JP2018101332A - 電子制御装置、制御システム、リセット判定方法 - Google Patents

電子制御装置、制御システム、リセット判定方法

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Abstract

【課題】電子制御装置間に通信異常が発生した場合に、その原因を直ちに判断する。
【解決手段】電子制御装置である第1コントローラ10は、第1モータ33を制御するための第1制御指令を生成して出力する第1制御指令生成部12と、第2コントローラ20と通信を行う第1通信部11と、第1通信部11による第2コントローラ20との通信が異常であるか否かを判定する第1通信異常判定部13と、第1通信異常判定部13により第2コントローラ20との通信が異常であると判定された場合に、第2モータ43の状態に関するセンサ信号である第2トルクの変化に基づいて、第2コントローラ20がリセットされたか否かを判定する第1リセット判定部14と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子制御装置と、これを用いた制御システムおよびリセット判定方法に関する。
自動車分野では、車両に搭載された各種アクチュエータの制御を行う電子制御装置(ECU)が利用されている。この電子制御装置には、故障が発生した際の車両事故などのリスクを低減するために所定の安全設計が要求されている。たとえば、自動運転車両におけるステアリングやブレーキの制御を行う制御システムでは、故障発生時にも制御を継続してドライバの安全性を確保できるようにするため、相互に通信を行う複数の電子制御装置を利用した冗長化構成が広く採用されている。
上記のような冗長化構成の制御システムにおいて、電子制御装置間に通信異常が発生した場合には、その後の制御モードを適切に決定するために、通信異常の原因が通信機能の故障であるか、それとも一方の電子制御装置がリセット状態になったことであるかを直ちに判断する必要がある。これに関して、特許文献1には、2つの電子制御装置にそれぞれ搭載されたマイコン間で通信途絶状態が発生した場合に、所定時間以内にその通信途絶状態が解消されたか否かを判定することで、マイコンの異常と通信線の異常とを区別して検出する技術が開示されている。
特開2016−57888号公報
特許文献1に開示された技術では、マイコンがリセット状態から立ち上がって通信を再開するのに要する時間が経過するまでは、マイコンの異常と通信線の異常とを区別することができない。そのため、通信異常の原因を直ちに判断することができない。
本発明による電子制御装置は、第一の制御対象を制御するための制御指令を生成して出力する制御指令生成部と、第二の制御対象を制御する他の電子制御装置と通信を行う通信部と、前記通信部による前記他の電子制御装置との通信が異常であるか否かを判定する通信異常判定部と、前記通信異常判定部により前記他の電子制御装置との通信が異常であると判定された場合に、前記第二の制御対象の状態に関するセンサ信号の変化に基づいて、前記他の電子制御装置がリセットされたか否かを判定するリセット判定部と、を備える。
本発明による制御システムは、電子制御装置および他の電子制御装置を備え、前記他の電子制御装置は、前記電子制御装置との通信が異常である場合に、前記電子制御装置がリセットされたか否かを判定する第二のリセット判定部を有しており、前記他の電子制御装置がリセットされていないと前記リセット判定部が判定し、かつ前記電子制御装置がリセットされていないと前記第二のリセット判定部が判定した場合に、前記電子制御装置と前記他の電子制御装置のそれぞれに対して予め設定された優先度に基づいて、前記電子制御装置による前記第一の制御対象の制御または前記他の電子制御装置による前記第二の制御対象の制御のいずれか一方を停止させる。
本発明によるリセット判定方法は、相互に通信を行う第一の電子制御装置および第二の電子制御装置を有する制御システムにおいて、前記第一の電子制御装置により、前記第二の電子制御装置との通信が異常であるか否かを判定し、前記第二の電子制御装置との通信が異常であると判定された場合に、前記第一の電子制御装置により、前記第二の電子制御装置の制御対象の状態に関するセンサ信号の変化に基づいて、前記第二の電子制御装置がリセットされたか否かを判定する。
本発明によれば、電子制御装置間に通信異常が発生した場合に、その原因を直ちに判断することができる。
本発明の第1の実施形態に係る電子制御装置を搭載した電動パワーステアリングシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る電子制御装置のハードウェア構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるフェイルセーフ処理のフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における通信異常判定のフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるリセット判定のフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるリセット判定の方法を説明する図である。 本発明の第1の実施形態における制御状態決定のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る電子制御装置を搭載した電動パワーステアリングシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態におけるフェイルセーフ処理のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるリセット判定のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるリセット判定の方法を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る電子制御装置を搭載した電動パワーステアリングシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態におけるフェイルセーフ処理のフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における制御状態決定のフローチャートである。
(第1の実施形態)
以下、図1〜図7を用いて、本発明の第1の実施形態に係る電子制御装置について説明する。本実施形態では、車両のステアリングをアシストまたは制御する電動パワーステアリングシステムに搭載された電子制御装置を例として、本発明の説明を行う。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子制御装置を搭載した電動パワーステアリングシステムの構成を示すブロック図である。図1に示す電動パワーステアリングシステム1000は、同様の構成であり同様の動作を行う第1系統と第2系統に冗長化されている。第1系統は、第1コントローラ10、第1インバータ31、第1モータ33、第1トルクセンサ35、および第1モータ回転角センサ37を備える。第2系統は、第2コントローラ20、第2インバータ41、第2モータ43、第2トルクセンサ45、および第2モータ回転角センサ47を備える。第1コントローラ10と第2コントローラ20は、ネットワーク30を介して互いに接続されており、制御システム1を構成している。ネットワーク30は、第1コントローラ10と第2コントローラ20の間で定期的に送受信される通信信号の伝送媒体であり、たとえば、Serial Peripheral Interface(SPI)のようなP2P通信や、Controller Area Network(CAN)のようなバス通信により、通信信号の伝送を行う。
第1モータ33および第2モータ43は、第1インバータ31、第2インバータ41からそれぞれ入力される交流電流に応じて回転駆動し、車両のステアリングをアシストまたは制御するための駆動力を供給する回転トルクをそれぞれ発生する。なお、第1モータ33と第2モータ43とは、ロータ、ステータおよび巻線を個別にそれぞれ有する構造であってもよいし、ロータとステータを共有して巻線を共有しない構造、すなわち物理的には単一のモータを別々の巻線で制御するような構造であってもよい。
第1系統において、第1トルクセンサ35および第1モータ回転角センサ37は、第1モータ33の状態に関するセンサ信号を第1コントローラ10にそれぞれ出力する。具体的には、第1トルクセンサ35は、第1モータ33の回転トルクを検出し、その検出結果に応じたセンサ信号である第1トルクを出力する。第1モータ回転角センサ37は、第1モータ33のロータ回転角を検出し、その検出結果に応じたセンサ信号である第1モータ回転角を出力する。なお、第1トルクセンサ35から出力された第1トルクは、後述するフェイルセーフ処理のために第2コントローラ20にも入力される。
第1コントローラ10は、電動パワーステアリングシステム1000において第1系統の制御を実現するための各種の処理や演算を行う電子制御装置(ECU)である。第1コントローラ10は、その機能として、第1通信部11、第1制御指令生成部12、第1通信異常判定部13、第1リセット判定部14および第1制御部15を有する。
第1通信部11は、ネットワーク30を介して第2コントローラ20との間で通信信号の送受信を行う。この通信信号には、第1コントローラ10と第2コントローラ20とが第1モータ33と第2モータ43をそれぞれ協調して制御するための情報が含まれる。たとえば、第1制御指令生成部12で演算された第1モータ33の制御量などの情報を含む通信信号が、第1コントローラ10から第2コントローラ20へと第1通信部11により送信される。また、第2コントローラ20から送信された第2モータ43の制御量などの情報を含む通信信号が、第1通信部11により受信される。
第1制御指令生成部12は、第1トルクセンサ35と第1モータ回転角センサ37からそれぞれ入力された第1トルクおよび第1モータ回転角に基づいて、制御対象である第1モータ33の制御量を演算し、その制御量に応じた第1制御指令を生成して第1インバータ31に出力する。第1制御指令生成部12は、たとえば、車両のステアリングホイールに取り付けられた不図示の舵角センサから出力される舵角信号と、第1トルクおよび第1モータ回転角とを用いて、周知の演算処理により、第1モータ33の制御量に応じた目標トルクを求める。このとき、前述の通信信号により第2コントローラ20から送信された第2モータ43の制御量、すなわち第2モータ43の目標トルクを考慮して、第1モータ33の目標トルクを決定することで、第1コントローラ10と第2コントローラ20との間で協調制御が実現される。そして、求められた目標トルクに応じたパルス幅変調(PWM)信号を生成し、第1制御指令として第1インバータ31に出力する。なお、第1制御指令生成部12による第1モータ33の目標トルクの演算結果は、前述の通信信号により、第1通信部11からネットワーク30を介して第2コントローラ20に送信される。
第1通信異常判定部13は、第1通信部11による第2コントローラ20との通信が異常であるか否かを判定する通信異常判定を実施する。なお、第1通信異常判定部13による通信異常判定の具体的な手順については、後で図4を参照して説明する。
第1リセット判定部14は、第1通信異常判定部13により第2コントローラ20との通信が異常であると判定された場合に、その通信異常が第2コントローラ20のリセットによるものか否かを判定するリセット判定を実施する。なお、第1リセット判定部14によるリセット判定の具体的な手順については、後で図5および図6を参照して説明する。
第1制御部15は、第1通信異常判定部13および第1リセット判定部14の判定結果に基づいて第1コントローラ10の制御モードを決定する制御状態決定を実施する。なお、第1制御部15による制御状態決定の具体的な手順については、後で図7を参照して説明する。
第1コントローラ10は、上記の第1通信異常判定部13、第1リセット判定部14および第1制御部15の各機能を用いて、第2コントローラ20との間で行われる通信の異常を原因ごとに区別して検出し、その検出結果に応じた制御モードに移行するフェイルセーフ処理を行う。なお、フェイルセーフ処理の具体的な手順については、後で図3を参照して説明する。
第1インバータ31は、第1コントローラ10から出力された第1制御指令に基づき、第1モータ33の駆動制御を行う。たとえば、第1コントローラ10から第1制御指令として出力されたパルス幅変調信号に基づき、不図示の複数のスイッチング素子のスイッチング状態をそれぞれ制御する。これにより、所定の振幅、周期、位相を有する交流電流を生成して、第1モータ33に出力する。
電動パワーステアリングシステム1000において、第1系統は、以上説明したような各構成要素の動作により、第1モータ33を駆動させることができる。
第2系統における各構成要素も、第1系統の各構成要素とそれぞれ同様の動作を行うことで、第2モータ43を駆動させる。すなわち、第2トルクセンサ45および第2モータ回転角センサ47は、第2モータ43の回転トルクとロータ回転角をそれぞれ検出し、これらの検出結果に応じたセンサ信号である第2トルクと第2モータ回転角を第2コントローラ20にそれぞれ出力する。なお、第2トルクセンサ45から出力された第2トルクは、フェイルセーフ処理のために第1コントローラ10にも入力される。電子制御装置(ECU)である第2コントローラ20は、その機能として、第2通信部21、第2制御指令生成部22、第2通信異常判定部23、第2リセット判定部24および第2制御部25を有している。これらは、第1コントローラ10の第1通信部11、第1制御指令生成部12、第1通信異常判定部13、第1リセット判定部14、第1制御部15とそれぞれ対応しており、同じ動作をそれぞれ行う。第2インバータ41は、第2コントローラ20から出力された第2制御指令に基づき、第2モータ43の駆動制御を行う。これにより、第2系統において第2モータ43が駆動される。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電子制御装置のハードウェア構成を示す図である。図2(a)は、第1コントローラ10のハードウェア構成を示している。図2(a)に示すように、第1コントローラ10は、CPU101、ROM103、RAM105、通信部107、およびPWM生成回路109を備える。CPU101は、RAM105を作業領域に用いてROM103に保存されたプログラムを実行することで、第1通信部11、第1制御指令生成部12、第1通信異常判定部13、第1リセット判定部14および第1制御部15の各機能を実現するための処理を行う。通信回路107は、CPU101の制御に応じて動作し、第2コントローラ20へ通信信号を送信する処理と、第2コントローラ20から送信された通信信号を受信する処理を行う。通信回路107は、CPU101と共に第1通信部11を実現する。PWM生成回路109は、CPU101の制御に応じて動作し、第1インバータ31に第1制御指令として出力するパルス幅変調(PWM)信号を生成する処理を行う。PWM生成回路109は、CPU101と共に第1制御指令生成部12を実現する。
図2(b)は、第2コントローラ20のハードウェア構成を示している。図2(b)に示すように、第2コントローラ20は、CPU201、ROM203、RAM205、通信部207、およびPWM生成回路209を備える。これらの動作は、第1コントローラ10のCPU101、ROM103、RAM105、通信部107、およびPWM生成回路109とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
次に、第1コントローラ10が行うフェイルセーフ処理について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態における第1コントローラ10によるフェイルセーフ処理のフローチャートである。第1コントローラ10は、制御システム1の電源が投入されると、図3に示すフェイルセーフ処理を所定の処理周期ごとに繰り返し実行する。
ステップS10において、第1コントローラ10は、第2トルクセンサ45から出力された第2トルクを取得する。なお、他の処理で第1コントローラ10が第2トルクの最新値を取得可能であれば、その値を用いることでステップS10の処理を省略してもよい。また、前述のように第1モータ33と第2モータ43がロータとステータを共有している構造である場合には、第2トルクを取得する代わりに、第1トルクセンサ35から出力された第1トルクを取得してもよい。この場合、第1制御指令生成部12が第1モータ33の目標トルクを演算する際に取得した第1トルクを用いることで、ステップS10の処理を省略してもよい。
ステップS11において、第1コントローラ10は、第1通信異常判定部13による通信異常判定を行う。このとき第1通信異常判定部13は、図4のフローチャートに示す処理を行い、第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信が正常であるか異常であるかを判定する。なお、図4のフローチャートの詳細については後で説明する。
ステップS12において、第1コントローラ10は、ステップS11で行った通信異常判定により得られた判定結果が通信正常であるか否かを判定する。判定結果が通信正常である場合、すなわち第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信が正常であるとの判定結果が得られた場合は、図3に示すフェイルセーフ処理を終了する。一方、判定結果が通信異常である場合、すなわち第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信が異常であるとの判定結果が得られた場合は、処理をステップS14に進める。
ステップS14において、第1コントローラ10は、第1リセット判定部14によるリセット判定を行う。このとき第1リセット判定部14は、図5のフローチャートに示す処理を行い、第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信異常が第2コントローラ20のリセットによるものか否かを判定する。なお、図5のフローチャートの詳細については後で説明する。
ステップS15において、第1コントローラ10は、第1制御部15による制御状態決定を行う。このとき第1制御部15は、図7のフローチャートに示す処理を行い、第1コントローラ10の制御モードを決定する。なお、図7のフローチャートの詳細については後で説明する。ステップS15で第1コントローラ10の制御モードを決定したら、第1コントローラ10は図3に示すフェイルセーフ処理を終了する。
次に、図3のステップS11で実行される通信異常判定について説明する。図4は、本発明の第1の実施形態における第1通信異常判定部13による通信異常判定のフローチャートである。
ステップS111において、第1通信異常判定部13は、コントローラ20との間で通信異常の可能性があるか否かを判定する。たとえば、コントローラ20からネットワーク30を介して受信した通信信号におけるデータが異常である場合は、通信異常の可能性があると判定して処理をステップS113に進める。なお、通信信号におけるデータの異常の有無は、前回受信した通信信号のデータと今回受信した通信信号のデータとの差分値を求め、この差分値が異常値を示すか否かによって判断することができる。たとえば、差分値が0である場合や通常の制御で取り得る値の範囲から外れている場合はデータが異常であると判断し、そうでない場合はデータが正常であると判断する。また、通信プロトコルに誤りがある場合や、コントローラ20から通信信号を受信できない場合にも、通信異常の可能性があると判定して処理をステップ113に進める。一方、これらの条件に該当しない場合は、通信異常の可能性がないと判定して処理をステップS114に進める。
ステップS113において、第1通信異常判定部13は、通信異常判定カウンタをインクリメントする。この通信異常判定カウンタは、通信異常の可能性ありと判定された期間を計測するためのカウンタであり、第1コントローラ10の動作中にRAM105に記憶されている。
ステップS113の処理を実行した後、ステップS115において、第1通信異常判定部13は、通信異常判定カウンタが所定の通信異常判定閾値よりも大きいか否かを判定する。その結果、通信異常判定カウンタが通信異常判定閾値よりも大きい場合は処理をステップS117に進め、そうでない場合、すなわち通信異常判定カウンタが通信異常判定閾値以下である場合は処理をステップS118に進める。なお、ステップS115の判定で用いられる通信異常判定閾値は、フェイルセーフ処理の実行周期を考慮して、コントローラ20との通信が異常であると確定するのに十分な時間に応じた値が予め設定されている。たとえば通常動作時の通信周期の最大値や、システム上許容される通信間隔の最大値などに基づいて、通信異常判定閾値を設定することができる。
ステップS115で通信異常判定カウンタが通信異常判定閾値よりも大きいと判定した場合、ステップS117において、第1通信異常判定部13は、通信異常、すなわち第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信が異常であると判定する。ステップS117を実行して通信異常との判定結果が得られたら、第1通信異常判定部13は図4に示す通信異常判定を終了する。
一方、ステップS115で通信異常判定カウンタが通信異常判定閾値以下であると判定した場合、ステップS118において、第1通信異常判定部13は、通信異常なし、すなわち第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信が正常であると判定する。ステップS118を実行して通信異常なしとの判定結果が得られたら、第1通信異常判定部13は図4に示す通信異常判定を終了する。
また、ステップS111で通信異常の可能性がないと判定した場合、ステップS114において、第1通信異常判定部13は、前述の通信異常判定カウンタを初期値(たとえば0)にクリアする。その後は、ステップS118で上記の処理を行った後、図4に示す通信異常判定を終了する。
第1通信異常判定部13は、以上説明したような通信異常判定を行うことで、第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信が正常であるか異常であるかを判定することができる。
次に、図3のステップS14で実行されるリセット判定について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態における第1リセット判定部14によるリセット判定のフローチャートである。
ステップS141において、第1リセット判定部14は、ステップS10で取得した第2トルクが所定のリセット条件を満たすか否かを判定する。その結果、リセット条件を満たすと判定した場合は処理をステップS143に進め、満たさないと判定した場合は処理をステップS145に進める。なお、前述のように他の処理で第2トルクを取得可能であるためにステップS10の処理を省略した場合は、その第2トルクを用いてステップS141の判定を行う。また、前述のように第2トルクを取得する代わりに第1トルクを取得した場合は、第1トルクがリセット条件を満たすか否かをステップS141において判定すればよい。
ステップS141の判定で用いられるリセット条件は、第1コントローラ10において、第2コントローラ20がリセットされて第2モータ43の制御が停止した場合に第2トルクセンサ45から出力されるべき第2トルクの値の変化に応じて予め設定されている。以下では、図6に示すリセット判定領域D1をリセット条件に用いた場合を具体例として、本発明の第1の実施形態におけるステップS141のリセット判定の方法について、図6を参照して説明する。図6において、波形61は車両のドライバによるステアリングの入力トルクを表し、波形62はこの入力トルクに対して第2モータ43が出力する正常時の出力トルクを表している。リセット判定領域D1には、たとえば正常時の出力トルクの50%付近の領域が設定される。
図6(a)は、第1通信異常判定部13により通信異常が検知されたときに、第2コントローラ20がリセットされていない場合の第2トルクの変化の様子を示す図である。この場合、第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信が異常となることで、協調制御は不可能であるが、第2コントローラ20による第2モータ43の制御は継続して行われる。そのため破線で示すように、第2トルクは波形62が示す正常時の出力トルク付近で変動するものの、そこから大きく減少することはない。したがって、第2トルクはリセット判定領域D1に到達せず、ステップS141においてリセット条件を満たさないと判定される。
図6(b)は、第1通信異常判定部13により通信異常が検知されたときに、第2コントローラ20がリセットされていた場合の第2トルクの変化の様子を示す図である。この場合、第2コントローラ20による第2モータ43の制御が停止することで、電動パワーステアリングシステム1000において第2系統が停止して第2トルクが急激に減少するが、冗長系である第1系統の第1モータ33が駆動しているため、第2トルクは完全に0とはならず、正常時の出力トルクの約半分の値が第2トルクとして検出される。その結果、破線で示すように第2トルクが変化してリセット判定領域D1内となり、ステップS141においてリセット条件を満たすと判定される。
なお、上記のリセット判定領域D1には、正常時の出力トルクの50%付近以外の領域を設定してもよい。たとえば、第1モータ33と第2モータ43が機械的に完全に分離しており、第1モータ33の駆動が第2モータ43に影響を及ぼさない場合には、第2コントローラ20がリセットされて第2モータ43が停止すると、第2トルクは0となる。したがってこのような場合には、正常時の出力トルクの0%付近の領域をリセット判定領域D1に設定してもよい。これ以外にも、通信異常により協調制御が行われない場合の第2トルクの変化や、第1モータ33の駆動中に第2モータ43が停止した場合の第2トルクの変化を考慮して、リセット判定領域D1を設定することができる。
また、ステップS141の判定では、図6に示したリセット判定領域D1以外をリセット条件として用いてもよい。たとえば、第2モータ43が停止したときの第2トルクの減少速度に着目し、所定の単位時間当たりの第2トルクの変化量(減少量)が所定の閾値を超えることをリセット条件として、このリセット条件を満たすか否かによりステップS141の判定を行うことができる。あるいは、第2モータ43が停止したときに第2トルクが連続的に減少することに着目し、所定の判定時間内で第2トルクが単調減少することをリセット条件として、このリセット条件を満たすか否かによりステップS141の判定を行うこともできる。これ以外にも、通信異常により協調制御が行われない場合の第2トルクの変化や、第1モータ33の駆動中に第2モータ43が停止した場合の第2トルクの変化を考慮して、リセット判定条件を設定することができる。
図5の説明に戻ると、ステップS143において、第1リセット判定部14は、第2コントローラ20がリセットされたと判定する。これにより、ステップS11の通信異常判定において第1通信異常判定部13により検出された第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信異常の原因は、第2コントローラ20のリセットであるとの判定結果が得られる。ステップS143を実行したら、第1リセット判定部14は図5に示すリセット判定を終了する。
一方、ステップS141で第2トルクがリセット条件を満たさないと判定した場合、ステップS145において、第1リセット判定部14は、リセット判定カウンタをインクリメントする。このリセット判定カウンタは、第2トルクがリセット条件を満たさないと判定された期間を計測するためのカウンタであり、第1コントローラ10の動作中にRAM105に記憶されている。すなわち、第2コントローラ20がリセットされて第2モータ43の制御が停止した場合であっても、図6(b)に示したように、第2トルクがリセット判定領域D1に到達するまでにはある程度の時間がかかるため、ステップS141の時点で第2トルクがリセット条件を満たしているとは限らない。そのため、第2トルクがリセット条件を満たさない場合には、その時間をリセット判定カウンタにより計測する。
ステップS145の処理を実行した後、ステップS147において、第1リセット判定部14は、リセット判定カウンタが所定のリセット判定閾値よりも大きいか否かを判定する。その結果、リセット判定カウンタがリセット判定閾値よりも大きい場合は処理をステップS149に進め、そうでない場合、すなわちリセット判定カウンタがリセット判定閾値以下である場合は図5に示すリセット判定を終了する。なお、ステップS147の判定で用いられるリセット判定閾値は、第2コントローラ20のリセットが第2トルクに影響してリセット条件が満たされるまでの時間を考慮して、コントローラ20がリセットされていないと確定するのに十分な時間に応じた値が予め設定されている。
ステップS147でリセット判定カウンタがリセット判定閾値よりも大きいと判定した場合、ステップS149において、第1リセット判定部14は、ネットワーク30が異常であるか、または、第1コントローラ10の第1通信部11と第2コントローラ20の第2通信部21の少なくとも一方が異常であると判定する。これにより、ステップS11の通信異常判定において第1通信異常判定部13により検出された第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信異常の原因は、第2コントローラ20のリセットではなく、通信系の異常であるとの判定結果が得られる。ステップS149を実行したら、第1リセット判定部14は図5に示すリセット判定を終了する。
第1リセット判定部14は、第1コントローラ10と第2コントローラ20の間の通信が異常である場合には、以上説明したようなリセット判定を行うことで、第2モータ43の状態に関するセンサ信号である第2トルクの変化に基づいて、第2コントローラ20がリセットされたか否かを判定することができる。
次に、図3のステップS15で実行される制御状態決定について説明する。図7は、本発明の第1の実施形態における第1制御部15による制御状態決定のフローチャートである。
ステップS151において、第1制御部15は、ステップS14のリセット判定の結果に基づき、第2コントローラ20がリセットされたか否かを判定する。リセット判定においてステップS143が実行されることで、第2コントローラ20がリセットされたとの判定結果が得られた場合は、処理をステップS153に進める。一方、リセット判定においてステップS149が実行されることで、第2コントローラ20がリセットされていないとの判定結果が得られた場合は、処理をステップS157に進める。なお、リセット判定においてステップS143とステップS149のいずれも実行されていない場合、すなわちステップS147でリセット判定カウンタがリセット判定閾値以下であると判定された場合は、ステップS151の処理を行わずに、図7に示す制御状態決定を終了することが好ましい。
ステップS153において、第1制御部15は、第1コントローラ10の動作を継続させて第1モータ33の制御を続けるように、第1コントローラ10の制御状態を決定する。これにより、電動パワーステアリングシステム1000において第2系統が停止した場合には、第1系統の動作を継続してシステム全体が停止するのを防止する。ステップS153を実行したら、第1制御部15は図7に示す制御状態決定を終了する。
一方、ステップS151で第2コントローラ20がリセットされていないと判定した場合、ステップS155において、第1制御部15は、第1コントローラ10の優先度と第2コントローラ20の優先度を比較し、第1コントローラ10の優先度の方が高いか否かを判定する。その結果、第1コントローラ10の優先度の方が高いと判定した場合は処理をステップS153に進め、そうでない場合、すなわち第2コントローラ20の優先度の方が高いと判定した場合は処理をステップS157に進める。なお、第1コントローラ10および第2コントローラ20には、その制御継続の優先度合いに応じた優先度がそれぞれ予め設定されており、両方の優先度がそれぞれ記憶されている。
ステップS155で第1コントローラ10の優先度の方が高いと判定した場合は、ステップS151で第2コントローラ20がリセットされたと判定した場合と同様に、第1制御部15はステップS153を実行することで、第1コントローラ10の動作を継続させて第1モータ33の制御を続けるようにする。一方、ステップS155で第2コントローラ20の優先度の方が高いと判定した場合は、ステップS157において、第1制御部15は、第1コントローラ10の動作を停止させて第1モータ33の制御を行わないように、第1コントローラ10の制御状態を決定する。その結果、第1コントローラ10において第1制御指令生成部12からの第1制御指令の出力が停止され、第1インバータ31による第1モータ33の駆動制御が行われなくなる。これにより、電動パワーステアリングシステム1000において第2系統が動作しており、かつ第2系統の優先度が高い場合には、第1系統の動作を停止する。ステップS157を実行したら、第1制御部15は図7に示す制御状態決定を終了する。
第1制御部15は、以上説明したような制御状態決定を行うことで、第2コントローラ20がリセットされた場合には、第1コントローラ10の動作を継続させることができる。また、第2コントローラ20がリセットされていない場合には、第1コントローラ10と第2コントローラ20の優先度に応じて、第1コントローラ10を停止させるか否かを決定することができる。すなわち、第1コントローラ10と第2コントローラ20は同じフェイルセーフ処理をそれぞれ実行しているため、これらの間の通信異常の原因が一方のコントローラのリセット以外であった場合には、同じタイミングで通信異常を検出する場合がある。そのため、優先度を考慮せずに第1コントローラ10と第2コントローラ20が自身の動作をそれぞれ停止させると、制御システム1全体が停止してしまう。しかし、上記のように第1コントローラ10と第2コントローラ20がそれぞれの優先度を考慮して自身の動作を停止するか否かを決定することで、制御システム1において第1コントローラ10と第2コントローラ20のいずれか一方のみが停止される。すなわち、制御システム1は、第2コントローラ20がリセットされていないと第1リセット判定部14が判定し、かつ第1コントローラ10がリセットされていないと第2コントローラ20が判定した場合に、第1コントローラ10と第2コントローラ20のそれぞれに対して予め設定された優先度に基づいて、第1コントローラ10による第1モータ33の制御または第2コントローラ20による第2モータ43の制御のいずれか一方を停止させる。その結果、電動パワーステアリングシステム1000において、システム全体が停止するのを避けることができる。
上述した第1コントローラ10によれば、第2コントローラ20との間に通信異常が生じたときに、その通信異常の原因を直ちに区別して判断することができる。すなわち、第2コントローラ20に対する通信異常が、ネットワーク30や互いの通信機能などの通信系の異常で生じたものか、それとも通信相手の第2コントローラ20がリセットされたことによるものかを、第2コントローラ20がリセット状態から復帰するまで待つことなく判断することができる。なお、第2コントローラ20がリセット状態から復帰するまでの時間が経過すれば、復帰後の通信状態が正常か否かを第1コントローラ10において確認することで、本実施形態で説明したフェイルセーフ処理を行わずに通信異常の原因を判断することも可能である。しかし、こうした手法では、第1コントローラ10は、通信異常の原因を判定するために、少なくとも第2コントローラ20がリセット状態から復帰するまでの時間を待つ必要がある。これに対して、本実施形態で説明したフェイルセーフ処理によれば、第2コントローラ20がリセット状態から復帰するまで待つことなく、通信異常の原因を第1コントローラ10において判定することができる。したがって、従来よりも素早い判断が可能となる。
さらに、本実施形態で説明したフェイルセーフ処理では、第1リセット判定部14によるリセット判定の結果を受けて、第1コントローラ10が即座に自身の制御モードを決定できる。また、第2コントローラ20でも同様に、即座に自身の制御モードを決定できる。そのため、電動パワーステアリングシステム1000の全システム、すなわち第1系統と第2系統の両方が同時に停止してしまう状態や、第1系統と第2系統の制御がそれぞれ非同期に実施されるような事態を避けることができる。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)電子制御装置である第1コントローラ10は、第一の制御対象である第1モータ33を制御するための第1制御指令を生成して出力する第1制御指令生成部12と、第二の制御対象である第2モータ43を制御するための他の電子制御装置である第2コントローラ20と通信を行う第1通信部11と、第1通信部11による第2コントローラ20との通信が異常であるか否かを判定する第1通信異常判定部13と、第1通信異常判定部13により第2コントローラ20との通信が異常であると判定された場合に、第2モータ43の状態に関するセンサ信号である第2トルクの変化に基づいて、第2コントローラ20がリセットされたか否かを判定する第1リセット判定部14と、を備える。このようにしたので、第1コントローラ10と第2コントローラ20の間に通信異常が発生した場合に、その原因を直ちに判断することができる。
(2)第1リセット判定部14は、ステップS141およびS143において、第2トルクが変化して所定のリセット判定領域D1内となったときに、第2コントローラ20がリセットされたと判定する。また、所定の単位時間当たりの第2トルクの変化量が所定の閾値を超えたときに、第2コントローラ20がリセットされたと判定することもできる。さらに、所定の判定時間内で第2トルクが単調減少したときに、第2コントローラ20がリセットされたと判定することもできる。このようにしたので、通信異常により協調制御が行われない場合の第2トルクの変化や、第1モータ33の駆動中に第2モータ43が停止した場合の第2トルクの変化を考慮して、第2コントローラ20がリセットされたか否かを適切に判定することができる。
(3)第1制御指令生成部12は、ステップS151およびS153において、第1リセット判定部14により第2コントローラ20がリセットされたと判定された場合に、第1制御指令の出力を継続する。このようにしたので、第2コントローラ20がリセットされたときには、第1コントローラ10による第1モータ33の制御を続けて、電動パワーステアリングシステム1000が停止するのを防ぐことができる。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、通信異常を検出した際に制御対象とするモータの制御量を制限する例を説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る電子制御装置を搭載した電動パワーステアリングシステムの構成を示すブロック図である。図8に示す電動パワーステアリングシステム1001は、第1の実施形態で説明した電動パワーステアリングシステム1000と比較して、図1の制御システム1における第1コントローラ10および第2コントローラ20が、制御システム1Aにおける第1コントローラ10Aおよび第2コントローラ20Aに置き換わっている点が異なっている。第1コントローラ10Aは、図1の第1制御指令生成部12および第1リセット判定部14に代えて、第1制御指令生成部12Aおよび第1リセット判定部14Aを機能的に有している。同様に、第2コントローラ20Aは、図1の第2制御指令生成部22および第2リセット判定部24に代えて、第2制御指令生成部22Aおよび第2リセット判定部24Aを機能的に有している。なお、これ以外の点は第1の実施形態と同じであるため、以下では説明を省略する。
第1コントローラ10Aおよび第2コントローラ20Aは、第1の実施形態で説明したのとは異なる手順により、フェイルセーフ処理をそれぞれ実行する。このフェイルセーフ処理において、第1制御指令生成部12Aおよび第2制御指令生成部22Aは、第1コントローラ10Aと第2コントローラ20Aの間の通信が異常であると判断されると、制御対象である第1モータ33および第2モータ43の制御量をそれぞれ制限する。また、第1リセット判定部14Aおよび第2リセット判定部24Aは、第1の実施形態で説明したのとは異なる手順でリセット判定をそれぞれ行う。なお、第1コントローラ10Aと第2コントローラ20Aの動作は同様であるため、以下では第1コントローラ10Aの動作についてのみ説明し、第2コントローラ20Aの動作については説明を省略する。
図9は、本発明の第2の実施形態における第1コントローラ10Aによるフェイルセーフ処理のフローチャートである。第1コントローラ10Aは、制御システム1Aの電源が投入されると、図9に示すフェイルセーフ処理を所定の処理周期ごとに繰り返し実行する。なお、図9のフローチャートにおいて、ステップS10〜S12、S15はそれぞれ図3と同様の処理内容である。以下では、図3と異なるステップS13およびS14Aについて説明する。
ステップS11の通信異常判定の結果が通信異常であるとステップS12において判定されると、ステップS13において、第1コントローラ10Aは、第1モータ33の制御量を制限する。ここでは、第1制御指令生成部12Aから第1インバータ31に出力する第1制御指令を通常時よりも低い値に制限することで、第1モータ33の制御量を制限する。たとえば、前述の舵角信号や第1トルクおよび第1モータ回転角に基づいて決定された第1モータ33の目標トルクに対して、第1モータ33の出力トルクがそのX%(たとえば25%)に制限されるように、第1制御指令生成部12が第1制御指令を生成して第1インバータ31に出力する。これ以外にも、たとえば目標トルクに関わらず所定の制御量を第1制御指令として出力するなど、他の方法で第1モータ33の制御量を制限することとしてもよい。ステップS13を実行したら、第1コントローラ10Aは処理をステップS14Aに進める。
ステップS14Aにおいて、第1コントローラ10Aは、第1リセット判定部14Aによるリセット判定を行う。このとき第1リセット判定部14Aは、図10のフローチャートに示す処理を行い、第1コントローラ10Aと第2コントローラ20Aの間の通信異常が第2コントローラ20Aのリセットによるものか否かを判定する。
図10は、本発明の第2の実施形態における第1リセット判定部14Aによるリセット判定のフローチャートである。ステップS141Aにおいて、第1リセット判定部14Aは、ステップS10で取得した第2トルクが正常時またはリセット時のどちらに合致するかを判定する。その結果、第2トルクがリセット時に合致すると判定した場合は処理をステップS143に進め、正常時に合致すると判定した場合は処理をステップS149に進める。なお、本実施形態でも第1の実施形態で説明したのと同様に、他の処理で第2トルクを取得可能であるためにステップS10の処理を省略した場合は、その第2トルクを用いてステップS141Aの判定を行う。また、前述のように第2トルクを取得する代わりに第1トルクを取得した場合は、第1トルクが正常時またはリセット時のどちらに合致するかをステップS141Aにおいて判定すればよい。
ステップS141Aの判定は、図9のステップS13で制限された第1モータ33の制御量や、同様にして制限された第2モータ43の制御量を考慮して、第2トルクがこれらの制限後のモータ制御量に合致するか否かを判断することで行われる。以下では、前述のように第1モータ33の出力トルクを目標トルクのX%に制限した場合を例として、本発明の第2の実施形態におけるステップS141Aのリセット判定の方法について、図11を参照して説明する。なお、図11においても第1の実施形態で説明した図6と同様に、波形61は車両のドライバによるステアリングの入力トルクを表し、波形62はこの入力トルクに対して第2モータ43が出力する正常時の出力トルクを表している。
図11(a)は、第1通信異常判定部13により通信異常が検知されたときに、第2コントローラ20Aがリセットされていない場合の第2トルクの変化の様子を示す図である。この場合、第1コントローラ10Aにおいて第1モータ33の出力トルクが目標トルクのX%に制限されると共に、第2コントローラ20Aによる第2モータ43の制御が継続して行われているため、第2コントローラ20Aでも同様に、第2モータ43の出力トルクが目標トルクのX%に制限される。そのため破線で示すように、目標トルクの2X%の値が第2トルクとして検出される。ここで、目標トルクの2X%付近の値を正常判定領域D2に設定しておくと、第2トルクがこの正常判定領域D2に収まることで、ステップS141Aにおいて第2トルクが正常時に合致したと判定される。
図11(b)は、第1通信異常判定部13により通信異常が検知されたときに、第2コントローラ20Aがリセットされていた場合の第2トルクの変化の様子を示す図である。この場合、第2コントローラ20Aによる第2モータ43の制御が停止することで、電動パワーステアリングシステム1001において第2系統が停止して第2トルクが急激に減少する。一方、冗長系である第1系統の第1モータ33は駆動しており、その出力トルクが目標トルクのX%に制限されている。そのため、第2トルクは破線で示すように完全に0とはならず、正常時の出力トルクのX%の値が第2トルクとして検出される。ここで、目標トルクのX%付近の値をリセット判定領域D3に設定しておくと、第2トルクがこのリセット判定領域D3に収まることで、ステップS141Aにおいて第2トルクがリセット時に合致したと判定される。
なお、上記の正常判定領域D2やリセット判定領域D3についても、第1の実施形態におけるリセット判定領域D1と同様に、図11に例示した以外の領域を設定してもよい。第1コントローラ10Aや第2コントローラ20Aにおいて第1モータ33や第2モータ43の制御量が制限されることによる第2トルクの変化や、第1モータ33の駆動中に第2モータ43が停止した場合の第2トルクの変化を考慮して、正常判定領域D2やリセット判定領域D3を設定することができる。
図10の説明に戻ると、ステップS143において、第1リセット判定部14Aは、第2コントローラ20がリセットされたと判定する。これにより、ステップS11の通信異常判定において第1通信異常判定部13により検出された第1コントローラ10Aと第2コントローラ20Aの間の通信異常の原因は、第2コントローラ20Aのリセットであるとの判定結果が得られる。ステップS143を実行したら、第1リセット判定部14Aは図10に示すリセット判定を終了する。
一方、ステップS141Aで第2トルクが正常時に合致すると判定した場合、ステップS149において、第1リセット判定部14Aは、ネットワーク30が異常であるか、または、第1コントローラ10Aの第1通信部11と第2コントローラ20Aの第2通信部21の少なくとも一方が異常であると判定する。これにより、ステップS11の通信異常判定において第1通信異常判定部13により検出された第1コントローラ10Aと第2コントローラ20Aの間の通信異常の原因は、第2コントローラ20Aのリセットではなく、通信系の異常であるとの判定結果が得られる。ステップS149を実行したら、第1リセット判定部14Aは図10に示すリセット判定を終了する。
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、第1制御指令生成部12Aは、第1通信異常判定部13により第2コントローラ20Aとの通信が異常であると判定された場合に、ステップS13において、第1制御指令における第1モータ33の制御量を制限する。また、第1リセット判定部14Aは、ステップS141AおよびS149において、第2トルクの変化量が制限後の制御量に合致するときに、第2コントローラ20Aがリセットされていないと判定する。このようにしたので、通信異常時に車両のドライバが意図しない制御が行われるのを防止できると共に、第2コントローラ20Aがリセットされていない場合にはこれを素早く判断することができる。
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態について説明する。前述の第1の実施形態では、第1コントローラ10と第2コントローラ20のそれぞれに対して優先度を予め設定し、この優先度に基づいて、第1コントローラ10または第2コントローラ20がリセットされた場合に、第1コントローラ10による第1モータ33の制御または第2コントローラ20による第2モータ43の制御のいずれか一方を停止させる例を説明した。これに対して、本実施形態では、優先度を設定せずに第1コントローラ10のみを停止させる例を説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る電子制御装置を搭載した電動パワーステアリングシステムの構成を示すブロック図である。図12に示す電動パワーステアリングシステム1002は、第1の実施形態で説明した電動パワーステアリングシステム1000と比較して、図1の制御システム1における第1コントローラ10および第2コントローラ20が、制御システム1Bにおける第1コントローラ10Bおよび第2コントローラ20Bに置き換わっている点と、第1トルクセンサ35から第2コントローラ20Bに第1トルクが出力されない点が異なっている。第1コントローラ10Bは、図1の第1制御部15に代えて、第1制御部15Bを機能的に有している。一方、第2コントローラ20Bは、第2通信部21および第2制御指令生成部22のみを機能的に有しており、図1の第2通信異常判定部23、第2リセット判定部24および第2制御部25は有していない。すなわち、本実施形態の第2コントローラ20Bは、第1コントローラ10Bとの通信機能および第2モータ43の制御機能は有しているが、第1トルクに基づくフェイルセーフ機能は有していない。なお、これ以外の点は第1の実施形態と同じであるため、以下では説明を省略する。
第1コントローラ10Bは、第1の実施形態で説明したのとは異なる手順により、フェイルセーフ処理を実行する。このフェイルセーフ処理において、第1制御部15Bは、第1の実施形態で説明したのとは異なる手順で制御状態決定判定を行う。
図13は、本発明の第3の実施形態における第1コントローラ10Bによるフェイルセーフ処理のフローチャートである。第1コントローラ10Bは、制御システム1Bの電源が投入されると、図13に示すフェイルセーフ処理を所定の処理周期ごとに繰り返し実行する。なお、図13のフローチャートにおいて、ステップS10〜S14はそれぞれ図3と同様の処理内容である。以下では、図3と異なるステップS15Bについて説明する。
ステップS14において第1リセット判定部14によるリセット判定が行われると、ステップS15Bにおいて、第1コントローラ10Bは、第1制御部15Bによる制御状態決定を行う。このとき第1制御部15Bは、図14のフローチャートに示す処理を行い、第1コントローラ10Bの制御モードを決定する。
図14は、本発明の第3の実施形態における第1制御部15Bによる制御状態決定のフローチャートである。ステップS151において、第1制御部15Bは、ステップS14のリセット判定の結果に基づき、第2コントローラ20Bがリセットされたか否かを判定する。リセット判定においてステップS143が実行されることで、第2コントローラ20Bがリセットされたとの判定結果が得られた場合は、第1の実施形態と同様にステップS153において、第1コントローラ10Bの動作を継続させて第1モータ33の制御を続けるように、第1コントローラ10Bの制御状態を決定する。その後、第1制御部15Bは図14に示す制御状態決定を終了する。
一方、リセット判定においてステップS149が実行されることで、第2コントローラ20Bがリセットされていないとの判定結果が得られた場合は、処理をステップS157に進める。すなわちこの場合は、第1の実施形態とは異なり、図7のステップS155の判定を実行することなく、ステップ157において、第1コントローラ10Bの動作を停止させて第1モータ33の制御を行わないように、第1コントローラ10Bの制御状態を決定する。その後、第1制御部15Bは図14に示す制御状態決定を終了する。
第1制御部15Bは、以上説明したような制御状態決定を行うことで、第2コントローラ20Bがリセットされた場合には、第1の実施形態と同様に、第1コントローラ10Bの動作を継続させることができる。一方、第2コントローラ20Bがリセットされていない場合には、第1の実施形態とは異なり、第1コントローラ10Bを停止させて第1制御指令生成部12からの第1制御指令の出力を停止することができる。すなわち、本実施形態では第2コントローラ20Bはフェイルセーフ処理を実行していないため、第1コントローラ10Bがリセットされることでこれらのコントローラ間に通信異常が発生した時でも、第2コントローラ20Bの動作が停止されることはない。したがって、このような場合には第1コントローラ10Bの動作を停止させることで、電動パワーステアリングシステム1002において、システム全体が停止するのを避けつつ、通信異常時に車両のドライバが意図しない制御が行われるのを防止できる。
以上説明した本発明の第3の実施形態によれば、第1制御指令生成部12は、ステップS151およびS157において、第1リセット判定部14により第2コントローラ20Bがリセットされていないと判定された場合に、第1制御指令の出力を停止する。一方、ステップS151およびS153において、第1リセット判定部14により第2コントローラ20Bがリセットされたと判定された場合に、第1制御指令の出力を継続する。このようにしたので、第1コントローラ10Bと第2コントローラ20Bの間で通信異常が検出されたときに、その通信異常の原因に応じて、第1コントローラ10Bによる第1モータ33の制御を継続するか否かを適切に決定することができる。
(変形例)
なお、以上説明した各実施形態において、ネットワーク30に接続されて相互に通信を行うコントローラの数は2つに限らず、3つ以上であってもよい。その場合、たとえばコントローラの数をN個とすると、第1の実施形態におけるリセット判定領域D1には、コントローラの数に応じて、正常時のモータ出力トルクの1/N付近の領域を設定することが好ましい。また、第2の実施形態における制限後のモータ出力トルクも、コントローラの数に応じて設定することが好ましい。
また、以上説明した第1および第2の実施形態では、第1コントローラ10、10Aの第1制御部15と第2コントローラ20、20Aの第2制御部25とが、それぞれ図7の制御状態決定を行うことで、これらのコントローラがリセットされていない場合はそれぞれの優先度に応じて一方のコントローラを停止させる例を説明した。しかし、制御システム1、1A内に第1コントローラ10、10Aや第2コントローラ20、20Aとは別の制御回路を設け、この制御回路においてどちらのコントローラを停止させるかを決定するようにしてもよい。
また、以上説明した各実施形態では、電動パワーステアリングシステムにおいて車両のステアリングをアシストまたは制御するための駆動力を発生する第1モータ33および第2モータ43をコントローラの制御対象とした例を説明したが、他のものをコントローラの制御対象としてもよい。たとえば車両の走行モータやブレーキアクチュエータ、車両以外のシステムに搭載される各種アクチュエータなど、複数の系統で冗長化されたシステムにおいて用いられるものであれば、様々なものを制御対象とすることができる。その場合、第1の実施形態で説明したステップS141のリセット条件や、第2の実施形態で説明したステップS141Aの判定条件は、この制御対象に応じて設定されることが好ましい。たとえば、一方の系統が停止したときに検出されるセンサ信号が増加方向に変化する場合は、当該センサ信号の変化量すなわち増加量が所定の閾値を超えることや、所定の判定時間内で当該センサ信号が単調増加することをリセット条件として、これらのリセット条件を満たすか否かによりステップS141の判定を行う。その結果、これらのリセット条件を満たしたときに、一方のコントローラにおいて他方のコントローラがリセットされたと判定することができる。
なお、以上説明した各実施形態および変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1,1A,1B:制御システム
10,10A,10B:第1コントローラ
11:第1通信部
12,12A:第1制御指令生成部
13:第1通信異常判定部
14,14A:第1リセット判定部
15,15B:第1制御部
20,20A,20B:第2コントローラ
21:第2通信部
22,22A:第2制御指令生成部
23:第2通信異常判定部
24,24A:第2リセット判定部
25:第2制御部
30:ネットワーク
31:第1インバータ
33:第1モータ
35:第1トルクセンサ
37:第1モータ回転角センサ
41:第2インバータ
43:第2モータ
45:第2トルクセンサ
47:第2モータ回転角センサ
1000,1001,1002:電動パワーステアリングシステム

Claims (10)

  1. 第一の制御対象を制御するための制御指令を生成して出力する制御指令生成部と、
    第二の制御対象を制御する他の電子制御装置と通信を行う通信部と、
    前記通信部による前記他の電子制御装置との通信が異常であるか否かを判定する通信異常判定部と、
    前記通信異常判定部により前記他の電子制御装置との通信が異常であると判定された場合に、前記第二の制御対象の状態に関するセンサ信号の変化に基づいて、前記他の電子制御装置がリセットされたか否かを判定するリセット判定部と、を備える電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記リセット判定部は、前記センサ信号が変化して所定のリセット判定領域内となったときに、前記他の電子制御装置がリセットされたと判定する電子制御装置。
  3. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記リセット判定部は、所定の単位時間当たりの前記センサ信号の変化量が所定の閾値を超えたときに、前記他の電子制御装置がリセットされたと判定する電子制御装置。
  4. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記リセット判定部は、所定の判定時間内で前記センサ信号が単調増加または単調減少したときに、前記他の電子制御装置がリセットされたと判定する電子制御装置。
  5. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記制御指令生成部は、前記リセット判定部により前記他の電子制御装置がリセットされていないと判定された場合に、前記制御指令の出力を停止する電子制御装置。
  6. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記制御指令生成部は、前記リセット判定部により前記他の電子制御装置がリセットされたと判定された場合に、前記制御指令の出力を継続する電子制御装置。
  7. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記制御指令生成部は、前記通信異常判定部により前記他の電子制御装置との通信が異常であると判定された場合に、前記制御指令における前記第一の制御対象の制御量を制限する電子制御装置。
  8. 請求項7に記載の電子制御装置において、
    前記リセット判定部は、前記センサ信号の変化量が制限後の前記制御量に合致するときに、前記他の電子制御装置がリセットされていないと判定する電子制御装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の電子制御装置および他の電子制御装置を備え、
    前記他の電子制御装置は、前記電子制御装置との通信が異常である場合に、前記電子制御装置がリセットされたか否かを判定する第二のリセット判定部を有しており、
    前記他の電子制御装置がリセットされていないと前記リセット判定部が判定し、かつ前記電子制御装置がリセットされていないと前記第二のリセット判定部が判定した場合に、前記電子制御装置と前記他の電子制御装置のそれぞれに対して予め設定された優先度に基づいて、前記電子制御装置による前記第一の制御対象の制御または前記他の電子制御装置による前記第二の制御対象の制御のいずれか一方を停止させる制御システム。
  10. 相互に通信を行う第一の電子制御装置および第二の電子制御装置を有する制御システムにおけるリセット判定方法であって、
    前記第一の電子制御装置により、前記第二の電子制御装置との通信が異常であるか否かを判定し、
    前記第二の電子制御装置との通信が異常であると判定された場合に、前記第一の電子制御装置により、前記第二の電子制御装置の制御対象の状態に関するセンサ信号の変化に基づいて、前記第二の電子制御装置がリセットされたか否かを判定するリセット判定方法。
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