JP2018105308A - 油圧制御弁及び該油圧制御弁が用いられた内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

油圧制御弁及び該油圧制御弁が用いられた内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】制御の簡素化及び装置の小型化を図り得る油圧制御弁及び該油圧制御弁が用いられたバルブタイミング制御装置を提供する。【解決手段】周壁の径方向に作動油を流通させる複数のポートが貫通形成された中空のバルブボディ61と、バルブボディ61の内部で軸方向に移動可能に設けられ、移動位置に応じて複数のポートに対する作動油の連通状態を切り換える第1スプール弁65と、第1スプール弁65と同軸上に配置され、第1スプール弁65の軸方向の移動位置に応じて、第1スプール弁65と連動してバルブボディ61の内部で軸方向に移動し、複数のポートに対する作動油の連通状態を切り換える第2スプール弁63と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両の運転状態等に応じて複数の油圧通路に対する作動油の給排を切り替え可能な油圧制御弁及び該油圧制御弁が用いられた内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
従来の油圧制御弁としては、以下の特許文献1に記載された内燃機関のバルブタイミング制御装置に適用されたものが知られている。この油圧制御弁は、周壁の径方向に作動油を流通させる給排ポートが貫通形成された円筒状のカムボルトと、該カムボルトの内部を軸方向に移動可能に設けられ、移動位置に応じて位相変更機構に対する作動油の給排を切り替える第1スプール弁と、該第1スプール弁と同軸に配置され、移動位置に応じてロック機構に対する作動油の給排を切り替える第2スプール弁と、を備えている。
前記第1,第2スプール弁は、それぞれ別個の電磁アクチュエータに接続され、該各電磁アクチュエータによって個々に軸方向位置が制御されるようになっている。
特開2012−193731号公報
しかしながら、前記従来の油圧制御弁は、前記第1,第2スプール弁の軸方向位置を前記各電磁アクチュエータによってそれぞれ独立して制御しなければならないことから、制御の複雑化を招来してしまうと共に、複数の電磁アクチュエータを設けることで装置の大型化を招来してしまう。
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、第1,第2スプール弁を連動可能とすることにより、制御の複雑化及び装置の大型化を抑制し得る油圧制御弁及び該油圧制御弁が用いられたバルブタイミング制御装置を提供することを目的としている。
本発明は、周壁の径方向に作動油を流通させる複数のポートが貫通形成された中空のバルブボディと、前記バルブボディの内部で軸方向に移動可能に設けられ、移動位置に応じて前記複数のポートに対する作動油の連通状態を切り換える第1スプール弁と、前記第1スプール弁と同軸上に配置され、前記第1スプール弁の軸方向の移動位置に応じて、前記第1スプール弁と連動して前記バルブボディの内部で軸方向に移動し、前記複数のポートに対する作動油の連通状態を切り換える第2スプール弁と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、制御の簡素化と小型化が図れる。
本発明の実施形態に係るバルブタイミング制御装置を断面して示す全体構成図である。 本実施形態に供されるベーンロータが最遅角位相の位置に回転した状態を示す正面図である。 同ベーンロータが中間位相の位置に回転した状態を示す正面図である。 同ベーンロータが最進角位相の位置に回転した状態を示す正面図である。 本実施形態のベーンロータが最遅角寄りに位置する場合の各ロックピンの作動を示す展開断面図である。 同ベーンロータが交番トルクによってやや進角側に回転した場合の各ロックピンの作動を示す展開断面図である。 同ベーンロータがさらに進角側に回転した場合の各ロックピンの作動を示す展開断面図である。 同ベーンロータがさらに進角側に回転した場合の各ロックピンの作動を示す展開断面図である。 同ベーンロータがさらに進角側に回転した場合の各ロックピンの作動を示す展開断面図である。 同ベーンロータがさらに進角側に回転した場合の各ロックピンの作動を示す展開断面図である。 本実施形態における電磁切換弁を、第1,第2スプール弁が第1ポジションにある状態で断面した縦断面図である。 第1,第2スプール弁の第2ポジションを示す縦断面図である。 第1,第2スプール弁の第3ポジションを示す縦断面図である。 第1,第2スプール弁の第4ポジションを示す縦断面図である。 第1,第2スプール弁の第5ポジションを示す縦断面図である。 第1,第2スプール弁の第6ポジションを示す縦断面図である。 第1,第2スプール弁の第7ポジションを示す縦断面図である。 第1スプール弁のストローク量と各油圧室及びロック通路への作動油の給排との関係を示す表である。 第2実施形態に係る電磁切換弁の縦断面図である。 第3実施形態に係る電磁切換弁の縦断面図である。 第4実施形態に係るバルブタイミング制御装置の全体構成図である。
以下、本発明に係る油圧制御弁を内燃機関のバルブタイミング制御装置に適用した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態では、前記バルブタイミング制御装置を、例えばハイブリット車やアイドルストップ車などの内燃機関の吸気弁側に適用したものを示している。
〔第1実施形態〕
前記バルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、機関のクランクシャフトにより図外のタイミングチェーンを介して回転駆動される駆動回転体であるスプロケット1と、機関前後方向に沿って配置されて、前記スプロケット1に対して相対回転可能に設けられた吸気側のカムシャフト2と、前記スプロケット1とカムシャフト2との間に配置されて、該両者1,2の相対回転位相を変換する位相変更機構3と、該位相変更機構3を、最進角位相と最遅角位相の間の中間位相位置でロックさせるロック機構4と、前記位相変更機構3とロック機構4にそれぞれ油圧を給排して作動させる油圧回路5と、を備えている。
前記スプロケット1は、後述するハウジング7の後端開口を閉塞するリアカバーとして構成され、ほぼ肉厚円板状に形成されて、外周に前記タイミングチェーンが巻回された歯車部1aを有していると共に、中央には前記カムシャフト2の一端部2aの外周に回転可能に支持される支持孔1bが貫通形成されている。また、前記スプロケット1は、外周側の周方向等間隔位置に4つの雌ねじ孔1c(図示外)が形成されている。
前記カムシャフト2は、図外のシリンダヘッドに複数のカム軸受を介して回転自在に支持され、外周面には機関弁である図外の吸気弁を開作動させる複数の卵型の回転カムが軸方向の所定位置に一体に固定されていると共に、前記一端部2aの内部軸心方向にカムボルトとしての機能を有する後述のバルブボディ61が螺着されるボルト孔6が形成されている。このボルト孔6は、前記一端部2aの先端側から内部軸線方向に沿って穿設されている。また、前記ボルト孔6は、先端側から内底側に向かって段差縮径状に形成され、先端側の大径部6aの内周面に後述するスリーブ62の一端部が嵌着されている一方、内底側の小径部6bに雌ねじ部6cが形成され、この雌ねじ部6cに前記バルブボディ61の雄ねじ部61cが螺着されている。
また、前記ボルト孔6の小径部6bよりも内底側には、後述するオイルポンプ45から作動油が圧送される油圧導入室6dが形成されている。
前記位相変更機構3は、図1及び図2に示すように、前記スプロケット1に軸方向から一体的に設けられたハウジング7と、前記バルブボディ61を介して前記カムシャフト2に固定されて、前記ハウジング7内に回転自在に収容された従動回転体であるベーンロータ(可動部材)9と、前記ハウジング7の内周面に内方(中心)に向かって突設された後述する4つの第1〜第4シュー10a〜10dと前記ベーンロータ9とによって隔成されたそれぞれ4つの遅角、進角作動室である遅角油圧室11及び進角油圧室12と、を備えている。
前記ハウジング7は、円筒状のハウジング本体10と、プレス成形によって形成され、前記ハウジング本体10の前端開口を閉塞するフロントプレート13と、後端開口を閉塞するリアカバーとしての前記スプロケット1と、から構成されている。
前記ハウジング本体10は、焼結金属によって一体に形成され、内周面の円周方向ほぼ等間隔位置に4つの前記各シュー10a〜10dが一体に突設されていると共に、該各シュー10a〜10dの外周側にはボルト挿通孔10eがそれぞれ軸方向に貫通形成されている。
前記フロントプレート13は、金属製の薄板円盤状に形成されて、中央に貫通孔13aが形成されていると共に、外周側の周方向の等間隔位置に4つのボルト挿通孔13b(図示外)が貫通形成されている。
前記スプロケット1とハウジング本体10及びフロントプレート13は、前記各ボルト挿通孔13b、10eを挿通して前記各雌ねじ孔1cに螺着する4本のボルト14(図示外)によって共締め固定されている。
なお、図2中の1eは、前記スプロケット内側面1dの外周側に取り付けられた位置決め用ピンであって、この位置決め用ピン1eは、前記ハウジング本体10の第1シュー10aの外周面に形成された位置決め用溝10fに嵌入して、組付時のスプロケット1に対するハウジング本体10の位置決めを行うようになっている。
前記ベーンロータ9は、金属材によって一体に形成され、図1及び図2に示すように、前記カムシャフト2の一端部に前記バルブボディ61によって固定されたロータ15と、該ロータ15の外周面の円周方向ほぼ90°等間隔位置に放射状に突設された4つの第1〜第4ベーン16a〜16dと、から構成されている。
前記ロータ15は、軸方向に比較的肉厚な短尺円柱状に形成され、ほぼ中央位置にボルト挿通孔15aが貫通形成されていると共に、前端に前記バルブボディ61の後述する頭部61aが着座する円形状の着座面15bが形成されている。
また、前記ロータ15は、全体の外径が均一な大径状に形成されており、この外周面に径方向から対向する前記各シュー10a〜10dは、その突出量がロータ15の外径に対応して比較的短く設定されて、側面ほぼ長方形状に形成されている。
また、前記第1〜第4シュー10a〜10dの各先端縁には、前記ロータ15の外周面に摺接するシール部材17aがそれぞれ嵌着固定されている。この各シール部材17aは、ほぼコ字形状に形成されて、各シール溝の底面側に設けられた図外の板ばねによってロータ15の外周面方向へ付勢されている。
前記各ベーン16a〜16dは、その全体の突出長さがほぼ同一に設定されていると共に、円周方向の巾がほぼ同一の比較的薄肉に形成されて、それぞれが各シュー10a〜10dの間に配置されている。
また、前記各ベーン16a〜16dの先端外周部には、断面矩形状のシール溝が軸方向に沿って形成されていると共に、該各シール溝には、前記ハウジング本体10の内周面に摺接するコ字形状のシール部材17bがそれぞれ設けられている。
前記各シュー10a〜10dと各ベーン16a〜16dの各シール部材17a,17bによって、前記遅角油圧室11と進角油圧室12との間を常時シールするようになっている。
また、前記ベーンロータ9は、図2に示すように、遅角側へ相対回転すると第1ベーン16aの一側面が対向する前記第1シュー10aの対向側面に当接して最大遅角側の回転位置が規制され、図4に示すように、進角側へ相対回転すると第1ベーン16aの他側面が対向する他の第2シュー10bの対向側面に当接して最大進角側の回転位置が規制されるようになっている。つまり、前記第1,2シュー10a,10bが、第1ベーン16aを介してベーンロータ9のストッパ機能を発揮するようになっている。
このとき、他のベーン16b〜16dは、両側面が円周方向から対向する各シュー10a〜10dの対向面に当接せずに離間状態にある。したがって、前記第1ベーン16aと第1,第2シュー10a,10bとの当接精度が向上すると共に、後述する各油圧室11,12への油圧の供給速度が速くなってベーンロータ9の正逆回転応答性が高くなる。
なお、前記ベーンロータ9は、ハウジング7との通常の相対回転制御時には、前記第1ベーン16aが対応する第1シュー10aや第2シュー10bにそれぞれ当接した最遅角位相と最進角位相よりも内側で、つまり僅かに中間寄りの範囲内で相対回転制御されるようになっている。
前記各ベーン16a〜16dの正逆回転方向の両側面と各シュー10a〜10dの両側面との間に、前述した各遅角油圧室11と各進角油圧室12が隔成されている。この各遅角油圧室11と各進角油圧室12は、前記ロータ15の内部径方向に沿ってそれぞれ形成された遅角側油孔11aと進角側油孔12aを介して前記油圧回路5のそれぞれに連通している。
前記ロック機構4は、機関の停止状態に応じて、前記ハウジング7に対して前記ベーンロータ9を最遅角側の回転位置(図2の位置)と最進角側の回転位置(図4の位置)との間の中間回転位相位置(図3の位置)に保持するものである。
すなわち、図1〜図5に示すように、前記スプロケット1のロータ15側の内側面(スプロケット内側面1d)の所定位置に形成された第1〜第3ロック凹部である第1〜第3ロック穴24〜26と、前記ロータ15の内部周方向の3箇所に設けられて、前記各ロック穴24〜26にそれぞれ係脱する3つの第1〜第3ロック部材である第1〜3ロックピン27〜29と、該各ロックピン27〜29の前記各ロック穴24〜26に対する係合を解除させる第1〜第3解除用受圧室30〜32と、から主として構成されている。
前記第1ロック穴24は、第1大径部15c側の前記スプロケット内側面1dに形成され、後述する第1ロックピン27の小径な先端部27aの外径よりも大径な円形状に形成されて、係入した前記先端部27aが円周方向へ僅かに移動可能になっている。また、第1ロック穴24は、前記スプロケット内側面1dの前記ベーンロータ9の最遅角側の回転位置よりも進角側に寄った中間位置に形成されている。さらに、この第1ロック穴24は、底面24aの深さが後述の第2,第3ロック穴25,26の第2底面25b,26bとほぼ同じ深さに設定されている。
したがって、第1ロックピン27は、ベーンロータ9の進角方向の回転に伴って先端部27aが前記第1ロック穴24に係入して底面24aに当接すると、先端部27aの側縁が第1ロック穴24周方向の内側縁24bに当接した時点でベーンロータ9の遅角方向への移動を規制するようになっている。
前記第2ロック穴25は、第1ロック穴24と同じく前記第1大径部15c側のスプロケット内側面1dに形成され、円周方向に沿った長溝の階段状に形成されている。つまり、前記スプロケット内側面1dを最上段として、これより第1底面25a、第2底面25bと順次低くなる階段状に形成され、遅角側の各内側面は垂直に立ち上がった壁面になっていると共に、第2底面25bの進角側の内側縁25cも垂直に立ち上がった壁面になっている。
前記第2底面25bは、円周方向に沿って進角側へ僅かに長く形成されて、ここに係合した状態で前記第2ロックピン28が図9、図10に示すように、進角方向へ僅かに移動可能になっている。
前記第3ロック穴26は、前記第2大径部15d側に前記第2ロック穴25よりも長くスプロケット1の円周方向に延びた円弧長溝状に形成されていると共に、前記スプロケット内側面1dの前記ベーンロータ9の最遅角側の回転位置よりも進角側に寄った中間位置に形成されている。また、この第3ロック穴26は、その底面が遅角側から進角側に亘って低くなる3段の階段状に形成されて、これがロック案内溝として機能するようになっている。
つまり、第3ロック穴26は、前記スプロケット内側面1dを最上段として、これより第1底面26a、第2底面26bと順次低くなる階段状に形成され、遅角側の各内側面は垂直に立ち上がった壁面になっていると共に、第2底面26bの進角側の内側縁26cも垂直に立ち上がった壁面になっている。
なお、前記各ロック穴24〜26は、前記スプロケット1に形成された保持穴に嵌合固定された穴形成部材によって形成されている。
前記第1ロックピン27は、ロータ15の第1ロック穴24側の内部軸方向に貫通形成された第1ピン孔33a内に摺動可能に配置され、小径の先端部27aと、該先端部27aの後側に位置する中空状の大径部位27bと、先端部27aと大径部位27bとの間に形成された段差受圧面27cと、によって一体に形成されている。前記先端部27aは、先端面が前記第1ロック穴24の底面24aに密着状態に当接可能な平坦面状に形成されている。
また、この第1ロックピン27は、大径部位27bの内部の凹溝底面とフロントプレート13の内面との間に弾装された付勢部材である第1スプリング36のばね力によって第1ロック穴24に係合する方向へ付勢されている。
前記第1解除用受圧室30は、図2及び図5に示すように、前記ロータ15の内部径方向に沿って形成された第1分岐通路30aを介して前記油圧回路5に連通しており、該油圧回路5から油圧が供給されると、この油圧を前記段差受圧面27cに作用させて、前記第1ロックピン27を前記第1スプリング36のばね力に抗して後退移動させることで、前記第1ロックピン27と第1ロック穴24との係合を解除するようになっている。
前記第2ロックピン28は、前記ロータ15の前記第2ロック穴25側の内部軸方向に貫通形成された第2ピン孔33b内に摺動可能に配置され、外径が段差径状に形成されて、小径の先端部28aと、該先端部28aの後側に位置する中空状の大径部位28bと、先端部28aと大径部位28bとの間に形成された段差受圧面28cと、によって一体に形成されている。前記先端部28aは、先端面が前記第2ロック穴25の各底面25a、25bに密着状態に当接可能な平坦面状に形成されている。
また、この第2ロックピン28は、大径部位28bの後端側から内部軸方向に形成された凹溝底面とフロントプレート13の内面との間に弾装された付勢部材である第2スプリング37のばね力によって第2ロック穴25に係合する方向へ付勢されている。
前記第2解除用受圧室31は、前記ロータ15の内部径方向に沿って形成された第2分岐通路31aを介して前記油圧回路5に連通しており、該油圧回路5から油圧が供給されると、この油圧を前記段差受圧面28cに作用させて、前記第2ロックピン28を前記第2スプリング37のばね力に抗して後退移動させることで、前記第2ロックピン28と第2ロック穴25との係合を解除するようになっている。
前記第3ロックピン29は、前記ロータ15の第3ロック穴26側の内部軸方向に貫通形成された第3ピン孔33c内に摺動可能に配置され、外径が段差径状に形成されて、小径な前記先端部29aと、該先端部29aより後部側に位置する中空状の大径部位29bと、先端部29aと大径部位29bとの間に形成された段差受圧面29cと、によって一体に形成されている。前記先端部29aは、先端面が前記第3ロック穴26の各底面26a、26bに密着状態に当接可能な平坦面状に形成されている。
また、この第3ロックピン29は、大径部位29bの後端側から内部軸方向に形成された凹溝底面とフロントプレート13の内面との間に弾装された付勢部材である第3スプリング38のばね力によって第3ロック穴26に係合する方向へ付勢されている。
前記第3解除用受圧室32は、前記ロータ15の内部径方向に沿って形成された第3分岐通路32aを介して前記油圧回路5に連通しており、該油圧回路5から油圧が供給されると、この油圧を前記段差受圧面29cに作用させて、前記第3ロックピン29を前記第3スプリング38のばね力に抗して後退移動させることで、前記第3ロックピン29と第3ロック穴26との係合を解除するようになっている。
なお、前記第1〜第3ピン孔33a〜33cの後端側は、各ロックピン27、28,29の良好な摺動性を確保するために図外の呼吸孔を介して大気に連通している。
また、前記各ベーン16a〜16dを挟んで互いに隣接している各一対の前記遅角側油孔11aと進角側油孔12aとの間には、図1〜図4に示すように、前記遅角側油孔11aと進角側油孔12aとを適宜連通あるいは連通を遮断(規制)する2つの通路制御機構50,50が設けられている。
前記両通路制御機構50,50は同じ構成であるから、便宜上、一方側について以下に具体的に説明する。すなわち、前記各通路制御機構50は、前記ロータ15の各ピン孔33a〜33cと反対側のほぼ対称位置に設けられており、前記ロータ15の内部軸方向に沿って前記遅角側油孔11aと進角側油孔12aとを跨いで穿設された連通用孔51と、該連通用孔51内に摺動可能に設けられ、摺動位置に応じて前記連通用孔51を介して前記両油孔11a,12aの連通状態を変化させる弁体52と、該弁体52を前記各油孔11a,12aが連通する方向に付勢するばね部材であるスプリング53と、前記ロータ15の内周部端面に径方向に穿設されて、弁体52をスプリング53のばね力に抗して各油孔11a、12aの連通を遮断する方向に作用させる油通路孔54と、から主として構成されている。
前記連通用孔51は、図1〜図4に示すように、その内径が前記各ピン孔33a〜33cとほぼ同じ大きさに設定されて、隣接する前記遅角側油孔11aと進角側油孔12aの間に跨って形成されている。
前記弁体52は、中央の小径な弁軸52aと、該弁軸52aの両端部に形成された同一大径の弁部52b及び摺動部52cと、前記弁部52bの先端面に突設された突部52dから構成されている。前記弁軸52aは、外周に環状溝52eが形成されて、弁体52全体が前記スプリング53のばね力によって図1に示すように最大右方向に付勢された位置で、前記環状溝52eを介して前記両油孔11a,12aを連通させるようになっている。また、前記弁部52bは、軸方向の長さが少なくとも前記進角側油孔12aの開口端を閉塞する長さに設定されている。
前記スプリング53は、一端部が中空な前記摺動部52cの底面に弾接している一方、他端部が前記フロントプレート13の内面に弾接して、前記弁体52全体を図1中の右方向に付勢している。
前記油通路孔54は、前記突部52dの先端面である受圧面52f側に配置されていると共に、後述する電磁切換弁60のロック連通孔78に連通するように形成されている。そして、前記ロック連通孔78を介して供給された油圧を前記受圧面52fに作用させることで、図1の一点鎖線で示すように、前記弁体52を左方向に押圧して、前記環状溝52eを介しての前記両油孔11a,12aの連通を遮断するようになっている。
前記油圧回路5は、図1に示すように、前記各遅角油圧室11や各進角油圧室12及び各第1〜第3解除用受圧室30〜32に対する作動油の給排を切り換える油圧制御弁である単一の電磁切換弁60と、オイルパン44から吸入した作動油を前記電磁切換弁60に供給する供給通路41と、前記各遅角油圧室11や各進角油圧室12及び各第1〜第3解除用受圧室30〜32から前記電磁切換弁60を介して排出された作動油を前記オイルパン44に戻す第1,第2ドレン通路42,43と、を備えている。
前記供給通路41は、流路の途中にオイルポンプ45が設けられていると共に、このオイルポンプ45よりも上流側が吸入通路41aとして形成されている一方、前記オイルポンプ45よりも下流側が吐出通路41bとして形成されている。
前記第1ドレン通路42は、その一端部が、前記カムシャフト2の径方向に沿って形成されたドレン孔42aを介して前記電磁切換弁60の後述するスリーブ62のドレン連通孔79(図11参照)に接続されている一方、他端部が前記オイルパン44に接続されている。
前記第2ドレン通路43は、その一端部が、前記電磁切換弁60の後述する第1スプール弁65のドレン孔90(図11参照)に接続されている一方、他端部が前記オイルパン44に接続されている。
前記オイルポンプ45は、機関のクランクシャフトによって回転駆動するトロコイドポンプなどの一般的なものであって、アウター、インナーロータの回転によって前記オイルパン44内から前記吸入通路41aを介して吸入された作動油が前記吐出通路41bを介して吐出されて、その一部がメインオイルギャラリーM/Gから内燃機関の各摺動部などに供給されると共に、他が前記電磁切換弁60側に供給されるようになっている。なお、前記吐出通路41bの下流側には、該吐出通路41bから吐出された過剰な作動油を、環流通路46を介して前記吸入通路41aに戻して適正な流量に制御する流量制御弁47と、作動油内の異物を捕集して濾過する濾過フィルタ48とが設けられている。
前記電磁切換弁60は、図1及び図11に示すように、6ポート7位置の比例型弁であって、ほぼ円筒状のバルブボディ61と、該バルブボディ61の外周面に固定された円筒状のスリーブ62と、前記バルブボディ61内に軸方向へ摺動可能に設けられた第2スプール弁63と、前記バルブボディ61の内部一端側に設けられて、前記第2スプール弁63を図1中の左方向へ付勢する第2バルブスプリング64と、前記第2スプール弁63内に軸方向へ摺動可能に設けられた第1スプール弁65と、前記第2スプール弁63の内部一端側に設けられて、前記第1スプール弁65を図1中の左方向へ付勢する第1バルブスプリング66と、前記バルブボディ61の他端側に配置されて、運転状態等に応じて前記第1,第2スプール弁63,65を前記第1,第2バルブスプリング64,66のばね力に抗して図1中の右方向へ移動させるアクチュエータである電磁ソレノイド67と、から主として構成されている。
前記バルブボディ61は、図11に示すように、鉄系金属材によって形成されて、前述のようにカムボルトとして機能し、他端部に設けられ、外周にスパナ等の締め付け治具が嵌合可能な六角部が形成された頭部61aと、該頭部61aの付け根部から軸方向へ延出し、先端部外周面に前記カムシャフト2の雌ねじ部6cに螺着する雄ねじ部61cが形成された円筒状の軸部61bと、から主として構成されている。
また、前記バルブボディ61のほぼ軸心位置には、前記軸部61bの先端面側から前記頭部61a側に向かって穴部68が穿設されている。この穴部68は、段差径状に形成され、前記軸部61b側の開口端から内部軸方向のほぼ1/3までの大径穴部68aと、該大径穴部68aに円環状の段差面68cを介して接続され、前記頭部61aの内部にまで延設された小径穴部68bと、から構成されている。
また、前記穴部68は、前記バルブボディ61の軸方向先端部側に有する開口端部が前記吐出通路41bの下流端に接続される導入ポート69として形成されている。この導入ポート69には、前記吐出通路41bから吐出された作動油が前記ボルト孔6の油圧導入室6dを介して導入されるようになっている。
さらに、前記穴部68は、内周面にカップ状のリテーナ70が前記段差面68cに当接した状態で圧入固定され、このリテーナ70によって、内部空間が、前記オイルポンプ45から作動油が直接的に導入される前記雄ねじ部61c側のチェック弁収容室71と、前記第2スプール弁63を収容保持する前記頭部61a側の第2スプール弁収容室72と、に隔成されている。
前記チェック弁収容室71は、その周壁に、内部に導入した作動油を導出させる導出ポート73aが十字径方向に沿って4つ貫通形成されていると共に、該導出ポート73aよりも前記導入ポート69側の内周面に、前記オイルポンプ45から吐出された作動油の逆流を規制するチェック弁74が取り付け固定されている。
このチェック弁74は、有底円筒状のボディ部74aと、該ボディ部74aの内部に軸方向へ移動可能に収容されたボール弁体74bと、を備えている。
前記ボディ部74aは、先端側に前記バルブボディ61の導入ポート69と連通する開口孔74cが形成されている。
前記ボール弁体74bは、コイルばね74dによって前記開口孔74cの内端孔縁に着座して該開口孔74cを閉塞する方向に付勢されていると共に、前記導入ポート69に作用する所定以上の油圧によって前記コイルばね74dのばね力に抗して後退移動して、前記開口孔74cを開口するようになっている。この開口孔74cから前記ボディ部74a内部に導入された作動油は、該ボディ部74aに形成された油通路74eを介して前記導出ポート73a側に流動するようになっている。
前記第2スプール弁収容室72は、周壁に前記雄ねじ部61c側から頭部61a側に向かって順次、ドレンポート21aと、ロックポート20aと、第1再導入ポート73bと、進角ポート19aと、第2再導入ポート73c及び遅角ポート18aが、それぞれ前記第2スプール弁収容室72の十字径方向に沿って貫通形成され、それぞれ4つずつ設けられている。
また、前記各導出ポート73aと各第1,第2再導入ポート73b,73cは、円周方向のほぼ同一の角度位置にそれぞれ形成されている一方、他のポート18a,19a,20a及び21aとは円周方向における角度位置が重合しないように設定されている。
また、前記穴部68の底壁には、該穴部68の小径穴部68bの内径よりも小径な貫通孔68dが軸方向に沿って貫通形成されている。
前記スリーブ62は、合成樹脂材によって形成されていると共に、径方向から半割状に二分割形成されて、この両分割部を径方向から突き合わせて例えば溶着法によって接合することで円筒状一体に形成されている。
また、前記スリーブ62は、内径が前記バルブボディ61の軸部61bの外径とほぼ同一に形成され、内周面が前記軸部61bの外周面に外方から被嵌状態に固定されている。さらに、このスリーブ62は、内周面の前記電磁ソレノイド67側の端部に円柱状の位置決め突部62aが突設されており、この位置決め突部62aを、前記軸部61bの頭部61a近傍の外周面に穿設された位置決め穴61dと嵌合させることで、前記バルブボディ61に対する円周方向及び軸方向の位置決めがされるようになっている。
また、前記スリーブ62は、内周面に前記各導出ポート73aにそれぞれ連通する4つの連通溝75が軸方向に沿って形成されている。
前記各連通溝75は、その内周面と前記バルブボディ61の軸部61bの外周面との間に連通路を構成し、前記雄ねじ部61c側の一端部が前記各導出ポート73aとそれぞれ重合している一方、他端部が前記各第1,第2再導入ポート73b,73cと連通する位置まで延設されている。これにより、前記各導出ポート73aが、前記各連通溝75を介して前記各第1,第2再導入ポート73b,73cとそれぞれ常時連通されるようになっている。
また、前記スリーブ62の周壁には、前記各遅角側油孔11aと各遅角ポート18aとを連通させる遅角連通孔76と、前記各進角側油孔12aと各進角ポート19aとを連通させる進角連通孔77と、前記各分岐通路30a,31a,32aと各ロックポート20aとを連通させるロック連通孔78と、前記各ドレン孔42aと各ドレンポート21aとを連通させるドレン連通孔79と、が形成されている。
前記各連通孔76〜79は、それぞれ軸心位置が対応する各ポート18a,19a,20a及び21aの軸心位置に対して軸方向にオフセット(偏倚)した状態に設けられていると共に、それぞれ前記スリーブ62内周側に軸方向へ沿って延びる軸方向溝を有している。前記各連通孔76〜79は、これら各軸方向溝を介して前記各ポート18a,19a,20a及び21aにそれぞれ連通している。また、前記各ドレン連通孔79のスリーブ62外周側の部位には、円環状のグルーブ溝79aが形成されている。
前記第2スプール弁63は、前記リテーナ70側の一端部63aが開口した有底中空状に形成されていると共に、その内部空間が前記第1スプール弁65を軸方向へ移動可能に収容保持する第1スプール弁収容室80として構成されている。
また、前記第2スプール弁63は、他端部63b側の底壁に円柱状の摺動用孔63cが貫通形成されていると共に、該摺動用孔63cの内部に前記第1スプール弁65が摺動可能に挿通されている。
さらに、この第2スプール弁63は、一端部63aの開口部の内周面に形成された環状溝の内周面に被嵌された蓋部材81により前記開口部が閉止されている。
この蓋部材81は、金属材により形成されて、有底円筒状の蓋本体81aと、該蓋本体81aの開口端縁から外径方向に突出形成されて前記環状溝に嵌着されたフランジ部81bと、を備えている。
前記蓋部材81は、前記蓋本体81aの内部に前記第1バルブスプリング66を収容保持すると共に、前記フランジ部81bの内端縁に前記第1スプール弁65の一端部の端面が当接可能となっている。
また、前記フランジ部81bの外端縁は、前記第2バルブスプリング64の一端を弾接保持するようになっている。
さらに、前記蓋本体81aの底壁には、軸方向に沿って円柱状の貫通孔81cが貫通形成されており、この貫通孔81cが前記第1ドレン通路42の一部を構成している。
前記第2バルブスプリング64は、一端が前記フランジ部81bの外端面に軸方向から弾接している一方、他端が前記リテーナ70の内底面に軸方向から弾接して、前記第2スプール弁63を前記電磁ソレノイド67側に常時付勢している。
また、前記第2スプール弁63は、他端部63b側の外周面に該第2スプール弁63を前記第2スプール弁収容室72の内周面に摺動案内する円筒状のガイド部82が形成されていると共に、該ガイド部82よりも一端部63a側の外周面に8つの第1〜第8ランド部83a〜83hが軸方向へ所定間隔をもって設けられている。
前記各ランド部83a〜83hは、それぞれ外周面が前記第2スプール弁収容室72の内周面に微小な隙間をもって摺接しつつ、軸方向の移動が案内されるようになっている。
前記第1ランド部83aとこれに隣接する第2ランド部83bとの間の外周面に、前記ロックポート20aと常時連通しつつ、前記ドレンポート21aと適宜連通する第1グルーブ溝84aが形成されている。
また、前記第2ランド部83bとこれに隣接する第3ランド部83cとの間の外周面に、前記第1再導入ポート73bと適宜連通する第2グルーブ溝84bが形成されている。さらに、前記第3ランド部83cとこれに隣接する第4ランド部83dとの間の外周面に、前記進角ポート19aと適宜連通する第3グルーブ溝84cが形成されている。
また、前記第4ランド部83dとこれに隣接する第5ランド部83eとの間の外周面に、前記進角ポート19aと常時連通する第4グルーブ溝84dが形成されている。さらに、前記第5ランド部83eとこれに隣接する第6ランド部83fとの間の外周面に、前記進角ポート19a及び第2再導入ポート73cと適宜連通する第5グルーブ溝84eが形成されている。
また、前記第6ランド部83fとこれに隣接する第7ランド部83gとの間の外周面に、前記第2再導入ポート73c及び遅角ポート18aと適宜連通する第6グルーブ溝84fが形成されている。さらに、前記第7ランド部83gとこれに隣接する第8ランド部83hとの間の外周面に、前記遅角ポート18aと常時連通する第7グルーブ溝84gが形成されている。
また、前記第8ランド部83hとこれに隣接する前記ガイド部82との間の外周面に、前記遅角ポート18aと適宜連通する第8グルーブ溝84hが形成されている。
前記第1〜第8グルーブ溝84a〜84hは、これらの各底壁の軸方向及び円周方向の所定位置に、前記第1スプール弁収容室80と常時連通する第1〜第8連通孔85a〜85hが径方向に沿ってそれぞれ貫通形成されている。
前記第1スプール弁65は、ほぼ円筒状に形成されて、前記リテーナ70側の一端部65aから他端部65b側の大部分が前記第1スプール弁収容室80内に収容されている一方、他端部65bが前記バルブボディ61の貫通孔68d及び前記第2スプール弁63の摺動用孔63cを介して前記バルブボディ61の外方へ突出している。
また、前記第1スプール弁65は、その内部空間が作動油を通流させる油通路として構成されていると共に、該油通路の軸方向の中間位置に作動油の通流を遮断する隔壁部86が一体に形成されている。この隔壁部86によって、前記油通路は、その内部空間が他端部65b側の第1油通路穴87と、一端部65a側の第2油通路穴88とに隔成されている。なお、この隔壁部86は、前記第1スプール弁65を両端側からドリル等によって穴開け加工をした際の残余部を利用して形成されたものである。
前記第1油通路穴87は、その開口端がボール状の盲栓89によって閉止されていると共に、該開口端近傍の周壁に上下一対のドレン孔90が径方向に沿って貫通形成されている。このドレン孔90は、第2ドレン通路43を介して前記オイルパン44に連通している。これにより、前記第1油通路穴87内に流入した作動油は、前記両ドレン孔90及び第2ドレン通路43を介して前記オイルパン44へ常時還流されるようになっている。
前記第2油通路穴88は、開口部の内周面に環状溝が形成されていると共に、この環状溝の内周面に被嵌された円盤状の栓体91により前記開口部が閉止されている。
前記第1バルブスプリング66は、一端が前記栓体91のリテーナ70側の端面に軸方向から弾接している一方、他端が第2スプール弁63の蓋部材81の内底面に軸方向から弾接して、前記第1スプール弁65を前記電磁ソレノイド67側に常時付勢している。
また、前記第2油通路穴88の内部には、前記各ロックポート20aから前記各解除用受圧室30〜32へ供給した作動油が第1再導入ポート73bに逆流するのを抑制する逆止弁92が収容されている。
この逆止弁92は、前記第2油通路穴88の内周面に圧入され、ほぼ軸心位置に開口孔93aが貫通形成された円環状のバルブシート93と、前記第2油通路穴88のバルブシート93よりも開口部側に設けられ、該バルブシート93の開口孔93aの孔縁に離着座自在に設けられた金属製のボール弁体94と、該ボール弁体94を前記バルブシート93側へ常時付勢するコイルばね95と、を備えている。
前記逆止弁92は、前記第1再導入ポート73bから前記第2油通路穴88内に作動油が導入されない場合に、前記コイルばね95によって前記開口孔93aの孔縁に着座して該開口孔93aを閉塞することで、前記ロックポート20aからの作動油の逆流を抑制するようになっている。一方、作動油が導入された場合には、この作動油の油圧によって前記ボール弁体94を前記コイルばね95のばね力に抗して後退移動させることで、前記ロックポート20aへ作動油を導出するようになっている。
また、前記第1スプール弁65は、他端部65b側の外周面に該第1スプール弁65を前記第1スプール弁収容室80の内周面に摺動案内する円筒状のガイド部96が形成されていると共に、該ガイド部96よりも一端側の外周面に7つの第9〜第15ランド部97a〜97gが軸方向へ所定間隔をもって一体に形成されている。
前記各ランド部97a〜97gは、それぞれ外周面が前記第1スプール弁収容室80の内周面に微小な隙間をもって摺接され、軸方向の移動が案内されるようになっている。
前記第9ランド部97aよりも一端側の外周面に、前記第2スプール弁63の第1連通孔85aに適宜連通する第9グルーブ溝98aが形成されている。
また、前記第9ランド部97aとこれに隣接する第10ランド部97bとの間の外周面に、前記第1連通孔85aに適宜連通する第10グルーブ溝98bが形成されている。さらに、前記第10ランド部97bとこれに隣接する第11ランド部97cとの間の外周面に、前記第2連通孔85bに常時連通する第11グルーブ溝98cが形成されている。
また、前記第11ランド部97cとこれに隣接する第12ランド部97dとの間の外周面に、前記第2スプール弁63の第3連通孔85cに適宜連通する第12グルーブ溝98dが形成されている。さらに、前記第12ランド部97dとこれに隣接する第13ランド部97eとの間の外周面に、前記第4,第5連通孔85d,85eに適宜連通する第13グルーブ溝98eが形成されている。
また、前記第13ランド部97eとこれに隣接する第14ランド部97fとの間の外周面に、前記第5,第6連通孔85e,85fに適宜連通する第14グルーブ溝98fが形成されている。さらに、前記第14ランド部97fとこれに隣接する第15ランド部97gとの間の外周面に、前記第7連通孔85gに適宜連通する第15グルーブ溝98gが形成されている。
また、前記第15ランド部97gとこれに隣接するガイド部96との間の外周面に、前記第8連通孔85hに常時連通する第16グルーブ溝98hが形成されている。
前記第10,第11グルーブ溝98b,98cは、各底壁の軸方向及び円周方向の所定位置に、前記第2油通路穴88と常時連通する第9,第10連通孔99a,99bが径方向に沿ってそれぞれ貫通形成されている。このうち、前記第9連通孔99aは、前記第2油通路穴88のバルブシート93よりも開口部側に連通する一方、前記第10連通孔99bは、前記第2油通路穴88のバルブシート93よりも隔壁部側に連通するように形成位置が設定されている。
また、前記第12,第15,第16グルーブ溝98d,98g,98hは、各底壁の軸方向及び円周方向の所定位置に、前記第1油通路穴87と常時連通する第11〜第13連通孔99c〜99eが十字径方向に沿ってそれぞれ貫通形成されている。
前記電磁ソレノイド67は、図1に示すように、図外のチェーンカバーにボルト等を介して前記バルブボディ61と同軸上に配置固定された円筒状のソレノイドケーシング101と、該ソレノイドケーシング101の内部に収容保持されて、前記バルブボディ61と同軸となるように取り付けられ、後述する電子コントローラ107から制御電流が出力される電磁コイル102と、該電磁コイル102の内周側に固定された有底円筒状の固定ヨーク103と、該固定ヨーク103の内部に軸方向へ摺動可能に設けられた可動プランジャ104と、該可動プランジャ104の先端部に一体に形成されて、先端部105aが前記第2バルブスプリング64のばね力、または前記第1,第2バルブスプリング64,66のばね力に抗して前記第1スプール弁65の盲栓89を図1中の右方向へ押圧する駆動ロッド105と、から主として構成されている。
前記ソレノイドケーシング101は、後端側に前記電子コントローラ107に電気的に接続される端子106aを有する合成樹脂製のコネクタ106が設けられている。
前記電子コントローラ107は、内部のコンピュータが図外のクランク角センサ(機関回転数検出)やエアーフローメータ、機関水温センサ、機関温度センサ、スロットルバルブ開度センサ及びカムシャフト2の現在の回転位相を検出するカム角センサなどの各種センサ類からの情報信号を入力して現在の機関運転状態を検出すると共に、前述したように、前記電磁切換弁60の電磁コイル102に制御パルス電流を出力して前記第1,第2スプール弁63,65の移動位置を制御し、前記各ポートを選択的に切換制御するようになっている。
〔スプール弁のポジション制御〕
以下において、図18に示す第1スプール弁65のストローク量と各油圧室11,12や、前記第1〜第3解除用受圧室30〜32への作動油の給排の関係を示す表を参照しながら、図11〜図17に基づいて前記第1,第2スプール弁63,65のポジション制御を具体的に説明する。
まず、前記電子コントローラ107から前記電磁ソレノイド67に通電されておらず、前記第1,第2スプール弁63,65が、図11に示すように、前記第1,第2バルブスプリング64,66のばね力によってそれぞれ最大左方向に位置している場合、すなわち、前記第2スプール弁63の他端面が前記第2スプール弁収容室72の他端面に当接していると共に、前記第1スプール弁65の他端面が前記第1スプール弁収容室80の他端面と当接している場合(第1ポジション)は、前記遅角ポート18aが前記各ドレン孔90に前記第7グルーブ溝84g、第7連通孔85g、第15グルーブ溝98g、第12連通孔99d及び第1油通路穴87を介して連通されていると共に、前記ロックポート20aがドレンポート21aに前記第1グルーブ溝84a、第1連通孔85a、第9グルーブ溝98a、第1スプール弁収容室80、前記蓋部材81の貫通孔81c及び第2スプール弁収容室72を介して連通されている。
このとき、前記進角ポート19aは、前記第4連通孔85dが前記第12ランド部97dによって閉止されることで、いずれのポートとも連通されないようになっている。
したがって、前記第1ポジジョンでは、図18に示すように、前記遅角油圧室11内の作動油が、前記遅角油通路11aから前記電磁切換弁60の遅角ポート18aに流入した後、前記各ドレン孔90から前記第2ドレン通路43を介して前記オイルパン44に排出されると共に、前記第1〜第3解除用受圧室30〜32内の作動油が、それぞれ前記第1〜第3分岐通路30a,30b,30cから前記ロックポート20aに流入した後、前記ドレンポート21aから前記第1ドレン通路42を介して同じく前記オイルパン44に排出される。
一方、前記進角油圧室12の作動油は、前述した進角ポート19aの閉止に伴い前記進角油圧室12内に保持された状態になる。
ただし、この第1ポジションにおいては、図1の実線で示すように、前記各通路制御機構50への油圧の供給が停止されていることから、前記遅角油圧室11と進角油圧室12が前記各環状溝52e(各連通用孔51)を介して連通状態となっている。このため、前記進角油圧室12の作動油も、実際には前記遅角油圧室11内へ流入した後、該遅角油圧室11内の作動油と同様の経路を通じて前記オイルパン44へ排出されるようになっている。
次に、前記第1スプール弁65が、図12に示すように、前記電子コントローラ107から前記電磁ソレノイド67への通電により、前記第1バルブスプリング66のばね力に抗して僅かに右方向へ移動して、前記第1スプール弁収容室80の一端面にも他端面にも当接していない場合(第2ポジション)は、前記ロックポート20aとドレンポート21aとの連通が維持されると共に、前記遅角ポート18aが前記ドレン孔90との連通を遮断される一方、前記第2再導入ポート73cに対して前記第5グルーブ溝84e、第5連通孔85e、第14グルーブ溝98f、第6連通孔85f及び第6グルーブ溝84fを介して連通される。これと同時に、前記進角ポート19aも、前記第2再導入ポート73cに対して前記第5グルーブ溝84e、第5連通孔85e、第13グルーブ溝98e、第4連通孔85d及び第4グルーブ溝84dを介して連通される。
したがって、第2ポジションでは、図18に示すように、前記第1〜第3解除用受圧室30〜32の作動油の排出状態が維持される一方、前記オイルポンプ45から吐出された作動油が、前記吐出通路41b及び油圧導入室6dを介して前記電磁切換弁60の導入ポート69に導入された後、前記第2再導入ポート73cからそれぞれ前記遅角、進角ポート18a,19aを介して前記遅角、進角油圧室11,12に供給される。
前記第1スプール弁65が、図13に示すように、前記電磁ソレノイド67への大きな通電により、さらに僅かに右方向へ移動して、前記第1スプール弁収容室80の一端面に当接した場合(第3ポジション)は、前記第2再導入ポート73cに対する前記遅角、進角ポート18a,19aの連通が維持されると共に、前記ロックポート20aが、前記ドレンポート21aとの連通を遮断される一方、前記第1再導入ポート73bに対して前記第2グルーブ溝84b、第2連通孔85b、第11グルーブ溝98c、第10連通孔99b、第2油通路穴88、第1連通孔85a及び第1グルーブ溝84aを介して連通される。
したがって、第3ポジションでは、図18に示すように、前記遅角、進角油圧室11,12への作動油の供給が維持されると共に、前記オイルポンプ45から吐出されて前記第1再導入ポート73bに流入した作動油が、前記ロックポート20aから前記第1〜第3分岐通路30a,31a,32aを介して前記各解除用受圧室30〜32に供給される。
前記第1スプール弁65が、図14に示すように、さらに僅かに右方向へ移動すると、前記第2スプール弁63も、前記第1スプール弁65に押圧されて前記第2バルブスプリング64のばね力に抗しつつ、右方向へ僅かに移動する。この場合(第4ポジション)は、前記遅角ポート18aと第2再導入ポート73cとの連通及び前記ロックポート20aと第1再導入ポート73bとの連通が維持されると共に、前記進角ポート19aが前記第2再導入ポート73cとの連通を遮断される一方、前記ドレン孔90に対して前記第3グルーブ溝84c、第3連通孔85c、第12グルーブ溝98d、第11連通孔99c及び第1油通路穴87を介して連通される。
したがって、第4ポジションでは、図18に示すように、前記遅角油圧室11及び各解除用受圧室30〜32に対する作動油の供給状態が維持される一方、前記進角油圧室12内の作動油が、前記進角油通路12aから進角ポート19aに流入した後、前記各ドレン孔90から前記第2ドレン通路43を介して前記オイルパン44に排出される。
前記第1,第2スプール弁63,65が、図15に示すように、さらに僅かに右方向へ移動した場合(第5ポジション)は、前記ロックポート20aと第1再導入ポート73cとの連通が維持される一方、前記遅角ポート18aと第2再導入ポート73cとの連通及び前記進角ポート19aとドレン孔90との連通が前記第2スプール弁63及び第1スプール弁65の相対位置関係に応じて遮断され、前記遅角、進角ポート18a,19aがそれぞれ閉止された状態となっている。
したがって、第5ポジションでは、図18に示すように、前記各解除用受圧室30〜32に対する作動油の供給状態が維持される一方、前記遅角、進角油圧室11,12内の作動油が、前述した遅角、進角ポート18a,19aの閉止に伴い、それぞれ両油圧室11,12の内部に保持された状態になる。
前記第1,第2スプール弁63,65が、図16に示すように、さらに僅かに右方向へ移動した場合(第6ポジション)は、前記ロックポート20aと第1再導入ポート73cとの連通が維持される一方、前記遅角ポート18aが前記ドレン孔90に対して前記第8グルーブ溝84h、第8連通孔85h、第16グルーブ溝98h、第13連通孔99e及び第1油通路穴87を介して連通されている。また、前記進角ポート19aが前記第2再導入ポート73cに対して前記第5グルーブ溝84eを介して連通される。
したがって、第6ポジションでは、図18に示すように、前記各解除用受圧室30〜32に対する作動油の供給状態が維持されると共に、前記遅角油圧室11内の作動油が前記遅角油通路11aから遅角ポート18aに流入した後、前記各ドレン孔90から前記第2ドレン通路43を介して前記オイルパン44に排出される。一方、前記進角油圧室12には、前記オイルポンプ45から吐出された作動油が、前記吐出通路41b及び油圧導入室6dを介して前記電磁切換弁60の導入ポート69に導入された後、前記第2再導入ポート73cから前記進角ポート19aを介して前記進角油圧室12に供給される。
また、前記第1,第2スプール弁63,65が、図17に示すように、前記電磁ソレノイド67への最大の通電量によって最大右方向へ移動した場合(第7ポジション)は、前記遅角ポート18aとドレン孔90との連通が維持される一方、前記進角ポート19aと第2再導入ポート73cとの連通が遮断される。また、前記ロックポート20aは、前記第1再導入ポート73bとの連通が遮断される一方、前記第1グルーブ溝84aを介してドレンポート21aに連通される。
したがって、第7ポジションでは、図18に示すように、前記遅角油圧室11内の作動油及び前記各解除用受圧室30〜32内の作動油がそれぞれ前記第1、第2ドレン通路42,43を介して前記オイルパン44に排出される一方、前記進角油圧室12の作動油が、前記進角油圧室12内に保持された状態になる。
すなわち、作動油の通流する経路は異なるものの、連通状態は前述した第1ポジションと同様のものとなる。
なお、前記進角油圧室12内の作動油が前記各前記各通路制御機構50の各環状溝52e(各連通用孔51)を介して前記遅角油圧室11と連通している点も第1ポジションと同様となっている。このため、前記進角油圧室12の作動油も、第1ポジションの場合と同じく、前記遅角油圧室11の作動油と同様の経路を通じて前記オイルパン44へ排出されるようになっている。
このように、機関運転状態に応じて、前記第1,第2スプール弁63,65の軸方向の移動位置を変更することによって、各ポートを選択的に切り換えて前記スプロケット1に対する前記ベーンロータ9の相対回転角度を変化させると共に、前記各ロックピン27〜29のロック穴24〜26へのロック及びロック解除を選択的に行って、前記ベーンロータ9の自由な回転を許容及び規制するようになっている。
〔本実施形態の作動〕
以下、本実施形態のバルブタイミング制御装置の具体的な作動を説明する。
まず、車両の通常走行後にイグニッションスイッチをオフ操作して機関を停止させた場合には、前記オイルポンプ45の駆動も停止されることから、前記各油圧室11,12や各解除用受圧室30〜32への作動油の供給が停止される。
この機関停止前のアイドリング回転時において、前記各遅角油圧室11に作動油圧が供給されて、前記ベーンロータ9が進角側の回転位置になっている状態でイグニッションスイッチがオフ操作されると、機関の停止直前に前記カムシャフト2に作用する正負の交番トルクが発生する。特に、負のトルクによって前記ベーンロータ9が遅角側から進角側へ回転して中間位相位置になると、前記各ロックピン27〜29が、図10に示すように、各スプリング36〜38のばね力でそれぞれ進出移動して各先端部27a,28a及び29aが対応する前記ロック穴24〜26に係合する。これによって、前記ベーンロータ9は、図3に示す最進角と最遅角の間の中間位相位置に保持されることとなる。
すなわち、図5に位置する前記ベーンロータ9が、前記カムシャフト2に作用する負の交番トルクによって僅かに進角側(図5中矢印方向)に回転すると、この時点で、前記電磁切換弁60へのパルス電流の出力が停止されて、前記各解除用受圧室30〜32への油圧の供給が停止される。
したがって、図5に示すように、前記第1,第2ロックピン27,28の各先端部27a,28aが前記第1,第2スプリング36,37の付勢力で前記スプロケット内側面1dに弾接した状態で進角側へ摺動すると共に、前記第3ロックピン29の先端部29aが、図6に示すように、前記第3スプリング38の付勢力によって前記第3ロック穴26の第1底面26aに係合当接する。ここで、前記ベーンロータ9に正の交番トルクが作用して遅角側へ回転しようとするが、前記第3ロックピン29の先端部29aの側縁が前記第1底面26aの立ち上がり段差面に当接して遅角側(図6中矢印方向)への回転が規制される。
その後、負のトルクにしたがって前記ベーンロータ9が進角側へ回転するに伴い前記第3ロックピン29が、図7に示すように、順次階段を下りるように移動して第2底面26bに係合当接する共に、第2底面26b上を進角方向へラチェット作用を受けながら中間位置まで移動する。
そうすると、今度は前記第2ロックピン28の先端部28aが、前記第2スプリング37の付勢力によって、図8に示すように、前記第2ロック穴25の第1底面25aに当接係合する。その後、前記ベーンロータ9がさらに進角側へ回転すると、図9に示すように、前記第3ロックピン29が内側縁26c近傍に移動すると共に、前記第2ロックピン28が第2ロック穴25の第2底面25bにラチェット作用を受けながら当接係合する。
さらに、前記ベーンロータ9が負のトルクによってさらに進角側へ移動すると、図10に示すように、前記第2,第3ロックピン28,29の同方向への移動に伴って前記第1ロックピン27が第1ロック穴24に係入すると共に、前述したように、該第1ロックピン27と第2ロックピン28によって前記各ロック穴24,25の対向内側縁24b、25cの間を挟持するように配置される。これによって、前記ベーンロータ9は、図3に示すように、最遅角と最進角の中間位置に安定かつ確実に保持される。
また、車両の通常走行後にイグニッションスイッチをオフ操作して機関を停止させた場合には、前記電磁切換弁60への通電も遮断されることから、前記第1,第2スプール弁63,65は、図11で示すように、前記第1,第2バルブスプリング64,66のばね力で前述した第1ポジションに保持される。これによって、前記遅角ポート18aと前記第2ドレン通路43が連通されると共に、前記ロックポート20aと第1ドレン通路42が連通され、前記遅角油圧室11及び前記各解除用受圧室30〜32内の作動油が、それぞれ前記各ドレン通路42,43を介して前記オイルパン44へ排出されることとなる。
このとき、前記進角ポート19aは、図18にも示すように閉止された状態となっているが、前記進角油圧室12内の作動油も、前記遅角油圧室11と同様に前記各通路制御機構50を介して前記オイルパン44へ排出されるようになっている。
すなわち、前記電磁切換弁60に通電されていない状態では、前記ロックポート20aから前記各通路制御機構50への油圧の供給も停止していることから、前記各弁体52が、図1の実線で示すように、前記各スプリング53のばね力によって右方向へ移動している。このため、前記各通路制御機構50側では、前記各環状溝52e(各連通用孔51)を介して前記遅角側油孔11aと進角側油孔12aとがそれぞれ連通状態になる。
したがって、前記各進角油圧室12内の作動油を、各進角側油孔12aと前記各環状溝52eを介して前記各遅角側油孔11aに置換流動させて、ここから前記第2ドレン通路43へ導出させることが可能になる。これにより、前記ベーンロータ9が前記各油圧室11,12の油圧の影響を受けることなく回転移動できることから、ばたつき量が大きくなって前述のラチェット作用を十分に発揮させることができる。
その後、機関を始動するために、イグニッションスイッチをオン操作すると、その直後の初爆(クランキング開始)によって前記オイルポンプ45が駆動するものの、このオイルポンプ45による吐出油圧が不安定なアイドリング運転時には、前記電磁切換弁60への通電は行われずに前記第1,第2スプール弁63,65の第1ポジションが維持される。
続いて、例えば機関低回転低負荷域や高回転高負荷域に移行する前には、前記電子コントローラ107から前記電磁切換弁60に制御電流が出力されて、前記第1スプール弁65が、図12に示すように、前記第1バルブスプリング66のばね力に抗して僅かに他方向へ移動する(第2ポジション)。これによって、前記遅角、進角油圧室11,12に作動油(油圧)が供給されて、前記各ロックピン27〜29と各ロック穴24〜26とのロック状態を解除するための準備が完了する。
続いて、例えば機関低回転低負荷域や高回転高負荷域に移行する直前には、前記電磁切換弁60にさらに大きな制御電流が出力されて、前記第1スプール弁65が、図13に示すように、前記第1バルブスプリング66のばね力に抗してさらに右側に移動する(第3ポジション)。そうすると、前記第1〜第3解除用受圧室30〜32に作動油(油圧)が供給されるので、前記各ロックピン27〜29は、前記各スプリング36〜38のばね力に抗して後退移動して前記先端部27a〜29aが前記各ロック穴24〜26から抜け出す。これによって、それぞれの係合が解除され、前記ベーンロータ9の自由な正逆回転が許容される。
このとき、第2ポジションにおいて前記両油圧室11,12内に油圧を供給して解除準備を行ったことで、前記各ロックピン27〜29の各ロック穴24〜26への食い込み現象やばたつき等を抑制することができる。
その後、例えば機関低回転低負荷域に移行した場合は、前記電磁切換弁60にさらに大きな制御電流が出力されて、図14に示すように、前記第1スプール弁65が、前記第1バルブスプリング66のばね力に抗してさらに右側に移動すると共に、前記第1スプール弁65の一端部に押圧されることによって、前記第2スプール弁63が前記第2バルブスプリング64のばね力に抗して僅かに右側に移動する(第4ポジション)。これによって、前記各ロックピン27〜29は、前記各ロック穴24〜26から抜け出た状態が維持される。また、前記ベーンロータ9は、前記各進角油圧室12が油圧の排出に伴い低圧になる一方、前記各遅角油圧室11が相対的に高圧となることから、前記ハウジング7に対して最遅角側に回転する。したがって、前記カムシャフト2は、図2の矢印で示すように、前記スプロケット1に対して最遅角の相対回転位相に変換される。
よって、吸気弁と排気弁のバルブオーバーラップが小さくなって筒内の残留ガスが減少して燃焼効率が向上し、機関回転の安定化と燃費の向上が図れる。
その後、例えば機関高回転高負荷域に移行した場合は、前記電磁切換弁60にさらに大きな制御電流が供給されて、図16に示すように、前記第1,第2スプール弁63,65が大きく右方向へ移動する(第6ポジション)。これによって、前記各ロックピン27〜29の係合が解除された状態になっていると共に、前記遅角油圧室11が低圧になる一方、前記進角油圧室12が高圧になる。このため、前記ベーンロータ9は、前記ハウジング7に対して最進角側に回転する。したがって、前記カムシャフト2は、図4の矢印で示すように、前記スプロケット1に対して最進角の相対回転位相に変換される。
よって、吸気弁と排気弁のバルブオーバーラップが大きくなって、吸気充填効率が高くなって機関の出力トルクの向上が図れる。
また、前記ロックポート20aに吐出通路41bから油圧が供給されている状態では、前記各通路制御機構50の各弁体52の弁部52bの受圧面52fにも油圧が作用して、前記各弁体52が、図1の一点鎖線で示すように、前記各スプリング53のばね力に抗して左方向に移動する。このため、前記弁部52bが、前記進角側油孔12aを閉止して前記遅角側油孔11aとの連通を遮断する。したがって、前記遅角油圧室11と進角油圧室12との間の作動油の置換流動はない。このため、前記各油圧室11,12のいずれか一方への油圧によって前記ベーンロータ9は速やかに遅角側あるいは進角側へ相対回転する。
また、前記機関低回転低負荷域や高回転高負荷域からアイドリング運転に移行した場合は、前記電子コントローラ107から前記電磁切換弁60への制御電流の通電が遮断されて、前記第1,第2スプール弁63,65が、前記第1,第2バルブスプリング64,66のばね力によってそれぞれ最大左方向に移動して前述した第1ポジションに制御される。
このため、前記ベーンロータ9は、たとえ遅角側位置にあった場合でも、前述したように、カムシャフト2に作用する前記交番トルクによって進角側に回転する。これによって、前記各ロックピン27〜29が、前記各スプリング36〜38のばね力で進出移動して、前述したラチェット作用を得ながら前記各ロック穴24〜26に係合する。このため、前記ベーンロータ9は、図3に示す最進角と最遅角の間の中間位相位置にロック保持される。
また、機関を停止した際も、前述したように、イグニッションスイッチをオフ操作すると、前記各ロックピン27〜29は前記各ロック穴24〜26から抜け出すことなく係合状態を維持する。
さらに、所定の運転域が継続されている場合は、前記電磁切換弁60に通電されて、図15に示すように、前記第1,第2スプール弁63,65が前記第4ポジションと第6ポジションの間の軸方向位置にそれぞれ移動する(第5ポジション)。これによって、前記各遅角油圧室11と各進角油圧室12の内部にそれぞれ作動油が保持された状態になると共に、前記各ロックピン27〜29が、前記各ロック穴24〜26から抜け出たロック解除状態に維持される。
したがって、前記ベーンロータ9が所望の回転位置に保持されて、前記カムシャフト2も前記ハウジング7に対して所望の相対回転位置に保持されることから、吸気弁が所定のバルブタイミングに保持される。
このように、機関の運転状態に応じて、前記電子コントローラ107が前記電磁切換弁60に所定の通電量で通電、あるいは通電を遮断して前記各スプール弁63,65の軸方向の移動を制御して、前記所定のポジション位置に制御する。これによって、前記位相変更機構と3とロック機構4を制御して前記スプロケット1に対する前記カムシャフト2の最適な相対回転位置に制御することから、バルブタイミングの制御精度の向上を図ることができる。
さらに、前記電子コントローラ107に通電された電磁切換弁60の前記第1,第2スプール弁63,65が軸方向への移動中に、作動油に混入した金属粉等のコンタミが前記各ランド部と各ポートの孔縁との間などに噛み込まれてロックし、流路の切り換えができなくなった場合には、以下の作動を行う。
すなわち、前記第1,第2スプール弁63,65の移動不能状態によって、前記ベーンロータ9の回転位相制御ができなくなると、この異常状態を前記カムシャフト2の回転位置から検出した前記電子コントローラ107が、前記電磁切換弁60の電磁ソレノイド67に最大の通電量の制御電流を出力する。
そうすると、前記第1,第2スプール弁63,65は、図17に示すように、強い押圧力によって前記コンタミを切断するか、あるいは噛み込みを開放させつつ、右方向の最大位置に移動する(第7ポジション)。これにより、前記第1,第2スプール弁63,65の移動不能状態を強制的に解除することができる。
そして、本実施形態では、前記各油圧室11,12の油圧制御用と前記各解除用受圧室30〜32の油圧制御用の2つの機能を単一の電磁切換弁60によって行うようにした。
すなわち、前記第2スプール弁63と第1スプール弁65とを同軸上に配置すると共に、前記第2スプール弁63を前記第1スプール弁65の軸方向移動位置に応じて連動して軸方向へ移動するようにしたことで、単一の前記電磁ソレノイド67によって前記両スプール弁63,65の軸方向位置を一括制御して、前記2つの機能が得られるようにした。
これにより、前記第1,第2スプール弁63,65の位置制御に際して別個の電磁ソレノイドを必要とする電磁切換弁と比べて装置の小型化を図ることができる。また、前記第1,第2スプール弁63,65を複数の電子コントローラの協働によって制御する必要もないことから、制御の簡易化を図ることも可能となる。
しかも、本実施形態では、前記第1スプール弁65を、前記第2スプール弁63の内側の第1スプール弁収容室80に収容配置したことから、前記両スプール弁63,65を直列的に配置した場合に比べて、前記電磁切換弁60の軸方向巾長さを短尺とすることができるため、バルブタイミング制御装置の軸方向の長さを短くでき、レイアウトの自由度が向上する。
また、前記第2スプール弁63の一端部(前記蓋部材81)と前記第1スプール弁65の一端側との当接のみによって前記第2スプール弁63の軸方向位置を制御できることから、前記電磁切換弁60の構造を簡素化できる。
また、前記第1スプール弁65の内部空間を軸方向に分割する前記隔壁部86を、前記第1スプール弁65と一体に形成したことから、部品点数の削減を図ることができる。さらに、本実施形態では、前記第1スプール弁65の穴開け加工時の残余部を前記隔壁部86として利用したことから、該隔壁部86を新たに加工する必要がないため、作業工程の簡素化を図ることができる。
さらに、前記第1スプール弁65の各ロックポート20aへの作動油の給排に供される第2油通路穴88に逆止弁92を設けたことから、前記各ロックポート20aに流入した作動油の前記各第2再導入ポート73c側への逆流を阻止できる。これにより、前記各解除用受圧室30〜32内へ供給される油圧を高い状態に保つことができるため、ロック解除動作をより確実におこなうことができる。また、前記各ロックポート20aに導入される作動油の脈動が前記逆止弁92によって抑制されることから、前記脈動に伴う前記各ロックピン27〜29の振動が低減されるため、該各ロックピン27〜29の各ロック穴24〜26への食い込み現象等を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
図19に示す本発明の第2実施形態は、基本構成は第1実施形態と同様であるが、前記第1スプール弁65を、前記隔壁部86の個所で軸方向へ2分割された有底円筒状の2つの第1スプール弁構成部65A,65Bによって構成したものである。すなわち、この実施形態における前記第1スプール弁65は、前記両第1スプール弁構成部65A,65Bのそれぞれ底壁86a,86bを軸方向から突き合わせて結合することにより一体化されている。尚、第1スプール弁構成部65Aと65Bは、一体化せずに底壁86aと86bとを当接させておくだけでも良い。
したがって、この実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、この実施形態では、前記第1スプール弁構成部65A,65Bを、それぞれ有底円筒状のものとして説明したが、このうち一方は底壁を有さない円筒状であってもよい。この場合、前記隔壁部86は他方の底壁のみによって構成される。
〔第3実施形態〕
図20に示す本発明の第3実施形態は、基本構成は第1実施形態と同様であるが、隔壁部を前記第1スプール弁65と別体に設けたものである。
すなわち、この実施形態における第1スプール弁65は、ドリル加工等によって軸方向に沿って貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面に、隔壁部である椀状の圧入プラグ108が圧入固定されることで、内部空間が軸方向に分割されている。
したがって、この実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られるのは勿論のこと、前記第1スプール弁65を孔開け加工する際に、軸方向両端側から加工をする必要がなく、片側一方向からの加工のみで済むことから、工程数を削減することができる。
〔第4実施形態〕
図21に示す本発明の第4実施形態は、油圧回路5を構成する電磁切換弁60が、前記バルブタイミング制御装置へ直接的に組み込まれずに分離して設けられたものである。
すなわち、この実施形態における電磁切換弁60は、6ポート7位置の比例型弁であって、ほぼ円筒状のバルブボディ61と、該バルブボディ61内に軸方向へ摺動可能に設けられた円筒状の第2スプール弁63と、前記バルブボディ61の内部一端側に設けられて、前記第2スプール弁63を図中の左方向へ付勢する第2バルブスプリング64と、前記第2スプール弁63内に軸方向へ摺動可能に設けられた円筒状の第1スプール弁65と、前記第2スプール弁63の内部一端側に設けられて、前記第1スプール弁65を図中の左方向へ付勢する第1バルブスプリング66と、前記バルブボディ61の外部他端側に設けられ、運転状態等に応じて前記第1,第2スプール弁63,65を前記第1,第2バルブスプリング64,66のばね力に抗して図中の右方向へ移動させるアクチュエータである電磁ソレノイド67と、から主として構成されている。
以下、この実施形態における電磁切換弁60の各構成要素について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、相違点のみを説明する。
前記バルブボディ61は、第1実施形態と異なりカムボルトとしての機能を有しておらず、前記電磁ソレノイド67のソレノイドケーシング101に設けられた爪部101aにかしめ固定されつつ、機関に設けられた図外のバルブ収容孔に収容固定されている。
また、前記バルブボディ61は、前記リテーナ70よりも一端側のチェック弁収容室71が廃止され、これに伴って前記導入ポート69と導出ポート73a及びチェック弁74が廃止されている。
さらに、前記バルブボディ61は、前記第1,第2再導入ポート73b,73cが廃止されると共に、該両再導入ポート73b,73cが設けられていた位置に該両再導入ポート73b,73cとほぼ同形状の第1,第2導入ポート109a,109bが形成されている。これら両導入ポート109a,109bには、前記吐出通路41bから直接的に作動油が供給されるようになっている。なお、前記吐出通路41bには、前記バルブボディ61から廃止された前記チェック弁74が配設され、前記第1,第2導入ポート109a,109bへ作動油を導入する際の逆流が抑制されるようになっている。
また、前記バルブボディ61は、周壁の前記遅角ポート18aよりも先端側に、第2ドレンポート110が十字径方向に沿って4つ貫通形成されている。この第2ドレンポート110は、前記第2ドレン通路43を介して前記オイルパン44に接続されている。
前記第2スプール弁63は、前記ガイド部82の軸方向所定位置に、十字径方向に沿って第14連通孔85iが4つ貫通形成されている。
一方、前記第1スプール弁65は、前記ガイド部96の軸方向所定位置に、十字径方向に沿って第15連通孔99fが4つ貫通形成されている。
この前記各第14連通孔85iと各第15連通孔99fは、該各第15連通孔99fの外周に形成されたグルーブ溝を介して常時連通していると共に、前記各第14連通孔85iの外周に形成されたグルーブ溝を介して前記第2ドレンポート110に常時連通している。
これにより、前記第1スプール弁65内部の第1油通路穴87は、前記各第14,15連通孔85i,99f及び前記第2ドレンポート110を介して、前記オイルパン44に常時連通している。
そして、前記油圧回路5は、前記各遅角油圧室11に対して前記各遅角側油孔11aを介して油圧を給排する遅角通路18と、前記各進角油圧室12に対して前記各進角側油孔12aを介して油圧を給排する進角通路19と、前記各第1〜第3解除用受圧室30〜32に対して前記各分岐通路30a,31a,32aを介してそれぞれ油圧を給排するロック通路20と、を備えている。
前記遅角通路18と進角通路19とは、それぞれの一端側が前記電磁切換弁60の各遅角ポート18aと各進角ポート19aにそれぞれ接続されている一方、他端側がそれぞれ前記各遅角側、進角側油孔11a,12aに接続されている。
前記ロック通路20は、一端側が前記電磁切換弁60の各ロックポート20aに接続されている一方、他端側が前記各分岐通路30a,31a,32aに接続されている。
したがって、この実施形態によっても、前記電磁切換弁60が第1実施形態と同様のポジション制御を行うことが可能であることから、該第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成を変更することも可能である。
例えば、前記各実施形態では、前記バルブタイミング制御装置を吸気側に適用したものを示したが、これを排気側に適用することも可能である。
また、前記各実施形態では、前記第1スプール弁65を前記第2スプール弁63よりも小径に形成して該第2スプール弁63の内部に収容配置するものとして説明したが、該両者63,65の形状や配置関係はこれに限定されず、例えば、前記第1,第2スプール弁63,65をほぼ同一径状に形成すると共に、直列的に配置して、一方のスプール弁の一端部と他方のスプール弁の他端部とを当接させることにより両者63,65を連動可能としてもよい。
この場合においても、単一の前記電磁ソレノイド67によって前記第1,第2スプール弁63,65の位置制御を行えることから、複数の電磁ソレノイドを有する構成と比較して制御の簡素化及び装置の小型化を図ることができる。
前記実施形態から把握される請求項以外の発明の技術的思想について以下に説明する。
〔請求項a〕
請求項5に記載の油圧制御弁において、
前記第1スプール弁は、前記隔壁で軸方向に分割して形成されていることを特徴とする油圧制御弁。
〔請求項b〕
請求項5に記載の油圧制御弁において、
前記隔壁は、別部材にて形成されていることを特徴とする油圧制御弁。
〔請求項c〕
請求項7に記載の油圧制御弁は、
前記カムボルトの外周面に軸方向に沿って配置固定され、周壁の径方向に貫通形成されて、前記給排ポートと連通する連通孔及び内周面の軸方向に形成されて前記給排ポートのいずれかに連通する連通孔を有する内部中空状のスリーブを有すると共に、
前記第2スプール弁が中空状に形成されて、該第2スプール弁の内部に前記第1スプール弁が移動可能に配置されていることを特徴とする油圧制御弁。
〔請求項d〕
請求項cに記載の油圧制御弁において、
前記カムボルトの軸方向の先端部に、前記作動油を導入する導入ポートが形成されていることを特徴とする油圧制御弁。
〔請求項e〕
請求項dに記載の油圧制御弁において、
前記第1スプール弁は、中空状に形成され、内部軸方向の中間位置に設けられた隔壁によって内部の空間部が分割されていると共に、該空間部の前記隔壁よりも軸方向の一端側に、逆止弁が設けられていることを特徴とする油圧制御弁。
〔請求項f〕
請求項8に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記第1スプール弁と前記第2スプール弁は、それぞれ中空状に形成されていると共に、
前記第1スプール弁は、前記第2スプール弁の内部に移動可能に配置され、内部軸方向の中間位置に内部の空間部を軸方向に分割する隔壁が設けられていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
〔請求項g〕
請求項fに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記隔壁を挟んだ前記第1スプール弁の軸方向の一端側は、前記ロックポートに対する作動油の連通及び遮断に供され、
前記第1スプール弁の軸方向の他端側は、前記進角ポート及び前記遅角ポートに対する作動油の連通及び遮断に供されることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
〔請求項h〕
請求項gに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記第1スプール弁の前記隔壁よりも軸方向一端側の内部の空間部には、逆止弁が配置されており、前記ロックポートからの作動油の逆流を抑制していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
1…スプロケット(駆動回転体)
2…カムシャフト
3…位相変更機構
4…ロック機構
5…油圧回路
7…ハウジング
9…ベーンロータ(従動回転体)
10…ハウジング本体
10a〜10d…第1〜第4シュー
11…遅角油圧室(遅角作動室)
11a…遅角側油孔
12…進角油圧室(進角作動室)
12a…進角側油孔
15…ロータ
16a〜16d…第1〜第4ベーン
18…遅角通路
18a…遅角ポート
19…進角通路
19a…進角ポート
20…ロック通路
20a…ロックポート
21a…ドレンポート
50…通路制御機構
60…電磁切換弁(油圧制御弁)
61…バルブボディ
62…スリーブ
63…第2スプール弁
64…第2バルブスプリング
65…第1スプール弁
66…第1バルブスプリング
67…電磁ソレノイド(アクチュエータ)
69…導入ポート
73a…導出ポート
73b…第1再導入ポート
73c…第2再導入ポート
86…隔壁部
90…ドレン孔
92…逆止弁

Claims (8)

  1. 周壁の径方向に作動油を流通させる複数のポートが貫通形成された中空のバルブボディと、
    前記バルブボディの内部で軸方向に移動可能に設けられ、移動位置に応じて前記複数のポートに対する作動油の連通状態を切り換える第1スプール弁と、
    前記第1スプール弁と同軸上に配置され、前記第1スプール弁の軸方向の移動位置に応じて、前記第1スプール弁と連動して前記バルブボディの内部で軸方向に移動し、前記複数のポートに対する作動油の連通状態を切り換える第2スプール弁と、
    を備えたことを特徴とする油圧制御弁。
  2. 請求項1に記載の油圧制御弁において、
    前記第2スプール弁は、中空状に形成されていると共に、
    前記第1スプール弁は、前記第2スプール弁の内部に移動可能に配置されていることを特徴とする油圧制御弁。
  3. 請求項2に記載の油圧制御弁において、
    前記第2スプール弁は、前記第1スプール弁の軸方向一端側が、前記第2スプール弁の軸方向一端側に当接した状態において作動することを特徴とする油圧制御弁。
  4. 請求項3に記載の油圧制御弁において、
    前記第1スプール弁の軸方向他端側が、前記第2スプール弁の軸方向他端側に当接した第1ポジションと、
    前記第1スプール弁の軸方向両端側が、前記第2スプール弁の軸方向一端側と他端側の両方から離間した第2ポジションと、
    前記第1スプール弁の軸方向一端側が、該第2スプール弁の軸方向一端側に当接した第3ポジションと、
    を有することを特徴とする油圧制御弁。
  5. 請求項4に記載の油圧制御弁において、
    前記第1スプール弁は、中空状に形成され、内部軸方向の中間位置に設けられた隔壁によって、内部の空間部が分割されていることを特徴とする油圧制御弁。
  6. 請求項5に記載の油圧制御弁において、
    前記隔壁は、前記第1スプール弁と一体形成されていることを特徴とする油圧制御弁。
  7. 作動油の給排によって可動部材を作動させてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に用いられる油圧制御弁であって、
    前記可動部材を前記カムシャフト端部に軸方向から固定すると共に、周壁の径方向に作動油を流通させる給排ポートが貫通形成された中空のカムボルトと、
    前記カムボルトの内部で軸方向に移動可能に設けられ、移動位置に応じて前記給排ポートに対する作動油の連通状態を切り換える第1スプール弁と、
    前記第1スプール弁と同軸上に配置され、前記第1スプール弁の軸方向の移動位置に応じて、前記第1スプール弁と連動して前記カムボルトの内部で軸方向に移動し、前記給排ポートに対する作動油の連通状態を切り換える第2スプール弁と、
    を備えたことを特徴とする油圧制御弁。
  8. クランクシャフトから回転力が伝達され、内部に作動室が形成された駆動回転体と、
    カムシャフトの軸方向一端部に固定され、前記駆動回転体内に回転可能に収容されて前記作動室を進角作動室と遅角作動室に隔成すると共に、該両作動室に対して作動油を給排することによって、前記駆動回転体に対して進角側あるいは遅角側に相対回転する従動回転体と、
    前記駆動回転体に対する前記従動回転体の相対回転を作動油の給排によって規制又は解除するロック機構と、
    オイルポンプから圧送された作動油を前記両作動室に給排制御する油圧制御弁と、
    前記油圧制御弁を動作させるべく前記カムシャフトの外部に設けられたアクチュエータと、
    を備え、
    前記油圧制御弁は、
    前記従動回転体を前記カムシャフト端部に軸方向から固定すると共に、周壁の径方向に前記進角作動室と遅角作動室に作動油を流通させる進角ポートと遅角ポート及び、前記ロック機構に作動油を流通させるロックポートが貫通形成された筒状のカムボルトと、
    前記カムボルトの内部で軸方向に移動可能に設けられ、移動位置に応じて前記進角ポートや前記遅角ポート及び前記ロックポートに対する作動油の連通状態を切り換える第1スプール弁と、
    前記第1スプール弁と同軸上に配置され、前記第1スプール弁の軸方向の移動位置に応じて、前記カムボルトの内部で軸方向に移動し、前記進角ポートや前記遅角ポート及び前記ロックポートに対する作動油の連通状態を切り換える第2スプール弁と、
    を有したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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