JP2018104701A - 低結晶性セルロースの製造方法 - Google Patents

低結晶性セルロースの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂に配合した時に剛性と靱性を両立する樹脂組成物を提供しうる低結晶性セルロースである、セルロース含有粉末を簡便に調製する方法及びセルロース含有粉末を提供すること。【解決手段】セルロースI型結晶化指数が10%以上100%未満であるセルロース含有原料100質量部に対して、下記(A)、(B)、及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を0.1質量部以上100質量部以下添加し、乾式で粉砕処理する工程を含む、セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であるセルロース含有粉末の製造方法;(A)酸無水物を有する高分子化合物、(B)酸無水物を有する低分子化合物、(C)シランカップリング剤。【選択図】なし

Description

本発明は、低結晶性セルロースの製造方法、及びセルロース含有粉末に関する。
従来、有限な資源である石油由来のプラスチック材料が多用されていたが、近年、環境に対する負荷の少ない技術が脚光を浴びるようになり、かかる技術背景の下、天然に多量に存在するバイオマスであるセルロース繊維を用いた材料が注目されている。
例えば、特許文献1には、ポリオレフィン樹脂及び/又はスチレン系樹脂に結晶化度が50%未満のセルロースを配合させた組成物の成形体が強度及び可撓性を両立し、さらに耐衝撃性に優れるという優れた効果を奏することが報告されている。そして、ここで用いられるセルロースとしては、粉砕処理によって結晶化度を50%未満に低減して調製されることが開示されているが、得られる成形体の強度を維持しながら可撓性や耐衝撃性を更に向上させる観点から、当該結晶化度が低減したセルロースに対して、粉砕助剤を添加して粉砕処理することで平均粒径が30μm以下となるよう小粒径化処理させて用いることも開示されている。
また、特許文献2では、セルロースI型結晶化度が33%以下の低結晶性セルロース原料100質量部に対して、特定の粉砕助剤を0.1〜100質量部添加し、乾式で粉砕処理することにより、平均粒子径が好ましくは50μm以下のセルロース粒子を製造する方法が開示されている。一方、特許文献3では、セルロースI型結晶化度が33%を超えるセルロース含有原料を用いて、該セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上である場合に、該セルロース含有原料を粉砕助剤と共に粉砕機で処理することで、平均粒径が10〜200μmの低結晶性セルロースを製造する方法が開示されている。
特開2011−137094号公報 特開2010−155982号公報 特開2010−37526号公報
しかし、近年、かかる低結晶性セルロースをより広範な用途に使用することが期待されており、より優れた物性を有するものを簡便に調製する技術が求められている。
本発明は、樹脂に配合した時に剛性と靱性を両立する樹脂組成物を提供しうる低結晶性セルロースである、セルロース含有粉末を簡便に調製する方法及びセルロース含有粉末に関する。
本発明は、下記〔1〕及び〔2〕に関する。
〔1〕 セルロースI型結晶化指数が10%以上100%未満であるセルロース含有原料100質量部に対して、下記(A)、(B)、及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を0.1質量部以上100質量部以下添加し、乾式で粉砕処理する工程を含む、セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であるセルロース含有粉末の製造方法。
(A)酸無水物を有する高分子化合物
(B)酸無水物を有する低分子化合物
(C)シランカップリング剤
〔2〕 セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であり、セルロース含有原料100質量部に対して、下記(A)、(B)、及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を0.1質量部以上100質量部以下含有してなる、セルロース含有粉末。
(A)酸無水物を有する高分子化合物
(B)酸無水物を有する低分子化合物
(C)シランカップリング剤
本発明により得られる低結晶性セルロースは、樹脂に配合した際に剛性と靱性を両立する樹脂組成物を提供することができるという優れた効果を奏するものである。
セルロースは結晶化度が高いほど強度が高いものであるが、低結晶性セルロースでは非結晶部分が多く水素結合の存在割合が減少するために、強度に優れながらも靱性にも優れるものとなる。このような低結晶性セルロースは、例えば、前記した特許文献1〜3に記載のように原料セルロースを粉砕処理に供することで製造することができるが、本発明では、かかる粉砕処理時に特定の添加剤を存在させることで、簡便に、樹脂に配合した際に剛性と靱性とを付与できる、低結晶性セルロースを調製できることが判明した。粉砕処理時に共存させる成分としては、前記特許文献1〜3における粉砕助剤等が既に知られているが、本発明では、(A)酸無水物を有する高分子化合物、(B)酸無水物を有する低分子化合物、(C)シランカップリング剤、といった従来のセルロース用粉砕助剤とは異なる成分を用いることにより、その詳細な理由は不明であるが、添加剤とセルロースの親和性がよく、添加剤がセルロースの結晶内部まで浸透しやすくなって、粉砕力が伝わりやすくなることからセルロースの結晶内部からも構造を壊していくためであると推察される。ただし、これらの推測は、本発明を限定するものではない。なお、本明細書において、セルロースの結晶化度とは、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したセルロースI型結晶化指数のことであり、具体的には後述の実施例に記載の式により定義される。
本発明のセルロースの製造方法は、セルロースI型結晶化指数が10%以上100%未満であるセルロース含有原料100質量部に対して、後述する(A)、(B)、及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を0.1質量部以上100質量部以下添加し、乾式で粉砕処理する工程を含むことに特徴を有する。かかる製造方法により、セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であるセルロース含有粉末が得られる。本明細書において、当該セルロース含有粉末のことを低結晶性セルロースと記載する。
〔セルロース含有原料〕
本発明で用いられるセルロース含有原料は、セルロースI型結晶化指数が10%以上100%未満を充足すれば、特に限定はないが、セルロースと添加剤との混合性の観点から、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。安価に入手可能な観点から、該結晶化指数が、例えば50%以上のものを用いてもよい。具体的には、木本系(針葉樹・広葉樹)、草本系(イネ科、アオイ科、マメ科の植物原料、ヤシ科の植物の非木質原料)、パルプ類(綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等)、紙類(新聞紙、段ボール、雑誌、上質紙等)が例示される。
本発明においては、後述する添加剤存在下での粉砕処理により多段階の複雑な工程を経ずに簡便に低結晶性セルロースを得ることができることから、セルロース含有原料の大きさや形状は特に限定がない。例えば、繊維状、粉末状、球状、チップ状、フレーク状のものを用いることができる。また、これらの混合物であってもよい。あるいは、必要により、シュレッダー等の裁断機を利用して予め前記形状に整えたものであってもよい。具体的には、例えば、1辺が0.1〜70mm、好ましくは0.5〜70mm、より好ましくは1〜50mm、更に好ましくは1〜30mmの範囲内に含まれる大きさを有する前記形状のものが例示される。なお、セルロース含有原料の大きさは、ノギスを用いて測定することができる。
セルロース含有原料の組成は、特に限定されず、例えば、原料中のセルロース含有量としては、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上のものが例示される。また、入手性の観点から、上限は100質量%であり、99質量%以下が例示される。ここで、セルロース含有原料中のセルロース含有量とは、セルロース系原料中の水分を除いた残余の成分中のセルロース含有量のことである。
また、セルロース含有原料中の水分含有量としては、特に制限はなく、入手性及びコストの観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上のものが例示される。また、取扱い性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下のものを用いることができる。
本発明で用いられるセルロース含有原料は、乾燥処理を行なってもよい。その処理方法としては限定されず公知の乾燥方法を適宜選択すればよく、例えば、熱風受熱乾燥法、伝導受熱乾燥法、除湿空気乾燥法、冷風乾燥法、マイクロ波乾燥法、赤外線乾燥法、天日乾燥法、真空乾燥法、凍結乾燥法等が挙げられる。これらの乾燥方法は、単独でも又は2種以上組み合わせて行ってもよく、乾燥装置も乾燥方法に応じて適宜選択することができる。また、乾燥処理はバッチ処理、連続処理のいずれでも可能である。
乾燥処理における温度は、乾燥手段、乾燥時間等により一概には決定できないが、好ましくは10℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上である。また、好ましくは250℃以下、より好ましくは150℃以下である。処理時間としては、下限は0.01hr以上が好ましく、0.02hr以上がより好ましく、また、上限は2hr以下が好ましく、1hr以下がより好ましい。必要に応じて減圧下で乾燥処理を行ってもよく、圧力としては、1〜120kPa程度が例示される。
乾燥処理後のセルロース含有原料中の水分含有量としては、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.5質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。かかる水分量であれば、添加剤存在下での粉砕処理においても、ダマになることがなく良好に処理を行なうことができる。
なお、前記乾燥処理はセルロース含有原料の結晶性に影響しないため、乾燥処理後のセルロース含有原料の結晶化指数は、処理前の結晶化指数と比べて同程度の結晶化指数を有する。
〔添加剤〕
本発明では、(A)酸無水物を有する高分子化合物、(B)酸無水物を有する低分子化合物、及び(C)シランカップリング剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を用いる。2種以上用いる場合の組み合わせとしては、(A)の中で2種以上、(B)の中で2種以上、あるいは(C)の中で2種以上であってもよく、また、(A)と(B)の組み合わせ、(B)と(C)の組み合わせ、(A)と(C)の組み合わせ、及び(A)と(B)と(C)の組み合わせのいずれであってもよい。なかでも、セルロースとの親和性に加えて、樹脂に配合した場合の樹脂との親和性の観点から、(A)と(C)の組み合わせが好ましい。
(A)酸無水物を有する高分子化合物
(A)化合物における酸無水物としては、特に限定はなく、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸等を挙げることができる。
(A)化合物における高分子としては、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の樹脂を挙げることができ、配合する樹脂との親和性との観点からポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン系重合体[高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンと他の1種以上のビニル化合物(例えばα−オレフィン、酢酸ビニル、メタアクリル酸、アクリル酸等)との共重合体等]、プロピレン系重合体[ポリプロピレン、プロピレンと他の1種以上のビニル化合物との共重合体等]、エチレンプロピレン共重合体、ポリブテン及びポリ−4−メチルペンテン−1等が例示されるが、好ましくはプロピレン系重合体である。
(A)化合物の具体例としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィンが挙げられ、より具体的には、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
(A)化合物は、公知の方法に従って調製してもよく、市販品を用いてもよい。好適な市販品としては、例えば、三洋化成工業社製「ユーメックス」(無水マレイン酸を有するポリプロピレン)、アルケマ社製「OREVAC G」(無水マレイン酸を有するポリプロピレン)、アルケマ社製「ロタダー」(酸無水物を有するポリオレフィン系樹脂)、住友化学工業社製「ボンダイン」(酸無水物を有するポリオレフィン系樹脂)等が例示される。
(A)化合物の重量平均分子量(Mw)は、セルロースとの親和性の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは10,000以上、更に好ましくは20,000以上である。また、粉砕性の観点から、好ましくは150,000以下、より好ましくは140,000以下、更に好ましくは130,000以下である。本明細書において高分子化合物の重量平均分子量は後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
また、(A)化合物は、樹脂と複合化する際にセルロースの劣化を抑える観点から、融点が好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは180℃以下、更に好ましくは170℃以下であるものが好ましい。下限は特に限定されず、例えば、100℃程度である。本明細書において融点は後述の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
(B)酸無水物を有する低分子化合物
(B)化合物における酸無水物としては、特に限定はなく、(A)化合物における酸無水物と同様のものを例示することができる。
(B)化合物における低分子としては、炭化水素基を挙げることができる。
炭化水素基としては、例えば、鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、環式飽和炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が挙げられる。
鎖式飽和炭化水素基は、直鎖状又は分岐状であってもよい。鎖式飽和炭化水素基の炭素数は、粉砕性の観点から、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上が更に好ましく、15以上が更に好ましい。また、セルロースとの反応性の観点から、30以下が好ましく、24以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、18以下がより更に好ましい。
鎖式飽和炭化水素基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、オクタコサニル基等が挙げられる。なかでも、好ましくはプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、オクタコシル基であり、より好ましくはペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基である。
鎖式不飽和炭化水素基は、直鎖状又は分岐状であってもよい。鎖式不飽和炭化水素基の炭素数は、粉砕性の観点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上がより更に好ましい。また、セルロースとの反応性の観点から、30以下が好ましく、24以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、18以下がより更に好ましい。
鎖式不飽和炭化水素基の具体例としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、イソプレニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、オクタデセニル基が挙げられる。なかでも、好ましくはイソプレニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、オクタデセニル基であり、より好ましくはデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、オクタデセニル基である。
環式飽和炭化水素基の炭素数は、粉砕性の観点から、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上が更に好ましい。また、セルロースとの反応性の観点から、20以下が好ましく、16以下がより好ましく、12以下が更に好ましく、8以下がより更に好ましい。
環式飽和炭化水素基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられる。なかでも、好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基であり、より好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基である。
芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基及びアラルキル基からなる群より選ばれる。アリール基及びアラルキル基としては、芳香族環そのものが置換されたものでも非置換のものであってもよい。
前記アリール基の総炭素数は6以上であればよく、粉砕性の観点から、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは14以下、更に好ましくは12以下、更に好ましくは10以下である。
前記アラルキル基の総炭素数は7以上であり、粉砕性の観点から、好ましくは8以上であり、また、セルロースとの反応性の観点から、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは14以下、更に好ましくは13以下、更に好ましくは11以下である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基、フェニルオクチル基などが挙げられる。
前記した炭化水素基は置換基を有するものであってもよく、例えば、置換基を含めた炭化水素基全体の総炭素数が前記範囲内となるものが好ましい。置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルコキシ基の炭素数が1〜6のアルコキシ−カルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アセチル基、プロピオニル基等の炭素数1〜6のアシル基;アラルキル基;アラルキルオキシ基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;アルキル基の炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基が挙げられる。なお、前記した炭化水素基そのものが置換基として結合していてもよい。これらは1種単独で又は2種以上が任意の割合でそれぞれ導入されていてもよい。
(B)化合物の具体例としては、例えば、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸等のアルキル又はアルケニル無水コハク酸、ヘキサデシルグルタル酸無水物、オクタデシルグルタル酸無水物等のアルキル又はアルケニル無水グルタル酸が挙げられる。これらは、公知の方法に従って調製してもよく市販品を用いてもよい。アルキル、アルケニルの炭素数は、前述のとおり、粉砕性の観点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上がより更に好ましく、セルロースとの反応性の観点から、30以下が好ましく、24以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、18以下がより更に好ましい。
(B)化合物の分子量は、粉砕性の観点から、好ましくは50以上、より好ましくは100以上、更に好ましくは200以上である。また、セルロースとの親和性の観点から、好ましくは600以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは400以下である。本明細書において低分子化合物の分子量は構成原子の原子量に基づいて算出することができる。
(C)シランカップリング剤
(C)化合物としては、例えば、イソシアネートシラン、アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン、エポキシシラン等のカップリング剤が挙げられる。なかでも、セルロースとの反応性の観点から、イソシアネートシラン、アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシランのカップリング剤が好ましい。
イソシアネートシランとしては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
アミノシランとしては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、n−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプトシランとしては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
エポキシシランとしては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
添加剤の使用量は、樹脂に配合した際に剛性と靱性を両立する観点から、セルロース含有原料100質量部に対して、0.1質量部以上100質量部以下であるが、添加剤とセルロースの混合性を高め、樹脂に配合した際に剛性を向上させる観点から、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、また結晶性を低下させ、樹脂に配合した際に靱性を向上させる観点から、好ましくは75質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは25質量部以下、より更に好ましくは20質量部以下である。
添加剤の使用量は、樹脂に配合した際に剛性と靱性を両立する観点から、セルロース含有原料100質量部に対して、0.1質量部以上100質量部以下、好ましくは0.5質量部以上75質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上50質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上25質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは5質量部以上20質量部以下である。
2種以上の添加剤を用いる場合は、使用量とは合計量のことを意味する。
〔粉砕処理〕
前記したセルロース含有原料と添加剤を用いて、乾式で粉砕処理を行なう。本明細書において、添加剤存在下でセルロース含有原料を粉砕することを「混合粉砕」と称する。
乾式粉砕処理で用いる粉砕機としては、媒体式の粉砕機が好ましい。媒体式の粉砕機には容器駆動式粉砕機と媒体攪拌式粉砕機とがある。容器駆動式粉砕機としては転動ミル、振動ミル、遊星ミル、遠心流動ミル等が挙げられる。また、媒体攪拌式粉砕機としてはタワーミル等の塔型粉砕機;アトライター、アクアマイザー、サンドグラインダー等の攪拌槽型粉砕機;ビスコミル、パールミル等の流通槽型粉砕機;流通管型粉砕機;コボールミル等のアニュラー型粉砕機;連続式のダイナミック型粉砕機等が挙げられる。これらの粉砕機においては、ローターの周速度やサンプル供給スピード、攪拌時間等を適宜調整することで得られるセルロースの結晶性を制御することができる。
また、用いることができる媒体の材質としては、特に制限はなく、例えば、鉄、ステンレス、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、チッ化珪素、ガラス等が挙げられる。媒体の形状としては、特に制限はなく、ボール、ロッド、チューブ等が挙げられる。なお、ロッドとは棒状の媒体であり、ロッドの断面が四角形、六角形等の多角形、円形、楕円形等のものを用いることができる。
媒体の充填率は、粉砕機の機種や媒体の形状により好適な充填率が異なるが、例えば、ロッドの場合、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上であり、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下である。充填率がこの範囲内であれば、セルロース含有原料とロッドとの接触頻度が向上して、粉砕効率を向上させることができる。ここで充填率とは、粉砕機の攪拌部の容積に対する媒体の見かけの体積をいう。また、セルロース含有原料とロッドとの接触頻度を高め粉砕効率を向上させる観点から、ロッドは複数本使用することが好ましい。
処理時間としては、粉砕機の種類及び媒体の種類、大きさ、充填率等により、一概に決定できないが、結晶化度を低下させる観点から、好ましくは0.01hr以上、より好ましくは0.05hr以上、更に好ましくは0.1hr以上であり、生産性の観点から、好ましくは10hr以下、より好ましくは5hr以下、更に好ましくは2hr以下、さらに好ましくは1hr以下、より更に好ましくは0.5hr以下である。処理温度は、特に制限はないが、熱による劣化を防ぐ観点から、通常5〜250℃程度である。
粉砕処理工程前後でのセルロースのI型結晶化指数(A)の差[粉砕処理前のセルロースのI型結晶化指数(A)−粉砕処理後のセルロースのI型結晶化指数(A)]は、樹脂に配合した際に剛性と靱性を両立する観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上であり、粉砕効率の観点から、好ましくは120%以下、より好ましくは100%以下、さらに好ましくは90%以下である。これらの観点から、粉砕処理工程前後でのセルロースのI型結晶化指数(A)の差[粉砕処理前のセルロースのI型結晶化指数(A)−粉砕処理後のセルロースのI型結晶化指数(A)]が、好ましくは30〜120%、より好ましくは40〜100%、さらに好ましくは50〜90%である。
上記処理方法によれば、粉砕されたセルロース粒子同士の強い凝集を抑制し、低結晶性セルロースを効率的に、生産性よく製造することができる。また、粉砕機処理の際に、粉砕機の内部に低結晶性セルロース原料が固着せずに、乾式にて処理することができる。
かくして、結晶化度が低減された、セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であるセルロース含有粉末が得られる。結晶化度の低減度合いは、粉砕処理の条件や粉砕処理に供した原料によって一概には決定することができないが、得られたセルロース含有粉末のセルロースI型結晶化指数は、処理に供した原料のセルロースI型結晶化指数よりも小さいものとなっている。結晶化度が低減されたセルロース含有粉末のセルロースI型結晶化指数は、樹脂に配合した際に剛性を向上させる観点から、−20%以上が好ましく、−10%以上がより好ましく、0%以上がさらに好ましく、樹脂に配合した際に靱性を向上させる観点から、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましく、25%以下がよりさらに好ましく、樹脂に配合した際に剛性と靱性を両立する観点から、好ましくは−20%以上50%以下、より好ましくは−10%以上40%以下、更に好ましくは0%以上30%以下、より更に好ましくは0%以上25%以下である。
また、得られたセルロース含有粉末は、樹脂に配合した際に剛性と靱性を両立する観点から、粒度分布がシャープなものが好ましく、樹脂に配合した際に剛性を向上させる観点から、250μm超の粒径を有する粒子の含有量(「粒子割合」ともいう。)は、(得られたセルロース含有粉末の)全粉末中、50体積%以下が好ましく、45体積%以下がより好ましく、40体積%以下が更に好ましく、30体積%以下が更に好ましく、20体積%以下が更に好ましく、生産効率の観点から、0.1体積%以上が好ましく、1体積%以上がより好ましい。従って、250μm超の粒径を有する粒子の含有量は、全粉末中、0.1〜50体積%が好ましく、0.1〜45体積%がより好ましく、0.1〜40体積%が更に好ましく、0.1〜30体積%が更に好ましく、0.1〜20体積%がより好ましく、1〜20体積%が更に好ましい。
また、樹脂に配合した際に剛性を向上させる観点から、32μm以下の粒径を有する粒子の含有量は、全粉末中、30体積%以下が好ましく、25体積%以下がより好ましく、20体積%以下が更に好ましく、10体積%以下が更に好ましく、5体積%以下が更に好ましく、生産効率及び樹脂に配合した際に靱性を向上させる観点から0.01体積%以上が好ましく、0.1体積%以上が更に好ましく、0.3体積%以上がより更に好ましい。従って、32μm以下の粒径を有する粒子の含有量は、全粉末中、0.01〜30体積%が好ましく、0.01〜25体積%がより好ましく、0.01〜20体積%が更に好ましく、0.01〜10体積%が更に好ましく、0.01〜5体積%が更に好ましく、0.1〜5体積%が更に好ましく、0.3〜5体積%が更に好ましい。
また、樹脂に配合した際に剛性と靱性を両立する観点から、32μm超150μm以下の粒径を有する粒子の含有量は、全粉末中、40体積%以上が好ましく、45体積%以上がより好ましく、50体積%以上が更に好ましく、生産効率の観点から、98体積%以下が好ましく、95体積%以下がより好ましく、90体積%以下が更に好ましく、これらの観点から、40〜98体積%が好ましく、45〜95体積%がより好ましく、50〜90体積%が更に好ましい。
また、樹脂に配合した際に剛性と靱性を両立する観点から、32μm超250μm以下の粒径を有する粒子の含有量は、全粉末中、40体積%以上が好ましく、45体積%以上がより好ましく、50体積%以上が更に好ましく、60体積%以上が更に好ましく、生産効率の観点から、98体積%以下が好ましく、95体積%以下がより好ましく、90体積%以下が更に好ましく、これらの観点から、40〜98体積%が好ましく、45〜95体積%がより好ましく、50〜90体積%が更に好ましく、60〜90体積%が更に好ましい。
得られたセルロース含有粉末のメジアン径は、樹脂に配合した際に剛性と靱性を両立する観点から、全粉末中、好ましくは32μm以上、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは80μm以上、より好ましくは100μm以上であり、同様の観点から、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは250μm以下、より更に好ましくは200μm以下が好ましく、32〜400μmが好ましく、50〜300μmがより好ましく、80〜250μmが更に好ましく、100〜200μmが更に好ましい。上述の粒度分布やメジアン径は、実施例記載の方法により求めることができる。
本発明により、複雑な工程を経ずに、添加剤を含んだ低結晶性のセルロースを簡便に製造することができる。
本発明のセルロース含有粉末は、セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であり、セルロース含有原料100質量部に対して、下記(A)、(B)、及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を0.1質量部以上100質量部以下含有してなるものである。
(A)酸無水物を有する高分子化合物
(B)酸無水物を有する低分子化合物
(C)シランカップリング剤
本発明のセルロース含有粉末は、セルロース含有粉末全体における、粒径が32μm以下の粒子割合が10体積%以下であるものが好ましい。さらに本発明のセルロース含有粉末は、セルロース含有粉末の32μm超150μm以下の粒径を有する粒子の含有量が、全粉末中、40体積%以上であるものが好ましい。
本発明のセルロース含有粉末は、例えば前述の本発明の製造方法によって製造することが可能であり、各成分の詳細や性質、数値の具体例や数値範囲は前述の本発明の製造方法におけるそれらと同様である。
本発明より得られた低結晶性セルロース及び本発明のセルロース含有粉末は、従来用いていたセルロースの代替として用いることが可能であり、各種樹脂やゴム、アスファルト等に配合して、工作機械部品、家電部品、自動車部品、タイヤ等各種用途に好適に用いることができる。
本発明より得られた低結晶性セルロース、及び本発明のセルロース含有粉末が配合可能な樹脂としては、ポリエチレン(PE樹脂)、ポリプロピレン(PP樹脂)、ポリスチレン(PS樹脂)、ポリ酢酸ビニル(PVAc樹脂)、ポリ塩化ビニル(PVC樹脂)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC樹脂)、ポリアクリル酸(PA樹脂)、ポリアクリル酸エステル(PAE樹脂)、ポリブタジエン(PB樹脂)、ポリイソプレン(PIP樹脂)、及びポリクロロプレン(PCP樹脂)等から選ばれる一種以上が好ましく、ポリプロピレン樹脂がより好ましい。
樹脂と低結晶性セルロース、即ち樹脂と本発明のセルロース含有粉末との配合比率としては、樹脂100質量部に対して低結晶性セルロース又は本発明のセルロース含有粉末5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましく、70質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下さらに好ましく、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは5〜40質量部、より更に好ましくは5〜30質量部、より更に好ましくは10〜30質量部、より更に好ましくは15〜30質量部である。
上述した実施形態に関し、本発明は、さらに以下のセルロース含有粉末の製造方法及びセルロース含有粉末を開示する。
<1> セルロースI型結晶化指数が10%以上100%未満であるセルロース含有原料100質量部に対して、下記(A)、(B)、及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を0.1質量部以上100質量部以下添加し、乾式で粉砕処理する工程を含む、セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であるセルロース含有粉末の製造方法。
(A)酸無水物を有する高分子化合物
(B)酸無水物を有する低分子化合物
(C)シランカップリング剤
<2> セルロース含有原料のセルロースI型結晶化指数が、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である、前記<1>記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<3> セルロース含有原料100質量部に対して、添加剤の使用量が、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上である、前記<1>又は<2>記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<4> セルロース含有原料100質量部に対して、添加剤の使用量が、好ましくは75質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下である、前記<1>〜<3>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<5> セルロース含有原料100質量部に対して、添加剤の使用量が、好ましくは0.5質量部以上75質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上50質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上25質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは5質量部以上20質量部以下である、前記<1>〜<4>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<6> 原料中のセルロース含有量が、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である、前記<1>〜<5>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<7> 原料中のセルロース含有量が、上限が好ましくは100質量%であり、99質量%以下がより好ましい、前記<1>〜<6>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<8> セルロース含有原料中の水分含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上である、前記<1>〜<7>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<9> セルロース含有原料中の水分含有量が、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である、前記<1>〜<8>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<10> 乾燥処理後のセルロース含有原料中の水分含有量が、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、さらに好ましくは3.5質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下である、前記<1>〜<9>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<11> 添加剤を2種以上用いる場合の組み合わせが、(A)の中で2種以上、(B)の中で2種以上、(C)の中で2種以上、(A)と(B)の組み合わせ、(B)と(C)の組み合わせ、(A)と(C)の組み合わせ、及び(A)と(B)と(C)の組み合わせが好ましい、前記<1>〜<10>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<12> 添加剤が(A)及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい、前記<1>〜<11>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<13> (A)化合物における酸無水物が、好ましくは無水マレイン酸、無水コハク酸及び無水グルタル酸である、前記<1>〜<12>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<14> (A)化合物における高分子が、好ましくはポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂及びスチレン系樹脂である、前記<1>〜<13>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<15> ポリオレフィン系樹脂が、好ましくはエチレン系重合体[高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンと他の1種以上のビニル化合物(例えばα−オレフィン、酢酸ビニル、メタアクリル酸、アクリル酸等)との共重合体等]、プロピレン系重合体[ポリプロピレン、プロピレンと他の1種以上のビニル化合物との共重合体等]、エチレンプロピレン共重合体、ポリブテン及びポリ−4−メチルペンテン−1である、前記<1>〜<14>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<16> (A)化合物の重量平均分子量が、好ましくは1,000以上、より好ましくは5,000以上、さらに好ましくは10,000以上、さらに好ましくは20,000以上である、前記<1>〜<15>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<17> (A)化合物の重量平均分子量が、好ましくは150,000以下、より好ましくは140,000以下、さらに好ましくは130,000以下である、前記<1>〜<16>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<18> (A)化合物の融点が、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下、さらに好ましくは170℃以下である、前記<1>〜<17>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<19> (A)化合物の融点の好ましい下限が100℃である、前記<1>〜<18>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<20> (A)化合物が、好ましくは無水マレイン酸変性ポリオレフィンであり、より好ましくは無水マレイン酸変性ポリプロピレンである、前記<1>〜<19>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<21> (B)化合物における酸無水物が、好ましくは無水マレイン酸、無水コハク酸及び無水グルタル酸である、前記<1>〜<20>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<22> (B)化合物における低分子が、好ましくは炭化水素基であり、より好ましくは鎖式飽和炭化水素基、鎖式不飽和炭化水素基、環式飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基である、前記<1>〜<21>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<23> 鎖式飽和炭化水素基の炭素数が、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、10以上がさらに好ましく、15以上がさらに好ましい、前記<1>〜<22>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<24> 鎖式飽和炭化水素基の炭素数が、30以下が好ましく、24以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、18以下がさらに好ましい、前記<1>〜<23>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<25> 鎖式飽和炭化水素基が、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、オクタコサニル基等である、前記<1>〜<24>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<26> 鎖式不飽和炭化水素基の炭素数が、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、10以上がさらに好ましい、前記<1>〜<25>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<27> 鎖式不飽和炭化水素基の炭素数が、30以下が好ましく、24以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、18以下がさらに好ましい、前記<1>〜<26>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<28> 鎖式不飽和炭化水素基が、好ましくはエテニル基、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、イソプレニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、オクタデセニル基である、前記<1>〜<27>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<29> 環式飽和炭化水素基の炭素数が、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上がさらに好ましい、前記<1>〜<28>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<30> 環式飽和炭化水素基の炭素数が、20以下が好ましく、16以下がより好ましく、12以下がさらに好ましく、8以下がさらに好ましい、前記<1>〜<29>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<31> 環式飽和炭化水素基が、好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロオクタデシル基である、前記<1>〜<30>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<32> 芳香族炭化水素基が、好ましくはアリール基及びアラルキル基からなる群より選ばれるものである、前記<1>〜<31>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<33> アリール基の総炭素数が、好ましくは6以上である、前記<1>〜<32>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<34> アリール基の総炭素数が、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下である、前記<1>〜<33>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<35> アラルキル基の総炭素数が、好ましくは7以上、より好ましくは8以上である、前記<1>〜<34>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<36> アラルキル基の総炭素数が、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは14以下、さらに好ましくは13以下、さらに好ましくは11以下である、前記<1>〜<35>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<37> アリール基が、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、トリフェニル基及びターフェニル基であり、アラルキル基が、好ましくはベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基及びフェニルオクチル基である、前記<1>〜<36>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<38> 炭化水素基が置換基を有するものであり、その置換基が、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルコキシ基の炭素数が1〜6のアルコキシ−カルボニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アセチル基、プロピオニル基等の炭素数1〜6のアシル基;アラルキル基;アラルキルオキシ基;炭素数1〜6のアルキルアミノ基;アルキル基の炭素数が1〜6のジアルキルアミノ基である、前記<1>〜<37>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<39> (B)化合物の分子量が、好ましくは50以上、より好ましくは100以上、さらに好ましくは200以上である、前記<1>〜<38>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<40> (B)化合物の分子量が、好ましくは600以下、より好ましくは500以下、さらに好ましくは400以下である、前記<1>〜<39>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<41> (B)化合物が、好ましくはアルキル又はアルケニル無水コハク酸及びアルキル又はアルケニル無水グルタル酸から選ばれる一種以上であり、より好ましくはドデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸、ヘキサデシルグルタル酸無水物及びオクタデシルグルタル酸無水物である、前記<1>〜<40>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<42> (C)化合物が、好ましくはイソシアネートシラン、アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン及びエポキシシラン等のカップリング剤である、前記<1>〜<41>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<43> イソシアネートシランが、好ましくは3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン及びトリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートであり、アミノシランが、好ましくはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン及びn−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシランであり、メルカプトシランが、好ましくは3−メルカプトプロピルトリメトキシシランであり、エポキシシランが、好ましくは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランである、前記<1>〜<42>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<44> 乾式粉砕処理を好ましくは媒体式粉砕機で行う、前記<1>〜<43>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<45> 媒体式粉砕機が好ましくは容器駆動式粉砕機及び媒体攪拌式粉砕機である、前記<1>〜<44>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<46> 容器駆動式粉砕機が、好ましくは転動ミル、振動ミル、遊星ミル、遠心流動ミルである、前記<1>〜<45>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<47> 媒体攪拌式粉砕機が、好ましくはタワーミル等の塔型粉砕機;アトライター、アクアマイザー、サンドグラインダー等の攪拌槽型粉砕機;ビスコミル、パールミル等の流通槽型粉砕機;流通管型粉砕機;コボールミル等のアニュラー型粉砕機;連続式のダイナミック型粉砕機である、前記<1>〜<46>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<48> 粉砕処理の処理時間が、好ましくは0.01hr以上、より好ましくは0.05hr以上、さらに好ましくは0.1hr以上である、前記<1>〜<47>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<49> 粉砕処理の処理時間が、好ましくは10hr以下、より好ましくは5hr以下、さらに好ましくは2hr以下、さらに好ましくは1hr以下、より更に好ましくは0.5hr以下である、前記<1>〜<48>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<50> 粉砕処理の処理温度が、好ましくは5℃以上である、前記<1>〜<49>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<51> 粉砕処理の処理温度が、好ましくは250℃以下である、前記<1>〜<50>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<52> 製造されたセルロース含有粉末のセルロースI型結晶化指数が、−20%以上が好ましく、−10%以上がより好ましく、0%以上がさらに好ましい、前記<1>〜<51>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<53> 製造されたセルロース含有粉末のセルロースI型結晶化指数が、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましく、25%以下がよりさらに好ましい、前記<1>〜<52>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<54> 製造されたセルロース含有粉末のセルロースI型結晶化指数が、好ましくは−20%以上50%以下、より好ましくは−10%以上40%以下、更に好ましくは0%以上30%以下、より更に好ましくは0%以上25%以下である、前記<1>〜<53>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<55> 製造されたセルロース含有粉末全体における、粒径が32μm以下の粒子割合が、30体積%以下が好ましく、25体積%以下がより好ましく、20体積%以下がさらに好ましく、10体積%以下がさらに好ましく、5体積%以下がさらに好ましい、前記<1>〜<54>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<56> 製造されたセルロース含有粉末全体における、粒径が32μm以下の粒子割合が、0.01体積%以上が好ましく、0.1体積%以上が更に好ましく、0.3体積%以上がより更に好ましい、前記<1>〜<55>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<57> 製造されたセルロース含有粉末全体における、32μm以下の粒径を有する粒子の含有量は、全粉末中、0.01〜30体積%が好ましく、0.01〜25体積%がより好ましく、0.01〜20体積%が更に好ましく、0.01〜10体積%が更に好ましく、0.01〜5体積%が更に好ましく、0.1〜5体積%が更に好ましく、0.3〜5体積%が更に好ましい、前記<1>〜<56>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<58> 製造されたセルロース含有粉末全体における、250μm超の粒径を有する粒子の含有量が、(得られたセルロース含有粉末の)全粉末中、50体積%以下が好ましく、45体積%以下がより好ましく、40体積%以下がさらに好ましく、30体積%以下がさらに好ましく、20体積%以下がさらに好ましい、前記<1>〜<57>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<59> 製造されたセルロース含有粉末全体における、250μm超の粒径を有する粒子の含有量が、(得られたセルロース含有粉末の)全粉末中、0.1体積%以上が好ましく、1体積%以上がより好ましい、前記<1>〜<58>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<60> 製造されたセルロース含有粉末全体における、250μm超の粒径を有する粒子の含有量は、全粉末中、0.1〜50体積%が好ましく、0.1〜45体積%がより好ましく、0.1〜40体積%が更に好ましく、0.1〜30体積%が更に好ましく、0.1〜20体積%がより好ましく、1〜20体積%が更に好ましい、前記<1>〜<59>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<61> 製造されたセルロース含有粉末全体における、粒径が32μm超150μm以下の粒子割合が、40体積%以上が好ましく、45体積%以上がより好ましく、50体積%以上がさらに好ましい、前記<1>〜<60>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<62> 製造されたセルロース含有粉末全体における、粒径が32μm超150μm以下の粒子割合が、98体積%以下が好ましく、95体積%以下がより好ましく、90体積%以下がさらに好ましい、前記<1>〜<61>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<63> 製造されたセルロース含有粉末全体における、粒径が32μm超150μm以下の粒子割合が、40〜98体積%が好ましく、45〜95体積%がより好ましく、50〜90体積%が更に好ましい、前記<1>〜<62>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<64> 製造されたセルロース含有粉末が配合可能な樹脂が、好ましくはポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂及びポリクロロプレン樹脂から選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリプロピレン樹脂である、前記<1>〜<63>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<65> 樹脂と製造されたセルロース含有粉末との配合比率が、樹脂100質量部に対して、製造されたセルロース含有粉末5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましい、前記<1>〜<64>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<66> 樹脂と、製造されたセルロース含有粉末との配合比率が、樹脂100質量部に対して、製造されたセルロース含有粉末70質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下がさらに好ましい、前記<1>〜<65>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<67> 得られた成型体の引張弾性率(GPa)が、好ましくは1.9GPa以上である、前記<1>〜<66>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<68> 得られた成型体の引張破断歪(%)が、樹脂の種類がPPからなる場合は好ましくは4%以上であり、樹脂の種類がPEからなる場合は好ましくは50%以上である、前記<1>〜<67>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<69> 得られた成型体の降伏点応力(MPa)が、樹脂の種類がPPからなる場合は好ましくは35MPa以上であり、樹脂の種類がPEからなる場合は好ましくは11MPa以上である、前記<1>〜<68>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<70> 粉砕処理工程前後でのセルロースのI型結晶化指数(A)の差[粉砕処理前のセルロースのI型結晶化指数(A)−粉砕処理後のセルロースのI型結晶化指数(A)]が、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上である、前記<1>〜<69>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<71> 粉砕処理工程前後でのセルロースのI型結晶化指数(A)の差が、好ましくは120%以下、より好ましくは100%以下、さらに好ましくは90%以下である、前記<1>〜<70>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<72> 粉砕処理工程前後でのセルロースのI型結晶化指数(A)の差[粉砕処理前のセルロースのI型結晶化指数(A)−粉砕処理後のセルロースのI型結晶化指数(A)]が、好ましくは30〜120%、より好ましくは40〜100%、さらに好ましくは50〜90%である、前記<1>〜<71>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<73> 製造されたセルロース含有粉末全体における、32μm超250μm以下の粒径を有する粒子の含有量が、全粉末中、40体積%以上が好ましく、45体積%以上がより好ましく、50体積%以上が更に好ましく、60体積%以上が更に好ましい、前記<1>〜<72>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<74> 製造されたセルロース含有粉末全体における、32μm超250μm以下の粒径を有する粒子の含有量が、全粉末中、98体積%以下が好ましく、95体積%以下がより好ましく、90体積%以下が更に好ましい、前記<1>〜<73>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<75> 製造されたセルロース含有粉末全体における、32μm超250μm以下の粒径を有する粒子の含有量が、40〜98体積%が好ましく、45〜95体積%がより好ましく、50〜90体積%が更に好ましく、60〜90体積%が更に好ましい、前記<1>〜<74>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法。
<76> セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であり、セルロース含有原料100質量部に対して、下記(A)、(B)、及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を0.1質量部以上100質量部以下含有してなる、セルロース含有粉末。
(A)酸無水物を有する高分子化合物
(B)酸無水物を有する低分子化合物
(C)シランカップリング剤
<77> 前記<1>〜<75>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末の製造方法によって製造された、前記<76>に記載のセルロース含有粉末。
<78> セルロース含有粉末のセルロースI型結晶化指数が、−10%以上が好ましく、0%以上がより好ましい、前記<76>又は<77>に記載のセルロース含有粉末。
<79> セルロース含有粉末のセルロースI型結晶化指数が、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましく、25%以下がよりさらに好ましい、前記<76>〜<78>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<80> セルロース含有粉末のセルロースI型結晶化指数が、好ましくは−20%以上50%以下、より好ましくは−10%以上40%以下、更に好ましくは0%以上30%以下、より更に好ましくは0%以上25%以下である、前記<76>〜<79>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<81> 添加剤が、セルロース含有原料100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上である、前記<76>〜<80>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<82> 添加剤が、セルロース含有原料100質量部に対して、好ましくは75質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下である、前記<76>〜<81>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<83> セルロース含有原料100質量部に対して、添加剤の使用量が、好ましくは0.5質量部以上75質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上50質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上25質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは5質量部以上20質量部以下である、前記<76>〜<82>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<84> セルロース含有粉末全体における、粒径が32μm以下の粒子割合が、30体積%以下が好ましく、25体積%以下がより好ましく、20体積%以下がさらに好ましく、10体積%以下がさらに好ましく、5体積%以下がさらに好ましい、前記<76>〜<83>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<85> セルロース含有粉末全体における、粒径が32μm以下の粒子割合が、0.01体積%以上が好ましく、0.1体積%以上が更に好ましく、0.3体積%以上がより更に好ましい、前記<76>〜<84>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<86>セルロース含有粉末全体における、32μm以下の粒径を有する粒子の含有量は、全粉末中、0.01〜30体積%が好ましく、0.01〜25体積%がより好ましく、0.01〜20体積%が更に好ましく、0.01〜10体積%が更に好ましく、0.01〜5体積%が更に好ましく、0.1〜5体積%が更に好ましく、0.3〜5体積%が更に好ましい、前記<76>〜<85>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<87> セルロース含有粉末全体における、250μm超の粒径を有する粒子の含有量が、(得られたセルロース含有粉末の)全粉末中、50体積%以下が好ましく、45体積%以下がより好ましく、40体積%以下がさらに好ましく、30体積%以下がさらに好ましく、20体積%以下がさらに好ましい、前記<76>〜<86>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<88> セルロース含有粉末全体における、250μm超の粒径を有する粒子の含有量が、0.1体積%以上が好ましく、1体積%以上がより好ましい、前記<76>〜<87>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<89> セルロース含有粉末全体における、250μm超の粒径を有する粒子の含有量は、0.1〜50体積%が好ましく、0.1〜45体積%がより好ましく、0.1〜40体積%が更に好ましく、0.1〜30体積%が更に好ましく、0.1〜20体積%がより好ましく、1〜20体積%が更に好ましい、前記<76>〜<88>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<90> セルロース含有粉末全体における、32μm超250μm以下の粒径を有する粒子の含有量が、40体積%以上が好ましく、45体積%以上がより好ましく、50体積%以上が更に好ましく、60体積%以上が更に好ましい、前記<76>〜<89>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<91> セルロース含有粉末全体における、32μm超250μm以下の粒径を有する粒子の含有量が、98体積%以下が好ましく、95体積%以下がより好ましく、90体積%以下が更に好ましい、前記<76>〜<90>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<92> セルロース含有粉末全体における、32μm超250μm以下の粒径を有する粒子の含有量が、40〜98体積%が好ましく、45〜95体積%がより好ましく、50〜90体積%が更に好ましく、60〜90体積%が更に好ましい、前記<76>〜<91>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<93> セルロース含有粉末全体における、粒径が32μm超150μm以下の粒子割合が、40体積%以上が好ましく、45体積%以上がより好ましく、50体積%以上がさらに好ましい、前記<76>〜<92>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<94> セルロース含有粉末全体における、粒径が32μm超150μm以下の粒子割合が、98体積%以下が好ましく、95体積%以下がより好ましく、90体積%以下がさらに好ましい、前記<76>〜<93>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<95> セルロース含有粉末全体における、粒径が32μm超150μm以下の粒子割合が、40〜98体積%が好ましく、45〜95体積%がより好ましく、50〜90体積%が更に好ましい、前記<76>〜<94>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<96> セルロース含有粉末が配合可能な樹脂が、好ましくはポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂及びポリクロロプレン樹脂から選ばれる一種以上であり、より好ましくはポリプロピレン樹脂である、前記<76>〜<95>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
<97> 前記樹脂とセルロース含有粉末との混合比率が、樹脂100質量部に対して、セルロース含有粉末5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましい、前記<96>に記載のセルロース含有粉末。
<98> 前記樹脂とセルロース含有粉末との混合比率が、樹脂100質量部に対して、セルロース含有粉末70質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下さらに好ましい、前記<96>又は<97>に記載のセルロース含有粉末。
<99> 前記樹脂とセルロース含有粉末との混合比率が、樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは5〜40質量部、より更に好ましくは5〜30質量部、より更に好ましくは10〜30質量部、より更に好ましくは15〜30質量部である、前記<96>〜<98>いずれか1項に記載のセルロース含有粉末。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。例中の部は、特記しない限り質量部である。なお、「常圧(大気圧)」とは101.3kPaを示す。
〔セルロース含有粉末の粒度分布〕
セルロース含有粉末の粒度は篩分級により測定し、電磁篩AS−200(レッツェ社製)を用いて、それぞれJIS Z 8801に規定される250μmの試験用篩、150μmの試験用篩、32μmの試験用篩で分級して粒度分布を測定し、250μmの試験用篩に残った粉末を粒径が「250μm超の粒子」、150μmの試験用篩を通過し、かつ、32μmの試験用篩に残った粉末を粒径が「32μm超150μm以下の粒子」、32μmの試験用篩を通過した粉末を粒径が「32μm以下の粒子」とする。さらに、粒径が「32μm超250μm以下の粒子」の粒子割合(体積%)は、セルロース含有粉末全体を100体積%とし、100体積%−(「250μm超の粒子」の体積%)−(「32μm以下の粒子」の体積%)で求められる値とする。なお、前記の各試験用篩は、株式会社飯田製作所製の実用新案型とする。
〔セルロースの結晶構造の確認〕
セルロースの結晶構造は、リガク社製の「MiniFlex600」を用いて以下の条件で測定することにより確認する。測定条件は、X線源:Cu/Kα−radiation、管電圧:30kv、管電流:15mA、測定範囲:回折角2θ=5〜35°、X線のスキャンスピード:40°/minとする。測定用サンプルは面積320mm×厚さ1mmのペレットを圧縮し作製する。また、セルロースI型結晶構造の結晶化度は得られたX線回折強度を、以下の式(A)に基づいて算出する。
セルロースI型結晶化指数(%)=[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100 (A)
〔式中、I22.6はX線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5はアモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
〔セルロースの水分含有量〕
赤外線加熱乾燥質量測定装置(島津製作所製、MOC−120H)を用いて、サンプル1gに対して150℃恒温で30秒ごとの測定を行い、直前の測定値からの重量減少が0.1%以下となった時点での、初期値からの重量減少値を水分含有量とする。
〔添加剤の融点〕
融点は、DSC装置(パーキンエルマー社製、ダイアモンドDSC)を用い、昇温速度10℃/分で20℃から500℃まで昇温して測定を行う。
〔添加剤の重量平均分子量〕
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、下記の測定条件で測定する。
<測定条件>
カラム:昭和電工社製 Shodex HT−806M×1本+Shodex HT−803×2本
カラム温度:130℃
検出器:RI
溶離液:o−ジクロロベンゼン
流速:1.0mL/min
サンプル濃度:1mg/mL
注入量:0.1mL
換算標準:ポリスチレン
〔セルロース含有粉末のメジアン径〕
セルロース含有粉末について、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、型番:LS13 320)を用いて乾式で平均粒
径(体積基準のメジアン径)を測定する。
実施例1〜5、比較例3
(セルロース処理)
〔裁断処理〕
セルロース含有原料であるシート状木材パルプ〔テンベック社製「HV+」、800mm×600mm×1.0mm、結晶化指数81%、α−セルロース含有量96質量%、水分含量8.0質量%〕を、スリッターカッターであるシートペレタイザ〔ホーライ社製「SG(E)−220」〕にかけ、約3mm×1.5mm×1.0mmの大きさの直方体に裁断した。
〔乾燥処理〕
裁断処理により得られたチップ状のセルロース含有原料を、2軸横型攪拌乾燥機〔奈良機械製作所社製、2軸パドルドライヤー「NPD−1.6W(1/2)」〕を用いて乾燥した。乾燥温度は140℃とし、あらかじめ前記原料を8kg仕込み、大気圧下において60分間バッチ処理で乾燥して、前記原料の水分含量を0.8質量%とした。その後、装置を2°傾け、連続処理にて前記原料を乾燥した。このとき前記原料の供給速度は18kg/hであった。連続処理で得られた乾燥した前記原料の水分含量も0.8質量%であった。得られた乾燥処理後の前記原料は、保管中の吸湿を防ぐため、粉砕処理の直前までアルミニウム製の袋で保管した。X線回折強度から算出した乾燥処理後の前記原料のセルロースのI型結晶化指数は81%であった。
〔粉砕処理〕
バッチ式振動ミル〔中央化工機社製「MB−1」、容器内径142mm、容器内部の円柱形の空間の軸方向長さ220mm、容器容量3.6L〕の容器内部に、直径30mm、長さ211mmのステンレス製の円柱状媒体を13本配置し粉砕を行った。乾燥処理により得られたチップ状のセルロース含有原料(見かけ比重(固め)0.18g/mL)100質量部に対して、表1及び表2に記載の添加剤を表1及び表2に示す量添加し、表1及び表2に記載の時間、振動ミルは振幅8mm、振動数20Hzの条件で運転して粉砕し、低結晶性セルロースを得た。なお、容器内部におけるセルロース含有原料と添加剤の合計質量は100gであった。
(樹脂組成物)
表1及び表2に示す組成物原料、即ち低結晶性セルロースと樹脂を表1及び表2に示すように組み合わせて、混練機(東洋精機製作所製、ラボプラストミル)を用いて、回転数90rpm、200℃で8分間溶融混練して、樹脂組成物を得た。
(成型体)
得られた樹脂組成物を、射出成形機(日本製鋼所社製 J110AD−180H、シリンダー温度設定6箇所)を用いて射出成形した。シリンダー温度をノズル先端側から5ユニット目までを270℃、残りの1ユニットを230℃、ホッパー下を45℃に設定した。金型温度は80℃に設定し、平板試験片(127mm×12.7mm×1.6mm)を成形し、樹脂組成物の成型体を得た。
実施例6
原料セルロースとして、チップ状のセルロース含有原料に替えて、粉末セルロース(メジアン径31.4μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粉砕処理を行い、表1に示す組成物原料を用いて、実施例1と同様にして樹脂組成物及びその成型体を得た。
比較例1〜2
実施例2又は実施例5のセルロース処理において、添加剤を添加せずに粉砕処理を行なった。次いで、組成物原料としての、粉砕処理されたセルロース(表2中の「非混合粉砕セルロース」)、樹脂及び添加剤を表2に示すように用いて、実施例1と同様にして樹脂組成物及びその成型体を得た。
比較例4
原料セルロースとして、チップ状のセルロース含有原料に替えて、実施例1に使用したチップをさらにコーヒーミルで繊維状に粉砕したものを用いた。また、粉砕装置として、遊星ボールミル(フリッチュ製のP−6型、φ10mmのアルミナボール100個を媒体とし、粉砕物の合計が40g)を用い、回転数250rpm、50min粉砕、10min停止を24サイクル繰り返して粉砕処理を行い、表2に示す組成物原料を用いて、実施例1と同様にして樹脂組成物及びその成型体を得た。
なお、表1及び表2における原料は以下の通りである。
<添加剤>
ユーメックス1001:三洋化成工業社製、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、重量平均分子量40,000、融点142℃
OREVAC G CA 100:アルケマ社製、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、重量平均分子量116,000、融点161℃
ASAN−PT:花王社製、ドデセニル無水コハク酸、分子量266
Z−6011:東レダウコーニング(株)製、3−アミノプロピルトリエトキシシラン
<樹脂>
PP:ポリプロピレン樹脂、日本ポリプロ社製、商品名:ノバテックPP EA9
PE:ポリエチレン樹脂、日本ポリエチレン社製、商品名:ノバテックLL UF641
得られた成型体の特性を、下記の試験例1の方法に従って評価した。結果を表1及び表2に示す。
試験例1
25℃の恒温室において、得られた成型体を5個用いて、引っ張り試験を行い、引張弾性率(GPa)、引張破断歪(%)および降伏点応力(MPa)を調べた。なお、引っ張り試験には、SHIMADZU社製 オートグラフ精密万能試験機(AGS−10kNX)を用い、JIS K7127に従って、1サンプルにつき5点試験を行って平均値を測定値とし、サンプル5個の測定値を平均化したものを算出した。なお、構成樹脂の組成によって一概には決定することができないが、引張弾性率は樹脂の種類がPPからなる場合1.9GPa以上であれば優れた剛性を示し、降伏点応力は樹脂の種類がPPからなる場合35MPa以上、PEからなる場合11MPa以上、引張破断歪は樹脂の種類がPPからなる場合4%以上、PEからなる場合50%以上であれば優れた靱性を示すものと判断することができる。
Figure 2018104701
Figure 2018104701
(注1):比較例4に記載のサイクルを実施した。
(注2):粗大粒子が存在したため、メジアン径を測定することができなかった。
(注3):樹脂組成物表面に粗大粒子が確認され、製品としての外観が劣悪だったため成形体の評価を行わなかった。
表1及び表2より、実施例2と比較例1の対比、ならびに、実施例5と比較例2の対比より、樹脂組成物の組成が同じであっても、添加剤の存在下でのセルロースの粉砕処理がある実施例2又は実施例5の方が、樹脂組成物の成形体の剛性が高く、かつ、靱性にも優れることが分かる。比較例3においては、粉砕処理後のセルロースI型結晶化指数が50%以上であるものを調製するために、粉砕時間を実施例よりも短くした。その結果、比較例3では、粉砕後の粉末は粗く、装置内で詰りが発生したためメジアン径は測定できなかった。また、樹脂と複合化したものは樹脂表面に目視で確認できる粗大な粒子が見られた。
本発明の製造方法により得られるセルロース含有粉末は、日用雑貨品、家電部品、自動車部品等の様々な工業用途に好適に使用することができる。

Claims (12)

  1. セルロースI型結晶化指数が10%以上100%未満であるセルロース含有原料100質量部に対して、下記(A)、(B)、及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を0.1質量部以上100質量部以下添加し、乾式で粉砕処理する工程を含む、セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であるセルロース含有粉末の製造方法。
    (A)酸無水物を有する高分子化合物
    (B)酸無水物を有する低分子化合物
    (C)シランカップリング剤
  2. 添加剤が(A)及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項1記載の製造方法。
  3. 乾式粉砕処理を媒体式粉砕機で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 製造するセルロース含有粉末全体における、粒径が32μm以下の粒子割合が10体積%以下である請求項1〜3いずれかに記載の製造方法。
  5. セルロース含有原料のセルロースI型結晶化指数が50%以上である、請求項1〜4いずれかに記載の製造方法。
  6. 製造するセルロース含有粉末全体における、粒径が32μm超250μm以下の粒子割合が40体積%以上である、請求項1〜5いずれかに記載の製造方法。
  7. (A)化合物が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンである、請求項1〜6いずれかに記載の製造方法。
  8. (B)化合物が、アルキル又はアルケニル無水コハク酸及びアルキル又はアルケニル無水グルタル酸から選ばれる一種以上である、請求項1〜7いずれかに記載の製造方法。
  9. (C)化合物が、イソシアネートシラン、アミノシラン、メルカプトシラン、及びエポキシシランから選ばれる一種以上である、請求項1〜8いずれかに記載の製造方法。
  10. セルロースI型結晶化指数が−20%以上50%未満であり、セルロース含有原料100質量部に対して、下記(A)、(B)、及び(C)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の添加剤を0.1質量部以上100質量部以下含有してなる、セルロース含有粉末。
    (A)酸無水物を有する高分子化合物
    (B)酸無水物を有する低分子化合物
    (C)シランカップリング剤
  11. セルロース含有粉末全体における、粒径が32μm以下の粒子割合が10体積%以下である、請求項10に記載のセルロース含有粉末。
  12. セルロース含有粉末全体における、粒径が32μm超250μm以下の粒子割合が40体積%以上である、請求項10又は11に記載のセルロース含有粉末。
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