JP2018106878A - 絶縁層付き負極 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁層の強度を向上させつつ、正極との接着力の低下を抑制することのできる、絶縁層付き負極を提供する。【解決手段】本開示の絶縁層付き負極は、リチウムイオン二次電池用の負極と、負極の両側の表面に設けられた多孔性の絶縁層と、を備える。負極は、負極集電体と、負極集電体の両側の表面に設けられた負極活物質およびバインダーを含む負極合材層と、を備える。絶縁層は、ポリオレフィン粒子と、繊維状フィラーと、を含む。絶縁層は10〜25μmの厚みを有する。ポリオレフィン粒子は、球状であり、0.5〜5μmの平均粒子径を有する。繊維状フィラーのアスペクト比は10以上である。絶縁層の負極と反対側の表面近傍におけるポリオレフィン粒子の比率が、絶縁層の全体におけるポリオレフィン粒子の比率よりも高い。【選択図】図1

Description

本開示は、絶縁層付き負極に関する。
正極と負極との間でのズレの発生を抑制するために、絶縁性、イオン透過性および接着性を有するポリオレフィン粒子からなる絶縁層(セパレータ)を、負極の両表面に設けてなる絶縁層付き負極を用いることが提案されている。絶縁層(セパレータ)付き負極を用いることで、負極と絶縁層との間のズレを抑制することができる。また、この絶縁層付き負極は、絶縁層の接着性により、正極と積層して圧着することができる。このため、絶縁層付き負極と正極とのズレも抑制され、組み付け精度を高めることができる。
しかし、ポリオレフィン粒子からなる絶縁層は強度が低く、絶縁層付き負極を正極に接着するための荷重時または異物混入時などに、クラックが生じて局所的な短絡が発生する頻度が高いという問題があった。その対策として、特開2015−088369号公報(特許文献1)には、繊維状フィラーとしてセルロースナノファイバーを絶縁層(セパレータ)に配合して、絶縁層の強度(応力耐性)を向上させた絶縁層付き負極(電極一体型セパレータ)が開示されている。
特開2015−088369号公報
しかしながら、特許文献1のように、負極上に設けた絶縁層の強度を向上させるために、絶縁層にセルロースナノファイバーなどの繊維状フィラーを配合すると、絶縁層付き負極の絶縁層の接着性が低下してしまう。これにより、絶縁層付き負極の絶縁層と、それに圧着された正極との接着性が低下してしまうという問題があった。
本開示は、上記の課題に鑑み、絶縁層の強度を向上させつつ、正極との接着力の低下を抑制することのできる、絶縁層付き負極を提供することを目的とする。
本開示の絶縁層付き負極は、リチウムイオン二次電池用の負極と、前記負極の両側の表面に設けられた多孔性の絶縁層と、を備える。
前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体の両側の表面に設けられた負極活物質およびバインダーを含む負極合材層と、を備える。
前記絶縁層は、ポリオレフィン粒子と、繊維状フィラーと、を含む。
前記絶縁層は10〜25μmの厚みを有する。
前記ポリオレフィン粒子は、球状であり、0.5〜5μmの平均粒子径を有する。
前記繊維状フィラーのアスペクト比は10以上である。
前記絶縁層の前記負極と反対側の表面近傍における前記ポリオレフィン粒子の比率が、前記絶縁層の全体における前記ポリオレフィン粒子の比率よりも高い。
本開示によれば、絶縁層の強度を向上させつつ、正極との接着力の低下を抑制することが可能な、絶縁層付き負極を提供することができる。その理由は次のように考えられる。
図2は、従来の絶縁層付き負極の断面模式図である。絶縁層付き負極1の絶縁層31,32は、ポリオレフィン粒子31a,32aから構成され、繊維状フィラー31b,32bを配合することにより、その強度が高められている。
しかし、図2に示されるように、従来の絶縁層付き負極1においては、繊維状フィラー31b,32bが絶縁層31,32の全体に分散している。この場合、絶縁層31,32の負極2と反対側の表面(外表面)近傍において、接着力を発現するポリオレフィン粒子31a,32aの量が減少し、接着性が低い繊維状フィラー31b,32bの量が増加する。
このため、絶縁層付き負極1の絶縁層31,32は接着性が低下し、特に圧着によって接着される正極との接着性が低下するという問題があった。
一方、図1に示されるように、本開示の絶縁層付き負極1において、絶縁層31,32は、厚み方向において、ポリオレフィン粒子31a,32aの比率のグラデーションを有している。そして、絶縁層31,32の外表面(負極2と反対側の表面)近傍におけるポリオレフィン粒子31a,32aの比率が、絶縁層31,32の全体におけるポリオレフィン粒子31a,32aの比率よりも高い。
したがって、絶縁層31,32の外表面近傍において、正極との接着力を発現するポリオレフィン粒子31a,32aの量の減少が抑制されるため、絶縁層付き負極1と正極との接着力の低下を抑制することができる。
また、本開示の絶縁層付き負極1において、絶縁層31,32は、10〜25μmの厚みを有する。ポリオレフィン粒子31a,32aは、球状であり、0.5〜5μmの平均粒子径を有する。繊維状フィラーのアスペクト比は10以上である。このような場合において、絶縁層の強度を向上させつつ、正極との接着力の低下を抑制することができるという、本開示の効果がより確実に奏される。
本開示によれば、絶縁層の強度を向上させつつ、正極との接着力の低下を抑制することが可能な、絶縁層付き負極を提供することができる。
本開示の実施形態における絶縁層付き負極の断面模式図である。 従来の絶縁層付き負極の断面模式図である。
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし、本開示はこれらに限定されるものではない。
<絶縁層付き負極1>
図1を参照して、本開示の絶縁層付き負極1は、リチウムイオン二次電池用のシート状の負極2と、負極2の両側の表面に設けられた多孔性の絶縁層31,32と、を備える。
《負極2》
負極2は、負極集電体20と、負極集電体20の両側の表面に設けられた負極合材層21,22と、を備える。
〔負極集電体20〕
負極集電体20としては、例えば、耐電圧、耐電解液があり、集電ができる金属箔が挙げられる。金属箔としては、例えば、圧延銅箔、電解銅箔などが挙げられる。負極集電体の厚さは、例えば、6〜20μm程度である。
〔負極合材層21,22〕
負極合材層21,22は、負極活物質およびバインダーを含む。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン、それらの混合物などが挙げられる。なお、負極活物質は、Liイオンを吸蔵および放出できる材料であれば特に限定されない。負極活物質の平均粒子径は、例えば8〜20μm程度である。
なお、本明細書において、「平均粒子径」の用語は、レーザ回折・散乱法によって測定された体積基準の粒度分布において、積算値50%での粒径(「d50」、「メジアン径」とも称される。)を意味する。
バインダーは、溶媒への分散性が良好なバインダーであることが望ましい。例えば、ポリアクリル酸(PAA)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等をバインダーとして用いることができる。バインダーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
負極活物質の量とバインダーの量との比は、例えば、質量比で85:15〜99.5:0.5程度である。
負極合材層は、導電材等をさらに含んでいてもよい。導電材としては、例えば、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類が挙げられる。
負極合材層の密度は、例えば、0.8〜1.9g/mL程度である。なお、負極合材層の密度は、プレス処理によって調整してもよい。
《絶縁層31,32》
絶縁層31,32は、ポリオレフィン粒子31a,32aと、繊維状フィラー31b,32bと、を含む。
絶縁層31,32は、電気絶縁性である。絶縁層31,32により、負極2と、絶縁層付き負極1に接着される正極と、を電気的に隔離する。
また、絶縁層31,32は、多孔性であり、複数の空隙(細孔)を有しているため、電解液を保持し、電解液中のイオンを透過させることが可能である。このような絶縁層31,32の多孔質構造は、電解液を保持でき、イオンが透過可能な構造であれば、どのような構造であってもよい。絶縁層の空隙率は、例えば、20〜75体積%程度である。空隙率は、例えば、水銀圧入法によって測定することができる。
絶縁層31,32は、10〜25μmの厚みを有する。このような絶縁層を設ける場合において、本開示の効果がより確実に奏される。ここで、絶縁層31,32の厚みは、厚さ方向の断面において測定することができる。測定には、光学顕微鏡あるいはSEM等が使用され得る。厚さは10箇所以上で測定される。10箇所以上の算術平均が測定結果として採用される。
〔ポリオレフィン粒子31a,32a〕
ポリオレフィン粒子31a,32aは、球状であり、0.5〜5μmの平均粒子径を有する。このようなポリオレフィン粒子を用いる場合において、本開示の効果がより確実に奏される。なお、球状とは、真球に限定されず、略球状であればよい。絶縁層31,32のイオン透過率は、例えば、ポリオレフィン粒子31a、32aの粒径等によって調整され得る。
ポリオレフィン粒子31a,32aは、ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂からなる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレンなどが挙げられる。
なお、従来のポリオレフィン系樹脂の押出し成型等によって作製されたシート状の絶縁層では、高温に曝されたときの熱収縮によって絶縁層に空孔が生じ、短絡等が発生する虞があった。これに対して、ポリオレフィン粒子によって形成された絶縁層は、高温に曝されたときの熱収縮が抑制されるため、短絡等の発生を抑制することができる。
また、絶縁層31,32がポリオレフィン粒子31a,32aを含むことにより、絶縁層31,32(セパレータ)にシャットダウン機能が付与され得る。シャットダウン機能とは、リチウムイオン二次電池が発熱した際に、ポリオレフィン粒子31a,32aが溶融することにより、絶縁層31,32内の細孔が閉塞され、電荷担体(リチウムイオン)が絶縁層31,32内を透過することを遮断する機能である。
シャットダウン機能の観点から、ポリオレフィン系樹脂は、110℃以上135℃以下の融点を有することが好ましい。110℃以上135℃以下の融点を有するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、5000以上25000以下の質量平均分子量を有するPEが挙げられる。
〔繊維状フィラー31b,32b〕
繊維状フィラー31b,32bのアスペクト比は、10以上である。このような繊維状フィラーを用いる場合において、本開示の効果がより確実に奏される。なお、アスペクト比の上限は特に限定されないが、取り扱い性などの観点からは、アスペクト比は100以下であることが好ましい。
ここで、「繊維状フィラーのアスペクト比」とは、繊維状フィラーの径に対する繊維状フィラーの全長の割合を意味する。繊維状フィラーの径とは、繊維状フィラーの横断面における直径の最大値を意味する。繊維状フィラーの全長とは、繊維状フィラーの一端から、その長手方向に沿って、その他端へ向かうまでの経路長を意味する。
繊維状フィラーの全長は、例えば、1〜100μm程度である。なお、「繊維状フィラー」では、長手方向において、横断面の大きさまたは形状が異なっていてもよい。繊維状フィラーの横断面における直径、繊維状フィラーの全長、および、繊維状フィラーのアスペクト比は、インターセプト法によって求めることができる。
繊維状フィラーの構成材料としては、例えば、セルロースなどが挙げられる。具体的な繊維状フィラーとしては、例えば、セルロースナノファイバー(以下、「CeNF」と略す場合がある)が挙げられる。
〔ポリオレフィン粒子31a,32aの分布〕
本開示の絶縁層付き負極1は、絶縁層31,32の外表面(負極2と反対側の表面)近傍におけるポリオレフィン粒子の比率が、絶縁層の全体におけるポリオレフィン粒子の比率よりも高い。すなわち、ポリオレフィン粒子から構成される絶縁層31,32に繊維状フィラー31b,32bを配合することで、絶縁層31,32の強度を高めつつ、絶縁層31,32の外表面近傍では、繊維状フィラーの比率の上昇が抑制される。
このような特徴により、本実施形態の絶縁層付き負極1においては、絶縁層31,32の強度を向上させつつ、正極との接着力の低下を抑制することができる。
なお、「比率」としては、たとえば、絶縁層31,32の横断面における面積比率が挙げられる。より具体的には、例えば、絶縁層31,32の横断面において、外表面近傍(例えば、外表面より深さ3μmまでの範囲)におけるポリオレフィン粒子の面積比率が、絶縁層全体におけるポリオレフィン粒子の面積比率より高ければよい。上記の外表面近傍におけるポリオレフィン粒子の面積比率は、例えば、75%程度以上である。
絶縁層31,32の横断面におけるポリオレフィン粒子の面積比率は、例えば、絶縁層付き負極の横断面のSEM画像等を、ポリオレフィン粒子、CeNFおよび空隙の3つの領域に分類し、その面積比から求めることができる。なお、「比率」は、体積比率、質量比率などであってもよい。
<絶縁層付き負極の製造>
本実施形態の絶縁層付き負極の製造の一例について、以下に説明する。まず、負極を以下のようにして用意する。
例えば、負極活物質、バインダおよび溶媒を含有する塗料(ペースト)が調製される。塗料は、導電材を含んでいてもよい。塗料が負極集電体の表面に塗工され、乾燥されることにより、負極合材層が形成される。これにより、負極が製造される。ただし、これに限定されず、負極は、ロール成形、ロール転写などによって製造されてもよい。
次に、得られた負極の両表面に絶縁層を形成する。まず、ポリオレフィン粒子、繊維状フィラーおよび溶媒を含有する塗料(ペースト)が調製される。塗料中の固形分濃度(不揮発性分の含有率)は、例えば、25〜55質量%程度である。例えば、塗料には、粘度を調整して均一塗工を容易にするために、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘材を配合してもよい。
該塗料が負極の表面に塗工され、乾燥されることにより、絶縁層が形成される。例えば、塗料が塗布された負極が、段階的に温度が高くなる乾燥炉内を、所定の搬送速度で搬送されることにより、乾燥が行われる。
ここで、搬送速度を早くすること(すなわち、乾燥時間を短縮すること)で、マイグレーション現象によって、絶縁層の外表面近傍におけるポリオレフィン粒子の比率を相対的に高めることができる。マイグレーション現象に関して、フィラーを含む塗工層が乾燥する過程において、溶媒は厚み方向上方へと揮発する。その流れの中で、比重の重い、または絡まり合って浮上しにくいフィラー(繊維状フィラー)はその場にとどまりやすく、比重の軽い、または粒径の小さいフィラー(ポリオレフィン粒子)は浮上して塗工層表面に偏析し易い。緩やかに乾燥させると溶媒の揮発に伴う上昇方向の流れは緩やかで、偏析は生じにくく、急激に乾燥させると、偏析し易くなる。ただし、搬送速度を早くし過ぎると(すなわち、乾燥時間を短縮しすぎると)、乾燥が十分に行われなくなるため、搬送速度は乾燥温度に応じた所定の上限以下にする必要がある。
このようにして、本実施形態の絶縁層付き負極が製造される。なお、絶縁層付き負極は、二次電池の仕様に応じて、所定の寸法に加工される。
<リチウムイオン二次電池の製造>
本実施形態の絶縁層付き負極を用いたリチウムイオン二次電池の製造の一例について、以下に説明する。まず、正極を以下のようにして用意する。
例えば、正極活物質およびバインダを含有する塗料が調製される。塗料は、導電材を含んでいてもよい。塗料が正極集電体の表面に塗工され、乾燥されることにより、正極合材層が形成される。これにより、正極が製造される。ただし、これに限定されず、正極は、ロール成形、ロール転写などによって製造されてもよい。なお、正極は、二次電池の仕様に応じて、所定の寸法に加工される。
正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、LiNi1/3Co1/3Mn1/32等のLi含有金属酸化物の粒子、LiFePO4等のLi含有リン酸塩の粒子などが挙げられる。正極活物質の平均粒子径は、例えば0.5〜12μm程度でよい。
バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等でよい。導電材は、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック等でよい。正極集電体は、例えば、アルミニウム(Al)箔でよい。
正極合材層の密度は、例えば、1.9〜3.5g/mL程度である。なお、正極合材層の密度は、プレス処理によって調整してもよい。
なお、正極は、その表面に多孔質の耐熱層を備えていてもよい。耐熱層は、例えば、アルミナ、べーマイト、チタニア、シリカ等の耐熱材料(無機粒子)を含んでいる。
次に、リチウムイオン二次電池は、本実施形態の絶縁層付き負極1および上記の正極などから、以下のようにして製造することができる。
例えば、複数の絶縁層付き負極と、複数の正極とが、交互に積層されることにより、積層型の電極群が構成される。電極群は、電解質と共に、所定の外装体に収納される。電解質は、例えば、非プロトン性溶媒(エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート等)に、Li塩(LiPF6等)を溶解させた液体電解質(電解液)である。外装体は、例えば、Al合金、ステンレス等の金属筐体である。外装体が密閉されることにより、二次電池が製造される。
なお、積層型の電極群は、巻回型の電極群よりもデッドスペースを削減可能であるため、二次電池のエネルギー密度を高める観点で有利である。しかし、積層型の電極群は、裁断した複数の電極およびセパレータを重ねるため、部品点数が捲回型の電極群よりも(例えば50〜100倍に)増加し、部品間のズレが生じやすいという問題がある。正極と負極との間にズレが生じた場合、その分、電池の容量などが低下してしまう。このため、本実施形態の絶縁層付き負極は、特に積層型の電極群に用いる場合に有用である。
ただし、電極群は、長尺状の絶縁層付き負極と長尺状の正極とが積層され、渦巻状に巻回されることにより作製される、巻回型の電極群であってもよい。電極群が捲回型である場合でも、電極の構成部品にズレが生じる余地はあるため、本実施形態の絶縁層付き負極を用いることにより、組み付け精度を高めることができる。
本実施形態の絶縁層付き負極を用いたリチウムイオン二次電池は、例えば、ハイブリッド自動車用の電源、電気自動車用の電源として用いることができる。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
《実施例1〜2、比較例1〜7》
(負極の作製)
まず、以下の材料を準備した。
・負極活物質: 天然黒鉛(平均粒子径:15μm)
・増粘材: CMC
・バインダー: SBR
・溶媒: 水
・負極集電体: 電解銅箔(厚さ10μm)
混合装置の混合槽に、負極活物質(99質量部)、増粘材(1質量部)および溶媒(水)を投入し、混合した。混合装置の混合槽に、さらにバインダー( 質量部)および溶媒(水)を投入し、混合することにより塗料を調製した。溶媒の使用量は、塗料の固形分濃度が55質量%となるように調整した。
ダイコータを用いて、負極集電体の両面に塗料を塗工し、乾燥させた。これにより負極集電体の両面に負極合材層が形成されてなる負極を得た。さらに負極を所定の寸法に切断加工した。
(絶縁層の形成)
まず、以下の材料を準備した。
・ポリオレフィン(PE)粒子の水分散体: 「ケミパール」(登録商標):三井化学(株)製(球状のPE粒子、平均粒子径:3μm)
・繊維状フィラー: CeNF (アスペクト比:100、平均繊維長:20μm)
ポリオレフィン粒子の水分散体とCeNFとを質量比50:50で混合し、塗料を調製した。なお、この塗料の固形分濃度は4.4質量%程度である。この塗料を、負極の負極活物質層上にリバースマイクログラビアで塗布し、乾燥させた。この操作を負極の両表面に対して行うことにより、負極の両表面に厚さ20μmの絶縁層を形成した。
塗料の乾燥工程では、異なる3段階の温度に設定された3つのゾーン(ゾーン1〜3)を有する乾燥炉内において、塗料が塗布された負極を搬送することにより各ゾーンを通過させた。実施例1〜2および比較例1〜7の各々における、各ゾーンの乾燥温度および搬送速度速は、表1に示すとおりである。なお、各ゾーンの搬送方向の長さは10mである。
このようにして負極上に塗布されたペーストを乾燥させることで、図1に示されるように負極2の両表面に絶縁層31,32が設けられてなる、実施例1〜2および比較例1〜7の絶縁層付き負極が製造された。
《実施例3〜5、比較例8〜13》
PE粒子65質量部とCeNF35質量部とから絶縁層を形成した点以外は、実施例1〜2および比較例1〜7の各々と同様に、表1に示す乾燥条件にて、実施例3〜5および比較例8〜13の各々の絶縁層付き負極を製造した。
《比較例14》
PE粒子(100質量部)のみから絶縁層を形成した点以外は、比較例1と同様にして、比較例14の絶縁層付き負極を製造した。
〔乾燥状態評価〕
上記実施例および比較例で得られた絶縁層付き負極について、乾燥状態の評価を行った。具体的には、乾燥炉から取り出された直後の絶縁層付き負極の質量を測定した。この絶縁層付き負極を、さらに試験用の乾燥炉中で105℃で10分間乾燥し、乾燥後の絶縁層付き負極の質量を再度測定した。
これらの測定値から、試験用の乾燥炉による乾燥の前後における、絶縁層付き負極の質量減少率を求めた。質量減少率が3質量%以上であった場合は、乾燥が不十分であると判定し、表1の「乾燥状態」の欄に「不十分」と記載した。また、質量減少率が3質量%未満であった場合は、乾燥が十分であると判定し、表1の「乾燥状態」の欄に「乾燥」と記載した。なお、乾燥が不十分であった実施例および比較例については、他の測定および試験は実施しなかった。
〔ポリオレフィン表面比率の測定〕
上記実施例および比較例で得られた絶縁層付き負極について、絶縁層全体と、絶縁層の外表面の近傍(表面から3μmの深さまでの範囲)との各々における、ポリオレフィン粒子の比率(面積比率)を測定した。
ポリオレフィン粒子の面積比率は、絶縁層付き負極の横断面のSEM画像において、ポリオレフィン粒子、CeNFおよび空隙の3つの領域に分類し、絶縁層の全体面積に対するポリオレフィン粒子の面積の比率を「ポリオレフィン表面比率」として求めた。測定結果を表1の「ポリオレフィン表面比率」の欄に示す。表1では、ポリオレフィン表面比率が1より大きかった場合(絶縁層の外表面の近傍におけるポリオレフィン面積比率が、絶縁層の全体におけるポリオレフィン面積比率よりも高かった場合)を「○」、1以下であった場合を「△」と表記した。
〔短絡荷重測定〕
上記実施例および比較例で得られた絶縁層付き負極上に、直径100μmの銅ワイヤを置き、その上に正極を置く。テスタにて銅ワイヤと負極集電箔間の抵抗値を測定しながら、鉛直上方より荷重を印加する。抵抗値がlMΩ以下になったときの荷重を短絡荷重として、測定した。測定結果を表1の「短絡荷重」の欄に示す。
〔90°剥離試験〕
まず、絶縁層付き負極に接着させるための正極を作製するために、以下の材料を準備した。
正極活物質: LiNi1/3Co1/3Mn1/3(平均粒子径:5μm)
バインダー: PVdF
導電材: アセチレンブラック
溶媒: N−メチル−2−ピロリドン
正極集電体: 圧延アルミニウム箔(厚さ15μm)
プラネタリミキサの攪拌槽に、正極活物質(94質量部)、導電材(4質量部)、バインダー(2質量部)および溶媒を投入し、混合することにより塗料を形成した。溶媒の使用量は、塗料の固形分濃度が50質量%となるように調整した。ダイコータを用いて、正極集電体の両面に塗料を塗工し、乾燥させた。これにより正極集電体の両面に正極合材層が形成されてなる正極を得た。さらに正極を所定の寸法に切断加工した。
このようにして用意した正極(1枚)と、上記実施例および比較例で得られた絶縁層付き負極(1枚)と、を積層し、荷重をかけることで、絶縁層を介して正極と絶縁層付き負極とを圧着した。このようにして得た積層体を幅2cmに切断して、試料片を得た。
この試料片について、卓上形精密万能試験機(オートグラフ:(株)島津製作所製)を用いて、絶縁層と正極との接着面に対して90°方向に正極と負極を離間させる引っ張り力を加え、負極(絶縁層)と正極との間の剥離強度を測定した。剥離強度の測定結果を表1の「剥離強度」の欄に示す。また、測定された剥離強度が、3.5mN/cm以上の場合を「○」、3.5mN/cm未満の場合(全く接着しない場合を除く)を「△」で示した。
Figure 2018106878
表1に示される結果において、絶縁層がポリオレフィン粒子のみからなる比較例14では、短絡荷重が極めて小さく、絶縁層の強度が低いことが分かる。これに対し、絶縁層にポリオレフィン粒子と繊維状フィラー(CeNF)とが配合されている他の例では、短絡荷重が大きく、絶縁層の強度が高いことが分かる。これは、絶縁層に添加された繊維状フィラーがポリオレフィン粒子と絡まり合うことで、絶縁層の強度が向上し、局所荷重に対して絶縁層にクラックが入り難くなり、短絡が生じ難くなったためであると考えられる。
また、繊維状フィラーの添加により接着力は低下する傾向にあるが、接着力を発現するポリオレフィン粒子の表面存在比率(ポリオレフィン表面比率)が高い実施例1〜5においては、絶縁層付き負極と正極との接着力(90°剥離強度)の低下が抑制されることが分かる。
なお、比較例13では、ポリオレフィン表面比率が1より大きかった(ポリオレフィン粒子の表面存在比率が絶縁層全体におけるポリオレフィンの比率より高かった)が、ポリオレフィンの表面偏析の度合い小さかったため、剥離強度が3.5mN/cm以上まで向上しなかったと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の発明の範囲は上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 絶縁層付き負極
2 負極
20 負極集電体
21,22 負極合材層
31,32 絶縁層
31a,32a ポリオレフィン粒子
31b,32b 繊維状フィラー

Claims (1)

  1. リチウムイオン二次電池用の負極と、
    前記負極の両側の表面に設けられた多孔性の絶縁層と、を備える、絶縁層付き負極であって、
    前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体の両側の表面に設けられた負極活物質およびバインダーを含む負極合材層と、を備え、
    前記絶縁層は、ポリオレフィン粒子と、繊維状フィラーと、を含み、
    前記絶縁層は10〜25μmの厚みを有し、
    前記ポリオレフィン粒子は、球状であり、0.5〜5μmの平均粒子径を有し、
    前記繊維状フィラーのアスペクト比は10以上であり、
    前記絶縁層の前記負極と反対側の表面近傍における前記ポリオレフィン粒子の比率が、前記絶縁層の全体における前記ポリオレフィン粒子の比率よりも高い、絶縁層付き負極。
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