中のAで表されるF(フッ素)以外のハロゲン元素としては、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)等を挙げることができる。なお、Aで表されるF以外のハロゲン元素は、1種のハロゲン元素であってもよいし、2種以上のハロゲン元素であってもよい。上記Aとしては、Cl及びIの少なくとも一方を含むことが好ましい。Aに占めるCl又はIの含有量の下限としては、50モル%が好ましく、90モル%がより好ましい。また、Aは、Cl又はIであることが好ましい。
上記式(1)中のaの下限としては、0.1が好ましく、0.5がより好ましく、1がさらに好ましく、1.5がよりさらに好ましく、1.8がよりさらに好ましく、1.9が特に好ましい。また、aは、実質的に2−xであってよい。例えば、0.9×(2−x)≦a≦1.1×(2−x)(但し、0<a≦2、0≦x≦0.1)であってよい。なお、この好ましいaの範囲は、上記化合物の合成時(蓄電素子に組み込まれる前)の値であってもよく、蓄電素子に組み込まれ、充放電が行われた後の値であってもよい。また、蓄電素子に組み込まれた状態のものである場合、放電状態の正極活物質における値であってもよい。
上記式(1)中のxは、POからSOへの置換度を表わす。xは0以上であるが、0超が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.03以上がさらに好ましい。一方、xの上限は0.1であるが、この上限は、0.08が好ましく、0.06がより好ましい。xの値を上記範囲とすることで、蓄電素子の放電容量をより大きくすることができる。
なお、0<x≦0.1の場合、z=0であってもよく、0<z<1であってもよいが、z=0であることが好ましい。0<x≦0.1かつz=0である化合物は、例えばLiCo(PO)Fからの合成を比較的容易に行うことなどができる。
上記式(1)中のzは、F以外のハロゲン元素の含有比率を表わす。zの下限は0であるが、0.05が好ましく、0.1がより好ましく、0.15がさらに好ましい。また、zは1未満であるが、0.5以下が好ましく、0.25以下がより好ましい。zの値を上記範囲とすることで、蓄電素子の放電容量をより大きくすることができる。
なお、0<z<1の場合、x=0であってもよく、0<x≦0.1であってもよいが、x=0であることが好ましい。x=0かつ0<z<1である化合物は、例えばLiCo(PO)Fからの合成を比較的容易に行うことなどができる。
上記式(1)において、y+z≦1であるが、y+z=1であってよい。y+z=1の場合、zは、フッ素(F)から他のハロゲン元素(A)への置換度を表わす。但し、フッ素は、揮発等により一部が脱離する場合があるため、0<y+z<1であってよい。
さらに、上記式(1)において、0<x+zである。すなわち、上記化合物は、SO及びAの少なくとも一方を含む。x+zの下限は、0.01が好ましく、0.03がより好ましい。一方、x+zは、1.1未満であるが、0.5以下が好ましい。x+zを上記範囲とすることで、蓄電素子の放電容量をより大きくすることができる。
当該正極活物質は、実質的に上記化合物のみからなっていてもよいし、上記化合物とその他の公知の正極活物質等との混合物であってもよい。但し、当該正極活物質に占める上記化合物の含有率の下限としては、50質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。当該正極活物質における上記化合物の含有率を上記下限以上とすることで、蓄電素子の放電容量をより大きくすることができる。
(正極活物質の製造方法)
当該正極活物質の製造方法は特に限定されず、焼成法等の公知の製造方法を組み合わせて行うことができる。例えば、フッ化リチウム(LiF)と、水酸化リチウム(LiOH)と、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)と、遷移金属元素の炭酸塩と、遷移金属元素の硫酸塩とを所定比で混合して焼成することによって、上記式(1)においてx≠0かつz=0である正極活物質を得ることができる。また、フッ化リチウムと、他のハロゲン化リチウムと、水酸化リチウムと、リン酸二水素アンモニウムと、遷移金属元素の炭酸塩とを所定比で混合して焼成することによって、上記式(1)においてx=0かつz≠0である正極活物質を得ることができる。遷移金属元素の硫酸塩と他のハロゲン化リチウムとを併用してもよい。
上記遷移金属元素の炭酸塩としては、CoCO、MnCO、FeCO等を挙げることができる。上記遷移金属元素の硫酸塩としては、CoSO、MnSO、FeSO等を挙げることができる。上記他のハロゲン化リチウムとしては、塩化リチウム(LiCl)、ヨウ化リチウム(LiI)等を挙げることができる。なお、上記リン酸二水素アンモニウム(NHPO)に変えて、リン酸アンモニウム((NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)等、焼成の際にカチオン部分が揮発する他のリン酸化合物を用いてもよい。また、焼成後、得られた焼成物を粉砕し、この粉砕物を正極活物質として用いることができる。
<正極>
当該正極は、上述した当該正極活物質を有する非水電解質蓄電素子用の正極である。当該正極は、正極基材、及びこの正極基材に直接又は中間層を介して配される正極活物質層を有する。
上記正極基材は、導電性を有する。基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。また、正極基材の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極基材としてはアルミニウム箔が好ましい。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H−4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
中間層は、正極基材の表面の被覆層であり、炭素粒子等の導電性粒子を含むことで正極基材と正極活物質層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば樹脂バインダー及び導電性粒子を含有する組成物により形成できる。なお、「導電性」を有するとは、JIS−H−0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が10Ω・cm超であることを意味する。
正極活物質層は、当該正極活物質を含むいわゆる正極合材から形成される。また、正極活物質層を形成する正極合材は、必要に応じて、導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含むことができる。
上記正極活物質層に占める当該正極活物質の含有量の下限としては、例えば50質量%が好ましく、60質量%がより好ましい。一方、この含有量の上限としては、95質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。
上記導電剤としては、蓄電素子性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックスなどが挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
上記バインダー(結着剤)としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子などが挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、電池性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラスなどが挙げられる。
<非水電解質蓄電素子>
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、正極、負極及び非水電解質を有する。以下、非水電解質蓄電素子の一例として、非水電解質二次電池について説明する。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回により交互に重畳された電極体を形成する。この電極体はケースに収納され、このケース内に非水電解質が充填される。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。また、上記ケースとしては、非水電解質二次電池のケースとして通常用いられる公知のアルミニウムケース、樹脂ケース等を用いることができる。
(正極)
当該蓄電素子に備わる正極は、上述したとおりである。
(負極)
上記負極は、負極基材、及びこの負極基材に直接又は中間層を介して配される負極活物質層を有する。上記中間層は正極の中間層と同様の構成とすることができる。
上記負極基材は、正極基材と同様の構成とすることができるが、材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属又はそれらの合金が用いられ、銅又は銅合金が好ましい。つまり、負極基材としては銅箔が好ましい。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
上記負極活物質層は、負極活物質を含むいわゆる負極合材から形成される。また、負極活物質層を形成する負極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等の任意成分は、正極活物質層と同様のものを用いることができる。
上記負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材質が用いられる。具体的な負極活物質としては、例えばSi、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛(グラファイト)、非晶質炭素(易黒鉛化性炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料等が挙げられる。
さらに、負極合材(負極活物質層)は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を含有してもよい。
(セパレータ)
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。上記セパレータの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。また、これらの樹脂を複合してもよい。
なお、セパレータと電極(通常、正極)との間に、無機層が配設されていても良い。この無機層は、耐熱層等とも呼ばれる多孔質の層である。また、多孔質樹脂フィルムの一方の面に無機層が形成されたセパレータを用いることもできる。上記無機層は、通常、無機粒子及びバインダーとで構成され、その他の成分が含有されていてもよい。
(非水電解質)
上記非水電解質としては、一般的な非水電解質二次電池に通常用いられる公知の非水電解質が使用できる。上記非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解されている電解質塩を含む。
上記非水溶媒としては、一般的な二次電池用非水電解質の非水溶媒として通常用いられる公知の非水溶媒を用いることができる。上記非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、エステル、エーテル、アミド、スルホン、ラクトン、ニトリル等を挙げることができる。これらの中でも、環状カーボネート又は鎖状カーボネートを少なくとも用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用することがより好ましい。
上記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、スチレンカーボネート、カテコールカーボネート、1−フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもECが好ましい。
上記鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジフェニルカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもEMCが好ましい。
電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができるが、リチウム塩が好ましい。上記リチウム塩としては、LiPF、LiPO、LiBF、LiPF(C、LiClO、LiN(SOF)等の無機リチウム塩、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiC(SOCF、LiC(SO等のフッ化炭化水素基を有するリチウム塩などを挙げることができる。
上記非水電解質には、その他の添加剤が添加されていてもよい。また、上記非水電解質として、常温溶融塩、イオン液体、ポリマー固体電解質などを用いることもできる。
当該非水電解質二次電池(蓄電素子)は、比較的高い作動電圧で用いることができる。例えば、通常使用時の充電終止電圧における正極電位(充電終止電位)は、5V(vs.Li/Li)より貴とすることができ、5.2V(vs.Li/Li)より貴とすることもできる。当該蓄電素子においては、このように高い作動電位で用いることで、エネルギー密度をより高くすることができる。一方、この通常使用時の充電終止電圧における正極電位の上限は、例えば6V(vs.Li/Li)であり、5.8V(vs.Li/Li)であってよく、5.6V(vs.Li/Li)であってもよい。
ここで、「通常使用時」とは、当該蓄電素子について推奨され、又は指定される充電条件を採用して当該蓄電素子を使用する場合であり、当該蓄電素子のための充電器が用意されている場合は、その充電器を適用して当該蓄電素子を使用する場合をいう。
当該蓄電素子は、公知の方法で製造することができる。例えば、当該蓄電素子の製造方法は、正極を作製する工程、負極を作製する工程、非水電解質を調製する工程、正極及び負極をセパレータを介して積層又は巻回することにより交互に重畳された電極体を形成する工程、正極及び負極(電極体)を電池容器に収容する工程、並びに上記電池容器に上記非水電解質(電解液)を注入する工程を備える。注入後、注入口を封止することにより当該蓄電素子を得ることができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記正極又は負極において、中間層を設けなくてもよい。また、当該非水電解質蓄電素子の正極において、正極合材は明確な層を形成していなくてもよい。例えば上記正極は、メッシュ状や繊維状の正極基材に正極合材が担持された構造などであってもよい。
また、上記実施の形態においては、非水電解質蓄電素子が非水電解質二次電池である形態を中心に説明したが、その他の非水電解質蓄電素子であってもよい。その他の非水電解質蓄電素子としては、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)等が挙げられる。
図1に、本発明に係る非水電解質蓄電素子の一実施形態である矩形状の非水電解質蓄電素子1(非水電解質二次電池)の概略図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質蓄電素子1は、電極体2が電池容器3(ケース)に収納されている。電極体2は、正極活物質を含む正極合材を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。この正極の活物質として、本発明の一実施形態に係る正極活物質が使用されている。また、電池容器3には、非水電解質が注入されている。
本発明に係る非水電解質蓄電素子の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質蓄電素子1を備えている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
原料化合物としてLiF、LiOH、CoCO、CoSO及びNHPOを1:0.95:0.95:0.05:0.95のモル比で混合した。この混合原料に5mmの径を有するジルコニアボールと少量のエタノールとを加えた。この混合物に対して、遊星ミル(フリッチュ「P−5」)を用いて、300rpmで9分回転及び1分間停止を5回繰り返す粉砕混合を行った。得られた粉砕混合粉末を乾燥機によって80℃で乾燥し、前駆体粉末を得た。
上記前駆体粉末を管状炉にて窒素雰囲気下にて、昇温時間15分、保持時間45分として600℃で焼成した。昇温時間は15分、保持時間は45分とした。得られた焼成粉末に対して、軟化点110℃のピッチ(JFEケミカル社製)を4質量%加えた後、遊星ミルにて上記と同じ条件にて粉砕混合を行った。その後、窒素雰囲気下にて、昇温時間15分、保持時間45分として600℃で焼成し、目的の正極活物質(化合物)であるLi1.95Co(PO0.95(SO0.05Fを得た。
[実施例2〜10、比較例1〜5]
原料化合物の種類及び混合モル比を目的とする正極活物質(化合物)の組成にあわせて表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2〜10及び比較例1〜5の各正極活物質を得た。
(蓄電素子(評価セル)の作製)
上記各実施例及び比較例の正極活物質と、導電剤(アセチレンブラック)と、バインダー(クレハ社製、品番#1120)とを7:2:1の質量比で混合し、N−メチルピロリドンを分散媒とする正極ペーストを調製した。この正極ペーストをアルミニウム製メッシュに塗布、乾燥して正極を得た。また、ECとEMCとDMCとを6:7:7の体積比で混合した非水溶媒に、1mol/Lの濃度でLiPFを溶解させ、非水電解質を調製した。上記正極及び非水電解質を用い、また、負極をリチウム金属として、評価セル(蓄電素子)としてのビーカーセルを作製した。
(放電容量)
得られた各評価セルについて、25℃の環境下、放電容量を測定した。充電は、充電電流0.1C(1C=284mAh/g)、充電終止電位5.4V(vs.Li/Li)の定電流(CC)充電とした。放電は、放電電流0.1C、放電終止電位2V(vs.Li/Li)の定電流(CC)放電とした。測定された各評価セルの放電容量を表1に示す。
Figure 2018106895
表1に示されるように、実施例1〜10の各評価セルにおいては、LiCo(PO)Fを正極活物質として用いた比較例1と比べて放電容量が大きい。一方、POからSOへの置換度が大きい比較例2〜5は、逆に放電容量が低下している。これは、SOへの置換度が大きいことで結晶構造が崩れ、リチウムイオンの吸蔵放出が生じ難くなったことによると推測される。
(X線回折測定)
実施例3、4、7、8及び比較例1の各正極活物質について、X線回折装置(Rigaku社の「MiniFlex II」)を用いて粉末X線回折測定を行った。線源はCuKα線、管電圧は30kV、管電流は15mAとし、回折X線は厚み30μmのKβフィルターを通し高速一次元検出器(型番:D/teX Ultra 2)にて検出した。サンプリング幅は0.01°、スキャンスピードは5°/min、発散スリット幅は0.625°、受光スリット幅は13mm(OPEN)、散乱スリット幅は8mmとした。得られたX線回折パターンを図3及び図4に示す。
図3及び図4においては、比較例1の16〜17°近傍に現れる回折ピークに対して、実施例3、4、7及び8の回折パターンでは上記回折ピークの位置がシフトしていることが分かる。これは、フッ素の一部を塩素又はヨウ素に置換することで、結晶が膨張していることを表わしていると考えられる。このような結晶の膨張などによって、リチウムイオンの拡散性が向上していると推測される。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などの電源として使用される非水電解質蓄電素子、及びこれに備わる電極、正極活物質などに適用できる。
1 非水電解質蓄電素子
2 電極体
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される化合物を含む非水電解質蓄電素子用の正極活物質。
    LiM(PO1−x(SO ・・・(1)
    (式(1)中、Mは、遷移金属元素である。Aは、F以外のハロゲン元素である。0<a≦2、0≦x≦0.1、0<y≦1、0≦z<1、y+z≦1、0<x+zである。)
  2. 上記式(1)中、MがCoである請求項1の正極活物質。
  3. 上記式(1)中、AがCl又はIであり、0.05≦z<1である請求項1又は請求項2の正極活物質。
  4. 上記式(1)中、0<x≦0.1である請求項1、請求項2又は請求項3の正極活物質。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項の正極活物質を有する正極。
  6. 請求項5の正極を備える非水電解質蓄電素子。


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