JP2018105834A - 滑り抵抗測定装置 - Google Patents

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光隆 石突
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【課題】広範囲の滑り抵抗を容易に測定できる滑り抵抗測定装置等を提供する。【解決手段】滑り抵抗測定装置1は、車輪15と、床面100に接触した状態で移動可能な接触体103を有する滑り抵抗測定部10と、接触体103を床面100に接触させた状態で接触体103を床面100上で移動させた時の抵抗に関するデータを測定するセンサ20と、を有する。滑り抵抗測定装置1は、滑り抵抗測定部10に洗浄液を供給しつつ、ブラシやスポンジ等のパッドなどの接触体103を床面100上で移動させることで、床面100の滑り抵抗の測定と並行して床面100の洗浄を行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、対象面の滑り抵抗を測定する滑り抵抗測定装置等に関する。
鉄道の駅舎などでは、利用者の転倒等による怪我を防止するために、構内の床材の滑り抵抗を測定し、必要に応じて適切な処置を施すようにしている。
滑り抵抗の測定にはJIS A 1454等で定められた方法があり、人間の歩行感(滑りやすさ、滑りにくさ)と合わせるためには、水と粉体を所定の比率で混ぜた専用の液体を床材に供給してONO・PPSM測定器等の専用の測定装置で計測する必要がある。
また特許文献1、2には、接触子が路面に接触して回転する際の動摩擦係数を測定する動摩擦係数測定装置が記載されている。
特開2005-321227号公報 特開2003-83875号公報
しかしながら、これらの測定装置は据え置き式のものであり、測定装置を据え置いて床材1枚ずつを手動で計測しなくてはならない。そのため、床材の導入時の製品能力の計測としての意味合いが強く、多くの人が通行する広大な駅構内等で既に使用されている敷設済みの床材を網羅的に計測するには時間がかかる。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、広範囲の対象面の滑り抵抗を容易に測定できる滑り抵抗測定装置等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための本発明は、対象面の滑り抵抗を測定する滑り抵抗測定装置であって、前記滑り抵抗測定装置を走行させるための車輪と、前記対象面に接触した状態で移動可能な接触体と、前記接触体が前記対象面に接触した状態で移動する時の抵抗に関するデータを測定するセンサと、を有する滑り抵抗測定装置である。
本発明の滑り抵抗測定装置は、接触体が床面等の対象面上を移動する際の抵抗によって対象面の滑り抵抗を測定できる。且つ滑り抵抗測定装置は車輪により走行しながら滑り抵抗の測定ができるため、測定装置を据え置いて一カ所ずつ測定を行う従来の方法に比べて作業効率が良くなり、広範囲の対象面の滑り抵抗を容易に測定できる。
前記接触体の移動は、前記接触体が、前記対象面上を滑るように前記対象面と平行な面内で回転するものであることが望ましい。
接触体は例えば回転式のものとすることができ、その回転時の抵抗を対象面の滑り抵抗として精度良く測定可能である。
前記滑り抵抗測定装置は、前記接触体を所定の接触圧で前記対象面に接触させるための昇降部を有することが望ましい。
本発明の滑り抵抗測定装置は接触体を所定の接触圧で対象面に接触させるための昇降部を備えており、必要に応じてこの接触圧を滑り抵抗の算出に用いることが可能である。
前記接触体は洗浄具であり、前記滑り抵抗測定装置は、前記滑り抵抗測定部に洗浄液を供給することが望ましい。
本発明では、滑り抵抗測定装置の接触体をブラシやスポンジ等のパッドなどの洗浄具とし、洗浄液を滑り抵抗測定部に供給することで、滑り抵抗測定装置が洗浄装置を兼ねることができ、対象面の掃除をする度に滑り抵抗を測定できる。このように既に駅等で行われている作業と並行して滑り抵抗の測定を行うことで、新たな作業手順を増やさずに常時の滑り抵抗を定期的に測定できる。また、前回測定時の滑り抵抗と比較することで、対象面の摩耗状態の変化の把握も可能となる。
前記滑り抵抗測定装置の走行経路に関するデータを測定するためのセンサを有することが望ましい。
滑り抵抗測定装置の走行経路をスキャナー等のセンサによって特定することで、対象面の滑り抵抗を網羅的に示すマップを作成できる。
本発明により、広範囲の対象面の滑り抵抗を容易に測定できる滑り抵抗測定装置等を提供することができる。
滑り抵抗測定装置1を示す図。 滑り抵抗測定方法について説明する図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(1.滑り抵抗測定装置1)
図1は、本発明の実施形態に係る滑り抵抗測定装置1の概略を示す図である。この滑り抵抗測定装置1は、床面100の洗浄装置を兼ねるものであり、床面100の洗浄を行いながら床面100(対象面)の滑り抵抗を測定可能なものである。
滑り抵抗測定装置1は、滑り抵抗測定部(洗浄部)10、モーター11、回転軸12、昇降部13、洗浄水供給部14、車輪15、ハンドル16、スキージ17、ホース18、洗浄水回収部19、センサ20、40、コンピュータ30等を有する。
滑り抵抗測定部10は、床面100の滑り抵抗の測定を行うためのものであり、回転板101の下面に接触体103を設けたものである。
回転板101は、滑り抵抗の測定時に回転軸12を中心として床面100と平行な面内で回転する。
接触体103は、滑り抵抗の測定時に、測定対象である床面100に接触しながら移動する。接触体103は、回転板101の移動に伴って、図1の矢印Aに示すように床面100上を滑るように当該床面100と平行な面内で回転する。
本実施形態では、滑り抵抗測定部10が床面100を洗浄するための洗浄部を兼ねており、接触体103としてはブラシやスポンジ等のパッドなどの洗浄具が用いられる。これにより、滑り抵抗の測定と同時に床面100を洗浄することが可能である。
モーター11は上記のように滑り抵抗測定部10を回転させるためのものであり、回転軸12はモーター11から略鉛直方向に延びて滑り抵抗測定部10の回転板101の平面中心に取付けられる。
昇降部13は、滑り抵抗測定部10、モーター11、回転軸12の高さ位置を調整し、滑り抵抗測定部10の接触体103の床面100への接触圧を調整して所定の値とするためのものであり、エアシリンダ等が用いられる。
洗浄水供給部14は洗浄水を貯留するタンクやポンプ等を有し、矢印Bに示すように滑り抵抗測定部10に洗浄水を供給する。
車輪15は滑り抵抗測定装置1を走行させるためのものであり、自ら駆動して回転するか、あるいは作業者が滑り抵抗測定装置1を押すのに伴って回転する。これにより、滑り抵抗測定装置1が矢印Cに示すように走行する。
ハンドル16は、作業者が滑り抵抗測定装置1の操作を行うためのものであり、ハンドル16を持って滑り抵抗測定装置1を操作することにより滑り抵抗測定装置1を走行させたり停止させたりでき、また滑り抵抗測定装置1の走行方向も操作可能である。
スキージ17は滑り抵抗測定装置1の後方で床面100に接触するように配置され、床面100の洗浄に用いた洗浄水を収集する。スキージ17で収集した洗浄水は、ホース18を介して矢印Dに示すように洗浄水回収部19に送られる。
洗浄水回収部19は洗浄水を貯留するタンクやブロワ等を有し、スキージ17で収集した洗浄水をホース18を介して吸い上げ、回収するものである。
センサ20は、滑り抵抗測定部10の接触体103が床面100に接触した状態で移動する時の滑り抵抗に関するデータを測定するものである。本実施形態のセンサ20は、当該データとしてモーター11のトルク値を測定する。床面100の滑り抵抗がより大きい場合、モーター11のトルク値はより大きくなり、床面100の滑り抵抗がより小さい場合、モーター11のトルク値はより小さくなる。センサ20の測定データはコンピュータ30に送信される。
コンピュータ30は、センサ20の測定データを受信して測定データから床面100の滑り抵抗の値を算出する。滑り抵抗の算出に必要なその他のデータがあれば、そのデータも滑り抵抗測定装置1の各部から適宜受信する。例えば前記した接触体103の接触圧に関するデータも昇降部13などからコンピュータ30に送信し、滑り抵抗の算出に用いることができる。算出した滑り抵抗の値は、滑り抵抗測定装置1の表示部(不図示)に表示したりコンピュータ30の記憶部に記録したりすることが可能である。
センサ40は、滑り抵抗測定装置1の走行経路に関するデータを測定するためのセンサであり、当該データとして例えば滑り抵抗測定装置1の移動方向や移動距離を検出可能な2次元あるいは3次元のスキャナー等が用いられる。センサ40の測定データはコンピュータ30に送信される。前記と同様、このデータは滑り抵抗測定装置1の表示部(不図示)に表示したりコンピュータ30の記憶部に記録したりすることが可能である。
(2.滑り抵抗測定方法)
本実施形態では、前記したように滑り抵抗測定装置1で床面100の洗浄を行いながら床面100の滑り抵抗を測定することができる。
すなわち、滑り抵抗測定装置1は、例えば図2の矢印Cに示すように移動しながら、洗浄水供給部14から滑り抵抗測定部10に洗浄水を供給して床面100に噴射し、滑り抵抗測定部10のブラシ等の接触体103を床面100に接触させつつ矢印Aに示すように床面100上を滑るように回転させ、床面100の洗浄を行う。
この時、接触体103は昇降部13により所定の接触圧で床面100に押し付けられており、センサ20は接触体103の回転時のモーター11のトルク値を測定する。なお、洗浄液を供給しない状態でトルク値を測定した後、洗浄液を供給して床面100の洗浄を行うことも可能である。
センサ20の測定データはコンピュータ30へ定期的に送信し、コンピュータ30は測定データを受信して当該データから接触体103の移動時の滑り抵抗の値を算出して記憶部に記憶する。必要に応じて、接触体103の接触圧のデータも滑り抵抗の算出に用いることができる。
一方、センサ40は滑り抵抗測定装置1の走行経路に関するデータを測定し、コンピュータ30はその測定データをセンサ40から受信して記憶部に記録する。滑り抵抗測定装置1のコンピュータ30またはその他のコンピュータによって、上記した滑り抵抗と走行経路のデータから、滑り抵抗測定装置1の走行経路の各位置における滑り抵抗を示す滑り抵抗マップを作成することが可能である。
以上説明したように、本実施形態の滑り抵抗測定装置1は、接触体103が床面100上を移動する際の抵抗によって床面100の滑り抵抗を測定できる。且つ滑り抵抗測定装置1は車輪15により走行しながら滑り抵抗の測定ができるため、測定装置を据え置いて一カ所ずつ測定を行う従来の方法に比べて作業効率が良くなり、広範囲の床面100の滑り抵抗を容易に測定できる。また本実施形態では接触体103の動摩擦による抵抗を測定するので、静摩擦による抵抗を測定する場合に比べ、床面100上を歩く時の滑りやすさや滑りにくさに即した値が測定できる利点もある。
本実施形態では、接触体103を回転式のものとすることで、その回転時の抵抗を床面100の滑り抵抗として精度良く測定可能である。例えば接触体103を床面100上で直線往復移動させることなども可能であるが、測定結果に床材の模様等と接触体103の移動方向の相互効果による影響が生じる可能性があり、この点では接触体103を回転させる方が好ましい。
本実施形態では、床面100の滑り抵抗を、接触体103の移動時のモーター11のトルク値や接触体103の接触圧などから算出できる。しかしながら、滑り抵抗の算出に用いるデータはこれに限らない。例えばモーター11のトルク値の代わりに接触体103の移動時の車輪15の車軸(不図示)のひずみをひずみゲージ等のセンサを用いて測定することも可能である。また回転板101の回転速度等をセンサによって測定することも可能で、モーター11の入力値(入力電力)等と合わせて滑り抵抗の算出に用いることもできる。
また本実施形態では、滑り抵抗測定装置1の接触体103をブラシ、スポンジ等のパッドなどの洗浄具とし、洗浄液を滑り抵抗測定部10に供給することで、滑り抵抗測定装置1が洗浄装置を兼ねることができ、床面100の掃除をする度に滑り抵抗を測定できる。このように既に駅等で行われている作業と並行して滑り抵抗の測定を行うことで、新たな作業手順を増やさずに常時の滑り抵抗を定期的に測定できる。また、前回測定時の滑り抵抗と比較することで、床面100の摩耗状態の変化の把握も可能となる。
また、本実施形態では滑り抵抗測定装置1の走行経路をスキャナー等のセンサ40によって特定することができ、床面100の滑り抵抗を網羅的に示すマップを作成できる。
しかしながら、本発明はこれに限ることはない。例えば本実施形態では滑り抵抗を測定する対象面を駅構内等の床面100としたが、これに限ることはない。
さらに、滑り抵抗測定装置1の構成も上記したものに限ることはない。例えば本実施形態では滑り抵抗測定装置1が洗浄装置を兼ねているが、滑り抵抗の測定専用の装置としてもよい。この場合、前記した洗浄水供給部14、スキージ17、ホース18、洗浄水回収部19等は省略することが可能である。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:滑り抵抗測定装置
10:滑り抵抗測定部
11:モーター
12:回転軸
13:昇降部
14:洗浄水供給部
15:車輪
16:ハンドル
17:スキージ
18:ホース
19:洗浄水回収部
20、40:センサ
30:コンピュータ
100:床面
101:回転板
103:接触体

Claims (5)

  1. 対象面の滑り抵抗を測定する滑り抵抗測定装置であって、
    前記滑り抵抗測定装置を走行させるための車輪と、
    前記対象面に接触した状態で移動可能な接触体を有する滑り抵抗測定部と、
    前記接触体が前記対象面に接触した状態で移動する時の抵抗に関するデータを測定するセンサと、
    を有することを特徴とする滑り抵抗測定装置。
  2. 前記接触体の移動は、前記接触体が、前記対象面上を滑るように前記対象面と平行な面内で回転するものであることを特徴とする請求項1記載の滑り抵抗測定装置。
  3. 前記接触体を所定の接触圧で前記対象面に接触させるための昇降部を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の滑り抵抗測定装置。
  4. 前記接触体は洗浄具であり、
    前記滑り抵抗測定部に洗浄液を供給することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の滑り抵抗測定装置。
  5. 前記滑り抵抗測定装置の走行経路に関するデータを測定するためのセンサを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の滑り抵抗測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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