図面及び以下の説明は、本開示の具体的な例示的な実施形態を示す。言うまでもなく、当業者は、ここには明示的に説明や図示はしていないが、本開示の原理を化体し、本開示の範囲に含まれる様々な構成を工夫することができる。さらに、ここに説明する例はどれも、本開示の原理の理解を助けることを意図したものであり、具体的に記載した例や条件に限定するものと解釈すべきではない。結果として、本開示は、以下に説明する具体的な実施形態に限定はされず、特許請求の範囲及びその均等の範囲にのみ限定される。
図1は、例示的な一実施形態におけるプリントショップ100を示すブロック図である。プリントショップ100は、ホストシステム110−112をプリントショップ装置130に結合するワークフローサーバ120を含む。ホストシステム110−112は、印刷及び文書送付のニーズ(例えば、月間銀行明細、月間クレジットカード請求書など)を有するプリントショップカスタマにより利用されるサーバやソフトウェアアプリケーションを含み得る。この例では、プリントショップ装置130は、プリントデータ中にある間違いをチェックするプリフライトシステム131と、好適な印刷媒体(例えば、紙)にプリントデータを転写するプリンティングシステム132、電子メールを生成する電子メールサーバ133、ウェブページその他のインターネットコンテンツを生成しホスティングするウェブホスト134、及び印刷された文書をパッケージング及びシッピングする発送システム135を含むが、その他の装置が使われても良い。
一般的に、ワークフローサーバ120は、ホストシステム110−112からプリントジョブを受信し、プリンティングシステム132の一以上のプリンタにおいて印刷するジョブをスケジューリングする。プリンタは、印刷可能媒体に印をつける(例えば、紙に色素をマークする)ことができる任意の印刷装置を含む。プリンタの一例は、高速/大容量の印刷をする連続用紙プロダクションプリンタである。ホストシステム110−112により生成されるプリントジョブ及び/又はプリントデータストリームは、さまざまなデータフォーマットを含み得る。例えば、プリントデータは、Advanced Function Presentation(AFP)データストリーム、PostScriptデータ、Printer Command Language(PCL)データ、Portable Document Format(PDF)データなどのPage Description Language(PDL)プリントデータとしてフォーマットされ得る。プリントジョブは、ジョブチケットを含んでも、または伴ってもよい。ジョブチケットは、プリントジョブをどう処理するか規定した任意のデータである。例えば、ジョブチケットは、使用する媒体のタイプの属性情報(例えば、A4、媒体ビン、色など)、媒体のサイズ及び/又はページのフォーマット(例えば、両面、N−up構成、画像/テキストアライメント)、仕上げのタイプなどを含み得る。
印刷及び発送する文書を準備するため、ワークフローサーバ120は、印刷前に、プリントジョブに対して様々な処理タスクを実行及び/又は指示し得る。例えば、ワークフローサーバ120は、プリントジョブを、ラスター化と印刷のためにプリンティングシステム132に送信する前に、エラーチェックのためにプリフライトシステム131に送信してもよい。しかし、印刷前にプリントジョブに対して実行される処理タスクが、プリントジョブの意図された出力を混乱させる可能性がある。すなわち、プリフライトシステム131(又はその他の介入的ワークフロー動作)が、プリントジョブに論理ページを追加または削除して、プリントジョブを予期せずに変更してしまい、プリントジョブを印刷する前に、ページ順序やページのフロントシート及びバックシートとの関係を損なうことがある。結果として、間違った論理ページ(及び印刷されたカスタマ情報)が文書/シートに含まれ、潜在的に印刷/発送エラーを生じることがある。
例えば、請求主体(billing entity)が、印刷してカスタマに郵送する請求明細(例えば、文書)を記述するPDLプリントデータストリームを生成する例を考える。各明細は、カスタマが第三者に送付されたくない、保護を必要とする情報(例えば、社会保障番号、口座番号など)を含む1つ又は複数の論理ページを含み得る。また、PDLプリントデータ(又はジョブチケット)は、複数の論理ページが印刷可能媒体の対向するシート側に割り振られるべきであること(両面印刷と言う)、及び/又は複数の論理ページが印刷可能媒体の同じシート側に割り振られるべきこと(N−up印刷と言う)を示し得る。したがって、ワークフローサーバ120及び/又はプリンティングシステム132は、PLDプリントデータを解釈し、フォーマットし、ラスター化し、又はビットマップなどのピクセルのラスター画像に変換し、プリンタ又はその他のディスプレイ装置に(例えば、電子メールサーバ133を介して)出力するように動作可能なプリントコントローラを含み得る。しかし、ワークフローサーバ120で受信/生成されたPDLプリントデータは、一般的に、そのデータの出力ビットマップより高いレベルのプリントデータを記述する。すなわち、各論理ページは、テキスト、グラフィックス、画像、及びデータを提示するコントロール又は命令を含むデータオブジェクトとして記述され得る。それゆえ、ラスター化前に意図せずに挿入または削除されたデータページにより、PDLプリントデータにおける論理ページのシフトを引き起こされ、プリンティングシステム132が、元のPDLプリントデータにおいて異なる明細書/カスタマ向けと意図されていたシート/明細を作成してしまう可能性がある。
したがって、ワークフローサーバ120は、プリントジョブの論理ページ順序を保存するように改良される。後でより詳細に説明するように、ワークフローサーバ120は、プリントジョブを、プリフライトアクティビティなど、そのプリントジョブを修正する可能性のあるワークフローアクティビティに送る前に、プリントジョブの各論理ページに自己識別情報(self−identifying information)でタグ付けし得る。プリントジョブのワークフローアクティビティ(例えば、プリフライト)が実行された後に、及び/又はプリントジョブを印刷する前に、ワークフローサーバ120は、印刷前に、自己識別情報を分析してページ順序をチェックする。こうして、ワークフローサーバ120は、発生したかも知れないプリフライトその他のワークフロー変更にかかわらず、論理ページが、プリントジョブの意図された生成順序で出力されることを補償する。
ワークフローサーバ120は、プリントジョブのプリントデータを送受信するインターフェース(I/F)122(例えば、イーサネット(登録商標)インターフェース、ワイヤレスインターフェースなど)と、プリントジョブを記憶するメモリ124(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクなど)と、プリントショップオペレータその他のユーザがプリントジョブをレビュー、生成、及び/又は変更できるようにするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)126と、プリントジョブを管理するコントローラ128とを含み得る。コントローラ128は、例えば、カスタム回路、プロセッサが実行するプログラムされた命令などとして実装し得る。本明細書で説明する具体的な配置、数、コンポーネント構成は例示的なものであり、限定的なものではない。ワークフローサーバ120の動作の詳細な例を、図2及び図3を参照して説明する。
図2は、例示的な一実施形態におけるプリントジョブの論理ページ順序を保存する方法200を示すフローチャートである。方法200のステップを図1のプリントショップシステム100を参照して説明するが、当業者には言うまでもなく、方法200は他のシステムで実行してもよい。ここに説明するフローチャートのステップは、すべてを含まなくてもよいし、図示しないその他のステップを含んでもよい。ここに説明するステップは別の順序で実行してもよい。
ステップ202において、インターフェース122は、ホストシステム110−112から複数の文書を含むプリントジョブを受信する。プリントジョブの各文書は、意図された受取人に関連付けられていてもよい。例えば、プリントジョブのジョブチケットは各文書の受取人を示していてもよいし、または各文書は受取人を特定する印刷データを含んでいてもよい。ここで、「文書」とは、プリントジョブの独立した部分であり、配送する特定の受取人に宛てられたものである。よって、プリントデータの1つのファイルで複数の文書が確定されることもある。あるいは、プリントジョブの他の部分を必要としない文書は、その文脈または意味を維持するために、プリントジョブの独立した部分とみなしてもよい。例えば、本のある章は文書ではない。それは、完全に理解するには、その本の他の章と共にその章を読む必要があるからである。対照的に、幾千もの銀行取引明細書のプリントジョブでは、各銀行取引明細書は異なる口座名義人に送られるものであり、各銀行取引明細書はそれ自体で完結した文書である。
ステップ204において、コントローラ128は、異なる文書に属するプリントジョブの論理ページの異なるグループを特定する。プリントジョブの文書は、一以上の論理ページのグループを含み得る。すなわち、プリントジョブ中のプリントデータは、(例えば、口座番号、受取人名、電話番号など)共通の受取人または文書を示す複数の論理ページを記述してもよい。このように、コントローラ128は、プリントジョブを分析して、各文書を識別し、どの論理ページが各文書に属するか判断してもよい。例えば、プリントジョブがPDLプリントデータストリームである場合、コントローラ128は、プリントデータの構成を分析し、文書オブジェクト、ページグループオブジェクト、及び/又は論理ページオブジェクトを示すタグその他のマーカを識別してもよい。AFPにおいて、例えば、ページグループは、Begin Named Page Group(BNG)及びEnd Named Page Group(ENG)構成のフィールドによりバインドされる。それゆえ、AFPプリントデータストリームの場合、コントローラ128は、初めと終わりの構成フィールドを解析して、文書に属する論理ページのグループを識別するように構成され得る。コントローラ128は、プリントデータフォーマットのタイプを識別して、それを分析して文書ページグループを分析するように構成されてもよい。例えば、他のプリントジョブフォーマットの場合、コントローラ128は、インデックス中のポインタを用いて論理ページのグループを識別してもよい。
ステップ206において、コントローラ128は、異なるグループの各論理ページに、異なる文書の論理ページを区別する識別子を挿入する。そうするにあたり、コントローラ128は、文書を表すシンボル又はテキストを生成し、そのシンボル/テキストを有する識別子を含むようにその文書の各論理ページを変更し得る。例えば、コントローラ128は、第1の文書のすべての論理ページに識別子「グループA」を挿入し、第2の文書のすべての論理ページに識別子「グループB」を挿入することによって、プリントジョブを変更してもよい。コントローラ128は、カスタマ情報、プリントデータストリーム内のその文書の順序、プリントデータまたはジョブチケットに示されたその文書の所望の一連の出力/ラスター化の順序など、その文書の特徴を示すシンボル/テキストで識別子を生成してもよい。
一実施形態では、コントローラ128は、文書のすべての論理ページを表す、及び/又は識別する情報を含む識別子を生成し、同じ識別子をそのグループの各論理ページに挿入する。代替的に又は追加的に、コントローラ128は、文書内の一連の論理ページを示す識別子を生成し、その文書内のページの順序に従って、グループの各論理ページに異なる識別子を挿入し得る。代替的に又は追加的に、コントローラ128は、文書内の各論理ページのフロント/バック位置を示す識別子を生成/挿入してもよい。そうする時、コントローラ128は、プリントデータ、または各論理ページの配置(例えば、順序及び/又はシートのフロント/バックサイド)を記述するジョブチケットを参照してもよい。AFPでは、例えば、フロント/バック配置は、論理ページに関連付けられたForm Definition(Formdef)オブジェクトに示されてもよい。このように、コントローラ128は、Formdefオブジェクトを処理して、論理ページがシートのフロント又はバックに配置されるべきか判断し、フロント/バック情報を含む識別子を論理ページに挿入し得る。しかし、コントローラ128は、ページ配置と、シート上へのページのフロント/バックの位置づけとの代替的表示を示す他のプリントデータフォーマットで動作してもよい。
他の一実施形態では、コントローラ128は、非印刷メタデータとして論理ページの識別子を挿入する。例えば、AFPでは、ページレベルのメタデータがActive Environment Group(AEG)オブジェクトに従う。それゆえ、コントローラ128は、論理ページに対応するAEGオブジェクトに従うメタデータを変更することにより、非印刷AFPメタデータとして、論理ページに識別子を挿入してもよい。あるいは、コントローラ128は、他のプリントデータフォーマットと対応する異なる方法で、識別子を、論理ページのコンテキストメタデータ(contextual metadata)として配置または参照し得る。例えば、プリントジョブのメタデータはインデックス中に格納されてもよく、コントローラ128は、インデックス要素を、Extensible Metadata Platform(XMP)標準などのExtensible Markup Language(XML)フォーマットに含めることによって、論理ページのメタデータを挿入してもよい。
ステップ208において、コントローラ128は、プリントショップ装置130に、プリントワークフローに従ってプリントジョブを処理するように指示する。プリントワークフローは、プリントジョブの文書に対して実行する、順序付けられたプリントショップアクティビティのセットを含む。すなわち、ワークフロー中に規定されたアクティビティは、順序通り実行されると、ワークフローサーバ120が、プリントショップ装置130を管理し、望み通りプリントジョブを処理することを可能にする。ワークフローの各アクティビティは、プリントショップ装置(例えば、印刷後処理装置、プリンタ、インサータ)のカテゴリーまたはタイプに関連してもよく、特定名称のプリントショップ装置に関連してもよい。これらのアクティビティは、必要に応じて、印刷アクティビティまたは非印刷アクティビティ(例えば、請求、発送、文書レビュー、マルチメディア/デジタル/インターネットアクティビティ、与信チェック等)を含んでいてもよい。
上記の通り、プリントワークフロー中に規定された一以上のアクティビティは、プリントジョブの元々意図されていたページ順序を乱し得る。すなわち、ワークフローサーバ120により実行及び/又は指示された介入的ワークフローステップ(intervening workflow steps)は、プリントジョブの一以上の論理ページを再構成し得る。方法200において、コントローラ128は、各論理ページがグループ及び/又は位置を自己識別的であるように、プリントジョブを変更するように構成されている。自己識別的情報(self−identifying information)は、あるワークフローアクティビティで処理された後は、異なる文書のページが互いに区別されるプリントワークフロー中をそれの論理ページとともに移動する。例えば、方法200は、ワークフローサーバ120がホストシステム110−112から生のプリントデータを受信した後、かつプリントデータがエラーチェックのためにプリフライトシステム131に送信される前に実行され得る。あるいは、コントローラ128は、生のプリントデータを生成するワークフローサーバ120又はホストシステム110−112の一部として、方法200の一以上のステップを実行するよう動作可能であってもよい。後でより詳しく説明するように、方法200に従ってプリントデータを変更することにより、印刷前に、文書/ページのミスマッチを捉えることができる。
図3は、例示的な一実施形態におけるプリントジョブの論理ページ順序を確認する方法300を示すフローチャートである。仮定として、方法300では、プリントジョブの論理ページは、方法200を参照して説明した自己識別グループ及び/又は位置情報を含めるように変更されている。さらに、仮定として、方法300は、方法200の後、ある時点において開始される。すなわち、方法300は、プリントジョブ(又はそれのシート)をプリンティングシステム132(または、あるプリントサーバ、プリントコントローラ、又はプリンティングシステム132と関連するプリンタ)に送る前に、エラー分析プロセスとして開始されてもよい。代替的に又は追加的に、方法300は、プリフライトシステム131などの潜在的にジョブを変更し得るワークフローアクティビティ、又はワークフローサーバ120により実行/指示あれるその他の処理タスクで処理された一以上の論理ページ上で実行され得る。方法300のステップを図1のプリントショップシステム100を参照して説明するが、当業者には言うまでもなく、方法300は他のシステムで実行してもよい。ここに説明するフローチャートのステップは、すべてを含まなくてもよいし、図示しないその他のステップを含んでもよい。ここに説明するステップは別の順序で実行してもよい。
ステップ302において、コントローラ128は、シート上の一以上の論理ページの配置を示すレイアウト情報を取得する。コントローラ128は、プリントジョブまたはジョブチケットで要求された両面及び/又はN−upフォーマットにしたがって、一以上の論理ページをシートサイドにマッピングする仮想レイアウトを生成するプロセスを実行または指示してもよい。例えば、コントローラ128は、論理ページを解釈し、フォーマットし、及び/又はプリンタのシート側に配置されるビットマップにラスター化(rasterizing)するプロセスにおいて、プリンティングシステム132の一部と通信、又はその一部として動作して、シートのレイアウト情報を読み出しても良い。
ステップ304において、コントローラ128は、シートの一以上の論理ページの各々から、識別子を読み出す。すなわち、コントローラ128は、ステップ302で判断された仮想レイアウトに従って、シートに属する各論理ページから識別子を読み取ってもよい。コントローラ128は、プリントデータのフォーマット及び/又は方法200のステップ206に対応する挿入方法にしたがって、論理ページの識別子を取得し得る。例えば、AFPでは、コントローラ128は、シート上に配置される各論理ページに対応するAEGオブジェクトに従うメタデータを解析して、そのシートに挿入された識別子を収集してもよい。
ステップ306において、コントローラ128は、シートについて読み出された識別子が互いに異なるか判断する。識別子が一致したら、方法300はステップ312に進み、コントローラ128は印刷するシートを確認する。一致しなければ、方法300はステップ310に進み、コントローラ128がプリントエラーを検出する。方法200のステップ206は、異なる文書の各論理ページに対して異なる識別子を生成してもよいので、コントローラ128は、同じシートに配置された二以上の論理ページが異なる識別子を有しているとき、エラーを検出し得る。すなわち、コントローラ128は、シート上に含まれる各論理ページの識別子を分析/比較して、そのシート上の少なくとも1つの識別子の、そのシート上の他の識別子とのミスマッチに基づき、論理ページが間違った文書に押し込まれたか判断し得る。
代替的に又は追加的に、各論理ページに挿入された識別子がページグループ(又は文書)内での論理ページのシーケンスを示す実施形態では、コントローラ128は、そのシートについて読み出された識別子のシーケンス(the sequence of the identifiers)が、シートのレイアウト情報に示される配置の順序と一致しないとの判断に応じて、ステップ310においてプリントエラーを検出してもよい。代替的に又は追加的に、各論理ページに挿入された識別子がページグループ(又は文書)内での各論理ページのフロント/バック位置を示す実施形態では、コントローラ128は、そのシートについて読み出された挿入識別子の少なくとも1つが、レイアウト情報に示されるシートのサイドとは異なるフロント/バック位置を示すとの判断に応じて、ステップ310においてプリントエラーを検出してもよい。
それゆえ、コントローラ128は、シートまたはプリントジョブがプリンティングシステム132において出力される前に、そのプリントジョブ中の各論理ページの位置及び/又は配置が正しいか、確認してもよい。このように、コントローラ128は、センサ、スキャンイング装置などを使わずに、プリンティングシステム132においてプリントエラーが発生する前に、潜在的なプリントエラーを検出してもよい。代替的な一実施形態では、コントローラ128は、識別子を、外側マージン(例えば、トリム領域)に印刷される印刷可能データとして挿入し、印刷された識別子をシートから除去する前に、スキャニング装置を用いて識別子を読み出すようにしてもよい。幾つかの実施形態では、コントローラ128は、プリントエラーの検出に応じて付加的アクティビティを実行してもよい。例えば、コントローラ128は、プリントジョブの印刷を停止してもよく、プリントデータストリームをプリンティングシステム132に送ることを停止してもよく、プリントエラー及び/又は関連するシート/ページを示すGUI126上の警告を表示するアラートを生成してもよく、プリントジョブを再開する前に、GUI126を介してユーザ入力(及び/又は修正動作)を受け取ってもよい。
ステップ312において、コントローラ128は、プリントジョブに追加シートがあるか判断する。追加シートがある場合、方法300は、プリントジョブの各対かシートに対してステップ302−312を繰り返しても良い。このように、コントローラ128は、各シートのページレベルのメタデータであって、そのシートに属する各論理ページのグループ分け、順序付け、及び/又はフロント/バック位置決めを示すものを収集してもよい。コントローラ128は、論理ページのグループの挿入メタデータをそれらの論理ページの仮想レイアウト配置と比較して、プリントジョブをシートごとに確認してもよい。すなわち、コントローラ128は、シートをプリンティングシステム132に送る前に、及び/又はプリンティングシステム132でそのシートを印刷させる前に、メタデータを用いて、そのシートのグループ及び/又は位置を確認してもよい。そうでなく、プリントジョブに追加シートが(及び/又は残っているプリントエラーが)なければ、コントローラ128はステップ314において、印刷のためプリントジョブを確認してもよい。すなわち、残っているプリンタエラーが無く、プリントジョブに残っているシートが無ければ、コントローラ128は、印刷/配送のワークフローによりプリントジョブの処理を進め、及び/又はそのプリントジョブの異なる文書に属するページが混ざったことに起因するプリントエラーのリスクが無いと確認してもよい。
方法300において、論理ページの不一致が、印刷前にすばやく、及び/又はプリンティングシステム132のおけるそれらの論理ページのフォーマット、ラスター化、及び/又は印刷のプロセスの一部として、捉え得る。コントローラ128は、独立に、又はホストシステム110−112、ワークフローサーバ120、及びプリンティングシステム132の各々内において動作し得るので、プリントデータストリームがプリントショップ100により生成、処理、及び/又は印刷されるときに生じる問題をコントローラ128が識別する多くの可能性が存在する。これにより、プリントデータストリーム中の保護が必要な情報が印刷され、初めに意図されていた文書の外に郵送されないことを保証し得る。
実施例
以下の例では、付加的プロセス、システム、及び方法を、AFPプリントジョブの論理ページ順序を保存する場合において説明する。図4は、例示的な一実施形態におけるAFPプリントデータのステートメント402/404と潜在的な印刷出力450/460/470とを示す図400である。この例では、ワークフローサーバ120で受信/生成されたAFPプリントデータは、ステートメントA402とステートメントB404を含むと仮定する。コントローラ128は、プリントデータを分析して、ステートメントA402とステートメントB404をAFP文書として識別してもよく、さらに各AFP文書を分析して、ステートメントA402が3つの論理ページ410、412、及び414を含み、ステートメントB404が3つの論理ページ420、422、及び424を含むと判断してもよい。
さらに、この例では、AFPプリントデータは、期待される出力450に従って、プリンティングシステム132において生成されるように構成されるものと仮定する。期待される出力450において、AFPプリントデータは2−upフォーマットで印刷され、シートのフロントサイド430は論理ページ410/414を含み、シートのバックサイド432は論理ページ412とブランクページ416を含む。
しかし、ワークフローサーバ120は、AFPプリントデータを意図しなくとも変更することがある。一例において、ワークフローサーバ120は、ブランクページ416を無くすように、AFPプリントデータのIMMを削除し得る。前のシステムでは、印刷出力ではブランクページ喪失460となり、シートのフロントサイド430は論理ページ410/414を正しく含むが、シートのバックサイド432は論理ページ412と、ステートメントB404に属する論理ページ420とを含む。適当な修正をしないと、シートサイド430・432は、ステートメントB404の他のカスタマのプライベート情報が含まれていても、ステートメントA402のカスタマに印刷/郵送され得る。
他の一例では、ワークフローサーバ120は、ページをAFPプリントデータに挿入することがあり、追加ページ挿入470を伴う印刷出力となり、フロントサイド430が、論理ページ410と、ステートメントB404に属する論理ページ420とを含む。このように、このシナリオでは、間違った文書のページが間違ったグループに入ってしまう。また、シートのバックサイド432は、ブランクページ416ではなく論理ページ414を含み、論理ページ414はシートのフロントサイド430にあることを意図されたものであった。このように、適当な修正をしないと、シートサイド430/432は、ステートメントB404の他のカスタマのプライベート情報が含まれていて、ステートメントA402の情報が間違った順序で印刷されて、ステートメントA402のカスタマに印刷/郵送され得る。
これらの問題を解消するため、コントローラ128は、ステートメントA402とステートメントB404にメタデータでタグ付けする。図5は、例示的な一実施形態におけるタグ付けされたAFPプリントデータを示す図500である。ステートメントA402の各論理ページ410−414の場合、コントローラ128は、ページグループ(例えば、「A」)とフロント/バック位置(例えば、フロントの「(f)」またはバックの「(b)」)を示す非印刷可メタデータ510−514を格納し、要素502に示したようなステートメントAになる。ステートメントB404の各論理ページ420−424の場合、コントローラ128は、ページグループ(フロント/バック配置は図示せず)を示す非印刷可メタデータ520−524を格納し、要素504に示したようなステートメントBとなる。このように、AFPプリントデータの各論理ページは、グループ及び/又は位置について自己識別的(self−identifying)である。
メタデータにより、コントローラ128は、上記のブランクページ喪失460及び/又は追加ページ挿入470をキャッチすることができる。より具体的に、ブランクページ喪失460シナリオでは、コントローラ128は、論理ページ412のメタデータのグループ識別子(例えば、「A」)と、論理ページ420のメタデータ520のグループ識別子(例えば、「B」)とが異なるが、シートのバックサイド432に共に配置されていると判断することにより、グループ位置エラーを警告してもよい。同様に、追加ページ挿入470シナリオでは、コントローラ128は、論理ページ410のメタデータのグループ識別子(例えば、「A」)と、論理ページ420のメタデータ520のグループ識別子(例えば、「B」)とが異なるが、シートのフロントサイド430に共に配置されていると判断することにより、グループ位置エラーを警告してもよい。また、コントローラ128は、論理ページ414のメタデータ514のインジケータがフロントシードサイド(例えば、「(f)」)を示すが、そのシートのバックサイド432に配置されていると判断することにより、シート位置エラーを警告してもよい。
コントローラ128と、ワークフローサーバ120、プリフライトシステム131、プリンティングシステム132などの関連コンポーネントとは、機械/コンピュータ読み取り可能媒体に記憶された一以上の命令シーケンスを実行することにより、ここに説明の動作及び機能を実行してもよい。ここに開示した実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせの形態であり得る。図6は、一実施形態における所望の機能を実行するプログラム命令を化体するコンピュータ読み取り可能媒体を実行できる処理システム600の一例を示す。処理システム600は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体612に有体的に実施されたプログラム命令を実行することにより上記の動作を実行するように動作可能である。これに関し、本発明の実施形態は、コンピュータその他の命令実行システムにより用いるプログラムコードを提供するコンピュータ読み取り可能媒体612によりアクセス可能なコンピュータプログラムの形態を取ることができる。この説明の目的において、コンピュータ読み取り可能記憶媒体612は、コンピュータが利用するプログラムを格納または記憶できるものであればどんな媒体でもよい。
コンピュータ読み取り可能記憶媒体612は、電子的、磁気的、光学的、光磁気的、赤外線、または半導体の装置であり得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体612の例としては、固体メモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、固定磁気ディスク、光ディスクなどがある。現時点における光ディスクの例としては、コンパクトディスク・リードオンリメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク・リード/ライト(CD−R/W)、及びDVDなどがある。
処理システム600は、プログラムコードを記憶及び/又は実行するのに好適であるが、システムバス650を介してプログラム及びデータメモリ602に結合された少なくとも1つのプロセッサ604を含む。プロセッサ602は、機能を実行できる電子回路及び/又は光回路を含み得る。例えば、プロセッサ502は、プリントショップシステム100のコンポーネントと通信可能に結合され、コンピュータ110及び/又はワークフローサーバ130について本明細書で説明した機能を実行し得る。プロセッサ602は、CPU(Central Processing Units)、DSP(Digital Signal Processors)、ASIC(Application−specific Integrated Circuits)、PLD(Programmable Logic Devices)、制御回路などのうち一以上を含み得る。
プログラム及びデータメモリ604は、プログラムコードの実際の実行時に使われるローカルメモリと、バルク記憶と、実行時にバルク記憶からコード及び/又はデータを読み出す回数を低減するために、少なくともプログラムコード及び/又はデータの一部を一時的に記憶するキャッシュメモリと、を含む。プログラムとデータメモリ604は、ワークフローサーバ120、ホストシステム110−112、及び/又はプリントショップ装置130に実行されてもよく、揮発性または不揮発性のDRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュ(FLASH)、揮発性または不揮発性のSRAM(Static RAM)装置、磁気ディスクドライブ、SSD(Solid State Disks)など、データを記憶できる電子回路、光回路、及び/又は磁気回路を含んでも良い。不揮発性DRAM及びSRAMの幾つかの例は、バッテリバックアップされたDRAMとバッテリバックアップされたSRAMを含む。
入出力すなわちI/O装置606(キーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などを含むがこれに限定されない)は、直接的に、または介在するI/Oコントローラを通して結合できる。ネットワークアダプタインタフェース608をシステムに結合して、処理システム600を、介在するプライベートネットワークやパブリックネットワークを通して、他のデータ処理システムや記憶装置に結合することもできる。モデム、ケーブルモデム、IBMチャネルアタッチメント、SCSI、ファイバチャネル、イーサネット(登録商標)カードは、現在入手できるネットワークまたはホストインタフェースアダプタのほんの一例である。表示装置インタフェース610は、印刷システムや、プロセッサ602により生成されるデータの表示をする画面などである一以上の表示装置とインターフェースするシステムと一体化されてもよい。
具体的な実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれらの具体的実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲とその等価範囲により決まる。