JP2018102659A - 血液成分吸着カラム - Google Patents

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Abstract

【課題】炎症性サイトカイン及び白血球を高効率に吸着除去することが可能であり、かつ、圧力上昇を抑制しつつ体外循環ができる、血液成分吸着カラムを提供する。【解決手段】血液導入口1及び血液排出口1を有する容器と、容器内に充填される血液成分吸着材料2とを備え、血液成分吸着材料は、織物又は編地からなり、上記織物又は上記編地の開口率は、3%以上10%未満であり、血液成分吸着材料の充填密度は、0.30g/cm3以上1.30g/cm3以下であり、開口率と充填密度を乗じた値は、1.1%・g/cm3以上3.9%・g/cm3未満である血液成分吸着カラムを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、血液成分吸着カラムに関する。
炎症性サイトカイン等の液性因子は、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病等の炎症性疾患の病因に深く関与しており、低分子医薬品や抗体等の生物製剤でこれらの液性因子を不活化することで炎症性疾患を治療する試みがなされている。しかしながら、これらの液性因子は、単独で炎症部位に作用するのではなく、複数の液性因子が相乗的に作用して炎症性疾患を発症及び進行させるため、最近では、液性因子だけではなく、液性因子の供給源である活性化した白血球自体も生体から除去する材料など、体外循環療法に注目が集まっている。
炎症性サイトカインと親和性を有する材料としては、ポリアミン等由来のアミノ基を含む官能基を、水不溶性の担体の表面に固定化した吸着用担体が知られている(特許文献1)。また、これら担体の形状を一定範囲の繊維径を有する繊維にすることによって、炎症性サイトカインに加えて活性化した白血球を血中から吸着除去することを可能とした、多機能の吸着用担体も知られている(特許文献2)。体外循環以外でも、例えば輸血用の血液製剤を作るために不要物(白血球、タンパク質等)を除去する吸着担体もあり、吸着担体としては、白血球の除去性能を高めるために処理液から事前に不要物(凝集物)を取り除くためのプレフィルターを設けたもの(特許文献3)があり、プレフィルターの目付などが検討されている。また白血球除去材料として極細繊維を使用した材料などもあり(特許文献4)、充填材料全体の空隙率を定めている。また除去対象以外の物質の吸着を抑制するために、表面に親水性官能基を付与した報告がある(特許文献5)。さらに、白血球を取り除いた処理液から更にタンパク質などを取り除くための多孔質膜で、力学的強度も併せ持たせるために、支持体を複合化させたものも検討されているが(特許文献6)、通液能力を上げるために、多孔質膜には大きな開孔率が必要とされている。
国際公開第00/38763号パンフレット 特開2006−312804号公報 特開2011−83312号公報 特開平11−12183号公報 特開2004−129941号公報 国際公開第05/014149号パンフレット
体外循環治療は、治療効果を発揮させる前提として、血液を持続的に体外で循環できなければならない。体外循環治療中に体外循環装置においての圧力上昇が起き、体外循環ができなくなると体外循環治療を継続することができなくなる。圧力上昇は体外循環初期に起きることが多いため、体外循環装置の初期の圧力上昇を抑制した除去装置の開発が重要である。一般的に、充填材料として吸着材の形態としては、多孔質の粒子を用いることが多い。粒子状の材料は吸着カラム内に均一に充填できるため、血液流れの偏りが少なく、カラム設計をしやすいという利点を有することが挙げられる。ただし、除去対象物質である病因物質の炎症性サイトカインや血球の除去性能が十分とは言いがたく、除去性能向上のための手段としては、材料の体積あたりの表面積を増やすことが挙げられる。しかしながら、材料が粒子状である場合は、吸着担体の体積あたりの表面積の増大のために粒子径を小さくすると、各粒子間の隙間が狭くなり、流路抵抗が高くなって圧力損失が増大することにより、被処理液を流すことが困難になる問題がある。
粒子以外に比表面積を確保できるものとして繊維を用いた充填材料が検討されている。特許文献1に記載の発明は、圧力上昇抑制に関しての記述であるが、除去材料を巻きつける血液流動管側面に空けられた孔で圧力上昇を低減させようとしている。しかし、除去材料に関して繊維及び粒子の集合体であること、除去性能の観点から比表面積を規定しているのみで、開口率や充填密度などについては何ら記載がない。
特許文献2に記載の発明は、除去対象物質を効率よく除去するための表面物理特性(ゼータ電位)に関するものであり、目詰まりを防止する観点から除去材料の充填密度(体積あたりの除去材料の重量)の記載がある。しかしながら、材質の比重や繊維径によって充填密度は変化するため、充填密度の規定だけでは除去材料の偏りを充分に反映できているとは言えず、また開口率に関する記述は何ら記載がなく、流路が確保できているか不明であり、圧力損失を抑制できるとは考えられない。
特許文献3に記載の発明は、除去材料(不織布や編地など)の目付について検討されているが、目付けは単位面積当たりの除去材料の重量であり、材質の比重や繊維径によって目付けは変化するため、除去材料の偏りを充分に反映できているとは言えない。また充填密度や開口率については何ら記載されていない。
特許文献4には、実施例において不織布の充填密度の記載があり、また、フィルター材の空隙率の記載がある。しかしながら、材質の比重や繊維径によって充填密度は変化するため、充填密度の規定だけでは除去材料の偏りを充分に反映できているとは言えない。また空隙率の範囲は、50%以上95%未満であることが好ましいと記載があり、3%以上10%未満の範囲についての記載はない。
特許文献5には、フィルター基材の充填密度や開孔率の記載はあるものの、開孔率については、具体的な値の記載はなく、開口率と充填密度の関係については記載も示唆もない。したがって、適切に流路が確保できているか不明であり、圧力損失を抑制できるとは考えられない。
特許文献6に記載の発明は、充填密度や多孔膜の開孔率の記載があるが、織物や編地の開口率についての記載はない。
そこで本発明は、炎症性サイトカイン及び白血球を高効率に吸着除去することが可能であり、かつ、圧力上昇を抑制しつつ体外循環ができる、血液成分吸着カラムを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を進めた結果、開口率及び充填密度単独での検討ではなく、両者を合わせた検討を行うことで、初めて炎症性サイトカイン及び白血球を高効率に吸着除去することが可能であり、かつ圧力上昇を抑制しつつ体外循環ができる吸着カラムを見出した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)を提供する。
(1)血液導入口及び血液排出口を有する容器と、上記容器内に充填される血液成分吸着材料とを備え、上記血液成分吸着材料は、織物又は編地からなり、上記織物又は上記編地の開口率は、3%以上10%未満であり、上記血液成分吸着材料の充填密度は、0.30g/cm以上1.30g/cm以下であり、上記開口率と上記充填密度を乗じた値は、1.1%・g/cm以上3.9%・g/cm未満である、血液成分吸着カラム。
(2)上記開口率は、4%以上9%以下である、(1)記載の血液成分吸着カラム。
(3)上記充填密度は、0.30g/cm以上1.20g/cm以下である、(1)又は(2)記載の血液成分吸着カラム。
(4)上記開口率と上記充填密度を乗じた値は、1.1%・g/cm以上3.0%・g/cm以下である、(1)〜(3)のいずれか一項記載の血液成分吸着カラム。
(5)上記織物又は上記編地は、1μm以上30μm以下の単糸径である、(1)〜(4)のいずれか一項記載の血液成分吸着カラム。
(6)上記血液成分吸着材料の表面に、アミノ基を有するリガンドが導入されている、(1)〜(5)のいずれか一項記載の血液成分吸着カラム。
(7)血液からIL−6、IL−8及び/又はHMGB−1を吸着除去する、(1)〜(6)のいずれか一項記載の血液成分吸着カラム。
本発明の血液成分吸着カラムは、圧力上昇を抑制しつつ、血液成分、特に炎症性サイトカイン及び白血球を高効率に吸着除去することが可能であり、体外循環カラムとして使用することで炎症性疾患を治療できる。
本発明の血液成分吸着カラムの一例の縦断面図である。 血液成分吸着カラムの縦断面図であって、側面に孔を持つ中心パイプと血液成分吸着材料、カラムケースの位置関係を示す図である。 血液成分吸着カラム内部を示す図であって、中心パイプに巻き付けられた血液成分吸着材料がカラムケースに充填されている状態を示す図である。 本発明の血液成分吸着カラムの一例の縦断面図である。 血液成分吸着材料における開口部分と非開口部分を示す図である。 圧力損失測定方法を説明するための図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の血液成分吸着カラムは、血液導入口及び血液排出口を有する容器と、上記容器内に充填される血液成分吸着材料とを備え、上記血液成分吸着材料は、織物又は編地からなり、上記織物又は上記編地の開口率は、3%以上10%未満であり、上記血液成分吸着材料の充填密度は、0.30g/cm以上1.30g/cm以下であり、上記開口率と上記充填密度を乗じた値は、1.1%・g/cm以上3.9%・g/cm未満であることを特徴としている。
血液成分吸着材料の開口率が大きいほど通液がしやすく、圧力損失は低くなる。このため、開口率が小さすぎると、血液中のタンパク質や血球成分が吸着することで目詰まりを起こし、圧力上昇を生じる。一方で、開口率が大きすぎると強度が弱くなり取り扱いづらく、また処理液との接触も減少し、除去性能が低下する。血液成分吸着材料の開口率は、3%以上10%未満であり、好ましくは、4%以上9%以下である。上記開口率の下限値としては、3%以上であり、好ましくは、4%以上である。また上記開口率の上限値としては、10%未満であり、好ましくは、9%以下である。いずれの好ましい下限値もいずれの好ましい上限値と組み合わせることができる。
ここでいう開口率(%)とは、血液成分吸着材料において、開口部分(図5の8)と非開口部分(図5の7)の和に対する開口部分の割合を意味し、画像処理して得られる数値である。具体的には下記手順で算出される。
1. 光学顕微鏡により、倍率10倍で血液成分吸着材料を撮影する。
2. 画像編集ソフト(例:アドビシステムズ株式会社“photoshopElements14“)を立ち上げ、以下の操作を順に行う。
(1)光学顕微鏡で撮影した画像ファイルを開く。
(2)開口率を求めたい部分を512ピクセル×512ピクセル(262144ピクセル)で切り取る。
(3)画像調整のライティングにより、画像の開口部分(図5の8)と非開口部分である血液成分吸着材料部分(図5の7)を補正する(シャドウ・ハイライトの‘シャドウを明るく’と‘中間調のコントラスト‘を100%にする→明るさ・コントラストの’コントラスト‘を100、’明るさ‘を10にする)。
(4)開口部分や血液成分吸着材料部分(非開口部分)の一部が補正できていない場合、描画のブラシツールにより開口部分は黒、血液成分吸着材料部分は白で塗りつぶす。
(5)フィルターの色調補正の2階調化により、二値化する。数値は2階調前の画像と比較しながら行う。黒い部分は開口部分、白い部分は血液成分吸着材料部分(非開口部分)とする。
(6)ウィンドウのヒストグラムを開き、全体における黒い部分の比率を開口率(%)とする。
除去性能を維持するために、血液成分吸着材料の充填密度は、0.30g/cm以上であり、好ましくは、0.31g/cm以上であり、より好ましくは、0.32g/cm以上である。一方で、血液成分吸着材料の充填密度が高すぎると血液中のタンパク質や血球成分が目詰まりを起こし、圧力上昇を起こすため、血液成分吸着材料の充填密度は、1.30g/cm以下であり、好ましくは、1.20g/cm以下であり、より好ましくは、1.10g/cm以下であり、さらに好ましくは0.50g/cmである。つまり、0.30g/cm以上1.30g/cm以下であり、好ましくは、0.30g/cm以上1.20g/cm以下であり、より好ましくは、0.31g/cm以上1.20g/cm以下であり、さらに好ましくは、0.32g/cm以上1.10g/cm以下である。いずれの好ましい下限値もいずれの好ましい上限値と組み合わせることができる。
「充填密度」とは、容器中に血液成分吸着材料を充填した時の単位容積(cm)当たりの血液成分吸着材料の乾燥重量(g)である。例えば、内容積1cmの容器に乾燥重量1gの血液成分吸着材料を充填した場合、充填密度は1g÷1cm=1g/cmとなる。
ここで開口率と充填密度を乗じた値が重要となる。詳しい要因については現時点では不明であるが、吸着性能と圧力上昇の観点からは、開口率と充填密度が独立ではなく相関関係があり、局所ではなく除去材料全体として流路に偏りがないことが重要であることを示していると考えられる。局所的に流路を確保するために除去材料の開口率を大きくすると、吸着性能を保持するためには充填密度が大きいほうがいいが、充填密度が大きすぎると除去材料全体として流路が減少し、目詰まりを起こし圧力上昇が起きると考えられ、両者のバランスが重要と考えられる。そこで、開口率と充填密度を乗じた値は、1.1(%・g/cm)以上3.9(%・g/cm)未満である必要がある。ここで1.1(%・g/cm)及び3.9(%・g/cm)は、実施例に示す実験値から求めた値である。好ましくは、1.1(%・g/cm)以上3.0(%・g/cm)以下であり、より好ましくは、1.5(%・g/cm)以上3.0(%・g/cm)以下であり、さらに好ましくは、2.1(%・g/cm)以上2.6(%・g/cm)以下である。いずれの好ましい下限値もいずれの好ましい上限値と組み合わせることができる。
「血液成分吸着材料」とは、血液成分を吸着することが可能な材料を意味し、繊維からなる織物又は編地の形状を有し、編地の形状が好ましい。その血液成分吸着材料の形態としては、例えば、シートが挙げられる。血液成分吸着材料は、少なくとも一部に水不溶性材料を含むものであって、水不溶性材料単独だけではなく、水不溶性材料に適当な補強材に固定化されたもの又は混合されたものも含む。固定化又は混合の操作は、形状に加工する前に行ってもよいし、加工した後に行ってもよい。
「補強材」とは、構造に特に限定はないが、芳香環及び水酸基を繰り返し構造中に含まない高分子材料などが挙げられ、例えば、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート若しくはポリテトラフルオロエチレンの単独重合体、共重合体又はこれら高分子材料をブレンドした材料などが挙げられる。中でも、ポリエチレン又はポリプロピレンが好ましい。
「水不溶性材料」とは、基材に白血球やサイトカインを除去するためのリガンドが導入されている水に不溶な材料である。ここで、リガンドとは、サイトカインや白血球と相互作用する化学構造を有するものであれば特に制限はなく、その化学構造としては、例えば、カチオン性官能基であるアミノ基、アニオン性官能基であるスルホン酸基若しくはカルボキシル基、疎水性官能基であるアルキル基又は芳香族基であるフェニル基などが挙げられる。なお、上記化学構造は、複数組み合わせていてもよい。
ここで、水に不溶とは、水不溶性材料を水に入れた前後の乾燥重量変化が1%以下であることを意味する。この乾燥重量変化は水不溶性材料を乾燥重量の9倍量の37℃の水に1時間浸漬した後にピンセット等で引き上げ、残った水を50℃以下で真空乾燥させた後に残った固形分の乾燥重量の浸漬前の材料乾燥重量に対する割合である。不溶化されていない場合は、実際に使用する場合の溶出物が多くなる危険性があり、安全上好ましくない。
「基材」とは、芳香環、水酸基など、炭素カチオンとの反応性を有する官能基を繰り返し構造中に含む高分子材料であり、例えばポリ(芳香族ビニル化合物)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリスチレン又はポリビニルアルコールなどの合成高分子や、セルロース、コラーゲン、キチン、キトサン又はデキストランなどの天然高分子が挙げられる。これらの高分子は単独重合体又は共重合体又はブレンドして用いてもよい。特に血液浄化用には水酸基を有さない材料であるポリ(芳香族ビニル化合物)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン又はポリスチレンが好ましい。中でも単位重量あたりの芳香環の数が多く、フリーデルクラフツ反応などで各種リガンドや反応性官能基を導入しやすいことから、ポリスチレンが特に好ましい。
「スルホン酸基」とは、少なくとも一つのスルホン酸基を有する化合物であればどのようなものでもよく、例えば、メタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、フルオロスルホン酸、クロロスルホン酸等のハロスルホン酸等が挙げられる。
「アミノ基」とは、例えば、アミノメタン、アミノエタン、アミノプロパン、アミノブタン、アミノペンタン、アミノヘキサン、アミノヘプタン、アミノオクタン、アミノドデカンなどの1級アルキルアミン、モノメチルアミノヘキサン、アミノジフェニルメタン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1−プロペン、アミノピリジン、アミノベンゼンスルホン酸、トリス(2−アミノエチル)アミン、ジメチルアミン又はジアミノエタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、ポリエチレンイミン、N−メチル−2,2’−ジアミノジエチルアミン、N−アセチルエチレンジアミン、1,2−ビス(2−アミノエトキシエタン)等のアミノ基を複数有する化合物(以下、「ポリアミン」)由来のアミノ基が挙げられるが、ポリアミン由来のアミノ基であることが好ましい。また、アミノ基は、1級又は2級のアミン化合物由来のアミノ基であることがより好ましい。
上記アミノ基は、上記化学構造とさらに反応させてもよい。
ここで、基材とリガンドは、直接結合してもよいし、基材とリガンドの間に反応性官能基由来のスペーサーを介してもよい。上記スペーサーとしては、アミド結合、尿素結合、エーテル結合又はエステル結合等の電気的に中性の化学結合を有しているものであればよく、アミド結合又は尿素結合を有しているものが好ましい。
上記基材と上記リガンドとの結合を媒介する反応性官能基としては、例えば、ハロメチル基、ハロアセチル基、ハロアセトアミドメチル基若しくはハロゲン化アルキル基等の活性ハロゲン基、エポキサイド基、カルボキシル基、イソシアン酸基、チオイソシアン酸基又は酸無水物基が挙げられるが、適度な反応性を有する観点から、活性ハロゲン基が好ましく、ハロアセトアミドメチル基がより好ましい。
反応性官能基は、予め、基材と反応させることで導入することができる。例えば、基材がポリスチレンで、反応性官能基がクロロアセトアミドメチル基の場合は、ポリスチレンとN−メチロール−α−クロルアセトアミドを反応させることでクロロアセトアミドメチル基を導入したポリスチレンを得ることができる。
リガンドは、基材の表面に導入されていることが好ましい。
「繊維の単糸径」とは、織物又は編地を形成する繊維の小片サンプル10個をランダムに採取して、走査型電子顕微鏡を用いて2000倍の写真をそれぞれ撮影し、各写真あたり10箇所(計100箇所)の繊維の直径を測定した値の平均値をいう。繊維の単糸径としては、1μm以上が好ましく、血球が通過できる流路の確保という観点からは、3μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましい。また、吸着のための比表面積の確保という観点からは30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。上記繊維の単糸径は、1μm以上30μm以下が好ましく、3μm以上20μm以下がより好ましい。いずれの好ましい下限値もいずれの好ましい上限値と組み合わせることができる。なお、「比表面積」とは、血液成分吸着材料の単位重量あたりの表面積のことである。
血液成分吸着材料を充填するカラムの容器形状としては、血液導入口及び血液排出口を有する容器で、当該容器内に血液成分吸着材料を充填できる形状であればよい。一つの実施形態としては、図1、2及び3に示すように血液成分吸着材料をパイプに巻きつけ、円筒状にしたもの(以下、円筒)を内部に充填できる容器で、血液が円筒の外周より入り円筒の内側へと流れた後に当該血液が容器外に出る容器又は血液が円筒の内側より入り円筒の外側へと流れた後に当該血液が容器外に出る容器が挙げられる。製造効率や処理液のショートパス抑制の観点からは、側面に孔を持つパイプに対して血液成分吸着材料が巻きつけられている構造が好ましく、具体的には、供給された血液を流出するために設けられた孔を長手方向の側面に備える中心パイプと、上記中心パイプの周りに充填され、上記血液に含まれる標的分子又は標的細胞を吸着させる血液成分吸着材料と、流入してきた上記血液が上記中心パイプの中を通るように上記中心パイプの上流端に連通され、上記液体が上記中心パイプを通過せずに上記吸着担体と接触するのを防ぐように配置されたプレートと、上記中心パイプの下流端を封鎖し、上記吸着担体を上記中心パイプの周りの空間に固定するように配置されたプレートと、を備えるラジアルフロー型の容器が挙げられ、また、容器の形状は、円柱状又は三角柱状、四角柱状、六角柱状若しくは八角柱状等の角柱状容器が挙げられるが、この構造に限定されるものではない。また別の実施形態としては、図4に示すように血液成分吸着材料を円形に切り取ったものを充填可能な円筒状の空間を内部に有した容器で、血液導入口及び血液排出口を有した容器が考えられる。具体的には、供給された血液を流出するために設けられた血液導入口を備えるプレートと、供給された血液を排出するために設けられた血液排出口を備えるプレートと、血液成分吸着材料を円形に切り取ったものが充填された円筒状の空間を内部に有し、血液導入口及び血液排出口を有した容器が挙げられる。なお、この場合、血液成分吸着材料の形は円形に限らず、カラムの容器形状に合わせて楕円形、三角形や四角形などの多角形、台形等任意の形状に適宜変更することができる。
血液成分吸着材料を充填するカラムの容器としては、ガラス製、プラスチック・樹脂製、ステンレス製等のものが挙げられ、容器のサイズは使用目的に応じて適宜選択され、カラムの容器の大きさ等に制限はないが、臨床現場や測定場所での操作性・廃棄の容易さを考慮すると、材質としてはプラスチック・樹脂製が好ましく、大きさは手に握りやすい大きさが好ましく、全体のカラムの高さは1cm以上30cm以下、外径は2cm以上10cm以下、内容積は200cm以下であることが好ましい。なお、実施例においては、測定の簡便さから、カラム高さ1.2cm、内径1cm、外径2cmのサイズの小さいカラムを使用しているが、この限りではない。
血液成分吸着材料は、容器(カラム)内に積層されて充填されていることが好ましい。ここで、積層とは、血液成分吸着材料を2枚以上密着させて重ねることを意味し、積層されて充填する方法としては、例えば、アキシャルフローカラムのようにシート形態に加工した血液成分吸着材料を複数枚重ねていく方法や、ラジアルフローカラムのように孔を持つパイプにシート形態に加工した血液成分吸着材料を巻きつけていく方法が挙げられる。
「血液」とは、タンパク質や脂質及び血球成分を含む液体のことである。具体的には、バッファー中にタンパク質や脂質及び血球成分などを加えたもの、体液、血液、血漿又は血清などが挙げられる。血液成分とは、血液を構成する成分のことをいい、例えば、赤血球、白血球若しくは血小板等の血球成分又はサイトカイン等の液性因子が挙げられる。中でも炎症性疾患の治療を目的とする場合には、白血球及びサイトカインが吸着除去されることが好ましい。
「白血球」とは、血液中に含まれる免疫細胞成分であり、具体的には顆粒球、単球、リンパ球などが挙げられる。
「サイトカイン」とは、特定の細胞に情報を伝達する、細胞から分泌されるタンパク質をいい、例えば、インターロイキン、腫瘍壊死因子−α、トランスフォーミング・グロウス・ファクター・β、インターフェロン−γ(以下、INF−γ)、ハイモビリティーグループタンパク−1(以下、HMGB−1)、血管新生増殖因子及び免疫抑制酸性蛋白が挙げられ、インターロイキン及び/又はHMGB−1が吸着除去されることが好ましい。
「インターロイキン」とは、白血球が分泌し、免疫系の調節に機能するサイトカインのことをいい、例えば、インターロイキン−1、インターロイキン−6(以下、IL−6)、インターロイキン−8(以下、IL−8)、インターロイキン−10、インターロイキン−17(以下、IL−17)が挙げられ、IL−6及び/又はIL−8が吸着除去されることが好ましい。
「圧力損失」とは、装置の導入口圧力に対する排出口圧力の差分である。具体的には、装置に流体を流した時の導入口と排出口の両者の圧力を測定し、導入口圧力から排出口圧力を引いた値が圧力損失である。
体外循環において圧力上昇の懸念があるという理由から、圧力損失としては、20mmHg以下が好ましく、10mmHg以下がさらに好ましい。
カラムの圧力損失は、例えば、擬似血液を用いて測定することができる。具体的には、上下に疑似血液の導入口及び排出口のある容器(カラム)に、血液成分吸着材料を積層充填し、擬似血液を通液して、導入口圧力と排出口圧力を各々測定する。その後、導入口圧力から排出口圧力を引いて、圧力損失を求める。測定の際の擬似血液の流量(mL/min)は、臨床現場を想定し、カラムの内容積145cm3に対して100(mL/min)を基準として設定する。たとえば、内容積5cmであれば、100mL/min÷145cm×5cm=3.4mL/minと設定して測定する。なお、擬似血液はヒト血液と同様のずり速度になるように設定された溶液であり、例えば、50wt%グリセリン水溶液などが挙げられ、圧力損失に関してヒト血液と同様の傾向が出すことができる。圧力損失を測定するための装置の一例を図6に示す。
以下、本発明の血液成分吸着カラムについて、実験例により具体的に説明する。なお、実施例中、wt%は重量%の意味であり、mMは溶液1L中に含まれる該当成分のミリモル数を意味する(例えば、溶液1L中に10mmolの該当成分を含めば、10mMとなる)。
(紡糸)
以下の成分を用いて、紡糸速度1250m/分の製糸条件で1フィラメントあたり36島の海島複合繊維で、島が更に芯鞘複合からなり、これを21フィラメント束ねた繊維を得た。
島の芯成分: ポリプロピレン
島の鞘成分: ポリスチレン90wt%、ポリプロピレン10wt%
海成分: エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とし、共重合成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸を3wt%含む共重合ポリエステル
複合比率(重量比率): 芯:鞘:海=41.5:33.5:25
(編地の作製)
得られた繊維を用いて、横編で各種編地を作製した。筒編み機(機種名:丸編み機 MR−1、丸善産業株式会社)を用いて、度目の目盛りを0〜5で調整させて実施例1〜5用の編地及び比較例1〜3用の編地をそれぞれ作製した。
(脱海)
上記実施例1用の編地の海成分を除去するため、2.5wt%のKOH水溶液を用いて、上記実施例1用の編地を25℃で12時間処理を行い、芯鞘繊維の単糸径が5μmの編地(以下、実施例1用の脱海後の編地)を得た。同操作を上記実施例2〜5用の編地及び比較例1〜3用の編地に対してそれぞれ行った(それぞれ、実施例2〜5用の脱海後の編地、比較例1〜3用の脱海後の編地とする)。
(クロロアセトアミドメチル化編地の作製)
ニトロベンゼン46wt%、硫酸46wt%、パラホルムアルデヒド1wt%、N−メチロール−α−クロルアセトアミド(以下、NMCA)7wt%を10℃以下で混合、撹拌、溶解しNMCA化反応液を調製した。このNMCA化反応液を5℃にし、1gの上記実施例1用の脱海後の編地に対し、40mLの固液比でNMCA化反応液を加え、水浴中で反応液を5℃に保ったまま2時間反応させた。その後、反応液から編地を取り出し、NMCA反応液と同量のニトロベンゼンに浸漬し洗浄した。続いて編地を取り出し、メタノールに浸漬し洗浄を行い、実施例1用のクロロアセトアミドメチル化編地を得た。同操作を上記実施例2〜5用の脱海後の編地及び上記比較例1〜3用の脱海後の編地に対してそれぞれ行った(それぞれ、実施例2〜5用のクロロアセトアミドメチル化編地、比較例1〜3用のクロロアセトアミドメチル化編地とする)。ここで、クロロアセトアミドメチル基は反応性官能基に相当する。
(テトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地の作製)
テトラエチレンペンタミン(以下、TEPA)の濃度が20mM、トリエチルアミンの濃度が473mMとなるようにそれぞれを500mLのジメチルスルホキシド(以下、DMSO)に溶解した液に、10gの上記実施例1用のクロロアセトアミドメチル化編地を浸して40℃で3時間反応させた。編地をDMSOで3回洗浄した後、パラクロロフェニルイソシアネートの濃度が20mMになるように500mLのDMSOに溶解した液に浸して、30℃で1時間反応させた。その後、反応液から編地を取り出し、反応液と同量のDMSOに浸漬し洗浄、メタノールに浸漬し洗浄、水に浸漬し洗浄して、実施例1用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を得た。同操作を実施例2〜5用のクロロアセトアミドメチル化編地及び比較例1〜3用のクロロアセトアミドメチル化編地に対してそれぞれ行った(それぞれ、実施例2〜5用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地、比較例1〜3用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地とする)。ここで、テトラエチレンペンタミンとパラクロロフェニルイソシアネートが反応したパラクロロフェニル化テトラエチレンペンタミン基はリガンドに相当し、アセトアミドメチル基がスペーサーに相当する。ここで得られた実施例1用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地は、血液成分吸着材料と同義である。
(開口率測定)
得られた実施例1〜5用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地及び比較例1〜3用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地の開口率を下記の方法に従って算出した。結果を表1に示す。
1.光学顕微鏡(機種:ZTX−3S−C2、アズワン株式会社)により、倍率10倍で編地を撮影した。
2.画像編集ソフト(アドビシステムズ株式会社“photoshopElements14“)を立ち上げ、以下の操作を順に行った。
(1)光学顕微鏡で撮影した画像ファイルを開いた。
(2)開口率を求めたい部分を512ピクセル×512ピクセル(262,144ピクセル)で切り取った。
(3)画像調整のライティングにより、画像の開口部分と編地部分を補正した
(シャドウ・ハイライトの‘シャドウを明るく’と‘中間調のコントラスト‘を100%にした→明るさ・コントラストの’コントラスト‘を100、’明るさ‘を10にした)。
(4)開口部分や編地部分の一部が補正できていない部分は、描画のブラシツールにより開口部分は黒、編地部分は白で塗りつぶした。
(5)フィルターの色調補正の2階調化により、二値化した。数値は2階調前の画像と比較しながら行った。黒い部分は開口部分、白い部分は編地部分(非開口部分)とした。
(6)ウィンドウのヒストグラムを開き、全体における黒い部分の比率を開口率(%)とした。
(充填密度測定)
得られた実施例1〜5用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地及び比較例1〜3用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地について、それぞれ2cm×2cmに切り出し、25℃、0.1kPaの条件下、12時間真空乾燥させた。乾燥後、それぞれの重量を測定して、各水準ごとの単位面積当たりの重量(目付)(g/cm)を算出した。各水準ごと直径1cmに打ち抜き、円筒状カラム(内径1cm×高さ1.2cm)に積層充填した。積層充填させた編地の総面積に目付を乗じて、充填重量(g)を出し、円筒状カラムの内容積([π×0.5cm×0.5cm]×1.2cm=0.942cm)で除して、充填密度(g/cm)を算出した。結果を表1に示す。ここで、πは円周率を表す。
(開口率と充填密度を乗じた値)
得られた実施例1〜5用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地及び比較例1〜3用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地について、上記開口率と上記充填密度を用いて、開口率(%)と充填密度(g/cm)を乗じた値[%・g/cm]を算出した。結果を表1に示す。
(実施例1)
(1)擬似血液圧力損失測定
得られた実施例1用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地について、疑似血液を用いて圧力損失を測定した。上下に溶液の導入口及び排出口のある円筒状カラム(内径1cm×高さ1.2cm、内容積0.94cm、外径2cm、ポリカーボネート製)に、直径1cmの円板状に切り抜いたテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を積層して充填したカラムを作製した。各カラムに、37℃(外温)で保温した擬似血液(50wt%グリセリン水溶液)を、流量0.65mL/minで通液し、カラムの導入口圧力と排出口圧力を各々測定した。なお流量は、100mL/min÷145cm×0.94cm=0.65mL/minと計算し、設定した。通液開始後10分の時点の導入口圧力から通液開始後10分の時点の排出口圧力を引いた値を、擬似血液圧力損失として算出した。結果を表1に示す。
(2)ヒト血液圧力損失測定
得られた実施例1用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地について、ヒト血液を用いて圧力損失を測定した。上下に溶液の導入口及び排出口のある円筒状カラム(内径1cm×高さ1.2cm、内容積0.94cm、外径2cm、ポリカーボネート製)に、直径1cmの円板状に切り抜いたテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を積層して充填したカラムを作製した。各カラムに、37℃(外温)で保温した健常ヒトボランティア血液を、流量0.65mL/minで通液し、カラムの導入口圧力と排出口圧力を各々測定した。なお流量は、100mL/min÷145cm×0.94cm=0.65mL/minと計算し、設定した。通液開始後10分の時点の導入口圧力から通液開始後10分の時点の排出口圧力を引いた値を、ヒト血液圧力損失として算出した。結果を表1に示す。
(3)IL−6除去率測定
得られた実施例1用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を直径6mmの円板状に切り抜いた後、これを4枚ずつポリプロピレン製の容器に入れた。この容器に、IL−6の濃度が共に2000pg/mLなるように調製したウシ胎児血清(以下、FBS)を1mL添加し、37℃のインキュベータ内で2時間転倒混和してからELISA法にてIL−6の残濃度を測定し、以下の式1によりIL−6除去率を算出した。結果を表2に示す。

IL−6除去率(%)={(転倒混和前のIL−6濃度)−(転倒混和後のIL−6濃度)}/(転倒混和前のIL−6濃度)×100・・・・・・式1
(実施例2)
得られた実施例2用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を用いて、実施例1と同様の方法により、擬似血液圧力損失、ヒト血液圧力損失及びIL−6除去率を算出した。結果を表1及び2に示す。
(実施例3)
得られた実施例3用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を用いて、実施例1と同様の方法により、擬似血液圧力損失、ヒト血液圧力損失及びIL−6除去率を算出した。結果を表1及び2に示す。
(実施例4)
得られた実施例4用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を用いて、実施例1と同様の方法により、擬似血液圧力損失、ヒト血液圧力損失及びIL−6除去率を算出した。結果を表1及び2に示す。
(実施例5)
得られた実施例5用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を用いて、実施例1と同様の方法により、擬似血液圧力損失、ヒト血液圧力損失及びIL−6除去率を算出した。結果を表1及び2に示す。
(比較例1)
得られた比較例1用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を用いて、実施例1と同様の方法により、擬似血液圧力損失、ヒト血液圧力損失及びIL−6除去率を算出した。結果を表1及び2に示す。
(比較例2)
得られた比較例2用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を用いて、実施例1と同様の方法により、擬似血液圧力損失、ヒト血液圧力損失及びIL−6除去率を算出した。結果を表1及び2に示す。
(比較例3)
得られた比較例3用のテトラエチレンペンタミン−パラクロロフェニル化編地を用いて、実施例1と同様の方法により、擬似血液圧力損失、ヒト血液圧力損失及びIL−6除去率を算出した。結果を表1及び2に示す。
表1中、「開口率×充填密度」は、開口率と充填密度を乗じた値を意味する。
擬似血液はヒト血液と同様のずり速度になるように設定しており、圧力損失に関して同様の傾向がでる。表1の結果から、開口率が3%以上10%未満、充填密度が0.30g/cm以上1.30g/cm以下、開口率と充填密度を乗じた値が1.1%・g/cm以上3.9%・g/cm未満であれば、カラムの圧力上昇を抑制できることが明らかになった。
除去対象物質であるIL−6については、圧力上昇が抑制された各実施例においても除去されていることが明らかになった。
本発明の血液成分吸着カラムは、圧力上昇が抑制されることから、体外循環カラムとして利用できる。
1.血液導入口/血液排出口
2.血液成分吸着材料
3.中心パイプ
4.カラムケース
5.中心パイプの側面の孔
6.血液成分吸着材料(編地)
7.繊維(黒色部分)
8.開口部(白色部分)
9.血液成分吸着カラム
10.通液前の疑似血液又はヒト血液
11.通液後の疑似血液又はヒト血液
12.回路
13.導入口圧測定装置
14.排出口圧測定装置
15.ポンプ
16.恒温水槽
17.ヒーター

Claims (7)

  1. 血液導入口及び血液排出口を有する容器と、前記容器内に充填される血液成分吸着材料とを備え、
    前記血液成分吸着材料は、織物又は編地からなり、
    前記織物又は前記編地の開口率は、3%以上10%未満であり、
    前記血液成分吸着材料の充填密度は、0.30g/cm以上1.30g/cm以下であり、
    前記開口率と前記充填密度を乗じた値は、1.1%・g/cm以上3.9%・g/cm未満である、血液成分吸着カラム。
  2. 前記開口率は、4%以上9%以下である、請求項1記載の血液成分吸着カラム。
  3. 前記充填密度は、0.30g/cm以上1.20g/cm以下である、請求項1又は2記載の血液成分吸着カラム。
  4. 前記開口率と前記充填密度を乗じた値は、1.1%・g/cm以上3.0%・g/cm以下である、請求項1〜3のいずれか一項記載の血液成分吸着カラム。
  5. 前記織物又は前記編地は、1μm以上30μm以下の単糸径である、請求項1〜4のいずれか一項記載の血液成分吸着カラム。
  6. 前記血液成分吸着材料の表面に、アミノ基を有するリガンドが導入されている、請求項1〜5のいずれか一項記載の血液成分吸着カラム。
  7. 血液からIL−6、IL−8及び/又はHMGB−1を吸着除去する、請求項1〜6のいずれか一項記載の血液成分吸着カラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020092879A (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 東レ株式会社 血液浄化カラム
EP3960287A4 (en) * 2019-04-26 2023-01-18 Toray Industries, Inc. SOLUBLE TUMOR NECROSIS FACTOR RECEPTOR ADSORPTIBLE MATERIAL

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