JP2018103093A - 排ガス浄化触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】リーンバーンシステムにおいて、耐熱性及びHC浄化性の両方を兼ね備えた排ガス浄化触媒の提供。【解決手段】アルミナ及びマグネシウムを含む担体と、前記担体に担持されたPdと、を含むリーンバーンシステム用の排ガス中の炭化水素を浄化するための排ガス浄化触媒であって、マグネシウムの量が、酸化マグネシウム換算で、前記担体総重量に基づいて、3重量%〜10重量%である。排ガス浄化触媒は、Pdを含み、Pdは、PdOの微粒子形態で、担体に担持されている。【選択図】図2

Description

本発明は、排ガス浄化触媒、特にリーンバーンシステム用の排ガス中の炭化水素を浄化するための排ガス浄化触媒に関するものである。
自動車などの内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)などの有害成分が含まれており、これらの有害成分は排ガス浄化触媒によって浄化されてから大気中に放出されている。活性種として、例えばパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)などの貴金属を用いる排ガス浄化触媒は、内燃機関に供給される混合気の空気と燃料の比率である空燃比(A/F)が理論空燃比(ストイキ)近傍の雰囲気下で、高い浄化性能を有する。
排ガス浄化触媒の耐久性、特に耐熱性の面において、貴金属粒子は、高温になると、粒子同士が結合するシンタリングを生じ、触媒活性を低下させる。このようなシンタリングを抑えるために、排ガス浄化触媒中に様々な添加剤を添加したり、貴金属を酸化物や複合酸化物の形態にしたりする試みがなされている。特に、貴金属としてPdを使用する場合、排ガス浄化触媒中の酸化パラジウム(PdO)は、800℃程度の高温において、シンタリングを促進する金属状態になりやすい。したがって、Pdは、高温においても、酸化状態であることが好ましい。
例えば、特許文献1には、Pdが複合酸化物に担持されている排ガス浄化触媒において、希土類金属又はアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種からなるPd系複合酸化物と遷移金属の少なくとも1種からなる複合酸化物が、固溶ないし混合された状態で、共存している複合酸化物として用いられることを特徴とする耐熱性触媒が開示されており、Pdと希土類又はアルカリ土類金属とを組み合わせて複合酸化物を形成させることにより、Pdの酸化状態を維持し、Pd同士のシンタリングを抑制する。
特許文献2には、Pdとランタノイド(Ln)との複合酸化物であるLnPdOを含有する複合酸化物と、耐熱性酸化物とからなり、Pdが、前記複合酸化物に担持され、かつ、Pdが担持された複合酸化物同士が、この耐熱性酸化物により隔てられた構造のユニットを含む排ガス浄化触媒が開示されており、PdとLnとを組み合わせて複合酸化物を形成させ、さらにその複合酸化物同士の間に耐熱性酸化物を配置することにより、Pdの酸化状態を維持し、Pd同士のシンタリングを抑制する。
特許文献3には、担体と、前記担体に担持されたPtと、隣り合う前記Pt同士の凝集を抑制し、前記Ptの周囲に形成されたランタノイド酸化物(LnOx)とPdOとを含む固定体と、を有することを特徴とする排ガス浄化触媒が開示されており、担体中にランタン(La)などのランタノイド元素を添加することにより、PdOの金属化、さらにはPtのシンタリングを抑える。
また、特許文献4には、加速時、すなわちA/Fがストイキ又はストイキ未満(リッチ)である雰囲気下における、多量のHCを浄化するために好ましい排ガス浄化触媒として、少なくともパラジウム及び酸化マグネシウムをともに含む触媒活性成分よりなり、且つ、少なくともパラジウムの表面電荷が2価及び/又は4価のパラジウムを含むことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化触媒が開示されている。
特開平10−277393号公報 特開2007−296479号公報 特開2007−136327号公報 国際公開第2009/116468号
内燃機関は、CO排出量の低減、燃費向上の観点から考えると、従来のストイキ運転よりも、A/Fがストイキより大きい(リーン)雰囲気下での運転(リーン運転)ができるリーンバーンシステムであることが望ましい。しかしながら、リーンバーンシステムでは、運転時の全ての状況においてリーン運転できるわけではなく、坂道などの高負荷運転時には、必要な出力を確保するためストイキ運転が必要である。つまり、リーンバーンシステムの触媒においても、従来のストイキシステムの触媒と同等の耐久性、特に耐熱性が求められる。したがって、貴金属としてPdを含むリーンバーンシステム用の排ガス浄化触媒においては、耐熱性の面で、高温、特にリッチからストイキ雰囲気下の高温において、Pdは酸化状態PdOであること、さらに、PdOのPd−O間の結合は強固であることが望ましい。
一方で、リーンバーンシステムから排出される排ガスの中には未燃のHCが含まれている。厳しい排ガス規制をクリアするためには、排ガス浄化触媒は、リーンバーン雰囲気下、すなわち酸素過剰雰囲気下でも、HC、特に酸化が難しい飽和HCの浄化性能を向上させることが望ましい。触媒成分のPdは、PdOとして、HC浄化性(HC酸化活性)が高い触媒であることが知られており、その浄化反応機構では、PdO中のO原子を消費して、HCをCOやHOに酸化する。したがって、貴金属としてPdを含むリーンバーンシステム用の排ガス浄化触媒においては、HC浄化性の面で、Pdは酸化状態PdOで存在し、さらに、PdOのPd−O間の結合は強すぎないことが望ましい。
以上より、リーンバーンシステムにおいて求められるPdを含む排ガス浄化触媒中のPdOのPd−O間の結合は、耐熱性の面で強固であることが望まれる一方で、HC浄化性の面で強すぎないことが望まれるため、これらを両立することが必要である。
例えば、耐熱性を上げるために、担体にランタンなどの添加剤を添加した場合、PdOのPd−O間の結合は強くなりすぎてしまい、その結果、HC浄化性は低下してしまう。
したがって、本発明は、リーンバーンシステムにおいて、耐熱性及びHC浄化性の両方を兼ね備えた排ガス浄化触媒を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、アルミナ及びマグネシウムを含む担体と、前記担体に担持されたPdと、を含む排ガス浄化触媒において、マグネシウムの量を特定の量に調整することで、担体の電子状態を制御したところ、得られた排ガス浄化触媒が、リーンバーンシステムにおいて、HC浄化性を向上させることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)アルミナ及びマグネシウムを含む担体と、前記担体に担持されたPdと、を含むリーンバーンシステム用の排ガス中の炭化水素を浄化するための排ガス浄化触媒であって、
マグネシウムの量が、酸化マグネシウム換算で、前記担体総重量に基づいて、3重量%〜10重量%である、
前記排ガス浄化触媒。
本発明により、リーンバーンシステムにおいて、耐熱性及びHC浄化性の両方を兼ね備えた排ガス浄化触媒を提供することが可能となる。
本発明の排ガス浄化触媒のHCの浄化機構について示す。 実施例1〜3並びに比較例1及び2において調製した排ガス浄化触媒のマグネシウム含有量に対するCの浄化率について示す。 実施例1〜3並びに比較例1及び2において調製した排ガス浄化触媒のマグネシウム含有量に対するO1sの結合エネルギーのピーク値について示す。 実施例1〜3並びに比較例1及び2において調製した排ガス浄化触媒のXRD回折パターンを示す。 実施例1及び2並びに比較例1及び2において調製した排ガス浄化触媒の熱暴露後のマグネシウム含有量に対するCの浄化率について示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、本発明の排ガス浄化触媒は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本発明は、アルミナ及びマグネシウムを含む担体と、前記担体に担持されたPdと、を含むリーンバーンシステム用の排ガス中の炭化水素を浄化するための排ガス浄化触媒であって、マグネシウムの量が、特定の量に調整されている前記排ガス浄化触媒に関する。
本発明の排ガス浄化触媒は、Pdを含み、Pdは、PdOの微粒子形態で、担体に担持されている。
本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体に担持されるPdの量は、限定されるものではないが、金属Pd換算で、担体総重量に基づいて、通常0.5重量%〜12重量%、好ましくは1重量%〜10重量%である。本明細書では、担体総重量とは、アルミナ及びマグネシウムを含む担体の総重量を意味する。なお、担体総重量を計算する際には、担体を構成するマグネシウムは、酸化マグネシウムとして計算する。
本発明の排ガス浄化触媒は、Pd以外にも、例えば、限定されるものではないが、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)などの貴金属、鉄(Fe)、コバルト(Co)などの遷移金属、その他従来のこの種の用途に用いられる触媒金属から選ばれる少なくとも1種をさらに含むこともできる。
Pd以外の触媒金属の担持量は特に制限されないが、Pd以外の触媒金属を含む場合には、それぞれ金属換算で、担体総重量に基づいて、通常0.1重量%〜12重量%、好ましくは0.3重量%〜10重量%である。
本発明の排ガス浄化触媒が、Pd以外に、上記触媒金属をさらに含むことにより、HCだけでなく、CO、NOxなどの有害成分も効率よく浄化することができる。
本発明の排ガス浄化触媒は、担体を含み、担体は、アルミナ(Al)を主成分とし、特定量のマグネシウム(Mg)を添加物として含む。
本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体中のアルミナは、γアルミナ、δアルミナ、若しくはθアルミナ、又はそれらの2種以上の混合物である。
本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体中のアルミナを上記アルミナとすることによって、高比表面積(SSA)と高耐熱性を両立することができる。
本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体中のマグネシウムの量は、酸化マグネシウム(MgO)換算で、担体総重量に基づいて、3重量%〜10重量%、好ましくは5重量%〜10重量%である。
マグネシウムの量を上記量にすることによって、マグネシウムを、主成分であるアルミナ中に均一に分散することができ、さらに、スピネル(MgAl)の形成を抑え、担体の細孔容積が低下するのを防ぐことができる。また、マグネシウムをアルミナ中に均一に分散することによって、担体の比表面積を高くすることができ、排ガス浄化触媒の耐熱性を、アルミナ及びランタンを含む担体と同程度にすることができる。
本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体は、X線回折分析(XRD分析:Rigaku Rint2500(18kW) 3〜85度(管球Cu))で測定した時に、2θ=43°における酸化マグネシウムの結晶ピークがないことが好ましい。
本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体において、酸化マグネシウムの結晶ピークがないことは、担体中には、上記XRD条件において判別可能な程度の大きさの酸化マグネシウム粒子が存在しないことを意味する。
本発明の排ガス浄化触媒は、X線光電子分光分析(XPS分析:PHI 5000 VersaProbe2(ULVAC−PHI)、X線源Mg STD、シフト補正C1s)により表面の電子状態を測定した時に、O1sの結合エネルギーのピーク値が、担体としてアルミナのみを使用した場合のO1sの結合エネルギーのピーク値である531.04eVよりも大きいことが好ましく、531.05eV以上であることがより好ましく、531.05eVより大きいことが特に好ましい。
本発明の排ガス浄化触媒のO1sの結合エネルギーのピーク値が上記値であることは、本発明の排ガス浄化触媒に使用するアルミナ及びマグネシウムを含む担体からのPdOへの電子供与性が、アルミナのみを含む担体からのPdOへの電子供与性よりも小さいことを意味し、その結果、本発明の排ガス浄化触媒に使用するアルミナ及びマグネシウムを含む担体に担持されたPdOのPd−O間の結合力が、アルミナのみを含む担体に担持されたPdOのPd−O間の結合力と比較して小さくなる。
本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体の初期状態の比表面積は、大きい方が好ましく、BET法で測定した場合に、通常85m/g以上、好ましくは85m/g〜300m/g、より好ましくは90m/g〜200m/gである。
本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体の初期状態の比表面積が上記範囲であることにより、排ガス、特にHCを効率よく吸着し、浄化することができる。
なお、本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体は、アルミナ及びマグネシウム以外にも、当該技術分野において通常使用される成分、例えば、限定されるものではないが、セリア、ジルコニア、シリカを含むこともできる。アルミナ及びマグネシウム以外の成分は、酸化物換算で、担体総重量に基づいて、通常1重量%〜50重量%、好ましくは8重量%〜25重量%である。本発明の排ガス浄化触媒に使用する担体は、アルミナ及びマグネシウムからなることが好ましい。
本発明の排ガス浄化触媒は、リーンバーンシステムに用いる。
本発明において、リーンバーンシステムとは、A/F値が15〜60、好ましくは18〜50、より好ましくは22〜30である雰囲気下において、主に運転される内燃機関である。
本発明の排ガス浄化触媒をリーンバーンシステムで使用することによって、500℃の高温であっても、リーンバーンシステムから排出されるHCを効率よく浄化することができる。
本発明の排ガス浄化触媒において、PdがPdOの形態で存在し、さらに、PdOを担持する担体中にマグネシウムが均一に、一定量分散して存在することで、担体からPdOへの電子供与性が低減し、PdOのPd−O間の結合力が低下し、その結果、PdOはO原子を消費しやすくなり、排ガス中のHC、特に飽和HCをCOやHOに効率的に酸化することができる。
図1に、本発明の排ガス浄化触媒のHCの浄化機構について示す。
図1より、担体表面上にPdOとして存在するPd微粒子への担体からの電子供与性は、担体中に存在するマグネシウムにより低減され、その結果、PdOのPd−O間の結合力は低下する。Pd−O間の結合力が低下したPdOは、PdO中のO原子を消費して、HCをCOやHOに効率的に酸化する。PdO中の消費されたOは、空気中の酸素により補充されるため、PdはPdOとして存在することができ、耐熱性は保たれる。
本発明の排ガス浄化触媒は、当該技術分野において従来知られている方法により製造することができる。例えば、限定されるものではないが、アルミニウム原料やマグネシウム原料とアルコールとを混合して合成したアルコキシドを、水と混合し加水分解させてアルミニウムとマグネシウムの混合物を形成させ、形成させたアルミニウムとマグネシウムの混合物を焼成して担体を調製し、調製した担体とPd原料とを混合、焼成して排ガス浄化触媒を製造することができる。
アルミニウム原料としては、限定されるものではないが、例えば、アルミニウムイソプロポキシドなどのアルミニウムアルコキシドが挙げられる。
マグネシウム原料としては、限定されるものではないが、例えば、マグネシウムエチラートなどのマグネシウムアルコキシドが挙げられる。
アルコールとしては、限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
Pd原料としては、限定されるものではないが、例えば、金属パラジウム、硫酸パラジウム、炭酸パラジウム、硝酸パラジウム、塩酸パラジウムなどの塩などが挙げられる。調製した担体とPd原料とを混合させる際は、限定されるものではないが、例えば、Pd原料を水などの溶媒に溶解してから、調製した担体とPd原料含有溶液とを混合させることができる。
調製した担体とPd原料とを混合、焼成して排ガス浄化触媒を製造する条件は、限定されるものではないが、例えば、水などの溶媒に溶解したPd原料を含む水溶液中に、調製した担体をいれて、十分に撹拌し、溶媒を25℃〜120℃で乾燥させて除去した後に、500℃〜1000℃の焼成温度において、2時間〜5時間かけて焼成する。
本発明の排ガス浄化触媒は、当該技術分野において従来知られている形態にすることができ、限定されるものではないが、例えば、ペレット状に成形してもよく、あるいは、水などの溶媒と、従来のこの種の用途に用いられる種々の他の添加剤、例えば、アルミナゾル、シリカゾルなどのバインダーとを混合して分散体を調製し、調製した分散体をコージェライトなどの基材にコーティングしてハニカム状にしてもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
1.試料調製
実施例1.マグネシウムの量が、酸化マグネシウム換算で、担体総重量に基づいて、5重量%である排ガス浄化触媒の調製
(i)原料のアルコキシド(アルミニウムイソプロポキシド(152.21g)とマグネシウムエチラート(5.68g))を含むアルコール溶液を80℃において5時間撹拌し、ゆっくり撹拌しながら、水を、8時間かけて徐々に添加し、加水分解させてアルミニウムとマグネシウムの混合物を形成させた。形成させたアルミニウムとマグネシウムの混合物を、ろ過し、水で洗浄後、120℃の乾燥機で12時間乾燥した。
(ii)(i)で形成させたアルミニウムとマグネシウムの混合物を、1000℃の焼成温度において、5時間かけて焼成し、アルミナ及びマグネシウムを含む担体を合成した。
(iii)(ii)で合成したアルミナ及びマグネシウムを含む担体(19.8g)に、水と、Pd硝酸塩薬液(Pd8.2重量%)(2.439g:金属Pd換算で、担体総重量に基づいて、1重量%)を加えて混合して乾燥し、その後電気炉を使用して、500℃で、2時間焼成し、不要な成分を除去して、その後、冷間等方圧加圧装置(CIP)を使用して、成形、粉砕して、ペレット状の排ガス浄化触媒を調製した。
実施例2.マグネシウムの量が、酸化マグネシウム換算で、担体総重量に基づいて、10重量%である排ガス浄化触媒の調製
実施例1(i)における、それぞれのアルコキシド量を変更した以外は、実施例1と同様に排ガス浄化触媒を調製した。
実施例3.マグネシウムの量が、酸化マグネシウム換算で、担体総重量に基づいて、3重量%である排ガス浄化触媒の調製
実施例1(i)における、それぞれのアルコキシドの量を変更した以外は、実施例1と同様に排ガス浄化触媒を調製した。
比較例1.マグネシウムを含まない排ガス浄化触媒の調製
実施例1(i)において、マグネシウムエチラートを添加しないこと以外は、実施例1と同様に排ガス浄化触媒を調製した。
比較例2.マグネシウムの量が、酸化マグネシウム換算で、担体総重量に基づいて、30重量%である排ガス浄化触媒の調製
実施例1(i)における、それぞれのアルコキシドの量を変更した以外は、実施例1と同様に排ガス浄化触媒を調製した。
2.試料測定
2−1.排ガス浄化触媒のCの浄化性能評価
1.試料調製における実施例1〜3並びに比較例1及び2において調製したペレット状の排ガス浄化触媒それぞれについて、以下の条件を用いて浄化性能を評価した。
浄化性能評価条件
触媒量:2g
入りガスの評価温度:500℃
ガス組成:
Figure 2018103093
2−2.排ガス浄化触媒のXPS分析
1.試料調製における実施例1〜3並びに比較例1及び2において調製したペレット状の排ガス浄化触媒それぞれを、磨り潰して粉末状にしてサンプルを調製し、XPS分析(装置:PHI 5000 VersaProbe2(ULVAC−PHI)、X線源Mg STD、シフト補正C1s)により、O1sの結合エネルギーのピーク値を測定した。
2−3.排ガス浄化触媒のXRD分析
1.試料調製における実施例1〜3並びに比較例1及び2において調製したペレット状の排ガス浄化触媒それぞれを、磨り潰して粉末状にしてサンプルを調製し、XRD分析(装置:Rigaku Rint2500(18kW) 3〜85度(管球Cu))により結晶状態を測定した。
2−4.排ガス浄化触媒の耐熱性分析
1.試料調製における実施例1〜3並びに比較例1及び2において調製したペレット状の排ガス浄化触媒それぞれについて、以下の耐熱性評価用条件下に曝した後(本明細書では、熱暴露後ともいう)、Pd粒径、比表面積、Cの浄化性能を測定することで耐熱性を評価した。
耐熱性評価用条件
温度:1000℃
時間:5時間
リッチ雰囲気/リーン雰囲気の切替:リッチ雰囲気5分/リーン雰囲気5分
ガス流量:20L/分
ガス組成:
Figure 2018103093
キャリヤガス:N
3.測定結果
3−1.排ガス浄化触媒のCの浄化性能評価
結果を表3及び図2に示す。
Figure 2018103093
表3及び図2より、マグネシウムを3重量%〜10重量%含む実施例1〜3の排ガス浄化触媒、特にマグネシウムを5重量%〜10重量%含む実施例1及び2の排ガス浄化触媒は、マグネシウムを含まない比較例1及びマグネシウムを30重量%含む比較例2の排ガス浄化触媒と比較して、Cの浄化率(HC浄化率)が大きいことが分かる。
3−2.排ガス浄化触媒のXPS分析
結果を表4及び図3に示す。
Figure 2018103093
表4及び図3より、マグネシウムを3重量%〜10重量%含む実施例1〜3の排ガス浄化触媒、特にマグネシウムを5重量%〜10重量%含む実施例1及び2の排ガス浄化触媒は、マグネシウムを含まない比較例1及びマグネシウムを30重量%含む比較例2の排ガス浄化触媒と比較して、O1sの結合エネルギーのピーク値が大きいことが分かる。3−1.排ガス浄化触媒のCの浄化性能評価の結果とあわせて考えると、O1sの結合エネルギーのピーク値が大きい、すなわち、担体からPdOへの電子供与性が小さくなると、HCの浄化性能が良くなることが分かる。よって、O1sの結合エネルギーのピーク値は、比較例1の531.04eVよりも大きいことが好ましく、531.05eVよりも大きいことがより好ましい。
3−3.排ガス浄化触媒のXRD分析
結果を図4に示す。
図4より、実施例1〜3並びに比較例1及び2の排ガス浄化触媒のXRD回折パターンには、酸化マグネシウムの結晶ピーク(2θ=43°)が観測されないことが分かる。これより、排ガス浄化触媒中には、上記XRD条件において判別可能な程度の大きさの酸化マグネシウム粒子が存在しないと考えられ、また、炭酸塩のピークも観測されなかったことから、排ガス浄化触媒に使用した担体中のマグネシウムは、主にアルミナの結晶構造中のアルミニウム原子と置き換わっていると考えられる。なお、XRDのピークが観測されたことから、排ガス浄化触媒はアモルファス状態ではないものと考えられる。
3−4.排ガス浄化触媒の耐熱性分析
結果を表5及び図5に示す。
Figure 2018103093
表5において、熱暴露後Pd粒径は、XRD回折のPdピーク(311)から算出した。なお、初期のPd粒径は、XRD回折から算出できなかった(初期の排ガス浄化触媒のXRD回折では、Pdのピークが小さすぎたため、算出できなかった)。実施例1〜3並びに比較例1及び2の排ガス浄化触媒の初期のPd粒径は、COパルス吸着より、いずれも、約1nmと推定される。
表5及び図5より、熱暴露後のPd粒径について、マグネシウムを3重量%〜10重量%含む実施例1〜3の排ガス浄化触媒は、マグネシウムを含まない比較例1と比較して、同等であることが分かる。また、熱暴露後の比表面積について、マグネシウムを3重量%〜10重量%含む実施例1〜3の排ガス浄化触媒は、マグネシウムを含まない比較例1と比較して、同等以上であることが分かる。さらに、熱暴露後のCの浄化率(HC浄化率)について、マグネシウムを5重量%〜10重量%含む実施例1及び2の排ガス浄化触媒は、マグネシウムを含まない比較例1及びマグネシウムを30重量%含む比較例2の排ガス浄化触媒と比較して、大きいことが分かる。

Claims (1)

  1. アルミナ及びマグネシウムを含む担体と、前記担体に担持されたPdと、を含むリーンバーンシステム用の排ガス中の炭化水素を浄化するための排ガス浄化触媒であって、
    マグネシウムの量が、酸化マグネシウム換算で、前記担体総重量に基づいて、3重量%〜10重量%である、
    前記排ガス浄化触媒。
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